JP6069089B2 - 放射性セシウム含有排水の処理方法 - Google Patents

放射性セシウム含有排水の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射性セシウムを含有した焼却灰の洗浄排水のように、放射性セシウムと共にカルシウムを含有する放射性セシウム含有排水を被処理水とする排水の処理方法に関する。
2011年3月11日に我が国を襲った東日本大震災は大津波の発生を伴うものであり、東北地方沿岸部の市町村に壊滅的被害をもたらす未曾有の大災害となった。その津波による被害は東京電力(株)福島原子力発電所にも及び、原子炉冷却施設の機能停止、燃料棒のメルトダウン、水蒸気爆発などを引き起こし、放射性物質放出による環境汚染ならびに施設内の高レベル放射性物質汚染排液の発生という憂慮すべき事態を現出させた。そのため、放射性物質汚染排液から放射性物質を除去することは、日本国が可及的速やかに解決しなければならない課題の一つである。
原子力発電所等の放射性物質取り扱い施設から放出される主な放射性核種として、ウラン−235の核分裂反応により生成されるヨウ素−131(半減期8.02日)などの放射性ヨウ素と、セシウム−137(半減期30.07年)、セシウム−134(半減期2.06年)などの放射性セシウムが挙げられる。
このうち、放射性ヨウ素は、半減期が8日程度と短いため、震災直後には浄水汚泥などから検出され問題となったが、現在では沈静化している。一方、放射性セシウムは、半減期も長く、また東北地方や関東地方に幅広く拡散されたため、放射性セシウムにより汚染された土壌、落葉、瓦礫、下水汚泥、焼却灰の処理が大きな問題となっている。
中でも、放射性セシウムを含有した焼却灰、特に焼却飛灰には、揮発した放射性セシウムが濃縮しているばかりか、放射性セシウムが塩化セシウムとなって極めて水に溶解し易い形態で存在する。そのため、このような焼却灰を洗浄した際に排出される洗浄排水には放射性セシウムが多量に溶解することになる。しかし、水に溶解した状態で存在する放射性セシウムの除染処理技術は未だ確立されていない。
放射性セシウムを除去する技術としては、その結晶格子内にセシウムイオンを選択的に取り入れることができる、フェロシアン化合物(鉄、銅、ニッケル塩など)の立体的特性(図2のb)参照)を利用して、フェロシアン化合物粉末を放射性セシウム含有排水に添加接触させた後、固液分離して放射性セシウム含有量を低減する技術や、粘土結晶格子面上のSiO四面体層の配列により形成された6個の酸素原子による六角形構造にセシウムイオンを選択的に取り入れることができる、モンモリロナイト属の粘土鉱物の立体的特性(図1及び図2のa)参照)を利用して、モンモリロナイト属の粘土鉱物粉末を放射性セシウム含有排水に添加接触させた後、固液分離して放射性セシウム含有量を低減する技術など、セシウム吸着能を有する粉末状の吸着剤に放射性セシウム含有排水を接触させてセシウムを吸着除去する技術が知られている(図1、図2参照)。
しかし、放射性物質吸着能を有する粉末状の吸着剤に放射性物質含有排水を接触させた後に固液分離する方法では、粉末状の吸着剤から水分を分離することが難しいため、固液分離後に放射性物質を含有する大量の汚泥(スラリー)が発生し、その汚泥減容化処理が必要となるという課題を抱えていた。
かかる課題を解決するための手段として、水分を分離させることが比較的容易な粒状の吸着剤を利用する方法や、多孔性素材の表面や空隙部に放射性物質吸着能を有する物質を添着或いは担持させた放射性物質除去物質を利用する方法などが考えられる。
前者の方法に関しては、例えば特許文献1(特開昭56−79999号公報)において、60〜80メッシュ径のX型ゼオライトを湿潤後、硫酸銅水溶液を加えて銅イオンを吸着させたのち、フェロシアン化カリウム水溶液と反応させることにより、ゼオライトの空隙内および各面にフェロシアン化銅を生成させることにより、フェロシアン化金属化合物を添着させる添着方法、および該添着ゼオライトを吸着剤として用いる処理方法が開示されている。
他方、後者の方法に関しては、例えば特許文献2(特開平9−173832号公報)において、多孔性樹脂に低沸点有機溶剤に可溶かつ水に難溶の第四級アンモニウム塩を担持させ、さらにヘキサシアノ鉄(II)酸塩(発明者注:フェロシアン化塩の別名)含有水溶液で処理したのち、この処理物を銅塩含有水溶液と接触させて該樹脂の細孔内にヘキサシアノ鉄(II)酸銅を沈積させ、次いで樹脂内の第四級アンモニウム塩を低沸点有機溶剤で抽出することを特徴とするヘキサシアノ鉄(II)酸銅担持多孔性樹脂の製造方法が開示されている。
また、特許文献3(特公昭62−43519号公報)には、フェロシアン化銅をゼオライトに添着させてなる放射性物質除去物質が開示され、特許文献4(特開平9−173832号公報)には、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅を多孔性樹脂に担持させてなる放射性物質除去物質が開示されている。
さらにまた、特許文献5(特公昭62−43519号公報)には、フェロシアン化銅を粒状活性炭に添着させてなる放射性物質除去物質が開示されている。
特開昭56−79999号公報 特開平9−173832号公報 特公昭62−43519号公報 特開平9−173832号公報 特公昭62−43519号公報 特開2013−68438号公報
放射性物質の除染処理に関しては、処理廃棄物としてのスラリー状汚泥を発生することなく、しかも、できれば、吸着塔などの専用処理設備を建設することなく、処理現場で容易に処理することができることが重要である。
そこで本発明は、放射性セシウムを含有した焼却灰の洗浄排水のように、放射性セシウムが溶解した排水を被処理対象とし、処理廃棄物としてのスラリー状汚泥を発生することなく、しかも、吸着塔などの専用処理設備を建設することなく、処理現場で容易に処理することができる、新たな放射性セシウム含有排水の処理方法を提供せんとするものである。
本発明は、ルギン酸金属塩の水溶液中に放射性物質除去物質を分散させたゾル状液体を作製する工程水溶性放射性セシウムと共にカルシウムを含有する放射性セシウム含有排水である被処理水に、前記ゾル状液体を加えてゲル化させてゲル状薬剤を作成する工程と、前記ゲル状薬剤と前記被処理水とを混合接触させることにより、前記被処理水中の水溶性放射性セシウムを前記ゲル状薬剤に吸着させて、前記被処理水から水溶性放射性セシウムを除去する工程と、前記放射性セシウムを吸着した前記ゲル状薬剤を網目状固液分離手段で捕集して固液分離する工程と、を備えたことを特徴とする放射性セシウム含有排水の処理方法を提案する。
水溶性放射性セシウムと共にカルシウムを含有する排水に対して、アルギン酸金属塩の水溶液中に放射性物質除去物質を分散させたゾル状液体を加えると、ゲル化反応を起こしてゲル(本発明ではこれを「ゲル状薬剤」と称する)を作製することができる。よって、アルギン酸金属塩と放射性物質除去物質を用意しておけば、処理現場において、被処理水である放射性セシウム含有排水の一部又は全部を使用してゲル状薬剤を調製することができる。しかも、このゲル状薬剤を被処理水である放射性セシウム含有排水と混合すれば、排水から水溶性放射性セシウムを吸着除去できるから、吸着塔などの専用処理設備を建設することなく、一連の処理を処理現場において容易に実施することができる。
さらには、水溶性放射性セシウムをゲル状薬剤に吸着させて、水溶性放射性セシウムを吸着したゲル状薬剤は、網、ざる、スクリーンなどの網目状固液分離手段で捕集して固液分離すればよいから、処理廃棄物としてスラリー状汚泥を発生することもないし、乾燥処理する必要もない。
モンモリロナイト系粘土鉱物の酸化ケイ素層の酸素原子配列を模式的に示した図である。 モンモリロナイト系粘土鉱物の酸素の六角形格子内およびフェロシアン化合物結晶の立方格子内に、セシウムイオンを取り込む状態の一例を模式的に示した図である。 実施例46で使用した処理装置の構造を説明するための図である。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本排水処理方法>
本発明を実施するための形態の一例として、放射性セシウムを含有した焼却灰の洗浄排水を被処理水とする放射性セシウム含有排水の処理方法であって、被処理水の一部を利用して、アルギン酸金属塩の水溶液中に放射性物質除去物質を分散させたゾル状液体(「アルギン酸ゾル」とも称する)を、被処理水の当該一部に加えてゲル化させてゲル状薬剤を作製する工程(「ゲル状薬剤調製工程」と称する)と、必要に応じて該被処理水のpHを5以下に調整する工程(「pH調整工程」)と、前記ゲル状薬剤と被処理水とを混合接触させることにより、該被処理水中の水溶性放射性セシウムを当該ゲル状薬剤に吸着させて、当該被処理水から水溶性放射性セシウムを除去する工程(「セシウム除去工程」と称する)と、を備えた放射性セシウム含有排水(以下「本排水処理方法」と称する)について説明する。
<被処理水>
殆どの焼却場では酸性ガス対策で消石灰が煙道噴霧されるため、焼却灰の洗浄水にはカルシウムが高濃度で含有される。よって、放射性セシウムを含有した焼却灰の洗浄排水には、放射性セシウムと共にカルシウムが含有される。
但し、本発明が提案する放射性セシウム含有排水の処理方法の被処理水としては、このような焼却灰の洗浄水に限定されるものではなく、水溶性放射性セシウムと共にカルシウムを含有する排水であればよい。
被処理水中のカルシウム濃度は、特に限定するものではないが、アルギン酸ゾルを加えた時のゲル化反応性の観点から、0.5w/v%以上であるのが好ましく、中でも1w/v%以上或いは4w/v%以下であるのがより一層好ましい。
<ゲル状薬剤調製工程>
被処理水としての焼却灰はカルシウムイオンが溶解しているため、該被処理水の一部を利用して、この一部の被処理水にアルギン酸ゾルを加えると、瞬時にゲル化してゲル状薬剤を作製することができる。
(アルギン酸ゾルの調製)
アルギン酸金属塩を水に溶解して粘稠性の水溶液を作製し、この水溶液に放射性物質除去物質を加えて均一に分散・混合させることでアルギン酸金属塩ゾル(「アルギン酸ゾル」と称する)を作製することができる。
アルギン酸金属塩は、水に可溶であり、粘稠性の水溶液となる。
アルギン酸金属塩の水溶液の濃度としては0.5〜5w/v%が好ましく、中でも1w/v%以上或いは2w/v%以下であるのが特に好ましい。
アルギン酸金属塩の水溶液中に加える放射性物質除去物質の量は、放射性物質除去効率の観点から、アルギン酸金属塩に対して60質量%以上、中でも70質量%以上とするのが好ましい。
(アルギン酸金属塩)
アルギン酸金属塩は、2価以上の金属イオン、例えばバリウムイオンやカルシウムイオンを含有する水中に滴下することにより、瞬時にゲル化反応を起こし、球状造粒物を作ることが知られている。例えば塩化カルシウム水溶液にアルギン酸ナトリウム水溶液を一滴ずつ入れると、アルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムが反応し、アルギン酸ナトリウム水溶液の表面にアルギン酸カルシウム膜が形成され、アルギン酸ナトリウム水溶液が球状になり、所謂人工種子(イクラ)が形成されることが知られている。
よって、カルシウムイオンが溶解している被処理水にアルギン酸ゾルを滴下すると、加えると、瞬時にゲル化反応を起こし、球状造粒物を作ることができる。
アルギン酸金属塩としては、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸リチウム、アルギン酸カリウムなどを挙げることができ、中でも、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸リチウム、アルギン酸カリウムが好ましく、価格などを考慮すると、アルギン酸ナトリウムが特に好適である。
(放射性物質除去物質)
本排水処理方法に用いる放射性物質除去物質は、放射性物質を何らかの手段で捕らえることができる機能を有する物質であれば任意に採用可能である。中でも、粘土鉱物、難溶性フェロシアン化合物、活性炭及びゼオライトからなる群のうち1種の放射性物質除去物質或いは2種類以上の組み合わせからなる放射性物質除去物質を選択して用いるのが好ましい。
粘土鉱物としては、セシウムイオンを選択吸着できる酸素配列の立体構造を持ったものであれば何れでもよく、特に限定するものではない。モンモリロナイト属あるいはカオリナイト属のように、粘土結晶格子面上のSiO四面体層の配列により形成された6個の酸素原子による六角形構造(図1)を有しているものが好適であり、ALO八面体層の両面をSiO四面体層が挟んだ形状の三層構造をしているモンモリロナイト属、或いは、ALO八面体層とSiO四面体層からなる二層構造をしているカオリナイト属の粘土鉱物が特に好適である。
これらの粘土鉱物としては、Na形モンモリロナイトであるベントナイト、H形モンモリロナイトである酸性白土、これらを酸処理して可溶性陽イオンを溶出させて表面活性を高めた活性白土、およびカオリン(白陶土)が挙げられる。
このように、粘土鉱物は、放射性セシウムを選択的に除去することができ、結晶構造に基づく選択吸着が有効であることから、モンモリロナイト系粘土鉱物、難溶性フェロシアン化合物、天然ゼオライトが有効である。中でも、難溶性フェロシアン化合物が特に好ましい。
難溶性フェロシアン化合物としては、例えばFe塩、Ni塩、Cu塩、Co塩など難溶性フェロシアン化合物を挙げることができ、中でも価格などを考慮すると、Fe塩(紺青)が好適である。
この種の難溶性フェロシアン化合物は、放射性セシウムを選択的に除去することができる。
活性炭としては、例えば石炭系、ヤシ殻系、木質系など、あらゆる種類の活性炭粉末を利用することができ、この種の活性炭は、塩素酸化法との併用で、放射性ヨウ素を除去することができる。
ゼオライトは、天然ゼオライト、合成ゼオライトのいずれでもよい。
この種のゼオライトは、高い陽イオン交換能を有していることから放射性陽イオン核種を除去することができる。よって、放射性セシウムのほかにも、放射性ストロンチウムを除去することもできる。特に、4A型合成ゼオライトはストロンチウムの選択除去性が高いことが知られている。
但し、難溶性フェロシアン化合物のセシウム吸着性は極めて高いため、処理条件などによっては、処理後の放射性物質吸着材における放射能汚染レベルが高くなり過ぎてしまい、処理後の放射性物質吸着材を処理することが困難になる可能性がある。
そのため、放射性物質除去機能物質として難溶性フェロシアン化合物を用いる際は、前記ゾル状液体中の難溶性フェロシアン化合物の含有量が0.01〜5w/w%、中でも2w/w%以下、その中でも1w/w%以下に調整するのが好ましい。
具体的には、ゾル状液体中に難溶性フェロシアン化合物と、粘土鉱物、活性炭及びゼオライトからなる群のうちから選ばれる1つ以上の非フェロシアン化合物とを組み合わせて放射性物質吸着材を含有させると共に、前記難溶性フェロシアン化合物と前記非フェロシアン化合物と水の合計量に対する難溶性フェロシアン化合物の含有割合を0.01〜5w/w%、中でも2w/w%以下、その中でも1w/w%以下に調整するのが好ましい。
(ゲル化)
前述のように、被処理水としての焼却灰はカルシウムイオンが溶解しているため、該被処理水の一部を利用して、この一部の被処理水にアルギン酸ゾルを加えると、瞬時にゲル化してゲル状薬剤を作製することができる。
好ましくは、被処理水の一部を採取して、緩やかに撹拌した該被処理水中にアルギン酸ゾル(ゾル状液体)を内径2mm〜3mmのノズルから液滴を滴下させることにより、前記放射性物質除去物質を均一に包含したアルギン酸カルシウムゲルを作製することができる。
この際、ゲル化剤を被処理水に添加することにより、アルギン酸ゾル(ゾル状液体)のゲル化を促進させるのが好ましい。
ゲル化剤としては、2価以上の金属塩を使用することができ、例えばバリウム、カルシウム、銅等の塩が挙げられる。具体的には例えば塩化バリウム、塩化カルシウム、硫酸銅、塩化第二鉄等を挙げることができ、中でもカルシウム塩が価格や取扱上の安全性などの理由で特に好ましい。
カルシウム塩としては、塩化物塩、臭化物塩、硝酸塩など、水溶性のカルシウム塩であれば特に限定するものではない。価格などを考慮すると、塩化カルシウムが好適である。
カルシウム塩水溶液の濃度としては特に限定するものではないが、上記と同様に、0.5w/v%以上であるのが好ましく、中でも1w/v%以上或いは4w/v%以下であるのがより一層好ましい。
<pH調整工程>
ゾル状液体と被処理水を混合接触させる前に、必要に応じて該被処理水のpHを酸性領域、好ましくはpH5以下、中でもpH3〜5に調整するのが好ましい。
例えば難溶性フェロシアン化合物を放射能汚染水に加えると、pHが高いほどフェロシアン化合物が処理水中に溶解して全シアン量が増えることになる。これに対し、難溶性フェロシアン化合物を被処理水に加える際、被処理水のpHを低くすれば、難溶性フェロシアン化合物の溶解を抑えることができることが判明した。よって、放射性セシウムを含有する放射能汚染水のpHを酸性領域に調整することで、フェロシアン化合物の溶解を抑えることができる。
その一方で、被処理水のpHを下げ過ぎると、難溶性フェロシアン化合物のセシウム選択吸着性が低下してしまうことが分かってきた。そこで、被処理水のpHは3〜5に調整するのが特に好ましい。
被処理水を酸性領域、好ましくはpH5以下に調整する手段としては、被処理水に塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸などの酸を添加する方法を挙げることができる。
<セシウム分離工程>
前記ゲル状薬剤と被処理水とを混合接触させることで、被処理水に溶解している水溶性放射性セシウムはゲル状薬剤に均一に吸着される。そのため、被処理水から放射性セシウムを除去することができると同時に、処理後のゲル状薬剤の放射能汚染レベルを均一にすることができる。
これに対し、ゲル状薬剤をカラムに充填して、被処理水を通水するような固定床的な方法では、流入側のゲル状薬剤に放射性セシウムが集中的に吸着されるため、この部分の放射能汚染レベルが顕著に高くなり、この部分のゲル状薬剤を後処理することが困難になってしまう。
この際、前記ゲル状薬剤と被処理水とを混合接触させる方法としては、撹拌機による撹拌混合、ポンプなどを用いた水流による撹拌混合、ガスを用いたガス撹拌、循環撹拌などを挙げることができる。
前記ゲル状薬剤と被処理水とを混合接触させた後は、放射性セシウムを吸着した前記ゲル状薬剤を、網、ざる、スクリーンなどの網目状固液分離手段で捕集して固液分離することができる。
このように本排水処理方法によれば、被処理水から効果的に放射性物質を除去できるばかりか、処理廃棄物としての汚泥スラリーが発生しないというメリットを享受できる。従来使用されてきた放射性物質を除去できる素材の多くは粉末状であるため、放射性物質を含んだ汚染水と接触させた後に固液分離しなくてはならないという問題点があり、除外装置が大きくなるばかりか、固液分離の結果、大量の汚泥が発生するという問題があった。これに対し、本排水処理方法によれば、被処理水を通水処理して、網目状固液分離手段で捕集して簡単に固液分離することが可能であるから、吸着塔や凝集沈殿処理装置などのような大きな設備が不要となり、かつ、汚泥も発生しないため放射性物質の濃縮減容化という点でも優れている。
また、全てのゲル状薬物が均一濃度の被処理水と接触させることができるため、処理後のゲル状薬剤の放射能汚染レベルを均一にすることができる。
<その他>
なお、上記実施形態の説明では、被処理水の一部を利用してゲル状薬剤を作製する例を示したが、例えば一つの反応槽内で、被処理水にアルギン酸ゾルを加えてゲル状薬剤を作製すると同時に、該ゲル状薬剤に被処理水中の水溶性放射性セシウムを吸着させるようにしてもよい。
<語句の説明>
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわら
ない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳述する。
<試験1>
実施例で被処理水とした排水は、放射性セシウムを含有した焼却灰の洗浄排水であり、放射性セシウム濃度500Bq/L、カルシウム濃度0.5w/v%(5,000mg/L)、pH12.0であった。
実施例1〜8では、1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液に難溶性フェロシアン化合物を混合し、重量組成比で難溶性フェロシアン化合物13.0w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%を含有する原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。
実施例1〜8では、被処理水に硫酸を添加することにより、被処理水のpHを表1に示す値(「処理pH」)に調整し、撹拌機で緩やかに撹拌しながら、前記原料ゾル溶液を、高さ5cm、内径3mmのノズルから25mL/分の速度で液滴を当該被処理水中に滴下させ、30分間撹拌しながらそのままの状態を保持し、4mm〜5mm径の球状の湿潤ゲル(「アルギン酸ゲル」と称する)を得た。
内容量15Lの樹脂製容器内において、前記被処理水10Lと前記アルギン酸ゲル1Lとを混合して撹拌機で60分撹拌した後、網目大きさ1mmのスクリーンを使用して固液分離して、アルギン酸ゲルを捕集すると共に処理水を得た。
得られた処理水中のセシウム濃度は、放射能濃度等測定方法ガイドライン(環境省、平成23年12月)に準拠してゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリーにより放射能(Bq/L)を測定した。
また、得られた処理水中の全シアン濃度は、工場排水試験方法JIS K 0102(2008年)38.1.2項に記載された方法に準拠して測定した。
被処理水のカルシウム濃度、pH、原料ゾル溶液組成を変化させた場合の実施例を[表1]に示す。
Figure 0006069089
(結果)
実施例1〜8の全てにおいて、原水の放射性セシウム濃度500Bq/Lに比べて、処理水の放射性セシウム濃度は有効に減少した。
その中で、被処理水のpHを6〜9に調整した実施例5〜8では、処理水の放射性セシウム濃度を検出限界未満まで減少させることができた。但し、全シアンがリークしたことが確認された。これに対し、被処理水のpHを3〜5に調整した実施例2〜4の場合には、処理水の放射性セシウム濃度を検出限界未満まで減少させることができ、しかも、全シアンのリークも検出されなかった。
<試験2>
実施例9〜16は、上記試験1の処理方法において、被処理水に塩化カルシウムを加えて、被処理水のカルシウム濃度を1.58w/v%とした。また、試験1と同様に、アルギン酸ゲルと混合接触させる前に、被処理水に硫酸を添加することにより、被処理水のpHを表2に示す値(「処理pH」)にそれぞれ調整した。これ以外の点については試験1と同様に処理水を得た。
そして、試験1と同様の方法で、各pH毎に処理水中のセシウム濃度及び全シアン濃度を測定した。
Figure 0006069089
(結果)
実施例9〜16の全てにおいて、原水の放射性セシウム濃度500Bq/Lに比べて、処理水の放射性セシウム濃度は有効に減少した。
その中で、被処理水のpHを6〜9に調整した実施例13〜16では、処理水の放射性セシウム濃度を検出限界未満まで減少させることができた。但し、全シアンがリークしたことが確認された。これに対し、被処理水のpHを3〜5に調整した実施例9〜5の場合には、処理水の放射性セシウム濃度を検出限界未満まで減少させることができ、しかも、全シアンのリークも検出されなかった。
<試験3>
実施例17〜23では、上記試験1の処理方法において、1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液に、難溶性フェロシアン鉄と共にカオリンを混合し、難溶性フェロシアン化合物0.013〜1.3w/w%、カオリン13w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。また、アルギン酸ゲルと混合接触させる前に、硫酸を被処理水に添加することにより、何れも被処理水のpHを5に調整した。これ以外の点については試験1と同様に処理水を得た。
そして、試験1と同様の方法で処理水中のセシウム濃度及び全シアン濃度を測定した。
Figure 0006069089
(結果)
実施例17〜23の全てにおいて、処理水の放射性セシウム濃度を検出限界未満まで減少させることができ、しかも、全シアンのリークも検出されなかった。
<試験4>
実施例24〜30では、上記試験1の処理方法において、被処理水に塩化カルシウムを加えて、被処理水のカルシウム濃度を0.86w/v%とした。
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液に、難溶性フェロシアン化合物と共に粉末活性炭を混合し、難溶性フェロシアン化合物0.013〜1.3w/w%、活性炭13w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%を含有する原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。
また、アルギン酸ゲルと混合接触させる前に、硫酸を被処理水に添加することにより、何れも被処理水のpHを8に調整した。これ以外の点については試験1と同様に処理水を得た。
そして、試験1と同様の方法で処理水中のセシウム濃度及び全シアン濃度を測定した。
Figure 0006069089
(結果)
実施例24〜30は、被処理水のpHを8に調整し、且つ原料ゾル溶液中に粉末活性炭を含有させた例である。これら実施例24〜30の全てにおいて、処理水の放射性セシウム濃度を検出限界未満まで減少させることができ、しかも、全シアンのリークも検出されなかった。
また、原料ゾル溶液中に粉末活性炭を含有させて、フェロシアン化鉄の濃度を0.013w/w%としても、処理水の放射性セシウム濃度を検出限界未満まで減少させることができることを確認することができた。
これより、原料ゾル溶液中の難溶性フェロシアン化合物の含有量が0.01w/w%以上であれば、処理水の放射性セシウム濃度を検出限界未満まで減少させることができると考えられる。
<試験5>
実施例31では、上記試験1の処理方法において、被処理水に塩化カルシウムを加えて、被処理水のカルシウム濃度を0.86w/v%とした。
1w/v%のアルギン酸カリウム水溶液に、難溶性フェロシアン化合物と共にカオリンおよび粉末活性炭を混合し、難溶性フェロシアン化合物0.013〜1,3w/w%、カオリン6.5w/w%、活性炭6.5w/w%、アルギン酸カリウム0.9w/w%を含有する原料ゾル溶液(アルギン酸カリウムゾル)を調製した。
また、アルギン酸ゲルと混合接触させる前に、硫酸を被処理水に添加することにより、何れも被処理水のpHを5に調整した。これ以外の点については試験1と同様に処理水を得た。
そして、試験1と同様の方法で処理水中のセシウム濃度及び全シアン濃度を測定した。
Figure 0006069089
(結果)
実施例31は、被処理水のpHを5に調整し、且つアルギン酸カリウムを使用し、原料ゾル溶液中にカオリン6.5w/w%および粉末活性炭を6.5w/w%を含有させた例である。この実施例31においても、処理水の放射性セシウム濃度を検出限界未満まで減少させることができ、しかも、全シアンのリークも検出されなかった。
<試験6>
実施例32では、上記試験1の処理方法において、被処理水に塩化カルシウムを加えて、被処理水のカルシウム濃度を0.86w/v%とした。
1w/v%のアルギン酸リチウム水溶液に、難溶性フェロシアン化合物と共にカオリンおよび粉末活性炭を混合し、難溶性フェロシアン化合物0.013〜1.3w/w%、カオリン6.5w/w%、活性炭6.5w/w%、アルギン酸カリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液(アルギン酸リチウムゾル)を調製した。
また、アルギン酸ゲルと混合接触させる前に、硫酸を被処理水に添加することにより、何れも被処理水のpHを5に調整した。これ以外の点については試験1と同様に処理水を得た。
そして、試験1と同様の方法で処理水中のセシウム濃度及び全シアン濃度を測定した。
Figure 0006069089
(結果)
実施例32は、被処理水のpHを5に調整し、且つアルギン酸リチウムを使用し、原料ゾル溶液中にカオリン6.5w/w%および粉末活性炭を6.5w/w%を含有させた例である。この実施例32においても、処理水の放射性セシウム濃度を検出限界未満まで減少させることができ、しかも、全シアンのリークも検出されなかった。
<試験7>
実施例33〜38では、上記試験1の処理方法において、被処理水に塩化コバルトを加えて、被処理水のカルシウム濃度0.50w/v%、コバルト濃度を1.36w/v%とした。
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液に、難溶性フェロシアン化合物と共にカオリンおよび粉末活性炭を混合し、難溶性フェロシアン化合物0.13w/w%、カオリン6.5w/w%、活性炭6.5w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。
また、アルギン酸ゲルと混合接触させる前に、塩酸を被処理水に添加することにより、被処理水のpHを4〜9の範囲で調整した。これ以外の点については試験1と同様に処理水を得た。
そして、試験1と同様の方法で、各pH毎に処理水中のセシウム濃度及び全シアン濃度を測定した。
Figure 0006069089
(結果)
実施例33〜38のいずれにおいても、処理水の放射性セシウム濃度を検出限界未満まで減少させることができ、しかも、全シアンのリークも検出されなかった。
<試験8>
実施例39〜44では、上記試験1の処理方法において、被処理水に塩化ニッケルを加えて、被処理水のカルシウム濃度を0.50w/v%、ニッケル濃度を1.36w/v%とした。
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液に、難溶性フェロシアン化合物と共に、粉末4A型ゼオライトおよび粉末活性炭を混合し、難溶性フェロシアン化合物0.13w/w%、ゼオライト6.5w/w%、活性炭6.5w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。また、アルギン酸ゲルと混合接触させる前に、塩酸を被処理水に添加することにより、被処理水のpHを4〜9の範囲で調整した。これ以外の点については試験1と同様に処理水を得た。
そして、試験1と同様の方法で、各pH毎に処理水中のセシウム濃度及び全シアン濃度を測定した。
Figure 0006069089
(結果)
実施例39〜44のいずれにおいても、処理水の放射性セシウム濃度を検出限界未満まで減少させることができ、しかも、全シアンのリークも検出されなかった。
<試験9>
実施例45では、被処理水の放射性セシウム濃度が100Bq/Lであること以外は実施例10と同条件で処理を行った後、本発明の放射性物質吸着ゲルを任意の場所から試料1、試料2、試料3を3点試料採取して放射能を測定したところ、それぞれ7,500、7,300、7,500Bq/kgであり、ほぼ均一な放射能レベルであった。
これに対し、比較例1では、実施例10と同一の原料ゾル溶液を、実施例4と同一のpH、カルシウム濃度のゲル化液中に内径3mmのノズルを介して液面高さ5cmから滴下してゲル化後、50℃で12時間乾燥させて作成した多孔質放射性物質吸着剤を、内径40mmのカラムに層厚400mmとなるよう充填し、実施例45と同一の被処理水500Lを通水速度LV10m/m/時で通水した。
処理後の吸着剤を、通水入口側と出口側に二分割して採取し射能を測定したところ、それぞれ15,500Bq/kg(wet)および100Bq/kg(wet)未満であり、入口側の吸着剤に集中して吸着され、著しく高い放射能レベルとなっていた。
実施例46では、図3に示した装置を用いて、放射性セシウムを含む放射能濃度80Bq/L、pH7.5、カルシウム濃度5,500mg/Lの被処理水100Lを処理槽に導入後、被処理水を撹拌機で緩やかに撹拌しながら、実施例37と同様の原料ゾル溶液1Lを滴下してアルギン酸ゲルを形成せしめ、さらに2時間撹拌を継続した。処理後終了後、目開き2mmのスクリーンを介して、アルギン酸ゲルと処理水を分離したところ、処理水の放射能濃度は10Bq/L未満、全シアンは0.01mg/L未満となり、処理後のアルギン酸ゲルの放射能濃度は6,500Bq/kgであった。
<参照実施例>
上記実施例は、放射性物質除去物質として、主に難溶性フェロシアン化合物を使用したものであるが、粘土鉱物、活性炭、ゼオライトなども放射性物質除去効果を発揮することを示すために、下記参照実施例1〜31及び参照参考例32〜34を示す。
なお、下記参照実施例1〜31及び参照参考例32〜34の製造条件を表9に、処理試験結果を表10に示した。
また、参照実施例における各物性の評価方法は次のようであった。
(放射性物質除去率の測定)
処理試験条件は、セシウムイオン及びヨウ素イオンの濃度が各5mg/Lとなるように塩化セシウム及びヨウ化カリウムを水道水に添加し、このようにして調製した原水に、実施例で得られた乾燥ゲルを振動ミルで粉砕した粉砕物(平均粒径45μm以下)を5000mg/L添加し、100rpmで6時間連続撹拌による接触処理を行った後、0.45μmのGFフィルターでろ過し、ろ液中のセシウムイオンを原子吸光光度法及びヨウ素イオンの濃度をイオンクロマトグラフ法で測定して、それぞれの除去率を測定した。
なお、原水にヨウ素イオンを添加したのは、活性炭を含む本発明剤の場合のみであり、この場合には遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるように次亜塩素酸ナトリウムの添加を行った。
また、本試験では、放射線を放出していないセシウムイオン及びヨウ素イオンの除去率を測定したが、除去のメカニズムを考慮すれば、放射線を放出しているものの除去率も同様であると考えることができる。
(湿潤ゲルの粒径の測定)
湿式の篩い分け法によって湿潤ゲルの粒径を測定した。
(乾燥ゲルの平均粒径の測定)
JIS K 1474活性炭試験方法6.4項の粒度分布の測定方法に準拠して篩試験を行い、通過重量の累積比率(%)が50%となった粒径を平均粒径として求めた。
(参照実施例1)
1w/v%のアルギン酸ナトリウム水溶液にベントナイトを混合し、重量組成比でベントナイト2.0w/w%、アルギン酸ナトリウム1.0w/w%の原料ゾル溶液(アルギン酸ナトリウムゾル)を調製した。これとは別に、ゲル化溶液として4w/v%の塩化カルシウム水溶液を調製した。このゲル化溶液をマグネチックスターラーで緩やかに撹拌しながら、前記原料ゾル溶液を、高さ5cm、内径3mmのノズルから25mL/分の速度で液滴を滴下させ、30分間ゲル化溶液中に保持し、4mm〜5mm径の球状の湿潤ゲル(アルギン酸ナトリウムゲル)を得た。得られた湿潤ゲルを、乾燥機で115℃、8時間の乾燥をし、平均粒径1.5mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、上記のように放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
なお、原料ゾル溶液を内径2mmのノズルから液滴を滴下させ、粒径の小さい球状湿潤ゲルを得ることを試みたが、ノズル内径を小さくしても得られる球状湿潤ゲルの粒径は同様に4mm〜5mm径であり、ノズル径を変えても球状湿潤ゲル径は同様であった。
(参照実施例2)
重量組成比でベントナイト7.4w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4〜5mm径の球状の湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させ、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例3)
重量組成比でベントナイト21w/w%、アルギン酸ナトリウム0.8w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを実施例1同様に乾燥させ、平均粒径2.5mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
参照実施例1〜3の結果から分かるように、原料ゾル溶液のベントナイト添加量を変化させることで、球状の多孔質体造粒物(「乾燥ゲル」)の粒径を、それぞれ平均粒径1.5mm、2.0mm、2.5mmと精度良く制御することができた。
また、それぞれの参照実施例について複数回行ったところ、いずれも平均粒径の変動係数が5%未満範囲内となるように精度良く制御することができた。
(参照実施例4)
アルギン酸ナトリウム水溶液濃度を0.5w/v%とし、重量組成比でベントナイト7.4w/w%、アルギン酸ナトリウム0.5w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例5)
アルギン酸ナトリウム水溶液濃度を2w/v%とし、重量組成比でベントナイト7.4w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例6)
アルギン酸ナトリウム水溶液濃度を3w/v%とし、重量組成比でベントナイト7.4w/w%、アルギン酸ナトリウム1.8w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
参照実施例4〜6の結果から分かるように、原料ゾル溶液のベントナイト添加量が同一であれば、アルギン酸ナトリウム水溶液の濃度を0.5〜3w/v%の範囲で変化させても、球状の多孔質体造粒物(乾燥ゲル)の粒径は、いずれも平均粒径2.0mmに精度良く制御できた。
また、それぞれの参照実施例について複数回行ったところ、いずれも平均粒径の変動係数が5%未満範囲内となるように精度良く制御することができた。
(参照実施例7)
ゲル化溶液の塩化カルシウム濃度を0.5w/v%とし、重量組成比でベントナイト7.4w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例8)
ゲル化溶液の塩化カルシウム濃度を1w/v%とし、重量組成比でベントナイト7.4w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例9)
ゲル化溶液の塩化カルシウム濃度を2w/v%とし、重量組成比でベントナイト7.4w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例10)
ゲル化溶液の塩化カルシウム濃度を3w/v%とし、重量組成比でベントナイト7.4w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例11)
ゲル化溶液の塩化カルシウム濃度を5w/v%とし、重量組成比でベントナイト7.4w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法で滴下液のゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
参照実施例2及び参照実施例7〜11の結果から分かるように、原料ゾル溶液のベントナイト添加量が同一であれば、ゲル化溶液の塩化カルシウム溶液の濃度を0.5〜5w/v%の範囲で変化させても、球状の多孔質体造粒物(乾燥ゲル)の粒径は、いずれも平均粒径2.0mmに精度良く制御できた。
また、それぞれの参照実施例について複数回行ったところ、いずれも平均粒径の変動係数が5%未満範囲内となるように精度良く制御することができた。
(参照実施例12)
アルギン酸ナトリウム水溶液に替えてアルギン酸カリウムの1w/v%水溶液を用い、重量組成比でベントナイト7.4w/w%、アルギン酸カリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例13)
アルギン酸ナトリウム水溶液に替えてアルギン酸リチウムの1w/v%水溶液を用い、重量組成比でベントナイト7.4w/w%、アルギン酸カリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法で滴下液のゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
参照実施例2及び参照実施例12、13の結果から分かるように、原料ゾル溶液のベントナイト添加量が同一であれば、アルギン酸塩をナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩の何れかの水溶性アルギン酸塩に替えても、球状の多孔質体造粒物(乾燥ゲル)の粒径は、いずれも平均粒径2.0mmに精度良く制御できた。
また、それぞれの参照実施例について複数回行ったところ、いずれも平均粒径の変動係数が5%未満範囲内となるように精度良く制御することができた。
(参照実施例14)
ゲル化溶液の塩化カルシウム溶液に替えて、硝酸カルシウムの4w/v%水溶液とし、重量組成比でベントナイト7.4w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例15)
ゲル化溶液の塩化カルシウム溶液に替えて、臭化カルシウムの4w/v%水溶液とし、重量組成比でベントナイト7.4w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
参照実施例2及び参照実施例14、15の結果から分かるように、原料ゾル溶液のベントナイト添加量が同一であれば、ゲル化溶液のカルシウム塩を塩化物、硝酸化物、臭化物の何れかの水溶性カルシウム塩に替えても、球状の多孔質体造粒物(乾燥ゲル)の粒径は、いずれも平均粒径2.0mmに精度良く制御できた。
また、それぞれの参照実施例について複数回行ったところ、いずれも平均粒径の変動係数が5%未満範囲内となるように精度良く制御することができた。
(参照実施例16)
重量組成比でベントナイト0.7w/w%、活性炭0.7w/w%、アルギン酸ナトリウム1.0w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径1.5mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるよう次亜塩素酸ナトリウムを添加した以外は参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例17)
重量組成比でベントナイト2.4w/w%、活性炭2.4w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるよう次亜塩素酸ナトリウムを添加した以外は参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例18)
重量組成比でベントナイト6.1w/w%、活性炭6.1w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.5mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるよう次亜塩素酸ナトリウムを添加した以外は参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
参照実施例16〜18の結果から分かるように、ベントナイトと活性炭の混合物の場合でも、原料ゾル溶液のベントナイト添加量および活性炭添加量を変化させることで、球状の多孔質体造粒物(乾燥ゲル)の粒径を、それぞれ平均粒径1.5mm、2.0mm、2.5mmと制御することができた。
また、それぞれの参照実施例について複数回行ったところ、いずれも平均粒径の変動係数が5%未満範囲内となるように精度良く制御することができた。
(参照実施例19)
重量組成比でゼオライト2.5w/w%、アルギン酸ナトリウム1.0w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径1.5mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例20)
重量組成比でゼオライト7.8w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例21)
重量組成比でゼオライト14w/w%、アルギン酸ナトリウム0.8w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.5mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
参照実施例19〜21の結果から分かるように、ゼオライトの場合でも原料ゾル溶液のベントナイト添加量および活性炭添加量を変化させることで、球状の多孔質体造粒物(乾燥ゲル)の粒径を、それぞれ平均粒径1.5mm、2.0mm、2.5mmと制御することができた。
また、それぞれの参照実施例について複数回行ったところ、いずれも平均粒径の変動係数が5%未満範囲内となるように精度良く制御することができた。
(参照実施例22)
重量組成比でゼオライト1.3w/w%、活性炭1.3w/w%、アルギン酸ナトリウム1.0w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径1.5mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるよう次亜塩素酸ナトリウムを添加した以外は参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例23)
重量組成比でゼオライト5.0w/w%、活性炭5.0w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるよう次亜塩素酸ナトリウムを添加した以外は参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例24)
重量組成比でゼオライト8.0w/w%、活性炭8.0w/w%、アルギン酸ナトリウム0.8w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.5mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるよう次亜塩素酸ナトリウムを添加した以外は参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
参照実施例22〜24の結果から分かるように、ベントナイトと活性炭の混合物の場合でも、原料ゾル溶液のベントナイト添加量および活性炭添加量を変化させることで、球状の多孔質体造粒物(乾燥ゲル)の粒径を、それぞれ平均粒径1.5mm、2.0mm、2.5mmと制御することができた。
また、それぞれの参照実施例について複数回行ったところ、いずれも平均粒径の変動係数が5%未満範囲内となるように精度良く制御することができた。
(参照実施例25)
重量組成比でベントナイト0.7w/w%、ゼオライト0.7w/w%、活性炭0.7w/w%、アルギン酸ナトリウム1.0w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径1.5mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるよう次亜塩素酸ナトリウムを添加した以外は参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例26)
重量組成比でベントナイト2.6w/w%、ゼオライト2.6w/w%、活性炭2.6w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるよう次亜塩素酸ナトリウムを添加した以外は参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例27)
重量組成比でベントナイト5.0w/w%、ゼオライト5.0w/w%、活性炭5.0w/w%、アルギン酸ナトリウム0.8w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.5mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるよう次亜塩素酸ナトリウムを添加した以外は参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
参照実施例25〜27の結果から分かるように、ベントナイトとゼオライトと活性炭の3種の混合物の場合でも、原料ゾル溶液のベントナイト添加量、ゼオライト添加量および活性炭添加量を変化させることで、球状の多孔質体造粒物(乾燥ゲル)の粒径を、それぞれ平均粒径1.5mm、2.0mm、2.5mmと制御することができた。
また、それぞれの参照実施例について複数回行ったところ、いずれも平均粒径の変動係数が5%未満範囲内となるように精度良く制御することができた。
(参照実施例28)
重量組成比で紺青8.0w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例29)
重量組成比で紺青4.0w/w%、活性炭4.0w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるよう次亜塩素酸ナトリウムを添加した以外は参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例30)
重量組成比で紺青4.0w/w%、ベントナイト4.0w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法でゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを参照実施例1同様に乾燥させて、平均粒径2.0mmの球状の多孔質体造粒物(表の「乾燥ゲル」)を得た。
そして、参照実施例1と同様の処理試験を行い、上述のように放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照実施例31)
重量組成比で紺青3.0w/w%、ベントナイト3.0w/w%、活性炭3.0w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法で滴下液のゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを乾燥し、平均粒径2.0mmの乾燥球状物を得た。また、遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるよう次亜塩素酸ナトリウムを添加した以外は参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
参照実施例28〜31の結果、紺青、紺青と活性炭の混合物、紺青とベントナイトの混合物、紺青とベントナイトと活性炭の混合物の場合でも、原料ゾル溶液のベントナイト添加量、紺青添加量および活性炭添加量を変化させることで、球状の多孔質体造粒物(乾燥ゲル)の粒径を平均粒径2.0mmに制御することができた。
また、それぞれの参照実施例について複数回行ったところ、いずれも平均粒径の変動係数が5%未満範囲内となるように精度良く制御することができた。
(参照参考例32)
重量組成比でカオリン8.0w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法で滴下液のゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを乾燥し、平均粒径2.0mmの乾燥球状物を得た。参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照参考例33)
重量組成比で酸性白土8.0w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法で滴下液のゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを乾燥し、平均粒径2.0mmの乾燥球状物を得た。参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
(参照参考例34)
重量組成比で酸性白土8.0w/w%、アルギン酸ナトリウム0.9w/w%の原料ゾル溶液を調製した以外は参照実施例1と同様の方法で滴下液のゲル化を行い、4mm〜5mm径の球状湿潤ゲルを得た。得られた湿潤ゲルを乾燥し、平均粒径2.0mmの乾燥球状物を得た。参照実施例1と同様に放射性物質除去率を測定し、結果を表10に示した。
参照参考例32〜34の結果から分かるように、カオリン、酸性白土、活性白土の場合でも原料ゾル溶液のベントナイト添加量、紺青添加量および活性炭添加量を変化させることで、乾燥球状物の粒径を平均粒径2.0mmに制御することができた。
(参照実施例35)
参照実施例2で作成したベントナイトの平均粒径2.0mmの球状放射性物質除去物質を内径150mmのカラムに層厚300mm充填し、水道水にセシウムイオン5.0mg/Lおよびストロンチウムイオン5.0mg/Lとなるように調製した原水を空塔速度SV=2[m−原水/m−充填剤/時]で通水処理を行ったところ、通水開始24時間後の状態で、セシウムイオン、ストロンチウムイオン共に、0.01mg/L未満となった。
(参照実施例36)
参照実施例17で作成したベントナイトおよび活性炭の平均粒径2.0mmの球状放射性物質除去物質を内径150mmのカラムに層厚300mm充填し、水道水にセシウムイオン5.0mg/L、ヨウ素イオン5.0mg/Lおよびストロンチウムイオン5.0mg/Lとなるように調製した原水に遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるように次亜塩素酸ナトリウムを添加し、空塔速度SV=2[m−原水/m−充填剤/時]で通水処理を行ったところ、通水開始24時間後の状態で、セシウムイオン、ヨウ素イオン、ストロンチウムイオン共に、0.01mg/L未満となった。
(参照実施例37)
参照実施例26で作成したベントナイト、ゼオライトおよび活性炭の平均粒径2.0mmの球状放射性物質除去物質を内径150mmのカラムに層厚300mm充填し、水道水にセシウムイオン5.0mg/L、ヨウ素イオン5.0mg/Lおよびストロンチウムイオン5.0mg/Lとなるように調製した原水に遊離残留塩素が0.5mg/Lとなるように次亜塩素酸ナトリウムを添加し、空塔速度SV=2[m−原水/m−充填剤/時]で通水処理を行ったところ、通水開始24時間後の状態で、セシウムイオン、ヨウ素イオン、ストロンチウムイオン共に、0.01mg/L未満となった。
Figure 0006069089
Figure 0006069089

Claims (4)

  1. ルギン酸金属塩の水溶液中に放射性物質除去物質を分散させたゾル状液体を作製する工程
    水溶性放射性セシウムと共にカルシウムを含有する放射性セシウム含有排水である被処理水に、前記ゾル状液体を加えてゲル化させてゲル状薬剤を作成する工程と、
    前記ゲル状薬剤と前記被処理水とを混合接触させることにより、前記被処理水中の水溶性放射性セシウムを前記ゲル状薬剤に吸着させて、前記被処理水から水溶性放射性セシウムを除去する工程と、
    前記放射性セシウムを吸着した前記ゲル状薬剤を網目状固液分離手段で捕集して固液分離する工程と、
    を備えたことを特徴とする放射性セシウム含有排水の処理方法。
  2. 前記ゾル状液体と前記放射性セシウム含有排水の被処理水を混合接触させる前に、2価以上の金属イオンを前記被処理水に添加することによりゲル化を促進させることを特徴とする、請求項1に記載の放射性セシウム含有排水の処理方法。
  3. 前記放射性物質除去物質が、粘土鉱物、難溶性フェロシアン化合物、活性炭及びゼオライトからなる群のうちの1種又は2種以上の組合せからなるものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の放射性セシウム含有排水の処理方法。
  4. 前記放射性物質除去物質として難溶性フェロシアン化合物を用いる際は、前記ゾル状液体中の難溶性フェロシアン化合物の含有量が0.01〜w/w%となるように調整することを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の放射性セシウム含有排水の処理方法。
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