JP2010101641A - メチルイミノビスジアルキルアセトアミドを抽出剤として用いる金属類の溶媒抽出分離方法 - Google Patents

メチルイミノビスジアルキルアセトアミドを抽出剤として用いる金属類の溶媒抽出分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高レベル放射性廃液中のCr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Pu等の金属類を効率的に、簡単な工程及び操作で抽出分離できる金属類の溶媒抽出分離方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表されるメチルイミノビスジアルキルアセトアミドを用いることを特徴とする金属類の溶媒抽出分離方法。
CH−N−(CHCONR・・・・(I)
(式中、Rは炭素数8個〜12個のアルキル基を示す)
【選択図】なし

Description

本発明は、メチルイミノビスジアルキルアセトアミドを用いたCr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puから選択される金属類の溶媒抽出方法に関する。
原子力分野で発生する高レベル放射性廃液中には、Pd、Tc、Mo、Puなどの金属類が含まれている。Tcは、長半減期で中間貯蔵後の高レベル放射性廃液中で強い放射能を出し続けるので、長期にわたる潜在的な危険性がある。Moは、ガラス固化体の強度を下げる金属であり、ガラス固化体中の濃度が制限される元素である(非特許文献1)。Puは、使用済み燃料中に大量に含まれ、高速増殖炉では燃料として利用することのできる元素である。したがって、これらの金属は高レベル放射性廃液中から分離回収し、その他の元素と別の処理をする必要がある。
しかし、これらの金属類は水溶液中においてTcO 、MoO などの陰イオンとして存在するため、通常の抽出剤(例えばAliquat336, テトラフェニルアルソニウム塩等)では抽出しにくい。Tcの抽出法については種々提案されている(非特許文献2及び3)が、分配比が低く、被抽出金属に伴って抽出されてしまうなど、いまだ不十分である。また、高レベル放射性廃液中のPdは、溶媒抽出系において有機相に分配されるが、この有機相は金属濃度が高くなると希釈剤から主としてなる軽い相と金属が濃縮された重い相(第三相という)が生成し、プロセス運転時にラインの目詰まり等の問題を起こす場合がある。Cr、W、Reは高レベル放射性廃液中における存在量は少ないが、水溶液中でオキソ酸(Cr 2−、WO 2−、ReO )として存在し、一般的に分離することが困難である。さらに、高レベル放射性廃液は硝酸水溶液であり、溶媒抽出に用いる有機溶剤として毒性が低く安定なドデカンが好適であるが、従来の抽出剤はドデカン中では使用することができない。
原子力機構次世代原子力システム研究開発部門, "高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究フェーズII 技術検討書−(2)燃料サイクルシステム−", JAEA-Research 2006-043 (2006) N. Condamines, C. Musikas and L.H. Delmau, CEA-CON--11456 (1993) M. Takeuchi, S. Tanaka, M. Yamawaki, Radiochim. Acta 63 (1993) 97-100
高レベル放射性廃液中のCr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puの回収に際しては以下の課題がある。
(1)Cr、Mo、Tc、W及びReは水溶液中にオキソ酸として存在するため、化学分離が難しい。
(2)Mo、Tc、Pd、Puは高レベル放射性廃液中に高濃度で存在するため、従来の分離法では工程・操作が複雑である。
(3)溶媒抽出法においては、目的金属に対して高い親和性を有する抽出剤が要求されるが、従来提案されている抽出剤には高レベル放射性廃液中のCr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puに対する高い親和性を有する抽出剤がない。
(4)高レベル放射性廃液は硝酸水溶液であるため、溶媒抽出に用いる有機溶媒としては、毒性が少なく、安定なドデカンが好ましいが、従来の抽出剤(例えばAliquat336、テトラフェニルアルソニウム塩等)はドデカン存在下で使用できない。
(5)従来の抽出剤(例えばAliquat336、テトラフェニルアルソニウム塩等)は、強い毒性を有し、焼却処分ができない。
(6)従来の抽出剤(例えばAliquat336、テトラフェニルアルソニウム塩等)は、経済性が悪い。
したがって、本発明の目的は、毒性が少なく、焼却処分が可能で経済性にも優れた抽出剤を用いて、高レベル放射性廃液中のCr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Pu等の金属類を効率的に、簡単な工程及び操作で抽出できる、金属類の溶媒抽出分離方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有するアセトアミド化合物が、上記課題を解消しうる抽出剤足りうることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記一般式(I):
CH−N−(CHCONR・・・・(I)
(式中、Rは炭素数が8個〜12個のアルキル基を示す)
で表されるメチルイミノビスジアルキルアセトアミド(以下、この化合物を「MIDAA」という)を抽出剤として用いることを特徴とする高レベル放射性廃液からCr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puなどの金属類の溶媒抽出分離方法を提供するものである。
上記一般式(I)におけるRの具体例としては、オクチル基、デシル基、ドデシル基等を挙げることができ、特にオクチル基が好ましい。したがって、本発明において抽出剤として用いられる上記MIDAAの具体例としては、メチルイミノビスジオクチルアセトアミド、メチルイミノビスジデシルアセトアミド、メチルイミノビスジドデシルアセトアミドを挙げることができ、特にメチルイミノビスジオクチルアセトアミドが好ましい。MIDAAは、疎水性が高く、n−ドデカンとの親和性が高く、空気中分解や昇華等の反応が起こらず空気中で安定に存在する。さらに、Cr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puなどの金属類との錯体を容易に形成することができる三座配位子である。また、MIDAAは、炭素、水素、酸素、窒素からなる化合物であり、二次廃棄物の発生量を低減することができる。
上記MIDAAは、3−メチルイミノ二酢酸を塩化チオニルやジシクロヘキシルカルボジイミドなどの縮合剤を用いて、酸塩化物を生成し、その後、トリエチルアミンなどの存在下でジメチルアミンやジ−n−オクチルアミンなどの二級アミン化合物を氷点下で冷却しながら添加して緩やかに反応させ、得られた生成物を水、水酸化ナトリウム及び塩酸溶液で洗浄し、シリカゲルカラムに繰り返し通して単離精製することで製造することができる。
縮合剤の使用量は、3−メチルイミノ二酢酸100質量部に対して100〜120質量部とするのが、3−メチルイミノ二酢酸を十分に反応させることができると一般に考えられる。これより多い場合は反応液内に残分が多く生じるようになり、精製時においても経済性の点からも不都合である。
塩素化の反応条件は、アルゴン雰囲気で、塩化チオニルを攪拌しながらゆっくり加える(2〜3時間)。余分な塩化チオニル(沸点79℃)は緩やかに加温することで蒸発させる。また、塩素化に際しては、酢酸エチルなどの溶媒を用いることができる。
二級アミン化合物の使用量は、塩素化により得られた化合物100質量部に対して、100〜120質量部とするのが、酸塩化物を十分に反応させると一般に考えられる。これより多い場合は反応液内に残分が多く生じるようになり、精製時においても経済性の点からも不都合である。
本発明の溶媒抽出分離方法は、原子力利用システムの高レベル放射性廃液など各種廃水の処理に適用されるものであり、抽出分離されるべき金属類としては、Cr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Pu等が挙げられる。
上記MIDAAの中でも特にメチルイミノビスジオクチルアセトアミド(以下「MIDOA」という)が好ましい。その理由は以下の通りである。
(1)MIDOAは窒素ドナーを含む3座配位子であり、Cr、Mo、Tc、W、Reのオキソ酸と強く結合することができる。
(2)高レベル廃液に多く含まれるPd、Puとの結合性も高い。
(3)MIDOAはクロマト樹脂に担持させることができる。
(4)MIDOAは疎水性が高く、ドデカンとの相溶性が高く、さらにそれ以外の多くの有機溶媒に溶解可能である。また、硝酸、塩酸、過塩素酸の水溶液からCr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puの比較的高い分配比を得ることができた。なお、分配比とは、[有機相中の金属イオン濃度]/[水相中の金属イオン濃度]を示す。
(5)MIDOAは炭素、窒素、酸素、水素からなる有機物で、焼却処分可能であり、二次廃棄物の発生が少ない。また、有機リン化合物、アミン化合物と異なり、毒性が低い。
(6)MIDOAは容易に製造でき、また、同じMIDOAの中心骨格を持ち、オクチル基以外のアルキル基を持つ誘導体(具体的に、メチルイミノビスジへキシルアセトアミド、メチルイミノビスジデシルアセトアミド、メチルイミノビスジドデシルアセトアミド等)も容易に得られる。
本発明の溶媒抽出分離方法は、MIDAAを使用する点を除いて通常の溶媒抽出分離方法の手順を用いることができる。
MIDAAをn−ドデカン(溶剤)に溶解し、得られた溶液を高レベル放射性廃液と混合し、振とうさせる(液―液混合法)。溶剤としては、ドデカン、オクタノール、ニトロベンゼン、クロロホルム、トルエンなどを用いることができるが、安全性の観点などからn−ドデカンがもっとも好ましい。
MIDAAの使用量は、微量Tcを回収する場合には、溶液の濃度がモル濃度で0.1〜0.2Mとなるようにするのが好ましく、高レベル放射性廃液中の濃度の高いTcの定量的な回収についてはそれより高い濃度も必要となる。
また、高レベル放射性廃液は、各種酸を含有する酸性水溶液であるのが通常である。含有する酸としては、硝酸、過酸化水素、塩酸、硫酸などが挙げられるが、硝酸溶液が一般的である。また、酸の濃度は、一般的には1M〜6Mである。
MIDAAと処理対象である高レベル放射性廃液との混合比は、処理対象である金属の含有量によっても異なるが、1:1の化学反応を起こすことが把握されており、一般的には0.01:1〜1:0.01(=水相:有機相の容積比)の範囲内とするのが好ましい。
振とう条件は、室温ないしは25℃とし、振とう時間は、10分〜20分とするのが好ましい。
本発明の溶媒抽出方法には、抽出クロマト分離も含まれる。具体的には、MIDAAを溶解したメタノール(MIDAA:0.1M、10ml)とアンバーライト(登録商標)XAD樹脂(米国ローム・アンド・ハース社)(約2g)を混ぜ、1時間室温で撹拌した。その後、固相と液相とを分離して固相のみを回収乾燥し、MIDAA含浸樹脂として用いた。MIDAA含浸樹脂を直径1〜10cmのカラムに入れ、クロマト分離用とする。Tcが吸着溶離する酸濃度条件(例えば、吸着は0.1Mのような希硝酸、溶離は5M以上の濃硝酸)を使い分けることにより分離回収する。
本発明において抽出剤として用いられるMIDAAは、水溶液中のCr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Pu等の金属類を効率的に、簡単な工程及び操作で抽出でき、毒性が少なく、焼却処分が可能で経済性にも優れた抽出剤として用いることができる。
そして、本発明の金属類の溶媒抽出方法は、Cr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puのような金属類を高レベル放射性廃棄物から簡易に化学分離することができる。また、本発明の溶媒抽出方法は、抽出クロマト分離方法に容易に適用可能である。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
(実施例1)MIDOAの調製
3−メチルイミノ二酢酸(和光純薬製)10gと塩化チオニル20gとを用いて塩素化を行った。溶媒としては酢酸エチルを100g用い、反応条件は、50〜60℃、2〜3時間とした。
その後、この反応溶液中にジオクチルアミン20gを5℃以下に冷却しながら2〜3時間かけて添加し、添加終了後、一昼夜反応させた。反応終了後、シリカゲルカラムを用いて単離精製を行い、MIDOAを得た。得られたMIDOAは、無極性溶媒のドデカンに高い溶解性(1.1M以上の濃度の溶液を調製可能)を示した。
(実施例2)
0.1M MIDOAのn−ドデカン溶液を有機相に、水相には表1に示す各種濃度の硝酸水溶液を用いて、Cr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puの溶媒抽出実験を行った。
Figure 2010101641
溶媒抽出実験は、金属イオンを含む硝酸水溶液と0.1M MIDOAドデカン溶液とを等量(容積比)混合、25℃で30分程度振とうして相分離させた。振とう後の水相及び有機相のβ線を液体シンチレーションカウンターで測定し、各金属の分配比を測定した。その結果を図1に示す。なお、図の横軸、縦軸はそれぞれ硝酸濃度と分配比である。図1は、抽出剤0.1Mを溶解したドデカン溶液を抽出溶媒に、水相には0.1M〜6Mまで硝酸濃度を変えて実験を行った時の各金属の分配比の硝酸濃度依存性を示す。また、図1には抽出剤としてテトラオクチルジグリコールアミド(TODGA)を用いた場合のTcの抽出実験の結果も併せて示す。図1から、MIDOAはTODGAよりも高いTc分配比を示し、最高値で1000程度となりその値は硝酸濃度増加と共に減少した。この結果から、Tcは有機相中で1:1(金属イオン:MIDOA)の錯体を形成することが明らかになった。また、分配比はPuを除いて全ての元素で酸濃度増加とともに減少し、高い分配比を示すことがわかった。図1より、いずれの元素も多段抽出(3回繰り返すことで、分配比3×3×3×=27を得る)を行うことで定量的な回収が可能な分配比10を超えることがわかる。
(実施例3)
MIDOA含浸の樹脂を使って分配比の測定を行った。
含浸樹脂は、MIDOAをメタノールに溶解して得られた0.1M濃度の溶液中に、アンバーライト(登録商標)XAD−4樹脂(オルガノ社製)を添加し、1時間、室温で撹拌した。その後、固相と液相とを分離し、固相のみを回収乾燥してMIDOA含浸樹脂として用いた。なお、含浸したMIDOA量は樹脂1gに対し0.4gであった。
ついで、樹脂0.1gと各種金属を含む硝酸水溶液1mlとを振り混ぜ、樹脂への吸着量を分配比:
Figure 2010101641
として算出し、硝酸濃度との関係を表2及び図2に示した。
Figure 2010101641
先の実施例2の液―液分配と同様な挙動を示すのがわかる。Cr、Mo、Tc、W、Re、Pdは希硝酸(0.1〜0.5M程度)、Puは濃硝酸(0.5〜6M)を用いて、定量的な回収が期待できる分配比10を超えることを確認した。
このように、MIDOAを樹脂に担持させることで、抽出クロマト樹脂を簡単に調製でき、それを用いてCr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puの分離回収を行うことができることがわかった。
(実施例4)
0.1M MIDOAのn−ドデカン溶液を有機相に、水相には表3に示す各種濃度の過塩素酸水溶液を用いて、Cr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puの溶媒抽出実験を行った。溶媒抽出実験は、金属イオンを含む硝酸水溶液と0.1M MIDOAドデカン溶液とを等量(容積比)混合、振とうし、振とう後の水相及び有機相の金属の分配比を測定した。その結果を図3に示す。
Figure 2010101641
図3に示す結果より、Cr、Reを除く元素は多段抽出を行うことで定量的な回収が可能であることがわかる。具体的に、最も分配比の低いTc(分配比2.99)でも、本条件で3回溶媒抽出を繰り返すことにより最終的な分配比(2.9×2.9×2.9=24)が得られる。Cr、Reについても抽出剤濃度を増加させることで回収可能な条件(たとえば分配比10以上)に到達する。
(実施例5)
0.1M MIDOAのn−ドデカン溶液を有機相に、水相に0.2M 塩酸水溶液を用いて、Cr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puの溶媒抽出実験を行った。それぞれ分配比は、Cr(<0.07)、Mo(3.2)、Pd(69)、Tc(4)、W(0.4)、Re(15)、Pu(7.9)であった。特にMo、Pd、Tc、Re、Puは本抽出系で多段抽出(3回繰り返すことにより分配比33を得る)により定量的な回収ができることがわかった。
本発明によれば、高レベル放射性廃液や各種酸溶液から効率的にCr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puを分離することができる。Tc、Puは核変換技術に供することで長期的な毒性を排除し、Moを回収することによりガラス固化体の発生量を抑えることができる。その他の元素は貴金属として再利用できる。
Cr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puを含有する硝酸溶液からなる水相とMIDOAのドデカン溶媒からなる有機相との間の分配比と硝酸濃度との関係を示した図である。 Cr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puを含有する硝酸溶液からなる水相とMIDOAを含浸した樹脂からなる固相との間の分配比と硝酸濃度との関係を示した図である。 Cr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puを含有する過塩素酸溶液からなる水相とMIDOAのドデカン溶媒からなる有機相との間の分配比と酸濃度との関係を示した図である。

Claims (2)

  1. 下記一般式(I):
    CH−N−(CHCON(R・・・(I)
    (式中、Rは炭素数が8個〜12個のアルキル基を示す)
    で表されるメチルイミノビスジアルキルアセトアミドを抽出剤として用いることを特徴とするCr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puから選択される金属類の溶媒抽出分離方法。
  2. メチルイミノビスジアルキルアセトアミドがメチルイミノビスジオクチルアセトアミドである、請求項1に記載の溶媒抽出分離方法。
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