JP2010110786A - 幅圧下プレスの座屈防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】幅プレス装置による熱間スラブの幅圧下(幅圧下プレス)において、熱間スラブの座屈を防止して安定的に幅圧下を可能とする幅圧下プレスの座屈防止方法を提供する。
【解決手段】熱間スラブ2を幅プレス装置(金型1a、1b)にて間欠的に幅圧下するに際して、熱間スラブ2の板幅中心近辺に配置した上下の座屈拘束ロール3、4間のGap設定値Gを、初期スラブ厚みHに幅圧下にて生ずる増肉量ΔHを加えた値(H+ΔH)以上とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、幅プレス装置による熱間スラブの幅圧下(幅圧下プレス)において、熱間スラブの座屈を防止して安定的に幅圧下を可能とする幅圧下プレスの座屈防止方法に関するものである。
熱間スラブの幅変更手段として、連続鋳造プロセスにて製造されたスラブを温度が低下しないうちに、あるいは一旦温度が低下した後に加熱炉に投入して所定の温度まで加熱した状態にて、該熱間スラブの板幅方向に相対峙して設置された1対の金型にて熱間スラブを板幅方向に間欠的に圧下する幅プレス装置が用いられている。本幅プレス装置による幅圧下(幅圧下プレス)では、通常、900〜2000mm程度の幅の熱間スラブに対して最大300〜350mm程度の幅圧下が行われており、連続鋳造にて同一幅に鋳造されたスラブより異なる幅の鋼板製品の製造を可能としている。これにより、連続鋳造プロセスでの幅変更回数の低減、熱間圧延プロセスでのスケジュールフリー圧延の拡大、コイル単重の増大など、鋼板製造プロセスの生産性向上や合理化に大きく寄与しており、そのメリットは板幅プレス装置による幅圧下能力が大きいほど拡大する。
しかしながら、薄板製造に供される熱間スラブの形状は、厚みに対する幅の比が3〜10程度と大きいことから、特に幅圧下量が250mm程度以上の条件では、幅圧下による塑性不安定状態、すなわち上方向あるいは下方向への座屈現象が生じやすくなる。座屈現象は、不均一性に由来する極僅かな不釣合いによって生じた僅かな曲げ応力が系を不安定状態に導いてしまう現象であり、初期スラブ形状やスラブ温度の非対称性、あるいは金型形状や幅圧下動作の非対称等、何らかの初期不整が存在する場合に顕在化しやすい。そして、スラブ圧下中に一旦座屈が生じてしまうと、そこから尾端にかけて座屈量が拡大し、特に自由端となる最尾端部では大きく発散して折れ曲がり高さが数百mmもの大座屈形状となることもある。このような場合、引き続き行われる熱間圧延において、座屈部がデスケーリング装置等の設備に衝突して破損したり、圧延での噛み込み不良などを引き起こす原因となる。このことから、幅圧下プレスでスラブに大座屈が生じた場合には、圧延作業を中止し、クレーンにてそのままライン外に払い出して冷却処理する等の処置がなされており、熱間圧延ラインの生産性を落とす1要因となっている。また、座屈高さが圧延可能な範囲であったとしても、座屈部は幅圧下による変形が上凸形状、あるいは下凸形状の変形となってしまっていることから、所定の幅圧下変形量が確保できていないことになる。このことから、座屈部分は水平圧延にて板幅方向に大きく幅戻りする方向に変形し、座屈部と定常幅圧下部との幅戻り量の違いによって長手方向に大きな板幅変動を生じることとなる。そして、座屈現象は幅圧下量が大きい条件ほど発生しやすいことから、実操業では幅圧下量を規制した運用がなされており、幅圧下プレスでの座屈トラブルは生産性、歩留まりの観点から大きな問題となっている。
一般的に、幅プレス装置にはこの座屈の発生を抑止する目的にて上下1対あるいは複数対の座屈拘束ロールが具備されているものの、座屈を抑制するために過大な押さえ力を負荷した場合にはスラブ表面にロールが食い込んでロールエッジ部近辺に表面欠陥が発生する、あるいは座屈拘束ロールに押さえ力を与えている油圧シリンダー等の設備保護の点から、座屈が拡大して過大な押さえ力が加わった場合には油圧を解放する処置等がなされており、確実に座屈を拘束することは困難となっている。
以上のように、幅圧下プレス時の座屈トラブルは大きな経済的損失を発生させることから、従来より様々な提案がなされている。
例えば、座屈と押さえロールによる表面凹みの両者の発生を防止する条件として、押さえロールに加える力を幅圧下力の約10%とすること(例えば特許文献1)や押さえロールに加える力を幅圧下量によって調整すること(例えば特許文献2)等、押さえ力の適正化による座屈拘束技術が提案されている。
また、スラブの先端部、定常部、尾端部において押さえロール位置をライン方向に変更する技術が提案されている(例えば特許文献3、4)。
また、スラブを故意に上方向、あるいは下方向に曲げるように金型や座屈拘束ロールを設定する技術が提案されている(例えば特許文献5)。
特開昭64−2707号公報 特開昭62−101336号公報 特開昭62−101335号公報 特開平9−327707号公報 特開昭62−81201号公報
しかしながら、前記した座屈防止に関する従来技術(特許文献1〜5)では、各々に問題点を有し、確実に座屈を防止することができない。
例えば、特許文献1に開示されている技術では、座屈拘束荷重設定の適正化を図っているもののその設定位置については何ら言及されておらず、なおかつその実施例に示されているように、上下の座屈拘束ロールに同じ荷重を加えていることから、座屈が発生した場合にはその抑制効果がほとんど得られないものである。つまり、上下いずれの座屈が発生した場合においても、上下の押さえ力がバランスしていることから、座屈を押さえるために必要な拘束荷重が発生し得ないためである。また、特許文献2に開示されている技術では、その実施例に示されているように圧下装置からの信号に基づいて必要な押さえ力を計算して押さえロールの制御を行うこととなっているが、この場合、何らかの手段によって圧下中の座屈発生挙動をモニターし、その座屈方向と座屈量に応じて上下の押さえロールの押さえ力を個別に制御しない限りは、特許文献1と同様に上下の押さえ力がバランスしてしまうことから、座屈抑制効果は期待できないものである。
特許文献3あるいは4に開示されている技術では、スラブ先端部、定常部、尾端部にて金型による圧下荷重の作用重心位置と押さえロール位置を一致させることにより効果的な座屈抑制作用が得られるとしているが、この技術においても押さえロールの上下位置の設定については何ら言及されておらず、根本的な問題を有していた。
特許文献5に開示されている技術では、金型を圧下方向に傾斜させることにより強制的にスラブを曲げているが、本発明者等の知見では、金型の傾斜角に僅かなズレがあった場合には幅圧下によりスラブが捩れやすいという問題がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、幅プレス装置による熱間スラブの幅圧下(幅圧下プレス)において、熱間スラブの座屈を防止して安定的に幅圧下を可能とする幅圧下プレスの座屈防止方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明者等は幅圧下プレスにおけるスラブ座屈の発生挙動について鋭意検討を重ねた結果、上方向あるいは下方向へのスラブ座屈現象を完全に抑止し、かつスラブ表面に座屈拘束ロールによる押疵が発生することを防止するためには、幅圧下プレス条件に応じて上下の座屈拘束ロール間のギャップ(Gap)の設定と座屈拘束力を適正化することが重要であり、従来技術のごとく、絶えず上下方向からスラブを狭持すること自体が、座屈の発散を助長している一因となっていることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づきなされたものであり、以下のような特徴を有している。
[1]熱間スラブを幅プレス装置にて間欠的に幅圧下するに際して、熱間スラブの板幅中心近辺の上下方向に配置した1対あるいは複数対の座屈拘束ロールにて熱間スラブの座屈を防止する幅圧下プレスの座屈防止方法において、上下の座屈拘束ロール間のGap設定値を、初期スラブ厚みに幅圧下にて生ずる増肉量を加えた値以上とすることを特徴とする幅圧下プレスの座屈防止方法。
[2]幅圧下中の上下の座屈拘束ロール間の距離が初期Gap設定値以下とならないようにする機構を設けることを特徴とする前記[1]に記載の幅圧下プレスの座屈防止方法。
[3]幅圧下にて生ずる増肉量を、鋼種、スラブ厚、スラブ幅、幅圧下量から算出することを特徴とする前記[1]または[2]に記載の幅圧下プレスの座屈防止方法。
[4]上下の座屈拘束ロールに負荷する力を、鋼種、スラブ厚み、スラブ幅、幅圧下量、許容座屈量から算出することを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の幅圧下プレスの座屈防止方法。
本発明により、幅プレス装置による熱間スラブの幅圧下(幅圧下プレス)において、熱間スラブの座屈を防止して安定的な幅圧下が可能となった。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明者らは、熱間スラブの座屈防止技術を確立する上で、座屈拘束ロールにて座屈現象を抑制するために必要な最適拘束力について鋭意検討を実施し、図3に示すごとく、上下の座屈拘束ロール3、4によってスラブ2を拘束しながら左右の金型1a、1bによって幅圧下を行った際に、スラブ2の座屈発生時の力の釣り合いを簡易にモデル化し、下記の(1)式の関係を導いた。
Figure 2010110786
(1)式にて、Fは座屈拘束荷重、Pxは幅圧下荷重、Z*は許容座屈量、Wはスラブ幅、ΔWは幅圧下量である。実際の座屈形状は、スラブの板幅中心を最大変位とする放物線上、あるいは円弧状に近い形状であるが、図3では座屈形状を簡易な1段の折れ曲がり形状として近似しているために上方向力を過大評価しており、これを補正するために係数βを乗じている。本発明者等の検討では、係数βに0.5程度を使用すると、実験、FEM解析等の結果とよく一致するものである。また、(1)式では、座屈拘束荷重Fは幅圧下荷重Pxに係数αを乗じることにより算出可能であることを示しており、従来技術(例えば特許文献1)での知見と同一である。ちなみに、本発明者らの検討によるとαは0.05〜0.10程度が適正と考えられる。(1)式中の係数αは、同一の幅圧下条件では許容座屈量Z*によって決定されるものであり、(1)式によるとスラブ形状に非対称性が存在しない場合には座屈許容量Z*が小さいほど必要な座屈拘束荷重Fは小さくなり、極論すれば座屈拘束荷重Fは0でよいこととなる。しかしながら、実際にはスラブヤードでの上下不均一冷却等によりスラブのC反りが発生していることもあり、実際の操業でのC反り量調査や、拘束ロール3、4の押し付けにより表面疵を発生させないための拘束荷重条件の調査等を実施して、調整量である座屈許容量Z*を設定すればよい。
さて、(1)式にて必要な座屈拘束荷重Fが算出可能となったが、本発明者等は座屈拘束のために最適な上下拘束ロールの使用方法について鋭意検討を重ねた結果、従来技術での問題点が明らかとなった。以下、2、3の例をもとに、その問題点について説明する。
図4は従来技術の一例であり、上下の座屈拘束ロール3、4が上下方向に可動であり、かつ座屈拘束力が上下同一の場合である(上座屈拘束ロール3の座屈拘束力P=下座屈拘束ロール4の座屈拘束力P)。この場合、(1)式にて座屈拘束荷重Fを設定しても上下の座屈拘束ロール3、4に同じ荷重(P=P)を加えていることから、例えば図4に示したごとく上方向の座屈が発生した場合、上下の押さえ力P、Pがバランスして座屈を押さえるための拘束荷重が全く発生し得ず、図7に示すごとく座屈はスラブ尾端に向けて拡大の一途をたどってしまう。また、座屈拘束荷重Fを過大に設定した場合、図8に示すごとく上下拘束ロール3、4がスラブ2に大きく食い込み、最終製品の表面疵となりやすい。
また、図5、6は別の例であり、下拘束ロール4の可動方向を下方向のみとし、下拘束ロール4の荷重を上座屈拘束ロール3の荷重より大きく設定している場合である(上座屈拘束ロール3の座屈拘束力P<下座屈拘束ロール4の座屈拘束力P)。通常、座屈拘束荷重は油圧シリンダー圧力にて設定されており、設備保護の観点から下拘束ロール4に過大な力が加わった場合には油圧がリリーフされて下降し、座屈力が設定拘束荷重Pより小さくなった場合に下拘束ロール4が設定位置まで上昇する。図5は、上拘束ロール4の設定力が座屈力に負けて上座屈が拡大する場合であり、この場合の力の関係は下記の(2)式で表される。
Figure 2010110786
対策として、上拘束ロール力Pを大きくすることにより上座屈抑制効果は大きくなるが、上拘束ロール3の押し込みにより図8に示すようなスラブ強圧状態となって表面疵の発生が懸念されることから、通常、上拘束ロールの力Pは経験上の必要最小限の力設定を行っている。このようなことから、上座屈拘束作用は限られたものとなり、完全な上座屈の防止は困難であった。
また、図6は同座屈拘束方法にて下座屈が拡大する場合の力の関係を示した図であり、この場合の力の関係は下記の(3)式で表される。
Figure 2010110786
この場合、上拘束ロール力Pは下座屈を助長する方向の力となってしまうことから、(3)式に示したごとく下拘束ロール力Pと上拘束ロール力Pの力差のみが座屈拘束に有効な力となる。対策として、上拘束ロール力Pを小さくすることにより下座屈抑制効果は大きくなるが、同時に上座屈に対する拘束作用が弱まることになる。このように、上拘束ロール力Pに対しては、上座屈と下座屈の対策として相反する設定が必要となることから、両者に有効な上拘束ロール力Pの決定は非常に困難であり、完全な座屈の防止は困難な状況であった。
本発明者等は、上記の考察をもとに上方向、下方向のいずれの座屈にも効果を有し、かつ座屈拘束ロールの過度なスラブ表面への食い込みを防止する方法について鋭意検討を重ねた結果、上拘束ロール力Pと下拘束ロール力Pが干渉しないような構成とし、かつ各々の拘束ロール3、4には座屈拘束のための十分な力を設定することが有効であることを見出した。具体的には、図1、図2に示すごとく、上拘束ロール3は設定位置より上方向の範囲のみが可動範囲、下拘束ロール4は設定位置より下方向の範囲のみを可動範囲とし、下記の(4)式のように両者間の設定ギャップGは幅圧下によるスラブ増肉後の板幅中心厚みよりも大きく設定することである。
Figure 2010110786
(4)式にて、Hは幅圧下前のスラブ厚み、ΔHは幅圧下によるスラブ幅中心での増肉量、δはギャップ余裕代である。この際、幅圧下による板厚増肉量を精度よく予測することが重要となるが、幅圧下による板厚増肉量ΔHは、スラブの鋼種、スラブ温度、スラブ寸法(スラブ幅W、スラブ厚H)、幅圧下量ΔW、そしてスラブ最先端部では金型平行部の接触長さ等にも依存するため、予め実験や数値計算にてこれらのパラメータによる板厚増肉量ΔHへの影響を調査して定式化しておけばよい。また、ギャップ余裕代δを適切に設定することにより、理想的には座屈拘束ロール3、4とスラブ2が強接触しない状況とすることが可能であることから、座屈拘束ロール3、4との接触による表面疵の発生が大きく低減されるものである。
本発明では上下の座屈拘束ロール3、4の可動範囲を、初期設定位置より各々スラブ2から離反する方向の範囲としており、座屈拘束ロール3、4をスラブ2に積極的に押し込まないことを基本思想としている。つまり、上下いずれかの座屈が生じ始めると、上下のいずれか一方の拘束ロールのみと接触することになり、上下の拘束ロールの力(PとP)が干渉することがない。極論すれば、上下の座屈拘束ロール3、4の上下方向の動きを固定しておけば、いずれの方向にも座屈は進展しないはずである。しかしながら、設備保護の観点から座屈拘束ロール3、4に負荷している油圧をリリーフする機構は重要であることから、上下拘束ロール3、4に負荷する力P、Pは、例えば(1)式をもとに、鋼種、スラブ厚H、スラブ幅W、幅圧下量ΔW、許容座屈量Z*から算出し、座屈拘束ロール3、4の自重を考慮して上下の拘束力がほぼ同じ程度(P≒P)になるように設定しておけばよい。(1)式によると、必要な座屈拘束荷重Fは許容座屈量Z*が小さいほど小さい値で済むことから、座屈拘束ロール3、4に負荷する荷重を一定とすると、ギャップ余裕代δは小さいほど座屈拘束効果が大きく、かつスラブ2と座屈拘束ロール3、4との強接触も防止可能である。理想的には、(1)式の関係から幅圧下後の増厚状態にて上下拘束ロール3、4が軽くスラブ2に接触する程度に設定しておく、すなわちδ=0とすることにより座屈拘束力はほぼ0でよいこととなるが、初期スラブのC反り形状等のほか、初期スラブ幅の誤差等による増肉量の予測誤差などを考慮して、ギャップ余裕代δを設定すればよい。
以下、本発明の実施例を述べる。
この実施例においては、粗圧延ラインの前方に幅プレス装置を有する熱間圧延工場において、表1に示すような各ケース(本発明例1〜4、比較例1〜3)にて、それぞれスラブ約1000本前後の圧延を実施し、座屈が発生して冷却処理されたスラブ本数、そして冷却処理まではされなかったものの、オペレータの目視判定にて軽度〜中程度の座屈形状が発生したと判定されたスラブ本数を総合し、全圧延本数に対する座屈発生割合として整理した。また、仕上圧延後の冷却テーブル内に設置している表面欠陥計にて、表裏面のいずれかの板幅中心部近辺の座屈拘束ロール接触部領域にすり疵欠陥が認められた本数の割合も評価した。なお、各ケースでの結果を公平に判断できるように、鋼種、スラブ幅、幅圧下量の割合がほぼ同じようなサイクルを選択して試験を実施した。また、各ケースにて、幅圧下量は必要に応じて最大350mmまで実施した。
その結果、表1に示すように、比較例である従来技術では、座屈拘束力を高めても座屈抑制効果はほとんど見られず、かつ表面欠陥の発生率が高まる結果となっているのに対し、本発明例では、比較例(従来技術)に比べて、座屈抑制効果、表面欠陥抑制効果は明白であり、特に本発明例4に示したように、座屈拘束ロールに十分な力を負荷し、かつGap余裕代δを適切に設定することによって座屈、表面欠陥を完全に防止できることが確認できた。
なお、従来、座屈トラブル防止のために最大幅圧下量を300mmに規制していたが、本発明の適用により350mm以上まで拡大しても安定的な幅圧下が可能となった。
Figure 2010110786
本発明による座屈拘束ロールの可動範囲とGap設定を示す、幅圧下開始前の状態を示す図である。 本発明による座屈拘束ロールの可動範囲とGap設定を示す、幅圧下下死点での状態を示す図である。 座屈発生時の力の釣り合いの簡易的な考え方を示す図である。 従来の設定による上座屈の発生状況例を示す図である。 従来の設定による、別の上座屈の発生状況例を示す図である。 従来の設定による下座屈の発生状況例を示す図である。 上座屈の発生形態例を示す図である。 上下拘束ロールがスラブに食い込んでいる状況例を示す図である。
符号の説明
1a 金型
1b 金型
2 スラブ
3 上座屈拘束ロール
4 下座屈拘束ロール

Claims (4)

  1. 熱間スラブを幅プレス装置にて間欠的に幅圧下するに際して、熱間スラブの板幅中心近辺の上下方向に配置した1対あるいは複数対の座屈拘束ロールにて熱間スラブの座屈を防止する幅圧下プレスの座屈防止方法において、上下の座屈拘束ロール間のGap設定値を、初期スラブ厚みに幅圧下にて生ずる増肉量を加えた値以上とすることを特徴とする幅圧下プレスの座屈防止方法。
  2. 幅圧下中の上下の座屈拘束ロール間の距離が初期Gap設定値以下とならないようにする機構を設けることを特徴とする請求項1に記載の幅圧下プレスの座屈防止方法。
  3. 幅圧下にて生ずる増肉量を、鋼種、スラブ厚、スラブ幅、幅圧下量から算出することを特徴とする請求項1または2に記載の幅圧下プレスの座屈防止方法。
  4. 上下の座屈拘束ロールに負荷する力を、鋼種、スラブ厚み、スラブ幅、幅圧下量、許容座屈量から算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の幅圧下プレスの座屈防止方法。
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