〔参考形態〕
まず、本発明の参考とする参考形態について図1ないし図7に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、図2に示すように、本参考形態に係るネットワークシステム1は、テレビジョン放送およびコンピュータのデスクトップ画面を、テレビジョン放送の受信機およびコンピュータ本体から離れた場所から確認可能なシステムであって、テレビジョン放送を受信する受信機本体2と、例えば、パーソナルコンピュータなどからなるコンピュータ3と、無線伝送経路を介して、両装置2・3と通信可能なディスプレイ端末(表示装置)4とを備えている。
なお、両装置2・3とディスプレイ端末4とが互いに通信できれば、例えば、両装置2・3が有線のローカルエリアネットワーク(LAN)によって互いに接続され、当該LANに接続された無線ルータを介して、両装置2・3がディスプレイ端末4と通信してもよいが、以下では、一例として、両装置2・3が、それぞれ無線通信機能を有しており、例えば、IEEE(米国電気電子技術者協会)802.11bなど、予め定められた規格に従って、両装置2・3がディスプレイ端末4と直接通信できる場合について説明する。
上記受信機本体2は、所望のチャンネルのテレビジョン放送を、例えば、アンテナなどによって受信すると共に、当該テレビジョン放送を、予め定められた映像フォーマット(例えば、MPEG(Moving Picture Expert Group )2など)にエンコードし、当該フォーマットの映像データを、予め定められた無線通信の規格に従って、ディスプレイ端末4に送信できる。これにより、ディスプレイ端末4は、受信機本体2から離れて配置可能であるにも拘わらず、選局されたテレビジョン放送を表示できる。
本参考形態に係る受信機本体2は、無線通信時の物理層として、IEEE802.11bを採用している。また、本参考形態に係る受信機本体2は、データリンク層の媒体アクセス制御(MAC)の方式として、帯域保証型のMACプロトコルを採用している。
本参考形態では、帯域保証型のMACプロトコルの一例として、IEEE802.11eを採用している。当該IEEE802.11eでは、ある機器が、ある通信チャネルを用いて通信している間(より詳細には、当該機器と通信相手との間でコネクションが確立されている間中;実際には、ディスプレイ端末4が受信機本体2からのテレビジョン放送を表示している間中)、当該通信チャネルを占有し続ける。したがって、他の機器は、当該通信チャネルで通信できない代わりに、現在通信チャネルを占有している機器は、通信チャネルを共有する場合よりも効率よく、映像データを送信できる。この結果、例えば、物理層として、IEEE802.11bを採用し、送信するデータがMPEG2でエンコードされた映像データであったとしても、受信機本体2は、ディスプレイ端末4におけるコマ落ち等の不具合を発生させることなく、映像データをディスプレイ端末4へ送信し続けることができる。
なお、上記帯域保証型のMACプロトコルとして、IEEEの規格に準拠しない独自プロトコルを使用してもよい。このような帯域保証型のMACプロトコルの例として、例えば、シャープ株式会社が開発したSS700という商品化されているMACプロトコルを用いても動作することが確認されている。このように、IEEEの規格に準拠しない独自のMACプロトコルを用いることによって、動画コンテンツがパソコンを通過することを防止でき、この点では、著作権保護の観点から好ましい。
また、本参考形態に係る受信機本体2は、上記映像データを送信する際、MAC層の上層には、ネットワーク層およびトランスポート層(例えば、TCP/IP:Transmission Control Protocol / Internet Protocol )を設けず、MAC層へ、上記映像データを直接渡している。ここで、上述したように、ネットワークシステム1では、受信機本体2とディスプレイ端末4とが直接通信しており、受信機本体2は、帯域保証型のMACプロトコルを採用している。したがって、ネットワーク層およびトランスポート層が設けられていないにも拘わらず、受信機本体2は、何ら支障なく、ディスプレイ端末4へ映像データを送信できる。また、これに伴なって、受信機本体2およびディスプレイ端末4での処理が簡略化されている。
さらに、受信機本体2は、ディスプレイ端末4から、例えば、選局指示などの操作受付を示す操作データを受信すると、当該操作データの示す操作に応じた処理(例えば、選局処理など)を行うことができる。
また、コンピュータ3は、リモートデスクトップシステムのサーバとして動作可能であり、コンピュータ3のディスプレイ(図示せず)に表示されているデスクトップ画面自体、あるいは、仮想のデスクトップ画面を、クライアント装置としてのディスプレイ端末4へ送信して、当該デスクトップ画面をディスプレイ端末4に表示させることができる。また、例えば、ポインティングデバイスによって入力される位置情報や、キーボードなどによって入力されるキャラクタ情報など、上記ディスプレイ端末4からの入力操作を示す操作データを受け付け、当該操作データに基づいて、上記キーボードおよびポインティングデバイスなどの入力装置がコンピュータ3に接続されている場合と同様の処理を行うことができる。
この結果、ディスプレイ端末4は、コンピュータ3から離れて配置可能であるにも拘わらず、コンピュータ3に有線で接続されたディスプレイと同様にコンピュータ3のデスクトップ画面をユーザへ表示できると共に、コンピュータ3に有線で接続された入力装置(図示せず)と同様に、ユーザの操作を受け付け、コンピュータ3へ伝えることができる。
また、本参考形態に係るコンピュータ3は、無線通信時の物理層として、IEEE802.11bを採用しており、本参考形態に係る受信機本体2は、データリンク層の媒体アクセス制御(MAC)の方式として、ベストエフォート型のMACプロトコルを採用している。
本参考形態では、ベストエフォート型のMACプロトコルの一例として、IEEE802.11を採用している。当該IEEE802.11では、ある機器が、ある通信チャネルを用いてパケットを送受信する際、当該機器と通信相手との間でコネクションが確立されている間であっても、実際に送受するパケットがない場合は、予め定められたタイミング(例えば、各パケットの通信が終了する毎など)で通信チャネルを開放するように構成されている。したがって、ネットワークシステム1内に無線通信可能な機器が複数存在する場合であっても、上記占有する構成とは異なり、他の機器の通信を阻害することがなく、これら複数の機器間で、通信チャネルを共有できる。なお、この場合であっても、デスクトップ画面は、テレビジョン放送を示す映像データと比較して、リアルタイムに表示する必要が余りないので、コンピュータ3は、何ら支障なく、ディスプレイ端末4へデスクトップ画面を表示させることができる。
なお、本参考形態に係るコンピュータ3にて動作しているリモートデスクトップシステムのサーバ(図示せず)は、TCP/IPで通信するように構成されている。これに伴なって、本参考形態に係るコンピュータ3では、上記データリンク層(MAC層/LLC層)の上層に、ネットワーク層およびトランスポート層としてのTCP/IP層が設けられており、当該TCP/IP層は、上記サーバから、リモートデスクトップシステム用のプロトコルのデータ列を受け取ると、当該データ列に、例えば、TCP/IPプロトコルのヘッダなど、TCP/IPプロトコルでの伝送用のデータを付加して、TCP/IPプロトコルのフォーマットのデータ列を生成し、当該データ列を送信するように、上記データリンク層へ指示できる。同様に、TCP/IP層は、当該データリンク層から、IPプロトコルのフォーマットのデータ列を受け取ると、当該データ列から、TCP/IPプロトコルでの伝送用のデータを取り除いて、リモートデスクトップシステム用のプロトコルのデータ列を生成し、上記サーバへ渡すことができる。
例えば、本参考形態では、リモートデスクトップシステム用のプロトコルとして、VNC(Virtual Network Computing)プロトコルを採用しており、上記サーバは、デスクトップ画面の一部または全部をクライアントとなるディスプレイ端末4へ送信すると共に、クライアントからの操作データの操作を、デスクトップ画面への操作として反映させることができる。
一方、本参考形態に係るディスプレイ端末4には、図3に示すように、無線通信するためのアンテナとしてのフィルムアンテナ11と、当該フィルムアンテナ11に接続され、ベースバンド信号と無線信号との間の変復調を行う無線通信用IC(Integrated Circuit)12と、例えば、液晶パネルなどからなるディスプレイ(ディスプレイユニット)13と、無線通信用IC12およびディスプレイ13の間に介在し、無線通信用IC12を介して表示が指示された映像を表示するように、ディスプレイ13を制御可能なコントローラ部14とが設けられている。
本参考形態に係るディスプレイ13は、例えば、液晶表示装置によって実現されており、図4に示すように、マトリクス状に配された画素を有する画素アレイ21と、当該画素アレイ21のデータ信号線を駆動するデータ信号線駆動回路22と、画素アレイ21の走査信号線を駆動する走査信号線駆動回路23とを備えている。上記画素アレイ21は、複数のデータ信号線と、各データ信号線に、それぞれ交差する複数の走査信号線とを備えており、データ信号線および走査信号線の組み合わせ毎に、画素が設けられている。
ここで、走査信号線駆動回路23は、上記各走査信号線へ、例えば、電圧信号など、選択期間か否かを示す信号を出力している。また、走査信号線駆動回路23は、選択期間を示す信号を出力している走査信号線を、外部から与えられるタイミング信号に基づいて変更している。これにより、各走査信号線は、予め定められたタイミングで、順次選択される。
さらに、データ信号線駆動回路22は、映像信号として、時分割で入力される各画素への映像データを、所定のタイミングでサンプリングするなどして、それぞれ抽出する。さらに、データ信号線駆動回路22は、走査信号線駆動回路23が選択中の走査信号線に対応する各画素へ、当該各画素に対応するデータ信号線をそれぞれ介して、各画素への映像データに応じた出力信号を出力する。
一方、各画素は、自らに対応する走査信号線が選択されている間に、自らに対応するデータ信号線に与えられた出力信号に応じて、発光する際の輝度や透過率などを調整して、自らの明るさを決定する。
ここで、走査信号線駆動回路23は、走査信号線を順次選択している。したがって、画素アレイ21の全画素を構成する画素を、それぞれへの映像データが示す明るさ(階調)に設定でき、画素アレイ21へ表示される画像を更新できる。
また、本参考形態に係るディスプレイ13は、ディスプレイ13のデータ信号線駆動回路22および走査信号線駆動回路23を制御するタイミングコントローラを備えておらず、行駆動回路および列駆動回路としての上記両駆動回路22・23は、コントローラ部14に直接(タイミングコントローラを介さずに)接続されている。
一方、本参考形態に係るコントローラ部14には、プログラム可能な論理回路を含むプログラマブルロジックIC31と、当該プログラマブルロジックIC31のプログラムが記憶される不揮発性のメモリ(記憶回路)としてのROM(Read Only Memory)32とが設けられている。上記ROM32および20(後述)には、複数のプログラムセットが記憶されており、プログラマブルロジックIC31は、当該複数のプログラムセットのいずれに従って自らの論理回路をプログラムするかを選択できる。なお、当該プログラマブルロジックIC31が特許請求の範囲に記載のプログラム可能な論理回路に対応する。
さらに、本参考形態に係るコントローラ部14は、作業用のメモリとしてのRAM(Randam Access Memory)33を備えており、上記プログラマブルロジックIC31は、無線通信用IC12からの指示に基づいて、ディスプレイ13の各画素の階調を示す映像データ(少なくとも1フレーム(1コマ)分の映像を示すデータ)を上記RAM33へ書き込むと共に、上記RAM33から、当該映像データを順次読み出し、映像信号として、ディスプレイ13(より詳細には、そのデータ信号線駆動回路22)へ出力している。
また、本参考形態では、上述したように、ディスプレイ13からタイミングコントローラが省略されている。これに伴なって、本参考形態に係るプログラマブルロジックIC31は、映像信号をデータ信号線駆動回路22へ供給するだけではなく、上記タイミング信号を含む制御信号を、ディスプレイ13のデータ信号線駆動回路22および走査信号線駆動回路23へ供給して、両駆動回路22・23の動作タイミングをも制御している。
さらに、本参考形態に係るディスプレイ13には、上記各プログラムセットのそれぞれ一部を格納したROM(記憶手段)20が設けられている。具体的には、当該ROM20は、上記各プログラムセットのうち、以下のプログラム、すなわち、両駆動回路22・23の動作タイミングを制御する回路(後述するドライバ制御回路44a・45b・43c)をプログラムするためのプログラム(以下では、ドライバ制御用プログラムと略称する)を記憶している。なお、上記各プログラムセットのうち、残余の回路(後述するデコーダ回路43aなど)をプログラムするためのプログラムは、コントローラ部14のROM32に格納されている。
ここで、ROM20は、あるプログラムセットのドライバ制御用プログラムと、他のプログラムセットのドライバ制御用プログラムとを別々に(互いに異なる記憶領域に)格納していてもよい。ただし、本参考形態に係るディスプレイ端末4では、各プログラムセットがプログラマブルロジックIC31に読み込まれている状況同士の間で、上記両駆動回路22・23の動作タイミングが共通であるので、ドライバ制御用プログラムも、各プログラムセット間で共通に上記ROM20に記憶すると共に、プログラマブルロジックIC31は、当該共通のドライバ制御用プログラムを、プログラマブルロジックIC31から読み出した、各プログラムセットの残余の部分と組み合わせて、読み込んでいる。
上記プログラマブルロジックIC31および複数のプログラムセットについて、より詳細に説明すると、本参考形態に係るプログラマブルロジックIC31には、論理回路として、例えば、組み合わせ論理回路および順序論理回路が設けられており、これらの論理回路間の接続をプログラムセットに従って変更できる。本参考形態では、プログラマブルロジックIC31として、FPGA(Field Programmable Gate Array )を採用しているが、プログラム可能な論理回路を含んでいれば、例えば、PAL(Programmable Array Logic)、PLA(Programmable Logic Array)等、他のプログラマブルロジック回路を好適に使用できる。
また、本参考形態に係るROM32・20には、上記複数のプログラムセットとして、受信機本体2からのテレビジョン放送を表示する際に使用されるプログラムセットPaと、コンピュータ3からのデスクトップ画面を表示する際に使用されるプログラムセットPbとが記憶されている。
ディスプレイ13へテレビジョン放送を表示する場合、上記プログラマブルロジックIC31は、プログラムセットPaに従って自らの論理回路を接続する。これにより、プログラマブルロジックIC31には、図1に示す各ブロック41a〜43aが形成され、プログラマブルロジックIC31aとして動作できる。
具体的には、プログラマブルロジックIC31aには、無線通信用IC12と通信するためのインターフェース(IF)回路部41aと、当該IF回路部41aを介して、無線通信用IC12から受信したデジタル信号列を、予め定められた帯域保証型のMACプロトコルに従って解析して、予め定められた映像フォーマットのデータ列へと変換する帯域保証型のMAC層処理回路42aと、当該データ列を解析(デコード)して、各フレームの映像を示す映像データを上記RAM33へ書き込むデコーダ回路43aと、上記ディスプレイ13のデータ信号線駆動回路22および走査信号線駆動回路23の動作を制御すると共に、データ信号線駆動回路22へ、上記RAM33に格納された映像データを送信するドライバ制御回路44aとが設けられる。
なお、図1および後述の図6では、説明の便宜上、プログラマブルロジックIC31内のブロックのうち、プログラマブルロジックIC31に現在構成されているブロックを実線で示し、プログラマブルロジックIC31内に形成可能であるが、現在のプログラムセットに従った論理回路の接続では形成されていないブロックを破線で示している。
これにより、プログラマブルロジックIC31(31a)は、無線通信用IC12によって受信された受信機本体2からのテレビジョン放送を表示するように、ディスプレイ13の両駆動回路22・23を制御できる。
さらに、上記ドライバ制御回路44aは、ディスプレイ13のROM20から読み込まれたプログラムによってプログラムされている。ここで、各ディスプレイ13のROM20には、それぞれの両駆動回路22・23を制御するための回路を構成するためのプログラムが格納されている。したがって、ディスプレイ端末4を製造する際、コントローラ部14に接続されるディスプレイ13の機種が、これまでに接続されていた機種から変更され、両駆動回路22・23の動作タイミングが変更されていたとしても、プログラマブルロジックIC31は、何ら支障なく、当該ディスプレイ13の両駆動回路22・23に応じた動作タイミングで、両駆動回路22・23を制御できる。
一方、コンピュータ3からのデスクトップ画面を表示する場合には、上記プログラマブルロジックIC31は、プログラムセットPbに従って自らの論理回路を接続する。これにより、プログラマブルロジックIC31には、図1に示す各ブロック41b〜45bが形成され、プログラマブルロジックIC31bとして動作できる。
上記プログラマブルロジックIC31bには、無線通信用IC12と通信するためのIF回路部41bと、当該IF回路部41bを介して、無線通信用IC12から受信したデジタル信号列を、予め定められたベストエフォート型のMACプロトコルに従って解析して、IPプロトコルのデータ列へと変換するベストエフォート型のMAC層処理回路42bと、当該データ列を解析して、TCP/IPプロトコルで伝送するためのデータを取り除き、リモートデスクトップシステム用のプロトコルのデータ列へと復元するTCP/IP処理部43bと、当該データ列を、当該プロトコルに従って解析して、RAM33に格納されている映像データが当該データ列の指示するデスクトップ画面を示すように、RAM33に格納されている映像データを更新するアプリケーション処理部44bと、上記ディスプレイ13のデータ信号線駆動回路22および走査信号線駆動回路23の動作を制御すると共に、データ信号線駆動回路22へ、上記RAM33に格納された映像データを送信するドライバ制御回路45bとが設けられる。
例えば、リモートデスクトップシステム用のプロトコルのデータ列には、デスクトップ画面全体の書き換えを指示するデータ列だけではなく、例えば、これまでに送信されていたデスクトップ画面のうち、予め定められた領域のみの書き換えを指示するデータ列も含まれる。したがって、アプリケーション処理部44bを構成する論理回路のうち、画面全体の書き換えを指示するデータ列を受け取った場合に動作する論理回路は、受け取ったデータ列に従って、RAM33へ、デスクトップ画面の映像データを書き込む。一方、アプリケーション処理部44bを構成する論理回路のうち、デスクトップ画面の一部領域の書き換えを指示するデータ列を受け取った場合に動作する論理回路は、RAM33に記憶されているデスクトップ画面の映像データのうち、受け取ったデータ列の示す領域に対応するアドレスに書き込まれている映像データを、受け取ったデータ列の示すように書き換える。
これにより、プログラマブルロジックIC31(31b)は、無線通信用IC12によって受信されたコンピュータ3からの指示に従ってディスプレイ13の両駆動回路22・23を制御でき、両駆動回路22・23が画素アレイ21にデスクトップ画面を表示するように制御できる。
ところで、本参考形態に係るディスプレイ端末4は、テレビジョン放送やデスクトップ画面を表示するだけではなく、テレビジョン放送に対する操作(例えば、選局指示)やデスクトップ画面への操作を受け付けることができる。
具体的には、本参考形態に係るディスプレイ13には、図4に示すように、ディスプレイ端末4のユーザの操作を受け付ける入力装置24が設けられている。本参考形態では、ディスプレイ端末4を持ち運びやすいように、入力装置24として、ディスプレイ13の画面上に配置されたタッチパネルが採用されている。
一方、プログラマブルロジックIC31には、上記入力装置24から、操作の有無および操作の内容(例えば、いずれの座標がタッチされたかなど)を示す入力信号が入力されている。
また、上記プログラムセットPaおよびPbは、プログラマブルロジックIC31が、当該入力信号に応じたデータ列の送信を、無線通信用IC12へ指示できるように構成されている。
具体的には、プログラムセットPaに従って自らの論理回路が接続されているプログラマブルロジックIC31aには、上記入力装置24からの入力信号を受け付けるIF回路部45aが形成される。当該IF回路部45aは、入力信号を解析して、操作の有無と、操作があった場合、受け付けた操作が予め定められた操作(例えば、選局操作)であるか否かを判定できる。さらに、IF回路部45aは、当該予め定められた操作を受け付けた場合、当該操作に対応する操作データを生成し、帯域保証型のMAC層処理回路42aへ当該操作データを送信するように指示できる。これに伴なって、上記MAC層処理回路42aを構成する論理回路には、例えば、操作データに、予め定められたMACプロトコル(この例では、IEEE802.11e)に従って伝送するためのデータを付加するなどして、当該MACプロトコルのデータ列を生成し、当該データ列をIF回路部41aを介して無線通信用IC12へ伝送するための論理回路が含まれている。
これにより、当該プログラマブルロジックIC31aは、入力装置24がテレビジョン放送に対する操作を受け付けた場合、無線通信用IC12を制御して、当該無線通信用IC12に当該操作を示す操作データを送信させることができる。
同様に、プログラムセットPbに従って自らの論理回路が接続されているプログラマブルロジックIC31bには、上記入力装置24からの入力信号を受け付けて、アプリケーション処理部44bへ送信するIF回路部46bが形成される。また、アプリケーション処理部44bを構成する論理回路には、上記入力信号に基づいて入力装置24が受け付けた操作を特定すると共に、リモートデスクトップシステム用のプロトコルのデータ列であって、当該操作をコンピュータ3へ通知するデータ列を生成し、当該データ列をTCP/IP処理部43bへ送信する論理回路が含まれている。
また、TCP/IP処理部43bを構成する論理回路には、IPプロトコルのデータ列をリモートデスクトップシステム用のプロトコルへ変換する論理回路だけではなく、例えば、リモートデスクトップシステム用のプロトコルのデータ列へ、TCP/IPプロトコルで通信するためのヘッダを付加するなどして、リモートデスクトップシステム用のプロトコルのデータ列をIPプロトコルのデータ列へ変換すると共に、当該データ列を、ベストエフォート型のMAC層処理回路42bへ送信する論理回路も含まれている。
さらに、当該MAC層処理回路42bを構成する論理回路には、例えば、操作データに、予め定められたMACプロトコル(この例では、IEEE802.11)に従って伝送するためのデータを付加するなどして、当該MACプロトコルのデータ列を生成し、当該データ列をIF回路部41aを介して無線通信用IC12へ伝送するための論理回路が含まれている。
これにより、上記プログラマブルロジックIC31bは、入力装置24がデスクトップ画面への操作を受け付けた場合、無線通信用IC12を制御して、当該無線通信用IC12に当該操作を示す操作データを送信させることができる。
また、プログラムセットPbに従って自らの論理回路が接続されているプログラマブルロジックIC31bには、ARP(Address Resolusion Protocol )処理を行うARP処理部47bが形成される。当該ARP処理部47bは、TCP/IP処理部43bからのデータ列を解析して、送信先のIPアドレスを特定すると共に、以下のようにして、当該IPアドレスに対応するMACアドレスを特定して、当該MACアドレス宛てへ上記データ列を送信するように、MAC層処理回路42bへ指示できる。すなわち、当該IPアドレスを含むデータ列を、ブロードキャストアドレスとして予め定められたMACアドレス宛てに送信するように、MAC層処理回路42bへ指示する。これに従って、MAC層処理回路42bが無線通信用IC12を制御して、当該データ列をブロードキャストすると、ディスプレイ端末4と通信可能な機器のうち、上記データ列に含まれるIPアドレスが自らのIPアドレスである機器は、自らのMACアドレスを含むデータ列を、ディスプレイ端末4へ返信する。当該データ列がMAC層処理回路42bによって復元され、ARP処理部47bが当該データ列を受け取ると、ARP処理部47bは、当該データ列から上記MACアドレスを抽出し、上記TCP/IP処理部43bからのデータ列を、当該MACアドレス宛てに送信するように指示する。これにより、ディスプレイ端末4は、TCP/IP処理部43bから受け取ったデータ列の送信先のIPアドレスに対応するMACアドレスが不明な場合であっても、何ら支障なく、TCP/IPプロトコルで通信できる。
ここで、上記ARP処理部47bは、TCP/IP処理部43bがデータ列を送信する度に、上記処理を行っても良いが、本参考形態に係るARP処理部47bは、MACアドレスと当該MACアドレスに対応するIPアドレスとの対応関係を、図示しないメモリに記憶させており、TCP/IP処理部43bから、送信先のIPアドレスを受け取ると、当該IPアドレスに対応するMACアドレスが当該メモリに記憶されていると、上記処理を省略して、上記TCP/IP処理部43bからのデータ列を、当該メモリから読み出したMACアドレス宛てに送信するように指示できる。
また、上記ARP処理部47bは、MAC層処理回路42bによって復元されたデータ列が、IPアドレスに対応するMACアドレスの問い合わせであるか否かを判定しており、問い合わせであった場合は、上記MAC層処理回路42bへ指示して、自機器のMACアドレスとして予め記憶されているMACアドレスを含むデータ列を、上記問い合わせへの回答として、当該問い合わせの送信元へ返信させることができる。
さらに、上記IF回路部45aおよび46bは、入力装置24からの入力信号に基づいて、ディスプレイ端末4が表示する映像の種類(テレビジョン放送か、デスクトップ画面か)の変更指示を受け付けたか否かを判定できる。さらに、各IF回路部45aおよび46bは、現在表示している種類以外の種類の映像の表示指示を受け付けると、プログラマブルロジックIC31の制御回路(図示せず)へ指示して、当該種類の映像を表示するためのプログラムセットをROM32および20から読み出させると共に、当該プログラムセットに従って、自らの論理回路を接続させる。これにより、プログラマブルロジックIC31の論理回路の接続を、現在の状態から、指示された種類の映像を表示するための状態へと変更することができる。
例えば、テレビジョン放送を表示しているとき、プログラマブルロジックIC31aには、IF回路部45aが形成されている。そして、ディスプレイ端末4の入力装置24がデスクトップ画面の表示指示を受け付けると、当該IF回路部45aは、上記制御回路へデスクトップ画面に対応するプログラムセットPbの読み出しを指示する。これにより、プログラマブルロジックIC31の論理回路の接続は、プログラマブルロジックIC31aの状態から、プログラマブルロジックIC31bの状態へと変化し、ディスプレイ端末4は、デスクトップ画面を表示できるようになる。
なお、本参考形態では、上記無線通信用IC12とプログラマブルロジックIC31とは、例えば、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、ISA(Industry Standard Architecture )あるいは独自バスなどのバスによって接続されており、上記IF回路部41a〜41c(一部後述)には、バスを制御する回路も含まれている。また、本参考形態に係るディスプレイ13の上記両駆動回路22・23は、LDVS(Low Voltage Differential Signaling)によって駆動されている。これに伴なって、プログラマブルロジックIC31を構成する論理回路のうち、少なくとも、ディスプレイ13と接続される論理回路は、LDVS信号を出力できるように構成されており、上記ドライバ制御回路45a・46b・45c(一部後述)は、上記制御信号および映像信号を、LDVS信号として、上記両駆動回路22・23へ出力している。
また、本参考形態に係るディスプレイ端末4は、無線通信用IC12の受信した映像信号を表示するだけではなく、他のインターフェース回路によって取得された映像信号も表示できるように構成されている。
具体的には、本参考形態に係るディスプレイ端末4には、図4に示すように、他のインターフェース回路として、蓄積型の記録媒体としてのメモリカード15へのインターフェース用IC16が設けられている。当該IF用IC16は、無線通信用IC12と同様に、プログラマブルロジックIC31に接続されており、当該プログラマブルロジックIC31は、無線通信用IC12からの映像の代わりに、IF用IC16の取得した映像を表示するように、ディスプレイ13を制御することができる。なお、当該メモリカード15としては、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア(商標)Memory Stick(商標)あるいはSD(Secure Digital;商標)メモリカードなどが挙げられる。
また、コントローラ部14のROM32・20には、上記プログラムセットPaおよびPbだけではなく、メモリカード15に格納されていた映像データの示す映像を表示する際に使用されるプログラムセットPcも格納されている。
ディスプレイ13へメモリカード15の映像を表示する場合、上記プログラマブルロジックIC31は、プログラムセットPcに従って自らの論理回路を接続する。これにより、プログラマブルロジックIC31には、図1に示す各ブロック41c〜44cが形成され、プログラマブルロジックIC31cとして動作できる。
より詳細には、上記メモリカード15には、予め定められた画像フォーマットの画像データが格納されている。当該画像フォーマットとしては、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)フォーマットが挙げられる。
一方、プログラマブルロジックIC31cには、上記画像フォーマットの画像データを上記メモリカード15から読み出すように、上記IF用IC16を制御するIF回路部41cと、上記IF用IC16およびIF回路部41cを介して、メモリカード15から読み出した画像データを、上記画像フォーマットに従った信号列であるとして解析(デコード)して、上記画像を示す映像データを、上記RAM33へ書き込むデコーダ回路42cと、上記ディスプレイ13のデータ信号線駆動回路22および走査信号線駆動回路23の動作を制御すると共に、データ信号線駆動回路22へ、上記RAM33に格納された映像データを送信するドライバ制御回路43cとが設けられる。
これにより、プログラマブルロジックIC31(31c)は、メモリカード15に格納された画像を表示するように、ディスプレイ13の上記両駆動回路22・23を制御できる。
また、プログラマブルロジックIC31cには、ディスプレイ13の入力装置24からの入力信号を受け付けるIF回路部44cが形成される。当該IF回路部44cは、入力信号を解析して、操作の有無と、操作があった場合、受け付けた操作が予め定められた操作であるか否かを判定できる。さらに、IF回路部44cは、当該予め定められた操作を受け付けた場合、当該操作に対応する処理を行うよう、プログラマブルロジックIC31cの他のブロック41c〜43c、または、プログラマブルロジックIC31cに接続された外部回路へ指示することができる。
例えば、本参考形態に係るIF回路部44cは、上記予め定められた操作として、表示している画像の変更操作を受け付けることができる。当該操作を受け付けた場合、IF回路部44cは、IF回路部41cへ指示してIF用IC16を制御させる。これにより、IF用IC16は、指示された画像データをメモリカード15から読み出すことができる。この結果、ディスプレイ端末4は、操作に応じて、現在表示中の画像を切り換えることができる。
なお、IF回路部44cは、IF回路部45a・46bと同様に、現在表示している種類以外の種類の映像の表示指示を受け付けると、プログラマブルロジックIC31の制御回路(図示せず)へ指示して、プログラマブルロジックIC31の論理回路の接続を切り換えさせることができる。
上記構成では、ディスプレイ端末4の入力装置24が、ユーザから、表示する映像の種類の変更指示を受け付けていない間(図5に示すS1にて、NOの間)、ディスプレイ端末4のプログラマブルロジックIC31は、ROM32・20に格納されている複数のプログラムセット(Pa〜Pc)のうち、自らが表示可能な映像の種類のうち、現在表示している種類の映像を表示/操作するためのプログラムセットに従って、自らの論理回路を接続している。
この状態では、図1に示すように、プログラマブルロジックIC31には、プログラマブルロジックIC31に形成可能なブロック群(41a〜45a)と、ブロック群(41b〜47b)とブロック群(41c〜44c)とのうち、現在のプログラムセットに従ったブロック群のみが形成されている。
当該ブロック群は、S2において、無線通信用IC12またはIF用IC16からの信号によって表示が指示された映像を表示するように、ディスプレイ13を制御している。また、この状態では、上記ブロック群は、入力装置24からの入力信号に応じて無線通信用IC12またはIF用IC16を制御している。例えば、図1は、受信機本体2からのテレビジョン放送を表示する場合を示しており、ブロック群41a〜45aが形成されている。
これにより、ディスプレイ端末4は、受信機本体2からのテレビジョン放送、コンピュータ3からのデスクトップ画面またはメモリカード15からの画像をディスプレイ13に表示できる。また、ディスプレイ端末4は、選局操作や、デスクトップ画面への操作、あるいは、画像の切り換え操作を受け付け、操作を示す操作データを受信機本体2またはコンピュータ3へ送信したり、操作に応じた画像データをメモリカード15から読み出して表示したりできる。
上記状態において、ディスプレイ端末4の入力装置24が、ユーザから、表示する映像の種類の変更指示を受け付けると(S1にてYES の場合)、プログラマブルロジックIC31は、S3において、指示された種類の映像を表示するためのプログラムセットをROM22から読み出して、自らの論理回路の接続を切り換える。これにより、例えば、図6に示すように、デスクトップ画面を表示するためのブロック群(41b〜47b)が、プログラマブルロジックIC31に形成される。
このように、本参考形態に係るディスプレイ端末4には、蓄積型の記録媒体(メモリカード15)、あるいは、通信の受信部(無線通信用IC12)から読み込まれ、ロジック信号に変換された以降の画像データがディスプレイ13へ転送されるまでの一連の動作をそれぞれ記述した複数のプログラムセットPa〜Pcが記憶されており、プログラマブルロジックIC31は、これらのプログラムセットPa〜Pcのうちのいずれかを読み込むことによって、動作を切り換えている。
したがって、プログラマブルロジックIC31に形成可能なブロック群(41a〜45a)と、ブロック群(41b〜47b)とブロック群(41c〜44c)とのうち、現在表示している種類の映像の表示に必要なブロック群のみがプログラマブルロジックIC31に形成されており、残余のブロック群は、他の種類の映像を表示するときまでは形成されていない。そして、現在表示している映像の種類が変更されると、プログラマブルロジックIC31に形成されるブロック群が切り換えられる。この結果、ディスプレイ端末4が表示可能な映像の種類毎に、それぞれを表示するためのICを設ける構成とは異なって、主要処理部分を1チップICで構成することが可能となり、複数ICを接続する場合のI/O部と各IC間を接続するための配線部分とを削減できる。したがって、プリント基板の面積、層数を大幅に削減できる。これらの結果、それぞれを表示するためのICを設ける構成と比較して、ディスプレイ端末4の回路規模、消費電力、寸法および重量、さらにはコストを大幅に削減できる。
また、上記ディスプレイ端末4では、上記動作は、プログラマブルロジックIC31によって行われているので、以下の構成、すなわち、汎用の高速なCPUと主記憶装置とを備え、当該CPUに繰り返し処理をさせて、上記動作を行わせる構成と比較しても、同様に回路規模、消費電力、寸法および重量、さらにはコストを大幅に削減できる。
また、上記ディスプレイ端末4では、プログラマブルロジックIC31が上記動作を行っているので、一度、ディスプレイ端末4が設計されてからの仕様変更に対してもフレキシビリティを持たせることができる。例えば、最初に設計されたプログラマブルロジックICの回路規模で収まり、I/Oピンの位置の変更が無く動作できるような回路プログラムであれば、上記プログラマブルロジックIC31のプログラム可能な論理回路を、当該回路プログラムでプログラムすることによって、容易に機能を追加することができる。
ここで、本参考形態に係るディスプレイ端末4では、テレビジョン放送およびメモリカード15の画像を表示できるだけではなく、コンピュータのデスクトップ画面を表示できるにも拘わらず、上記動作は、無線通信用IC12またはIF用IC16からの信号の示す映像を表示するように、ディスプレイ13を制御する動作と、入力装置24からの入力信号に基づいて、入力装置24が受け付けた操作を示す操作データを送信するように無線通信用IC12を制御する動作、または、入力装置24からの入力信号に基づいて、入力装置24が受け付けた操作に応じて、IF用IC16が読み出す画像を変更する動作と、入力装置24が受け付けた操作に応じて、プログラマブルロジックIC31の動作を変更する動作とに制限されている。
したがって、上記CPUのように逐次制御方式で制御される構成、すなわち、記憶装置に命令を記憶させ、そこから命令を1つずつ読み出して実行し、結果を返すという動作を繰り返す構成と異なり、プログラムのフローチャートの逐次ステートが論理回路として同時に存在するプログラマブルロジックIC31を用いても、何ら支障なく、上記各動作を行わせることができる。また、プログラマブルロジックIC31は、CPUを設けたシステムとは異なり、中央処理という考えがなく、処理が集中する部分が存在しない。また、命令と、データとがそれぞれ別の伝送経路で伝送されており、CPUのように、命令とデータとの双方を伝送するための共通のバスが存在していない。したがって、CPUで処理する場合と比較して、回路全体の動作周波数を大幅に削減できる。
これらの結果、ソフトウェアで処理していた処理を、低消費電力でハードウェア処理でき、ソフトウェアで処理していた処理を、プログラマブルロジックIC31として、容易に1チップ化できる。例えば、CPUで処理した場合、12〔W〕を消費していたのに対して、プログラマブルロジックIC31で処理した場合、消費電力を1〔W〕以下にまで低減できる。
また、図7に示すように、プログラマブルロジックIC31a〜31cは、OS(Operating System)の処理を行っていない。例えば、テレビジョン放送を表示する場合(図中破線の場合)には、MAC(LLC)層の上に、デコード処理を行う層と、インターレース/プログレッシブ変換やスケーリング処理を行う層とが形成されており、デコード処理を行う層は、MAC(LLC)層から、OSを介すことなく、MACプロトコルで伝送されたデータ列を受け取っている。同様に、コンピュータ3からのデスクトップ画面を表示する場合(図中、実線の場合)には、TCP/IP層の上に、アプリケーション層(VNC層)が形成され、当該アプリケーション層は、OSを介すことなく、TCP/IP層へ、送信先へ送信するデータ列を渡すと共に、TCP/IP層から、OSを介すことなく、TCPプロトコルで伝送されたデータ列(リモートデスクトップシステム用のプロトコルのデータ列)を受け取っている。なお、上記MAC(LLC)層は、MAC層処理回路42a・42bによって実現されている。また、上記デコード処理を行う層と、インターレース/プログレッシブ変換やスケーリング処理を行う層は、デコーダ回路43aによって、TCP/IP層およびアプリケーション層は、TCP/IP処理部43bおよびアプリケーション処理部44bによって、それぞれ実現されている。
このように、上記各層が、OSを介さずに、通信しているので、ロジック信号に変換された以降の画像データがディスプレイ13へ転送されるまでの一連の動作を簡略化できる。この結果、当該動作を、プログラマブルロジックIC31によって実行しているにも拘わらず、プログラマブルロジックIC31の回路規模を大幅に削減できる。
ところで、一般に、上記両駆動回路の動作タイミングは、画素アレイと、ディスプレイへ入力される画像データのフォーマットとの組み合わせ毎に異なっていることが多い。したがって、ディスプレイにおいて、上記両駆動回路の動作タイミングを制御するタイミングコントローラは、画素アレイと別個のチップに収められることが多い。この結果、ディスプレイにタイミングコントローラとして動作する回路を設けると、ディスプレイを構成する素子の数が増加して、ディスプレイの構成が複雑になりがちである。
これに対して、本参考形態に係るディスプレイ端末4では、ディスプレイ13にタイミングコントローラが設けられておらず、プログラマブルロジックIC31がディスプレイ13のデータ信号線駆動回路22および走査信号線駆動回路23を直接制御している(プログラマブルロジックIC31の端子が両駆動回路22・23の端子に接続されている)。この結果、上記タイミングコントローラをディスプレイ13に設け、プログラマブルロジックIC31が当該タイミングコントローラと通信する構成と比較して、ディスプレイ13の構成を簡略化でき、例えば、軽量なディスプレイ13や薄型のディスプレイ13を比較的容易に実現できる。
なお、本参考形態では、ROM20がディスプレイ13に設けられているが、一般に、タイミングコントローラの回路規模よりも、以下のプログラム、すなわち、当該上記両駆動回路22・23の動作タイミングを制御するための回路として、プログラマブルロジックIC31をプログラムするためのプログラムを記憶する記憶回路の方が、回路規模が小さい。したがって、全体的に見ると、ディスプレイ13の構成は簡略化されている。
また、上記プログラマブルロジックIC31は、読み込むプログラムセットを変更することによって、動作を変更できる。したがって、画素アレイと、ディスプレイへ入力される画像データのフォーマットとの組み合わせが変化したとしても、プログラムセットをそれぞれに合わせて変更するだけで、両駆動回路22・23の動作タイミングを、当該組み合わせに合うようにして制御できる。これにより、ハードウェアとしては、同じプログラマブルロジックIC31を使用できるので、ディスプレイ13にタイミングコントローラとして動作する回路を設ける構成とは異なり、当該回路を別個のチップに分ける必要がない。したがって、当該回路を別個のチップに分ける場合と比較して、チップの外部と接続するための端子やインターフェース回路あるいは配線などを削減できる。これらの結果、ディスプレイ13にタイミングコントローラを設ける構成と比較して、ディスプレイ端末4全体の回路構成を簡略化でき、例えば、軽量なディスプレイ端末4や薄型のディスプレイ端末4を実現できる。
なお、上述したように、本参考形態では、上記プログラムセットは、表示する映像の種類が変更されたときに切り換えられているので、ROM20からプログラマブルロジックIC31へプログラムセットを伝送する際に必要な伝送速度は、ディスプレイ13の上記両駆動回路22・23のタイミングを制御する回路と、当該回路へ信号を与える回路(例えば、デコーダ回路43aなど)との間で必要になる伝送速度とは比べものにならない程遅い。したがって、上記両回路の間で必要とされる端子の数および配線の数と比較して、ROM20からプログラマブルロジックIC31へプログラムセットを伝送するために設けられる端子の数および配線の数を容易に抑えることができる。
また、新たなディスプレイ13を開発する場合であっても、ディスプレイ13の両駆動回路22・23の動作タイミングを制御するハードウェアは、プログラマブルロジックIC31である。したがって、ディスプレイ13に上記タイミングコントローラを設ける構成とは異なって、タイミングコントローラのハードウェアを新たに設計する必要がなく、ディスプレイ13の両駆動回路22・23の動作タイミングを制御する回路を、上記プログラマブルロジックIC31に形成するためのプログラムを設計するだけでよい。この結果、開発時の手間およびコストを削減できる。
さらに、本参考形態に係るディスプレイ端末4では、プログラマブルロジックIC31のプログラムセットのうち、ドライバ制御用プログラムが、コントローラ部14ではなく、ディスプレイ13のROM20に格納されている。
したがって、ディスプレイ端末4を製造する際、コントローラ部14に接続されるディスプレイ13の機種が、これまでに接続されていた機種から変更され、両駆動回路22・23の動作タイミングが変更されていたとしても、コントローラ部14のROM32の内容およびコントローラ部14のハードウェア構成を変更する必要がなく、プログラマブルロジックIC31は、何ら支障なく、変更後のディスプレイ13の両駆動回路22・23に応じた動作タイミングで、両駆動回路22・23を制御できる。この結果、ディスプレイ端末4を製造する際の手間を削減できる。
同様に、ディスプレイ13の機種が互いに異なるディスプレイ端末4間で、コントローラ部14のROM32の内容およびコントローラ部14のハードウェア構成を互いに異ならせることなく、各コントローラ部14が、それぞれに接続されるディスプレイ13の両駆動回路22・23を制御できる。したがって、ディスプレイ端末4を製造する際の手間を削減できる。
この結果、コントローラ部14のプログラマブルロジックIC31が、ディスプレイ13の両駆動回路22・23の動作タイミングを制御することによって、ディスプレイ端末4の構成が簡略化されているにも拘わらず、ディスプレイ端末4を製造する際の手間を削減できる。
ところで、上記では、帯域保証型のMACプロトコルで通信する場合と、ベストエフォート型のMACプロトコルで通信する場合とで、物理層として動作する無線通信用IC12が共用されており、プログラマブルロジックIC31内に、帯域保証型のMAC層処理回路42a、または、ベストエフォート型のMAC層処理回路42bが形成される場合を例にして説明したが、これに限るものではない。
例えば、無線通信用IC12が、双方のMACプロトコルでの処理が可能であれば、各MAC層処理回路42a・42bをプログラマブルロジックIC31に形成せず、IF回路部41a・41bが、無線通信用IC12を制御して、それぞれのMACプロトコルでデータ列を伝送させてもよい。また、状況(本参考形態では、テレビジョン放送を表示するか、デスクトップ画面を表示するか)毎に、物理層(必要に応じてMAC層を含む)として動作する無線通信用IC12を、別個に設け、プログラマブルロジックIC31のIF回路部41a・41bは、いずれかと通信してもよい。
プログラマブルロジックIC31内にMAC層処理回路42a・42bが形成されるか否か、無線通信用IC12が単数か否かに拘わらず、「上記プログラムセットPa…のうち、いずれを読み込ませるかによって、無線通信用IC12とディスプレイ13との間に介在するプログラマブルロジックIC31の論理回路の接続を変更できる」構成であれば、略同様の効果が得られる。
ただし、本参考形態のように、無線通信用IC12が単数であり、プログラマブルロジックIC31内をMAC層処理回路42a…を形成すれば、無線通信用IC12が複数の構成、および、無線通信用IC12が複数のMACプロトコルを処理する構成と比較して、ディスプレイ端末4の回路規模、消費電力、寸法および重量を削減できる。
〔実施形態〕
ところで、上記参考形態では、プログラマブルロジックICをプログラムするプログラムセットのうち、ディスプレイの両駆動回路の動作タイミングを制御するプログラムが、ディスプレイに設けられた不揮発性のメモリ(ROM)に格納されている構成として、プログラマブルロジックICを含むコントローラ部とディスプレイとが製造時に接続された後(例えば、使用中など)には、着脱できない構成について説明した。
これに対して、本実施形態では、使用中に、ディスプレイと上記プログラマブルロジックICを含むコントローラ部とを着脱可能な構成について説明する。
また、本実施形態では、ディスプレイおよびコントローラ部を含む装置が、ディスプレイ端末であり、当該ディスプレイ端末が受信機本体からのテレビジョン放送およびコンピュータからのデスクトップ画面などを表示する場合について説明したが、本実施形態では、コントローラ部が携帯電話機に含まれ、上記ディスプレイが、その増設ディスプレイである場合を例にして説明する。
すなわち、図8に示すように、本実施形態において、携帯型電子機器としての携帯電話機5には、コネクタ5aが設けられており、増設ディスプレイ6のコネクタ6aを当該コネクタ5aへ接続することによって、携帯電話機5に増設ディスプレイ6を接続できるように構成されている。これにより、携帯電話機5のユーザは、必要な場合は、増設ディスプレイ6を装着することによって、より大きな画面で、携帯電話機5を操作できる。なお、より大きな画面での操作が好ましい場合として、例えば、インターネット経由あるいは記録媒体からの読み取りなどによって取得した文書を表示する場合などが挙げられる。また、本実施形態では、増設ディスプレイ6・7および本体ディスプレイ53(一部後述)が、特許請求の範囲に記載のディスプレイユニットに対応する。
また、上記増設ディスプレイ6は、携帯電話機5から取り外すことができる。したがって、携帯電話機5のユーザは、不要なときは、増設ディスプレイ6を取り外すことによって、装着している場合よりも小さな携帯電話機5を操作できる。なお、携帯性が重視される状況としては、例えば、通話中、あるいは、着呼を待ち受けている状況などが挙げられる。
上記増設ディスプレイ6は、例えば、図9に示すように、図1に示すディスプレイ13と同様の部材20〜23を備えている。なお、増設ディスプレイ6は、入力装置24を備えていてもよいが、本実施形態に係る増設ディスプレイ6は、入力装置24を備えておらず、表示のみを行っている。
一方、携帯電話機5は、図示しない基地局と通信するアンテナ51と、当該アンテナ51に接続され、ベースバンド信号と無線信号との間の変復調を行う無線通信用IC52と、携帯電話機5の表示部として動作する本体ディスプレイ53と、無線通信用IC52および本体ディスプレイ53の間に介在し、無線通信用IC52を介して表示が指示された映像を表示するように、本体ディスプレイ53を制御可能なコントローラ部54と、例えば、携帯電話機5のボタンなどからなり、携帯電話機5のユーザによる操作を受け付ける入力装置55と、例えば、マイクおよびスピーカなどからなり、通話のための音声の入出力を行う音声入出力部56と、携帯電話機5全体を制御する制御部57とを備えている。
本体ディスプレイ53は、図1に示すディスプレイ13と同様の部材20〜23を備えている。なお、携帯電話機5には、入力装置55が設けられているので、本体ディスプレイ53からは、入力装置24が省略されている。
ここで、増設ディスプレイ6および本体ディスプレイ53の画素アレイ21の特性(解像度、表示可能な階調の数、寸法など)は、それぞれの用途に応じて設定されており、それぞれのデータ信号線駆動回路22および走査信号線駆動回路23は、それぞれの画素アレイ21を駆動できるように構成されている。なお、本体ディスプレイ53の画素アレイ21、データ信号線駆動回路22および走査信号線駆動回路23が、それぞれ、特許請求の範囲に記載の本体側画素アレイ、本体側データ信号線駆動回路および本体側走査信号線駆動回路に対応する。
例えば、本実施形態では、増設ディスプレイ6の画素アレイ21は、携帯電話機5の画素アレイ21と比較して、寸法がより大きく設定されており、解像度および表示可能な階調の数も向上されている。
また、コントローラ部54は、参考形態と同様の部材31〜33を備えている。ただし、本実施形態では、制御部57が、本体ディスプレイ53や増設ディスプレイ6などの各画素の階調を示す映像データをRAM33に書き込むため、制御部57がRAM33にアクセスできるように構成されている。また、ROM32に格納されたプログラムセットは、携帯電話用の動作を行う回路をプログラマブルロジックIC31に形成するためのプログラムセットに変更されている。なお、プログラムセットの内容については後述する。
本実施形態に係る携帯電話機5では、通話のためのエンコードおよびデコード処理も上記コントローラ部54が行っており、上記音声入出力部56は、コントローラ部54を介して無線通信用IC52に接続されている。
また、上記制御部57は、例えば、図示しないCPUと、それに接続されたROMおよびRAMとなどからなり、必要に応じてRAMを参照しながら、当該CPUが、ROMなどに予め格納されたプログラムを実行することによって、無線通信用IC52、入力装置55、プログラマブルロジックIC31およびRAM33を制御できる。これにより、制御部57は、無線通信用IC52または入力装置55から入力されたデータ、RAM33に格納されたデータ、あるいは、その双方に基づいて、以下の処理、すなわち、RAM33の映像データを更新したり、無線通信用IC52にデータ送信を指示したりできる。この結果、制御部57は、例えば、予め登録されたアドレス帳からの電話番号の検索処理や、インターネットへのアクセス処理を含め、種々の処理を行うことができる。
また、本実施形態に係る携帯電話機5には、図1に示すディスプレイ端末4と同様に、メモリカード58へアクセスするためのIF用IC59が設けられており、制御部57およびプログラマブルロジックIC31は、当該IF用IC59を介して、メモリカード58へアクセスできる。
上記構成では、通話中、プログラマブルロジックIC31は、ROM32に格納されたプログラムに従って、自らの論理回路を接続している。これにより、プログラマブルロジックIC31には、図10に示すように、無線通信用IC52からの音声データを受け取るIF回路部61と、必要に応じて図9に示すRAM33へアクセスしながら、当該IF回路部61の受け取った音声データ(符号化された音声データ)をデコードするデコーダ回路62と、デコードされた音声データを、音声信号として、音声入出力部56へ出力する音声信号出力回路63と、音声入出力部56から入力された音声信号を受け取る音声信号入力回路64と、当該音声信号入力回路64によって入力された音声信号を、エンコードして、符号化された音声データとして出力すると共に、上記IF回路部61へ指示して、当該符号化された音声データを上記無線通信用IC52へと出力させるエンコード回路65とが形成される。
ここで、携帯電話機5のユーザの音声は、音声入出力部56によって音声信号に変換され、上記プログラマブルロジックIC31の各ブロック64、65および61は、当該音声信号をエンコードして生成した音声データを、無線通信用IC52へ送信する。さらに、無線通信用IC52は、符号化された音声データを無線信号へと変換し、アンテナ51に送信させる。これにより、当該音声データは、図示しない基地局を介して通信相手の電話機へと伝えられる。一方、通信相手の電話機によって生成された音声データが基地局によって無線信号へと変換して送信され、携帯電話機5のアンテナ51によって受信されると、携帯電話機5の無線通信用IC52は、アンテナ51の受信した無線信号を復調して、音声データへ変換し、プログラマブルロジックIC31へ送信する。さらに、プログラマブルロジックIC31の上記ブロック61〜63は、当該音声データをデコードし、当該音声データの示す音声を、音声入出力部56から出力させる。これにより、携帯電話機5のユーザは、通信相手のユーザと音声通話できる。
一方、通話中であるか否かに拘わらず、携帯電話機5が本体ディスプレイ53に画面表示するときには、プログラマブルロジックIC31は、本体ディスプレイ53のROM20に格納されたプログラムに従って、自らの論理回路を接続している。
これにより、プログラマブルロジックIC31には、図11に示すように、本体ディスプレイ53のデータ信号線駆動回路22および走査信号線駆動回路23の動作タイミングを制御するためのドライバ制御回路71aが形成される。当該ドライバ制御回路71aは、例えば、制御部57などによって、RAM33に格納された各画素の階調を示す映像データを順次読み出し、映像信号として、本体ディスプレイ53(より詳細には、そのデータ信号線駆動回路22)へ出力すると共に、それぞれの制御信号を、両駆動回路22・23へ供給して、両駆動回路22・23の動作タイミングを制御している。この結果、本体ディスプレイ53には、制御部57などによって表示が指示された映像が表示される。
一方、増設ディスプレイ6が装着されたことを検出すると、プログラマブルロジックIC31は、増設ディスプレイ6のROM20から読み出したプログラムに従って、自らの論理回路をプログラムする。
これにより、プログラマブルロジックIC31には、増設ディスプレイ6のデータ信号線駆動回路22および走査信号線駆動回路23の動作タイミングを制御するためのドライバ制御回路71bが形成される。
当該ドライバ制御回路71bは、例えば、制御部57などによって、RAM33に格納された各画素の階調を示す映像データを順次読み出し、映像信号として、増設ディスプレイ6(より詳細には、そのデータ信号線駆動回路22)へ出力すると共に、それぞれの制御信号を、両駆動回路22・23へ供給して、両駆動回路22・23の動作タイミングを制御している。この結果、増設ディスプレイ6には、制御部57などによって表示が指示された映像が表示される。
また、これまで装着されていた増設ディスプレイ6が取り外され、図12に示すように、当該増設ディスプレイ6とは異なる種類の増設ディスプレイ7が装着されたとしても、当該増設ディスプレイ7の両駆動回路22・23を制御する回路を形成するためのプログラムは、増設ディスプレイ7のROM20から読み込まれる。したがって、プログラマブルロジックIC31は、当該プログラムに従って自らの論理回路をプログラムして、増設ディスプレイ7の両駆動回路22・23を制御するドライバ制御回路71cを形成することによって、何ら支障なく、増設ディスプレイ7を駆動できる。
なお、増設ディスプレイ7は、増設ディスプレイ6と比較して、例えば、画素アレイ21を構成する画素の数や、表示可能な階調の数、あるいは、寸法などが異なり、両駆動回路22・23の動作タイミングも異なっている点を除けば、増設ディスプレイ6と同様の構成であり、同様の部材21〜23を備えている。
このように、本実施形態では、参考形態と同様に、増設ディスプレイ6および本体ディスプレイ53にタイミングコントローラが設けられておらず、プログラマブルロジックIC31が、それぞれのデータ信号線駆動回路22および走査信号線駆動回路23を直接制御している。したがって、参考形態と同様に、増設ディスプレイ6、本体ディスプレイ53および携帯電話機5の構成を簡略化でき、軽量な増設ディスプレイ6、本体ディスプレイ53および携帯電話機5や、薄型の増設ディスプレイ6、本体ディスプレイ53および携帯電話機5を比較的容易に実現できる。さらに、プログラマブルロジックIC31がそれぞれの上記両駆動回路22・23を制御しているので、参考形態と同様に、開発時の手間およびコストを削減できる。
また、本実施形態では、参考形態と同様に、本体ディスプレイ53の上記両駆動回路22・23を制御する回路を形成するためのプログラム(ドライバ制御用プログラム)が、コントローラ部54ではなく、本体ディスプレイ53に格納されているので、参考形態と同様に、携帯電話機5を製造する際の手間を削減できる。
さらに、本実施形態では、製造後にプログラマブルロジックIC31と着脱可能な増設ディスプレイ6(7)に、それぞれのドライバ制御用プログラムが格納されており、プログラマブルロジックIC31は、増設ディスプレイ6(7)が装着されたときに、増設ディスプレイ6(7)から受け取ったドライバ制御用プログラムに従って、装着された増設ディスプレイ6(7)の両駆動回路22・23を制御する回路を形成する。
したがって、プログラマブルロジックIC31を含む携帯電話機5に装着可能な増設ディスプレイの種類が複数あり、同じ制御回路が同じ動作タイミングで制御すると、いずれかの増設ディスプレイの両駆動回路22・23を正しく制御できない場合であっても、プログラマブルロジックIC31は、何ら支障なく、自らに装着された増設ディスプレイの両駆動回路22・23を制御できる。
ここで、第1の比較例として、携帯電話機5に装着可能な増設ディスプレイ全てについて、それぞれの両駆動回路22・23を制御する回路を設けておく構成では、本実施形態と同様に、これらの増設ディスプレイのいずれが装着された場合でも、正しく制御できる。ところが、これらの回路を予め用意しておく構成では、回路規模が増大するだけではなく、ハードウェアを開発する必要があり、開発にも手間がかかる。また、第2の比較例として、これらの回路に代えて、全てのドライバ制御用プログラムを記憶しておく構成では、回路を設けておく構成よりは、回路規模の増大を抑えることができるが、全ての機種用のドライバ制御用プログラムを携帯電話機5に記憶しておく必要があるので、依然として回路規模が増大しがちである。
また、いずれの比較例の構成でも、例えば、新たな増設ディスプレイの開発などによって、携帯電話機5の製造時に想定されていなかった増設ディスプレイの両駆動回路22・23を駆動しようとすると、携帯電話機5のハードウェアまたはソフトウェアの変更が必要になってしまう。
これに対して、本実施形態では、各増設ディスプレイ6(7)に、それぞれのドライバ制御用プログラムが格納されており、プログラマブルロジックIC31は、当該プログラムに従って、装着された増設ディスプレイ6(7)の両駆動回路22・23を制御する回路を形成する。
したがって、全ての増設ディスプレイを制御する回路を予め用意しておく第1の比較例の構成とは異なり、現在装着されていない増設ディスプレイを制御するための回路は、プログラマブルロジックIC31内に形成せず、現在装着されている増設ディスプレイを制御するための回路(ドライバ制御回路71aなど)のみを形成することができる。また、全ての増設ディスプレイのドライバ制御用プログラムを予め用意しておく第2の比較例の構成とは異なり、携帯電話機5には、いずれの増設ディスプレイのドライバ制御用プログラムも記憶されておらず、携帯電話機5のプログラマブルロジックIC31は、現在装着されている増設ディスプレイ6からドライバ制御用プログラムを読み込む。これらの結果、第1および第2の比較例と比較して、携帯電話機5の回路規模を大幅に削減できる。
また、現在装着されている増設ディスプレイからドライバ制御用プログラムが読み込まれるので、第1および第2の比較例とは異なり、いずれの増設ディスプレイが装着される場合でも、携帯電話機5のハードウェアおよびソフトウェアの変更が不要である。したがって、携帯電話機5の製造後に新たな増設ディスプレイが開発された場合であっても、プログラマブルロジックIC31は、何ら支障なく、当該増設ディスプレイの両駆動回路の動作タイミングを制御できる。
さらに、本実施形態では、本体ディスプレイ53に表示するときと、増設ディスプレイに表示するときとで、プログラマブルロジックIC31は、読み込むドライバ制御用プログラムを変更している。したがって、増設ディスプレイに表示しているときには、本体ディスプレイ53の両駆動回路22・23を制御するための回路を形成することなく、増設ディスプレイ6(7)を制御するためのドライバ制御回路71b(71c)を形成でき、携帯電話機5の回路規模を削減できる。
なお、上記では、制御部57がRAM33の映像データを更新する場合を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、参考形態と同様に、プログラマブルロジックIC31にデコーダ回路(43aまたは42cなど)を形成させるためのプログラムを、ROM32内に格納しておき、当該プログラムに従って自らの論理回路を接続したプログラマブルロジックIC31が、無線通信用IC52またはIF用IC59から入力されるデータをデコードして、RAM33に書き込んでもよい。これにより、制御部57に必要な演算量を削減でき、制御部57がRAM33に映像データを書き込む構成よりも、携帯電話機5の消費電力を削減できる。
また、本実施形態では、携帯電話機5に着脱可能な増設ディスプレイ6(7)だけではなく、携帯電話機5に設けられた本体ディスプレイ53にもROM20が搭載され、プログラマブルロジックIC31が本体ディスプレイ53の両駆動回路22・23の動作タイミングをも制御する構成について説明したが、これに限るものではない。着脱可能な増設ディスプレイ6(7)にROM20が搭載され、増設ディスプレイ6(7)の両駆動回路22・23の動作タイミングを制御できれば、本体ディスプレイ53を制御する回路を、プログラマブルロジックIC31とは別に設けてもよいし、本体ディスプレイ53のROM20、あるいは、本体ディスプレイ53自体を省略してもよい。
ただし、本実施形態のように、携帯電話機5に設けられた本体ディスプレイ53にもROM20が設けられている構成では、参考形態と同様に、本体ディスプレイ53とコントローラ部54との組み合わせを変更した場合の手間を削減できるので、製造時の手間を削減できる。
さらに、ROM20が本体ディスプレイ53に設けられているか否かに拘わらず、以下の構成、すなわち、プログラマブルロジックIC31が増設ディスプレイ6(7)だけではなく、本体ディスプレイ53の両駆動回路22・23の動作タイミングを制御する構成では、本体ディスプレイ53にタイミングコントローラを設ける構成よりも携帯電話機5の構成を簡略化できる。
また、上記参考形態および実施形態では、ディスプレイ端末4、携帯電話機5および増設ディスプレイ6・7が携帯型である場合を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、ディスプレイ端末4は、受信機本体2またはコンピュータ3と有線の伝送経路を介して通信する据え置き型の装置であってもよい。また、携帯電話機5に代えて、有線の電話線に接続された電話機であってもよい。
いずれの場合であっても、上記プログラムセットPa…のうち、いずれを読み込ませるかによって、プログラマブルロジックIC31の論理回路の接続を変更する構成によって、ディスプレイ端末4、あるいは、携帯電話機5および増設ディスプレイ6・7の回路規模、消費電力、寸法および重量を削減できる。
また、ディスプレイ13、増設ディスプレイ6あるいは本体ディスプレイ53などのディスプレイユニットとは別体に設けられたプログラマブルロジックIC31が、これらのディスプレイユニットのデータ信号線駆動回路22および走査信号線駆動回路23に接続され、これら両駆動回路22・23の動作タイミングを制御することによって、両駆動回路22・23のタイミングコントローラをディスプレイユニットに設ける構成よりも、ディスプレイユニットの構成、および、それを含むシステム全体の構成を簡略化できる。
ただし、バッテリによって駆動する携帯型の電子機器(ディスプレイ端末4、携帯電話機5および増設ディスプレイ6・7など)は、消費電力の削減が稼動時間の増大に直結する。また、携帯する場合、寸法および重量はできる限り小さい方が望ましい。したがって、携帯型の電子機器に特に好適に使用できる。なお、携帯型の電子機器としては、上述した携帯電話機だけではなく、PDA(Personal Digital Assistant)や、電子辞書をはじめ、種々の機器が挙げられる。
さらに、上記参考形態および実施形態では、ROM32に複数のプログラムセットが予め記憶されており、ROM20に、それぞれのドライバ制御用プログラムが予め記憶されている場合を例にして説明したが、これに限るものではない。プログラマブルロジックIC31が読み込むプログラムセットを切り換える前に、プログラムセットがプログラマブルロジックIC31からアクセス可能な記憶装置に格納されていれば、上記ROM32・20に代えて/加えて、当該記憶装置を設けた構成でも、同様の効果が得られる。
この場合、プログラムセットは、例えば、プログラムセットを記録媒体に格納し、当該記録媒体を配付したり、あるいは、有線または無線の通信路を介して伝送するための通信手段で送信したりして配付され、上記記憶装置へ書き込み可能な装置によって当該記憶装置へ書き込まれる。また、上記記録媒体を上記記憶装置として用いてもよい。いずれの場合であっても、当該プログラムセットが上記記憶装置に格納されると、当該記憶装置にアクセスするプログラマブルロジックIC31は、上記と同様に動作できるので、同様の効果が得られる。
なお、配付用の記録媒体にプログラムを格納する際の形式は、例えば、プログラマブルロジックIC31が読み取り可能な形式であってもよいし、ソースコードや、インタプリトまたはコンパイルの途中で生成される中間コードとして格納されていてもよい。いずれの場合であっても、圧縮された情報の解凍、符号化された情報の復号、インタプリト、コンパイル、などの処理、あるいは、各処理の組み合わせによって、上記プログラマブルロジックIC31をプログラム可能な形式に変換可能であれば、プログラムを記録媒体に格納する際の形式に拘わらず、同様の効果を得ることができる。