JP2002254557A - 易破断ラミネート材の製造方法及び易開封ラミネート缶蓋の製造方法 - Google Patents

易破断ラミネート材の製造方法及び易開封ラミネート缶蓋の製造方法

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JP2002254557A
JP2002254557A JP2001203985A JP2001203985A JP2002254557A JP 2002254557 A JP2002254557 A JP 2002254557A JP 2001203985 A JP2001203985 A JP 2001203985A JP 2001203985 A JP2001203985 A JP 2001203985A JP 2002254557 A JP2002254557 A JP 2002254557A
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Susumu Miyama
晋 深山
Toru Negishi
根岸  亨
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属薄板の表面に合成樹脂フィルムを接着し
た、破断が容易なラミネート材および該ラミネート材を
用いて、エンゼルヘアーの発生を防止し得るラミネート
缶蓋を簡単に製造することができる製造方法の提供。 【解決手段】 金属薄板の少なくとも片面に合成樹脂フ
ィルムを接着した後、該合成樹脂フィルム層に多数の微
細孔を穿設する工程を含む易破断ラミネート材の製造方
法。金属薄板の少なくとも片面に合成樹脂フィルムを接
着した後、該合成樹脂フィルム層に多数の微細孔を穿設
し、易破断ラミネート材を形成する工程、および該易破
断ラミネート材を用い、ステイオンタブタイプの缶蓋を
形成する工程を含む易開封ラミネート缶蓋の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、易破断ラミネート
材の製造方法及び易開封ラミネート缶蓋の製造方法に関
し、特にステイオンタブタイプの缶蓋として好適に使用
される易開封ラミネート缶蓋を容易に製造可能な方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、清涼飲料やアルコール飲料等を
充填する金属缶は、有底円筒状の缶胴と、その缶胴の開
口端を塞ぐ円盤状の缶蓋とから構成されている。缶蓋に
は様々なタイプのものがあるが、清涼飲料やアルコール
飲料等を充填する金属缶用の缶蓋としては、タブなどを
付設して容易に缶を開封し得るイージーオープンタイプ
の缶蓋が主に用いられている。このイージーオープンタ
イプの缶蓋には、大別すると、1)プルタブを引き上げ
ることにより開口部分をなす開口片を缶蓋から切断、離
脱せしめるプルトップタイプ、2)缶蓋から切断された
開口片を一部連結した状態で容器内に押し込んで開封が
なされ、タブが缶蓋から外れないステイオンタブタイプ
がある。
【0003】プルトップタイプの缶蓋においては、開缶
後、切り込み線に囲まれたスコア部およびタブ(以下、
スコア部およびタブを「開口片」と称す。)が蓋本体か
ら分離されて捨てられ、開口片を回収し難いという問題
がある。このような問題を解決するために、最近では、
開缶後においても缶本体と開口片とを一部連結した状態
にしておくステイオンタブタイプの缶蓋が大半を占める
ようになった。
【0004】図4(a),(b)および図5は、一般的
なステイオンタブタイプの缶蓋の一例を示す図である。
この缶蓋10は、円形の天板1と、該天板1の周縁に設
けられ、缶胴(図示せず)に巻締められる巻締め部2
と、該巻締め部2と天板1との間に周設された外周溝3
と、溝状のスコア4に連結された開口片5と、先端が開
口片5の天板中心CP側に重なるように配置され、リベ
ット6により天板中心CPに連結されたプルタブ7とか
らなる。プルタブ7は、そのほぼ中央部にリベット6を
挿通するための挿通孔2bが形成されている。
【0005】この缶蓋10の開缶時、プルタブ7を引き
起こすと、スコア4側のタブ先端7aが支点、タブ指掛
け部7bが力点、リベット部7cが作用点となり、スコ
ア4で囲まれた開口片5が押し下げられ、図4(b)
(図4(a)の裏面を示す図)に示すスコア4のリベッ
ト周辺部4dが破断される第1工程と、図4(a)のリ
ベット6を支点として、プルタブ7の先端7aが開口片
5の天板中心CP側である基端部を押圧し、その押圧力
により残りのスコア4が破断され、開口片5が缶本体の
内部に移送、保持される第2工程とを経て、飲み口が形
成される。
【0006】缶蓋10の材質としては、アルミニウム薄
板の片面をエポキシ系や塩化ビニル系の塗料でコートし
たプレコート材を成形して得られるプレコート缶蓋が用
いられている。このようなプレコート材は、腐食防止お
よび内容物の保護を目的としたものである。しかしなが
ら、エポキシ系や塩化ビニル系の塗料は、有機溶剤を使
用するため、作業環境上好ましくなく、さらに塩化ビニ
ルは昨今の脱塩化ビニルの動きのなかで排除されつつあ
り、これらの塗料に代わる金属缶用被覆剤の開発が進め
られている。
【0007】このような新たな缶蓋材料の一形態とし
て、アルミニウム薄板の片面に、ポリエステルフィルム
などの合成樹脂フィルムを接着したラミネート材を成形
してなるラミネート缶蓋が提案されている。図6(a)
は、このラミネート缶蓋の一例を示す要部拡大断面図で
あり、このラミネート缶蓋20は、アルミニウム薄板2
1の表面23にポリエステルフィルムなどの合成樹脂フ
ィルム22を接着してなるラミネート材から形成されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のラミネート缶蓋にあっては、アルミニウム薄板の片面
に、単に合成樹脂フィルムを接着したラミネート材を用
いた場合、開缶の際にエンゼルヘアーと称する髪の毛状
(髭状)の樹脂細片が発生する不具合があった。このエ
ンゼルヘアーは、図6(b)に示すように、開缶時にお
いて、缶蓋20の開口片25が缶内部に押し込まれて缶
蓋10の飲み口を開口したときに、スコア24の底部に
残存する合成樹脂フィルム片Fがスコア24の外周線に
沿って、符号Eで示すように伸びて破断した結果、髪の
毛状(髭状)に遊離した樹脂細片の通称である。このエ
ンゼルヘアーEは、飲用に際して口唇に当たり、不快感
を与えることになる。
【0009】このようなエンゼルヘアーの発生を防止す
るための一つの方法として、合成樹脂フィルムの破断強
度を、該合成樹脂フィルムとアルミニウム薄板との接着
強度以下とすることによって、該合成樹脂フィルムの破
断をスムーズにし、エンゼルヘアーの発生を抑制するこ
とが考えられる。さらに、合成樹脂フィルムの破断強度
を低下させる手段としては、合成樹脂フィルム作製時に
延伸倍率を下げること、合成樹脂フィルムの分子量を下
げること、ラミネートフィルムを薄くすることなどの方
法が考えられる。しかしながら、合成樹脂フィルムの強
度をアルミニウム薄板に被覆する前に低下させると、そ
の合成樹脂フィルムを巻き出してアルミニウム薄板に接
着する際に、該フィルムが破断し易くなり、フィルムの
破断によってラミネート材の生産性が悪化する問題があ
る。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、金属薄板の表面に合成樹脂フィルムを接着した、破
断が容易なラミネート材および該ラミネート材を用い
て、エンゼルヘアーの発生を防止し得るラミネート缶蓋
を簡単に製造することができる製造方法の提供を目的と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、金属薄板の少なくとも片面に合成樹脂フ
ィルムを接着した後、該合成樹脂フィルム層に多数の微
細孔を穿設する工程を含むことを特徴とする易破断ラミ
ネート材の製造方法を提供する。また本発明は、金属薄
板の少なくとも片面に合成樹脂フィルムを接着した後、
該合成樹脂フィルム層に多数の微細孔を穿設し、易破断
ラミネート材を形成する工程、および該易破断ラミネー
ト材を用い、ステイオンタブタイプの缶蓋を形成する工
程を含むことを特徴とする易開封ラミネート缶蓋の製造
方法を提供する。この易開封ラミネート缶蓋の製造方法
において、上記易破断ラミネート材が、上記金属薄板の
両面に上記合成樹脂フィルムが接着されるとともに、該
合成樹脂フィルムの缶蓋外面側のみに多数の微細孔を穿
設したものとすることができる。さらに、この易開封ラ
ミネート缶蓋の製造方法において、上記ステイオンタブ
タイプの缶蓋は、円形の天板と、該天板の周縁に設けら
れ、缶胴に巻締められる巻締め部と、該巻締め部と天板
との間に周設された外周溝と、溝状のスコアに連結され
た開口片と、先端が開口片の天板中心側に重なるように
配置され、リベットにより天板中心に連結されたプルタ
ブとからなるものであることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の易破断ラミネート材の製造方法は、金属薄板の
少なくとも片面に合成樹脂フィルムを接着した後、該合
成樹脂フィルム層に多数の微細孔を穿設する工程を含む
ことを特徴とする。
【0013】この易破断ラミネート材において、金属薄
板としては、各種の金属薄板を用いることができ、例え
ば鋼板、各種表面処理鋼板、アルミニウム薄板などが好
適に用いられる。また合成樹脂フィルムとしては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、フッ素樹
脂、ポリカーボネートなどの各種の合成樹脂の単層フィ
ルム、あるいは2層以上を積層した積層フィルムを使用
することができる。さらに、金属薄板の片面又は両面に
合成樹脂フィルムを接着するには、従来周知のラミネー
ト材の製造機器及び製造プロセスを用いて実行すること
ができる。
【0014】金属薄板の少なくとも片面に合成樹脂フィ
ルムを接着したラミネート材は、その合成樹脂フィルム
層に多数の微細孔を穿設する。以下に、図面を参照して
金属薄板の両面に合成樹脂フィルム層を接着したラミネ
ート材の一方の合成樹脂フィルム層に、多数の微細孔を
穿設して易破断ラミネート材を作製する方法を説明す
る。
【0015】図1は、金属薄板34の両面に合成樹脂フ
ィルム層33,35を接着したラミネート材30の一方
の合成樹脂フィルム層33に、多数の微細孔36を穿設
して易破断ラミネート材39を作製する第1の例を示す
図である。ラミネート材30は、予め金属薄板34の両
面に合成樹脂フィルム層33,35を接着した状態で図
示しないロールに巻き取られ、これを引き出して対向配
置された第1ロール31と第2のロール32の間を通し
て移動させ、製造された易破断ラミネート材は、例えば
図示略のロールに巻き取られている。第1ロール31の
表面には、微細孔形成用の多数の粒子37が付着されて
おり、一方、第2ロール32の表面は平滑となってい
る。これら第1、第2ロール31,32間にラミネート
材30を通すことによって、ラミネート材30の一方の
合成樹脂フィルム層33の表面に多数の微細孔36が穿
設され、金属薄板34の一方の面側に、多数の微細孔3
6が形成された第1の合成樹脂フィルム層38が接着さ
れ、他方の面側に平滑な表面を有する第2の合成樹脂フ
ィルム層35が接着された構造の易破断ラミネート材3
9が製造される。
【0016】微細孔形成用の第1ロール31の表面に付
着される粒子としては、酸化チタン(TiO2)、酸化
クロム(Cr23)などの金属酸化物、またはタングス
テンカーバイドなどの超硬合金粒子、炭化ケイ素粒子、
炭化ホウ素粒子、サファイア粒子、立方晶窒化ホウ素粒
子、天然または合成のダイヤモンド粒子などを挙げるこ
とができる。特に、耐磨耗性、硬度、強度などが大きい
などの特性を有する天然又は合成ダイヤモンド粒子を用
いることが好ましい。また、このような粒子としては、
粒径が5〜20μmのものを用いることが好ましい。
【0017】また、これらの粒子を上記第1ロール表面
に付着させる方法としては、粒子を電着させるか、粒子
を溶射するか、有機系若しくは無機系の結合剤により付
着させるか、またはCVDなどの方法で蒸着させる方法
などが挙げられる。この粒子は、合成樹脂フィルムに多
数の微細孔を形成する観点から、第1ロール31の表面
に70%以上付着させることが好ましい。なお、第1ロ
ール31の表面に粒子を付着することに代えて、第1ロ
ール31の表面に多数の針状突起を形成してもよい。
【0018】また第2ロール32としては、平滑な表面
を有する通常の金属ロールを用いることができる。さら
に、金属ロール表面にシリコーンゴム、フッ素樹脂など
の高分子樹脂材料を被覆したロールを用いてもよい。
【0019】ラミネート材30の合成樹脂フィルム層3
3に多数の微細孔36を穿設するに際し、ラミネート材
30に対する第1ロール31と第2ロール32の押圧力
及びロール間隔を調節することによって、形成される微
細孔36の深さと開口径を調節することができる。この
ときの押圧力及び間隔の調節は、空気圧、油圧などを利
用した機構を用いて適宜行われる。
【0020】図2は、金属薄板40の両面に合成樹脂フ
ィルム層41,42を接着したラミネート材44の一方
の合成樹脂フィルム層41に、多数の微細孔を穿設して
易破断ラミネート材45を作製する第2の例を示す図で
ある。本例示では、それぞれ巻回された金属薄板40、
第1の合成樹脂フィルム41及び第2の合成樹脂フィル
ム42を、金属薄板40を間に挟んだ状態で重ね合わ
せ、ラミネート用ロール43a,43bの間を通し、金
属薄板40の両面に第1,第2の合成樹脂フィルム層を
接着し、若しくは仮接合してラミネート材44を形成す
る。この後、ラミネート材44を、上述した第1の例に
おける第1,第2のロール31,32の間を通し、ラミ
ネート材44の第1の合成樹脂フィルム層に多数の微細
孔を穿設し、易破断ラミネート材45を製造する。な
お、この易破断ラミネート材45においては、必要に応
じてラミネート材44と易破断ラミネート材45のいず
れか一方又は両方を管状炉46等の加熱手段によって加
熱処理し、金属薄板40と第1,第2の合成樹脂フィル
ム層とを接着してもよい。
【0021】上記第1,第2の微細孔穿設方法に加え
て、上記ラミネート材を目的の製品、例えばラミネート
缶蓋に成形加工する際、成形用プレス金型の内面に、微
細孔形成用の第1ロール31の表面31aと同様に粒子
を付着しておき、成形と同時に微細孔を穿設する構成と
することもできる。
【0022】このように製造された易破断ラミネート材
は、合成樹脂フィルム層に多数の微細孔が穿設され、合
成樹脂フィルム層の引張り強度が弱められているので、
該ラミネート材を破断する際に、微細孔未形成のラミネ
ート材と比べて破断し易くなっている。この易破断ラミ
ネート材は、後述するラミネート缶蓋など、破断するこ
とが必要な製品に特に有効に適用することができる。
【0023】次に、本発明に係る易開封ラミネート缶蓋
の製造方法を説明する。本発明に係る易開封ラミネート
缶蓋は、上述した易破断ラミネート材を用い、所望の缶
蓋に成形加工する工程を備えることを特徴としている。
【0024】図3は、本発明に係る易開封性ラミネート
缶蓋の製造方法によって得られたラミネート缶蓋の一例
を示すものであり、このラミネート缶蓋50は、アルミ
ニウム薄板又はスチール薄板からなる金属薄板51の一
方の面側(外面)に、接着層52を介して、表面に多数
の微細孔56が穿設された第1の合成樹脂フィルム層5
3が接着されるとともに、金属薄板51の他方の面側
(内面)に、接着剤層54を介して、平滑表面を有する
第2の合成樹脂フィルム55が接着された構造になって
いる。このラミネート缶蓋50は、上述した易破断ラミ
ネート材を用い、図4(a),(b)及び図5に示す形
状のステイオンタブタイプのラミネート缶蓋に成形加工
して製造される。易破断ラミネート材から図4(a),
(b)及び図5に示す形状のステイオンタブタイプの缶
蓋を製造する方法及び装置は、従来より同品の製造にお
いて使用される方法と装置を用いて実施可能である。
【0025】合成樹脂フィルム層53,55の樹脂とし
ては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネ
ート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)の
中から選択される樹脂が好ましく、更に好ましくはポリ
エチレンテレフタレートである。合成樹脂フィルム層5
3,55の厚みは、ラミネート缶蓋50を開缶する際
に、スコアが容易に破断するように6〜15μmとする
ことが好ましく、特に好ましくは8〜10μmとする。
ポリエチレンテレフタレートのフィルムは、このものが
ほぼ一定の厚みで面方向に完全に連続しており、通常の
有機塗膜にしばしば認められるピンホール、クラックあ
るいは膨れ(ブリスター)などの塗膜欠点がないという
点で特に優れたものである。またポリエチレンテレフタ
レートフィルムは、種々の汎用合成樹脂フィルムの中で
も、機械的強度に最も優れた樹脂の一つであり、引っ張
り弾性率が大で寸法安定性に優れかつ加工性にも優れて
おり、缶蓋への成形や、スコア加工、リベット加工など
に対しても、それが破断したり、あるいはピンホール、
クラック、膨れなどが発生することなく連続被覆状態に
維持されるという利点がある。さらに、ポリエチレンテ
レフタレートは腐食成分を透過しない性質において最も
優れた樹脂の一つであり、該フィルムをラミネート缶蓋
50の外面側に用いることにより、ラミネート缶蓋50
の腐食を防止することができる。
【0026】また接着層52,54は、合成樹脂フィル
ム層53,55の樹脂よりも融点が低い樹脂からなり、
好ましくはポリエステルフィルムまたは変性ポリエステ
ルフィルムなどからなっている。ポリエチレンテレフタ
レート(融点251〜259℃)からなる合成樹脂フィ
ルム層53,55との組み合わせにおいて特に好適な接
着層52,54を例示すれば、融点が200℃〜220
℃の変性ポリエステルフィルム、特にイソフタル酸(I
PA)を10mol%〜22mol%、好ましくは11
mol%〜15mol%含有するPETフィルムが好適
である。これらの接着層52,54の厚みは0.5〜3
μm程度とされる。
【0027】金属薄板51としては、スチール薄板、ア
ルミニウム薄板などがあり、好ましくはアルミニウム薄
板が用いられる。アルミニウム薄板としては、この種の
イージーオープンタイプの缶蓋に使用されているアルミ
ニウム薄板を全て使用でき、例えば純アルミニウムやア
ルミニウムと他の合金用金属、特にマグネシウム、マン
ガンなどの少量を含むアルミニウム合金板が使用され
る。アルミニウム薄板の厚みは、缶蓋の大きさなどによ
っても相違するが、一般的に0.20〜0.50mm、
好ましくは0.23〜0.30mmの範囲内にあるもの
が用いられる。
【0028】アルミニウム薄板への合成樹脂フィルムの
密着性や耐腐食性などの見地から、アルミニウム薄板の
表面にクロメート処理膜を形成することが一般的に望ま
しい。クロメート処理膜の形成は、アルミニウム薄板を
苛性ソーダで脱脂およびエッチングを行った後、CrO
34g/L、H3PO412g/L、F0.65g/L、
残りは水のような処理液に浸漬する化学処理により行わ
れる。クロメート処理膜の厚みは、表面積当たりのCr
原子の重量で表して、5〜50mg/dm2の範囲が好
ましく、特に10〜35mg/dm2の範囲内にあるこ
とが密着性の点から好ましい。
【0029】ラミネート缶蓋50の第1の合成樹脂フィ
ルム層53に形成される多数の微細孔56の形状は、鋭
角な楔状に形成されることが好ましい。微細孔を鋭角な
楔状に形成することによって、缶蓋を開缶する際に、微
細孔56の角部に応力が集中し、合成樹脂フィルム層5
3が破断しやすくなる。したがって、このラミネート缶
蓋50を開缶する際には、エンゼルヘアーが発生しなく
なる。なお、微細孔56の形状は、合成樹脂フィルム層
53の破断を容易にする目的を達成できれば、特に限定
されない。
【0030】このような微細孔56は、通常、合成樹脂
フィルム層53前面にほぼ均一に形成されるが、ラミネ
ート缶蓋50のスコア部をなす部分のみに形成してもよ
い。エンゼルヘアーの発生は、缶蓋のスコア部(開口
部)における不良であるから、合成樹脂フィルム層53
のスコア部のみに微細孔56を形成し、破断性を向上さ
せれば、エンゼルヘアーの発生を防止し得る。
【0031】ラミネート缶蓋50の第1の合成樹脂フィ
ルム層53に形成される微細孔56の平均開口径は、5
〜40μmとすることが好ましく、より好ましくは10
〜25μmとする。この微細孔56の平均開口径が5μ
m未満では、合成樹脂フィルム層53の引裂き性(破断
性)が不良となり、ラミネート缶蓋50を開缶する際
に、エンゼルヘアーが発生することになる。一方、微細
孔56の平均開口径が40μmを超えると、合成樹脂フ
ィルム層53の白化によって美匠性が低下するととも
に、耐腐食性が低下するなどの問題を生じることにな
る。
【0032】また、微細孔56の単位面積当たりの形成
個数は5〜40個/mm2とすることが好ましい。微細
孔56の上記形成個数が5個/mm2未満であると、合
成樹脂フィルム層53の引裂き性(破断性)が不良とな
り、上記形成個数が40個/mm2を超えると、合成樹
脂フィルム層53の機械強度が弱まり、缶蓋製造時に合
成樹脂フィルム層53が破断しやすくなる。このよう
に、第1の合成樹脂フィルム層53に形成される微細孔
56の平均開口径を5〜40μm程度とし、単位面積当
たりの形成個数を5〜40個/mm2程度とすることに
より、この第1の合成樹脂フィルム層53の引裂き強さ
が、微細孔56未形成の合成樹脂フィルムの引裂き強さ
に比べて十分に低くなり、高い引裂き性を示す。
【0033】また、多数の微細孔56が形成された第1
の合成樹脂フィルム層53の引裂き強さは、微細孔未形
成の合成樹脂フィルムの引裂き強さの1/3以下である
ことが好ましい。第1の合成樹脂フィルム層53の引裂
き強さが、微細孔未形成の合成樹脂フィルムの引裂き強
さの1/3を超えると、ラミネート缶蓋50を開缶する
際に、エンゼルヘアーが発生し易くなる。
【0034】ここで引裂き強さとは、JIS K690
0により定義される試験法に基づいて求め得る。すなわ
ち、引裂き強さとは合成樹脂フィルム53から作製され
た所定の形状の試料片を引張った時に、試料が引裂かれ
る最大応力を試験片の元の厚さで除して求められる値を
意味し、kgf/mmの単位で表されるものである。
【0035】微細孔56の形成深さは、第1の合成樹脂
フィルム層53の破断性を向上する目的が達成できれば
特に限定されない。微細孔56の先端が第1の合成樹脂
フィルム層53内にあっても、第1の合成樹脂フィルム
層53を超えて接着層52に達していてもよい。また、
微細孔56の形成深さは、一定としても、不規則として
もよいが、均一な破断性を付与するため、この形成深さ
がなるべく一定となるように形成することが望ましい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る易破
断ラミネート材の製造方法によれば、金属薄板の少なく
とも片面に接着された多数の微細孔を有する合成樹脂フ
ィルム層を備え、微細孔未形成のものよりも引張り強度
を弱めた易破断ラミネート材を簡単に、効率よく製造す
ることができる。特に本発明では、金属薄板に合成樹脂
フィルムを接着した後、該合成樹脂フィルム層に微細孔
を穿設するので、ラミネート材製造時に合成樹脂フィル
ムが破断し、生産性を悪化させる不具合を回避すること
ができる。また、合成樹脂フィルム単体の状態で微細孔
を形成するよりも加工が容易となる。さらに、合成樹脂
フィルム単体の状態で微細孔を形成する場合、微細孔を
穿設したフィルムを金属薄板に接着する際に加熱接着を
行うと、形成した微細孔の角部が丸まって破断し難くな
ったり、合成樹脂フィルム層が少なくとも局部的にアモ
ルファス化して、やはり破断し難くなるが、一方本発明
では、金属薄板に合成樹脂フィルムを接着した後、該合
成樹脂フィルム層に微細孔を穿設するので、微細孔の角
部の丸まりやアモルファス化を生ずることがなく、良好
な破断性が得られる。また、本発明に係る易開封ラミネ
ート缶蓋の製造方法によれば、上記易破断ラミネート材
を用いることによって上記と同じ効果が得られる。加え
て、本方法によれば、ラミネート缶蓋の開缶時におい
て、ラミネート缶蓋の外面側に被覆されている合成樹脂
フィルム層が容易に引裂かれるから、缶蓋の開口部にエ
ンゼルヘアーが生じることがない。したがって、このラ
ミネート缶蓋を有する缶は、清涼飲料水、ビール等のア
ルコール飲料、魚介類、食品などの収納用容器として有
効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の易破断ラミネート材の製造方法の一
例を説明する要部斜視図である。
【図2】 本発明の易破断ラミネート材の製造方法の一
例を説明する概略図である。
【図3】 本発明方法によって製造される易開封ラミネ
ート缶蓋を例示する要部拡大断面図である。
【図4】 従来のラミネート缶蓋を示す図であり、
(a)はラミネート缶蓋の平面図、(b)は同じラミネ
ート缶蓋の底面図である。
【図5】 従来のラミネート缶蓋の断面図である。
【図6】 従来のラミネート缶蓋におけるエンゼルヘア
ーの発生状態を説明する図であって、(a)は未開封状
態の要部拡大断面図、(b)は開缶途中時の要部拡大断
面図である。
【符号の説明】
1……天板、2……巻締め部、3……外周溝、4……ス
コア、5……開口片、6……リベット、7……プルタ
ブ、10……ラミネート缶蓋(ステイオンタブタイプの
缶蓋)、30……ラミネート材、31……第1ローラ
(微細孔形成用の第1ローラ)、32……第2ローラ、
33……第1の合成樹脂フィルム層、34……金属薄
板、35……第2の合成樹脂フィルム層、36……微細
孔、38……第1の合成樹脂フィルム層、39……易破
断ラミネート材、40……金属薄板、41,42……合
成樹脂フィルム、44……ラミネート材、45……易破
断ラミネート材、50……ラミネート缶蓋、51……金
属薄板、52,54……接着層、53……第1の合成樹
脂フィルム層、55……第2の合成樹脂フィルム層、5
6……微細孔。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E093 AA13 BB15 CC10 4F100 AB01A AB03 AB10 AK01B AK01C AK04 AK07 AK17 AK41 AK45 BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C DC11B DC11C EC182 EJ192 EJ393 EJ422 GB16 GB23 JK03 JL14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄板の少なくとも片面に合成樹脂フ
    ィルムを接着した後、該合成樹脂フィルム層に多数の微
    細孔を穿設する工程を含むことを特徴とする易破断ラミ
    ネート材の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属薄板の少なくとも片面に合成樹脂フ
    ィルムを接着した後、該合成樹脂フィルム層に多数の微
    細孔を穿設し、易破断ラミネート材を形成する工程、お
    よび該易破断ラミネート材を用い、ステイオンタブタイ
    プの缶蓋を形成する工程を含むことを特徴とする易開封
    ラミネート缶蓋の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記易破断ラミネート材が、上記金属薄
    板の両面に上記合成樹脂フィルムが接着されるととも
    に、該合成樹脂フィルムの缶蓋外面側のみに多数の微細
    孔を穿設したものであることを特徴とする請求項2に記
    載の易開封ラミネート缶蓋の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記ステイオンタブタイプの缶蓋は、円
    形の天板と、該天板の周縁に設けられ、缶胴に巻締めら
    れる巻締め部と、該巻締め部と天板との間に周設された
    外周溝と、溝状のスコアに連結された開口片と、先端が
    開口片の天板中心側に重なるように配置され、リベット
    により天板中心に連結されたプルタブとからなるもので
    あることを特徴とする請求項2または3に記載の易開封
    ラミネート缶蓋の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013018665A (ja) * 2011-07-08 2013-01-31 Central Glass Co Ltd ガラス繊維集束剤及びそれを用いたガラス繊維

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