JP2010105522A - フロントピラーの補強構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】前方からの入力によりフロントピラーに発生するモーメントを減少させ、軽量で堅牢なフロントピラーの補強構造を提供する。
【解決手段】フロントピラーリインフォース12は長手方向の一部区間である区間12Aにおいて、図心位置が図3(A)に示すC2となるように形状を徐変させた構造とされている。すなわち、車体上側および車幅方向外側に凸となる突出部12Bを、区間12Aにおいては車体下側および車幅方向内側に凸となる突出部12Cとされている。これにより区間12Aを除く他の区間ではフロントピラー10の図心位置が図3(B)に示すC1となるのに対し、区間12Aにおいては図心位置がC2となり、フロントピラーリインフォース12の車体前方端YFと車体後方端YRとを結ぶ線分Yに対してフロントピラー10の図心位置はC1とC2との距離Lだけ線分Yに近付く形状とされている。
【選択図】図3
【解決手段】フロントピラーリインフォース12は長手方向の一部区間である区間12Aにおいて、図心位置が図3(A)に示すC2となるように形状を徐変させた構造とされている。すなわち、車体上側および車幅方向外側に凸となる突出部12Bを、区間12Aにおいては車体下側および車幅方向内側に凸となる突出部12Cとされている。これにより区間12Aを除く他の区間ではフロントピラー10の図心位置が図3(B)に示すC1となるのに対し、区間12Aにおいては図心位置がC2となり、フロントピラーリインフォース12の車体前方端YFと車体後方端YRとを結ぶ線分Yに対してフロントピラー10の図心位置はC1とC2との距離Lだけ線分Yに近付く形状とされている。
【選択図】図3
Description
本発明はフロントピラーの補強構造に関する。
従来から、フロントピラーの閉断面内にリインフォースを設けたフロントピラーの補強構造が存在する(例えば、特許文献1参照)。さらに、ピラーアッパインナパネル及びピラーアッパアウタパネルの所定位置に、部分的に肉厚部が設定され、前方からの入力時に作用する曲げモーメントの入力軸に対する断面主軸の傾きを均一な肉厚の場合よりも小さくして、必要な曲げ強度の確保を図る補強構造が存在する(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−145369号公報
特開2005−199738号公報
しかし、上記特許文献1、2の構成では前方からの入力時の発生モーメントに耐えうるフロントピラーの耐力を確保するにはリインフォースを含めたフロントピラーの補強が必要であり、結局は重量が増加する構成となってしまう。
本発明は上記事実を考慮し、前方からの入力によりフロントピラーに発生するモーメントを減少させ、軽量で堅牢なフロントピラーの補強構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明におけるフロントピラーの補強構造は、フロントピラーの長手方向に沿って内部に配設される補強部材であるフロントピラーリインフォースを備え、前面衝突時に前記フロントピラーへ荷重が入力される荷重入力点と前記フロントピラーが車体後方側でルーフヘッダと結合される結合部とを結んだ直線に対して垂直な断面内において、前記フロントピラーの長手方向における所定区間で、前記フロントピラーの図心を前記直線に近付けたことを特徴とする。
上記構成によれば、車体上側に凸となる形状のフロントピラーにおいても、フロントピラーの長手方向両端を結ぶ直線にフロントピラーの図心を近付けることで前方からの入力時に発生する縦曲げモーメントのモーメントアームを短くし、発生するモーメントを減少させ、軽量で堅牢なフロントピラーの補強構造とすることができる。
請求項2に記載の本発明におけるフロントピラーの補強構造は、請求項1に記載の構成において、前記所定区間において、前記フロントピラーの図心を前記直線に近付けるように側面視で徐変させたことを特徴とする。
上記構成によれば、所定区間においてフロントピラーの図心をフロントピラーの長手方向両端を結ぶ直線に近付けるように徐変させることで、少ない部品点数で軽量で堅牢なフロントピラーの補強構造とすることができる。
請求項3に記載の本発明におけるフロントピラーの補強構造は、請求項1に記載の構成において、前記フロントピラーの内部に、前記フロントピラーリインフォースよりも車体下側かつ車幅方向内側にこれと一体的に設けられた第2のフロントピラーリインフォースを備え、前記所定区間において前記フロントピラーの図心を前記直線に近付けたことを特徴とする。
上記構成によれば、第2のフロントピラーリインフォースを車体下側かつ車幅方向内側に設け、フロントピラーの図心をフロントピラーの長手方向両端を結ぶ直線に近付けることで、単純な加工で軽量かつ堅牢なフロントピラーの補強構造とすることができる。
本発明に係るフロントピラーの補強構造は上記構成としたので、前方からの入力によりフロントピラーに発生するモーメントを減少させ、軽量で堅牢なフロントピラーの補強構造とすることができるという優れた効果が得られる。
<構造の概要>
本発明の第1実施形態に係るフロントピラーの補強構造を図1〜図3に従って説明する。
本発明の第1実施形態に係るフロントピラーの補強構造を図1〜図3に従って説明する。
なお各図において、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印REは車体後方方向を、矢印UPは車体上側方向を、矢印INは車体内側方向を、矢印OUTは車体外側方向を示す。
図1〜図3には、本発明の第1実施形態に係るフロントピラーの補強構造が示されている。
図1、図2に示すように、フロントピラーの補強構造は、側面視において車体前方下側から車体後方上側に向かって延設されたフロントピラー10と、フロントピラー10の断面内部で長手方向に沿って配設された強度部材であるフロントピラーリインフォース12とから構成されている。
図1(B)に示されているようにフロントピラー10は車幅方向外側面を形成するサイメンアウタ14と、車幅方向内側かつ車体下側に設けられたフロントピラーインナ16とを接合し、車幅方向の間隙にフロントピラーリインフォース12を挟んで車体上側に凸となる曲線を描くように設けられている。
フロントピラーリインフォース12の車体前方端YFは図2(A)に示されるように所謂エンジンルームの車体後方端より始まり、車体後方端YRは図示しないルーフヘッダに固定されることにより、フロントピラー10の長手方向において車体前半部分の強度を担う強度部材として設けられている。
図3(C)に示されるように、フロントピラーリインフォース12は長手方向の一部区間である区間12Aにおいて、一部の形状を側面視で徐変させた構造とされている。すなわち、車体上側および車幅方向外側に凸となる突出部12Bを、区間12Aにおいては車体下側および車幅方向内側に凸となる突出部12Cとされ、フロントピラー10の図心位置が図3(A)に示すC2となるようになっている。
これにより区間12Aを除く他の区間ではフロントピラー10の図心位置が図3(B)に示すC1となるのに対し、区間12Aにおいては図心位置がC2となり、フロントピラーリインフォース12の車体前方端YFと車体後方端YRとを結ぶ線分Yに対してフロントピラー10の図心位置はC1とC2との距離Lだけ線分Yに近付く形状とされている。
<作用効果>
次に本発明の第1実施形態の作用および効果について説明する。
次に本発明の第1実施形態の作用および効果について説明する。
図1にはフロントピラー10の構造とフロントピラー10の図心位置の関係を示す側面図、断面図および前面入力時にフロントピラー10に発生する縦曲げモーメントと図心位置の関係が示されている。
フロントピラー10は図1(A)に示すように車体上側に凸となる形状をしているため、フロントピラーリインフォース12の車体前方端YFと車体後方端YRとを結ぶ線分Yに対して、フロントピラー10の図心位置C1もまた車体上側に凸となる曲線を描き、線分Yとの間は距離Lだけ離れている。
このため前面衝突時(オフセット衝突、正突)に力Fがフロントピラーリインフォース12の車体前方端YFに入力された際、図1(C)に示されているように、フロントピラー10の長手方向位置によってはフロントピラー10の耐力Mpを越える縦曲げモーメントM1が発生する場合がある。
そこで本実施形態においては、前述のようにフロントピラー10の耐力Mpを超えるモーメントM1が発生する箇所について、図3(A)〜(C)に示されているようにフロントピラーリインフォース12に設定された区間12Aとしてフロントピラー10の図心位置を車体下側に移動させることで、前面衝突時の発生モーメントにおけるモーメントアームを短くする。ここで言うモーメントアームとは線分Yから図心Cまでの距離、すなわち線分Yと図心Cのオフセット距離を指す。
具体的には図1(C)に示すように、フロントピラー10の耐力Mpを超えるモーメントM1が発生する箇所においては、フロントピラー10の図心位置を車体下側に下げ、線分Yに近付けたことでオフセット距離を短縮し、モーメントアームを短くすることで発生するモーメントを抑え、特に耐力Mpを超えるモーメントの発生を抑えている。
フロントピラー10の図心Cの位置が線分Yから距離Lだけ離れている場合、入力Fによって発生するモーメントM1は
M1=入力F×距離L
となるため、図1(C)のグラフで発生モーメントM1>耐力Mpとなる箇所に対しては、距離Lを小さくすればモーメントM1を低減させることができる。このためモーメントM1をM2に低減するには、
L’=(M1−M2)/F
となるような距離L’だけフロントピラー10の図心Cを線分Yに近付けるように移動させればよい。
M1=入力F×距離L
となるため、図1(C)のグラフで発生モーメントM1>耐力Mpとなる箇所に対しては、距離Lを小さくすればモーメントM1を低減させることができる。このためモーメントM1をM2に低減するには、
L’=(M1−M2)/F
となるような距離L’だけフロントピラー10の図心Cを線分Yに近付けるように移動させればよい。
これにより本実施形態に係るフロントピラー10は前方からの入力Fに対して発生するモーメントを抑え、耐力Mpを大きく設定する必要がないので、軽量かつ堅牢なフロントピラーとすることができる。
本実施形態においては、車体上側に凸となる形状のフロントピラー10において、部分的にフロントピラー10の図心位置を直線に近付けたことで、発生するモーメント自体を小さく抑えることができる。この方法ではフロントピラーリインフォース12の肉厚を大きくするなどの補強は不要なので、軽量なフロントピラーの補強構造とすることができる。
<第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態に係るフロントピラーの補強構造を図4に従って説明する。
次に本発明の第2実施形態に係るフロントピラーの補強構造を図4に従って説明する。
図4(A)〜(C)に示すように、本実施形態に係るフロントピラー11は車幅方向外側面を形成するサイメンアウタ14と、車幅方向内側かつ車体下側に設けられたフロントピラーインナ16とを接合し、サイメンアウタ14とフロントピラーインナ16との車幅方向の間隙にフロントピラーリインフォース12を挟んで車体上側に凸となる曲線を描くように設けられている点は第1実施形態と同様である。
本実施形態では、図4(C)に示すようにフロントピラーリインフォース12の車幅方向内側に、長手方向の所定区間Laにおいて第2フロントピラーリインフォース13が一体的に設けられた構造とされている。
第2フロントピラーリインフォース13は図4(A)に示すように車幅方向内側および車体下側に凸となる断面形状をしている。これにより区間Laにおいてフロントピラー10の図心Cの位置は車体下側すなわち線分Yに近付く方向に移動する。
<作用効果>
次に本発明の第2実施形態の作用および効果について説明する。
次に本発明の第2実施形態の作用および効果について説明する。
図4(B)にはフロントピラーリインフォース12と一体的に第2フロントピラーリインフォース13が設けられた区間Laでのフロントピラー10の図心位置の変動を示す、長手方向位置と線分Yから図示しないフロントピラー10の図心Cまでの距離Lとの関係が示されている。
第2フロントピラーリインフォース13は図4(A)に示すように車幅方向内側かつ車体下側に凸となる形状をしているため、フロントピラー10の図心位置は図4(B)に破線で示すように線分Yに近付く位置へ移動する。
図1(C)に示されているようにピラー10の耐力Mpを越えるモーメントM1が発生する箇所では、フロントピラー10の図心Cの位置を線分Yに近付けるように移動させることによってオフセット距離を短縮し、モーメントアームを短くすることで発生するモーメントをM2のように低減し、耐力Mpを越えないような構造とすればよい。
本実施形態においては、長手方向の区間Laにおいて第2フロントピラーリインフォース13を設け、フロントピラーリインフォース12と一体とすることで、図示しないフロントピラー10の図心Cを線分Yに近付け、モーメントMを低減している。
図4(B)に実線で示すように第2フロントピラーリインフォース13を設けていない場合の距離L12に対して、区間Laの長手方向長さ、および図4(A)に示す高さHを調整することで、破線L13のように距離Lを調節することができる。これによってフロントピラー11の長手方向において前方からの入力時に発生するモーメントMを所望の値に調節することができる。
本実施形態においては、フロントピラーリインフォース12自体の形状を徐変させるなどの方法ではなく、別部品の第2フロントピラーリインフォース13を増設することでフロントピラー10の図心Cの位置を移動させているため、フロントピラーリインフォース12の形状を変更することなく、小規模な変更で製品に応用することができる。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
すなわち、前方からの入力によりフロントピラー10に発生するモーメントを減少させる構造としては、長手方向に沿って車体上側に凸となるような図心Cの位置を、所定区間において線分Yに近付けた直線としてもよいし、あるいは車体上側に凸となるような図心Cの位置が、所定区間において車体下側に凸となるような構造とされていてもよい。
また、上記各実施形態では前方から入力時にフロントピラーで発生するモーメントを低減する構造を例としたが、これに限定せず例えば車体側方や車体後方の部材に応用し、入力に対してモーメントを低減する構造としてもよい。
10 フロントピラー
11 フロントピラー
12 フロントピラーリインフォース
13 第2フロントピラーリインフォース
14 サイメンアウタ
16 フロントピラーインナ
C 図心
F 力
L 距離
Y 線分
M モーメント
Mp 耐力
11 フロントピラー
12 フロントピラーリインフォース
13 第2フロントピラーリインフォース
14 サイメンアウタ
16 フロントピラーインナ
C 図心
F 力
L 距離
Y 線分
M モーメント
Mp 耐力
Claims (3)
- フロントピラーの長手方向に沿って内部に配設される補強部材であるフロントピラーリインフォースを備え、
前面衝突時に前記フロントピラーへ荷重が入力される荷重入力点と前記フロントピラーが車体後方側でルーフヘッダと結合される結合部とを結んだ直線に対して垂直な断面内において、
前記フロントピラーの長手方向における所定区間で、前記フロントピラーの図心を前記直線に近付けたことを特徴とするフロントピラーの補強構造。 - 前記所定区間において、前記フロントピラーの図心を前記直線に近付けるように側面視で徐変させたことを特徴とする請求項1に記載のフロントピラーの補強構造。
- 前記フロントピラーの内部に、前記フロントピラーリインフォースよりも車体下側かつ車幅方向内側にこれと一体的に設けられた第2のフロントピラーリインフォースを備え、前記所定区間において前記フロントピラーの図心を前記直線に近付けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフロントピラーの補強構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008279263A JP2010105522A (ja) | 2008-10-30 | 2008-10-30 | フロントピラーの補強構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008279263A JP2010105522A (ja) | 2008-10-30 | 2008-10-30 | フロントピラーの補強構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010105522A true JP2010105522A (ja) | 2010-05-13 |
Family
ID=42295390
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008279263A Pending JP2010105522A (ja) | 2008-10-30 | 2008-10-30 | フロントピラーの補強構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010105522A (ja) |
-
2008
- 2008-10-30 JP JP2008279263A patent/JP2010105522A/ja active Pending
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