JP2004350504A - シャーレ - Google Patents
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Abstract
【課題】皿に対して蓋を取り違えないようにして作業性を大幅に向上させ得るシャーレを提供する。
【解決手段】シャーレは、円形平底の皿10と、皿10に被せる円形の蓋20とからなる。皿10は外周壁11を有し、外周壁11にはヒンジ部分30が設けられている。蓋20は外周壁21を有し、外周壁21にはヒンジ部分40が設けられている。ヒンジ部分30,40は、両端にストッパ51を有する継手部材50を嵌め込む溝31,41をそれぞれ有する。ヒンジ部分30,40が整合するように皿10に蓋20を被せ、溝31,41に継手部材50を嵌め込むことで、皿10に対して蓋20が開閉可能に一体化される。
【選択図】 図7
【解決手段】シャーレは、円形平底の皿10と、皿10に被せる円形の蓋20とからなる。皿10は外周壁11を有し、外周壁11にはヒンジ部分30が設けられている。蓋20は外周壁21を有し、外周壁21にはヒンジ部分40が設けられている。ヒンジ部分30,40は、両端にストッパ51を有する継手部材50を嵌め込む溝31,41をそれぞれ有する。ヒンジ部分30,40が整合するように皿10に蓋20を被せ、溝31,41に継手部材50を嵌め込むことで、皿10に対して蓋20が開閉可能に一体化される。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、細菌や種々の細胞(動物、植物、微生物)等の培養や他の種々の検査等に使用されるシャーレに関する。
【0002】
【従来の技術】
その種のシャーレは、ヒトを含む動物・植物・微生物(カビ、酵母等の真菌類、細菌等)等の細胞を培養する液体培地や固形培地を入れて培養するのに用いられたり、培養地や他の種々の検査用として使用されたり、アルコールを浸した脱脂綿を敷いた滅菌器などとして使用される。そのようなシャーレは、一般的に、プラスチック製(又はガラス製)の円形平底の皿と、この皿に被せるプラスチック製(又はガラス製)の円形の蓋とからなる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭50−124993号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1記載のシャーレも含む既存のシャーレは、一般に蓋と皿がつながっておらず別個のものであるため、滅菌状態を保つクリーンベンチや安全キャビネット内の作業テーブルでは、特にスペースが限られていて、扱える皿の数が限られる。
【0005】
また、蓋の置き方によっては、皿に対して蓋を取り違える場合があり、このような場合、蓋の外面に記した検体名、検体番号と皿の中の検体内容とが対応しなくなる。その上、細菌など微生物の培養では、蓋の内面に付着していた検体が当該蓋に対応しない皿に入れた検体に混入し、異なる検体が混ざる可能性がある。これを防ぐには、皿と蓋を間違えないように慎重に取り扱う必要があり、これも作業性を悪くする要因である。
【0006】
この発明は、そのような問題点に着目してなされたもので、皿に対して蓋を取り違えないようにして作業性を大幅に向上させ得るシャーレを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のシャーレは、外周壁を有する皿と、外周壁を有する蓋とからなり、皿の外周壁と蓋の外周壁にそれぞれヒンジ部分を設け、両ヒンジ部分にわたって着脱可能に取付ける継手部材を有し、両ヒンジ部分に継手部材を取付けることで皿に対して蓋を開閉可能に一体化したことを特徴とする。
【0008】
このシャーレでは、皿の外周壁と蓋の外周壁にそれぞれ設けられたヒンジ部分に継手部材を取付けることで、皿に対して蓋が一体化されて開閉可能となる。つまり、皿と蓋が別個にはならないので、皿に対して蓋を取り違えることが無くなり、蓋の外面に記した検体名、検体番号と皿の中の検体内容とが合わなかったり、異なる検体同士が混ざったりする不具合が起こらない。これにより、作業性が向上する。
【0009】
また、上記構成に加えて、両ヒンジ部分はその対面部分にそれぞれほぼ45°の傾斜面を有し、両傾斜面は全体としてほぼ90°の角度を形成する構成とすることで、蓋を開けたときに蓋が皿に対してほぼ垂直に立った状態で止まるので、蓋が180°近く開く場合や、皿と蓋が別個である場合に比べて、蓋のためのスペースを殆ど必要とせず、限られた作業スペースを最大限有効に活用できる。これにより、作業性がより一層向上する。
【0010】
勿論、本発明のシャーレでは、両ヒンジ部分に継手部材を取付けなければ、皿と蓋が別個になった既存のシャーレと同様に使用できる。
【0011】
なお、両ヒンジ部分にわたって取付ける継手部材は、弾性及び復元性を有する樹脂製であるのが、着脱性、耐久性、コスト面等から好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態により、この発明を更に詳細に説明する。
【0013】
一実施形態に係るシャーレの皿を図1〔断面図(a)、底面図(b)〕に、図1の(a)の円形部分Aの拡大図を図2の(a)に、図1の(b)の線B−Bにおける断面図を図2の(b)に、蓋を図3〔断面図(a)、内側から見た平面図(b)〕に、図3の(a)の円形部分Cの拡大図を図4の(a)に、図3の(b)の線D−Dにおける断面図を図4の(b)に示す。
【0014】
このシャーレは、プラスチック製(又はガラス製)の円形平底の皿10と、プラスチック製(又はガラス製)の円形の蓋20とからなる。
【0015】
皿10は外周壁11を有する。外周壁11にはヒンジ部分30が設けられている。ヒンジ部分30は、図5の(b)に示すように、平面視コ字状の2つの部材が対向配置された態様であり、後記継手部材50を嵌め込む溝31を有する。また、皿10の底面の外円周部には突部15が設けられており、この突部15に空気流路用として3つの切欠き16が形成されている。
【0016】
蓋20は外周壁21を有する。外周壁21にはヒンジ部分40が設けられている。ヒンジ部分40は、図5の(a)に示すように、平面視L字状の2つの部材が対向配置された態様であり、後記継手部材50を嵌め込む溝41を有する。また、蓋20の内面の外周壁21付近には、等角度間隔で4つの突部25が設けられている。この突部25により、蓋20を皿10に被せても、空気流路の確保などのために皿10は完全密閉状態にはならず、皿10の外周壁11と蓋20の内面との接触部分には部分的に隙間が生じる。更に、蓋20の上面には皿10を載せるための円形の凹部23が形成されている。
【0017】
皿10のヒンジ部分30と蓋20のヒンジ部分40は、互いに対向させたときに各々の溝31,41が直線状に整合するように形成されている。図7に要部拡大断面図で示すように、両ヒンジ部分30,40は、その対面部分に水平方向に対してそれぞれほぼ45°の傾斜面35,45を有し、両傾斜面35,45は全体としてほぼ90°の角度を形成する。但し、両傾斜面35,45で形成される角度は90°を越えてもよいが、蓋20を全開したときに、皿10と蓋20との重心がずれたことによって、シャーレが引っ繰り返らない程度に90°に近い角度が好ましく、好ましくは75〜90°の角度であり、より好ましくは90°である。なお、ヒンジ部分30,40は、当初から一体形成してもよいし、別途作製した部材を接着剤等により固着してもよい。
【0018】
両ヒンジ部分30,40の溝31,41には、図6に示すような継手部材50が嵌め込まれる。継手部材50は、弾性(可撓性)と復元性を有する樹脂製であり、蓋20の繰り返しの開閉に十分に耐え得る耐久性や、溝31,41への簡単な装着性を備える他に、蓋20を閉めたときでも蓋20が少し浮き上がった半開き状態にならない復元性を備える。勿論、継手部材50は、整合状態の溝31,41に適合する長さと幅を有するとともに、上記特性を適切に発揮できる程度の厚みを有する。継手部材50の一端側と他端側にはストッパ51が設けられており、継手部材50を溝31,41に嵌め込んだ後に、ストッパ51により継手部材50が溝31,41から簡単には抜けないようになっている。
【0019】
このように構成したシャーレでは、皿10に対して蓋20を開閉可能に一体化するには、両ヒンジ部分30,40が整合するように皿10に蓋20を被せる。そして、継手部材50をその縦方向(長手方向)に2つに折り曲げるようにして溝31,41に嵌め込む。嵌め込んだ後は、図7に示すように、継手部材50のストッパ51が溝31,41の外側に位置するので、継手部材50は溝31,41から簡単には抜けない。
【0020】
図7の状態(蓋20を閉めた状態)では、継手部材50の復元性により蓋20は半開き状態にはならない。また、皿10の外周壁11は、蓋20の内面の突部25に当たるので、前記したように、皿10の外周壁11と蓋20の内面との接触部分には部分的に隙間が生じ、皿10は完全密閉状態にはならない。
【0021】
図8に示すように、図7の状態から蓋20を開けると、それに連れて継手部材50が折曲し、蓋20が皿10に対してほぼ90°まで開くと、ヒンジ部分30,40の傾斜面35,45が当接し、蓋20は皿10に対してほぼ垂直に立った状態で止まる。この状態では、蓋20が180°近く開く場合や、蓋20を皿10から分離して置く場合に比べて、蓋20のためのスペースを殆ど必要としないので、キャビネットやテーブル上の作業スペースを有効利用でき、作業スペースに多くのシャーレを置くことができ、作業性が向上する。
【0022】
しかも、蓋20は皿10に一体につながっているので、皿10に対して蓋20を取り違えることはなく、蓋20を間違えることにより皿10内の検体内容と、蓋20の外面に記した検体名、検体番号とが合わなかったり、皿10内の検体に異なる検体が誤って混入したりする不具合は起こらず、作業スペースの有効利用と相まって作業効率と正確性がより一層高まる。
【0023】
一方、通常のシャーレと同様に、このシャーレを皿10と蓋20が別個のものとして使用する場合には、継手部材50を溝31,41から外しておけばよい。継手部材50の着脱は容易なので、皿10と蓋20を一体化したシャーレと通常のシャーレとの双方に変更するのは簡単である。
【0024】
なお、このシャーレは、皿10を蓋20の凹部23上に載せることで、複数個のシャーレを積み重ねることができる。それにより、複数個のシャーレを運ぶのが楽になる。勿論、皿10が蓋20の凹部23に嵌まっているので、多少傾けてもシャーレはずり落ちない。また、前記したように、皿10の底面の突部15には空気流路用の切欠き16が形成されているので、上のシャーレの皿10と下のシャーレの蓋20とが密着して離れ難くなるようなことはない。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、皿の外周壁と蓋の外周壁にそれぞれ設けられたヒンジ部分に継手部材を取付け、皿に対して蓋を開閉可能に一体化することで、皿に対して蓋を取り違えることが無くなり、蓋の外面に記した検体名、検体番号と皿の中の検体内容とが一致しなかったり、異なる検体同士が混ざったりする不具合が起こらない。これにより、作業性が向上する。
【0026】
また、両ヒンジ部分に継手部材を着脱することで、皿と蓋が一体になったシャーレと皿と蓋が別個になったシャーレを用途に応じて簡単に使い分けることができる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、蓋を開けたときに蓋が皿に対してほぼ垂直に立った状態で止まるので、蓋が180°近く開く場合や、皿と蓋が別個である場合に比べて、蓋のためのスペースを殆ど必要とせず、限られた作業スペースを最大限有効に使うことができる。これにより、作業性がより一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係るシャーレの皿の断面図(a)、及び底面図(b)である。
【図2】図1の(a)の円形部分Aの拡大図(a)、及び図1の(b)の線B−Bにおける断面図(b)である。
【図3】同シャーレの蓋の断面図(a)、及びその内側から見た平面図(b)である。
【図4】図3の(a)の円形部分Cの拡大図(a)、及び図3の(b)の線D−Dにおける断面図(b)である。
【図5】同シャーレの蓋の外周壁に設けられたヒンジ部分の拡大斜視図(a)、及び皿の外周壁に設けられたヒンジ部分の拡大斜視図(b)である。
【図6】同シャーレの皿及び蓋の外周壁に設けられたヒンジ部分の溝に嵌め込む継手部材の斜視図である。
【図7】同シャーレにおいて、両ヒンジ部分の溝に継手部材を嵌め込んで蓋を閉めたときの要部拡大断面図である。
【図8】同シャーレにおいて、両ヒンジ部分の溝に継手部材を嵌め込んで蓋を開けたときの要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10 皿
11 皿の外周壁
20 蓋
21 蓋の外周壁
30 皿のヒンジ部分
31 皿のヒンジ部分の溝
35 皿のヒンジ部分の傾斜面
40 蓋のヒンジ部分
41 蓋のヒンジ部分の溝
45 蓋のヒンジ部分の傾斜面
50 継手部材
51 継手部材のストッパ
【発明の属する技術分野】
この発明は、細菌や種々の細胞(動物、植物、微生物)等の培養や他の種々の検査等に使用されるシャーレに関する。
【0002】
【従来の技術】
その種のシャーレは、ヒトを含む動物・植物・微生物(カビ、酵母等の真菌類、細菌等)等の細胞を培養する液体培地や固形培地を入れて培養するのに用いられたり、培養地や他の種々の検査用として使用されたり、アルコールを浸した脱脂綿を敷いた滅菌器などとして使用される。そのようなシャーレは、一般的に、プラスチック製(又はガラス製)の円形平底の皿と、この皿に被せるプラスチック製(又はガラス製)の円形の蓋とからなる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭50−124993号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1記載のシャーレも含む既存のシャーレは、一般に蓋と皿がつながっておらず別個のものであるため、滅菌状態を保つクリーンベンチや安全キャビネット内の作業テーブルでは、特にスペースが限られていて、扱える皿の数が限られる。
【0005】
また、蓋の置き方によっては、皿に対して蓋を取り違える場合があり、このような場合、蓋の外面に記した検体名、検体番号と皿の中の検体内容とが対応しなくなる。その上、細菌など微生物の培養では、蓋の内面に付着していた検体が当該蓋に対応しない皿に入れた検体に混入し、異なる検体が混ざる可能性がある。これを防ぐには、皿と蓋を間違えないように慎重に取り扱う必要があり、これも作業性を悪くする要因である。
【0006】
この発明は、そのような問題点に着目してなされたもので、皿に対して蓋を取り違えないようにして作業性を大幅に向上させ得るシャーレを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のシャーレは、外周壁を有する皿と、外周壁を有する蓋とからなり、皿の外周壁と蓋の外周壁にそれぞれヒンジ部分を設け、両ヒンジ部分にわたって着脱可能に取付ける継手部材を有し、両ヒンジ部分に継手部材を取付けることで皿に対して蓋を開閉可能に一体化したことを特徴とする。
【0008】
このシャーレでは、皿の外周壁と蓋の外周壁にそれぞれ設けられたヒンジ部分に継手部材を取付けることで、皿に対して蓋が一体化されて開閉可能となる。つまり、皿と蓋が別個にはならないので、皿に対して蓋を取り違えることが無くなり、蓋の外面に記した検体名、検体番号と皿の中の検体内容とが合わなかったり、異なる検体同士が混ざったりする不具合が起こらない。これにより、作業性が向上する。
【0009】
また、上記構成に加えて、両ヒンジ部分はその対面部分にそれぞれほぼ45°の傾斜面を有し、両傾斜面は全体としてほぼ90°の角度を形成する構成とすることで、蓋を開けたときに蓋が皿に対してほぼ垂直に立った状態で止まるので、蓋が180°近く開く場合や、皿と蓋が別個である場合に比べて、蓋のためのスペースを殆ど必要とせず、限られた作業スペースを最大限有効に活用できる。これにより、作業性がより一層向上する。
【0010】
勿論、本発明のシャーレでは、両ヒンジ部分に継手部材を取付けなければ、皿と蓋が別個になった既存のシャーレと同様に使用できる。
【0011】
なお、両ヒンジ部分にわたって取付ける継手部材は、弾性及び復元性を有する樹脂製であるのが、着脱性、耐久性、コスト面等から好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態により、この発明を更に詳細に説明する。
【0013】
一実施形態に係るシャーレの皿を図1〔断面図(a)、底面図(b)〕に、図1の(a)の円形部分Aの拡大図を図2の(a)に、図1の(b)の線B−Bにおける断面図を図2の(b)に、蓋を図3〔断面図(a)、内側から見た平面図(b)〕に、図3の(a)の円形部分Cの拡大図を図4の(a)に、図3の(b)の線D−Dにおける断面図を図4の(b)に示す。
【0014】
このシャーレは、プラスチック製(又はガラス製)の円形平底の皿10と、プラスチック製(又はガラス製)の円形の蓋20とからなる。
【0015】
皿10は外周壁11を有する。外周壁11にはヒンジ部分30が設けられている。ヒンジ部分30は、図5の(b)に示すように、平面視コ字状の2つの部材が対向配置された態様であり、後記継手部材50を嵌め込む溝31を有する。また、皿10の底面の外円周部には突部15が設けられており、この突部15に空気流路用として3つの切欠き16が形成されている。
【0016】
蓋20は外周壁21を有する。外周壁21にはヒンジ部分40が設けられている。ヒンジ部分40は、図5の(a)に示すように、平面視L字状の2つの部材が対向配置された態様であり、後記継手部材50を嵌め込む溝41を有する。また、蓋20の内面の外周壁21付近には、等角度間隔で4つの突部25が設けられている。この突部25により、蓋20を皿10に被せても、空気流路の確保などのために皿10は完全密閉状態にはならず、皿10の外周壁11と蓋20の内面との接触部分には部分的に隙間が生じる。更に、蓋20の上面には皿10を載せるための円形の凹部23が形成されている。
【0017】
皿10のヒンジ部分30と蓋20のヒンジ部分40は、互いに対向させたときに各々の溝31,41が直線状に整合するように形成されている。図7に要部拡大断面図で示すように、両ヒンジ部分30,40は、その対面部分に水平方向に対してそれぞれほぼ45°の傾斜面35,45を有し、両傾斜面35,45は全体としてほぼ90°の角度を形成する。但し、両傾斜面35,45で形成される角度は90°を越えてもよいが、蓋20を全開したときに、皿10と蓋20との重心がずれたことによって、シャーレが引っ繰り返らない程度に90°に近い角度が好ましく、好ましくは75〜90°の角度であり、より好ましくは90°である。なお、ヒンジ部分30,40は、当初から一体形成してもよいし、別途作製した部材を接着剤等により固着してもよい。
【0018】
両ヒンジ部分30,40の溝31,41には、図6に示すような継手部材50が嵌め込まれる。継手部材50は、弾性(可撓性)と復元性を有する樹脂製であり、蓋20の繰り返しの開閉に十分に耐え得る耐久性や、溝31,41への簡単な装着性を備える他に、蓋20を閉めたときでも蓋20が少し浮き上がった半開き状態にならない復元性を備える。勿論、継手部材50は、整合状態の溝31,41に適合する長さと幅を有するとともに、上記特性を適切に発揮できる程度の厚みを有する。継手部材50の一端側と他端側にはストッパ51が設けられており、継手部材50を溝31,41に嵌め込んだ後に、ストッパ51により継手部材50が溝31,41から簡単には抜けないようになっている。
【0019】
このように構成したシャーレでは、皿10に対して蓋20を開閉可能に一体化するには、両ヒンジ部分30,40が整合するように皿10に蓋20を被せる。そして、継手部材50をその縦方向(長手方向)に2つに折り曲げるようにして溝31,41に嵌め込む。嵌め込んだ後は、図7に示すように、継手部材50のストッパ51が溝31,41の外側に位置するので、継手部材50は溝31,41から簡単には抜けない。
【0020】
図7の状態(蓋20を閉めた状態)では、継手部材50の復元性により蓋20は半開き状態にはならない。また、皿10の外周壁11は、蓋20の内面の突部25に当たるので、前記したように、皿10の外周壁11と蓋20の内面との接触部分には部分的に隙間が生じ、皿10は完全密閉状態にはならない。
【0021】
図8に示すように、図7の状態から蓋20を開けると、それに連れて継手部材50が折曲し、蓋20が皿10に対してほぼ90°まで開くと、ヒンジ部分30,40の傾斜面35,45が当接し、蓋20は皿10に対してほぼ垂直に立った状態で止まる。この状態では、蓋20が180°近く開く場合や、蓋20を皿10から分離して置く場合に比べて、蓋20のためのスペースを殆ど必要としないので、キャビネットやテーブル上の作業スペースを有効利用でき、作業スペースに多くのシャーレを置くことができ、作業性が向上する。
【0022】
しかも、蓋20は皿10に一体につながっているので、皿10に対して蓋20を取り違えることはなく、蓋20を間違えることにより皿10内の検体内容と、蓋20の外面に記した検体名、検体番号とが合わなかったり、皿10内の検体に異なる検体が誤って混入したりする不具合は起こらず、作業スペースの有効利用と相まって作業効率と正確性がより一層高まる。
【0023】
一方、通常のシャーレと同様に、このシャーレを皿10と蓋20が別個のものとして使用する場合には、継手部材50を溝31,41から外しておけばよい。継手部材50の着脱は容易なので、皿10と蓋20を一体化したシャーレと通常のシャーレとの双方に変更するのは簡単である。
【0024】
なお、このシャーレは、皿10を蓋20の凹部23上に載せることで、複数個のシャーレを積み重ねることができる。それにより、複数個のシャーレを運ぶのが楽になる。勿論、皿10が蓋20の凹部23に嵌まっているので、多少傾けてもシャーレはずり落ちない。また、前記したように、皿10の底面の突部15には空気流路用の切欠き16が形成されているので、上のシャーレの皿10と下のシャーレの蓋20とが密着して離れ難くなるようなことはない。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、皿の外周壁と蓋の外周壁にそれぞれ設けられたヒンジ部分に継手部材を取付け、皿に対して蓋を開閉可能に一体化することで、皿に対して蓋を取り違えることが無くなり、蓋の外面に記した検体名、検体番号と皿の中の検体内容とが一致しなかったり、異なる検体同士が混ざったりする不具合が起こらない。これにより、作業性が向上する。
【0026】
また、両ヒンジ部分に継手部材を着脱することで、皿と蓋が一体になったシャーレと皿と蓋が別個になったシャーレを用途に応じて簡単に使い分けることができる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、蓋を開けたときに蓋が皿に対してほぼ垂直に立った状態で止まるので、蓋が180°近く開く場合や、皿と蓋が別個である場合に比べて、蓋のためのスペースを殆ど必要とせず、限られた作業スペースを最大限有効に使うことができる。これにより、作業性がより一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係るシャーレの皿の断面図(a)、及び底面図(b)である。
【図2】図1の(a)の円形部分Aの拡大図(a)、及び図1の(b)の線B−Bにおける断面図(b)である。
【図3】同シャーレの蓋の断面図(a)、及びその内側から見た平面図(b)である。
【図4】図3の(a)の円形部分Cの拡大図(a)、及び図3の(b)の線D−Dにおける断面図(b)である。
【図5】同シャーレの蓋の外周壁に設けられたヒンジ部分の拡大斜視図(a)、及び皿の外周壁に設けられたヒンジ部分の拡大斜視図(b)である。
【図6】同シャーレの皿及び蓋の外周壁に設けられたヒンジ部分の溝に嵌め込む継手部材の斜視図である。
【図7】同シャーレにおいて、両ヒンジ部分の溝に継手部材を嵌め込んで蓋を閉めたときの要部拡大断面図である。
【図8】同シャーレにおいて、両ヒンジ部分の溝に継手部材を嵌め込んで蓋を開けたときの要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10 皿
11 皿の外周壁
20 蓋
21 蓋の外周壁
30 皿のヒンジ部分
31 皿のヒンジ部分の溝
35 皿のヒンジ部分の傾斜面
40 蓋のヒンジ部分
41 蓋のヒンジ部分の溝
45 蓋のヒンジ部分の傾斜面
50 継手部材
51 継手部材のストッパ
Claims (3)
- 外周壁を有する皿と、外周壁を有する蓋とからなり、皿の外周壁と蓋の外周壁にそれぞれヒンジ部分を設け、両ヒンジ部分にわたって着脱可能に取付ける継手部材を有し、両ヒンジ部分に継手部材を取付けることで皿に対して蓋を開閉可能に一体化したことを特徴とするシャーレ。
- 両ヒンジ部分は、その対面部分にそれぞれほぼ45°の傾斜面を有し、両傾斜面は全体としてほぼ90°の角度を形成することを特徴とする請求項1記載のシャーレ。
- 継手部材は、弾性及び復元性を有する樹脂製であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシャーレ。
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