JP7052699B2 - 材料試験機 - Google Patents
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Description
材料試験機は、一般に、試験対象の試験片に負荷を与える負荷機構と、試験片に与えられている負荷を測定するロードセルと、を備えている。また、負荷機構は、ロードセルに取り付ける継手と、継手に接続する試験治具と、を備えている。試験片は試験治具に取り付けられる。
しかも、試験片に与える負荷が大きい試験では、その大きい負荷に耐えるよう、継手の強度を高める必要があり、必然的に継手の質量も大きくなる。
第2の発明によれば、第1雌ねじ部と第2雌ねじ部とが連通しているため、アダプタの軽量化を図ることができる。それにより、試験治具の交換を容易にすることができる。
第3の発明によれば、アダプタの棒状体の中間部が端部の雄ねじ部よりも小径になっており、その小径の中間部に対応する筒状体の内周面の部分に突起部が突出している。そのため、筒状体を棒状体から抜こうとしても、突起部が雄ねじに引っ掛かり、筒状体が抜けないようにすることができる。それにより、予期しない筒状体の脱落による事故を防止することができる。
図1は実施形態に係る材料試験機1の正面図である。
本実施形態の材料試験機1は、図1に示すように、引張力および圧縮力の両方の負荷を試験片40に与える試験を行う試験機であり、試験片40に負荷を与える負荷機構2と、試験片40に与えられている負荷を測定するロードセル3と、を備えている。また、負荷機構2は、ロードセル3に取り付ける継手4と、この継手4にピン5により接続(ピン接続)するアダプタ50と、このアダプタ50にねじ接続する上部試験治具(引張圧縮試験用の試験治具)6と、を備えている。このように、材料試験機1において、アダプタ50を設け、そのアダプタ50を介して継手4と上部試験治具6とを接続している。
負荷機構2は、さらに、テーブル7と、テーブル7に立設された一対の支柱8と、支柱8の上部間を横架するフレーム9と、各支柱8の内部に回転自在に設けられた不図示のボールねじと、ボールねじの回転に応じて上下動するクロスヘッド10と、を備えている。このクロスヘッド10の上面に、ロードセル3が設置されている。
アダプタ50の下端部には、上部試験治具6がねじ接続されており、その上部試験治具6の下方のテーブル7には、下部試験治具11が設けられている。これら上下一対の試験治具6,11は、試験片40の両端部を把持して取り付けるための取り付け部6a,11aを有している。これら取り付け部6a,11aにより、試験片40に引張力および圧縮力が与えられても、試験片40の両端部が試験治具6,11から外れないようになっている。
アダプタ50は、図2および図3に示すように、略円柱状の棒状体20と、この棒状体20と同軸に設けられる略円筒状の筒状体30と、を有している。これら棒状体20および筒状体30の材料としては、負荷に耐えられる金属などが挙げられる。
筒状体30の上部外周壁には、図2に示すように、対向する一対の貫通孔33が筒状体30の中心軸に向かって設けられ、それら貫通孔33には雌ねじ部34が形成されている。各雌ねじ部34には、ボルト35が螺合し、それらボルト35の先端部35aが筒状体30の内周面から突出している。その突出している位置は、棒状体20の小径部22に対応する部分となっている。さらに、筒状体30の中間部の外周面に、複数の穴部36が同じ高さ位置に形成されている。
筒状体30の下端部には、第1雌ねじ部32と同軸に第2雌ねじ部38が形成されている。その第2雌ねじ部38には、試験冶具6の雄ねじ部6bが螺合する。この実施形態では、第1雌ねじ部32と第2雌ねじ部38とが、一つの貫通孔31に一連に雌ねじを形成して構成されているが、第1雌ねじ部32と第2雌ねじ部38とは連通していなくてもよい。
筒状体30の上端面37は、継手4の下端面41に当接する。筒状体30の外径と、継手4の外径とはほぼ等しく、上端面37と下端面41とはほぼ同じ面積になっている。
この上部試験治具6は、ねじ接続をするための雄ねじ部6bを有している。
ここで、アダプタ50のピン接続と上部試験治具6のねじ接続とは、順番が逆でもよい。すなわち、上部試験治具6をアダプタ50にねじ接続した後に、そのアダプタ50を継手4にピン接続してもよい。
図2に示すように、アダプタ50のピン接続が可能となるよう、継手4の下端面41に、棒状体20の頭部21を挿入可能とする凹部4bが形成されており、その凹部4bの周側部にピン孔4aが形成されている。
また、ロックナットである筒状体30を回して締め、筒状体30の上端面37を継手4の下端面41に接合させた状態では、ピン接続のピン5の周側面が、アダプタ50のピン孔21aの内周面および継手4のピン孔4aの内周面に圧接している。これにより、ピン接続ががたつかない状態になっている。
この状態では、試験片40に引張力および圧縮力の両方の負荷を与えても、上部試験治具6が継手4から外れることがないだけでなく、試験片40が上部試験治具6および下部試験治具11から外れることもない。そのため、この状態で引張圧縮試験を行うことができる。
引張試験を行う場合は、まず、図4に示すアダプタ50のピン接続と逆の手順で、アダプタ50のロックナットである筒状体30を回して緩め、ピン接続のピン5を抜き、アダプタ50を上部試験治具6と共に継手4から取り外す。次いで、図5に示すように、アダプタ50のピン接続と同様にして、継手4におけるピン接続用のピン孔4aと、上部試験治具60におけるピン接続用のピン孔61aとを同軸状に位置決めしてから、それらピン孔4a,61aにピン5を挿入する。このようにして、上部試験治具60を継手4にピン接続する。また、不図示の下部試験治具も引張試験用に交換する。この状態で、引張試験を行うことができる。
また、継手4にピン接続されるアダプタ50と引張試験用の上部試験治具60との交換は、ピン5の抜き差しにより安全に行うことができる。
また、筒状体30の内周面における突起部がなくても、継手4の交換が不要であるだけでなく、引張圧縮試験にも対応できるという所期の目的を達成することができる。
3 ロードセル
4 継手
4a ピン孔
5 ピン
6 上部試験治具
11 下部試験治具
20 棒状体
21a ピン孔
22 小径部
23 雄ねじ部
30 筒状体(ロックナット)
32 第1雌ねじ部
35a 先端部(突起部)
38 第2雌ねじ部
40 試験片
50 アダプタ
60 上部試験治具
Claims (3)
- 引張力および圧縮力の両方の負荷を試験片に与える試験を行う材料試験機であって、
前記負荷を測定するロードセルに取り付ける継手と、前記試験片を取り付ける試験治具と、を接続するアダプタを備え、
前記アダプタは、前記継手にピン接続される棒状体と、前記棒状体と同軸に設けられる筒状体と、を有し、
前記棒状体は、端部に雄ねじ部が形成され、
前記筒状体は、前記雄ねじ部と螺合する第1雌ねじ部が内周面に形成され、前記継手の端面に接合するロックナットになっており、
前記筒状体は、前記試験治具の雄ねじ部と螺合する、前記第1雌ねじ部と同軸の第2雌ねじ部が形成されている
ことを特徴とする材料試験機。 - 前記第1雌ねじ部と前記第2雌ねじ部とが連通している
ことを特徴とする請求項1に記載の材料試験機。 - 前記棒状体は、長手方向の中間部が前記雄ねじ部よりも小径になっており、
前記筒状体は、前記小径の中間部に対応する前記内周面の部分に突出する突起部を有しており、
前記突起部が前記筒状体の抜け止めになっている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の材料試験機。
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