JP2002192613A - ラミネート材およびラミネート缶蓋の製造方法 - Google Patents

ラミネート材およびラミネート缶蓋の製造方法

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JP2002192613A JP2000396799A JP2000396799A JP2002192613A JP 2002192613 A JP2002192613 A JP 2002192613A JP 2000396799 A JP2000396799 A JP 2000396799A JP 2000396799 A JP2000396799 A JP 2000396799A JP 2002192613 A JP2002192613 A JP 2002192613A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラミネート缶蓋製造時に、ラミネートフィル
ムと缶蓋素材板の密着性を向上すると共に、ラミネート
フィルムの結晶化度を上げてフレーバー適正を向上させ
る。 【解決手段】 ラミネートフィルムの基材層の結晶化度
Xcと、ラミネートフィルムを缶蓋素材板に被覆した後
のラミネートフィルムの基材層の結晶化度Xc´との関
係を、Xc<Xc´とし、ラミネートフィルムを缶蓋素
材板に被覆する温度T1と、ラミネートフィルムの基材
層の融解温度Tmおよび接着層の融解温度Tm´との関
係を、Tm´<T1<Tm−18℃とする。また、ラミ
ネートフィルムを缶蓋素材板に被覆する速度を60m/
分以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラミネートフィル
ムを缶蓋素材板に被覆してラミネート材を製造する方法
およびこのラミネート材を用いてラミネート缶蓋を製造
する方法に関し、ラミネートフィルムと缶蓋素材板との
密着性を向上し、ラミネート缶蓋を開缶した際に、開口
部にエンゼルヘアーが発生することを防止し、缶蓋素材
板に被覆されたラミネートフィルムの結晶化度を被覆前
よりも高くするラミネート材およびラミネート缶蓋の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ビール缶、酒缶、ジュース缶
などの缶は、有底筒状の缶胴と、その缶胴の開口端を塞
ぐ缶蓋とから構成されている。缶蓋には様々なものがあ
るが、その主流となっているものは、タブなどを付設す
ることにより容易に缶を開封し得るイージーオープンタ
イプの缶蓋である。このイージーオープンタイプの缶蓋
には、大別するとプルタブを引き上げることにより開口
部分をなす開口片を除去するプルトップタイプのもの
と、開口片を容器内に押し込みタブが蓋から取れないス
テイオンタブタイプのものがある。
【0003】プルトップタイプの缶蓋においては、開缶
後に、切り込み線に囲まれたスコア部およびタブ(以
下、スコア部およびタブを「開口片」と称す。)が蓋本
体から分離されて捨てられ、開口片を回収し難いという
問題がある。このような問題を解決するために、最近で
は、開缶後においても、缶本体と開口片とを一部連着し
た状態にしておくステイオンタブタイプのものが大半を
占めている。
【0004】図4(a)、(b)および図5に示すよう
に、例えばステイオンタブタイプの簡易開口缶蓋10
は、円形の天板1と、天板1の周縁に設けられ、缶胴
(図示せず)に巻締めされる巻締め部2と、巻締め部2
と天板1との間に周設された外周溝3と、溝状のスコア
4により連結された開口片5と、先端が開口片5の天板
中心CP側に重なるように配置され、リベット6により
天板中心CPに連結されたプルタブ7とからなる。プル
タブ7は、そのほぼ中央部にリベット6を挿通する挿通
孔2bが形成されている。
【0005】プルタブ7を引くと、スコア4側のタブ先
端7aが支点、タブ指掛け部7bが力点、リベット部7
cが作用点となり、スコア部が押圧され、図4(b)
(図4(a)を裏面から見た図)に示すスコア4のリベ
ット周辺部4dが破断される第1工程と、図4(a)の
リベット6を支点として、プルタブ7の先端7aが開口
片5の天板中心CP側である基端部を押圧し、その押圧
力により残りのスコア4が破断され、開口片5が缶本体
の内部に入れられる第2工程とを経て、飲み口が形成さ
れる。
【0006】缶蓋10としては、アルミニウム薄板の片
面に、エポキシ系や塩化ビニル系の塗料で被覆されたラ
ミネート材を製造し、このラミネート材を成形して得ら
れるラミネート缶蓋が開発されている。このようなラミ
ネート材は、腐食防止および内容物の保護を目的とした
ものである。しかしながら、エポキシ系や塩化ビニル系
の塗料はビスフェノール−Aや有機溶剤を含有している
ため、安全性に問題がある。そのため、近年、より安全
性を向上し、環境負荷を軽減する対策として、これらの
塗料に代わる被覆材としてラミネートフィルムが注目さ
れている。
【0007】缶蓋10として、アルミニウム薄板の片面
が、ラミネートフィルムを被覆されたラミネート材を用
いた場合、図6(a)に示すように、ラミネートフィル
ム1bが、缶蓋10の外面1a側に配置されており、開
缶の際にエンゼルヘアーが発生するという不具合が生じ
る。エンゼルヘアーとは、缶蓋10の開口片5が缶内部
に押し込まれて缶蓋10の飲み口を開口したときに、ス
コア4の底部に残存するラミネートフィルム片Fがスコ
ア4の外周線に沿って、符号Eで示すように伸びて破断
した結果、髪の毛状(髭状)に遊離した物の名称であ
る。このエンゼルヘアーEは、飲用の際に口に当たり、
不快感を与えることになる。
【0008】このように開缶の際にエンゼルヘアーが発
生するのは、ラミネートフィルムとアルミニウム薄板の
密着力が弱いため、開缶時に、ラミネートフィルムの一
部が破断せずにアルミニウム薄板から剥離してしまう事
が原因である。ラミネートフィルムをアルミニウム薄板
に熱圧着する方式では、従来の塗料や接着剤をアルミニ
ウム薄板に被覆する方式に比べて密着性が劣るという問
題がある。このように、ラミネートフィルムとアルミニ
ウム薄板との密着性が損なわれることにより、耐食性が
劣化したり、上記のように開口部にエンゼルヘアーが生
じるという問題がある。
【0009】また、ラミネート缶蓋に用いられるラミネ
ートフィルムは、食品保存の観点から、味や香りの成分
(フレーバー)を吸着し難いものが好ましい。このよう
なラミネートフィルムへの香味の吸着性(以下、「フレ
ーバー特性」と称す。)は、ラミネートフィルムの結晶
化度が高いほど良好である。しかしながら、ラミネート
缶蓋に用いられるラミネートフィルムは、生産性の観点
から結晶化度の上限に制約を受け、十分なフレーバー特
性が得られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、ラミネート缶蓋製造時に、ラミネートフィル
ムと缶蓋素材板の密着性を向上すると共に、ラミネート
フィルムの結晶化度を上げてフレーバー特性を向上させ
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明の請求項1記載のラミネート材の製造方法
は、結晶性樹脂の基材層と非晶性樹脂の接着層の2層構
造からなるラミネートフィルムを缶蓋素材板に被覆して
ラミネート材を製造する方法において、前記ラミネート
フィルムの基材層の結晶化度Xcと、このラミネートフ
ィルムを缶蓋素材板に被覆した後のラミネートフィルム
の基材層の結晶化度Xc´との関係を、Xc<Xc´と
するものである。
【0012】また、本発明の請求項2記載のラミネート
材の製造方法は、前記ラミネートフィルムを缶蓋素材板
に被覆する温度T1と、前記ラミネートフィルムの基材
層の融解温度Tmおよび接着層の融解温度Tm´との関
係を、Tm´<T1<Tm−18℃とするものである。
【0013】また、本発明の請求項3記載のラミネート
材の製造方法は、前記ラミネートフィルムを缶蓋素材板
に被覆する速度を60m/分以下とするものである。
【0014】また、本発明の請求項4記載のラミネート
材の製造方法は、前記ラミネートフィルムを、厚み6〜
15μmの結晶性2軸延伸ポリエステルフィルムまたは
2軸延伸変性ポリエステルフィルムからなる基材層と、
厚み0.5〜3μmの非晶性変性ポリエステルフィルム
からなる接着層とからなる2層構造とするものである。
【0015】また、本発明の請求項5記載のラミネート
材の製造方法は、前記ラミネートフィルムの基材層の結
晶化度を40〜60%とするものである。
【0016】そして、本発明の請求項6記載のラミネー
ト缶蓋の製造方法は、請求項1ないし5記載のラミネー
ト材の製造方法により製造されたラミネート材を成形し
てラミネート缶蓋とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
先ず、本発明のラミネート材の製造方法について説明す
る。図1に、本発明のラミネート材の製造方法の概略を
示す。第1ロール11と第2ロール12とを対向して配
置し、この第1ロール11と第2ロール12を互いに反
対方向に回転させる。第1ロール11と第2ロール12
との間に長尺のラミネートフィルム21と長尺の缶蓋素
材板24とを通過させ、予め加熱してある缶蓋素材板2
4にラミネートフィルム21を圧着して被覆し、ラミネ
ート材20を製造する。このとき、第1ロール11と第
2ロール12との間を通過するラミネートフィルム21
への押圧力を、第1ロール11と接触するラミネートフ
ィルム12の表面全体にわたって均一となるように調節
する。
【0018】図2に、本発明のラミネート材の製造方法
によって製造されるラミネート材について示す。ラミネ
ート材20は、ラミネートフィルム21を缶蓋素材板2
4に被覆したラミネート材であって、ラミネートフィル
ム21は結晶性樹脂の基材層23と非晶性樹脂の接着層
22の2層構造で構成されているものである。
【0019】本発明のラミネート材の製造方法におい
て、ラミネートフィルム21を缶蓋素材板24に被覆す
る温度T1(℃)を後述する範囲とすることにより、缶
蓋素材板24に被覆する前のラミネートフィルム21の
基材層23の結晶化度をXcとし、缶蓋素材板24に被
覆した後のラミネートフィルム21の基材層23の結晶
化度をXc´とすると、Xc<Xc´とすることができ
る。上述したように、ラミネート缶蓋に用いられるラミ
ネートフィルム21は、製造時に生産性の観点から結晶
化度の上限に制約を受けているため、そのままの使用で
は、十分なフレーバー特性が得られない。また、良好な
フレーバー特性を得るためには、ラミネートフィルム2
1の結晶化度を、より高めることが好ましい。したがっ
て、良好なフレーバー特性を得るためには、本発明のラ
ミネート材の製造方法は有効に作用する。
【0020】本発明のラミネート材の製造方法によっ
て、ラミネートフィルム21を缶蓋素材板24に被覆す
る温度T1(℃)は、ラミネートフィルム21の基材層
23の融解温度をTm(℃)とし、接着層22の融解温
度をTm´(℃)とすると、Tm´<T1<Tm−18
℃の範囲とする。ラミネートフィルム21を缶蓋素材板
24に被覆する温度T1(℃)を、この範囲とすること
により、両者を十分に密着させ、ラミネートフィルム2
1の基材層23の被覆後の結晶化度を被覆前よりも上げ
ることができる。
【0021】また、本発明のラミネート材の製造方法に
あっては、ラミネートフィルム21を缶蓋素材板24に
被覆する際の速度を60m/分以下とする。このように
被覆速度を60m/分以下とすることにより、ラミネー
トフィルム21と缶蓋素材板24との十分な密着性を確
保することができる。
【0022】第1ロール11および第2ロール12とし
ては、例えば鉄ロール、鉄系合金ロール、表面にNiめ
っき処理、Crめっき処理を施した鉄ロール、ステンレ
スロール、または金属ロール本体の表面全体に高分子樹
脂材料を被覆したものを用いることができる。金属ロー
ル本体の表面全体に被覆する高分子樹脂材料としては、
各種の樹脂材料を用いることができるが、特にラミネー
トフィルム21に対する緩衝作用の高いものとしてシリ
コンゴム、フッ素系ゴムなどが好適である。
【0023】ラミネートフィルム21の缶蓋素材板24
への圧着は、第1ロール11と第2ロール12の間を通
過するラミネートフィルム21および缶蓋素材板24へ
の押圧力を調節することによってなされる。このときの
押圧力の調節は、空気圧、油圧などを利用した機構を用
いて適宜行われる。
【0024】ここで、本発明で用いられるラミネートフ
ィルム21について、図2を用いて説明する。図2に示
すように、ラミネートフィルム21は、非晶性樹脂の接
着層22と結晶性樹脂の基材層23からなる2層構造と
なっており、その厚みは、缶蓋を開缶する際に、引き裂
かれ易くするために6〜15μmとすることが好まし
く、特に好ましくは8〜10μmとする。また、接着層
22は厚み0.5〜3μm、粘度0.5〜0.8ポアズ
の非晶質変性ポリエステルフィルムからなり、基材層2
3は厚み6〜15μmの2軸延伸ポリエステルフィルム
または2軸延伸変性ポリエステルフィルムからなってい
る。
【0025】また、ラミネートフィルム21の基材層2
3の結晶化度は40〜60%が好ましい。結晶化度が4
0%未満では、このラミネートフィルム21を所定温度
に加熱しても、基材層23の結晶化度をフレーバー特性
が良好となる範囲とすることができない。
【0026】ラミネートフィルム21に用いられるポリ
エステル樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PB
T)、ポリカーボネートなどを挙げることができるが、
ポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
【0027】ポリエステル樹脂は、一般的に良好な機械
的性質、電気的性質、耐水性、耐酸性、耐油性を有して
いる。さらに、これらの性質に加えて、他の樹脂材料に
比較して安価であるという利点もある。
【0028】ここで、本発明において好ましく用いられ
る、ポリエチレンテレフタレートのフィルムについて説
明する。ポリエチレンテレフタレートのフィルムは、こ
のものがほぼ一定の厚みで面方向に完全に連続してお
り、通常の有機塗膜にしばしば認められるピンホール、
クラックあるいは膨れ(ブリスター)などの塗膜欠点が
ないという点で特に優れたものである。また、ポリエチ
レンテレフタレートは、種々のラミネートの中でも、機
械的強度に最も優れた樹脂の一つであり、引張り弾性率
が大で寸法安定性に優れかつ加工性にも優れており、缶
蓋への成形や、スコア加工、リベット加工などに対して
も、それが破断したり、或いはピンホール、クラック、
膨れなどが発生することなく連続被覆状態に維持される
という利点がある。さらに、ポリエチレンテレフタレー
トは腐食成分を透過しない性質において最も優れた樹脂
の一つであり、このものを缶蓋素材板24に被覆し、ラ
ミネート缶蓋の外面側に用いることにより、ラミネート
缶蓋の腐食を防止することができる。
【0029】ところで、具体的には、ラミネートフィル
ム21の接着層22をなす非晶性の変性ポリエステルフ
ィルムとしては、粘度0.5〜0.8ポアズで、イソフ
タル酸を15〜22mol%含有するポリエチレンテレ
フタレートとイソフタル酸の共重合体が好ましく用いら
れる。また、基材層23をなす結晶性の2軸延伸ポリエ
ステルフィルムまたは結晶性の2軸延伸変性ポリエステ
ルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートまた
は、イソフタル酸を数mol%含有するポリエチレンテ
レフタレートとイソフタル酸の共重合体が好ましく用い
られる。
【0030】ところで、本発明で用いられるラミネート
フィルム21の物性としては、ある程度の剛性を持った
ものの方が缶蓋のスコア部での鋭利な破断が可能とな
る。例えば、同じポリエチレンテレフタレートフィルム
で比較した場合、2軸延伸フィルムでは、分子配向によ
り剛性が向上する。また、ポリエチレンテレフタレート
フィルムの厚みが10〜40μmの範囲にあることも重
要であり、この範囲よりも小さい場合には耐腐食性が劣
り、一方、この範囲を超えると、加工性や易開缶性が劣
る。
【0031】また、本発明で用いられる缶蓋素材板24
としては、スチール薄板、アルミニウム薄板などがあ
り、好ましくはアルミニウム薄板が用いられる。アルミ
ニウム薄板としては、この種のイージーオープンタイプ
の缶蓋に使用されているアルミニウム薄板は全て使用で
き、例えば純アルミニウムやアルミニウムと他の合金用
金属、特にマグネシウム、マンガンなどの少量を含むア
ルミニウム合金板が使用される。アルミニウム薄板の厚
みは、缶蓋の大きさなどによっても相違するが一般的
に、0.20〜0.50mm、好ましくは0.23〜
0.30mmの範囲内にあるものが用いられる。
【0032】アルミニウム薄板へのラミネートフィルム
21の密着性や耐腐食性の見地から、アルミニウム薄板
の表面にクロメート処理膜を形成させることが一般的に
望ましい。クロメート処理膜の形成は、アルミニウム薄
板を苛性ソーダで脱脂およびエッチングを行った後、C
rO34g/l、H3PO412g/l、F0.65g/
l、残りは水のような処理液に浸漬する化学処理により
行われる。クロメート処理膜の厚みは、表面積当たりの
Cr原子の重量で表して、5〜50mg/dm 2の範囲
が好ましく、特に10〜35mg/dm2の範囲内にあ
ることが密着性の点から好ましい。
【0033】次に、本発明のラミネート缶蓋の製造方法
にあっては、以上のようにして製造されたラミネート材
20を用いて、所定の成形加工(絞り加工、スコア加工
およびタブ加工など)を経てラミネート缶蓋に成形す
る。
【0034】ところで、イージーオープンタイプの缶蓋
では、開缶したときに、スコア部の破断と共にラミネー
ト缶蓋に被覆されているラミネートフィルム21もこれ
に沿って破断されることが要求される。このスコア部の
破断性は、ラミネートフィルム21の缶蓋素材板24へ
の密着性と、ラミネートフィルム21の物性とにより影
響される。すなわち、ラミネートフィルム21の密着力
が高いほどスコア部に沿って正確かつ鋭利にフィルムが
破断し易い。本発明のラミネート缶蓋の製造方法によれ
ば、ラミネートフィルム21と缶蓋素材板24との間に
十分な密着力が得られると共に、スコア部に沿った鋭利
なラミネートフィルム21の破断が行われるものであ
る。したがって、開缶時に開口部にエンゼルヘアーが生
じることがなくなる。
【0035】以下、具体例を示す。先ず、厚み9μm、
結晶化度53〜56%の、基材層と接着層の2層構造か
らなる2軸延伸ポリエステル樹脂フィルムを用意した。
この2軸延伸ポリエステル樹脂フィルムは、基材層とし
て厚みが8.5μm、融点253℃のポリエチレンテレ
フタレートフィルムと、接着層として厚みが0.5μ
m、融点210℃のイソフタル酸を15〜22mol%
含有するポリエチレンテレフタレートとイソフタル酸の
共重合体からなるフィルムとから構成されている。融点
の測定には、示差走査熱量分析(DSC)計(SSC5
80 DSC20型、セイコー電子工業株式会社製)を
用いて行った。2軸延伸ポリエステル樹脂フィルム10
mgを10℃/分で昇温し、このフィルムの結晶融解に
よるピーク温度を融点とした。
【0036】次いで、クロメート処理アルミニウム薄板
を用意した。次いで、上記2軸延伸ポリエステルフィル
ムをクロメート処理アルミニウム薄板に被覆して、ラミ
ネート材を製造した。被覆する際の温度を変えてラミネ
ート材を製造し、その時のラミネート材の2軸延伸ポリ
エステルフィルムとクロメート処理アルミニウム薄板の
密着性、加工性、フレーバー特性を調査した。また、2
軸延伸ポリエステルフィルムの基材層の結晶化度を、ア
ルミニウム薄板に被覆する前および被覆した後に測定し
た。被覆前の2軸延伸ポリエステルフィルムの基材層の
結晶化度の測定は、密度勾配管を用いた密度法により行
い、被覆後の基材層の結晶化度の測定は、X線回折法に
より行った。結果を表1および図3に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1の結果から、図3に示す領域A内の被
覆温度(℃)および時間(秒)で、2軸延伸ポリエステ
ルフィルムをアルミニウム薄板に被覆すれば、密着性、
加工性、フレーバー特性が良好な、ラミネート材を得る
ことができる。また、領域A内の加工条件で被覆すれ
ば、被覆後の2軸延伸ポリエステルフィルムの基材層の
結晶化度が、被覆前の基材層の結晶化度よりも高くな
る。なお、図3は、ラミネートフィルムを缶蓋素材板に
被覆した際の、被覆温度と被覆温度の保持時間の関係を
示す図であり、領域1は、被覆後の2軸延伸ポリエステ
ルフィルムの基材層の結晶化度が、被覆前の基材層の結
晶化度よりも高くなる領域である。また、領域Bは、被
覆後の2軸延伸ポリエステルフィルムの基材層の結晶化
度が、被覆前の基材層の結晶化度よりも低くなる領域で
ある。また、領域Cは、被覆後の2軸延伸ポリエステル
フィルムの基材層の結晶化度が、被覆前の基材層の結晶
化度と変化しない領域である。また、曲線Dは、温度
(℃)=235.18×時間-0.0294の関係を示す曲線
である。また、領域Aは、2軸延伸ポリエステルフィル
ムをアルミニウム薄板に被覆する温度T1(℃)が、2
軸延伸ポリエステルフィルムの基材層の融解温度をTm
(℃)とし、接着層の融解温度をTm´(℃)としたと
き、Tm´<T1<Tm−18℃の範囲となることを満
たす領域である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ラミネート材を構成するラミネートフィルムと缶蓋素材
板の密着性が向上するため、ラミネート缶蓋の開缶時に
おいて、ラミネート缶蓋の外面側に被覆されているラミ
ネートフィルムが容易に破断するから、缶の開口部にエ
ンゼルヘアーが生じることがない。また、被覆後のラミ
ネートフィルムの基材層の結晶化度が、被覆前の基材層
の結晶化度よりも十分に高くなるから、ラミネートフィ
ルムのフレーバー特性が向上する。したがって、このよ
うなラミネート缶蓋を有する缶は、清涼飲料水、ビー
ル、魚介類、食品などの収納用容器として有効に利用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のラミネート材の製造方法を示す概略
図である。
【図2】 本発明で用いられるラミネートフィルムを示
す断面図である。
【図3】 ラミネートフィルムを缶蓋素材板に被覆した
際の、被覆温度と被覆温度の保持時間の関係を示す図で
ある。
【図4】 従来のラミネート缶蓋を示す図で、(a)は
ラミネート缶蓋の平面図、(b)はラミネート缶蓋の底
面図である。
【図5】 従来のラミネート缶蓋を示す断面図である。
【図6】 従来のラミネート缶蓋においてエンゼルヘア
ーが発生する過程を示す断面図である。
【符号の説明】
11・・・第1ロール、11a・・・第1ロール表面、12・・
・第2ロール、12a・・・第2ロール表面、20・・・ラミ
ネート材、21・・・ラミネートフィルム、22・・・接着
層、23・・・基材層、24・・・缶蓋素材板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 17/00 B65D 17/00 // B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 Fターム(参考) 3E093 AA01 BB06 CC09 4F100 AB01C AB10 AK01A AK01B AK41A AK41B AL06A AL06B AT00C BA03 BA10A BA10C EJ38A GB18 GB23 JA11A JA11B JK06 JL01 JL02 JL11B YY00A 4F211 AA24 AD03 AD05 AD08 AG01 AG03 AH55 AP05 AR06 TA01 TC05 TD11 TH02 TH06 TJ30 TQ03 TQ10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性樹脂の基材層と非晶性樹脂の接着
    層の2層構造からなるラミネートフィルムを缶蓋素材板
    に被覆してラミネート材を製造する方法において、 前記ラミネートフィルムの基材層の結晶化度Xcと、こ
    のラミネートフィルムを缶蓋素材板に被覆した後のラミ
    ネートフィルムの基材層の結晶化度Xc´との関係を、
    Xc<Xc´とすることを特徴とするラミネート材の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記ラミネートフィルムを缶蓋素材板に
    被覆する温度T1と、前記ラミネートフィルムの基材層
    の融解温度Tmおよび接着層の融解温度Tm´との関係
    を、Tm´<T1<Tm−18℃とすることを特徴とす
    る請求項1記載のラミネート材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ラミネートフィルムを缶蓋素材板に
    被覆する速度を60m/分以下とすることを特徴とする
    請求項1または2記載のラミネート材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ラミネートフィルムを、厚み6〜1
    5μmの結晶性2軸延伸ポリエステルフィルムまたは2
    軸延伸変性ポリエステルフィルムからなる基材層と、厚
    み0.5〜3μmの非晶性変性ポリエステルフィルムか
    らなる接着層とからなる2層構造とすることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載のラミネート材の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ラミネートフィルムの基材層の結晶
    化度を40〜60%とすることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかに記載のラミネート材の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5記載のラミネート材の
    製造方法により製造されたラミネート材を成形してラミ
    ネート缶蓋とすることを特徴とするラミネート缶蓋の製
    造方法。
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