JP2011047665A - 放射性元素固体抽出剤 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】有機の廃溶媒を発生させず、高濃度の硝酸を使用せずに放射性元素、特にTc及びReを高レベル放射性廃液から抽出できる抽出剤を提供する。
【解決手段】一般構造式(I):CHN(CHCONR(Rは炭素数が8個〜12個のアルキル基を示す)で表されるメチルイミノビスジアルキルアセトアミドを内包したマイクロカプセルからなる放射性元素固体抽出剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、高レベル放射性廃液から放射性元素を抽出分離するための固体抽出剤に関する。
原子力分野で発生する高レベル放射性廃液中には、Pd、Tc、Mo、Puなどの金属類が含まれている。Tcは、長半減期(2×10年)で中間貯蔵後の高レベル放射性廃液中で強い放射能を出し続けるので、長期にわたる潜在的な危険性がある。Moは、ガラス固化体の強度を下げる金属であり、ガラス固化体中の濃度が制限される元素である(非特許文献1)。Puは、使用済み燃料中に大量に含まれ、高速増殖炉では燃料として利用することのできる元素である。したがって、これらの金属は高レベル放射性廃液中から分離回収し、その他の元素と別の処理をする必要がある。
特に、Tcは長半減期で中間貯蔵後の高レベル廃液中で強い放射能を出し長期の潜在的な危険性を示すことから、地層処分においては環境への放射性Tcの移行挙動が問題視されており、分離−核変換の試みが検討されている。水溶液中ではTcO 、MoO などのような陰イオン(オキソ酸イオン)として存在するため、通常の抽出剤では溶媒抽出しにくい元素である。
これまで提案されているTcの抽出剤としては、第4級アミン錯体(非特許文献2)、Aliquat-336(登録商標)(テトラフェニルアルソニウム塩)などの4級アンモニウム塩(非特許文献3及び4)、ピリジノ基を有するカリックスアレーン誘導体(非特許文献4)がある。しかし、これらの抽出剤を用いる方法では、分配比が低く、被抽出金属に伴って抽出されてしまうなど、いまだ不十分である。また、高レベル放射性廃液中のPdは、溶媒抽出系において有機相に分配されるが、この有機相は金属濃度が高くなると希釈剤から主としてなる軽い相と金属が濃縮された重い相(第三相という)が生成し、プロセス運転時にラインの目詰まり等の問題を起こす場合がある。Cr、W、Reは高レベル放射性廃液中における存在量は少ないが、水溶液中でオキソ酸(Cr 2−、WO 2−、ReO )として存在し、一般的に分離することが困難である。さらに、高レベル放射性廃液は硝酸水溶液であり、溶媒抽出に用いる有機溶剤として毒性が低く安定なドデカンが好適であるが、従来の抽出剤はドデカン中では使用することができない。
本発明者らは、ドデカン中で使用できる抽出剤として、2,2’−(メチルイミノ)ビス(N,N−ジオクチルアセトアミド)(MIDOA)を提案した(非特許文献5)。しかし、これらの試薬を用いて溶媒抽出法を採用したとしても、有機の廃溶媒が発生し、後処理の問題がある。さらに、抽出後に逆抽出して水相に回収し、有機相の抽出剤は再利用する事が望まれるが、この方法を行うためには高濃度の硝酸溶液を用いる必要がある。
原子力機構次世代原子力システム研究開発部門, "高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究フェーズII 技術検討書−(2)燃料サイクルシステム−", JAEA-Research 2006-043 (2006) "Extraction of the Elements as Quaternary (Propyl, Bytyl, and Hexyl) Amine Complexes" W.J. Maeck, G.L. Booman, M.E. Kussy, J.E. Rein, Anal. Chem. 33 (1961) 1775-1780 "Extraction Behaviour of Technitium and Actinides in the Aliquat-336/Nitric Acid System" A. Landgren, J-O Liljenzin, Solv. Extr. Ion Exch. 17 (1999) 1387-1401 "Solvent Extraction of Tc(VII) by Calixarenes Bearing Pyridino Groups" R. Ludwig, N.T.K. Dzung, J. Nucl. Radiochem. Sci. 6 (2005) 227-231 "Highly Selective Extraction of TcO4-, ReO4-, and MoO42- by the New Ligand, 2,2'-(Methylimino)bis(N,N-Dioctylacetamide)(MIDOA)" Y. Sasaki, Y. Kitatsuji, and T. Kimura, Chem. Lett. 36 (2007) 1394-1395
本発明は、有機の廃溶媒を発生させず、高濃度の硝酸を使用せずに放射性元素、特にTc及びReを高レベル放射性廃液から抽出できる抽出剤を提供することを目的とする。
本発明は、さらに、相互分離が容易で繰り返し利用可能なクロマト分離法に適用可能な放射性元素抽出剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、高レベル廃液から放射性元素、特にTc及びReを回収するために有効なメチルイミノビスジアルキルアセトアミド(以下この化合物を「MIDAA」という)をマイクロカプセルに内含した固体抽出剤が有効であることを知見し、本発明を改正するに至った。
すなわち、本発明によれば、一般構造式(I):CHN(CHCONR(Rは炭素数が8個〜12個のアルキル基を示す)で表されるメチルイミノビスジアルキルアセトアミドを内包したマイクロカプセルからなる放射性元素固体抽出剤が提供される。本発明の固体抽出剤は、原子力利用システムの高レベル放射性廃液など各種廃水の処理に適用されるものであり、抽出分離されるべき金属類としては、Cr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Pu等が挙げられ、特にTc及びReの抽出に好適である。
上記一般式(I)におけるRの具体例としては、オクチル基、デシル基、ドデシル基等を挙げることができ、特にオクチル基が好ましい。したがって、本発明において用いられる上記MIDAAの具体例としては、メチルイミノビスジオクチルアセトアミド、メチルイミノビスジデシルアセトアミド、メチルイミノビスジドデシルアセトアミドを挙げることができ、特にメチルイミノビスジオクチルアセトアミドが好ましい。MIDAAは、疎水性が高く、n−ドデカンとの親和性が高く、空気中分解や昇華等の反応が起こらず空気中で安定に存在する。さらに、Cr、Mo、Pd、Tc、W、Re、Puなどの金属類との錯体を容易に形成することができる三座配位子である。また、MIDAAは、炭素、水素、酸素、窒素からなる化合物であり、二次廃棄物の発生量を低減することができる。
上記MIDAAは、3−メチルイミノ二酢酸を塩化チオニルやジシクロヘキシルカルボジイミドなどの縮合剤を用いて、酸塩化物を生成し、その後、トリエチルアミンなどの存在下でジメチルアミンやジ−n−オクチルアミンなどの二級アミン化合物を氷点下で冷却しながら添加して緩やかに反応させ、得られた生成物を水、水酸化ナトリウム及び塩酸溶液で洗浄し、シリカゲルカラムに繰り返し通して単離精製することで製造することができる。
縮合剤の使用量は、3−メチルイミノ二酢酸100質量部に対して100〜120質量部とするのが、3−メチルイミノ二酢酸を十分に反応させることができると一般に考えられる。これより多い場合は反応液内に残分が多く生じるようになり、精製時においても経済性の点からも不都合である。
塩素化の反応条件は、アルゴン雰囲気で、塩化チオニルを攪拌しながらゆっくり加える(2〜3時間)。余分な塩化チオニル(沸点79℃)は緩やかに加温することで蒸発させる。また、塩素化に際しては、酢酸エチルなどの溶媒を用いることができる。
二級アミン化合物の使用量は、塩素化により得られた化合物100質量部に対して、100〜120質量部とするのが、酸塩化物を十分に反応させると一般に考えられる。これより多い場合は反応液内に残分が多く生じるようになり、精製時においても経済性の点からも不都合である。
上記MIDAAの中でも特にメチルイミノビスジオクチルアセトアミド(以下「MIDOA」という)が好ましい。その理由は以下の通りである。
(1)MIDOAは窒素ドナーを含む3座配位子であり、Cr、Mo、Tc、W、Reのオキソ酸と強く結合することができる。
(2)高レベル廃液に多く含まれるPd、Puとの結合性も高い。
(3)MIDOAは炭素、窒素、酸素、水素からなる有機物で、焼却処分可能であり、二次廃棄物の発生が少ない。また、有機リン化合物、アミン化合物と異なり、毒性が低い。
(4)MIDOAは容易に製造でき、また、同じMIDOAの中心骨格を持ち、オクチル基以外のアルキル基を持つ誘導体(具体的に、メチルイミノビスジへキシルアセトアミド、メチルイミノビスジデシルアセトアミド、メチルイミノビスジドデシルアセトアミド等)も容易に得られる。
本発明の固体抽出剤は、上記MIDOAを100μm〜1000μmの大きさ、好ましくは500〜1000μmのマイクロカプセル、好ましくは球形のマイクロカプセルに内包してなる。マイクロカプセルを構成するシェル物質としては、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウムを好ましく挙げることができる。
本発明の固体抽出剤は、MIDOAとアルギン酸ナトリウムを混練しゾル化した後、硝酸カルシウム中に滴下・撹拌しゲル状とし、水洗・乾燥することによって製造することができる。1.5wt%のアルギン酸ナトリウム(NaALG)100cmにMIDOAは2.0gまで添加することができ、好ましくは0.6g〜2gの範囲で添加することができる。
本発明によれば、本発明の固体抽出剤を用いて、高レベル放射性廃液中の放射性元素を抽出する方法も提供される。すなわち、本発明の固体抽出剤は、固液分離法の固相として、あるいはクロマト分離方の固相として使用することができる。
本発明の固体抽出剤は、高レベル放射性廃液硝酸溶液中のTc(VII)及びRe(VII)に対して高い選択性を持ち、効率的に分離することができる。
本発明の固体抽出剤は、溶媒抽出法で必要とされる有機溶媒を使用しないため、有機廃溶媒が発生しない。
本発明の固体抽出剤は、硝酸溶液で高い分配係数Kを有するため、固液分離及び溶離回収が容易である。
本発明の固体抽出剤は、相互分離の容易なクロマト分離法に使用できるため、多種金属を含む高レベル放射性廃液からのTc及びRe(放射性元素)の抽出に適している。また、固体抽出剤は繰り返し使用できるので経済的である。
図1は、本発明の固体抽出剤を用いたReの固液分離法における分配係数Kと硝酸濃度との関係を示した図である。 図2は、本発明の固体抽出剤を用いたTcの固液分離法における分配係数Kと硝酸濃度との関係を示した図である。 図3は、本発明の固体抽出剤を用いたReのクロマト分離法における破過曲線を示した図である。 図4は、本発明の固体抽出剤を用いたReのクロマト分離法における溶離曲線を示した図である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが,本発明はこれらに限定されるものではない。
[参考例]MIDOAの調製
3−メチルイミノ二酢酸(和光純薬製)10gと塩化チオニル20gとを用いて塩素化を行った。溶媒としては酢酸エチルを100g用い、反応条件は、50〜60℃、2〜3時間とした。
その後、この反応溶液中にジオクチルアミン20gを5℃以下に冷却しながら2〜3時間かけて添加し、添加終了後、一昼夜反応させた。反応終了後、シリカゲルカラムを用いて単離精製を行い、MIDOAを得た。
[実施例1]固体抽出剤の製造
参考例で得たMIDOAとアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業社製、500〜600cP)とを混練器(株式会社シンキー製「あわとり練太郎」(ARE-310))に入れて、室温、常圧(1気圧)、公転回転数2000rpm、自転回転数800rpmで30分間、攪拌及び混練し、ゾル化した。得られたゾルを硝酸カルシウム(和光純薬社製、試薬特級)中に滴下し、10時間撹拌し、ゲル状にした。得られたゲルをイオン交換水で洗浄した後、3時間自然乾燥させ、さらに40℃で2日間乾燥させ、500〜1000μm程度の球形マイクロカプセルを得た。
MIDOAの添加量は、アルギン酸ナトリウム100cmに対して、0.6g、1g及び2gとして3種の固体抽出剤を調製した。
[実施例2]固液分離法によるRe及びTcの抽出
実施例1で調製した固体抽出剤0.05gを固相とし、10ppmのRe(VII)及びTc(VII)をそれぞれ含む各種濃度の硝酸溶液5cmを液相として、25℃で24時間振とうして固液分離を行った。振とう後、液相中のRe濃度を測定し、以下の式より分配係数Kを求めた。
Kd=(C−C)/C × V/m
Ci:初期の溶液中の金属濃度、Cf:振とう後の溶液中金属濃度、V:液相体積(cm)、m:固相重量(g)
図1に、硝酸濃度と分配係数との関係を示す。図1より、最も高い分配係数はMIDOA2gを内包した固体抽出剤を硝酸濃度0.1Mの液相に用いたときに得られ、およそ10000であったことがわかる。また、分配係数は酸濃度増加と共に急激に減少し、硝酸濃度5Mで10以下になることがわかる。分配係数が100以上であれば、Reの抽出分離ができたといえることから、この酸濃度で溶離が可能である事が理解された。同様な実験をTc(VII)に対しても行い、硝酸濃度と分配係数との関係を図2に示す。Tc(VII)の場合には、硝酸濃度0.1M以下の条件で、MIDOA2gを内包した固体抽出剤を用いると、約3000と高いKを示した。Reと同様に酸濃度増加と共にKは減少した。Reと同様に、分配係数が100以上であれば、Tcの抽出分離ができたといえる。
[実施例3]カラム分離法によるRe及びTcの抽出
実施例1で調製した固体抽出剤0.7gを秤量し、5時間程度脱気し、空気が混入しないように注意しながらカラム(カラム径5mm、カラム長さ100mmに充填し固相とした。液相には、250ppmのReを含む0.1M硝酸を用いた。
固体抽出剤を充填したカラムに、液相を流速一定(0.25cm/min)で流し込んだ。流出してきた溶液中の金属濃度をICP−AES(株式会社エスアイアイ・ナノテクノロジー製SPS7800)で測定した。初期の金属濃度(C)と流出した溶液中の金属濃度(C)の比を総液量に対してプロットした破過曲線を図3に示す。図3より、固体抽出剤は溶液量300cm程度でC/Cが0.9と十分な回収量を得ることができることがわかる。
次に固体抽出剤に吸着したReを溶離するため、Reを吸着したカラム内固相に5M硝酸溶液を流速一定(0.25cm/min)で加えた。流出してきた溶液中のRe濃度をICP−AES(株式会社エスアイアイ・ナノテクノロジー製SPS7800)で測定し、溶液中のRe量と全吸着量の比(E(%))を総液量に対してプロットした溶離曲線を図4に示す。図4より、溶離液量20mlでほぼ全量のReが回収できることがわかる。
以上の操作を3回繰り返し、同様にプロットした結果を併せて図3及び図4に示す。1回目から3回目まで破過曲線及び溶離曲線ともに有意差は認められなかった。
以上の情報を元にして全交換容量と回収率を求めることができる。図3の破過曲線より、固体抽出剤への全吸着量を求めることができ、0.4mmol/gと算出された。図4の溶離曲線の積分値より、溶離量を求める事ができ、吸着量との比較より回収率を求めたところ、100であることがわかった。
また、図4から、溶離曲線のピーク(約10cmで60%も鋭く、ピーク後のテーリングも見られないため、溶離特性は非常に良好な結果を示したと考えられる。また、溶離曲線のピークがシャープであるほど溶離液量が少なくて済み、経済性向上に繋がる。
さらに、繰り返し使用の実験結果より、カラムの再利用性を考えると、3回までは10%程度の性能劣化に留まっていることを確認した。すなわち、本発明の固体抽出剤をカラム分離法に使用した場合には、3回使用した後でも90%の分離能を維持していることを確認した。
本発明の固体抽出剤は、これまで分離回収が困難であった高レベル放射性廃液から放射性元素Tc及びReを分離回収することができるため、核変換技術に供することで環境中の長期的な毒性を排除し、ガラス固化体の発生量を抑えることができる。そのため、プロセス設計が容易になり、経済性も向上する。

Claims (9)

  1. 一般構造式(I):CHN(CHCONR(Rは炭素数が8個〜12個のアルキル基を示す)で表されるメチルイミノビスジアルキルアセトアミドをアルギン酸カルシウム又はアルギン酸ナトリウムで内包したマイクロカプセルからなる放射性元素固体抽出剤。
  2. メチルイミノビスジオクチルアセトアミドを内包したことを特徴とする、請求項1に記載の放射性元素固体抽出剤。
  3. 高レベル放射性廃液からTc又はReを抽出することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射性元素固体抽出剤。
  4. 一般構造式(I):CHN(CHCONR(Rは炭素数が8個〜12個のアルキル基を示す)で表されるメチルイミノビスジアルキルアセトアミドとアルギン酸ナトリウムとを混練してゾル化する工程と、
    得られたゾル状物質を硝酸カルシウム中に撹拌しながら滴下してゲル状とする工程と、
    得られたゲル状物質を水洗及び乾燥する
    ことを含む、当該メチルイミノビスジアルキルアセトアミドを内包するマイクロカプセルからなる放射性元素固体抽出剤の製造方法。
  5. 前記メチルイミノビスジアルキルアセトアミドの添加量は、アルギン酸ナトリウム100cmg中2.0g以下である、請求項4に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射性元素固体抽出剤を固相として用いることを特徴とする、高レベル放射性廃液からの放射性元素の固液分離方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射性元素固体抽出剤をカラム内に充填して固相とし、高レベル放射性廃液硝酸溶液を液相として当該カラムに注入して、当該硝酸溶液から放射性元素を当該固相に吸着させることを含む、高レベル放射性廃液からの放射性元素のカラム分離方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射性元素固体抽出剤をカラム内に充填して固相とし、高レベル放射性廃液硝酸溶液を液相として当該カラムに注入して、当該硝酸溶液から放射性元素を当該固相に吸着させ、
    次いで、硝酸溶液を溶離液として当該カラムに注入して、当該固相に吸着された放射性元素を回収する、
    ことを含む高レベル放射性廃液からの放射性元素の回収方法。
  9. 前記放射性元素は、Re又はTcである、請求項8に記載の回収方法。
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