JP2010101136A - 定着用鉄筋 - Google Patents

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俊三 山本
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Abstract

【課題】 定着部材が装着された位置よりも先端側に突出する部分を短くしつつ十分な定着力を確保し、かつ、定着部材を離脱した状態で挿通作業をする場合においてもその後の装着を確実に実行できる定着用鉄筋を提供する。
【解決手段】 鉄筋1の先端にスリーブ体2が連結されるとともに、このスリーブ体の中空領域内面20に雌ネジが構成されてなる定着部材被装着部と、上記雌ネジに螺合する雄ネジを備えた装着手段3と、この装着手段の雄ネジ部31が挿通できる貫通孔41を有する定着部材4とを備えている。定着部材は、装着手段により鉄筋先端のスリーブ体に着脱可能に構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、柱や梁等に配設される鉄筋であって、その先端を定着し得る構造の定着用鉄筋に関するものである。
打設されるコンクリートに鉄筋を定着させるための方法としては、鉄筋を折り曲げて定着部を構成するものが周知であった。しかし、柱と梁が交差する位置においては、折り曲げた鉄筋が集中するなどの不具合があり、プレート状の定着部材を鉄筋に装着する方法が採用されている。そこで、従来の定着部材は、主筋と呼ばれる鉄筋に同軸で摩擦圧接された雄ネジ部材を設け、この雄ネジ部材を定着プレートの貫通孔を挿通させたうえ、両側をナットで固定する構成のもの(特許文献1)、および、同様に鉄筋に摩擦圧接されたねじ体に、螺合する雌ねじを有する定着板を螺合させるもの(特許文献2)があった。
特開2001−12012号公報(2頁、図1) 特開2001−159214号公報(4頁、図1,図3)
上記の従来技術は、いずれも定着部材(定着板)を装着すべき鉄筋の先端に雄ネジ部を構成し、この雄ネジ部にナット(または雌ネジを有する定着板)を螺合することで、定着部材(定着板)の位置を鉄筋の軸線上に装着するものであった。
しかしながら、鉄筋側に雄ネジを設け、定着部材(定着板)をナット等で固定する構成とする場合、鉄筋の軸線方向に作用する引っ張り力に対し、これに抗するための定着部材(定着板)が、ナット等の螺合部分によって支えられることとなるものであった。すなわち、定着部材は、当該定着部材よりも先端側に位置するナットの存在によって、その先端に向かう移動が抑止される結果として、鉄筋に作用する引っ張り力に抗することができ、定着板は、螺合状態にある雌ネジが雄ネジ部と螺合している範囲において、鉄筋の軸線方向に移動が抑止されて引っ張り力に抗することができるものであった。これは、雄ネジ部とナット等の雌ネジとが螺合する範囲において、ネジ山が当接するネジ溝の表面が分散して引っ張り力に抗する構成であるため、上記雌ネジが螺合するネジピッチの数が少ない場合には抗力が減少することとなっていた。そして、この抗力を増加させるためにはピッチ数を多くすることが必要となり、ナット等の厚さ寸法を大きくすることとなるが、その結果、定着部材から突出する部分が長くなり、または、定着板が厚肉になるものであった。
また、上記の従来技術は、定着部材(定着板)が着脱可能であるため、定着部材(定着板)を鉄筋から離脱させた状態で配筋し、その後に定着部材(定着板)を装着することが可能となるものである。これは、鉄筋を配筋する際、狭い空隙部を刺し通すとき、または、鉄筋と併設される鉄骨に貫通孔を設けて刺し通すときに、定着部材(定着板)が障害となることを回避するものである。しかし、定着部材(定着板)を離脱させた状態の鉄筋先端部分は、雄ネジ部が露出した状態となり、上記のような空隙部または貫通孔を挿通させる際、雄ネジ部が周辺の鉄筋や鉄骨等に接触することとなるから、雄ネジ部のネジ山が損傷し、上記挿通作業の後にナット等を螺合させることが困難となる場合があった。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、定着部材が装着された位置よりも先端側に突出する部分を短くしつつ十分な定着力を確保し、かつ、定着部材を離脱した状態で挿通作業をする場合においてもその後の装着を確実に実行できる定着用鉄筋を提供することである。
そこで、本発明は、鉄筋の先端にスリーブ体が連結されるとともに、このスリーブ体の中空領域内面に雌ネジが構成されてなる定着部材被装着部と、上記雌ネジに螺合する雄ネジを有する装着手段により上記定着部材被装着部に装着される定着部材とを備え、上記定着部材を着脱可能に構成してなることを特徴とする定着用鉄筋を要旨とする。
上記構成によれば、定着部材被装着部は、雌ネジを有するスリーブ体で構成されていることから、スリーブ体の中空領域内面に設けられた雌ネジが外部と接触することがないのである。また、このスリーブ体の内部に装着手段の雄ネジを螺合させることにより、スリーブ体とその内部に挿入された装着手段とが一体となって、鉄筋と同様の強度を得ることができる。スリーブ体の雌ネジは、中空領域に設けられるところ、この中空領域は比較的長尺な区間に構成することができ、その中空領域内面に設けられる雌ネジは相当程度の長さを有することとなるから、多くのピッチ数をもって雄ネジが螺合できることとなる。なお、これらのスリーブ体は定着部材よりも鉄筋側に配置されることから、定着部材よりも外方に突出する部分を小さく構成することができる。
また、本発明は、鉄筋の先端にスリーブ体が連結されるとともに、このスリーブ体の中空領域内面に雌ネジが構成されてなる定着部材被装着部と、上記雌ネジに螺合する雄ネジを備えた装着手段と、この装着手段の雄ネジ部が挿通できる貫通孔を有する定着部材とを備え、上記定着部材を着脱可能に構成してなることを特徴とする定着用鉄筋を要旨とする。
上記構成によれば、装着手段の雄ネジ部を定着部材に挿通させることにより、定着部材から雄ネジ部を突出させることができ、この雄ネジ部をスリーブ体の雌ネジに螺合させることにより、鉄筋すなわち定着部材被装着部に装着することができることとなる。なお、装着手段は、ボルトのような構造とすることにより、ボルトの頭部に相当する部分が、定着部材に作用する軸線方向の引っ張り力に抗することとなる。そして、ボルトのような構造であれば、頭部に相当する部分のみが定着部材から外方に突出することとなるから、その突出長さは極めて短いものとなる。
上記発明においては、スリーブ体の先端縁に、定着部材の表面を所定面積で当接する定着部材当接部を構成することが可能である。この場合、装着手段によって定着部材をスリーブ体に装着する際、定着部材の片方表面を上記定着部材当接部に当接させ、他方表面を装着手段の本体部分(例えば、ボルトの頭部)を当接させることにより、両者で定着部材を挟んで固定させることができる。このとき、スリーブ体の雌ネジと装着手段の雄ネジとの遊びを解消できるので、定着部材による定着状態を安定させることとなる。
また、上記いずれかの発明における装着手段として、定着部材と一体的に構成されて該定着部材から突出する棒状部材の表面に雄ネジが刻設されてなる構成としたものを使用することができる。この場合、装着手段は定着部材から片方にのみ棒状部材を突出させる構成とすることができることから、定着部材から外方に突出する部分をなくすことができる。
さらに、本発明は、鉄筋の先端にスリーブ体が連結されるとともに、このスリーブ体の中空領域内面に雌ネジが構成されてなる定着部材被装着部と、上記鉄筋と同径の短尺鉄筋の一端から所定範囲に雄ネジを刻設してなる装着手段と、上記短尺鉄筋が挿通され、かつ、他端付近を膨出させることによって固定された定着部材とを備え、上記定着部材を着脱可能に構成してなることを特徴とする定着用鉄筋をも要旨としている。
上記構成によれば、鉄筋に作用する軸線方向の引っ張り力に対して、膨出された部分(以下、膨出部という)が定着部材の位置変動を抑制することとなる。この膨出部は、装着手段を構成する短尺鉄筋と同一材料で、かつ一体的に構成されることから、短尺鉄筋と同じ強度をもって定着部材を固定することとなる。また、膨出部は、定着部材に挿通されるとともに、雄ネジが刻設されない側の先端において定着部材の挿通孔よりも大径に膨出されればよく、鉄筋の軸線方向に突出するものではないから、定着部材から外方に突出する長さを小さくすることができる。
また、本発明は、鉄筋の先端にスリーブ体が連結されるとともに、このスリーブ体の中空領域内面に雌ネジが構成されてなる定着部材被装着部と、上記鉄筋と同径の短尺鉄筋の一端に上記スリーブ体と同種のスリーブ体を連結してなる定着部材装着部と、両側に雄ネジを刻設して上記両スリーブ体と同時に螺合できる装着手段と、上記短尺鉄筋が挿通され、かつ、他端付近を膨出させることによって固定された定着部材とを備え、上記定着部材を着脱可能に構成してなることを特徴とする定着用鉄筋をも要旨とする。
上記構成によれば、鉄筋側および定着部材側の双方にスリーブ体が設けられていることから、この両スリーブ体に同時に螺合する装着手段によって連結することにより、結果的に定着部材を鉄筋に装着することが可能となる。また、定着部材は短尺鉄筋を膨出させた部分によって固定されるので、定着部材から外方に突出する部分を小さくし、かつ、定着部材を強固に固定することができる。
本発明によれば、定着部材を鉄筋から離脱させた状態においては、ネジ溝がスリーブ体の内部に存在することとなり、当該ネジ部分が外部に露出することがないため、鉄筋の配設作業時にネジ部分が損傷させることがない。また、ボルトのような構成の装着手段を使用する場合には、当該ボルトの頭部に相当する部分のみが定着部材よりも外方に位置し、さらに、短尺鉄筋を膨出させた部分によって固定する場合においても、その膨出部分のみが定着部材よりも外方に位置することとなるから、先端に向かって突出する部分を短くすることができる。そして、ボルトのような構成の装着手段および膨出部を備える装着手段を使用する場合には、頭部に相当する部分または膨出部分によって定着部材の装着状態を維持させることができ、さらに、スリーブ体との間において適宜範囲の螺合ができることから、鉄筋との連結状態を良好にすることができ、これにより、十分な定着力を確保し得ることとなる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明の第一の実施形態は、図1に示すように、鉄筋1の先端にスリーブ体2を連結し、このスリーブ体2に対して着脱可能な装着部材(装着手段)3によって、定着部材4を挟持するものである。なお、本実施形態における装着部材3はメートルネジが刻設された一般的な六角ボルトが使用されている。
この図に示されているように、スリーブ体2は、全体形状を筒状に形成されており、その長手方向の約半分が鉄筋1の先端を被覆するように配置され(以下、この部分を連結領域21という)、残りの約半分が、中空領域22として鉄筋1の先端から突出するように配置されている。そして、中空領域22には、雌ネジが刻設されており、スリーブ体2の全長によって異なるものの、相当程度の範囲で雄ネジの螺合を可能にしている。これにより、鉄筋1とスリーブ体2とで定着部材被装着部が形成されるのである。また、定着部材4は、貫通孔41を有する厚肉板状に形成されており、装着部材3の雄ネジ31が挿通できるようになっている。
ここで、上記スリーブ体2は、定着用鉄筋の主たる部分である長尺な鉄筋1の先端部に装着されるものであるところ、かかる鉄筋1として異形鉄筋を使用し、スリーブ体2の連結領域21を絞り加工することにより、当該連結領域21の内面が異形鉄筋の節部分に係合する状態で強固に連結されるものである。他方、中空領域22においては、中空の状態では強度に欠けることとなり得るが、この中空領域22に装着部材3の雄ネジ部31が螺合することにより、両者が相俟って一本の棒状部材を形成することとなり、鉄筋1と同等またはそれ以上の強度を得ることができるものである。そして、図示のように、相当範囲において螺合させることにより、少なくとも、鉄筋1に対する軸線方向Xの引っ張り力に対する強度は十分に保持し得るものである。
このように構成された本実施形態においては、装着部材3の着脱操作により、定着部材4を着脱可能にしているのである。そして、定着部材4が装着される状態では、定着部材4の片方表面42はスリーブ体2の端面に当接し、他方表面43が装着部材3の頭部32に当接することとなり、装着部材3の雄ネジ部31を螺進させることによって、定着部材4を挟持させることとなるのである。
また、定着部材4を装着させた状態において、装着部材3の頭部32は、定着部材4の外方にされ、当該定着部材4の離脱を防止し、当該定着部材4による本来的な定着効果を発揮させている。つまり、定着部材4は、柱や梁の終端などに設けられ、コンクリートを打設して構成される鉄筋コンクリートが外力を受ける際に鉄筋が軸線方向に移動することを防止するためのものであるから、この定着部材4が移動することは、本来の定着効果を発揮しないこととなるのである。そこで、鉄筋1の軸線方向Xに作用する引っ張り力に対し、定着部材4が、その表面で移動を制限するのであるが、そのときの抵抗力は、定着部材4が鉄筋1から外向き(遠ざかる方向)に作用し、そのため、定着部材4が離脱しないように制止させることが必要となるのであり、この離脱方向に装着部材3の頭部32が存在することにより、上記抵抗力を得られるようにしているのである。
このように、定着部材4を強固に装着することは、定着用鉄筋に要求される本来的な機能であるが、問題となるのは、非常に狭い間隙を挿通させなければならない場合、または、内部に鉄骨部分を配設してなるSRC構造(いわゆる鉄骨鉄筋コンクリート構造)の場合である。このような場合には、鉄筋1に対して鍔状に設けられる定着部材を分離しなければ配筋することが困難であった。
そこで、図2に示すように、本実施形態では、装着部材3の雄ネジ部31をスリーブ体2から離脱させることにより、当該装着部材3および定着部材4をスリーブ体2から分離させることができるのである。これにより、鉄筋1の先端にはスリーブ体2のみが連結した状態となり、鉄筋1の周辺に鍔状に張り出した定着部材4が存在しないために狭い間隙や貫通孔などをも挿通させることが可能となるのである。しかも、上記のように装着部材3および定着部材4を分離した状態におけるスリーブ体2は、内部にのみ雌ネジが刻設されているため、配筋すべき場所の周辺に存在する他の鉄筋や鉄骨などにスリーブ体2が接触した場合であっても、内部の雌ネジに到達することはなく、当該雌ネジ23のネジ溝が潰れるようなことはないのである。なお、スリーブ体2の中空領域22は、一個所のみが開口する容器状になっているため、この中空領域22にゴミが溜まることも予想されるが、装着部材3を装着するまでの間は簡易なキャップCPを装着することが可能である。
また、鉄筋1の先端にスリーブ体2を連結した状態においては、鉄筋1の外径よりもスリーブ体2の外径が大きくなるものであるが、図2に示されているように、スリーブ体2は、鉄筋1と同軸上に設けられて鉄筋1の一部を構成するものであり、定着部材4の外径に比較すれば遙かに小径であるから、狭い間隙を挿通させる際の障害になることはないのである。
本実施形態は、上記のような構成であるから、通常の配筋作業の場合には、予めスリーブ体2に定着部材4を装着した状態で配筋することができ、また、鉄筋が集中する場所またはSRC構造における鉄骨を挿通させる必要のある場所における作業では、スリーブ体2のみが鉄筋1に連結された状態で配筋し、当該配筋が終了した後に定着部材4をスリーブ体2に装着することで、定着用鉄筋を形成させることが可能となる。
次に、第二の実施形態について説明する。本実施形態は、図3に示すように、第一の実施形態における装着部材3に代えて、定着部材104と一体的に設けられた棒状部材105によって装着手段を構成したものである。すなわち、装着手段は、定着部材4,104をスリーブ体2,102に装着するためのものであるところ、第一の実施形態では、ボルトによる装着部材3により定着部材4を固定するものであったが、第二の実施形態では、雄ネジ部31が定着部材4と一体的に構成するものである。
本実施形態の詳細を説明すれば、定着部材104は、本体部分が所定の面積および肉厚を有する板状部材であり、貫通孔を設けることなく、片方表面の中心から突出する棒状部材105が設けられ、この棒状部材105の表面に雄ネジ151が刻設されているものである。そして、この雄ネジは、スリーブ体102の中空領域122に設けられる雌ネジに螺合できるように構成されているのである。従って、棒状部材105の雄ネジ151をスリーブ体102の雌ネジに螺合させることにより、定着部材104の装着が完了し、かつ、定着部材104の固着力は、螺合するネジの強度と同じであり、相当程度の範囲で螺合させることにより、上記強度は向上するものである。また、定着部材104の他方表面は、平滑な平面状に構成されることから、定着部材104から外方に突出する部分を皆無にすることができるのである。
本実施形態は、上記のような構成であるから、定着部材104を着脱させるためには、定着部材104を回転させることによって、棒状部材105の雄ネジ151を進退させることによるものである。本実施形態では、定着部材104の固定状態は、ネジの螺合状態によるため、雄ネジ151の螺合長さが重要であって、締め付け力そのものは大きな影響はない。従って、レンチ等による強固な締め付けは不要となり、容易に離脱しない程度に(容易に定着部材104が回転しない程度に)締め付けられていればよいのである。従って、着脱作業には、特殊な工具を必要とせず、手作業においても十分となる。
次に、第三の実施形態について説明する。図4に示すように、本実施形態は、主筋等に使用される鉄筋201と同種の短尺鉄筋205を使用するものである。この図に示しているように、定着部材204は貫通孔241が穿設されており、短尺鉄筋205が挿通可能になっている。そして、短尺鉄筋205は、一方の先端から所定範囲に雄ネジ251が刻設され、他方の先端には膨出部252が設けられている。この膨出部252は、短尺鉄筋205を加熱したうえで軸線方向に圧縮することによって、周辺に膨らませて構成されてものである。また、膨出部252に接近する部分の外径も拡大することから、定着部材204の貫通孔241の内側に位置する部分が拡大して、当該貫通孔241の内面に密着することとなる。
このように構成された本実施形態は、第一に、膨出部252によって定着部材204が短尺鉄筋205から抜け落ちることを防止し、さらに、使用時における鉄筋201の軸線方向の引っ張り力に対して、定着部材204の対抗力を保持することができるものである。第二に、定着部材204の貫通孔241の内面に短尺鉄筋205の表面が密着することから、定着部材204を短尺鉄筋205に一体的に構成することができる。
このような構成から、短尺鉄筋205の雄ネジ部251がスリーブ体202の内部に螺合することにより、同種材料による鉄筋201,205が連結されることとなり、定着部材204を強固に装着することができる。しかも、定着部材204の定着力を担保するための膨出部252は、特開2006−194069号において、本願の出願人が提案しているように、定着用鉄筋に好適であるから、本実施形態は、定着部材204の離脱を十分に防止できる構成である。なお、本実施形態における膨出部252を構成するためには、前掲の特開2006−194069号公報において開示される方法を採用することが可能である。
なお、本実施形態における膨出部252は、短尺鉄筋205の先端部分を軸線方向に圧縮して構成されるものであるため、定着部材204から突出する短尺鉄筋205は、上記圧縮により縮小されて僅かな突出長さとなるものである。
上記第三の実施形態の鉄筋201と短尺鉄筋205との連結方法を変更したものを第四の実施形態として説明する。図5に示すように、本実施形態は、短尺鉄筋205の一方の先端にスリーブ体(第二のスリーブ体)206を連結したものであり、これを定着部材装着部と称する。上記第二のスリーブ体206は、鉄筋201に連結されるスリーブ体202と同じものである。そして、この両スリーブ体202,206を対向させた状態で、両端に雄ネジを刻設した第二の装着手段(連結ネジ)207によって連結するのである。このような構成は、鉄筋201および短尺鉄筋205のいずれについても鉄筋本来の強度を保持させ、これをスリーブ体202,206による連結方法によって、予め想定した螺合状態により連結することができ、各部材の強度を保持させることができる。特に、スリーブ体202,206の内部に空隙を発生させないようにすることができるから、スリーブ体202,206が破損することを回避できるのである。
本実施形態において、スリーブ体202,206の構成を全く同一とする場合、両スリーブ体202,206は同じ雌ネジ(例えば、両方とも右ネジ)を有することとなり、短尺鉄筋205に連結したスリーブ体206に連結ネジ207を螺着した後、連結ネジ107を鉄筋201のスリーブ体202に装着する際、短尺鉄筋205を上記螺着時と同じ方向に回転させることにより、連結ネジ207は螺着状態を維持しつつ鉄筋201のスリーブ体202に螺合することが可能となる。
また、上記スリーブ体202,206が同種の構造でありながら、異なる雌ネジ(例えば、一方が右ネジで他方が左ネジ)とする場合には、両スリーブ体202,206を回転させる(短尺鉄筋205を回転させる)のではなく、連結ネジ207の両側の雄ネジ部先端をそれぞれのスリーブ体202,206の雌ネジに当てながら、その連結ネジ207を回転させることにより、同時に両側の雄ネジを両スリーブ体202,206に螺合させることができる。なお、連結ネジ207を回転させるときには、中央に設けられる非螺合部を使用することが可能である。
このように、両スリーブ体202,206は、いずれの形態とする場合においても、鉄筋201のスリーブ体202と、短尺鉄筋205のスリーブ体206とを連結ネジ207によって連結することができるものである。このことから、連結ネジ207は装着手段(第二の装着手段)として機能するものである。
本発明の実施形態は以上のとおりであるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様をとることが可能である。例えば、第一の実施形態におけるスリーブ体2の先端縁は、先細り形状とすることも可能であるが、図2において示されているように、所定面積を有する平面状の定着部材当接部24を構成することができる。この場合、定着部材4の一方表面が上記定着部材当接部24に密着することとなり、装着部材3が定着部材4の他方表面を押圧することにより、雌ネジ23のネジ溝と雄ネジ部31のネジ山との間で生じる遊びを解消することができる。このような遊びを解消することにより、結果的に、鉄筋1と定着部材4との遊びを解消し、鉄筋1に対して引っ張り力が作用するとき、定着部材4による定着力が即座に作用することとなる。
また、第一の実施形態における装着部材3は、一般的な六角ボルトを使用することとしたが、この六角ボルトは、市販されているものの中から、所定強度を備えたものを選択すればよい。また、第三および第四の実施形態では、装着手段を構成するために膨出部252を設けているが、この形態においては、定着部材204の貫通孔241に短尺鉄筋205が密着するように構成されるため、定着部材204を回転させることにより短尺鉄筋205の雄ネジ部251を回転させることができる。しかし、定着部材204の貫通孔241に短尺鉄筋205が密着しない形態の場合、雄ネジ部251の螺合に必要な回転は、膨出部252を回転させることとなる。そこで、この膨出部252を回転させる際の引っ掛かりを得るために、ロックナットに採用されるような切欠部を2または4個構成する形態としてもよい。同様に、第四の実施形態において、連結ネジ207を回転させる場合には、中央の非螺合部を六角形に形成することにより、スパナ等の器具を使用することが容易となる。
本発明の第一の実施形態を示す断面図である。 第一の実施形態の詳細を示す説明図である。 本発明の第二の実施形態を示す断面図である。 本発明の第三の実施形態を示す断面図である。 本発明の第四の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1,101,201 鉄筋
2,102,202 スリーブ体
3 装着手段(装着部材)
4,104,204 定着部材
21 連結領域
22 中空領域
23 雌ネジ
24 定着部材当接部
31 雄ネジ部
32 頭部
41,241 貫通孔
42 一方表面
43 他方表面
105 棒状部材
205 短尺鉄筋
206 第二のスリーブ体
207 連結ネジ(第二の装着手段)
251 雄ネジ部
252 膨出部
CP 簡易キャップ

Claims (6)

  1. 鉄筋の先端にスリーブ体が連結されるとともに、このスリーブ体の中空領域内面に雌ネジが構成されてなる定着部材被装着部と、上記雌ネジに螺合する雄ネジを有する装着手段により上記定着部材被装着部に装着される定着部材とを備え、上記定着部材を着脱可能に構成してなることを特徴とする定着用鉄筋。
  2. 鉄筋の先端にスリーブ体が連結されるとともに、このスリーブ体の中空領域内面に雌ネジが構成されてなる定着部材被装着部と、上記雌ネジに螺合する雄ネジを備えた装着手段と、この装着手段の雄ネジ部が挿通できる貫通孔を有する定着部材とを備え、上記定着部材を着脱可能に構成してなることを特徴とする定着用鉄筋。
  3. 前記スリーブ体の先端縁には、前記定着部材の表面を所定面積で当接する定着部材当接部が構成されてなる請求項2記載の定着用鉄筋。
  4. 前記装着手段は、前記定着部材と一体的に構成されて該定着部材から突出する棒状部材の表面に雄ネジが刻設されてなる装着手段である請求項1ないし3のいずれかに記載の定着用鉄筋。
  5. 鉄筋の先端にスリーブ体が連結されるとともに、このスリーブ体の中空領域内面に雌ネジが構成されてなる定着部材被装着部と、上記鉄筋と同径の短尺鉄筋の一端から所定範囲に雄ネジを刻設してなる装着手段と、上記短尺鉄筋が挿通され、かつ、他端付近を膨出させることによって固定された定着部材とを備え、上記定着部材を着脱可能に構成してなることを特徴とする定着用鉄筋。
  6. 鉄筋の先端にスリーブ体が連結されるとともに、このスリーブ体の中空領域内面に雌ネジが構成されてなる定着部材被装着部と、上記鉄筋と同径の短尺鉄筋の一端に上記スリーブ体と同種のスリーブ体を連結してなる定着部材装着部と、両側に雄ネジを刻設して上記両スリーブ体と同時に螺合できる装着手段と、上記短尺鉄筋が挿通され、かつ、他端付近を膨出させることによって固定された定着部材とを備え、上記定着部材を着脱可能に構成してなることを特徴とする定着用鉄筋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013147905A (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 Shimizu Corp 鉄筋コンクリート造の非構造壁の配筋構造
KR101370329B1 (ko) 2013-04-18 2014-03-06 엘케이테크 주식회사 철근 결합구
CN111236538A (zh) * 2020-02-24 2020-06-05 徐州市城市轨道交通有限责任公司 用于混凝土结构中控制钢筋保护层厚度的卡具及施工工艺

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