JP2010102183A - 電子写真装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザー光の様なコヒーレント光を露光手段とする電子写真装置において、干渉縞を抑制し、ドット再現性が良好で高画質化を達成出来る電子写真装置を提供すること。
【解決手段】導電性支持体、下引き層、感光層を有する電子写真感光体と波長λ(nm)のコヒーレント光を用いた露光手段とを、少なくとも有する電子写真装置において、
該下引き層が、光吸収剤を含有し、
該下引き層での波長λ(nm)の光の透過率が25.0%以下で、
該下引き層とその上に接する層との界面での波長λ(nm)の光の反射率が2.5%以下で、
かつ下引き層表面が複数の突起が林立する形状を有し、単位面積当たりの突起の平均長さをd(nm)、突起間平均距離をg(nm)、突起の平均高さをh(nm)としたとき、式(1)乃至(3)を満たすことを特徴とする電子写真装置が提供される。
λ/d≧1.0 (1)
λ/g≧1.4 (2)
λ/h≦5.0 (3)
【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも電子写真感光体とコヒーレント光を用いた露光手段とを有する電子写真装置に関する。
電子写真感光体は、基本的には帯電及び光を用いた露光により潜像を形成する感光層と、その感光層を設けるための支持体としての基体からなっており、低価格及び高生産性の利点から、感光層として有機材料を用いた有機電子写真感光体が広く普及している。
レーザービームを像露光用の光源として使用する電子写真装置においては、潜像に干渉縞模様が現れるという問題がある。これは、感光層において吸収しきれなかったビーム光が基体で反射し、感光層の表面まで到達して再度反射を起こすことが原因とされている。
潜像に干渉縞が生じることを防ぐ方法としては、基体を粗面化させ、基体からの正反射成分を低減させた電子写真感光体(以降、場合により単に「感光体」という)が開示されている(特許文献1、2参照)。
また、感光層と支持体との間に拡散反射層ないし、粗面化された反射層を設けた電子写真感光体が開示されている(特許文献3、4参照)。
また、感光層の内部に光散乱物質を混入させた電子写真感光体が開示されている。
(特許文献3、5、6、7参照)。
また、感光体の表層を粗面化させた電子写真感光体も開示されている(特許文献8参照)。
上記の技術は、導入に伴って入射光あるいは反射光に乱反射成分を生じせしめる。電子写真装置の高精細化に伴って、これらの光散乱に伴う潜像の解像力低下が電子写真装置の高精細化に伴って課題となっている。
また、感光体と支持体との間に光吸収層を設けた電子写真感光体が開示されている(特許文献9、10参照)。
感光体と支持体との間に光吸収層を設ける方法では、光吸収層表面での光反射を抑えられないため、その反射光が感光層の表面まで到達して再度反射を起こし、干渉縞は完全には消滅せず、画像上課題が発生する恐れもある。
一方、干渉縞を消す方法として「1画素内で干渉縞を発生させることで画像全体としての干渉縞を打ち消す」という概念がある。1画素内で干渉縞を発生させるためには、像露光のビームスポット径内における感光層膜厚がλ/(2n)以上乱れていればよい(ここでλは入射光の波長、nは感光層の屈折率を示す)。1画素を構成する面内において感光層の膜厚を不均一化させるために、基体ないし表面を粗面化させた電子写真感光体が開示されている(特許文献11、12、13参照)。
上記の方法は、概念としては光散乱効果によって干渉縞を打ち消すという効果を謳っていない。しかしスポット径内で膜厚を不均一にしようとするために感光層ないし基体を粗面化しており、結果的には光散乱を免れ得ず、潜像の解像力低下を伴ってしまう。
以上のように、従来技術によれば、レーザー露光光に対する干渉縞の抑制効果は認められるものの、総合的な性能を向上させるにあたって、未だ改良の余地が残されているのが現状である。
特公平05−026291号公報 特開平04−269760号公報 特開昭60−086550号公報 特公平06−093129号公報 特公平04−062577号公報 特公平06−023852号公報 特開平08−234455号公報 特公平04−048387号公報 特開平07−295269号公報 特開2005−062521号公報 特開昭61−231561号公報 特開平10−301311号公報 特開2003−228198号公報
本発明の目的は、レーザー光の様なコヒーレント光を露光手段とする電子写真装置において、干渉縞を抑制し、ドット再現性が良好で高画質化を達成出来る電子写真装置を提供することにある。
本発明に従って、少なくとも導電性支持体、下引き層、感光層を有する電子写真感光体と波長λ(nm)のコヒーレント光を用いた露光手段とを、少なくとも有する電子写真装置において、
該下引き層が、光吸収剤を含有し、
該下引き層での波長λ(nm)の光の透過率が25.0%以下で、
該下引き層とその上に接する層との界面での波長λ(nm)の光の反射率が2.5%以下で、
かつ下引き層表面が複数の突起が林立する形状を有し、単位面積当たりの突起の平均長さをd(nm)、突起間平均距離をg(nm)、突起の平均高さをh(nm)としたとき、下記式(1)乃至下記式(3)を満たすことを特徴とする電子写真装置が提供される。
λ/d≧1.0・・・(1)
λ/g≧1.4・・・(2)
λ/h≦5.0・・・(3)
本発明によれば、感光体内部の多重散乱による干渉縞を抑え、高解像度の潜像を得ることができる電子写真装置を提供することができる。
以下、本発明の電子写真装置に用いられる電子写真感光体の構成について説明する。
本発明の電子写真装置に用いられる電子写真感光体は支持体上に少なくとも下引き層及び感光層をこの順に有する電子写真感光体である。
支持体としては、導電性を示すもの(導電性支持体)であればよく、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム、クロム、アルミニウム合金、ステンレスの如き金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子の如き導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体を用いることもできる。支持体の形状としては、円筒状、ベルト状等が挙げられる。高精細な画質が求められる場合には、金属製の円筒状支持体がもっとも好ましい。
また、支持体の表面は、切削処理、粗面化処理、又はアルマイト処理を施してもよい。ただし解像度を高める観点からむしろ支持体表面は平坦であることが好ましい。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)であってもよいが、電子写真特性の観点からは積層型が好ましい。また、積層型感光層には、支持体側から下引き層上に電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層と、支持体側から下引き層上に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層があるが、電子写真特性の観点からは順層型が好ましい。更に、耐久性能向上を目的とし感光層上に保護層を設けることも可能である。
支持体の傷を被覆することを目的として、支持体上に導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、金属粒子等の導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は5μm以上40μm以下であることが好ましく、特には10μm以上30μm以下であることがより好ましい。この場合には導電層上に下引き層を設ける。
支持体又は導電層の上に、接着機能やバリア機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、エチルセルロース樹脂、カゼイン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂等の樹脂を適当な溶剤に溶解し、これを支持体又は導電層上に塗布・乾燥することにより形成することができる。中間層の膜厚は0.05μm以上5μm以下であることが好ましく、特には0.3μm以上1μm以下であることがより好ましい。この場合には中間層上に下引き層を設ける。
感光層が順層型感光層である場合、下引き層の上には電荷発生層が設けられる。
電荷発生物質としては、例えば、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム染料、フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、アゾ(トリスアゾ、ジスアゾ、モノアゾ)、インジゴ、キナクリドン、非対称キノシアニン等の顔料が挙げられる。
電荷発生層は、電荷発生物質を、その0.3倍量乃至4倍量(質量比)の結着樹脂及び溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、液衝突型高速分散機等の方法でよく分散し、得られた分散液を、塗布・乾燥することにより形成することができる。なお、結着樹脂を電荷発生物質の分散後投入してもよいし、電荷発生物質に成膜性があれば結着樹脂を使用しなくてもよい。電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
感光層が順層型感光層である場合、電荷発生層の上には、電荷輸送層が設けられる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂を溶剤で溶解し、得られた塗布液を、塗布・乾燥することにより形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との質量比は5:1乃至1:5であることが好ましく、特には3:1乃至1:3であることがより好ましい。電荷輸送層の膜厚は5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下がより好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、トリアリルメタン化合物、チアゾール化合物等が挙げられる。
電荷輸送層の結着樹脂としては、熱可塑性樹脂及び硬化性樹脂が挙げられる。具体的には、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、エチルセルロース樹脂、カゼイン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂、又は、これらの樹脂の繰り返し構造単位のうち2つ以上を含む共重合体、例えば、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマー等が挙げられる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマーからも選択できる。
有機光導電性物質である電荷発生物質、電荷輸送物質等は、一般に紫外線、オゾン、オイルによる汚れ、金属等に弱いため、感光層を保護することを目的として、感光層上に保護層を設け、これを電子写真感光体の表面層としてもよい。
電子写真感光体の表面層となる保護層は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー等の結着樹脂と適当な溶剤に溶解し、得られた塗布液を感光層上に塗布・乾燥することにより形成することができる。また、保護層の結着樹脂として縮合系モノマーや不飽和基をもつラジカル重合系モノマーから得られる樹脂を用いる場合は、塗布液を塗布した後、熱や紫外線等のエネルギー光を当てて硬化し、保護層を形成してもよい。保護層の膜厚は0.05μm以上20μm以下であることが好ましい。
本発明にかかる電子写真感光体の表面層には、必要に応じて、金属、導電性金属酸化物等の導電性粒子や電荷輸送物質を更に含有させてもよい。
上記各層を形成する際、塗布する方法としては、浸漬塗布法、スプレー塗布法、スピナー塗布法、ブレード塗布法、ロール塗布法等が挙げられる。
本発明にかかる下引き層について述べる。
干渉縞は、感光層において吸収しきれなかったビーム光が支持体で反射し、感光層の表面まで到達して再度反射を起こすことが原因とされている。これまでは「支持体の粗面化や光散乱物質を含有させることによる光散乱を利用して方法」や、「感光体と支持体との間に光吸収層を設ける方法」で干渉縞抑制が行われてきた。しかしながら、前者は、技術導入に伴って入射光あるいは反射光に乱反射成分を生じさせ、電子写真装置の高精細化に伴って、これらの光散乱伴う潜像の解像力低下が電子写真装置の高精細化に伴って課題となっていた。また後者は、光吸収層表面での光反射を抑えられないため、その反射光が感光層の表面まで到達して再度反射を起こし、干渉縞は完全には消滅せず、画像上課題が発生する恐れもある。
本発明者らは、光散乱を用いる方法ではなく、また単に光吸収層を設ける方法ではない別の原理による干渉縞の抑制方法を見出したのである。すなわち、感光層と支持体の間に下引き層を設け、
第1に、下引き層の表面形状を特定の形状にすることで、光散乱を起こすことなく光反射を低減させて波長λ(nm)の光の反射率を2.5%以下とし、かつ、下引き層内に波長λ(nm)の光を透過させる、
第2に、下引き層内に透過した波長λ(nm)の光を光吸収剤で吸収することで下引き層内での波長λ(nm)の光の透過率を25.0%以下に抑える。これらをすべて満たして初めて、潜像の解像力低下なく、干渉縞を抑制することができる。
すなわち、本発明にかかる下引き層は、光吸収剤を含有し、該下引き層での波長λ(nm)の光の透過率が25.0%以下で、該下引き層とその上に接する層との界面での波長λの光の反射率が2.5%以下で、かつ下引き層表面が複数の突起が林立する形状を有し、単位面積当たりの突起の平均長さをd(nm)、突起間平均距離をg(nm)、突起の平均高さをh(nm)としたとき、下記式(1)乃至下記式(3)を満たすことを特徴とする。
λ/d≧1.0・・・(1)
λ/g≧1.4・・・(2)
λ/h≦5.0・・・(3)
下引き層は樹脂を主成分とし、他に光吸収剤を含有するが、樹脂が光吸収剤の作用を兼ね、該下引き層での波長λ(nm)の光の透過率が25.0%以下である場合には樹脂以外に光吸収剤を含有する必要はない。また、金属酸化物粒子を含有しても良く、金属酸化物粒子以外の粒子を含有しないことが好ましい。
本発明にかかる下引き層に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂及び硬化性樹脂が挙げられる。具体的には、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、又は、これらの樹脂の繰り返し構造単位のうち2つ以上を含む共重合体、例えば、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマー等が挙げられる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマーからも選択できる。
光吸収剤としては、レーザー光吸収剤や近赤外吸収剤、紫外線吸収剤と呼ばれる一般的な光吸収剤が挙げられる。これらの光吸収剤から本発明の電子写真装置の露光手段に用いられるコヒーレント光の波長λ(nm)に合わせて適宜選択すればよく、λ(nm)における光透過率が25.0%以下になればいずれのものを用いても良い。光吸収剤としては、本発明の電子写真装置の露光手段に用いられる波長λ(nm)のコヒーレント光に対する吸光度が高くなるほど良く、波長λ(nm)におけるモル吸光係数が2.0×10lmol−1cm−1以上である染料又は顔料を単位面積当たりの含有量が6.0mol/m以上含有することが好ましい。
顔料を用いる場合には下引き層内に均一に存在するように分散材や、分散助剤を含有しても良い。
光吸収剤の例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。顔料もしくは染料の例は次の通りである。ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメントエロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)及びカーボン、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64を挙げることができる。
本発明にかかる下引き層は導電性を高め高精細な画像を得るために、金属酸化物粒子を含有しても良い。ただし、粒子の体積平均粒径が大きいと光散乱を起こすため体積平均粒径は小さい方が好ましい。一般に光の波長と同程度の大きさの粒子の場合には、ミー(Mie)散乱を起こすことが知られている。屈折率が2.0以上の金属酸化物粒子の場合には特に本発明にかかる下引き層に用いられる樹脂と屈折率差が大きくなり光散乱を生じさせ易い。これは樹脂の屈折率がたいていの場合1.4〜1.8の間であるからである。従って本発明に用いられる金属酸化物粒子の体積平均粒径r(nm)は下記式(4)
r≦λ/5・・・(4)
に示されるように本発明の電子写真装置の露光手段に用いられる波長λ(nm)の5分の1以下であることが好ましい。また金属酸化物粒子の含有量としては体積比率で30.0%以上の場合に特に干渉縞抑制の効果が大きい。つまり、下引き層が粒子として屈折率が2.0以上の金属酸化物粒子のみを含有し、金属酸化物粒子を下引き層中に体積比率で30.0%以上含有し、かつ該金属酸化物粒子の体積平均粒径r(nm)が上記式(4)に示されるものであることが好ましい。金属酸化物粒子の例としてはTiO、Bi、Al、SiO、CoO、Y、ITO、CeO、ZnO、CuO、SnO、Ho、Mn、コバルトブルー等が挙げられるがこれに限ったものではない。また、これらのうち酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズから選ばれる1種以上であることが導電性、屈折率の点から特に好ましい。
次に、本発明にかかる下引き層の透過率について述べる。
本発明における下引き層の透過率は、本発明の電子写真装置の露光手段に用いられる波長λ(nm)のコヒーレント光に対する光透過率を示す。具体的な方法を述べる。まず横45mm×縦75mm×厚み1mmガラス基板(あるいは石英基板)を2枚用意し、メチルエチルケトンやアセトン等で脱脂洗浄する。次に2枚のうち1枚に下引き層のみを本発明における電子写真感光体で作製するのと膜厚も含めて同様にガラス基板(あるいは石英基板)上に成膜作製する。下引き層を成膜作製していないもう1枚ガラス基板(あるいは石英基板)をリファレンス(透過率100%の基準)にして分光光度計にて波長λ(nm)の光の透過率を測定する。
分光光度計は日本分光株式会社製V−570(UV/VIS/NIR Spectrophotometer)を用いた。
次に、本発明における屈折率測定法について述べる。
本発明において金属酸化物と下引き層及び下引き層上に形成される層の屈折率を測定する。まず金属酸化物の屈折率の測定法を示す。
金属酸化物の屈折率はベッケ線法を使って測定する。金属酸化物粒子をスライドガラスの上に載せ、屈折率が分かっている液体を数滴垂らす。金属酸化物粒子と液体の屈折率が違う場合には、偏光顕微鏡で観察したときに、ベッケ線と呼ばれる明るい線が粒子の端に見える。対物レンズを上下させたときに、この線が見かけ上、金属酸化物粒子側に動くか、液体側に動くかで、金属酸化物粒子と液体のどちらが高い屈折率を持っているかを決定します。金属酸化物粒子をいくつかの液体に入れて、金属酸化物粒子と液体の屈折率がほぼ同じでベッケ線が見えなくなるものを見つけるまで続けます。屈折率を求める。
下引き層及び下引き層上に形成される層の屈折率は、ガラス基板上に各層を単層で形成し多波長アッベ屈折計DR−M2(株式会社オハラ製)等の屈折率計を用いて行う。
本発明にかかる下引き層表面の特定の表面形状は、光リソグラフィー、電子線リソグラフィー、近接場光リソグラフィーや光インプリント、熱インプリント等で製造可能である。電子写真感光体の製造においては光インプリント又は熱インプリントが生産効率的には好ましく、更に熱インプリントが好ましい。
熱インプリントは、形成したい形状、本発明においては複数の突起が林立する形状で、単位面積当たりの突起の平均長さをd(nm)、突起間平均距離をg(nm)、突起の平均高さをh(nm)としたとき、下記式(1)乃至下記式(3)
λ/d≧1.0・・・(1)
λ/g≧1.4・・・(2)
λ/h≦5.0・・・(3)
を満たす形状をオス形状としたとき、それとは凹凸が反転したメスの形状のモールドをNi電鋳にてまず作製する。
熱インプリントの場合には、下引き層を構成する樹脂は熱可塑性の樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂と光吸収剤を有機溶剤中に混合し、下引き層塗布液を作製する。洗浄済みのアルミニウム等の金属円筒状支持体を下引き層塗布液に浸漬し、浸漬塗布法にて、支持体上に塗布、次に加熱乾燥し、下引き層の膜を作製する。
そして、先のNi電鋳を用い、表面形状を加工する。
熱インプリント:得られた電子写真感光体を、室温25℃の環境において、図4に示した表面形状加工装置に設置した。加圧部材は、材質をステンレス(SUS)製とし、内部に加熱用のヒーターを設置した。モールドは図3に示したような円柱形状の凹みを有する厚さ50μmのニッケル材質のモールドを使用し、前記加圧部材上に固定した。なお、凹みの形状として、円錐状のもの、角柱状のもの、角錐状のものでもよい。支持体の内部には、支持体の内径と略同直径を有する円柱状のSUS製の保持部材を挿入した。このとき保持部材の温度制御は行わなかった。
また、各種の温度測定は以下の方法により行った。モールドの温度T2は、テープ接触型の熱電対をモールド表面に接触させることにより測定した。支持体の温度T3は、支持体内面にテープ接触型の熱電対を予め設置しておくことにより測定した。加工プロセス中における、電子写真感光体の表面の温度は、予めテープ接触型の熱電対を電子写真感光体の表面に接触させておき、加工プロセスを実際に行いながら、加工プロセス中の温度変化を連続的にモニターすることにより測定した。なお、モールドとの加圧接触部以外における電子写真感光体表面の温度T4は、加圧接触部以外の温度における最大値とした。また電子写真感光体の表面とモールドの加圧接触部の電子写真感光体表面の温度T5についても、前記ニップ通過時におけるその最大値とした。
なおテープ接触型熱電対は、安立計器株式会社製ST−14K−008−TS1.5−ANPを使用した。
光インプリントの場合、熱硬化性樹脂の代わりに光硬化性樹脂を用い、紫外線(UV)、電子線(EB)等で下引き層を硬化する。このとき、照射するUV又はEBを透過する材質の樹脂等で形成したモールドを使用し、モールドに対する位置が電子写真感光体と逆側であるモールドの背面からUVまたはEBを照射する。またこのとき、硬化が促進されるよう硬化剤やUV吸収剤あるいはEB吸収剤を下引き層に含有してもよい。
得られた下引き層の表面は電子顕微鏡(FE−SEM S−4800、日本電子(株)製)にて観察した。突起が林立する形状の単位面積当たりの突起の平均長さd、突起間平均距離g、突起の平均高さhの測定を行った。
突起の形状の単位面積当たりの突起の平均長さd、突起間平均距離gは100μm四方内の最も高い箇所と最も低い箇所の中央の高さにおいて測定を行い、平均長さd、平均距離g、平均高さh、ともに100μm四方あたりの観察における平均値とした。
測定例を図5で説明する。図5は下引き層のある箇所の断面を示している。
単位面積当たりの突起の平均長さdとは、この中で最大高さを示す部分(高さx1)と最低高さを示す部分(高さx2)の中央1/2(x1−x2)での突起部が横切る幅を言い、ここではa1、a3、a5を示す。
突起間平均距離gとはこの中で最大高さを示す部分(高さx1)と最低高さを示す部分(高さx2)の中央1/2(x1−x2)での突起と突起の間隔を言い、ここではa2、a4を示す。
突起の高さhとは、この中で最大高さを示す部分(高さx1)と最低高さを示す部分(高さx2)の中央1/2(x1−x2)を超える突起部の高さを言い、ここではb1、b2、b3、b4、b5を示す。
次に、本発明における下引き層表面の光反射率について述べる。
本発明における下引き層表面の光反射率は、マクベス濃度計等を用い正反射光強度を測定する。
図1に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置を、その概略構成の一例として、図2に中間転写方式のカラー電子写真装置のカラー電子写真装置を説明する。なお、以下の説明において、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の例を挙げたが、本発明における「カラー」とは、4色に限定されるものではなく、多色、すなわち2種以上の色である。
図1及び図2において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電手段(一次帯電手段)3により、正又は負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。この際の露光光は、目的のカラー画像の第1色成分像(例えばイエロー成分像)に対応した露光光である。こうして電子写真感光体1の周面に、目的のカラー画像の第1色成分像に対応した第1色成分静電潜像(イエロー成分静電潜像)が順次形成されていく。
張架ローラー12及び二次転写対向ローラー13によって張架された中間転写体(中間転写ベルト)11は、矢印方向に電子写真感光体1とほぼ同じ周速度(例えば電子写真感光体1の周速度に対して97%乃至103%)で回転駆動される。
電子写真感光体1の周面に形成された第1色静電潜像は、第1色成分現像手段(イエロー成分現像手段)5Yの第1色トナー(イエロートナー)により現像されて第1色トナー画像(イエロートナー画像)となる。次いで、電子写真感光体1の周面に形成担持されている第1色トナー画像が、一次転写手段6pからの一次転写バイアスによって、電子写真感光体1と一次転写手段(一次転写ローラー)6pとの間を通過する中間転写体11の周面に順次一次転写されていく。
第1色トナー画像転写後の電子写真感光体1の周面は、クリーニング手段7によって一次転写残トナーの除去を受けて清浄面化された後、次色の画像形成に使用される。
第2色トナー画像(マゼンタトナー画像)、第3色トナー画像(シアントナー画像)、第4色トナー画像(ブラックトナー画像)も、第1色トナー画像と同様にして電子写真感光体1の周面に形成され、中間転写体11の周面に順次転写される。こうして中間転写体11の周面に目的のカラー画像に対応した合成トナー画像が形成される。第1色乃至第4色の一次転写の間は、二次転写手段(二次転写ローラー)6s、電荷付与手段(電荷付与ローラー)7rは中間転写体11の周面から離れている。
中間転写体11の周面に形成された合成トナー画像は、二次転写手段6sからの二次転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から二次転写対向ローラー13・中間転写体11と二次転写手段6sとの間(当接部)に中間転写体11の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙等)Pに順次二次転写されていく。
合成トナー画像の転写を受けた転写材Pは、中間転写体11の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることによりカラー画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
合成トナー画像転写後の中間転写体11の周面には電荷付与手段7rが当接される。電荷付与手段7rは、中間転写体11の周面の二次転写残トナーに一次転写時と逆極性の電荷を付与する。一次転写時と逆極性の電荷が付与された二次転写残トナーは、電子写真感光体1と中間転写体11との当接部及びその近傍において、電子写真感光体1の周面に静電的に転写される。こうして合成トナー画像転写後の中間転写体11の周面は、転写残トナーの除去を受けて清浄面化される。電子写真感光体1の周面に転写された二次転写残トナーは、電子写真感光体1の周面の一次転写残トナーとともに、クリーニング手段7によって除去される。中間転写体11から電子写真感光体1への二次転写残トナーの転写は、一次転写と同時に行うことができるため、スループットの低下を生じない。
また、クリーニング手段7による転写残トナー除去後の電子写真感光体1の周面を、前露光手段からの前露光光により除電処理してもよいが、図2に示すように、帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
以下に、具体的な実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(製造例1)
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
次に、酸化チタン(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)30部、アクリル樹脂(商品名:J−899、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)50部に加え光吸収剤SDA2435((株)トスコ社製)を単位面積当たりの含有量が10.0mol/mとなるように添加した溶液を約20時間、ボールミルで分散し下引き層用塗料を調製した。このようにして調合した下引き層用分散液をアルミニウムシリンダー上に浸漬法によって塗布し、140℃のオーブンで1時間加熱硬化することにより、膜厚が10μmの下引き層を形成した。
次に下引き層を形成したアルミニウム支持体を、室温25℃の環境において、図4に示した表面形状加工装置に設置した。加圧部材は、材質をステンレス(SUS)製とし、内部に加熱用のヒーターを設置した。モールドは図3に示したような円柱形状の凹みを有する厚さ50μmのニッケル材質のモールドを使用し、前記加圧部材上に固定した。なお円柱の直径Yは520nm、深さZは195nm、ピッチは910nmとした。支持体の内部には、支持体の内径と略同直径を有する円柱状のSUS製の保持部材を挿入した。このとき保持部材の温度制御は行わなかった。以上の構成の装置を用いて、アルミニウム支持体に下引き層を形成し、下引き層の表面加工を行った。同様にガラス基板上に下引き層を形成した。
得られたガラス基板上の下引き層の透過率を前述の方法で測定した。その結果を表1に示す。
出来上がった下引き層を形成したアルミニウム支持体上の下引き層表面に後述の電子写真装置に用いるレーザー光と同じ波長の光を5度の角度で入射させその光強度を測定し、入射光強度との比率から光反射濃度Rを測定した。
前述のように下引き層の屈折率Ksを測定した。
得られた下引き層を形成したアルミニウム支持体表面は電子顕微鏡(FE−SEM S−4800、日本電子(株)製)にて観察した。突起が林立する形状の単位面積当たりの突起の平均長さd、突起間平均距離g、突起の平均高さhの測定を行った。
突起の形状の単位面積当たりの突起の平均長さd、突起間平均距離gは100μm四方内の最も高い箇所と最も低い箇所の中央の高さにおいて測定を行い、平均長さd、平均距離g、平均高さh、ともに100μm四方あたりの観察における平均値とした。
結果を表1に示す。
(製造例2乃至6)
製造例1の金属酸化物、光吸収剤、樹脂の種類、量を表1に示すように代え、下引き層の表面形状が表1に示す形状になるようにモールドを代えて下引き層を形成した以外は、製造例1と同様に下引き層を形成した。
(製造例7)
製造例6のボールミルで分散する時間を約12時間に代えた以外は製造例6と同様に下引き層を形成した。
(製造例8)
製造例1の金属酸化物を添加しなかった以外は製造例1と同様に下引き層を形成した。
(製造例9乃至10)
製造例1の光吸収剤の種類と量を表1に記載したものに代え、ボールミルで分散する時間を約40時間に代え、下引き層の表面形状が表1に示す形状になるようにモールドを代えて下引き層を形成した以外は製造例1と同様に下引き層を形成した。
(製造例11乃至12)
製造例1の光吸収剤の種類と量を表1に記載したものに代え、ボールミルで分散する時間を約16時間に代え、下引き層の表面形状が表1に示す形状になるようにモールドを代えて下引き層を形成した以外は製造例1と同様に下引き層を形成した。
(製造例13)
製造例1の表面形状加工装置の加圧部材の材質を耐熱ガラスとし、電子写真感光体の直下でかつ加圧部材内部にメタルハライドランプを設置し、不図示の電源を接続した。モールドは、材質を透明アクリル樹脂製とし形状は製造例1と同様とした。モールドが電子写真感光体と接する部分で加圧部材内部のメタルハライドランプから発せられる紫外線がモールドを通過して下引き層表面に照射され、下引き層を硬化できるようにした。支持体の内部には、保持部材を挿入しなかった。これら以外は製造例1と同様に、アルミニウム支持体上に下引き層を形成し、下引き層の表面加工を行った。
(製造例14)
製造例13の金属酸化物、光吸収剤、樹脂の種類、量を表1に示すように代えた以外は、製造例13と同様に下引き層を形成した。
(製造例15乃至16)
製造例1の金属酸化物、光吸収剤、樹脂の種類、量を表1に示すように代えた以外は、製造例1と同様に下引き層を形成した。
(実施例1乃至8及び実施例13乃至16)
製造例1乃至8及び製造例13乃至16と同様に下引き層を形成したアルミニウム支持体の上にそれぞれ下記感光層を設けた。
まず、CuKα特性X線回折のブラッグ角2θ±0.2°の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン20部、
下記構造式(1)で示されるカリックスアレーン化合物0.2部、
ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学製)10部及びシクロヘキサノン600部を直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、酢酸エチル700部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬コーティング法で塗布し、80℃のオーブンで15分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.170μmの電荷発生層を形成した。
次いで下記構造式(2)で示される正孔輸送性化合物70部
及びポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)100部をモノクロロベンゼン600部及びメチラール200部の混合溶媒中に溶解して電荷輸送層用塗料を調製した。得られた電荷輸送層用塗料を用いて、前記電荷発生層上に電荷輸送層を浸漬塗布し、100℃のオーブンで30分間加熱乾燥することにより、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体1〜8及び13乃至16を得た。
ガラス基板上に前記電荷発生層用分散液を浸漬コーティング法で塗布し、80℃のオーブンで15分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.170μmの電荷発生層を形成した。この電荷発生層の屈折率Kgを前述の方法で測定した。
先の下引き層の屈折率Ksと電荷発生層の屈折率Kgからフレネルの式を用い表面反射率係数Ksgを求めた。本発明に述べる下引き層の反射率は、次式から求まる。
反射率(%)=Ksg×R
次に、評価について説明する。
評価装置として、図2に示す構成の中間転写方式のカラー電子写真装置であるキヤノン(株)製カラーレーザープリンターLBP−2040(白黒毎分16枚/カラー毎分4枚機)を改造して用いた。改造部分は露光のためのレーザー出力部分で、評価に応じて光波長と出力電圧が異なるレーザー出力装置に付け替えて評価した。
まずこの装置に上記電子写真感光体1を取り付け、レーザー光は780nmのものを用いた。電子写真感光体の表面電位を暗部電位が−500Vになるようにし、レーザー光の出力値を調整し、明部電位が−150Vになるようにした。
この装置を用いて、
横線1ドット250スペースのパターン画像を30000枚の間欠耐久を行い、耐久後、A4普通紙を用いて、モノクロで桂馬パターンのハーフトーン画像を出力した。これにより耐久後のワンドットの画像再現性と、干渉縞を評価した。
画像再現性の評価は、
◎:各ドットが全く拡がりなく総て再現されており良好、
○:各ドットに若干の広がりがあるが良好、
×:各ドットに拡がりが生じ再現されていないドットがあり不良
となるように行った。
干渉縞の評価は、
◎:全く無く良好、
○:ほとんど見えず良好、
×:不良
となるように行った。
また、電子写真感光体1に代え電子写真感光体2乃至8及び13乃至16についても同様にそれぞれ評価した。以上の評価結果を表1に示す。
(実施例9乃至10)
実施例1の評価装置のレーザー出力装置をレーザー光を405nmのものを用いた以外は実施例1と同様に評価した。以上の評価結果を表1に示す。
(実施例11乃至12)
実施例1の評価装置のレーザー出力装置をレーザー光を680nmのものを用いた以外は実施例1と同様に評価した。以上の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
製造例1の下引き層において下引き層用塗布液に光吸収剤SDA2435を含有しない以外は製造例1と同様に下引き層を形成し、製造例1と同様に下引き層を形成したアルミニウム支持体の上にそれぞれ感光層を設け、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
(比較例2乃至8)
製造例1の下引き層において表面形状が表2に記載された形状となるようにモールドの形状を代え下引き層を作製した。それ以外は製造例1と同様に下引き層を形成し、製造例1と同様に下引き層を形成したアルミニウム支持体の上にそれぞれ感光層を設け、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
(比較例9乃至10)
製造例1の下引き層において光吸収材の量を表2に記載された量となるように添加量を代え下引き層を作製した。それ以外は製造例1と同様に下引き層を形成し、製造例1と同様に下引き層を形成したアルミニウム支持体の上にそれぞれ感光層を設け、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。 本発明の電子写真感光体を有する中間転写方式のカラー電子写真装置の概略構成の一例を示す。 本発明の熱または光インプリントで用いるモールドの概略構成の一例を示す。 本発明の熱または光インプリントで用いる表面形状加工装置の概略構成の一例を示す。 本発明における表面形状を説明する図である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段(一次帯電手段)
4 露光光(画像露光光)
5 現像手段
6 転写手段(転写ローラー)
7 クリーニング手段(クリーニングブレード)
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材(紙など)
11 中間転写体(中間転写ベルト)
12 張架ローラー
13 二次転写対向ローラー
5Y 第1色成分現像手段(イエロー成分現像手段)
5M 第2色成分現像手段(マゼンタ成分現像手段)
5C 第3色成分現像手段(シアン成分現像手段)
5K 第4色成分現像手段(ブラック成分現像手段)
6p 一次転写手段
6s 二次転写手段(二次転写ローラー)
7r 電荷付与手段(電荷付与ローラー)
1−1 加圧部材
1−2 電子写真感光体
1−3 モールド
1−5 電子写真感光体支持部材

Claims (4)

  1. 少なくとも導電性支持体、下引き層、感光層を有する電子写真感光体と波長λ(nm)のコヒーレント光を用いた露光手段とを、少なくとも有する電子写真装置において、
    該下引き層が、光吸収剤を含有し、
    該下引き層での波長λ(nm)の光の透過率が25.0%以下で、
    該下引き層とその上に接する層との界面での波長λ(nm)の光の反射率が2.5%以下で、
    かつ下引き層表面が複数の突起が林立する形状を有し、単位面積当たりの突起の平均長さをd(nm)、突起間平均距離をg(nm)、突起の平均高さをh(nm)としたとき、下記式(1)乃至下記式(3)を満たすことを特徴とする電子写真装置。
    λ/d≧1.0・・・(1)
    λ/g≧1.4・・・(2)
    λ/h≦5.0・・・(3)
  2. 前記下引き層中に波長λ(nm)におけるモル吸光係数が2.0×10lmol−1cm−1以上である染料又は顔料を単位面積当たりの含有量が6.0mol/m以上含有する請求項1に記載の電子写真装置。
  3. 前記下引き層が粒子として屈折率が2.0以上の金属酸化物粒子のみを含有し、該金属酸化物粒子を該下引き層中に体積比率で30.0%以上含有し、かつ該金属酸化物粒子の体積平均粒径r(nm)が下記式(4)に示される請求項1又は2に記載の電子写真装置。
    r≦λ/5・・・(4)
  4. 前記金属酸化物粒子が酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズから選ばれる1種以上である請求項3に記載の電子写真装置。
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