JP2010107921A - フォトマスクブランク、フォトマスク及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】波長200nm以下の露光光が適用されるフォトマスクを作製するために用いられる透光性基板上に遮光膜を備えたフォトマスクブランクであって、前記遮光膜10は、遷移金属の含有量が20原子%以上、40原子%以下である遷移金属シリサイドを主成分とする材料からなり、層の厚さが40nm未満である遮光層12と該遮光層12の上に接して形成される表面反射防止層13からなり、前記表面反射防止層13は膜厚が20nm以下であり、かつ表面反射率が20%以下となるような屈折率n及び消衰係数kを有する材料からなる。
【選択図】図1
Description
近年、半導体デバイスの設計仕様でいうハーフピッチ(hp)45nm〜32nm世代の開発が進められている。これはArFエキシマレーザー露光光の波長193nmの1/4〜1/6に相当している。特にhp45nm以降の世代では従来の位相シフト法、斜入射照明法や瞳フィルター法などの超解像技術(Resolution Enhancement Technology:RET)と光近接効果補正(Optical Proximity Correction : OPC)技術の適用だけでは不十分となってきており、超高NA技術(液浸リソグラフィ)や二重露光法(ダブルパターニング)が必要となってきている。
液浸露光は、ウェハと露光装置の最下レンズとの間を液体で満たすことで、屈折率が1の空気の場合に比べて、液体の屈折率倍にNAを高められるため、解像度を向上できる露光方法である。開口数(NA:Numerical Aperture)は、NA=n×sinθで表される。θは露光装置の最下レンズの最も外側に入る光線と光軸とがなす角度、nはウェハと露光装置の最下レンズとの間における媒質の屈折率である。
しかし、開口数がNA>1の液浸露光方法を適用し、半導体デザインルールにおけるDRAMハーフピッチ(hp)45nm以降の微細なパターンの形成を行おうとした場合、期待した解像度やCD精度(リニアリティ含む)が得られない、という課題があることが判明した。
その原因としては、マスクパターンのパターン幅を露光波長より小さくしていくと、フォトマスクへの入射角度(基板の法線と入射光のなす角)が小さい場合(垂直入射に近い場合)フォトマスクから射出する±1次回折光の射出角度が大きくなり±1次回折光が有限の径のレンズに入射しなくなり解像しなくなる。これを避けるために、フォトマスクへの入射角度を大きくする(斜め入射にする)と、フォトマスクから射出する±1次回折光の射出角度が小さくなり、±1次回折光が有限の径のレンズに入射し、解像するようになる。
しかし、このようにフォトマスクへの入射角度を大きくしていくと、遮蔽効果(シャドーイング)という問題が発生し、解像度に悪影響を及ぼすものとなる。具体的には図13に示すように遮光パターンの側壁に対して露光光が斜め入射されると、遮光パターンの3次元的構造(特に高さ)から影ができる。この影によって、フォトマスク上のサイズが正確に転写されなくなり、また、光量が小さくなる(暗くなる)。
以上のように、ブランクから作製したフォトマスクを用いてウェハ等の転写対象物に対して転写する際においてもパターンの細線化の結果、パターンの側壁高さに起因する解像度の低下の課題が生じ、その解決手段として、転写パターンを薄膜化する必要性があり、このため遮光膜のさらなる薄膜化が必要性となる。
(1)レジスト膜厚200nm以下(概ねhp45nm以降)、更にはレジスト膜厚150nm以下(概ねhp32nm以降)をねらった世代の材料開発を目的とする。
(2)半導体デザインルールにおけるDRAMハーフピッチ(hp)45nm以降の世代、特にhp32−22nm世代に必要な超高NA技術やダブルパターニングに対応できる遮光膜の薄膜化(ひいては転写パターンの薄膜化)を目的とする。
(3)マスク上のパターンの解像性50nm以下を達成可能なフォトマスクブランクの提供を目的とする。
上記所定組成の遮光層を用いると、以下の作用効果が得られる。
(1)遮光膜の薄膜化(転写パターンの薄膜化)によって次の作用効果が得られる。
1)マスク洗浄時のマスクパターン倒れ防止が図られる。
2)遮光膜の薄膜化によって、マスクパターンの側壁高さも低くなることから、特に側壁高さ方向のパターン精度が向上し、CD精度(特にリニアリティ)を高めることができる。
3)特に高NA(液浸)世代で使用されるフォトマスクに関しては、シャドーイング対策として、マスクパターンを薄くする(マスクパターンの側壁高さを低くする)必要があるが、その要求に応えられる。
そこで、本発明者らは、上記所定組成の遷移金属シリサイドを主成分とした材料(特にモリブデンシリサイド金属)の遮光層を用いたフォトマスクにおいても、表面反射率を大幅に低減できる(例えば20%以下にできる)表面反射防止層について鋭意検討した。
その結果、表面反射防止層として適切な20nm以下の膜厚(表面反射防止層の膜厚をただ単に従来よりも厚くして表面反射率を下げるのでは、遮光層を薄膜化した意味がなくなる。)を前提に考えたときに、表面反射率が20%以下となるような表面反射防止層の屈折率n及び消衰係数kの組み合わせは容易に見い出すことができないことが判った。
特に、例えばMo10原子%以下のMoSiONを表面反射防止層とした場合にあっては、表面反射防止層として適切な20nm以下の膜厚を前提に考えたときに、表面反射率が20%以下となるような表面反射防止層の屈折率n及び消衰係数kの組み合わせは容易に見い出すことができないことが判った。
更に、表面反射防止層として適切な20nm以下の膜厚で、かつ表面反射率が20%以下となるような「表面反射防止層の膜厚とnとkの組み合わせ」の複数候補のうち最適な1つを選択する手法があれば便利である。
(構成1)
波長200nm以下の露光光が適用されるフォトマスクを作製するために用いられる透光性基板上に遮光膜を備えたフォトマスクブランクであって、
前記遮光膜は、
遷移金属の含有量が20原子%以上、40原子%以下である遷移金属シリサイドを主成分とする材料からなり、層の厚さが40nm未満である遮光層と、
該遮光層の上に接して形成される表面反射防止層からなり、
前記表面反射防止層は、膜厚が20nm以下であり、かつ表面反射率が20%以下となるような屈折率n及び消衰係数kを有する材料からなる
ことを特徴とするフォトマスクブランク。
(構成2)
前記表面反射防止層は、屈折率nが1.4以上3.0以下、消衰係数kが0より大きく1.3以下である
ことを特徴とする構成1記載のフォトマスクブランク。
(構成3)
前記表面反射防止層は、酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むシリサイド化合物からなる
ことを特徴とする構成1または2のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
(構成4)
前記表面反射防止層は、さらにモリブデンを含有することを特徴とする構成3記載のフォトマスクブランク。
(構成5)
前記表面反射防止層は、モリブデンが0原子%超、10原子%以下含有している
ことを特徴とする構成4記載のフォトマスクブランク。
(構成6)
前記遷移金属シリサイドの遷移金属は、モリブデンである
ことを特徴とする構成1から5のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
(構成7)
前記遮光膜は、前記遮光層の下に接して形成される裏面反射防止層を備える
ことを特徴とする構成1から6のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
(構成8)
前記裏面反射防止層は、
酸素、窒素のうちの少なくとも一方を含むモリブデンシリサイド化合物からなる
ことを特徴とする構成7記載のフォトマスクブランク。
(構成9)
前記遮光膜の上に接して形成される膜であり、クロムを主成分とする材料からなるエッチングマスク膜を備える
ことを特徴とする構成1または8のいずれかに記載のフォトマスクブランク。
(構成10)
前記エッチングマスク膜は、
窒化クロム、酸化クロム、窒化酸化クロム、酸化炭化窒化クロムのいずれかを主成分とする材料で形成されている
ことを特徴とする構成9記載のフォトマスクブランク。
(構成11)
構成1から10のいずれかに記載のフォトマスクブランクの製造方法であって、
遮光膜の表面反射率が20%以下であり、かつ表面反射防止層の膜厚が20nm以下である条件を満たす表面反射防止層の屈折率nおよび消衰係数kと膜厚との組み合わせを求め、求めた組み合わせの中から1つを選定し、遮光層の上面に表面反射防止層を、選定した組み合わせの屈折率nおよび消衰係数kを有する材料で、かつ選定した組み合わせの膜厚で形成する工程を有する
ことを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。
(構成12)
構成1から10のいずれかに記載のフォトマスクブランクを用いて作製されるフォトマスク。
(構成13)
構成1から構成10のいずれかに記載のフォトマスクブランクを用いるフオトマスクの製造方法。
本発明のフォトマスクブランクは、
波長200nm以下の露光光が適用されるフォトマスクを作製するために用いられる透光性基板上に遮光膜を備えたフォトマスクブランクであって、
前記遮光膜は、
遷移金属の含有量が20原子%以上、40原子%以下である遷移金属シリサイドを主成分とする材料からなり、層の厚さが40nm未満である遮光層と、
該遮光層の上に接して形成される表面反射防止層からなり、
前記表面反射防止層は、膜厚が20nm以下であり、かつ表面反射率が20%以下となるような屈折率n及び消衰係数kを有する材料からなる
ことを特徴とする(構成1)。
上記構成によれば、前記表面反射防止層は、膜厚が20nm以下であり、かつ表面反射率が20%以下となるような屈折率n及び消衰係数kを有する材料からなることとすることによって、上記所定組成の遷移金属シリサイドを主成分とする材料からなる遮光層を用いたフォトマスクブランク及びフォトマスクにおいても、表面反射率を20%以下にできるフォトマスクブランク及びフォトマスクを提供できる。
本発明は、例えば、下面の遷移金属シリサイドを主成分とする材料からなる遮光層の材料の複素屈折率(n,k)との関係において、上記のように複素屈折率(n,k)および膜厚を選定しない場合の表面反射率(例えば25%〜40%程度)に対し、表面反射率を大幅に低減できる(例えば5%〜20%程度に低減できる)表面反射防止層の材料の複素屈折率(n,k)および膜厚を選定するものである。
また、本発明は、例えば、目標とする表面反射率を20%、15%、10%として表面反射防止層の材料の複素屈折率および膜厚を選定するものである。
また、本発明は、例えば、所定の範囲の表面反射率(例えば表面反射率が10%〜20%の範囲)となるような表面反射防止層の膜厚とnとkの組み合わせを求める(選定する)ものである。
また、本発明は、例えば、表面反射防止層として適切な20nm以下の膜厚で、かつ表面反射率が20%以下となるような「表面反射防止層の膜厚とnとkの組み合わせ」の複数候補のうち最適な1つを選択する手法を提供できる。例えば、表面反射防止層の膜厚をより薄くするためには、目標とする表面反射率が得られる条件(表面反射防止層)であれば、より消衰係数kが大きい方のものを選択した方が有利である。表面反射防止層である程度のODが得られるのであれば、遮光層の膜厚を少しでも薄くすることができるからである。
例えば、遮光膜の表面反射率が20%以下であり、かつ表面反射防止層の膜厚が20nm以下である条件を満たす表面反射防止層の屈折率n、消衰係数kおよび膜厚の組み合わせを求め、求めた組み合わせの中から1つを選定し、使用する。(構成11)
より具体的には、例えば、遮光層の材料を固定(このとき、遮光層のn,kが決定する)し次に、表面反射防止層の膜厚(例えば、図3の20nm)を固定し、表面反射防止層のn,kをそれぞれ段階的に変動(例えば、n=1.4,1.7,2.0,2.32,2.6,2,9の6段階、k=0,0.1,0.31,0.6,0.9,1.2,1.5の7段階。)させたときの表面反射率を光学シミュレーションで求める。求めたシミュレーションデータをもとに、屈折率nと消衰係数kをそれぞれ縦軸、横軸としたプロットエリア上に、その膜厚(20nm)において、所定の表面反射率以下(例えば、図3、図4では20%以下)となる屈折率nと消衰係数kの組み合わせをプロットし、屈折率nと消衰係数kの組み合わせの範囲を決定する。同様に、他の膜厚(例えば、図3の19nm,18nm,17nm,16nm,15nm、図4の14nm,13nm,12nm,11nm,10nm,9nm,8nm,7nm)について、それぞれ、所定の表面反射率(20%以下)の条件を満たす屈折率nと消衰係数kの組み合わせの範囲を決定する。
また、フォトマスクブランクとして、求められる表面反射率の上限(例えば、15%,10%等)に応じて、同様の方法で、表面反射防止層の膜厚毎の屈折率nと消衰係数kの組み合わせの範囲を決定する。
なお、本発明では、光学シミュレーションを、膜厚について14段階、屈折率nについて6段階、消衰係数kについて7段階にそれぞれ変化させて行っているが、各段階数を増やしてやることで、材料の選定精度がより向上する。
波長200nm以下の露光光(ArFエキシマレーザ露光光等)に対する表面反射率は20%以下とすることが望まれる。また、遮光膜の薄膜化の観点から、表面反射防止層の膜厚は20nm以下であることが望ましい。よって、表面反射防止層は、膜厚が20nm以下とした場合で、表面反射率が20%以下となるように制御できる特性を有する表面反射防止層の材料(表面反射防止層のnとkの組み合わせ)を選定することが好ましい。図3から図11の各グラフをもとに、上記の条件を満たす表面反射防止層の材料を検討すると、屈折率nが1.4以上3.0以下の範囲にある材料群では、条件を満たすものがあることがわかる。一方、消衰係数kは、0より大きく1.4以下の範囲にある材料群では、条件を満たすものがある。光学シミュレーション上では、消衰係数kが0であっても満たすが、実際の材料で波長200nm以下の露光光において、消衰係数kが0の材料はない。以上の検討によって、上記の表面反射防止層に適用する材料として好ましい屈折率nおよび消衰係数kの範囲が選定されている。
さらに、表面反射率は10%以下であり、膜厚が20nm以下であるいうより厳しい条件を満たす表面反射防止層を考慮した場合、図3から図11の各グラフから、このような条件を満たす材料の屈折率nと消衰係数kの組み合わせとしては、屈折率nが1.7以上3.0以下の範囲であり、消衰係数kが0より大きく1.0以下の範囲であるとよいことがわかる。
また、所定の表面反射率(20%以下)を満たし、遮光層でより高いODが確保可能であれば、表面反射防止層の膜厚を10nm以下とするとさらに望ましい。図3から図11の各グラフから、このような条件を満たす材料の屈折率nと消衰係数kの組み合わせとしては、屈折率nが1.8以上3.0以下の範囲であり、消衰係数kが0より大きく1.4以下の範囲であるとよいことがわかる。
遮光層に遷移金属シリサイドを含む材料を用いているが、適用可能な遷移金属としては、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン、クロム、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウム等が挙げられ、シリコンにこれらの中から1種あるいは2種以上を添加するとよい。
また、本発明において、モリブデンシリサイド金属からなる遮光層には、上記の特性、作用効果を損なわない範囲で、他の元素(炭素、ホウ素、ヘリウム、水素、アルゴン、キセノン等)を含んでも良い。
本発明において、遮光層は、層の厚さが30nmから40nm未満であることが望ましく、30nmから35nmであるとより望ましい。
遮光膜の薄膜化の観点から、遮光膜の一部を構成する表面反射防止層の膜厚は、20nm以下であることが必要だからである。
遮光膜の薄膜化(層の厚さが40nm未満)の観点から、遮光層には、所定以上のODを持たせる必要があることから、MoSi金属膜とし、Mo含有比率を20at%以上40at%以下とすることが必要だからである。
具体的には、図14に示すように、モリブデンの含有量が20原子%以上であると、ΔOD=0.082nm−1@193.4nm以上にできるので好ましい。
遷移金属シリサイドの遮光層に対して、特に同じシリコンを含有する表面反射防止層とすることで、マスクパターン加工時の特性に優れた遮光膜とすることができ、さらにモリブデンを含有するモリブデンシリサイドとすることでさらに優れた加工特性とすることができる。
表面反射防止層にモリブデンが0原子%超、10原子%以下含有している場合に好適に適用される(構成5)。
上述したように、このような場合に、膜厚が20nm以下であり、かつ表面反射率が20%以下となるような表面反射防止層の屈折率n及び消衰係数kの組み合わせは容易に見い出すことができないからである。
上記構成3に係る発明によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)反射防止層のMo含有率が上記所定の範囲内であると、次の作用効果が得られる。
1)上記所定の範囲外の組成に対して、相対的に、反射防止層の耐薬品性(洗浄耐性)に優れる。
2)上記所定の範囲外の組成に対して、相対的に、反射防止層の熱処理耐性に優れる。具体的には、Mo含有率が上記所定の範囲内である反射防止層は、加熱処理による白濁も生じず、表面反射率分布の悪化も起こらない。
前記遮光膜は、前記遮光層の下に接して形成される裏面反射防止層を備える態様が含まれる(構成7)。
このような構成によって、遮光性膜の裏面側(透光性基板側)の反射防止が図られる。
前記裏面反射防止層は、
酸素、窒素のうちの少なくとも一方を含むモリブデンシリサイド化合物からなる態様が含まれる(構成8)。
このような構成によって、遮光性膜の裏面側(透光性基板側)の十分な反射防止が図られる。また、遮光性の高いモリブデンシリサイドを含有する裏面反射防止膜とすることで、遮光膜全体のOD確保により寄与することができる。
また、応力制御を目的として高温で加熱処理(アニール)する際、Moの含有率が高いと膜の表面が白く曇る(白濁する)現象が生じることがわかった。これは、MoOが表面に析出するためであると考えられる。このような現象を避ける観点からは、表面反射防止層であるMoSiON、MoSiO、MoSiN、MoSiOC、MoSiOCN等では、反射防止層中のMoの含有率は10at%未満であることが好ましい。しかし、Mo含有率が少なすぎる場合、DCスパッタリングの際の異常放電が顕著になり、欠陥発生頻度が高まる。よって、Moは正常にスパッタできる範囲で含有していることが望ましい。他の成膜技術によってはMoを含有せずに成膜可能な場合がある。
本発明において、反射防止層は、層の厚さが5nmから15nmであることが望ましい。
これに対し、遮光層がMoSiNであると、MoSiNの膜応力が圧縮側であり、遮光層の応力調整が困難である。このため、反射防止層(例えばMoSiON)の圧縮応力と調和も取ることが困難である。
レジストの薄膜化を図るためである。
エッチングマスク膜の下に接して形成されるモリブデンシリサイド化合物からなる反射防止層や遮光層等に対するエッチング選択性が高く、不要となったエッチングマスク膜を他の層にダメージを与えず除去可能だからである。
本発明において、前記エッチングマスク膜は、例えば、クロム単体や、クロムに酸素、窒素、炭素、水素からなる元素を少なくとも1種を含むもの(Crを含む材料)、などの材料を用いることができる。エッチングマスク膜の膜構造としては、上記膜材料からなる単層とすることが多いが、複数層構造とすることもできる。また、複数層構造では、異なる組成で段階的に形成した複数層構造や、連続的に組成が変化した膜構造とすることができる。
エッチングマスク層の材料としては、上記のうちでも、酸化炭化窒化クロム(CrOCN)が、応力の制御性(低応力膜を形成可能)の観点から、好ましい。
本発明において、前記エッチングマスク膜は、膜厚が、5nmから30nmであることが好ましい。
これにより、上記構成1〜10に記載したのと同様の効果が得られる。
これにより、上記構成1〜10に記載したのと同様の効果が得られる。
本発明において、フォトマスクには、位相シフト効果を使用しないバイナリ型フォトマスク、位相シフト効果を使用する位相シフトマスクの中ではレベンソン型位相シフトマスク、エンハンサーマスクが含まれる。フォトマスクにはレチクルが含まれる。
本発明において、波長200nm以下の露光光が適用されるフォトマスクには、ArFエキシマレーザー露光用のフォトマスクが含まれる。
(光学シミュレーションおよび表面反射防止層の選定)
透光性基板1としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英基板を用い、透光性基板1上に、遮光膜の遮光層として適用するものと同一条件のMoSi膜(遮光層)を形成した。
詳しくは、Mo:Si=21:79(原子%比)のターゲットを用い、Arをスパッタリングガス圧0.1Paとし、DC電源の電力を2.0kWで、モリブデン及びシリコンからなる遮光層(Mo:21.0原子%、Si:79原子%)を35nmの膜厚で形成した。
次いで、光学式薄膜特性測定装置n&k1280(n&kテクノロジー社製)により、形成した遮光層の屈折率nおよび消衰係数kを測定した。この遮光層は、屈折率n:1.40、消衰係数k:3.12であり、高い遮光性能を有することが確認できた。
そして、この光学シミュレーションの結果をもとに、表面反射率が20%以下の条件を満たす屈折率nと消衰係数kの組み合わせについて、屈折率nと消衰係数kをそれぞれ縦軸、横軸としたプロットエリア上に、プロットし、膜厚毎に諸条件を満たす屈折率nと消衰係数kの組み合わせの範囲を決定した(図3、図4)。
同様に、表面反射率が15%以下の条件を満たす屈折率nと消衰係数kの組み合わせについて、屈折率nと消衰係数kをそれぞれ縦軸、横軸としたプロットエリア上に、プロットし、膜厚毎に諸条件を満たす屈折率nと消衰係数kの組み合わせの範囲を決定した(図5、図6)。
同様に、表面反射率が10%以下の条件を満たす屈折率nと消衰係数kの組み合わせについて、屈折率nと消衰係数kをそれぞれ縦軸、横軸としたプロットエリア上に、プロットし、膜厚毎に諸条件を満たす屈折率nと消衰係数kの組み合わせの範囲を決定した(図7、図8)。
図3〜図8から、表面反射防止層として適切な20nm以下の膜厚を前提に考えたときに、表面反射率が20%以下となるような表面反射防止層の屈折率n及び消衰係数kの組み合わせは容易に見い出すことができないことがわかる。
図3から図8の各図面ではわかりやすいように、同じ膜厚および同じ屈折率nで組み合わせ可能な消衰係数kには上限と下限について、プロットし、消衰係数kの上限側と下限側で近似曲線を描いてある。これらの傾向から、各膜厚で組み合わせ可能な屈折率nと消衰係数kは、ある所定の環状エリアの中にあることがわかる。つまり、所望する表面反射率と表面反射防止膜の膜厚の条件が定まれば、その条件に当てはまる環状エリアの中にある屈折率nと消衰係数kの組み合わせの材料を選定すればよいことになる。
より具体的には、この実施例1では、遮光膜のより薄膜化を図るため、表面反射防止層の膜厚を10nmとし、目標とする表面反射率も高い条件である15%以下となるような屈折率nと消衰係数kの組み合わせ(図6の膜厚10nmの環状エリアの領域から、n=2.32、k=0.31)を選択する。
(遮光性膜の形成)
上記検討の結果、選定された遮光膜の構成で実際にフォトマスクブランクを作成した。透光性基板1としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英基板を用い、透光性基板1上に、遮光性膜10として、MoSiON膜11(裏面反射防止層)、MoSi(遮光層)12、MoSiON膜(表面反射防止層)13、をそれぞれ形成した(図1)。
詳しくは、Mo:Si=21:79(原子%比)のターゲットを用い、ArとO2とN2とHeをスパッタリングガス圧0.2Pa(ガス流量比 Ar:O2:N2:He=5:4:49:42)とし、DC電源の電力を3.0kWで、モリブデン、シリコン、酸素、窒素からなる膜(Mo:0.3原子%、Si:24.6原子%、O:22.5原子%、N:52.6原子%)(n:2.39、k:0.78)を7nmの膜厚で形成し、
次いで、Mo:Si=21:79(原子%比)のターゲットを用い、Arをスパッタリングガス圧0.1Paとし、DC電源の電力を2.0kWで、モリブデン及びシリコンからなる膜(Mo:21.0原子%、Si:79原子%)(n:1.40、k:3.19)を35nmの膜厚で形成し、
次いで、Mo:Si=4:96(原子%比)のターゲットを用い、ArとO2とN2とHeをスパッタリングガス圧0.2Pa(ガス流量比 Ar:O2:N2:He=5:4:49:42)とし、DC電源の電力を3.0kWで、モリブデン、シリコン、酸素、窒素からなる膜(n:2.32、k:0.31)を10nmの膜厚で形成した。
遮光性膜10の合計膜厚は52nmとした。遮光性膜10の光学濃度(OD)はArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3であった。
次に、上記基板を450℃で30分間加熱処理(アニール処理)し、膜応力低減させた。
より具体的には、シミュレーション結果である図6に示すグラフに示すように、n、k、膜厚の組み合わせ(例えば10nm、n=2.32、k=0.31)を選択すると、膜厚が10nmで表面反射率が20%以下の遮光膜が得られる。
次に、遮光膜10上に、エッチングマスク膜20を形成した(図1)。具体的には、クロムターゲットを使用し、ArとCO2とN2とHeをスパッタリングガス圧0.2Pa(ガス流量比 Ar:CO2:N2:He=21:37:11:31)とし、DC電源の電力を1.8kW、電圧を334Vで、CrOCN膜(膜中のCr含有率:33原子%)を15nmの膜厚で形成した。このときCrOCN膜を前記MoSi遮光膜のアニール処理温度よりも低い温度でアニールすることにより、MoSi遮光膜の膜応力に影響を与えずCrOCN膜の応力を極力低く(好ましくは膜応力が実質ゼロ)なるよう調整した。
上記により、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜を形成したフォトマスクブランクを得た。
なお、薄膜の元素分析は、ラザフォード後方散乱分析法を用いた。
フォトマスクブランクのエッチングマスク膜20の上に、電子線描画(露光)用化学増幅型ポジレジスト50(PRL009:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコート法により膜厚が100nmとなるように塗布した(図1、図2(1))。
次に、レジスト膜50に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターン(40nm、45nm、50nm、55nm、60nmのラインアンドスペース)の描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターン50aを形成した(図2(2))。
次に、レジストパターン50aをマスクとして、エッチングマスク膜20のドライエッチングを行った(図2(3))。ドライエッチングガスとして、Cl2とO2の混合ガス(Cl2:O2=4:1)を用いた。
次いで、残留したレジストパターン50aを薬液により剥離除去した。
次いで、エッチングマスク膜パターン20aをマスクにして、遮光膜10を、SF6とHeの混合ガスを用い、ドライエッチングを行い、遮光膜パターン10aを形成した(図2(4))。
次いで、エッチングマスク膜パターン20aを、Cl2とO2の混合ガスでドライエッチングによって剥離し(図2(5))、所定の洗浄を施してフォトマスク100を得た。
上記で得られたフォトマスクに対し、波長193nm〜800nmの光を照射したときの表面反射率(%R)、裏面反射率(%Rb)、OD(%T)について、分光光度計 U−4100(日立ハイテクノロジーズ社製)で測定したところ、図12のような結果が得られた。フォトマスクで使用するArF露光光(波長193nm)に対する特性(表面反射率 %R:12.8%、裏面反射率 %Rb:28.1%)であり、表面反射防止層の膜厚が10nmと非常に薄いにも関わらず、表面反射率を大幅に低減できていることがわかった。
(光学シミュレーションおよび表面反射防止層の選定)
透光性基板1としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英基板を用い、透光性基板1上に、遮光膜の遮光層として適用するものと同一条件のMoSi膜(遮光層)を形成した。
詳しくは、Mo:Si=21:79(原子%比)のターゲットを用い、ArとHeをスパッタリングガス圧0.3Pa(ガス流量比 Ar:He=20:120)とし、DC電源の電力を2.0kWで、モリブデン及びシリコンからなる遮光層(Mo:21.0原子%、Si:79原子%)を36nmの膜厚で形成した。
次いで、光学式薄膜特性測定装置n&k1280(n&kテクノロジー社製)により、形成した遮光層の屈折率nおよび消衰係数kを測定した。この遮光層は、屈折率n:2.42、消衰係数k:2.89であり、高い遮光性能を有することが確認できた。
そして、この光学シミュレーションの結果をもとに、表面反射率が20%以下の条件を満たす屈折率nと消衰係数kの組み合わせについて、屈折率nと消衰係数kをそれぞれ縦軸、横軸としたプロットエリア上に、プロットし、膜厚毎に諸条件を満たす屈折率nと消衰係数kの組み合わせの範囲を決定した(図9)。
同様に、表面反射率が15%以下の条件を満たす屈折率nと消衰係数kの組み合わせについて、屈折率nと消衰係数kをそれぞれ縦軸、横軸としたプロットエリア上に、プロットし、膜厚毎に諸条件を満たす屈折率nと消衰係数kの組み合わせの範囲を決定した(図10)。
同様に、表面反射率が10%以下の条件を満たす屈折率nと消衰係数kの組み合わせについて、屈折率nと消衰係数kをそれぞれ縦軸、横軸としたプロットエリア上に、プロットし、膜厚毎に諸条件を満たす屈折率nと消衰係数kの組み合わせの範囲を決定した(図11)。
図9〜図11から、表面反射防止層として適切な20nm以下の膜厚を前提に考えたときに、表面反射率が20%以下となるような表面反射防止層の屈折率n及び消衰係数kの組み合わせは容易に見い出すことができないことがわかる。
この実施例2の遮光層に対する光学シミュレーションの結果、実施例1の遮光層と異なり、消衰係数kの下限値はないことが判明した。このため、図9から図11には、消衰係数kの下限値のプロットや近似曲線は記載していない。つまり、消衰係数kの上限値以下であればよいことになる。ただし、図9から図11の各図面からわかるように、実施例1の場合と比べて、適用可能な消衰係数kの上限が低く、同じ表面反射防止層の膜厚でも屈折率nによって、消衰係数kの組み合わせ可能な範囲にかなり差があることがわかる。
より具体的には、この実施例2においては、遮光膜のより薄膜化を図るため、表面反射防止層の膜厚を10nmとし、目標とする表面反射率を15%以下となるような屈折率nと消衰係数kの組み合わせ(図9の膜厚10nmの環状エリアの領域から、n=2.32、k=0.31)を選択する。
(遮光性膜の形成)
上記検討の結果、選定された遮光膜の構成で実際にフォトマスクブランクを作成した。透光性基板1としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英基板を用い、透光性基板1上に、遮光性膜10として、MoSiON膜11(裏面反射防止層)、MoSi(遮光層)12、MoSiON膜(表面反射防止層)13、をそれぞれ形成した(図1)。
詳しくは、Mo:Si=21:79(原子%比)のターゲットを用い、ArとO2とN2とHeをスパッタリングガス圧0.2Pa(ガス流量比 Ar:O2:N2:He=5:4:49:42)とし、DC電源の電力を3.0kWで、モリブデン、シリコン、酸素、窒素からなる膜(Mo:0.3原子%、Si:24.6原子%、O:22.5原子%、N:52.6原子%)(n:2.39、k:0.78)を7nmの膜厚で形成し、
次いで、Mo:Si=21:79(原子%比)のターゲットを用い、ArとHeをスパッタリングガス圧0.3Pa(ガス流量比 Ar:He=20:120)とし、DC電源の電力を2.0kWで、モリブデン及びシリコンからなる遮光層(Mo:21.0原子%、Si:79原子%)(n:2.42、k:2.89)を36nmの膜厚で形成した。
次いで、Mo:Si=4:96(原子%比)のターゲットを用い、ArとO2とN2とHeをスパッタリングガス圧0.2Pa(ガス流量比 Ar:O2:N2:He=5:4:49:42)とし、DC電源の電力を3.0kWで、モリブデン、シリコン、酸素、窒素からなる膜(n:2.32、k:0.31)を10nmの膜厚で形成した。
遮光性膜10の合計膜厚は53nmとした。遮光性膜10の光学濃度(OD)はArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3であった。
次に、上記基板を450℃で30分間加熱処理(アニール処理)し、膜応力低減させた。
より具体的には、シミュレーション結果である図9に示すグラフに示すように、n、k、膜厚の組み合わせ(例えば10nm、n=2.32、k=0.31)を選択すると、膜厚が10nmで表面反射率が15%以下の遮光膜が得られる。
次に、実施例1と同じ条件で、遮光膜10上に、エッチングマスク膜20を形成した。
上記により、ArFエキシマレーザー露光用の遮光膜を形成したフォトマスクブランクを得た。
なお、薄膜の元素分析は、ラザフォード後方散乱分析法を用いた。
この実施例2のフォトマスクブランクを用い、実施例1と同様の手順でフォトマスクを作製した。
上記で得られたフォトマスクに対し、波長193nm〜800nmの光を照射したときの表面反射率(%R)、裏面反射率(%Rb)、OD(%T)について、分光光度計 U−4100(日立ハイテクノロジーズ社製)で測定したところ、図13のような結果が得られた。フォトマスクで使用するArF露光光(波長193nm)に対する特性(表面反射率 %R:13.6%、裏面反射率 %Rb:27.7%)であり、表面反射防止層の膜厚が10nmと非常に薄いにも関わらず、表面反射率を十分に低減できていることがわかった。
10 遮光膜
11 裏面反射防止層
12 遮光層
13 表面反射防止層
20 エッチングマスク膜
50 レジスト膜
100 フォトマスク
Claims (13)
- 波長200nm以下の露光光が適用されるフォトマスクを作製するために用いられる透光性基板上に遮光膜を備えたフォトマスクブランクであって、
前記遮光膜は、
遷移金属の含有量が20原子%以上、40原子%以下である遷移金属シリサイドを主成分とする材料からなり、層の厚さが40nm未満である遮光層と、
該遮光層の上に接して形成される表面反射防止層からなり、
前記表面反射防止層は、膜厚が20nm以下であり、かつ表面反射率が20%以下となるような屈折率n及び消衰係数kを有する材料からなる
ことを特徴とするフォトマスクブランク。 - 前記表面反射防止層は、屈折率nが1.4以上3.0以下、消衰係数kが0より大きく1.4以下である
ことを特徴とする請求項1記載のフォトマスクブランク。 - 前記表面反射防止層は、酸素、窒素のうち少なくとも一方を含むシリサイド化合物からなる
ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のフォトマスクブランク。 - 前記表面反射防止層は、さらにモリブデンを含有することを特徴とする請求項3記載のフォトマスクブランク。
- 前記表面反射防止層は、モリブデンが0原子%超、10原子%以下含有している
ことを特徴とする請求項4記載のフォトマスクブランク。 - 前記遷移金属シリサイドの遷移金属は、モリブデンである
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のフォトマスクブランク。 - 前記遮光膜は、前記遮光層の下に接して形成される裏面反射防止層を備える
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のフォトマスクブランク。 - 前記裏面反射防止層は、
酸素、窒素のうちの少なくとも一方を含むモリブデンシリサイド化合物からなる
ことを特徴とする請求項7記載のフォトマスクブランク。 - 前記遮光膜の上に接して形成される膜であり、クロムを主成分とする材料からなるエッチングマスク膜を備える
ことを特徴とする請求項1または8のいずれかに記載のフォトマスクブランク。 - 前記エッチングマスク膜は、
窒化クロム、酸化クロム、窒化酸化クロム、酸化炭化窒化クロムのいずれかを主成分とする材料で形成されている
ことを特徴とする請求項9記載のフォトマスクブランク。 - 請求項1から10のいずれかに記載のフォトマスクブランクの製造方法であって、
遮光膜の表面反射率が20%以下であり、かつ表面反射防止層の膜厚が20nm以下である条件を満たす表面反射防止層の屈折率n、消衰係数kおよび膜厚の組み合わせを求め、求めた組み合わせの中から1つを選定し、遮光層の上面に表面反射防止層を、選定した組み合わせの屈折率nおよび消衰係数kを有する材料で、かつその選定した組み合わせの膜厚で形成する工程を有する
ことを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。 - 請求項1から10のいずれかに記載のフォトマスクブランクを用いて作製されるフォトマスク。
- 請求項1から請求項10のいずれかに記載のフォトマスクブランクを用いるフオトマスクの製造方法。
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