JP2010105689A - 樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂被覆鋼板からなる缶蓋1の両面に開口用溝2が形成され、開口用溝を破断することにより開缶する。樹脂被覆鋼板は、ポリエステルを主成分とする樹脂層を両面に有している。さらに、樹脂層は、複層構造からなり、鋼板との密着層となる樹脂層がブロックフリーイソシアネート化合物を含有することが好ましい。また、開口用溝の断面形状は曲線および/または直線(好適には、半径0.1mm〜0.5mmの円弧曲線)で、傾斜(Tp)は1.5以下であり、かつ、最薄部2aの厚さtsが0.035mmから0.075mm、開口用溝の最薄部の厚さと樹脂被覆鋼板の厚さt0の比が、0.1以上である。
【選択図】図5
Description
フルオープンタイプの缶蓋は、缶蓋の外周縁に沿って開口用溝が形成され、缶蓋外周縁近くのパネル部に取り付けられたタブを指先等で引き上げることによって、開口片を缶蓋から切り離すようになっている。
このように、開口用溝の形成は、加工工具を使用し、プレスによる高荷重の押圧成形で行われるために、両面を樹脂被覆された鋼板からなる缶蓋の場合には、押圧成形時に、缶蓋の両面に形成されている樹脂皮膜が損傷し、耐食性が劣化する問題が生ずる。したがって、耐食性の劣化を防止するために、押圧成形後に補修塗装を行わなければならず、多くの手間及び費用を要していた。
このような背景から、近年、食品缶詰の缶蓋の材料に、樹脂皮膜が損傷を受けても錆の生じないアルミニウムが使用されているが、アルミニウムの使用は、コスト高となる上、リサイクルの点からも問題がある。
そこで、樹脂皮膜が形成された表面処理鋼板からなる缶蓋に開口用溝を形成する際に生ずる上述した問題の対策として、特許文献1〜3には、複合押し出し加工によって開口用溝を形成する方法が開示されている。
上記特許文献1〜3の記載によれば、複合押し出し加工によって、開口用溝が形成されるので、樹脂皮膜の損傷がなく補修塗装が不要であるとされている。しかし、複合押し出しの加工条件や溝形状の詳細が不明であり、安定して開口用溝が形成される再現性の判断が困難である。
また、特許文献4では、曲面型のスコア金型を用いる方法が開示されている。半径0.1〜1.0mmの曲面型である金型を使用し、最薄部の厚さが0.025〜0.08mmの範囲となるよう押圧成形を施すことが開示されている。曲面型とすることで、開口用溝加工時に生ずる圧縮応力を大幅に低減することができるため、フィルム損傷の軽減が期待できる。
上記に加えて、適用するフィルムに関する技術開示が、「熱融着タイプのポリエステルフィルムをラミネート」するという記載のみであるため、加工部でのフィルム損傷を抑制することができない。その理由を、以下に示す。
[1]樹脂被覆鋼板からなる缶蓋の両面に開口用溝が形成され、該開口用溝を破断することにより開缶する樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋であり、前記樹脂被覆鋼板は、ポリエステルを主成分とする樹脂層を両面に有しており、前記開口用溝は、下記から構成されていることを特徴とする樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
(A)開口用溝の断面形状が、曲線および/または直線より構成され、
(B)開口用溝の断面形状における傾斜(Tp)が1.5以下であり、
(C)開口用溝の最薄部の厚さが0.035mm以上0.075mm以下
(D)開口用溝の最薄部の厚さと樹脂被覆鋼板の厚さの比が、0.1以上
[2]前記[1]において、開口用溝の断面形状が、半径0.1mm〜0.5mmの円弧曲線であることを特徴とする樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
[3]前記[1]または[2]において、前記樹脂被覆鋼板は、少なくとも一方の面が複層構造からなり、鋼板との密着層となる樹脂層がブロックフリーイソシアネート化合物を含有することを特徴とする樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
[4]前記[3]において、前記ブロックフリーイソシアネート化合物中に含まれるNCO基のモル数は、前記密着層を形成するポリエステル樹脂層に含まれるOH基のモル数の0.5倍以上15.0倍以下であることを特徴とする樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
[5]前記[3]〜[4]のいずれかにおいて、前記密着層となるポリエステル樹脂層の付着量は、0.1μm以上3.0μm以下であることを特徴とする樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
[6]前記[3]〜[5]のいずれかにおいて、前記密着層中に着色剤を含むことを特徴とする樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
[7]前記[3]〜[6]のいずれかにおいて、前記密着層中に腐食抑制剤を5PHR以上含むことを特徴とする樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
[8]前記[3]〜[7]のいずれかにおいて、前記密着層中に導電性ポリマーを0.1mass%以上含むことを特徴とする樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
[9]前記[3]〜[8]のいずれかにおいて、前記密着層の上層を形成するポリエステル樹脂層はポリエステルフィルムから形成され、該ポリエステルフィルムは、ポリエステルの構成単位の93質量%以上がエチレンテレフタレート単位及び/またはエチレンナフタレート単位であり、かつ、面積換算平均粒子径が0.005〜5.0μmであり、式(1)に示される相対標準偏差が0.5以下であり、粒子の長径/短径比が1.0〜1.2で、モース硬度が7未満である粒子を0.005〜10質量%含有することを特徴とする樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
[11]前記[10]に記載の金型を用いて樹脂被覆金属板を押圧成形する際に、樹脂被覆鋼板の加工部全域が、金型と接触した状態を維持しながら押圧成形を行うことを特徴とする樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋の製造方法。
このように、本発明では、両面に樹脂層が形成された鋼板からなる缶蓋に開口用溝を形成する際に、缶蓋の両面に形成されているめっき層および樹脂被膜層の損傷による補修塗装を必要とせず、しかも、子供や老人でも容易に開缶することができる、開缶性の優れたイージーオープン缶蓋が得られ、工業上有用な効果がもたらされる。
まず、缶蓋に用いる本発明の鋼板について説明する。
本発明の鋼板としては、缶用材料として広く使用されている軟鋼板等を用いることができる。特に、下層が金属クロム、上層がクロム水酸化物からなる二層皮膜を形成させた表面処理鋼板(以下、TFSと称す)等が最適である。
TFSの金属クロム層、クロム水酸化物層の付着量については、特に限定されないが、加工後密着性、耐食性の観点から、何れもCr換算で、金属クロム層は70〜200mg/m2、クロム水酸化物層は10〜30mg/m2の範囲とすることが望ましい。
樹脂層は、少なくとも一方の面が複層構造のポリエステル樹脂層からなることが好ましい。そして、ポリエステル樹脂層のうちの、鋼板の上層に形成する密着層は、ポリエステルを主成分とする樹脂層からなり、ブロックフリーイソシアネート化合物を含有することが好ましい。
発明者らが白化現象を鋭意検討した結果、上記イソシアネート架橋反応によるポリエステル分子鎖のネットワークを形成することで、液胞の形成を抑制できることを見出した。ポリエステル分子鎖のネットワークが、水蒸気が界面へ到達するのを抑制するとともに、界面及び界面近傍の樹脂強度及び弾性率が上昇することで、液胞の形成及び成長を抑制することが可能となる。
更に、密着層中に、染料、顔料などの着色剤を添加することで、下地の鋼板を隠蔽し、樹脂独自の多様な色調を付与できる。例えば、黒色顔料として、カーボンブラックを添加することで、下地の鋼色を隠蔽するとともに、黒色のもつ高級感を食品缶詰に付与することができる。カーボンブラックの添加量は、5PHR以上40PHR以下が望ましい。5PHR未満では黒色度が不十分であるとともに下地鋼の色調が隠蔽できず、高級感のある意匠性を付与できない場合がある。一方、40PHR超としても、黒色度は変化しないため意匠性の改善効果は得られないばかりか、ポリエステル樹脂の構造が脆弱となるため、製缶加工時に樹脂層が容易に破壊してしまう場合がある。添加量を5PHR以上40PHR以下の範囲とすることで、意匠性と他の要求特性との両立が可能となる。
カーボンブラックの粒子径としては、5〜50nmの範囲のものを使用できるが、ポリエステル樹脂中での分散性や発色性を考慮すると、5〜30nmの範囲が好適である。
アゾ系顔料の添加量は、対象樹脂層に対して、10〜40PHRとすることが望ましい。添加量が10PHR以上であれば、発色に優れるので好適である。40PHR以下の方が、透明度が高くなり光輝性に富んだ色調となる。
樹脂被覆鋼板が保管・運搬される際には40℃程度の温度で長時間保持される可能性があるため、ガラス転移点は50℃以上であることが必要である。一方、ガラス転移点の上限は85℃に規定する。ガラス転移点が85℃を超えるポリエステルポリマーは、軟化点が上昇してしまい、本発明で規定する軟化点200℃以下の範囲を維持し難くなるためである。
密着層の上層に形成するポリエステル樹脂層としては、レトルト後の味特性を良好とする点、および製蓋工程での摩耗粉の発生を抑制する点から、エチレンテレフタレート及び/またはエチレンナフタレートを主たる構成成分とすることが望ましい。即ち、エチレンテレフタレート及び/またはエチレンナフタレートを主たる構成成分とするポリエステルとは、ポリエステルの構成単位の93重量%以上がエチレンテレフタレート単位及び/またはエチレンナフタレート単位であるポリエステルである。さらに好ましくは95重量%以上である。金属缶に食品を長期充填しても味特性が良好であるので望ましい。
一方、味特性を損ねない範囲で他のジカルボン酸成分、グリコール成分を共重合してもよく、ジカルボン酸成分としては、例えば、ジフェニルカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を挙げることができる。
一方、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の指環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。なお、これらのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上を併用してもよい。
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、トリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロールプロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
本発明で用いるポリエステル樹脂における粒子とは、組成的には有機、無機を問わず特に制限されるものではない。
耐摩耗性、加工性、味特性等の点から面積換算平均粒子径は0.005〜5.0μmであることが好ましい。さらに好ましくは0.01〜3.0μmである。
また、耐摩耗性等の点から、下記式(1)に示される相対標準偏差が0.5以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.3以下である。
また、有機粒子としては、さまざまな有機高分子粒子を用いることができるが、その種類としては、少なくとも一部がポリエステルに対し不溶の粒子であれば、いかなる組成の粒子でも構わない。また、このような粒子の素材としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメチルメタクリレート、ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂などを使用することができるが、耐熱性が高く、かつ粒度分布の均一な粒子が得られやすいビニル系架橋高分子粒子が特に好ましい。
また、本発明の効果を妨げない範囲において、他の粒子、例えば各種不定形の外部添加型粒子、及び内部析出型粒子、あるいは各種表面処理剤を添加しても構わない。
(1)ラミネート前の配向ポリエステル樹脂(もしくは配向ポリエステルフィルム)及びラミネート後の樹脂(もしくはフィルム)について、X線回折強度を2θ=20〜30°の範囲で測定する。
(2)2θ=20°、2θ=30°におけるX線回折強度を直線で結びベースラインとする。
(3)2θ=22〜28°近辺にあらわれる最も高いピークの高さをベースラインより測定する。
(4)ラミネート前のフィルムの最も高いピークの高さをP1、ラミネート後のフィルムの最も高いピークをP2とした時、P2/P1×100を残存配向度(%)とする。
本発明の容器用ポリエステル樹脂被覆鋼板は、まず、上記からなる密着層をポリエステルフィルムの表面に形成する。次いで、鋼板とポリエステルの界面に密着層が存在するように、ポリエステルフィルムを鋼板表面にラミネートする。
密着層をフィルム表面に形成する方法について説明する。本発明で規定するポリエステル樹脂を有機溶剤中に溶解させコーティング液とする。次いで、前記コーティング液を、ポリエステルフィルム成膜時もしくは製膜後に、フィルム表面に塗布し乾燥する。形成方法は特に限定しないが、前述した方法が、本発明の目的・用途に適合しており好ましい。
本発明に規定するポリエステル樹脂を溶解させるための有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン溶剤、酢酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤などを挙げることができ、これらの1種以上を適宜選定して使用することができる。
また、本発明で規定するブロックフリーイソシアネート化合物や、長鎖アルキル基を側鎖に有する疎水性ポリオール樹脂、着色剤としてカーボンブラック、アゾ系顔料などの添加剤は、有機溶剤中に分散させて使用するのが望ましい。この際、分散剤を併用すると、添加剤の均一性が付与できるため、好適である。
コーティング液をポリエステルフィルムに塗布する方法としては、ロールコーター方式、ダイコーター方式、グラビア方式、グラビアオフセット方式、スプレー塗布方式など、既知の塗装手段が適用できるが、グラビアロールコート法が最も好適である。コーティング液塗布後の乾燥条件としては、80℃〜170℃で20〜180秒間、特に80℃〜120℃で60〜120秒間が好ましい。乾燥後のポリエステル樹脂層の付着量は、本発明に規定する0.1μm以上3.0μm以下の範囲が好ましい。
本発明では、例えば、鋼板を加熱装置(例えば、図2中、鋼板加熱装置4)にて一定温度以上に昇温し、その表面にポリエステルフィルムを圧着ロール(以後、ラミネートロールと称す)を用いて接触させ熱融着させる方法を用いることができる。このとき、コーティングした面を圧着ロール(以後ラミネートロールと称す)を用いて鋼板に接触させ熱融着させることが必要である。以下、ラミネート条件の詳細について記す。
更に本発明では、開口用溝2の最薄部2aの板厚tsと、樹脂被覆金属板の板厚t0の比(=ts/t0)の値を、0.1以上の範囲に規定する。
開缶力(ポップ値・ティア値)は、開口用溝の最薄部厚さtsと相関し、金属板の厚さt0には依存しない。t0の値が変化しても、開缶性が良好となるtsの値は、ほぼ一定である。したがって、t0が増加すれば、最薄部tsまでのスコア加工量が増加することとなる。
樹脂被覆金属板に対するスコア加工量が増せば、樹脂層に加わる応力及び歪み量が増大し、損傷の危険性が高まるため、t0の選定には注意が必要である。本発明者らが、t0及びtsの値が、性能に及ぼす影響を調査した結果、ts/t0の値を0.1以上の範囲に規定することで、スコア加工量が限定され、樹脂層の損傷を確実に抑制できることがわかった。よって、開口用溝の最薄部の厚さと樹脂被覆金属板の厚さの比は0.1以上とする。
まず、密着層の上層に形成するポリエステルフィルムを製造する。グリコール成分とジカルボン酸成分を、表1および表2に示す比率にて重合したポリエステル樹脂を乾燥、溶融、押し出しし、冷却ドラム上で冷却固化させ、未延伸フィルムを得た後、二軸延伸・熱固定して、二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
ラミネートロール7は内部水冷式とし、ラミネート中に冷却水を強制循環し、フィルム接着中の冷却を行った。樹脂フィルムを鋼板にラミネートする際に、鋼板に接する界面のフィルム温度がフィルムの融点以上になる時間を1〜20msecの範囲内にした。
ここで、実施例の開口用溝の断面構造を図7〜12に示す。図7〜12によると、缶蓋の断面で開口用溝の中心線に対して左右対称となっている。しかし、本発明はこれに限定されず、左右対称でない場合も本発明の技術範囲内であれば同じ作用効果を有する。
(1)粒径比、面積換算平均粒子径、数平均粒子径、粒子径の測定及び相対標準偏差σの計算
粒子をポリエステルに配合し、0.2μmの厚みの超薄片にカッティング後、透過型電子顕微鏡で、少なくとも50個の粒子について観察し粒子径の測定を行なった。相対標準偏差σ、数平均粒子径の計算式は下記の通りである。
ダイアモンド・砥石などで平滑な平面に仕上げた順位にある標準鉱石を用意する。各々の面を合わせ、その間に、粒子を挟んで擦り動かし、下位の基準鉱石にキズがつき、上位の基準鉱石にキズがつかない場合、その粒子の硬さは両基準鉱石の中間にあるものとした。
(3)開缶性(ポップ値)
引張試験機を用い、缶蓋に取り付けたタブを一定の速度で引き起こし、蓋開口部が開き始める最初の段階における極大ピーク値によって評価した。
(評点について)
◎:15(N)未満
○:15(N)以上 20(N)未満
△:20(N)以上 25(N)未満
×:25(N)以上
(4)開缶性(ティア値)
引き裂き開缶値は、タブを蓋面と90度の角度まで引き起こした後、蓋面に対して垂直方向に引き上げた時に観測される初期の極大ピーク値を評価した。
(評点について)
◎:30(N)未満
○:30(N)以上 40(N)未満
△:40(N)以上 50(N)未満
×:50(N)以上
(5)樹脂皮膜の損傷度の評価(通電試験)
3%塩化カリウム溶液を電解液とし、供試体(缶蓋)を陽極、白金電極を陰極として、印加電圧6.2Vで4秒間通電後の電流値を計測し、評価した。
◎:0.001(mA)未満
○:0.001(mA)以上 0.01(mA)未満
△:0.01(mA)以上 0.1(mA)未満
×:0.1(mA)以上
(6)耐衝撃性
各供試体(缶蓋)につき10個を、水道水を充填した缶胴部に巻き締めて密閉した。缶を蓋を下向きにして、高さ1.0mから塩ビタイル床面に落下させ、衝撃力が付加されたときの衝撃破壊の有無によって評価した。
(評点について)
○:開口用溝加工部の破損なし
×:開口用溝加工部に破損あり
(7)耐レトルト白化性
缶内に常温の水道水を満たした後、本発明の供試体および比較用の供試体である蓋を巻き締めて密閉した。その後、蓋を下向きにしてレトルト殺菌炉の中に配置し、125℃で90分間、レトルト処理を行った。処理後、缶底部外面の外観変化を目視で観察した。
(評点について)
◎:外観変化なし
○:外観にかすかな曇り発生
△:外観が白濁(白化発生)
×:外観が顕著に白濁(顕著な白化発生)
以上により得られた結果を表4に示す。
2 開口用溝
3 傾斜
4 樹脂層
5 鋼板(クロムめっき鋼板)
6 鋼帯加熱装置
7 ラミネートロール
8a、8b フィルム
9 鋼帯冷却装置
10 加工工具
11 蓋板
Claims (11)
- 樹脂被覆鋼板からなる缶蓋の両面に開口用溝が形成され、該開口用溝を破断することにより開缶する樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋であり、前記樹脂被覆鋼板は、ポリエステルを主成分とする樹脂層を両面に有しており、前記開口用溝は、下記から構成されていることを特徴とする樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
(A)開口用溝の断面形状が、曲線および/または直線より構成され、
(B)開口用溝の断面形状における傾斜(Tp)が1.5以下であり、
(C)開口用溝の最薄部の厚さが0.035mm以上0.075mm以下
(D)開口用溝の最薄部の厚さと樹脂被覆鋼板の厚さの比が、0.1以上 - 開口用溝の断面形状が、半径0.1mm〜0.5mmの円弧曲線であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
- 前記樹脂被覆鋼板は、少なくとも一方の面が複層構造からなり、鋼板との密着層となる樹脂層がブロックフリーイソシアネート化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
- 前記ブロックフリーイソシアネート化合物中に含まれるNCO基のモル数は、前記密着層を形成するポリエステル樹脂層に含まれるOH基のモル数の0.5倍以上15.0倍以下であることを特徴とする請求項3に記載の樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
- 前記密着層となるポリエステル樹脂層の付着量は、0.1μm以上3.0μm以下であることを特徴とする請求項3または4記載の樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
- 前記密着層中に着色剤を含むことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
- 前記密着層中に腐食抑制剤を5PHR以上含むことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
- 前記密着層中に導電性ポリマーを0.1mass%以上含むことを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
- 前記密着層の上層を形成するポリエステル樹脂層はポリエステルフィルムから形成され、該ポリエステルフィルムは、ポリエステルの構成単位の93質量%以上がエチレンテレフタレート単位及び/またはエチレンナフタレート単位であり、かつ、面積換算平均粒子径が0.005〜5.0μmであり、式(1)に示される相対標準偏差が0.5以下であり、粒子の長径/短径比が1.0〜1.2で、モース硬度が7未満である粒子を0.005〜10質量%含有することを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋。
- 樹脂層が被覆された鋼板からなる缶蓋パネルに対し、先端半径0.1mm〜0.5mmの曲面または半径0.1mm〜0.5mmの曲線および直線より構成される上下1対の金型を使用し、最薄部の厚さが0.035mmから0.075mmの範囲内となるように押圧成形を施すことによって、請求項2〜9のいずれかの缶蓋を製造することを特徴とする樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋の製造方法。
- 請求項10に記載の金型を用いて樹脂被覆金属板を押圧成形する際に、樹脂被覆鋼板の加工部全域が、金型と接触した状態を維持しながら押圧成形を行うことを特徴とする樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋の製造方法。
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JP2014101143A (ja) * | 2012-11-22 | 2014-06-05 | Jfe Steel Corp | 樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋及びその製造方法 |
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