JP2010104327A - 培養用容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】皿部材10と蓋部材14を含み、この皿部材10と蓋部材14に係合部11、15を有し、両部材が係合すると、皿部材10と蓋部材14の間に隙間が確保され、非密閉状態を維持でき、皿部材10と蓋部材14に螺合部もしくは嵌合部を有し、両部材が螺合もしくは嵌合すると、皿部材10および/または蓋部材14に形成されたエストラマー部材が押圧され、密閉を可能とする、培養用容器。
【選択図】図1
Description
しかしながら、通常、非密閉状態は、CO2インキュベータ内等に静置し、細胞等を培養するときに必要であり、数多くの培養用シャーレが収められるため、段積みされることが一般的に広く行われている。このため、前記特許文献3および4に記載の技術では、培養用シャーレが段積みされた場合に、下段の培養用シャーレに、上段の培養用シャーレの重さが縦方向に加わり、蓋部材が皿部材に押圧されるため、通気状態が悪くなり、最悪の場合、非密閉状態を確保できない状態が生じていた。その結果、CO2インキュベータ内等での培養に障害が発生していた。
また、本発明の係合部を設けることでは、皿部材と蓋部材の隙間を、縦方向にも横方向にもずれることなく、一定に保つことができるようになり、培養用シャーレが段積みをされた場合であっても、非密閉状態を確保できることを見出し、本発明を完成した。
1.皿部材と蓋部材を含む、培養用容器であって:
1)皿部材と蓋部材に、係合部を有し、両部材の係合部が係合すると、皿部材と蓋部材の間に隙間が確保され、非密閉状態を維持でき;
2)皿部材と蓋部材に、螺合部もしくは嵌合部を有し、両部材が螺合もしくは嵌合すると、皿部材および/または蓋部材に形成されたエストラマー部材が螺合もしくは嵌合によって押圧され、密閉を可能とし;
非密閉状態と密閉状態を切り替えることができる、培養用容器。
2.周壁を有する皿部材と、周壁を有する蓋部材を含む、円形培養用容器であって:
1)皿部材に蓋部材を被せたときに蓋部材の周壁が、皿部材の周壁の外側に位置し;
2)皿部材の外周壁と、蓋部材の周壁自体に、非密閉状態を維持できる、係合部を有する;
請求項1に記載の培養用容器。
3.周壁を有する皿部材と、周壁を有する蓋部材を含む、円形培養用容器であって:
1)皿部材の周壁に段部を形成し、段部に内周壁が面一となるもしくは面一とならない肉薄の重ね合わせ周側壁を形成し;
2)皿部材の段部上であって重ね合わせ周側壁の外周と、蓋部材の下端部に、非密閉状態を維持できる、係合部を有する;
請求項1に記載の培養用容器。
4.前記係合部を3個以上有する、請求項1〜3のいずれかに記載の培養用容器。
5.側壁を有する皿部材と、側壁を有する蓋部材を含む、角形培養用容器であって:
1)皿部材に蓋部材を被せたときに、蓋部材の側壁が、皿部材の側壁の外側に位置し;
2)皿部材のいずれか一方の一対の外側壁と、蓋部材のいずれか一方の一対の側壁に、非密閉状態を維持できる、係合部を有し;
3)皿部材の他方の一対の外側壁と、蓋部材の係合部の内側面に、密閉状態を維持できる、嵌合部を有する;
請求項1に記載の培養用容器。
6.前記係合部をいずれか一方の一対の側壁に2個以上有する、請求項5に記載の培養用容器。
7.前記蓋部材の係合部を有しない他方の一対の側壁に、皿部材の係合部を避けるようにして形成された切欠きを有する、請求項5または6のいずれかに記載の培養用容器。
8.係合部が、着脱用嵌合部を有する蓋部材の周壁または側壁に、対応した形状の着脱用嵌合部を有する係合部材によって形成される、請求項1〜7のいずれかに記載の培養用容器。
また、CO2インキュベータ内等で段積みをされた場合であっても、非密閉状態を確保することができる。これにより、狭い空間でも、空間を有効に活用でき、多数の培養用容器を使用できるため、培養の効率を格段に上昇させることが可能である。
1)皿部材と蓋部材に、係合部を有し、両部材の係合部が係合すると、皿部材と蓋部材の間に隙間が確保され、非密閉状態を維持でき;
2)皿部材と蓋部材に、螺合部もしくは嵌合部を有し、両部材が螺合もしくは嵌合すると、皿部材および/または蓋部材に形成されたエストラマー部材が螺合もしくは嵌合によって押圧され、密閉を可能とし;
非密閉状態と密閉状態を切り替えることができる、培養用容器である。
この両部材の係合部同士が合わさることにより、係合する。皿部材の係合部例えば凹みの上側の蓋の係合部を支える面を「受け面」という。蓋部材の周壁または側壁の下側端から天板内面までの深さ方向の長さ(A)は、皿部材の係合部の受け面から皿部材の開口端までの深さ方向の長さ(B)に対して、A>Bであることが必須である。このため、係合させると、皿部材と蓋部材の間に隙間が確保され、非密閉状態が維持される。該隙間の幅は約1〜2mm程度である。ここで「非密閉状態」とは、空気や水分の出入が可能な状態のことをいう。
係合部の相互に係りあう各角部の形状は、係合可能で、滑りが可能なように形状化されたものが好ましい。例えば凸凹形状ののり面が傾斜したものでもよい。傾斜は一般的には約45度程度で十分であるが限定はされない。あるいは、これらの組み合わせで、係合可能な形状を形成してもよい。なお、本発明で係合部、係合部材、嵌合部の記載において、実施例においては凸凹関係の形状を示すが、これらはいずれもこの定義が適用される代表例として例示したものである。
皿部材の外周壁と蓋部材の周壁(下側端)に係合部を有する。この係合部によって両部材が係合すると、皿部材と蓋部材の間に隙間が確保され、非密閉状態を維持可能となる。なお、蓋部材の係合部の下側端から天板内面までの深さ方向の長さ(A)は、皿部材の係合部の受け面から皿部材の開口端までの深さ方向の長さ(B)に対して、A>Bであることが必須である。
ここで「密閉状態」とは、空気や水分の出入が不可能な状態のことをいう。両部材の螺合部が螺合すると、皿部材の周壁の開口端および/または蓋部材の天板内面に設置されたエストラマー部材が押圧され、両部材間の隙間がなくなり、密閉状態が、確保、維持される。「エラストマー部材」とは、ゴム状の弾性体でできた部材のことをいい、ゴム、熱可塑性エラストマー等の部材がよく知られている。エラストマーはシリコーン樹脂等であってもよく、弾力がある素材であれば、一般的なエラストマーの定義に拘束されることなく、本エラストマー部材として含まれる。また低密度ポリエチレン(LDPE)などの軟質プラスチックも含むものとする。皿部材、蓋部材自体の一部をエラストマー部材にしてもよいし、パッキン等の状態で貼り付けてもよい。エラストマー部材は、皿部材の周壁の開口端、蓋部材の周壁の開口端との接する部分、蓋部材の天板内面、後述の係合部材の溝部の底面などに設置が可能である。
また、皿部材の重ね合わせ周側壁の外周壁には前記と同様に螺合部が形成される。その数、位置等は前記と同様である。螺合部によって両部材が螺合すると、両部材間の隙間がなくなり、密閉状態が確保される。
この嵌合部によって両部材が嵌合すると、皿部材の側壁の開口端および/または蓋部材の天板内面に設置されたエストラマー部材が押圧され、両部材間の隙間がなくなり、密閉状態が確保される。ここで「密閉状態」、「エラストマー部材」とは、上記と同様である。
皿部材(10)は、開口部付近の外周壁に、係合部(11)が等間隔に4個形成される。この係合部には上向きの凹み(111)が形成される。また、皿部材の外周壁には、等間隔に4個のネジ山(12)が形成され、螺合部を形成する。さらに、開口端(13)にはエラストマー部材が取り付けられる。
皿部材(20)は、外周壁に段部(21)が形成される。その段部(21)には、内周壁が面一となる肉薄状の重ね合わせ周側壁(22)が形成され、その重ね合わせ周側壁(22)の外周で、かつ段部(21)上に等間隔に係合部(23)が4個形成される。この係合部には上向きの凹み(231)が形成される。また、重ね合わせ周側壁(22)の外周には、等間隔に4個のネジ山(24)が形成され、螺合部を形成する。さらに、開口端(25)にはエラストマー部材が取り付けられる。
皿部材(30)は、対向する二対の側壁のいずれか一方の一対の側壁の外側壁に、それぞれ2個、計4個の係合部(31)が等間隔に形成される。この係合部には上向きの凹み(311)が形成される。また、他方の一対の外側壁には、横外向きの凸部(32)が形成されており、嵌合部を形成する。図3Bのように嵌合部を複数設けてもよいし、図3Cのように一続きにしてもよい。さらに、側壁の開口端(33)にはエラストマー部材が取り付けられる。
皿部材の係合部はそのままの状態で、蓋部材用の係合部を着脱可能な係合部材にすることにより、底部が長方形、楕円形等の蓋部材の向きを変更して被せることが難しい培養用容器においても、密閉状態および非密閉状態を維持することができる。当然、蓋部材の向きを変更して被せることができる、底部が円形、正方形等の培養用容器においても適用できる。
蓋部材(51)には、特許第3642445号(AGCテクノグラス株式会社)のように、外周壁に鉛直方向に縦長の突起を形成することにより(52)、特許第3642445号の持ちやすく、操作性に優れた効果も備えることができる。培養用シャーレの径が大きくなっても、縦長の突起を掴めば、容易に、蓋部材を持ち上げることができる。また、特に培養用シャーレが円形の場合には、この係合部に指がかかるので、ネジが閉めやすくなる。
また、CO2インキュベータ内等で段積みをされた場合であっても、非密閉状態を確保することができるため、狭い空間でも、空間を有効に活用することができ、多数の培養用容器を維持することが可能である。これにより、培養の効率を格段に上昇させることが可能である。
11 皿部材の係合部
111 皿部材の係合部の凹み
112 皿部材の係合部の受け面
12 皿部材のネジ山
13 皿部材の開口端
14 蓋部材
15 蓋部材の係合部
151 蓋部材の係合部の下側端
152 蓋部材の係合部の出っ張り
16 蓋部材のネジ山(内側面に位置する)
17 蓋部材の天板内面
20 皿部材
21 段部
22 重ね合わせ周側壁
23 皿部材の係合部
231 皿部材の係合部の凹み
232 皿部材の係合部の受け面
24 皿部材のネジ山
25 皿部材の開口端
26 蓋部材
27 蓋部材の係合部
271 蓋部材の係合部の下側端
272 蓋部材の係合部の出っ張り
28 蓋部材のネジ山(内側面に位置する)
29 蓋部材の天板内面
30 皿部材
31 皿部材の係合部
311 皿部材の係合部の凹み
312 皿部材の係合部の受け面
32 皿部材の凸部(皿部材の嵌合部)
33 皿部材の開口端
34 蓋部材
35 蓋部材の係合部
351 蓋部材の係合部の下側端
352 蓋部材の係合部の出っ張り
36 蓋部材の係合部の内側面の凹部(蓋部材の嵌合部)
37 蓋部材の天板内面
40 蓋部材
41 蓋部材の着脱用嵌合部の凹部(内側面に位置する)
42 蓋部材の着脱用嵌合部の凸部
43 蓋部材用係合部材
44 蓋部材用の係合部
45 蓋部材用係合部材の着脱用嵌合部の溝部
46 蓋部材用係合部材の着脱用嵌合部の凸部
47 蓋部材用係合部材の着脱用嵌合部の凹部
48 蓋部材用係合部材の係合部の内側面の凹部(蓋部材の嵌合部)
50 皿部材
51 蓋部材
52 蓋部材の縦長突起
Claims (8)
- 皿部材と蓋部材を含む、培養用容器であって:
1)皿部材と蓋部材に、係合部を有し、両部材の係合部が係合すると、皿部材と蓋部材の間に隙間が確保され、非密閉状態を維持でき;
2)皿部材と蓋部材に、螺合部もしくは嵌合部を有し、両部材が螺合もしくは嵌合すると、皿部材および/または蓋部材に形成されたエストラマー部材が螺合もしくは嵌合によって押圧され、密閉を可能とし;
非密閉状態と密閉状態を切り替えることができる、培養用容器。 - 周壁を有する皿部材と、周壁を有する蓋部材を含む、円形培養用容器であって:
1)皿部材に蓋部材を被せたときに蓋部材の周壁が、皿部材の周壁の外側に位置し;
2)皿部材の外周壁と、蓋部材の周壁自体に、非密閉状態を維持できる、係合部を有する;
請求項1に記載の培養用容器。 - 周壁を有する皿部材と、周壁を有する蓋部材を含む、円形培養用容器であって:
1)皿部材の周壁に段部を形成し、段部に内周壁が面一となるもしくは面一とならない肉薄の重ね合わせ周側壁を形成し;
2)皿部材の段部上であって重ね合わせ周側壁の外周と、蓋部材の下端部に、非密閉状態を維持できる、係合部を有する;
請求項1に記載の培養用容器。 - 前記係合部を3個以上有する、請求項1〜3のいずれかに記載の培養用容器。
- 側壁を有する皿部材と、側壁を有する蓋部材を含む、角型培養用容器であって:
1)皿部材に蓋部材を被せたときに、蓋部材の側壁が、皿部材の側壁の外側に位置し;
2)皿部材のいずれか一方の一対の外側壁と、蓋部材のいずれか一方の一対の側壁に、非密閉状態を維持できる、係合部を有し;
3)皿部材の他方の一対の外側壁と、蓋部材の係合部の内側面に、密閉状態を維持できる、嵌合部を有する;
請求項1に記載の培養用容器。 - 前記係合部をいずれか一方の一対の側壁に2個以上有する、請求項5に記載の培養用容器。
- 前記蓋部材の係合部を有しない他方の一対の側壁に、皿部材の係合部を避けるようにして形成された切欠きを有する、請求項5または6のいずれかに記載の培養用容器。
- 係合部が、着脱用嵌合部を有する蓋部材の周壁または側壁に、対応した形状の着脱用嵌合部を有する係合部材によって形成される、請求項1〜7のいずれかに記載の培養用容器。
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