JP2014032107A - 放射性物質除去剤及び放射性物質を含む汚染水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理廃棄物としての汚泥スラリーを発生せず、放射性物質を効率良く除去でき、さらには使用寿命を長くすることができ、さらに、海水のようにナトリウム含有量が多い放射性汚染水を好適に処理することができる、新たな放射性物質除去剤を提案する。
【解決手段】アルギン酸のアルカリ土類金属塩と、放射性物質除去機能物質とを含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、該基体粒子の少なくとも表層部に、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属のアルギン酸金属塩が存在してなることを特徴とする粒状放射性物質除去剤を提案する。
【選択図】なし

Description

本発明は、放射性物質を吸着除去できる放射性物質除去剤、並びに、この放射性物質除去剤を用いた放射性物質を含む汚染水(「放射性汚染水」と称する)の処理方法に関する。
2011年3月11日に我が国を襲った東日本大震災は大津波の発生を伴うものであり、東北地方沿岸部の市町村に壊滅的被害をもたらす未曾有の大災害となった。その津波による被害は東京電力(株)福島原子力発電所にも及び、原子炉冷却施設の機能停止、燃料棒のメルトダウン、水蒸気爆発などを引き起こし、大量の放射性物質放出による環境汚染ならびに施設内の高レベル放射性物質汚染排液の大量発生という憂慮すべき事態を現出させた。そのため、放射性物質汚染排液から放射性物質を除去することは、日本国が可及的速やかに解決しなければならない課題の一つである。
原子力発電所等の放射性物質取り扱い施設から放出される主な放射性核種として、ウラン−235の核分裂反応により生成されるヨウ素−131(半減期8.02日)などの放射性ヨウ素と、セシウム−137(半減期30.07年)、セシウム−134(半減期2.06年)などの放射性セシウムが挙げられる。
放射性ヨウ素の除去に関する技術として、従来から活性炭による吸着処理が知られている。厚生労働省の「第2回水道水における放射性物質対策検討会」(開催日:平成23年5月26日)の会議資料2−3「粉末活性炭と前塩素処理の併用によるヨウ素の除去に関する調査について」によれば、ヨウ化物イオン(I)およびヨウ素酸イオン(IO )は粉末活性炭では殆ど除去できないものの、ヨウ素化物イオンに対して粉末活性炭・前弱塩素(注入率0.5〜1.0mg/L)併用処理を行うと粉末活性炭注入率15mg/Lで約30%、30mg/Lで約50%の除去が可能であることが報告されている。
放射性セシウムの除去に関する技術としては、その結晶格子内にセシウムイオンを選択的に取り入れることができる、フェロシアン化合物(鉄、銅、ニッケル塩、コバルト塩など)の立体的特性を利用して、フェロシアン化合物粉末を放射性セシウム含有排水に添加接触させた後、固液分離して放射性セシウム含有量を低減する技術や、粘土結晶格子面上のSiO四面体層の配列により形成された6個の酸素原子による六角形構造にセシウムイオンを選択的に取り入れることができる、モンモリロナイト属の粘土鉱物の立体的特性(図1及び図2参照)を利用して、モンモリロナイト属の粘土鉱物粉末を放射性セシウム含有排水に添加接触させた後、固液分離して放射性セシウム含有量を低減する技術など、セシウム吸着能を有する粉末状の吸着剤に放射性セシウム含有排水を接触させてセシウムを吸着除去する技術が知られている(図1、図2参照)。
しかしながら、放射性物質吸着能を有する粉末状の吸着剤に放射性物質含有排水を接触させた後に固液分離する方法では、粉末状の吸着剤から水分を分離することが難しいため、固液分離後に放射性物質を含有する大量の汚泥が発生し、その汚泥減容化処理が必要となるという課題を抱えていた。
かかる課題を解決するための手段として、水分を分離させることが比較的容易な粒状の吸着剤を利用する方法や、多孔性素材の表面や空隙部に放射性物質吸着能を有する物質を添着或いは担持させた放射性物質除去剤を利用する方法などが考えられる。
前者の方法に関しては、例えば特許文献1(特開昭56−79999号公報)において、60〜80メッシュ径のX型ゼオライトを湿潤後、硫酸銅水溶液を加えて銅イオンを吸着させたのち、フェロシアン化カリウム水溶液と反応させることにより、ゼオライトの空隙内および各面にフェロシアン化銅を生成させることにより、フェロシアン化金属化合物を添着させる添着方法、および該添着ゼオライトを吸着剤として用いる処理方法が開示されている。
他方、後者の方法に関しては、例えば特許文献2(特開平9−173832号公報)において、多孔性樹脂に低沸点有機溶剤に可溶かつ水に難溶の第四級アンモニウム塩を担持させ、さらにヘキサシアノ鉄(II)酸塩(発明者注:フェロシアン化塩の別名)含有水溶液で処理したのち、この処理物を銅塩含有水溶液と接触させて該樹脂の細孔内にヘキサシアノ鉄(II)酸銅を沈積させ、次いで樹脂内の第四級アンモニウム塩を低沸点有機溶剤で抽出することを特徴とするヘキサシアノ鉄(II)酸銅担持多孔性樹脂の製造方法が開示されている。
また、特許文献3(特公昭62−43519号公報)には、フェロシアン化銅をゼオライトに添着させてなる放射性物質除去剤が開示され、特許文献4(特開平9−173832号公報)には、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅を多孔性樹脂に担持させてなる放射性物質除去剤が開示され、特許文献5(特公昭62−43519号公報)には、フェロシアン化銅を粒状活性炭に添着させてなる放射性物質除去剤が開示されている。
本発明者らは、特許文献6(特願2011−205417号、現時点では未公開。)において、粘土鉱物、難溶性フェロシアン化合物、活性炭及びゼオライトからなる群のうちから選ばれる1つ以上の放射性物質除去機能物質を、アルギン酸金属塩の水溶液中に加えて分散させてアルギン酸金属塩ゾルを作製し、該アルギン酸金属塩ゾルをカルシウム塩の水溶液中に滴下してアルギン酸カルシウムゲルを作製し、このアルギン酸カルシウムゲルを乾燥させて水分を離脱させることにより多孔質体造粒物として得られる放射性物質除去剤を提案した。
「第2回水道水における放射性物質対策検討会」(厚生労働省、開催日:平成23年5月26日)の会議資料2−3「粉末活性炭と前塩素処理の併用によるヨウ素の除去に関する調査について」
特開昭56−79999号公報 特開平9−173832号公報 特公昭62−43519号公報 特開平9−173832号公報 特公昭62−43519号公報 特願2011−205417号(現時点では未公開)
前述のように、多孔性素材の表面や空隙部に放射性物質吸着能を有する物質を添着或いは担持させてなる放射性物質除去剤を利用すれば、固液分離が容易であるため、粉末状の吸着剤を用いた場合に比べ、大量の汚泥が発生するのを防ぐことができる。
しかし、多孔性樹脂やゼオライトに放射性物質吸着物質を添着或いは担持させたのでは、添着あるいは担持できる部位が極めて微小部分に限られるため、ごく少量しか放射性物質吸着物質を付けることができないため、放射性物質の除去効率を高めることが難しいという課題があった。
また、多孔性樹脂やゼオライトに放射性物質吸着物質を添着或いは担持させた放射性物質除去剤は、吸着剤の表面で放射性物質を吸着する結果、吸着剤の表面で検出される放射線量が短期間で高くなって交換時期と判断されるため、吸着剤の使用寿命が短いという課題を抱えていた。
ところで、特許文献6において、本発明者が提案した放射性物質除去剤は、淡水などのように溶解塩類の少ない放射性物質汚染水や、カルシウム含有量の高い放射性汚染水などを処理する上では問題なく機能するものの、海水のようにナトリウム含有量が多い放射性汚染水を処理する場合においては、アルギン酸カルシウム塩ゲルのカルシウムがナトリウムと置換して、ゲルが膨潤したり、溶解してしまうといった課題が出現することが明らかになってきた。
そこで本発明は、特許文献6で提案した放射性物質除去剤をさらに改良することにより、処理廃棄物としての汚泥スラリーを発生せず、しかも、放射性物質を効率良く除去することができ、さらには使用寿命を長くすることができるばかりか、さらに、海水のようにナトリウム含有量が多い放射性汚染水を処理する場合においても好適に使用することができる、新たな放射性物質除去剤及びそれを用いた放射性汚染水の処理方法を提供せんとするものである。
本発明は、アルギン酸のアルカリ土類金属塩と、放射性物質除去機能物質とを含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、該基体粒子の少なくとも表層部に、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属のアルギン酸金属塩が存在してなることを特徴とする粒状放射性物質除去剤を提案する。
本発明が提案する放射性物質除去剤は、例えばろ過カラムのような容器内に充填して充填層を形成し、この充填層に、放射性物質を含む汚染水を通水することにより、放射性物質を除去することができる。
本発明が提案する放射性物質除去剤は、粒状体であり、粉末状のものに比べて固液分離し易いため、粉末状の除去剤のように処理廃棄物としての汚泥スラリーを発生することがない点でも優れている。
また、本発明が提案する放射性物質除去剤は、アルギン酸のアルカリ土類金属塩を含有する多孔質体粒状体からなる基体粒子表面及び内部に放射性物質除去機能物質が含有されるものであるため、多孔質体粒状体の空隙を通じて放射線汚染水(被処理水)が粒子内部へ容易に浸入して、粒子内部に存在する放射性物質除去機能物質とも接触するため、放射性物質を効率良く吸着除去することができる。また、このように粒子内部及び表面で放射性物質を吸着することができ、粒子表面に偏って放射性物質が吸着されないため、粒子表面の放射線量の高まりを抑えて使用寿命を長くすることもできる。
さらに、海水のようにナトリウム含有量が多い放射性汚染水などを処理する場合においても、本発明が提案する放射性物質除去剤は、該基体粒子の少なくとも表層部に、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属のアルギン酸金属塩が存在するため、多孔質体粒状体を構成するアルギン酸のアルカリ土類金属塩のアルカリ土類金属がナトリウムと置換するのを防ぐことができる。よって、放射性物質除去剤が膨潤したり、溶解したりするのを防ぐことができるため、海水のようにナトリウム含有量が多い放射性汚染水であっても好適に処理することができる。
モンモリロナイト系粘土鉱物の酸化ケイ素層の酸素原子配列を模式的に示した図である。 モンモリロナイト系粘土鉱物の酸素の六角形格子内に、およびフェロシアン化合物の立方体格子内に、セシウムイオンを取り込む状態の一例を模式的に示した図である。 ベントナイト粉体添加量と乾燥球状体平均粒径との関係を示したグラフである。 ベントナイト・活性炭(混合比1:1)粉体添加量と乾燥球状体平均粒径との関係を示したグラフである。 実施例1で得た多孔性粒状放射性物質除去剤の内面のX線マイクロアナライザー分析結果として、Fe元素マッピング画像を示した図である。 同じく実施例1で得た多孔性粒状放射性物質除去剤の内面のX線マイクロアナライザー分析結果として、Ca元素マッピング画像を示した図である。 a)は実施例1で得た多孔性粒状放射性物質除去剤を海水に浸漬して1週間放置後の写真であり、b)はそれをろ紙上に取り出した状態の写真である。 比較例1で得た多孔性粒状放射性物質除去剤を海水に浸漬して1週間放置後の写真である。
次に、本発明を実施するための形態例(「本実施形態」と称する)について説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本放射性物質除去剤>
本実施形態に係る放射性物質除去剤(以下「本放射性物質除去剤」と称する)は、アルギン酸のアルカリ土類金属塩と、放射性物質除去機能物質とを含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、該基体粒子の少なくとも表層部に、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属のアルギン酸金属塩が存在することを特徴とする粒子(以下「本放射性物質除去剤粒子」と称する)を含有する放射性物質除去剤である。
本放射性物質除去剤を構成する粒子のほとんどが本放射性物質除去剤粒子であれば、これ以外の粒子が多少混じっていても、本放射性物質除去剤粒子のみからなる場合と同様の効果を得ることができる。よって、本放射性物質除去剤は、本放射性物質除去剤粒子が全体の80質量%以上、好ましくは90質量%以上を占めれば、本放射性物質除去剤粒子以外の粒子を含んでいてもよい。
(本放射性物質除去剤粒子)
本放射性物質除去剤粒子が微粒であると、前述のように放射性物質含有排水を接触させた後に固液分離しても、放射性物質除去剤から水分を分離させることが難しいため、固液分離した後に放射性物質を含有する大量の汚泥が発生することになる。これを回避するため、本放射性物質除去剤粒子は、固液分離し易い大きさであるのが好ましい。かかる観点から、本放射性物質除去剤粒子の平均粒径は0.5mm以上であることが好ましい。その一方、本放射性物質除去剤粒子が大き過ぎると、表面積が小さくなり、放射性物質の除去効率が低下するため、5mm以下であるのが好ましい。
かかる観点から、本放射性物質除去剤粒子の平均粒径は0.5mm以上であり、5mm以下であることが好ましい。中でも接触効率や圧力損失を考慮すると、1.0mm以上或いは3mm以下、その中でも特に1.2mm以上或いは2.5mm以下であるのが好ましい。
本放射性物質除去剤粒子の形状、言い換えれば多孔質体粒状体(基体)の形状は、球状、楕円球状、扁平板状など任意である。中でも、分散性などの点で球状であるのが好ましい。
本放射性物質除去剤粒子は、被処理水が粒子内部まで浸透することができるという点で、粒子表面から内部に通じる空隙を多数含む多孔質体であるのが好ましい。
そしてその気孔率は、放射性物質の吸着効率の点などから、10v/v%〜70v/v%であるのが好ましく、中でも30v/v%以上或いは60v/v%以下であるのが好ましい。
また、同じく放射性物質の吸着効率の点などから、気孔径は、0.1μm〜50μmであるのが好ましく、中でも0.5μm以上或いは20μm以下であるのが好ましい。
(アルギン酸のアルカリ土類金属塩)
アルギン酸のアルカリ土類金属塩は、多孔質粒状体粒子を構成する役割と共に、放射性物質除去機能物質を保持するバインダーとしての役割も有している。
アルギン酸のアルカリ土類金属塩としては、カルシウム、ストロンチウム又はバリウムのアルギン酸塩を挙げることができる。中でも、価格及び上記効果の点からカルシウムのアルギン酸塩が最も好適である。
(放射性物質除去機能物質)
放射性物質除去機能物質は、放射性物質を何らかの手段で捕らえることができる機能を有する物質であれば任意に採用可能である。中でも、粘土鉱物、難溶性フェロシアン化合物、活性炭及びゼオライトからなる群のうち1種の放射性物質除去機能物質或いは2種類以上の組み合わせからなる放射性物質除去機能物質を選択して用いるのが好ましい。
粘土鉱物としては、セシウムイオンを選択吸着できる酸素配列の立体構造を持ったものであれば何れでもよく、特に限定するものではない。モンモリロナイト属あるいはカオリナイト属のように、粘土結晶格子面上のSiO四面体層の配列により形成された6個の酸素原子による六角形構造(図1)を有しているものが好適であり、ALO八面体層の両面をSiO四面体層が挟んだ形状の三層構造をしているモンモリロナイト属の粘土鉱物が特に好適である。
このモンモリロナイト属の粘土鉱物としては、Na形モンモリロナイトであるベントナイト、H形モンモリロナイトである酸性白土、これらを酸処理して可溶性陽イオンを溶出させて表面活性を高めた活性白土が挙げられる。
このように、粘土鉱物は、放射性セシウムを選択的に除去することができ、結晶構造に基づく選択吸着が有効であることから、モンモリロナイト系粘土鉱物、紺青、天然ゼオライトが有効である。中でも、モンモリロナイト系粘土鉱物であるベントナイトが特に好ましい。
難溶性フェロシアン化合物としては、例えばFe塩、Ni塩、Cu塩、Co塩など難溶性フェロシアン化合物を挙げることができ、中でも価格などを考慮すると、Fe塩(紺青)が好適である。
この種の難溶性フェロシアン化合物は、放射性セシウムを選択的に除去することができる。
活性炭としては、例えば石炭系、ヤシ殻系、木質系など、あらゆる種類の活性炭粉末を利用することができ、この種の活性炭は、放射性ヨウ素を除去することができる。
ゼオライトは、天然ゼオライト、合成ゼオライトのいずれでもよい。
この種のゼオライトは、高い陽イオン交換能を有していること、およびその物理低構造から放射性陽イオン核種を除去することができる。よって、放射性セシウムのほかにも、放射性ストロンチウムを除去することもできる。中でも、A型ゼオライトは、放射性ストロンチウムを除去作用に優れている。
上記のように、紺青、ゼオライトなどは主に放射性セシウムを除去するのに適しており、活性炭は、主に放射性ヨウ素を除去するのに適しており、A型ゼオライトは、主に放射性ストロンチウムを除去することに適しているため、目的に合わせて放射性物質除去機能物質を選択し、必要に応じて組み合わせて用いることが可能であるから、複数の核種を同時除去することも可能であり、汎用性を高めることができる。
なお、放射性物質除去機能物質は、基体粒子の表面及び内部に散在しているのが好ましい。
放射性物質除去機能物質が基体粒子表面及び内部に散在することにより、放射線汚染水(被処理水)は、基体粒子表面の放射性物質除去機能物質と接触するばかりか、多孔質体粒状体の空隙を通じて粒子内部へ浸入して、粒子内部に散在する放射性物質除去機能物質とも接触するため、放射性物質を効率良く除去することができる。
また、このように粒子内部及び表面で放射性物質を吸着することができると、粒子表面に偏って放射性物質が吸着されないため、粒子表面の放射線量の高まりを抑えて使用寿命を長くすることもできる。
放射性物質除去機能物質の含有量は、放射性物質除去効率の観点から、粒子の表面及び内部に存在するものの合計で、本放射性物質除去剤粒子の60質量%以上を占めるのが好ましく、中でも70質量%以上であるのがさらに好ましい。なお、処理対象水の放射性物質汚染レベルが高いために、吸着後の本放射性物質除去剤の汚染レベルが高くなり過ぎる恐れがある場合には、逆に放射性物質除去機能物質の含有率を下げることにより、吸着後の汚染レベルを、廃棄処分時の取り扱い作業に支障が無いレベルに調整することも可能である。
なお、本放射性物質除去剤粒子において、放射性物質除去効率の観点から、放射性物質除去機能物質は、本放射性物質除去剤粒子の表面及び内部に均一濃度で分散しているか、或いは、本放射性物質除去剤粒子における表面の放射性物質除去機能物質濃度が内部の放射性物質除去機能物質濃度よりも高い状態で分散しているのが好ましい。
(表層部のアルギン酸金属塩)
本放射性物質除去剤粒子においては、基体粒子の少なくとも表層部に、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属のアルギン酸金属塩が存在することが重要である。
該基体粒子の少なくとも表層部に、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属のアルギン酸金属塩が存在することにより、海水のようにナトリウム含有量が多い放射性汚染水などを処理する場合においても、基体粒子(多孔質体粒状体)を構成するアルギン酸のアルカリ土類金属塩のアルカリ土類金属がナトリウムと置換して、膨潤したり、溶解したりするのを防ぐことができる。
ここで、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属としては、鉄、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、コバルト、及び銅からなる群のうちの1種の多価金属又は2種以上の多価金属の組合せを好ましい例として挙げることができる。但し、これらに限定する意ではない。
<本放射性物質除去剤の製造方法>
本放射性物質除去剤の製造方法の一例として、次の2つの製法を挙げることができる。但し、本放射性物質除去剤の製造方法をこれら2つの製法に限定するものではない。
一つの製法は、アルギン酸アルカリ金属塩の水溶液中に放射性物質除去機能物質粉末を分散させたゾル状液体を、アルカリ土類金属塩の水溶液中に加えてゲル化させ、得られたゲルを、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属の金属塩の水溶液中に浸漬させ、次いで乾燥させて多孔質造粒体を製造する方法(「第1製法」と称する)である。
他の一つの製法は、アルギン酸アルカリ金属塩の水溶液中に放射性物質除去機能物質粉末を分散させたゾル状液体を、アルカリ土類金属塩と、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属の金属塩との混合物の水溶液中に加えてゲル化させ、得られたゲルを乾燥させて多孔質造粒体を製造する方法(「第2製法」と称する)である。
上記第1製法及び第2製法のいずれの製法(まとめて「本製造方法」と称する)も、アルギン酸アルカリ金属塩のゾル状液体を、アルカリ土類金属塩の水溶液中に加えてゲル化させることで、球状の粒状粒子を作成すると共に、粒状粒子内部のアルギン酸アルカリ金属のアルカリ金属をアルカリ土類金属に置換させることによって、固まってゲル化させ、これを乾燥することで、多孔質造粒体を作ることができる製法である。
例えば塩化カルシウム水溶液にアルギン酸ナトリウム水溶液を一滴ずつ入れると、アルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムが反応し、アルギン酸ナトリウム水溶液の表面にアルギン酸カルシウム膜が形成され、アルギン酸ナトリウム水溶液が球状になり、所謂人工種子(イクラ)が形成されることが知られている。このような原理で、アルギン酸アルカリ金属塩の球状の粒子(ゾル)が作られ、さらに粒子内部のアルギン酸アルカリ金属がアルカリ土類金属に置換することによって、粒子内部に放射性物質除去機能物質を保持した状態で固まってゲル化することになる。
上記のように、本製造方法は、焼成することなく多孔質造粒体を作ることができる点で優れている。例えば紺青などは、加熱することを嫌うため、上記製法のように、焼成することなく多孔質体を作製できる点で特に優れている。
また、本製造方法は、難水溶性の放射性物質除去機能物質をアルギン酸アルカリ土類金属からなるゲルで包み込むことにより、容易に、しかも任意の割合で粒状に成形することが可能であると共に、このようなアルギン酸アルカリ土類金属ゲルの表面を、鉄、アルミニウム、銅などのアルギン酸ゲルに改質することができる。
さらにまた、粉体の成形方法としては、転動造粒成形、圧密成形、押し出し成形などがあるが、これらの方法はいずれも成形体を圧密状態にするものであるため、被処理水が粒子内部へ浸入することが困難であり、有効に利用されるのは粒子表面に限定されてしまう。これに対し、本製造方法によれば、表面がアルギン酸多価金属ゲルに改質されたアルギン酸アルカリ土類金属ゲルを乾燥させて水分を離脱させることにより粒子内に空隙を作るため、粒子表面から内部に通じる空隙を多数含む多孔質体を作製することができる。よって、被処理水が粒子内部へ容易に浸入することができるため、内部の放射性物質除去剤も有効に利用される。
しかも、後述するように、添加する放射性物質除去機能物質の濃度を調整することで本放射性物質除去剤の粒度制御が可能である。
<第1製法>
第1製法の好適な一例として、アルギン酸アルカリ金属塩の水溶液に上記放射性物質除去機能物質を加えて分散させてアルギン酸アルカリ金属塩ゾルを作製するゾル作製工程と、該アルギン酸アルカリ金属塩ゾルを、アルカリ土類金属塩水溶液からなるゲル化剤を含んだ水溶液中に滴下してアルギン酸アルカリ土類金属ゲルを作成するゲル作製工程と、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな多価金属の金属塩の水溶液に、前記工程で得られたアルギン酸アルカリ土類金属ゲルを浸漬させて、該アルギン酸アルカリ土類金属ゲル表面をアルギン酸多価金属ゲルに改質する表面改質工程と、得られたゲルを乾燥させて多孔質造粒体を作製する多孔質化工程と、を備えた製法を挙げることができる。
(ゾル作製工程)
本工程では、例えば、アルギン酸アルカリ金属塩を水に溶解して粘稠性の水溶液を作製し、この水溶液に放射性物質除去機能物質を加えて均一に分散・混合させることでアルギン酸アルカリ金属塩ゾルを作製することができる。
上記のアルギン酸アルカリ金属塩としては、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸リチウム、アルギン酸カリウムなどを挙げることができ、中でも、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸リチウム、アルギン酸カリウムが好ましく、価格などを考慮すると、アルギン酸ナトリウムが特に好適である。
アルギン酸アルカリ金属塩は、水に可溶であり、粘稠性の水溶液となる。アルギン酸アルカリ金属塩の水溶液の濃度としては0.5〜5w/v%が好ましく、中でも1w/v%以上或いは4w/v%以下であるのが特に好ましい。
アルギン酸アルカリ金属塩の水溶液中に加える放射性物質除去機能物質の量は、放射性物質除去効率の観点から、アルギン酸アルカリ金属塩に対して60質量%以上、中でも70質量%以上とするのが好ましい。
(ゲル作製工程)
本工程では、例えば、アルカリ土類金属を含んだ水溶液をゲル化剤溶液として調製しておき、このゲル化剤溶液を緩やかに撹拌しながら、このゲル化剤溶液中に、前記工程で得られたアルギン酸アルカリ金属塩ゾルを、内径0.5mm〜2mmのノズルから液滴を滴下させることにより、前記放射性物質除去機能物質を均一に包含したアルギン酸アルカリ土類金属ゲルを作製することができる。
ゲル化剤成分としてのアルカリ土類金属としては、例えばカルシウム、ストロンチウム又はバリウムを挙げることができる。なお、アルカリ土類金属であってもマグネシウム塩はゲル化剤には適していない。好ましいものとして具体的には例えば塩化バリウム、塩化カルシウム等を挙げることができ、中でもカルシウム塩が価格や取扱上の安全性などの理由で特に好ましい。
該アルカリ土類金属の塩としては、塩化物塩、臭化物塩、硝酸塩など、水溶性のアルカリ土類金属塩であれば特に限定するものではない。価格などを考慮すると、塩化カルシウムが好適である。
アルカリ土類金属塩水溶液の濃度としては特に限定するものではないが、2〜6%程度が好適である。
(表面改質工程)
本工程では、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな多価金属の金属塩の水溶液に、前記工程で得られたアルギン酸アルカリ土類金属ゲルを浸漬させて、該アルギン酸アルカリ土類金属ゲルの表面をアルギン酸多価金属ゲルに改質し、少なくとも基体粒子の表面層に多価金属のアルギン酸塩を存在させる。
ここで、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属としては、鉄、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、コバルト、及び銅からなる群のうちの1種又は2種以上の組合せからなる多価金属を好ましい例として挙げることができる。
鉄、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、コバルト、及び銅などの多価金属塩水溶液は、ゲル化剤として用いることも可能であるが、ゲル化反応速度は大きいものの、粒子内部への浸透速度が遅く、内部まで完全にはゲル化させることは難しい。そこで、この特性を逆に利用して、アルカリ土類塩属塩水溶液をゲル化剤としてアルギン酸アルカリ土類金属ゲルを作製した後に、多価金属塩ゲル化剤に浸漬させて表面を多価金属塩ゲル化することで、海水などのナトリウム含有量が多い水に浸漬してもゲル状態を保てるように表面改質することができる。
上記多価金属、すなわち2価以上の金属の塩としては、例えば塩化第二鉄、硫酸第二鉄、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等を挙げることができ、中でも塩化第二鉄が価格やゲル強度などの理由で特に好ましい。
多価金属ゲル化剤水溶液の濃度は、特に限定するものではない。例えば0.4w/v%〜4w/v%程度、特に1w/v%以上或いは3w/v%以下程度が好適である。
(多孔質化工程)
前記工程において、表面が多価金属塩ゲル化されたアルギン酸アルカリ土類金属ゲルを、乾燥させることで、造粒物内から水分を脱離させることができ、この過程で造粒物を多孔質化させることができる。
表面を多価金属ゲル化したアルギン酸アルカリ土類金属ゲルを乾燥させる前に、必要に応じて、水などで洗浄してもよい。また、0℃〜−20℃で一度凍結させた後にこれは融解させる凍結融解を行う工程を付加してもよい。
乾燥手段としては、例えば自然乾燥、減圧乾燥、加温乾燥など公知の乾燥手段を適宜採用することができる。中でも、乾燥時間の点で加温乾燥が特に好ましい。
乾燥温度は、粒子内部の空隙の大きさと割合を調整する観点から、40〜120℃とするのが好ましく、中でも60℃以上或いは90℃以下、その中でも、アルギン酸塩などの劣化を考慮すると80℃以下とするのがより好ましい。
<第2製法>
次に、第2製法の好適な一例として、アルギン酸アルカリ金属塩の水溶液に上記放射性物質除去機能物質を加えて分散させてアルギン酸アルカリ金属塩ゾルを作製するゾル作製工程と、アルカリ土類金属塩とナトリウムよりもイオン化傾向の小さな多価金属の金属塩とを含有する混合水溶液を調製し、該混合水溶液中に、前記工程で得られたアルギン酸アルカリ金属塩ゾルを滴下することにより、表面がアルギン酸多価金属ゲルに改質されたアルギン酸アルカリ土類金属ゲルを作製するゲル作製・表面改質工程と、前記工程で得られたゲルを乾燥させて多孔質造粒体を作製する多孔質化工程と、を備えた製法を挙げることができる。
第2製法は、第1製法におけるゲル作製工程及び表面改質工程の代わりに、ゲル作製・表面改質工程を行うものであり、これ以外については第1製法と同様である。
また、使用するアルカリ金属塩、放射性物質除去機能物質、アルカリ土類金属塩、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな多価金属の金属塩なども、上記第1製法と同様である。
第2製法は、第1製法におけるゲル作製工程及び表面改質工程の代わりに、アルカリ土類金属塩と多価金属の金属塩とを含有する混合水溶液中に、アルギン酸アルカリ金属塩ゾルを滴下することにより、表面がアルギン酸多価金属ゲルに改質されたアルギン酸アルカリ土類金属ゲルを一工程で作製する製法であるため、工程及び製造装置を簡略化することができる点で優れている。
(本放射性物質除去剤粒子の粒度調整方法)
本放射性物質除去剤粒子の粒度は、放射性物質の除去効率、通水抵抗などに影響するため、用途に応じて本放射性物質除去剤粒子の粒度を調整できれば有効である。
ところで、第1製法及び第2製法のいずれにおいても、アルギン酸アルカリ金属塩水溶液の濃度、放射性物質除去機能物質の添加量、アルギン酸アルカリ金属塩ゾルを滴下する際のノズル径や滴下高さなどを変化させることで、湿潤状態のアルギン酸アルカリ土類金属ゲルの粒径を制御して、本放射性物質除去剤粒子(乾燥状態)の粒度を制御することが、従来技術からすると先ず考えられる。
しかし、本製造方法においては、球状の液滴を滴下させるのに適正な条件でこれらのパラメータを設定すると、これらのパラメータを変化させても、湿潤状態のアルギン酸アルカリ土類金属ゲルの粒径はほぼ一定の4mm〜5mmとなり、湿潤状態のアルギン酸アルカリ土類金属ゲルの粒径を任意に制御することが難しいことが判明した。このことは、表面を多価金属ゲル化したアルギン酸アルカリ土類金属ゲルについても同様である。
そこで、本放射性物質除去剤粒子の粒度を調整する方法について検討を重ねたところ、本放射性物質除去剤粒子(乾燥品)当たりのアルギン酸アルカリ金属塩の含有量は少量に過ぎないため、本放射性物質除去剤粒子の粒度には殆ど影響しない。これに対し、アルギン酸アルカリ金属塩ゾルに分散せしめる放射性物質除去機能物質の添加量を調整することによって、本放射性物質除去剤粒子の粒度を制御できることが分かった。すなわち、アルギン酸アルカリ金属塩ゾルに分散せしめる放射性物質除去機能物質の添加量を増減すると、湿潤状態のアルギン酸アルカリ土類ゲル或いは表面を多価金属ゲル化したアルギン酸アルカリ土類金属ゲルの粒径はほぼ一定であるが、その後の乾燥によって収縮する割合が増減するため、本放射性物質除去剤粒子の粒度を制御できることが分かった。
より具体的に言うならば、放射性物質除去機能物質添加量以外の条件を同一とし、放射性物質除去機能物質添加量だけを変化させたアルギン酸アルカリ金属塩ゾルを数種類調製しておき、これらを同一条件で乾燥させて本放射性物質除去剤粒子(乾燥状態)を作製し、それぞれの平均粒径を測定し、放射性物質除去機能物質添加量と本放射性物質除去剤粒子の平均粒径との累乗回帰関係を求めたところ(図3及び図4参照)、放射性物質除去機能物質添加量に比例して本放射性物質除去剤粒子の平均粒径が増減することが判明した。
この際、本放射性物質除去剤粒子の平均粒径は、JIS K 1474活性炭試験方法6.4項の粒度分布の測定方法に準拠して篩試験を行い、通過重量の累積比率(%)が50%となった粒径を平均粒径として求めた。
また、図3は、放射性物質除去機能物質としてベントナイトを単独で添加した場合であり、図4は、混合質量比率1:1でベントナイトと粉末活性炭とを混合した混合物を添加した場合を示したグラフである。
このように、放射性物質除去機能物質添加量と本放射性物質除去剤粒子の平均粒径とは累乗回帰で比例関係にあるため、放射性物質除去機能物質添加量を調整することで所望の平均粒径に制御することができる。
<放射性物質汚染水の処理方法>
本放射性物質除去剤は、例えばろ過カラムのような容器内に充填して充填層を形成し、この充填層に、放射性物質を含む汚染水すなわち放射性物質汚染水(被処理水)を通水することにより、放射性物質を除去することができる。
このように放射性物質汚染水(被処理水)を処理すれば、被処理水から効果的に放射性物質を除去できるばかりか、処理廃棄物としての汚泥スラリーが発生しないというメリットを享受できる。従来使用されてきた放射性物質を除去できる素材の多くは粉末状であるため、放射性物質を含んだ汚染水と接触させた後に固液分離しなくてはならず、その結果、処理装置全体が大きくなるばかりか、固液分離の結果、大量の汚泥が発生するという問題があった。
これに対し、本放射性物質除去剤を用いて上記のように処理すれば、放射性物質汚染水(被処理水)を通水処理することが可能であり、放射性物質は本放射性物質除去剤に直接吸着され、処理水を通水して得ることができるため、凝集沈殿処理装置のような大きな設備が不要となり、かつ、汚泥も発生しないため放射性物質の濃縮減容化という点でも優れている。しかも、各種の放射性物質除去機能物質を組み合わせることによって、複数の核種を一つの充填槽で同時除去することも可能であり、極めて汎用性の高い処理方法といえる。
本放射性物質除去剤粒子の充填密度は、カラム通水時および逆洗時の流動性などの点で0.3〜1.5g/mLであるのが好ましく、中でも0.4g/mL以上或いは1.2g/mL以下であるのが好ましい。
<語句の説明>
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳述する。
<乾燥ゲルの平均粒径の測定>
実施例・比較例で得た放射性物質除去剤について、JIS K 1474活性炭試験方法6.4項の粒度分布の測定方法に準拠して篩試験を行い、通過重量の累積比率(%)が50%となった粒径を平均粒径として求めた。
(実施例1)
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液に4A型ゼオライト粉末を加えて混合し、重量組成比で4A型ゼオライト4.0w/w%、アルギン酸ナトリウム0.8w/w%のアルギン酸ナトリウムゾルを調製した。
これとは別に、塩化カルシウム(4.0w/v%)と塩化第二鉄(1.0w/v%)の混合水溶液を調製した。該混合水溶液をマグネチックスターラーで緩やかに撹拌しながら、前記アルギン酸ナトリウムゾルを、高さ5cm、内径3mmのノズルから25mL/分の速度で液滴を混合水溶液中に滴下させ、30分間ゲル化溶液中に保持し、4mm〜5mm径の球状の湿潤ゲル(アルギン酸ナトリウムゲル)を得た。
次に、得られた湿潤ゲルを、乾燥機で80℃、8時間の乾燥し、平均粒径1.5mmの球状の多孔質体造粒物からなる粉末である放射性物質除去剤を得た。
こうして得られた放射性物質除去剤の粒子を二つに切断し、内面をX線マイクロアナライザーで分析した結果を図5及び図6に示す。
図5及び図6の右側のカラーバーは、上方の色調ほど存在率が高いことを示している。
図5に示されるように、Fe元素マッピング画像では、内部が青色であるのに対して周辺部は緑色を呈しており、鉄元素はゲル内部よりも表層部に密に存在していることが確認できた。
他方、図6に示されるように、Ca元素マッピング画像では、逆に内部が緑色、周辺部が青色を呈していることから、カルシウム元素はゲル表層部よりも内部に密に存在していることが確認できた。
以上の結果、本実施例で得られた放射性物質除去剤粒子については、アルギン酸カルシウムと、放射性物質除去機能物質(4A型ゼオライト)とを含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、該基体粒子の少なくとも表層部にアルギン酸鉄が存在していることが分かった。
また、本実施例で得られた放射性物質除去剤粒子は、図7に示すように、海水浸漬1週間後でも形状を保っており、海水から取出しても十分な硬さを有していた。
(比較例1)
実施例1において、塩化カルシウム(4w/v%)と塩化第二鉄(1w/v%)の混合水溶液を調製し、該混合水溶液中にアルギン酸ナトリウムゾルを滴下する代わり、塩化カルシウム(4w/v%)の水溶液を調製し、該水溶液中にアルギン酸ナトリウムゾルを滴下した以外の点は、実施例1と同様に放射性物質除去剤を作製した。
比較例1で得られた放射性物質除去剤を海水に浸漬し、1日経過後にろ紙上に取出して指を押し付けたところ、図8に示すように、硬さが低下しており、容易に潰れてしまった。海水のようにNaなどのアルカリ金属イオン濃度が高い水に含有される放射性物質の除去用途には適用が難しいことが分かった。
(実施例33)
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液に4A型ゼオライトを加えて混合し、重量組成比で4A型ゼオライト4.0w/w%、アルギン酸ナトリウム0.8w/w%のアルギン酸ナトリウムゾルを調製した。
塩化カルシウム水溶液(4.0w/v%)をマグネチックスターラーで緩やかに撹拌しながら、前記アルギン酸ナトリウムゾルを、高さ5cm、内径3mmのノズルから25mL/分の速度で液滴を、塩化カルシウム水溶液中に滴下させ、30分間ゲル化溶液中に保持し、4mm〜5mm径の球状の湿潤ゲル(アルギン酸ナトリウムゲル)を得た。
次に、このアルギン酸ナトリウムゾルを、塩化第二鉄水溶液(1.0w/v%)に浸漬させて表面処理を行った後、得られた湿潤ゲルを、乾燥機で80℃、8時間の乾燥し、平均粒径1.5mmの球状の多孔質体造粒物からなる粉末である放射性物質除去剤を得た。
このようにして得られた放射性物質除去剤を、海水に浸漬して1週間放置した結果、海水浸漬1週間後でも形状を保っており、海水から取出しても十分な硬さを有していた。
Figure 2014032107
(実施例2−32・49−52・55−58)
放射性物質除去機能物質の種類と量、ゾル化剤としてのアルギン酸アルカリ金属塩(実施例1ではアルギン酸ナトリウム)の種類、ゲル化剤としてのアルキル土類金属塩(実施例1では塩化カルシウムを使用)の種類、表面改質剤としての金属塩(実施例1では塩化第二鉄を使用)の種類を、上記表1に示すように変更した以外は、上記実施例1と同様にして、多孔性粒状放射性物質除去剤を作製した。
実施例2−32、実施例49−52及び実施例55−58のいずれで得た放射性物質除去剤も、海水に浸漬して1週間放置した結果、海水浸漬1週間後でも形状を保っており、海水から取出しても十分な硬さを有していた。
(実施例34−48・53−54・59−60)
放射性物質除去機能物質の種類と量、表面改質剤としての金属塩(実施例33では塩化第二鉄を使用)の種類を、表1に示すように変更した以外は、上記実施例33と同様にして、多孔性粒状放射性物質除去剤を作製した。
実施例33−48、実施例53−54及び実施例59−60のいずれで得た放射性物質除去剤も、海水に浸漬して1週間放置した結果、海水浸漬1週間後でも形状を保っており、海水から取出しても十分な硬さを有していた。
<放射性物質除去率の測定>
処理試験条件は、セシウム(Sc)イオン、ストロンチウム(Sr)イオン及びヨウ素(I)イオンの濃度が各5mg/Lとなるように、塩化セシウム、塩化ストロンチウム及びヨウ化カリウムを、袖ヶ浦市の港湾海水に添加し、原水を調製した。
このようにして調製した原水に、実施例・比較例で得られた放射性物質除去剤を振動ミルで粉砕した粉砕物(平均粒径45μm以下)を5000mg/L添加し、100rpmで6時間連続撹拌による接触処理を行った後、0.45μmのGFフィルターでろ過し、ろ液中のセシウムイオン及びストロンチウムイオンの濃度を原子吸光光度法で、また、ヨウ素イオンの濃度をイオンクロマトグラフ法で測定して、それぞれの除去率(%)を測定した。
なお、原水にヨウ素イオンを添加したのは、活性炭を含む場合のみであり、この場合には遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるように次亜塩素酸ナトリウムの添加を行った。
また、本試験では、放射線を放出していないセシウムイオン、ストロンチウムイオン及びヨウ素イオンの除去率を測定したが、除去のメカニズムを考慮すれば、放射線を放出しているものの除去率も同様であると考えることができる。
Figure 2014032107
実施例1−60で得た放射性物質除去剤はいずれも、アルギン酸のアルカリ土類金属塩を含有する多孔質体粒状体からなる基体粒子表面及び内部に放射性物質除去機能物質を含有するものであり、放射性物質を効果的に吸着除去できることを確認できた。
また、実施例1−60で得た放射性物質除去剤はいずれも、アルギン酸のアルカリ土類金属塩を含有する多孔質体粒状体からなる基体粒子の少なくとも表層部に、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属のアルギン酸金属塩が存在するものであり、海水のようにナトリウム含有量が多い放射性汚染水を処理する場合であっても、アルカリ土類金属がナトリウムと置換することがなく、放射性物質除去剤が膨潤したり、溶解したりするのを防ぐことができることが確認された。よって、海水のようにナトリウム含有量が多い放射性汚染水であっても好適に処理することができることが分かった。

Claims (9)

  1. アルギン酸のアルカリ土類金属塩と、放射性物質除去機能物質とを含有する多孔質体粒状体を基体粒子とし、該基体粒子の少なくとも表層部に、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属のアルギン酸金属塩が存在してなることを特徴とする粒状放射性物質除去剤。
  2. アルギン酸アルカリ金属塩の水溶液中に放射性物質除去機能物質を分散させたゾル状液体を、アルカリ土類金属塩の水溶液中に加えてゲル化させ、得られたゲルを、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属の金属塩の水溶液中に浸漬させ、次いで乾燥させて得られる粒状放射性物質除去剤。
  3. アルギン酸アルカリ金属塩の水溶液中に放射性物質除去機能物質を分散させたゾル状液体を、アルカリ土類金属塩と、ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属の金属塩との混合物の水溶液中に加えてゲル化させ、得られたゲルを乾燥させて得られる粒状放射性物質除去剤。
  4. 放射性物質除去機能物質が、粘土鉱物、難溶性フェロシアン化合物、活性炭及びゼオライトからなる群のうちの1種又は2種以上の組合せからなるものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の粒状放射性物質除去剤。
  5. ナトリウムよりもイオン化傾向の小さな金属が、鉄、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、コバルト及び銅からなる群のうちの1種又は2種以上の組合せからなる金属であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の粒状放射性物質除去剤。
  6. 上記アルカリ土類金属塩が、カルシウム、ストロンチウム又はバリウムの塩であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の粒状放射性物質除去剤。
  7. 上記アルギン酸アルカリ金属塩が、リチウム、ナトリウム又はカリウムのアルギン酸塩であることを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の粒状放射性物質除去剤。
  8. 基体粒子としての多孔質体粒状体の平均粒径は0.5mm以上であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の粒状放射性物質除去剤。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の粒状放射性物質除去剤を含む充填層に、放射性物質を含む汚染水を通水することを特徴とする、放射性物質を含む汚染水の処理方法。
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