JP2002337868A - ラミネート缶蓋 - Google Patents

ラミネート缶蓋

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JP2002337868A JP2001141841A JP2001141841A JP2002337868A JP 2002337868 A JP2002337868 A JP 2002337868A JP 2001141841 A JP2001141841 A JP 2001141841A JP 2001141841 A JP2001141841 A JP 2001141841A JP 2002337868 A JP2002337868 A JP 2002337868A
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laminate film
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Tetsuya Masuda
哲也 増田
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開缶した際に、飲み口にエンゼルヘアーが発
生しないラミネート缶蓋を提供する。 【解決手段】 ラミネート缶蓋を形成するラミネート材
20は、缶蓋素材板24のラミネート缶蓋の外面となる
面に、接着層22と基材層23から構成される2層構造
のラミネートフィルム21が被覆されており、缶蓋素材
板24のラミネート缶蓋の内面となる面には、ポリエス
テル樹脂フィルム25が被覆されている。ラミネートフ
ィルム21の基材層23は、フィラーを4000〜10
000ppm含有している。ラミネート缶蓋を、ラミネ
ートフィルム21のガラス転移点以上、180℃以下で
加熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラミネートフィル
ムを缶蓋素材板に被覆したラミネート缶蓋に関し、特
に、開缶性に優れたラミネート缶蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ビール缶、酒缶、ジュース缶
などの缶は、有底筒状の缶胴と、その缶胴の開口端を塞
ぐ缶蓋とから構成されている。缶蓋には様々なものがあ
るが、その主流となっているものは、タブなどを付設す
ることにより容易に缶を開封し得るイージーオープンタ
イプの缶蓋である。このイージーオープンタイプの缶蓋
には、大別するとプルタブを引き上げることにより開口
部分をなす開口片を除去するプルトップタイプのもの
と、開口片を容器内に押し込みタブが蓋から取れないス
テイオンタブタイプのものがある。
【0003】プルトップタイプの缶蓋においては、開缶
後に、切り込み線に囲まれたスコア部およびタブ(以
下、スコア部およびタブを「開口片」とする。)が蓋本
体から分離されて捨てられ、開口片を回収し難いという
問題がある。このような問題を解決するために、最近で
は、開缶後においても、缶本体と開口片とを一部連着し
た状態にしておくステイオンタブタイプのものが大半を
占めている。
【0004】図2は、ステイオンタブタイプの簡易開口
缶蓋を示す図であり、図2(a)は平面図を示し、図2
(b)は図2(a)を裏面から見た図である。また、図
3は、ステイオンタブタイプの簡易開口缶蓋を示す断面
図である。缶蓋10は、円形の天板1と、天板1の周縁
に設けられ、缶胴(図示略)に巻締められる巻締め部2
と、巻締め部2と天板1との間に周設された外周溝3
と、溝状のスコア4に連結された開口片5と、先端が開
口片5の天板中心CP側に重なるように配置され、リベ
ット6により天板中心CPに連結されたプルタブ7とか
ら構成されている。さらに、プルタブ7は、そのほぼ中
央部にリベット6を挿通する挿通孔2bが形成されてい
る。
【0005】このような缶蓋10における飲み口の形成
(開缶)は、以下に示す2つの工程を経て行なわれる。
第1の工程において、プルタブ7を引くと、スコア4側
のタブ先端7aが支点、タブ指掛け部7bが力点、リベ
ット部7cが作用点となり、スコア部が押圧され、スコ
ア4のリベット周辺部4dが破断される。第2の工程に
おいて、リベット6を支点として、プルタブ7の先端7
aが開口片5の天板中心CP側である基端部を押圧し、
その押圧力により残りのスコア4が破断され、開口片5
が缶本体の内部に入れられ、飲み口が形成される。
【0006】缶蓋10としては、アルミニウム薄板など
の金属薄板の片面が、ラミネートフィルムで被覆された
ラミネート材を製造し、このラミネート材を成形して得
られるラミネート缶蓋が開発されている。このようなラ
ミネート缶蓋は、腐食防止および内容物の保護を目的と
したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図4は、缶蓋10にス
コア4が加工される過程を示す概略断面図である。図4
(a)、(b)に示すように缶蓋10において、スコア
4が加工されるに伴って、ラミネートフィルム1bがス
コア4の形状に追随して伸ばされる。そして、図4
(c)に示すように、ラミネートフィルム1bの一部が
剪断されて、ラミネートフィルム片Eとしてスコア4の
底部4aに残存する。スコア4の加工時に、ラミネート
フィルム1bがスコア4の底部4a方向に伸ばされなが
ら、スコア4の開口部4b方向に引張られるため、スコ
ア4の底部4aにおいて、ラミネートフィルム1bと金
属薄板8との密着力低下を招く。このような缶蓋10で
は、開缶の際に、スコア4にエンゼルヘアーが発生する
という問題があった。エンゼルヘアーとは、缶蓋10の
開口片5が缶内部に押し込まれて缶蓋10の飲み口を開
口したときに、図5に示したように、スコア4の底部4
aに残存するラミネートフィルム片Eがスコア4の外周
線に沿って、符号Fで示したように伸ばされながら、ス
コア4の底部4aから剥離されて糸引き状、あるいは髪
の毛状(髭状)に遊離した物の名称である。このエンゼ
ルヘアーFは、飲用の際に口に当たり、不快感を与え
る。
【0008】したがって、この問題を解決する方法とし
て、スコア加工時のラミネートフィルムと金属薄板の密
着力低下を抑制するために、フィルムの伸びを抑えて剪
断され易くすること、またはスコア底部のラミネートフ
ィルムと金属薄板の密着強度をさらに上げることが考え
られる。図6に示すように、一般的に、結晶化度の高い
結晶性のラミネートフィルムは、強度が大きく、伸びが
小さい。一方、結晶化度の低い非晶性のラミネートフィ
ルムは、強度が小さく、伸びが大きい。上述のように伸
びの大きいラミネートフィルムではエンゼルヘアーが発
生し易く、ラミネート缶蓋に用いる材料としては適して
いない。
【0009】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、開缶性に優れたラミネート缶蓋を提供することを課
題とする。具体的には、開缶した際に、飲み口にエンゼ
ルヘアーが発生しないラミネート缶蓋を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題は、缶蓋素材板
と、該缶蓋素材板の外面となる面に被覆したラミネート
フィルムとを備えたラミネート缶蓋であって、前記ラミ
ネートフィルムはフィラーを4000〜10000pp
m含有しているラミネート缶蓋によって解決できる。前
記ラミネートフィルムは、接着層と基材層から構成され
ており、該基材層がフィラーを含有していることが好ま
しい。上記ラミネート缶蓋が、前記ラミネートフィルム
のガラス転移点以上、180℃以下で加熱処理されてい
るものが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明のラミネート缶蓋を形成するラミネート
材の一例を示す概略断面図である。この例のラミネート
材20は、缶蓋素材板24のラミネート缶蓋の外面とな
る面に、接着層22と基材層23から構成される2層構
造のラミネートフィルム21が被覆されており、缶蓋素
材板24のラミネート缶蓋の内面となる面には、ポリエ
ステル樹脂フィルム25が被覆されている。また、ラミ
ネートフィルム21の基材層23は、フィラーを400
0〜10000ppm含有している。
【0012】ラミネートフィルム21は、接着層22と
基材層23から構成されており、ラミネート缶蓋を開缶
する際に引裂かれ易くするために、接着層22と基材層
23を合わせた厚みが6〜16μmであることが好まし
く、特に好ましくは8〜10μmである。ラミネートフ
ィルム21の厚みが6μm未満では、その強度が十分で
ないため、製造時に破断するなどの問題がある。また、
厚みが16μmを超えると、その強度が大きいため、剪
断され難くなる上、不経済である。
【0013】接着層22は厚み0.5〜3μm、粘度
0.5〜0.8ポアズ、ガラス転移点45〜70℃の非
晶性ポリエステルフィルムなどからなっている。基材層
23は厚み6〜15μm、ガラス転移点60〜80℃の
結晶性2軸延伸ポリエステルフィルムまたは2軸延伸変
性ポリエステルフィルムなどからなっている。また、基
材層23の結晶化度は40〜60%が好ましい。結晶化
度が40%未満の場合、引張強度は低くなるものの、引
張伸度が大きくなり、スコア加工時および開缶時にフィ
ルムが伸びてしまうため、剪断され難くなり、密着力の
低下を招き、エンゼルヘアーを発生させ易くなり、好ま
しくない。また、加熱処理によりフィルムを脆化させる
ことにより破断強度を低くすることは可能であるが、フ
ィルムの白化を招き好ましくない。
【0014】また、基材層23は後述するフィラーを含
有しており、その含有量は、4000〜10000pp
mが好ましく、特に好ましくは5000〜8000pp
mである。フィラーの含有量がこの範囲内であれば、基
材層23の結晶化度が若干高くても、ラミネートフィル
ム21が引裂かれ易くなる。フィラーの含有量が400
0ppm未満では、ラミネートフィルム21が引裂かれ
難くなり、ラミネート缶蓋を開缶する際にエンゼルヘア
ーが発生する。フィラーの含有量が10000ppmを
超えると、ラミネート缶蓋の開缶性が、より一層向上す
ることはない。その上、ラミネートフィルム21は、ヘ
イズが高くなり透明性を失う。なお、フィラーは接着層
22に含まれていてもよい。接着層22にフィラーが含
まれていれば、ラミネートフィルム21がより引裂かれ
やすくなるので好ましい。
【0015】本発明で用いられるフィラーとしては、シ
リカ(SiO2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、アル
ミナ(Al23)などの酸化物、もしくはリン酸カルシ
ウム(Ca3(PO42)など無機塩等が挙げられる。
これらが、目的とするラミネート缶蓋およびフィルム自
体の滑り性などを考慮して適宜選択される。また、フィ
ラーの平均粒径は0.1〜20μmが好ましく、特に好
ましくは1〜10μmである。フィラーの粒径が0.1
μm未満では、本来の目的であるフィルムの滑剤として
の作用が弱く、フィルム滑り性に支障をきたす。フィラ
ーの粒径が20μmを超えると、フィラーの分散状態が
悪くなり、フィルムの破断強度へ及ぼす効果が小さくな
り好ましくない。このようなフィラーは、ラミネートフ
ィルム21内でスコア加工時および開缶時に微細なマイ
クロクラックが発生した段階での引裂伝播抵抗を小さく
する効果があり、ラミネートフィルム21が引裂かれ易
くなる。
【0016】また、上記フィラーは、基材層23をなす
ポリエステルフィルムを形成する樹脂内に攪拌、混練な
どの方法により均一に分散される。そして、フィラーと
基材層23をなすポリエステルフィルムを形成する樹脂
との混合物が、押出成形などにより成形されて基材層2
3となる。このように、フィラーが基材層23内に均一
に分散していれば、ラミネートフィルム21は、部位に
よる引裂き易さの偏りが無い。したがって、このラミネ
ートフィルム21を用いたラミネート缶蓋は、開缶性に
優れ、エンゼルヘアーが発生しない。
【0017】また、ラミネートフィルム21の引裂き強
さは、フィラーを含有していないラミネートフィルム2
1の引裂き強さの3/4以下であることが好ましい。ラ
ミネートフィルム21の引裂き強さが、フィラーを含有
していないラミネートフィルムの引裂き強さの3/4を
超えると、ラミネートフィルム21を被覆したラミネー
ト缶蓋を開缶する際に、エンゼルヘアーが発生する。
【0018】ここで、引裂き強さとは、JIS K69
00により定義されるものである。すなわち、引裂き強
さとはラミネートフィルム21から作製された所定の形
状の試料片を引張った時に、試料が引裂かれる最大応力
を試験片の元の厚みで除して求められる値を意味する。
【0019】ところで、接着層22および基材層23を
なすポリエステルフィルムを形成する樹脂としては、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)、ポリカーボネートなどのポリ
エステル樹脂を挙げることができるが、なかでも、ポリ
エチレンテレフタレートが好ましく用いられる。ポリエ
ステル樹脂は、一般的に良好な機械的性質、電気的性
質、耐水性、耐酸性、耐油性を有している。さらに、こ
れらの性質に加えて、他の樹脂材料に比較して安価であ
るという利点もある。
【0020】ここで、本発明において好ましく用いられ
るポリエチレンテレフタレートフィルムについて説明す
る。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、このもの
がほぼ一定の厚みで面方向に完全に連続しており、通常
の有機塗膜にしばしば認められるピンホール、クラック
あるいは膨れ(ブリスター)などの塗膜欠点がないとい
う点で特に優れたものである。また、ポリエチレンテレ
フタレートは、種々のラミネートの中でも、機械的強度
に最も優れた合成樹脂の一つであり、引張り弾性率が大
で、寸法安定性に優れ、加工性にも優れている。したが
って、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたラ
ミネート材に、缶蓋への成形、スコア加工、リベット加
工などを施しても、それが破断したり、或いはピンホー
ル、クラック、膨れなどが発生することなく連続被覆状
態に維持されるという利点がある。さらに、ポリエチレ
ンテレフタレートは腐食成分を透過しない性質において
最も優れた樹脂の一つであり、このものを缶蓋素材板に
被覆し、ラミネート缶蓋を構成するラミネート材の外面
となる面に適用することにより、ラミネート缶蓋の腐食
を防止することができる。
【0021】缶蓋素材板24は、スチール薄板、アルミ
ニウム薄板などからなり、なかでも、成形性などの点か
ら、アルミニウム薄板が好ましい。アルミニウム薄板と
しては、この例に示したようなイージーオープンタイプ
の缶蓋に、一般的に使用されているアルミニウム薄板を
全て使用することができる。例えば、純アルミニウム、
アルミニウムとマグネシウム、マンガンなどの合金用金
属を少量含むアルミニウム合金板が好ましく使用され
る。また、アルミニウム薄板は、缶蓋の大きさなどによ
っても異なるが、一般的に、その厚みが0.20〜0.
50mm、好ましくは0.23〜0.30mmの範囲内
にあるのものが用いられる。
【0022】缶蓋素材板24としてアルミニウム薄板が
用いられる場合、アルミニウム薄板に対するラミネート
フィルム21の密着性の向上や、耐腐食性の向上の見地
から、アルミニウム薄板の表面にクロメート処理膜を形
成させることが望ましい。クロメート処理膜の形成は、
アルミニウム薄板を苛性ソーダで脱脂し、エッチングを
行った後、CrO34g/l、H3PO412g/l、F
0.65g/lを水に溶解してなる処理液に浸漬する化
学処理により行われる。クロメート処理膜の厚みは、単
位面積当たりのCr原子の重量で表して、5〜50mg
/dm2の範囲が好ましく、特に10〜35mg/dm2
の範囲内にあることが、ラミネートフィルム21との密
着性の点から好ましい。
【0023】また、本発明のラミネート缶蓋は、缶蓋素
材板24にラミネートフィルム21を被覆してラミネー
ト材20を成形した後に、このラミネート材20にスコ
ア加工、リベット加工などを施して、ラミネート缶蓋と
した後、ラミネートフィルム21のガラス転移点以上、
180℃以下で加熱処理されている。ラミネートフィル
ム21をそのガラス転移点以上に加熱すると、ラミネー
トフィルム21が軟化し、缶蓋素材板24との接触面積
が増加し、密着性が良くなる。したがって、ラミネート
缶蓋の開缶時において、ラミネートフィルムが容易に引
き裂かれ、ラミネート缶蓋の開口部にエンゼルヘアーが
発生することがない。加熱処理する温度がラミネートフ
ィルム21のガラス転移点未満では、ラミネートフィル
ム21が軟化しないため密着力の改善が見られない。加
熱処理する温度が180℃を超えると、ラミネートフィ
ルム21が収縮し、缶蓋素材板24との密着性が悪くな
る。
【0024】ラミネート缶蓋を加熱する方法としては、
ラミネート缶蓋全体を加熱しても、ラミネート缶蓋のス
コア部のみを加熱してもよい。ラミネート缶蓋全体を加
熱する方法としては、ガスオーブンなどにラミネート缶
蓋を配置し雰囲気温度を所定の温度にする方法、高周波
誘導加熱などによりラミネート缶蓋を発熱させる方法、
ラミネート缶蓋に遠赤外線を照射する方法、またこれら
の方法を組合わせる方法などがある。また、ラミネート
缶蓋のスコア部のみを加熱する方法としては、スコア部
に発熱体を押し当てる方法、スコア部に熱風を吹き付け
る方法、スコア部に遠赤外線を照射する方法などがあ
る。
【0025】以下、具体的な実施例を示して本発明の効
果を明らかにする。 (実施例1)先ず、厚み12.2μm、平均粒径5μm
のシリカを含有した結晶化度53%の2軸延伸ポリエス
テルフィルムからなる基材層と非晶性の変性ポリエステ
ルフィルムからなる接着層とから構成される2層構造の
ラミネートフィルムを作製した。この際、シリカの含有
量を変えて、シリカの含有量の異なる複数種類のラミネ
ートフィルムを作製した。次に、アルミニウム薄板の表
面にクロメート処理膜を形成したクロメート処理アルミ
ニウム薄板を用意した。次に、対向して配置した2つの
ロールの間に、ラミネートフィルムとクロメート処理ア
ルミニウム薄板を通過させて、ラミネートフィルムをク
ロメート処理アルミニウム薄板に被覆して、ラミネート
材を作製した。次に、このラミネート材にスコア加工、
リベット加工などを施して、ラミネート缶蓋を作製し
た。この際、上記のシリカの含有量が異なる複数種類の
ラミネートフィルムを用いて、ラミネート缶蓋を作製し
た。 (1)開缶試験 得られたそれぞれのラミネート缶蓋100個について開
缶試験を行ない、エンゼルヘアーの発生率を確認した。
結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1の結果から、ラミネートフィルムのシ
リカの含有量が4000〜10000ppmの範囲で
は、ラミネート缶蓋の開缶時に、エンゼルヘアーが全く
発生しないことが確認された。
【0028】(実施例2)ラミネートフィルムの厚みを
9.1μmとした以外は、実施例1と同様の方法により
ラミネート缶蓋を作製した。 (1)開缶試験 得られたそれぞれのラミネート缶蓋100個について開
缶試験を行ない、エンゼルヘアーの発生率を確認した。
結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2の結果から、ラミネートフィルムの厚
みが変わっても、ラミネートフィルムのシリカの含有量
が4000ppm以上であれば、ラミネート缶蓋の開缶
時に、エンゼルヘアーが全く発生しないことが確認され
た。すなわち、ラミネートフィルムの引裂き強さは、ラ
ミネートフィルムの厚みが所定の範囲では、その厚みに
よらずフィラーの含有量により制御できることが確認さ
れた。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のラミネー
ト缶蓋は、缶蓋素材板と、該缶蓋素材板の外面となる面
に被覆したラミネートフィルムとを備えたラミネート缶
蓋であって、前記ラミネートフィルムはフィラーを40
00〜10000ppm含有しているから、ラミネート
缶蓋の開缶時において、ラミネート缶蓋の外面側に被覆
されているラミネートフィルムが容易に引き裂かれ、ラ
ミネート缶蓋の開口部にエンゼルヘアーが発生すること
がない。また、本発明によれば、ラミネートフィルムの
強度を、缶蓋素材板に被覆する前に低下させることがな
いため、ラミネート缶蓋を形成するラミネート材の製造
時にラミネートフィルムが破断し、生産性を阻害するの
を防止することができる。したがって、このようなラミ
ネート缶蓋を有する缶は、清涼飲料水、ビール、魚介
類、食品などの収納用容器として有効に利用することが
できる。前記ラミネートフィルムは、接着層と基材層か
ら構成されており、該基材層がフィラーを含有している
から、基材層の結晶化度が高くても、容易にラミネート
フィルムを引裂くことができる。上記ラミネート缶蓋
が、前記ラミネートフィルムのガラス転移点以上、18
0℃以下で加熱処理されているから、ラミネートフィル
ムと缶蓋素材板との密着性が良くなる。したがって、ラ
ミネート缶蓋の開缶時において、ラミネートフィルムが
容易に引き裂かれ、ラミネート缶蓋の開口部にエンゼル
ヘアーが発生することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のラミネート缶蓋を形成するラミネー
ト材の一例を示す概略断面図である。
【図2】 従来のラミネート缶蓋を示す図で、(a)は
ラミネート缶蓋の平面図、(b)はラミネート缶蓋の底
面図である。
【図3】 従来のラミネート缶蓋を示す断面図である。
【図4】 缶蓋がスコア加工される過程を示す概略断面
図である。
【図5】 従来のラミネート缶蓋においてエンゼルヘア
ーが発生した状態を示す概略断面図である。
【図6】 ラミネートフィルムの結晶化度と強度および
伸びの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
20・・・ラミネート材、21・・・ラミネートフィルム、2
2・・・接着層、23・・・基材層、24・・・缶蓋素材板、2
5・・・樹脂フィルム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶蓋素材板と、該缶蓋素材板の外面とな
    る面に被覆したラミネートフィルムとを備えたラミネー
    ト缶蓋であって、 前記ラミネートフィルムはフィラーを4000〜100
    00ppm含有していることを特徴とするラミネート缶
    蓋。
  2. 【請求項2】 前記ラミネートフィルムは、接着層と基
    材層から構成されており、該基材層がフィラーを含有し
    ていることを特徴とする請求項1記載のラミネート缶
    蓋。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のラミネート缶蓋
    が、前記ラミネートフィルムのガラス転移点以上、18
    0℃以下で加熱処理されていることを特徴とするラミネ
    ート缶蓋。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010105689A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Jfe Steel Corp 樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010105689A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Jfe Steel Corp 樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋及びその製造方法

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