JP2010110766A - 鋼の連続鋳造装置及び鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造装置及び鋼の連続鋳造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010110766A
JP2010110766A JP2008282982A JP2008282982A JP2010110766A JP 2010110766 A JP2010110766 A JP 2010110766A JP 2008282982 A JP2008282982 A JP 2008282982A JP 2008282982 A JP2008282982 A JP 2008282982A JP 2010110766 A JP2010110766 A JP 2010110766A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
molten steel
electromagnetic
long side
continuous casting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008282982A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiko Fuji
健彦 藤
Kenji Umetsu
健司 梅津
Yasuo Osugi
保郎 大杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2008282982A priority Critical patent/JP2010110766A/ja
Publication of JP2010110766A publication Critical patent/JP2010110766A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

【課題】連続鋳造される鋳片の表面性状を改善するとともに、鋳片に含まれる気泡や介在物を減少させる。
【解決手段】連続鋳造装置1は、一対の長辺壁と一対の短辺壁を備えた鋳型2と、鋳型3内に溶鋼3を吐出する浸漬ノズル4と、一対の長辺壁に沿って配置され、鋳型2内の溶鋼3を攪拌する電磁攪拌装置5を有している。電磁攪拌装置5は、溶鋼3のメニスカス10位置において、溶鋼3に作用する電磁力24が鋳型の内側向きになり、且つ鋳型2の長辺壁の表面において上向きの攪拌流を形成するように配置されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、鋳型内に溶鋼を供給して鋳片を製造する鋼の連続鋳造装置及び鋼の連続鋳造方法に関する。
鋼の連続鋳造において、鋳造された鋳片の表面性状の改善や、鋳片の表層及び内部に残存する気泡や介在物を減少させて鋳片の品質を向上させることを目的として、従来から様々な電磁力を用いた鋳型内流動制御方法が提案されている。
鋳片の表面性状を改善する方法としては、図6に示すように、例えば鋳型100を周回するように電磁鋳造コイル101を配置し、電磁鋳造コイル101に交流電流を通電することで、浸漬ノズル102から鋳型内に吐出された溶鋼103に交流磁場104を形成する、いわゆる電磁鋳造が行われている。このような電磁鋳造においては、この交流磁場104と、交流磁場104により鋳型100内の溶鋼103に誘起される誘導電流105の相互作用によって、鋳型100の中心方向、すなわち鋳型100の側面から溶鋼103を引き離す力、いわゆる電磁ピンチ力106が作用する。そして、この電磁ピンチ力106によって、鋳型100と凝固シェル107の間に隙間が形成される。これにより、溶鋼103のメニスカス108上に粉状で供給されたパウダー109が、鋳型100と凝固シェル107の間に流れ込みやすくなり、鋳片の表面疵を減少させることで鋳片の表面性状を改善することができる(特許文献1)。
また、鋳片内部への介在物や気泡を減少させる方法としては、鋳型200内に、図7に示すよう電磁攪拌用コイル201を対向して配置することで、溶鋼202を攪拌する、いわゆる電磁攪拌が行われている。電磁攪拌用コイル201はメニスカスの高さに配置されており、メニスカス近傍の溶鋼202に、鋳型200内を旋回する攪拌流203を形成する。この攪拌流203により、浸漬ノズル204を介して溶鋼202内に持ち込まれた気泡205や介在物206が、凝固シェルで捕捉され鋳片内部に残存することを抑制することができる(特許文献2)。
特開平11−188460号公報 特開2000−271710号公報
前記したように、特許文献1及び特許文献2には、鋳造された鋳片の表面性状の改善、及び鋳片の表層や内部に残存する気泡や介在物を減少させる方法がそれぞれ開示されているが、鋳片の表面性状の改善と、鋳片に残存する気泡や介在物の減少を同時に達成する方法は開示されていない。例えば、特許文献2に開示された電磁攪拌では、図6に示すような電磁ピンチ力106は発生しない。したがって特許文献2の電磁攪拌では、電磁鋳造のように凝固シェル107と鋳型100の間にパウダー109の流入を促進させて、鋳片の表面性状を改善することはできない。
また、特許文献1に記載された電磁鋳造においては、電磁ピンチ力106により、電磁コイル101の高さ方向の中心位置を対称に、上方向と下方向に旋回する攪拌流110が生ずる。このため、電磁鋳造においては、攪拌流110により溶鋼103内の介在物が凝固シェル107に捕捉されるのを抑制する効果が期待されるが、実際には電磁鋳造では、鋳片内部への介在物や気泡を必ずしも充分に減少させることができなかった。これについて発明者らが調べたところ、凝固シェル107の表面近傍であって、電磁コイル101の高さ方向の中心の位置では、攪拌流110の下方向の流れと上方向の流れが干渉し、溶鋼103の流速が低下する低流速ゾーン111が発生することが分かった。このため、低流速ゾーン111において気泡や介在物が滞留し、鋳片の表層あるいは内部に残存することが懸念された。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、連続鋳造される鋳片の表面性状を改善するとともに、鋳片に含まれる気泡や介在物を減少させることを目的とする。
前記の目的を達成するための本発明は、鋼の連続鋳造装置であって、一対の長辺壁と一対の短辺壁を備えた鋳型と、前記鋳型内に溶鋼を吐出する浸漬ノズルと、
前記一対の長辺壁に沿って配置され、前記鋳型内の溶鋼を攪拌する電磁攪拌装置と、を有し、前記電磁攪拌装置は、前記溶鋼のメニスカス位置において、前記溶鋼に作用する電磁力が鋳型の内側向きに作用し、且つ前記鋳型の長辺壁の表面において上向きに攪拌流を形成するように配置されていることを特徴としている。
本発明によれば、電磁攪拌装置が溶鋼のメニスカス位置において、溶鋼に作用する電磁力が鋳型の内側向きに作用するように配置されている。このため、メニスカス近傍の溶鋼に、溶鋼を鋳型の表面から引き離す力、すなわち電磁ピンチ力を作用させることができる。このため、鋳型と凝固シェルの間に隙間を形成し、溶鋼のメニスカス上に粉状で供給されたパウダーが、鋳型と凝固シェルの間に流れ込みやすくなる。これにより、鋳片の表面疵を減少させ、鋳片の表面性状を改善することができる。また、電磁攪拌装置は、攪拌流が鋳型の長辺壁の表面において上向きに形成されるように配置されているため、攪拌流により凝固シェル表面のArガス気泡や介在物を浮上させ、Arガス気泡や介在物をメニスカス上部のパウダーにより除去することができる。
別な観点による本発明は、一対の長辺壁と一対の短辺壁を備えた鋳型内に、浸漬ノズルにより溶鋼を吐出して鋼を連続鋳造する方法において、前記一対の長辺壁に沿って配置された電磁攪拌装置に交流電流を通電し、鋳型高さ方向の上向きに進行する進行波磁場を前記鋳型内に形成し、前記鋳型内の溶鋼のメニスカス位置においては、前記進行波磁場により前記鋳型内の溶鋼に作用する電磁力を、鋳型内側向きに作用させ、前記鋳型の長辺壁の表面においては、溶鋼を上向きに攪拌する攪拌流を形成することを特徴としている。
本発明によれば、連続鋳造される鋳片の表面性状を改善するとともに、鋳片に含まれる介在物や気泡を減少させることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態にかかる鋼の連続鋳造装置1の鋳型の構成を示す平面図であり、図2は連続鋳造装置1の鋳型の短辺壁側から見た構成を示す縦断面図である。
連続鋳造設備1は、図1に示すように、鋳型2と、溶鋼3を供給する浸漬ノズル4と、一対の電磁攪拌装置5を有している。鋳型2は、上方から見て、例えば鋳型2の短辺壁2aが、長辺壁2bの鋳型幅方向(図1のX方向)の内側に、鋳型厚み方向(図1のY方向)に平行に配置され、この短辺壁2aと長辺壁2bに囲まれた部分、すなわち鋳型2の内側が長方形となるように形成されている。鋳型2の短辺壁2aは、図1に示すように内側に設けられた短辺銅板6aと外側に設けられた短辺バックプレート7aから構成されている。また、長辺壁2bは、内側に設けられた長辺銅板6bと外側に設けられた長辺バックプレート7bから構成されている。一対の電磁攪拌装置5は、長辺バックプレート7b内に対向して埋設されている。
鋳型2内の溶鋼3のメニスカス10上には、図2に示すように、潤滑剤として例えば溶融酸化物を有するパウダー11が供給されている。鋳型2の長辺銅板6bの表面には、溶鋼が冷却されて凝固した凝固シェル12が形成されている。
浸漬ノズル4は、図2に示すように鋳型2の上部に設けられ、その下部が鋳型2内の溶鋼3に浸漬している。溶鋼3は、浸漬ノズル4の上部に設けられた、図示しないタンディッシュから浸漬ノズル4を介して鋳型2内に供給される。浸漬ノズル4の下側近傍には、鋳型2内へ斜め下向きに溶鋼3を吐出する吐出孔14が2箇所に形成されている。吐出孔14は鋳型2の短辺壁2aと対向する向きに形成されている。吐出孔14から吐出される吐出流15には、浸漬ノズル4内を洗浄してノズル閉塞を防止するために吹き込まれる、非酸化性ガスのArガス気泡16や例えばアルミナやスラグ系の介在物17が含まれている。
電磁攪拌装置5は,図3に示すように、鋳型高さ方向(図3のZ方向)に間隔を設けて配置された複数の電磁コイル20を有する、いわゆるリニアモーター構成を有している。本実施の形態では、各電磁コイル20は、例えば3相2極の回転磁界を発生するコイルを直線上に並べたものを用いており、図示の都合上、6つの電磁コイル20を描図している。なお電磁コイルは3相3極や、3相4極、或いはその他の極数のものを用いても良い。電磁攪拌装置5の幅dは、図1に示すように、短辺銅板6a、6a間の長さよりも長く、高さhは、その上端が溶鋼3のメニスカス10よりも上方になり、その下端が浸漬ノズル4の後述する吐出孔14の高さと同じになるように形成されている。高さhの下端は、鋳型下端から浸漬ノズル吐出孔までの任意の位置に設定することができるが、吐出孔14の高さと同じになるように形成されていることが好ましい。また、各電磁コイル20間の鋳型高さ方向の間隔は、均等でなくてもよいが、通常はほぼ均等になるように配置される。電磁コイル20は、上から順に巻線−U、巻線+W、巻線−V、巻線+U、巻線−W、巻線+Vの順に配列されており、それぞれ図示しない交流電源に結線されている。
次に、電磁攪拌装置5の発生する磁場により溶鋼3に作用する電磁力について説明する。電磁攪拌装置5は、たとえば3相の交流電源により電磁コイル20に交流電流を供給することによって、電磁コイル20と電磁コイル20との間に磁極が形成される。そして、この磁極が交流電流により移動することで、図4に示すように、鋳型2内に進行波磁場22を発生させることができる。なお、図4は電磁コイル20の巻線−Uの上側と巻線+Vの下側にN極、巻線+Uと巻線−Vとの間にS極の磁極が形成された状態を示している。進行波磁場22の進行方向Hは、鋳片の鋳造方向(鋳片の進行方向)と反対の向き、すなわち鋳型2の長辺銅板6bに平行で且つ鋳型高さ方向に沿って上向きである。この進行波磁場22は、長辺壁2bに沿った鋳型幅方向に均一な磁束密度を有している。そして、この進行波磁場22が進行方向Hに向かって進行することによって、溶鋼3に鋳型幅方向(具体的には短辺銅板6aに向かう方向)に誘導電流23が発生する。これにより、溶鋼3に流れる誘導電流23には、進行波磁場22の磁力線に直交する方向に電磁力24が作用する。このため、溶鋼3には図4に示すように、長辺銅板6bの表面から凝固シェル12を斜め上方向に引き離す方向に作用する電磁力24aと、鋳型2の長辺銅板6bの表面に凝固シェル12を斜め上方向に押し付ける方向に作用する電磁力24bが発生する。
ここで、電磁攪拌装置5は、上述のとおり上端が溶鋼3のメニスカス10よりも上方になるように配置されている。厳密には、図4に示すように、溶鋼3に働く電磁力24が、メニスカス10近傍において鋳型2の長辺銅板6bの表面から凝固シェル12を斜め上向き、すなわち鋳型高さ方向の上向き且つ鋳型2の内側向きに引き離す方向に作用するように、電磁攪拌装置5の鋳型高さ方向の配置が調整されている。具体的に言えば、メニスカス10の鋳型高さ方向の位置が、進行波磁場22の磁力線に直交する方向に作用する電磁力24のベクトルの向きが鋳型高さ方向の上向き且つ鋳型2の内側向き、すなわち、電磁コイル20により鋳型高さ方向に隣り合って発生する2つの磁極の間に形成される磁力線の接線の傾きが、鋳型高さ方向の上向き且つ鋳型2の外側向きとなる範囲内に入っていることをいう。したがって、メニスカス10近傍において、電磁力24aは、凝固シェル12を鋳型2の内側向きに引き離す、いわゆる電磁ピンチ力として作用する。これにより、図5に示すように、メニスカス10近傍において鋳型2の長辺銅板6bと凝固シェル12の間に隙間が形成され、パウダー11のこの隙間への流入が促進される。なお、電磁攪拌装置5の鋳型高さ方向の配置は、市販の電磁場解析ソフトを用いて、事前に計算により求められている。
また、電磁力24は鋳型2の表面から溶鋼3を斜め上方向に引き離す方向(電磁力24a)と、鋳型2の長辺銅板6bの表面に溶鋼3を斜め上方向に押し付ける方向(電磁力24b)に作用するため、鋳型2内には図5に示すように、凝固シェル12の表面の溶鋼3を上方向に攪拌する攪拌流25が形成される。さらにこの攪拌流25は、メニスカス10近傍においては、鋳型厚み方向の中心に向かい、浸漬ノズル4の近傍では鋳型高さ方向の下向きの流れとなる。
本実施の形態にかかる連続鋳造装置1は以上のように構成されており、次にこの連続鋳造装置1を用いた溶鋼3の連続鋳造方法について説明する。
先ず、浸漬ノズル4内にArガス16を吹き込みながら、浸漬ノズル4の吐出孔14から鋳型2内に溶鋼3を吐出する。溶鋼3は斜め下方に吐出され、吐出孔14から鋳型2の短辺銅板6aに向かって吐出流15が形成される。吐出流15には、Arガス気泡16や介在物17が含まれており、これらのArガス気泡16や介在物17は溶鋼3中に浮遊する。
浸漬ノズル4から溶鋼3を吐出すると同時に、電磁攪拌装置5に3相の交流電源により交流電流を通電し、鋳型2内の溶鋼3に、進行波磁場22を形成する。この進行波磁場22によって、溶鋼3のメニスカス10近傍において、鋳型2の表面から凝固シェル12を引き離す方向に電磁力24aが作用するとともに(電磁ピンチ力)、凝固シェル12表面の溶鋼3を鋳型高さ方向の上向きに攪拌する攪拌流25が形成される。これにより、既述したように溶鋼3のメニスカス10近傍においては、鋳型2の長辺銅板6bと凝固シェル12の間に隙間が形成され、図5に示すようにパウダー11のこの隙間への流入が促進される。そして、凝固シェル12の表面においては、溶鋼3中に浮遊するArガス気泡16や介在物17が上向きの攪拌流25によって、凝固シェル12に捕捉されることなくメニスカス10近傍まで浮上する。次いで、鋳型高さ方向の上向きの攪拌流25によりメニスカス10近傍まで浮上したArガス気泡16や介在物17は、メニスカス10上部のパウダーに取り込まれて除去される。Arガス気泡16や介在物17が除去された溶鋼3は、鋳片として鋳造される。
以上の実施の形態によれば、電磁攪拌装置5が長辺壁2bに沿って配置され、電磁攪拌装置5は、溶鋼3のメニスカス10位置において、溶鋼3に作用する電磁力24が鋳型2の内側向きに作用し、且つ電磁攪拌装置5による攪拌流25が長辺銅板7bの表面において上向きに作用するように配置されている。したがって、上述のようにメニスカス10近傍においては、鋳型2と凝固シェル12の間に隙間を形成し、パウダー11のこの隙間への流入を促進する。そして、凝固シェル12の表面においては、上向きの攪拌流25によりArガス気泡16や介在物17を浮上させ、メニスカス10上部のパウダー11に取り込ませ除去することができる。したがって、鋳片の表面性状を改善することができ且つ、Arガス気泡16や介在物17が鋳片内部に残存するのを抑制することができる。
また、電磁攪拌装置5は、その下端が浸漬ノズル4の吐出孔14の高さと同じになるように配置されている場合、吐出孔14とほぼ同じ高さに位置する凝固シェル12の表面においても、上向きの攪拌流25によりArガス気泡16や介在物17をメニスカス10まで浮上させることができる。このため、広範囲にわたってArガス気泡16や介在物17が凝固シェル12に捕捉されるのを防ぐことができる。
なお、以上の実施の形態では、メニスカス10近傍において電磁力24が鋳型2の表面から溶鋼3を引き離す方向に向かって作用するように、電磁攪拌装置5の鋳型高さ方向の配置を調整したが、電磁攪拌装置5の鋳型高さ方向の配置にあわせて溶鋼3のメニスカス10の鋳型高さ方向の位置を調整して、メニスカス10の位置に電磁ピンチ力が働くようにしてもよい。
以下、本発明の鋼の連続鋳造装置を用いた場合に、鋳片の表面性状を改善する効果、及び溶鋼に含まれるArガス気泡や介在物を除去する効果について説明する。本実施例を行うに際し、鋼の連続鋳造装置として、先に図1〜図3に示した連続鋳造装置1を用いた。
連続鋳造装置1の鋳型2には、幅が1200mm、高さが900mm、厚みが250mmの鋳型を用いた。鋳型2の長辺バックプレート7bには高さが350mm、推力100mmFeの電磁攪拌装置5を、電磁攪拌装置5の上端部がメニスカス10の高さから50mm上方に位置するように配置した。浸漬ノズル4には、外径が150mmで、内径が90mmのノズルを用いた。浸漬ノズル4には、吐出孔14がメニスカス10の高さから300mm下方に2箇所に形成されており、その吐出角度θは、水平面から下向きに35度であり、直径は60mmである。鋳型2の下方には、長さが2.5mの垂直部(図示せず)と曲げ半径が7.5mの曲げ部(図示せず)が上からこの順で設けられている。溶鋼3には低炭アルミキルド鋼を用い、鋳造速度1.5m/分の条件で鋳造を行った。
本実施例では、図1の連続鋳造装置1の他に、従来技術として図6に示すように上端がメニスカス107の高さに配置された電磁鋳造コイル101を用いた場合、及び上端がメニスカスの高さに配置された、図7に示す電磁攪拌コイル201を用いた場合の3通りの条件で実験を行った。図6の電磁鋳造コイルは、高さが150mm、メニスカス108部の盛り上がり高さが15mmFe相当の電磁ピンチ力を発生するものを用いた。図7の電磁攪拌コイル201は、高さが150mm、推力100mmFeのものを用いた。
以上の条件で鋳造を行った結果を表1に示す。表1中、表面粗度指標は、鋳片表面の状態をレーザ変位計により測定し、鋳片表面の変位差の最大値を表面粗度として表し、電磁鋳造コイル101を用いた場合を1として、各条件における鋳片の表面粗度の比率を示している。また、気泡・介在物個数指標は、鋳造された鋳片において、その表面から深さ50mmの表層に含まれる100μm以上の径の気泡と介在物の個数を計測し、電磁攪拌コイル201を用いた場合の個数を1として、各条件における気泡・介在物の個数の比率を示している。気泡・介在物個数指標において、深さ50mm、粒径100μm以上としているのは、鋳片の表面から深さ50mmの表層に含まれる100μm以上の径のAr気泡および介在物が、鋳片の品質に影響することを確認しているためである。
Figure 2010110766
表1に示した結果によれば、本発明の連続鋳造装置1を用いた場合、気泡・介在物個数指標は、電磁攪拌コイル、電磁鋳造コイルを用いた場合と比較して減少することがわかった。また、表面粗度指標は、電磁攪拌コイルを用いた場合と比較して改善し、電磁鋳造コイルを用いた場合とほぼ同等であることが分かった。したがって、本発明の連続鋳造装置を用いて溶鋼を鋳造すると、鋳片の表面性状を改善し、且つ気泡と介在物も同時に除去することができ、鋳片の品質を向上できることが分かった。
本発明は、鋳型内に溶鋼を供給して鋳片を製造する際に有用である。
本実施の形態にかかる連続鋳造装置の鋳型の構成の概略を示す平面図である。 本実施の形態にかかる連続鋳造装置の鋳型の構成の概略を示す縦断面の説明図である。 本実施の形態にかかる連続鋳造装置の鋳型近傍の構成の概略を示す縦断面の説明図である。 電磁攪拌装置を作動させた場合の鋳型内部に働く電磁力を示す説明図である。 電磁攪拌装置を作動させた場合の攪拌流の流れを示した説明図である。 従来の連続鋳造装置の鋳型近傍の構成の概略を示す縦断面の説明図である。 従来の連続鋳造装置の鋳型近傍の構成の概略を示す横断面の説明図である。
符号の説明
1 連続鋳造装置
2 鋳型
2a 短辺壁
2b 長辺壁
3 溶鋼
4 浸漬ノズル
5 電磁攪拌装置
6a 短辺銅板
6b 長辺銅板
7a 短辺バックプレート
7b 長辺バックプレート
10 メニスカス
11 パウダー
12 凝固シェル
14 吐出孔
15 吐出流
16 Arガス気泡
17 介在物
20 電磁コイル
22 進行波磁場
23 誘導電流
24 電磁力
24a 電磁力
24b 電磁力
25 攪拌流

Claims (2)

  1. 鋼の連続鋳造装置であって、
    一対の長辺壁と一対の短辺壁を備えた鋳型と、
    前記鋳型内に溶鋼を吐出する浸漬ノズルと、
    前記一対の長辺壁に沿って配置され、前記鋳型内の溶鋼を攪拌する電磁攪拌装置と、を有し、
    前記電磁攪拌装置は、前記溶鋼のメニスカス位置において、前記溶鋼に作用する電磁力が鋳型内側向きに作用し、且つ前記鋳型の長辺壁の表面において上向きに攪拌流を形成するように配置されていることを特徴とする、鋼の連続鋳造装置。
  2. 一対の長辺壁と一対の短辺壁を備えた鋳型内に、浸漬ノズルにより溶鋼を吐出して鋼を連続鋳造する方法において、
    前記一対の長辺壁に沿って配置された電磁攪拌装置に交流電流を通電し、鋳型高さ方向の上向きに進行する進行波磁場を前記鋳型内に形成し、
    前記鋳型内の溶鋼のメニスカス位置においては、前記進行波磁場により前記鋳型内の溶鋼に作用する電磁力を、鋳型内側向きに作用させ、
    前記鋳型の長辺壁の表面においては、溶鋼を上向きに攪拌する攪拌流を形成することを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。



JP2008282982A 2008-11-04 2008-11-04 鋼の連続鋳造装置及び鋼の連続鋳造方法 Withdrawn JP2010110766A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008282982A JP2010110766A (ja) 2008-11-04 2008-11-04 鋼の連続鋳造装置及び鋼の連続鋳造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008282982A JP2010110766A (ja) 2008-11-04 2008-11-04 鋼の連続鋳造装置及び鋼の連続鋳造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010110766A true JP2010110766A (ja) 2010-05-20

Family

ID=42299758

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008282982A Withdrawn JP2010110766A (ja) 2008-11-04 2008-11-04 鋼の連続鋳造装置及び鋼の連続鋳造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010110766A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013123717A (ja) * 2011-12-13 2013-06-24 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 金属の連続鋳造方法
WO2015083876A1 (ko) * 2013-12-06 2015-06-11 주식회사 포스코 용강 처리 장치 및 용강 처리 방법

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013123717A (ja) * 2011-12-13 2013-06-24 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 金属の連続鋳造方法
WO2015083876A1 (ko) * 2013-12-06 2015-06-11 주식회사 포스코 용강 처리 장치 및 용강 처리 방법
CN105745041A (zh) * 2013-12-06 2016-07-06 株式会社Posco 熔融金属处理设备及熔融金属处理方法
US9927177B2 (en) 2013-12-06 2018-03-27 Posco Molten steel treatment apparatus and molten steel treatment method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4505530B2 (ja) 鋼の連続鋳造用装置
JP5321528B2 (ja) 鋼の連続鋳造用装置
WO2013069121A1 (ja) 鋼の連続鋳造装置
JP4438705B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5014934B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2008183597A (ja) 鋼の連続鋳造方法及び鋼板の製造方法
JP4585504B2 (ja) 溶融金属の連続鋳造方法
JP5040999B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法及び鋳型内溶鋼の流動制御装置
JP2010110766A (ja) 鋼の連続鋳造装置及び鋼の連続鋳造方法
JP4669367B2 (ja) 溶鋼流動制御装置
JP4591456B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP7273303B2 (ja) 連続鋳造方法及び鋳型設備
JP4519600B2 (ja) 電磁攪拌コイル
JP5413277B2 (ja) 鋼鋳片の連続鋳造方法
JP7143731B2 (ja) 連続鋳造方法
JP5045133B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法、及び表面処理鋼板の製造方法
JP2005238276A (ja) 電磁攪拌鋳造装置
JP3937961B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2008173644A (ja) 連続鋳造鋳型用電磁コイル
JP7200722B2 (ja) 湾曲型連続鋳造装置における鋳型内流動制御方法
JP2002120052A (ja) 鋳型内溶鋼流動制御装置ならびに方法
JP7273304B2 (ja) 連続鋳造方法及び鋳型設備
JP6627744B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法及び装置
JP4983320B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法及び装置
JP2011212723A (ja) 鋼鋳片の連続鋳造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20120110