JP2010099864A - ミスト回収装置、液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ターゲットに対する印刷品質を維持しつつ、液体噴射装置内にて発生したミストを確実に回収することができるミスト回収装置、及び同ミスト回収装置を備えた液体噴射装置を提供する。
【解決手段】記録紙12を支持可能な支持面が単位ヘッド23のノズル形成面に対して対向するように配置され、且つ支持面上には吸引された場合に負圧を発生可能な長孔28が開口形成されたプラテン27と、プラテン27の長孔28に対して連通した負圧室と、負圧室内に負圧を発生させることで、ノズルからのインク噴射に基づき単位ヘッド23とプラテン27との間に発生したインクミストを、長孔28を介して負圧室内に吸引する誘引送風機33とを備え、長孔28は、プラテン27の支持面において、単位ヘッド23のノズルからのインクの吐出方向でノズルに対して対向する位置に開口するように形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】記録紙12を支持可能な支持面が単位ヘッド23のノズル形成面に対して対向するように配置され、且つ支持面上には吸引された場合に負圧を発生可能な長孔28が開口形成されたプラテン27と、プラテン27の長孔28に対して連通した負圧室と、負圧室内に負圧を発生させることで、ノズルからのインク噴射に基づき単位ヘッド23とプラテン27との間に発生したインクミストを、長孔28を介して負圧室内に吸引する誘引送風機33とを備え、長孔28は、プラテン27の支持面において、単位ヘッド23のノズルからのインクの吐出方向でノズルに対して対向する位置に開口するように形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、液体噴射装置内にて発生したミストを回収するためのミスト回収装置、及び該ミスト回収装置を備えた液体噴射装置に関する。
一般に、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)のノズルからターゲットに対してインク(液体)を噴射する液体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)が広く知られている。こうしたプリンタでは、記録ヘッドから噴射されたインク滴の一部が、プラテン上に支持されたターゲットに着弾することなく、微小なインク粒子(いわゆるインクミスト)となって、プリンタのフレーム内で飛散してフレーム内を汚染することがあった。そこで、近時では、フレーム内に発生したインクミストを回収するためのインクミスト回収装置を備えたプリンタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、この特許文献1に記載のプリンタでは、ターゲットを搬送するための搬送ベルト装置が、プラテンに隣接してターゲットの搬送方向の両側にそれぞれ配置されている。また、各搬送ベルト装置の下方には、プラテン側の側面に吸引口を有する空気吸引装置(インクミスト回収装置)がそれぞれ配置されている。そして、吸引ファンが駆動された場合、記録ヘッドとプラテンとの間に滞留したインクミストは、プラテンと搬送ベルト装置との間の隙間を通じて下方に吸引され、吸引口を介して空気吸引装置内に回収されるようになっている。
特開2004−262147号公報
ところで、特許文献1に記載のプリンタでは、各空気吸引装置は、記録ヘッドとプラテンとの間に滞留したインクミストに対してターゲットの搬送方向の両側に向けて吸引力をそれぞれ作用させる構成となっている。そのため、記録ヘッドとプラテンとの間に滞留したインクミストを吸引する場合には、記録ヘッドとプラテンとの間の狭小なスリット状の空間域を介して吸引力を作用させる必要があり、その空気抵抗が甚大となることで十分な空気流を発生させることができない虞があった。一方、記録ヘッドとプラテンとの間の狭小なスリット状の空間域の中央部に至るまで十分な空気流を発生させるべく、吸引ファンの吸引力を増大させた場合には、そのスリット状の空間域の両端部に過大な吸引力が作用して高速の空気流が発生することで、記録ヘッドから吐出されたインクの飛翔方向が変化して印刷品質を低下させる虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ターゲットに対する印刷品質を維持しつつ、液体噴射装置内にて発生したミストを確実に回収することができるミスト回収装置、及び同ミスト回収装置を備えた液体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のミスト回収装置は、ノズル形成面に形成されたノズルからターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置に設けられるミスト回収装置であって、前記ターゲットを支持可能な支持面が前記ノズル形成面に対して対向するように配置され、且つ該支持面上には吸引された場合に負圧を発生可能な吸引孔が開口形成された支持部材と、該支持部材の前記吸引孔に対して連通した負圧室と、該負圧室内に負圧を発生させることで、前記ノズルからの液体噴射に基づき前記液体噴射ヘッドと前記支持部材との間に発生したミストを、前記吸引孔を介して前記負圧室内に吸引する吸引手段とを備え、前記吸引孔は、前記支持面において、前記ノズルからの前記液体の吐出方向で前記ノズルに対して対向する位置に開口するように形成されている。
上記構成によれば、液体噴射ヘッドのノズルから吐出された液体が霧状となったミストには、その吐出方向に沿うように吸引手段からの吸引力が支持部材の吸引孔を介して作用する。そのため、液体噴射ヘッドと支持部材との間の狭小な空間を介してターゲットの搬送方向に沿うように吸引手段からの吸引力を作用させる場合と比較して、液体噴射ヘッドと支持部材との間に滞留したミストを流動させる際の空気抵抗が低減されることで、低速且つ大風量にミストの吸引を実行することが可能となる。したがって、吸引手段の吸引駆動に伴って液体噴射ヘッドから吐出される液体の飛翔方向に変化を及ぼすことは殆んどなく、ターゲットに対する印刷品質を維持しつつ、液体噴射装置内に発生したミストを確実に回収することができる。
また、本発明のミスト回収装置において、前記液体噴射ヘッドは、前記支持部材の前記支持面に対向するように千鳥状に配置された複数の単位ヘッドにより構成され、前記吸引孔は、前記支持部材の前記支持面に、前記複数の単位ヘッド毎に個別に対応するように区画された態様で開口形成されている。
上記構成によれば、吸引孔が支持部材の支持面上に分散して形成されている。そのため、ターゲットが支持部材の支持面上を搬送される場合には、支持部材は、ターゲットの全域を分散して支持する。したがって、吸引手段からの吸引力が吸引孔を介してターゲットに作用する場合において、ターゲットの印刷面が吸引孔を介して負圧室側に凹状に陥没することを抑制することで、ターゲットに対する印刷品質を維持することができる。
また、本発明のミスト回収装置において、前記負圧室は、重力方向で下方に位置する底壁部が水平方向に対して斜状をなすように構成されており、前記底壁部において重力方向での最下部となる位置には、前記負圧室内に吸引された前記液体を回収するための廃液回収部が設けられている。
上記構成によれば、液体噴射ヘッドのノズルから支持部材の吸引孔を介して負圧室内に液体が吐出された場合には、その液体は負圧室の底壁部に沿って重力方向の下方に流下する。その結果、液体噴射ヘッドから負圧室内に吐出された液体を、負圧室の底壁部における重力方向で最下方となる位置に集約させた後、廃液として廃液回収部にて効率よく回収することができる。
また、本発明のミスト回収装置において、前記吸引手段は、前記負圧室内における重力方向での上方の領域に連通している。
上記構成によれば、液体噴射ヘッドのノズルから吸引孔を介して負圧室内に液体が吐出された場合に、その液体が堆積する負圧室の底壁部から重力方向で上方に離間した位置に吸引手段が連通している。そのため、吸引手段は、負圧室内に滞留する液体のうち、負圧室内の全域に分散したミストを、負圧室の底壁部に堆積した液体と分離して捕集することができる。
上記構成によれば、液体噴射ヘッドのノズルから吸引孔を介して負圧室内に液体が吐出された場合に、その液体が堆積する負圧室の底壁部から重力方向で上方に離間した位置に吸引手段が連通している。そのため、吸引手段は、負圧室内に滞留する液体のうち、負圧室内の全域に分散したミストを、負圧室の底壁部に堆積した液体と分離して捕集することができる。
また、本発明のミスト回収装置において、前記支持部材の前記支持面には、前記負圧室内に前記ミストを吸引するためのミスト吸引孔が、前記負圧室内に連通する態様で、前記ノズルからの前記液体の吐出方向で前記ノズルに対して対向する位置とは異なる位置に開口形成されている。
上記構成によれば、支持部材の吸引孔内が封止された場合であっても、液体噴射ヘッドと支持部材との間に発生したミストは、ミスト吸引孔を介して負圧室内に回収される。そのため、支持部材の吸引孔内に適宜配置される部材を新たに設けることが可能となり、ミスト回収装置の設計の自由度を高めることができる。
また、本発明のミスト回収装置において、前記液体噴射ヘッドの前記ノズルに対して対向するように配置された開口部を有し、該開口部を介して前記液体噴射ヘッドの前記ノズルから廃液として吐出された前記液体を受容可能であり、且つ前記負圧室内から前記吸引孔内を通過して前記液体噴射ヘッドの前記ノズル形成面に対して接離する方向に変位可能な液体受容体と、該液体受容体を、前記開口部が前記液体噴射ヘッドの前記ノズルを封止する第1の位置と、前記液体噴射ヘッドの前記ノズルから吐出された前記液体を受容可能であり且つ前記吸引孔の開口縁よりも前記液体噴射ヘッドから前記負圧室側に離間した第2の位置と、該第2の位置よりも前記液体噴射ヘッドから前記負圧室側に離間した第3の位置との間で変位させる変位機構とを更に備えた。
上記構成によれば、変位機構は、液体収容体の開口部と液体噴射ヘッドのノズル形成面との間の間隔が比較的小さな第2の位置に液体受容体を配置した場合には、液体噴射ヘッドのノズルから廃液として吐出された液体が、液体収容体の開口部の底面に衝突して飛散することで液体噴射装置内が汚損されることを抑制できる。一方、変位機構は、液体受容体の開口部と支持部材の吸引孔との間の隙間が比較的大きな第3の位置に液体受容体を配置した場合には、支持部材の吸引孔からその隙間を通じて負圧室内に流入する空気の流路抵抗が小さくなる。そのため、吸引手段は、吸引孔を介して高風量の空気を吸引することで、液体噴射ヘッドと支持部材との間に滞留したミストをより効率的に回収することができる。
また、本発明のミスト回収装置において、前記負圧室に対する前記吸引手段の吸引力を調整する吸引力調整手段を更に備え、前記吸引力調整手段は、前記ターゲットが前記支持部材の前記支持面上に配置されている場合には、前記吸引孔を介して前記ターゲットに付与される吸引力が前記ターゲットの平面性を維持可能な第1の吸引力となるように前記吸引手段の吸引力を調整すると共に、前記ターゲットが前記支持部材の前記支持面上に配置されていない場合には、前記第1の吸引力よりも強力な第2の吸引力となるように前記吸引手段の吸引力を調整する。
上記構成によれば、吸引手段は、ターゲットが支持部材の支持面上に配置されていない場合には、ターゲットを支持部材の支持面上に吸着するための第1の吸引力よりも強力な第2の吸引力となるように、液体噴射ヘッドと支持部材との間に滞留したミストに対して吸引孔を介して吸引力を作用させるため、より効率的にミストを回収することができる。
また、本発明の液体噴射装置は、ノズル形成面に形成されたノズルからターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、上記構成のミスト回収装置とを備えた。
上記構成によれば、上記ミスト回収装置の発明と同様の効果が得られる。
上記構成によれば、上記ミスト回収装置の発明と同様の効果が得られる。
(第1の実施形態)
以下、本発明をインクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という)において具体化した第1の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。なお、以下の明細書中の説明において、「前後方向」「左右方向」「上下方向」をいう場合は、図中において矢印で示す方向をいうものとする。
以下、本発明をインクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という)において具体化した第1の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。なお、以下の明細書中の説明において、「前後方向」「左右方向」「上下方向」をいう場合は、図中において矢印で示す方向をいうものとする。
図1及び図2に示すように、液体噴射装置としてのプリンタ11は、ターゲットとしての記録紙12を搬送するためのベルト搬送装置13を備えている。ベルト搬送装置13は、記録紙12の搬送方向の上流側(図1では右側)に設けられた従動ローラ14と、記録紙12の搬送方向の下流側(図1では左側)に設けられた駆動ローラ15と、従動ローラ14と駆動ローラ15の略中央位置の少し下側に配置されたテンションローラ16とを備えている。各ローラ14,15には、該各ローラ14,15を囲むように、無端状の搬送ベルト17が巻き掛けられている。そして、搬送ベルト17は、駆動ローラ15が回転駆動することで、駆動ローラ15、テンションローラ16、及び従動ローラ14の外側を前側から見て反時計回り方向に周回移動することにより、搬送ベルト17上に載置された記録紙12を上流側である右側から下流側である左側に向けて搬送するようになっている。
なお、従動ローラ14の下側には、帯電ローラ18が、バネ19により従動ローラ14側へ付勢されることで、搬送ベルト17を介して従動ローラ14に圧接した状態で配置されている。また、帯電ローラ18は、電源20に接続されており、帯電ローラ18により搬送ベルト17に電荷が帯電されることで、搬送ベルト17上の電荷により記録紙12が静電吸着されるようになっている。
ベルト搬送装置13の上流側には、ゲートローラ21を介して給送された記録紙12に対して、液体としてのインクを噴射することで印刷処理を施す液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド22が配設されている。記録ヘッド22は、複数(本実施形態では7つ)の平面視矩形状の単位ヘッド23により構成されている。そして、各単位ヘッド23は、インク供給チューブ24を介して複数(本実施形態では4つ)のインクカートリッジ25とそれぞれ接続されることで、各インクカートリッジ25から互いに異なる複数色のインクが各単位ヘッド23に供給されるようになっている。
また、各単位ヘッド23の下面は、各インクカートリッジ25から供給されたインクを吐出する多数のノズル(図示略)が形成されたノズル形成面となっている。これらのノズルは、記録紙12の搬送方向に互いに間隔を置いて、記録紙12の幅方向に沿うように並列して配置されることで、各インク色に個別に対応する複数のノズル列を構成している。そして、ゲートローラ21を介して搬送される記録紙12の搬送速度に合わせたタイミングで各ノズル列から記録紙12にインクを順次噴射することで、記録紙12に対する印刷処理が行われるようになっている。なお、各単位ヘッド23は、記録紙12の幅方向に沿ってその一部が互いに重畳するように千鳥状に配置されており、記録紙12の幅方向全域に亘って切れ目なく印刷処理を施すことが可能となっている。
また、ベルト搬送装置13における左右方向の略中央部の位置であって搬送ベルト17の上方となる位置には、ゲートローラ21から搬送ベルト17上に移送された記録紙12を乾燥促進のために加熱可能なヒータ26が配設されている。このヒータ26は、赤外線を記録紙12に対して放射する赤外線ヒータであり、記録ヘッド22から噴射されたインクが付着した記録紙12の印刷面を非接触で加熱するようになっている。
また、単位ヘッド23の下方には、ゲートローラ21を介して給送された記録紙12を支持する略矩形板状の支持部材としてのプラテン27が配置されている。すなわち、プラテン27は、単位ヘッド23のノズル形成面に対して上下方向で対向する上面が、記録紙12を支持する支持面として機能する。また、プラテン27の上面において、各単位ヘッド23に対してインクの吐出方向となる鉛直下方の位置には、各単位ヘッド23と平面視で略同一形状をなす長孔28が、プラテン27を上下方向(プラテン27の厚み方向)に貫通するように開口形成されている。すなわち、各長孔28は、プラテン27の上面に、単位ヘッド23毎に個別に対応するように区画された態様で開口形成されている。
図2及び図3に示すように、プラテン27の下方には、各長孔28の下側の開口を覆うように有底略四角筒状の覆蓋部材29が配置されている。また、覆蓋部材29において重力方向で下方となる底壁部は、後方側に向けて鉛直下方に漸次傾斜した傾斜面をなすように構成されている。そして、覆蓋部材29の底壁部において、重力方向で最下部となる後方側の端部には、廃インクチューブ30の一端側が接続されると共に、該廃インクチューブ30の他端側は廃インク容器31内に挿入されている。なお、本実施形態では、廃インクチューブ30及び廃インク容器31により、プラテン27の長孔28を介して覆蓋部材29内に捕集された廃インク(廃液)を回収するための廃インク回収部(廃液回収部)が構成されている。
また、覆蓋部材29における後方側の側壁部には、該側壁部を前後方向に貫通して内外を連通する連通孔32が形成されており、該連通孔32を介して吸引手段としての誘引送風機33が連結されている。そして、誘引送風機33は、内部に収容した吸引ファン34が回転駆動した場合に、覆蓋部材29とプラテン27との間で囲繞される空間内の空気を連通孔32を介して吸引して外部に排出する。すなわち、覆蓋部材29とプラテン27との間で囲繞される空間は、誘引送風機33の駆動に基づき負圧を発生する負圧室35として機能する。
また、誘引送風機33の駆動に伴って負圧室35に負圧が生じた場合には、該負圧室35と連通するプラテン27の長孔28内にも同様に負圧が作用する。そのため、プラテン27の長孔28は、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストを負圧室35内に吸引可能な吸引孔として機能する。そして、本実施形態では、プラテン27、覆蓋部材29、廃インクチューブ30、廃インク容器31、及び誘引送風機33により、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストを回収するためのミスト回収装置36が構成されている。
なお、連通孔32は、覆蓋部材29の底壁部から上方に離間した位置に形成されており、誘引送風機33は、連通孔32を介して負圧室35における上方の領域に連通している。また、誘引送風機33は、負圧室35に対する連結部位に、負圧室35内から吸引排出されるインクミストに含まれる異物を除去するためのフィルタ(図示略)が配置されており、それらの異物が吸引ファン34に粘着して動作異常を引き起こすことを防止するようになっている。
また、プラテン27の上流端の位置には、記録紙12の有無を検知するためのセンサ37が、プラテン27の上面に対向するように配設されている。センサ37は、誘引送風機33の駆動を制御する制御装置38に対して電気的に接続されており、その検知結果を制御装置38に対して送信するようになっている。
制御装置38は、センサ37の検知結果に基づき、プラテン27の上面に記録紙12が載置されているか否かを判別する。具体的には、制御装置38は、プラテン27の上流端の位置にて、記録紙12を検知不能な状態から検知可能な状態に切り替わった旨の信号をセンサ37から受信した場合に、記録紙12の搬送方向の先端部(図1では左端部)がプラテン27の上流端の位置に到達したと判断し、プラテン27の上面に対する記録紙12の載置が開始されたことを判別する。
続いて、制御装置38は、プラテン27の上流端の位置にて、記録紙12が検知可能な状態から検知不能な状態に切り替わった旨の信号をセンサ37から受信した場合に、記録紙12の搬送方向の基端部(図1では右端部)がプラテン27の上流端の位置に到達したと判断し、プラテン27の上面には記録紙12が継続して載置されていると判別する。
そして次に、制御装置38は、ゲートローラ21を介して搬送される記録紙12の搬送速度、及びプラテン27の左右方向の寸法(すなわち、プラテン27の上流端の位置と下流端の位置との間の距離)に基づき、記録紙12の搬送方向の基端部がプラテン27の下流端の位置に到達するまでの所要時間を推定する。そして、制御装置38は、推定した所要時間が経過した時点で、記録紙12の搬送方向の基端部がプラテン27の下流端の位置に到達したと判断し、プラテン27の上面に対する記録紙12の載置が終了したことを判別する。
その後、制御装置38は、プラテン27の上流端の位置にて、記録紙12を検知不能な状態から検知可能な状態に切り替わった旨の信号をセンサ37から受信した場合に、プラテン27の上面に対して新たな記録紙12の載置が開始されたことを判別する。そして、以後は、上記のサイクルを繰り返すことで、プラテン27の上面に記録紙12が載置されているか否かを判別するようになっている。
また、制御装置38は、プラテン27の上面に記録紙12が載置されているか否かに基づき、誘引送風機33が負圧室35内に作用させる吸引力を調整する吸引力調整手段として機能する。具体的には、制御装置38は、プラテン27の上面に記録紙12が載置されていることを判別した場合には、記録紙12に対してプラテン27の長孔28を介して作用する吸引力が、記録紙12がプラテン27の長孔28を介して負圧室35側に凹状に陥没することなくその平面性を維持可能な吸引力(第1の吸引力)となるように、誘引送風機33内に配置された吸引ファン34の回転数を調整する。そのため、記録紙12の印刷面には、その平面性が維持された状態で記録ヘッド22からインクが吐出されるため、記録紙12に対して高精度に印刷処理を施すことが可能となる。
一方、制御装置38は、プラテン27の上面に記録紙12が載置されていないと判別した場合には、プラテン27の長孔28を介して記録ヘッド22とプラテン27との間の領域に作用する吸引力が、プラテン27の上面に記録紙12が載置されている場合と比較して、より強力な吸引力(第2の吸引力)となるように、誘引送風機33内に配置された吸引ファン34の回転数を増大させる。そのため、記録ヘッド22とプラテン27との間に高濃度のインクミストが滞留する場合であっても、インクミストにはプラテン27の長孔28を介して強力な吸引力が作用して大風量の空気流が発生することで、インクミストを短時間で確実に負圧室35内に捕集することができる。
また、プリンタ11では、例えば、搬送方向で先行する記録紙12と後続の記録紙12との間隔が空いて、その間隔となる領域がプラテン27上に位置する場合などのように、プラテン27の上面に記録紙12が載置されていない状態となる場合がある。こうした場合に、制御装置38では、記録ヘッド22のノズルから増粘したインクや気泡混じりのインクを強制的に排出させるフラッシング動作が実行されたか否かに基づき、誘引送風機33が負圧室35内に吸引力を作用させる吸引時間を調整する吸引時間調整手段として機能する。具体的には、制御装置38は、フラッシング動作が実行された場合には、フラッシング動作が実行されなかった場合と比較して、記録ヘッド22とプラテン27との間の領域により高濃度のインクミストが滞留していると判断し、その高密度のインクミストをプラテン27の長孔28を介して負圧室35内に確実に捕集するために、誘引送風機33が負圧室35及びプラテン27の長孔28を介してインクミストに吸引力を作用させる吸引時間を増大させる。
また、制御装置38は、記録紙12の印刷面積に応じて、誘引送風機33が負圧室35内に吸引力を作用させる吸引時間を調整する。具体的には、制御装置38は、記録紙12の印刷面積が予め設定した値よりも大きい場合には、記録ヘッド22から記録紙12に向けて噴射されるインク量が増大することに伴って、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留するインクミストの量も増大すると判断し、その増大したインクミストを確実に負圧室35内に捕集するために、誘引送風機33が負圧室35内に吸引力を作用させる吸引時間を増大させる。
そこで次に、以上のように構成されたプリンタ11の作用を説明する。
さて、プラテン27の上面に載置された記録紙12に向けて、記録ヘッド22のノズルからインクを噴射する場合、それらのインクが蒸散して霧状のインクミストとなって記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留する。そして、インクミストが、重力に従って徐々に下方に沈降してプラテン27の上面に付着した場合には、その上面を摺動して搬送される記録紙12の非印刷面を汚染する虞があった。また、インクミストが、記録紙12の搬送方向に拡散して搬送ベルト17の搬送面に付着した場合には、その搬送面に載置された状態で下流側に搬送される記録紙12の非印刷面を汚染する虞があった。また、インクミストが、記録紙12の搬送方向に拡散して搬送ベルト17の裏面に付着した場合には、搬送ベルト17が粘性のインクを介して各ローラ14,15の表面に張り付くことで、ベルト搬送装置13の動作異常を引き起こす虞があった。
さて、プラテン27の上面に載置された記録紙12に向けて、記録ヘッド22のノズルからインクを噴射する場合、それらのインクが蒸散して霧状のインクミストとなって記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留する。そして、インクミストが、重力に従って徐々に下方に沈降してプラテン27の上面に付着した場合には、その上面を摺動して搬送される記録紙12の非印刷面を汚染する虞があった。また、インクミストが、記録紙12の搬送方向に拡散して搬送ベルト17の搬送面に付着した場合には、その搬送面に載置された状態で下流側に搬送される記録紙12の非印刷面を汚染する虞があった。また、インクミストが、記録紙12の搬送方向に拡散して搬送ベルト17の裏面に付着した場合には、搬送ベルト17が粘性のインクを介して各ローラ14,15の表面に張り付くことで、ベルト搬送装置13の動作異常を引き起こす虞があった。
この点、本実施形態のプリンタ11によれば、各単位ヘッド23に対してインクの吐出方向で対向する位置に、プラテン27の長孔28がそれぞれ形成されている。そのため、インクミストは、各単位ヘッド23から吐出された後に、その吐出方向と略同一方向となる重力方向に重力に従って沈降している状態で、その沈降方向に沿うように誘引送風機33からの吸引力がプラテン27の長孔28を介して作用する。そのため、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストに対して負圧室35内に向けての空気流を発生させる際の空気抵抗は、インクミストの沈降方向と交差する方向に空気流を発生させる場合と比較して低減される。したがって、インクミストは、短時間で高効率に負圧室35内に吸引されるため、プラテン27の上面、搬送ベルト17の搬送面、及び搬送ベルト17の裏面を汚染することはほとんどない。また、インクミストには、低速且つ大風量の空気流が発生するため、その空気流が記録ヘッド22からのインクの飛翔方向に影響を及ぼすことはほとんどなく、記録紙12に対する印刷品質を維持することが可能となっている。
なお、誘引送風機33が駆動した場合、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留しているインクミストには、プラテン27の長孔28を介して負圧室35内に向けて鉛直下方に延びると共に、負圧室35内におけるプラテン27の近傍位置にて略水平方向に向けて延びるように湾曲した空気流(図3では点線で示す)が発生する。その結果、プラテン27の長孔28を介して負圧室35内に捕集された廃インクのうち、インクミストは、記録ヘッド22から廃液として吐出された液滴状の廃インクから分離された状態で誘引送風機33内のフィルタに吸着されるようになっている。
また、本実施形態のプリンタ11では、フラッシング動作時には、各単位ヘッド23のノズルから吐出されたインクは、その吐出方向と略同一方向となる重力方向に重力に従って滴下された後、プラテン27の長孔28を通過して負圧室35内に回収される。このとき、プラテン27の長孔28は、各単位ヘッド23に対して平面視で略同一形状をなすように形成されており、プラテン27の上面において、各単位ヘッド23の下面に設けられた全てのノズルに対して上下方向で対向する位置にこれらの長孔28が配置されている。そのため、各単位ヘッド23から吐出されたインクは、プラテン27の上面に衝突して飛散することはなく、プラテン27の長孔28を通過して覆蓋部材29の底壁部に堆積する。このとき、覆蓋部材29の底壁部とプラテン27とは、上下方向に十分に離間しているため、覆蓋部材29の底壁部に衝突したインクがプラテン27の長孔28を介して負圧室35外に飛散することはない。
また、負圧室35内に捕集された液滴状の廃インクは、覆蓋部材29の底壁部の傾斜面に沿って後方側に重力に従って流下する。そして、覆蓋部材29における後方側の側壁部の下端に集約された後、廃インクチューブ30を介して廃インク容器31内に回収される。このとき、覆蓋部材29における後方側の側壁部には、その下端から上下方向に十分に離間した位置に誘引送風機33が連結されているため、覆蓋部材29の底壁部に沿って流下する廃インクが誘引送風機33のフィルタに浸入して目詰まりを生じることはない。
また、本実施形態のプリンタ11では、プラテン27上に載置された記録紙12に対して、記録紙12の幅方向全域に亘って余白なく印刷処理を施す縁無し印刷を実行する場合、各単位ヘッド23は、記録紙12の紙端の外側にも若干量のインクを吐出する。このとき、プラテン27の上面には、記録紙12の紙端の外側に至るまで、各単位ヘッド23に設けられたノズル列と略同一幅の長孔28が形成されている。そのため、各単位ヘッド23から吐出されたインクは、記録紙12の紙端の外側を通過した後、プラテン27の長孔28を介して負圧室35内に捕集される。したがって、単位ヘッド23から吐出されたインクが、プラテン27の上面に衝突して飛散することで記録紙12の紙端を汚染することを抑制することが可能となっている。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、記録ヘッド22のノズルから吐出されたインクが霧状となったインクミストには、その吐出方向に沿うように誘引送風機33からの吸引力がプラテン27の長孔28を介して作用する。そのため、記録ヘッド22とプラテン27との間の狭小な空間を介して記録紙12の搬送方向に沿うように誘引送風機33からの吸引力を作用させる場合と比較して、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストを流動させる際の空気抵抗が低減されることで、低速且つ大風量にインクミストの吸引を実行することが可能となる。したがって、誘引送風機33の駆動に伴って記録ヘッド22から吐出されるインクの飛翔方向に変化を及ぼすことはほとんどなく、記録紙12に対する印刷品質を維持しつつ、プリンタ11内に発生したインクミストを確実に回収することができる。また、誘引送風機33がインクミストを吸引する際に要する吸引力が軽減されるため、誘引送風機33内の吸引ファン34を小型で省スペース性に優れたものに置換することで装置全体の小型化を図ることができる。
(1)上記実施形態では、記録ヘッド22のノズルから吐出されたインクが霧状となったインクミストには、その吐出方向に沿うように誘引送風機33からの吸引力がプラテン27の長孔28を介して作用する。そのため、記録ヘッド22とプラテン27との間の狭小な空間を介して記録紙12の搬送方向に沿うように誘引送風機33からの吸引力を作用させる場合と比較して、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストを流動させる際の空気抵抗が低減されることで、低速且つ大風量にインクミストの吸引を実行することが可能となる。したがって、誘引送風機33の駆動に伴って記録ヘッド22から吐出されるインクの飛翔方向に変化を及ぼすことはほとんどなく、記録紙12に対する印刷品質を維持しつつ、プリンタ11内に発生したインクミストを確実に回収することができる。また、誘引送風機33がインクミストを吸引する際に要する吸引力が軽減されるため、誘引送風機33内の吸引ファン34を小型で省スペース性に優れたものに置換することで装置全体の小型化を図ることができる。
(2)上記実施形態では、長孔28は、プラテン27の上面に分散して形成されている。そのため、誘引送風機33からの吸引力が長孔28を介して記録紙12に作用する場合において、記録紙12の印刷面が長孔28を介して負圧室35側に凹状に陥没することを抑制することで、記録紙12に対する印刷品質を維持することができる。
(3)上記実施形態では、覆蓋部材29の底壁部は、水平方向に対して傾斜した傾斜面をなすように構成されており、その底壁部において重力方向で最下部となる位置には、負圧室35内に捕集された廃インクを回収するための廃インク容器31が廃インクチューブ30を介して接続されている。そのため、記録ヘッド22のノズルからプラテン27の長孔28を介して負圧室35内にインクが吐出された場合には、そのインクは、覆蓋部材29の底壁部に沿って下方に流下する。その結果、廃インクは、覆蓋部材29の底壁部における重力方向で最下方となる位置に集約された後、廃インクチューブ30を介して廃インク容器31内に効率よく回収することができる。
(4)上記実施形態では、誘引送風機33は、覆蓋部材29の底壁部から重力方向で上方に離間した位置に連結されている。そのため、誘引送風機33は、負圧室35内に捕集された廃インクのうち、負圧室35内の全域に分散したインクミストを、覆蓋部材29の底壁部に堆積した液滴状の廃インクから分離して回収することができる。
(5)上記実施形態では、誘引送風機33は、記録紙12がプラテン27の上面に載置されていない場合には、記録紙12をプラテン27の上面に吸着させる際の吸引力よりも強力な吸引力となるように、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストに対してプラテン27の長孔28を介して吸引力を作用させるため、より効率的にインクミストを負圧室35内に捕集することができる。
(6)上記実施形態では、誘引送風機33は、記録ヘッド22からインクが吐出された直後のように、記録ヘッド22とプラテン27との間に高密度のインクミストが滞留する状態では、負圧室35及びプラテン27の長孔28を介してインクミストに対して吸引力を作用させる吸引時間を増大させて積算風量を増大させることで、インクミストを負圧室35内に確実に捕集することができる。
(7)上記実施形態では、記録紙12の印刷面積が拡大することで、記録ヘッド22のノズルから記録紙12に噴射されるインク量が増大し、それに伴って、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留するインクミストの量が増大した場合には、誘引送風機33が負圧室35及びプラテン27の長孔28を介してインクミストに対して吸引力を作用させる吸引時間を増大させて積算風量を増大させることで、インクミストを負圧室35内に確実に捕集することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図4及び図5に従って説明する。なお、第2の実施形態は、プラテン27の上面に、インクミストを負圧室35内に捕集するための円孔が形成されている点が第1の実施形態とは異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
次に、本発明の第2の実施形態を図4及び図5に従って説明する。なお、第2の実施形態は、プラテン27の上面に、インクミストを負圧室35内に捕集するための円孔が形成されている点が第1の実施形態とは異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成については同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図4及び図5に示すように、プラテン27の上面において、各長孔28に対して前後方向で隣接する位置には、複数(本実施形態では3つ)の円孔39が、負圧室35の内外を連通する態様で、プラテン27を上下方向(プラテン27の厚み方向)に貫通するようにそれぞれ開口形成されている。そして、誘引送風機33の駆動に伴って負圧室35内に負圧が生じた場合には、該負圧室35と連通するプラテン27の円孔39内にも同様に負圧が作用する。そのため、プラテン27の円孔39は、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストを負圧室35内に吸引可能なミスト吸引孔として機能する。
また、覆蓋部材29の底壁部において、プラテン27の長孔28と上下方向で対応する位置には、プラテン27の長孔28と平面視で略同一形状をなす挿通孔40が、覆蓋部材29を上下方向に貫通するようにそれぞれ形成されている。そして、これらの挿通孔40には、各単位ヘッド23から廃インクとして吐出されたインクを受容可能な有底略四角筒状の液体受容体としてのメンテナンスユニット41が、その開口部を単位ヘッド23側に向けてそれぞれ挿通されている。なお、これらの挿通孔40の端縁には、メンテナンスユニットの外周面を囲むようにシール部材(図示略)が配設されており、メンテナンスユニット41は、負圧室35内の気密性が維持された状態で挿通孔40内に挿通されている。
また、各メンテナンスユニット41の下端部には、略矩形板状の連結部材42がその長手方向を水平方向に沿うようにして連結されている。そして、各メンテナンスユニット41は、連結部材42を介して一体となって上下方向に連動するようになっている。また、連結部材42の下方には、連結部材42を介して各メンテナンスユニット41を上下方向に昇降させる略楕円形状の変位機構としての偏心カム43が配置されている。
次に、以上のように構成されたプリンタ11の作用について図5(a)(b)(c)に従って説明する。
図5(a)に示すように、偏心カム43がその長手方向を水平方向に沿うように配置された場合には、連結部材42は、偏心カム43の長手方向に沿う側面上に支持される。このとき、各メンテナンスユニット41の開口部は、負圧室35内において、プラテン27の長孔28の開口縁に対して下方に離間した位置(第1の位置)に配置される。そのため、誘引送風機33が駆動した場合には、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストには、プラテン27の長孔28を介して負圧室35内に向けて鉛直下方に延びると共に、プラテン27とメンテナンスユニット41との間の隙間を通過して略水平方向に向けて延びるように湾曲した空気流(図5(a)では点線で示す)が発生する。また同時に、インクミストには、プラテン27の円孔39を介して負圧室35内に向けて鉛直下方に延びると共に、プラテン27の近傍位置にて略水平方向に向けて延びるように湾曲した空気流(図5(a)では点線で示す)が発生する。すなわち、インクミストには、プラテン27の長孔28及び円孔39の双方を介して吸引力が作用することで、負圧室35内に向けての空気流を発生させる際の空気抵抗が軽減され、インクミストを短時間で高効率に負圧室35内に捕集することができる。
図5(a)に示すように、偏心カム43がその長手方向を水平方向に沿うように配置された場合には、連結部材42は、偏心カム43の長手方向に沿う側面上に支持される。このとき、各メンテナンスユニット41の開口部は、負圧室35内において、プラテン27の長孔28の開口縁に対して下方に離間した位置(第1の位置)に配置される。そのため、誘引送風機33が駆動した場合には、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストには、プラテン27の長孔28を介して負圧室35内に向けて鉛直下方に延びると共に、プラテン27とメンテナンスユニット41との間の隙間を通過して略水平方向に向けて延びるように湾曲した空気流(図5(a)では点線で示す)が発生する。また同時に、インクミストには、プラテン27の円孔39を介して負圧室35内に向けて鉛直下方に延びると共に、プラテン27の近傍位置にて略水平方向に向けて延びるように湾曲した空気流(図5(a)では点線で示す)が発生する。すなわち、インクミストには、プラテン27の長孔28及び円孔39の双方を介して吸引力が作用することで、負圧室35内に向けての空気流を発生させる際の空気抵抗が軽減され、インクミストを短時間で高効率に負圧室35内に捕集することができる。
また、図5(b)に示すように、偏心カム43が軸部44の軸線周りに反時計回り方向に回動した場合には、偏心カム43の長手方向の後端部が軸部44に対して後方斜め上方に変位することで、連結部材42の下面を押圧して上方に変位させる。すると、連結部材42の変位に連動して、各メンテナンスユニット41は、覆蓋部材29の挿通孔40の端縁に沿って上方に摺動することで、その開口部がプラテン27の長孔28の開口縁に対して近接する位置(第2の位置)に配置される。その結果、単位ヘッド23とメンテナンスユニット41との間の間隔が狭まることで、フラッシング動作時に、各単位ヘッド23から吐出されたインクは、プラテン27の長孔28を介して各メンテナンスユニット41の開口部にて確実に捕集される。
なお、この場合、プラテン27の長孔28の開口縁とメンテナンスユニット41との隙間が狭小となることで、プラテン27の長孔28を介した空気流をインクミストに対して発生させる際の空気抵抗が増大する。この点、本実施形態のプリンタ11では、プラテン27の上面において、メンテナンスユニット41が接離する長孔28とは異なる位置に円孔39が形成されている。そのため、プラテン27の円孔39を介した空気流をインクミストに対して発生させる際の空気抵抗が、メンテナンスユニット41の上下方向での配置に影響を受けることはほとんどない。すなわち、インクミストには、プラテン27の長孔28及び円孔39の双方を介して吸引力が作用することで、プラテン27の上面に長孔28のみを形成した場合と比較して、負圧室35内に向けての空気流を発生させる際の空気抵抗が軽減される。したがって、フラッシング動作と並行して、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストを高効率に負圧室35内に捕集することができ、インクミストの回収に要する装置全体のスループットを低減することができる。
また、図5(c)に示すように、偏心カム43が軸部44の軸線周りに反時計周り方向に更に回動して、その長手方向が垂直方向に沿うように配置された場合には、偏心カム43の長手方向の先端部が軸部44に対して鉛直上方に変位することで、連結部材42の下面を押圧して更に上方に変位させる。すると、連結部材42の変位に連動して、各メンテナンスユニット41は、その開口部がプラテン27の長孔28を上方に通過して、各単位ヘッド23の下面に対してノズルを囲むように当接する位置(第3の位置)に配置される。そして、各メンテナンスユニット41は、単位ヘッド23とメンテナンスユニット41との間で封止された空間内に負圧を生じさせることで、単位ヘッド23のノズルから増粘したインクや気泡混じりのインクを吸引排出するクリーニング動作を実行するようになっている。
このとき、プラテン27の長孔28は、メンテナンスユニット41が挿通されることでほぼ隙間なく封止されている。そのため、プラテン27の長孔28を介してインクミストを負圧室35内に捕集することは困難となる。この点、本実施形態のプリンタ11では、プラテン27の上面において、メンテナンスユニット41が挿抜される長孔28とは異なる位置に円孔39が形成されている。そのため、クリーニング動作と並行して、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストを、プラテン27の円孔39を介して負圧室35内に捕集することができ、インクミストの回収に要する装置全体のスループットを低減することができる。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(7)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(8)上記実施形態では、プラテン27の上面には、負圧室35内にインクミストを吸引するための円孔39が、記録ヘッド22からのインクの吐出方向でノズルに対向する位置に形成された長孔28とは異なる位置に形成されている。そのため、プラテン27の長孔28が封止させた場合であっても、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストは、プラテン27の円孔39を介して負圧室35内に捕集される。したがって、プラテン27の長孔28内を通過して記録ヘッド22のノズル形成面に対して接離するようにメンテナンスユニット41を配置する構成が可能となり、プリンタ11の設計の自由度を高めることができる。
(8)上記実施形態では、プラテン27の上面には、負圧室35内にインクミストを吸引するための円孔39が、記録ヘッド22からのインクの吐出方向でノズルに対向する位置に形成された長孔28とは異なる位置に形成されている。そのため、プラテン27の長孔28が封止させた場合であっても、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストは、プラテン27の円孔39を介して負圧室35内に捕集される。したがって、プラテン27の長孔28内を通過して記録ヘッド22のノズル形成面に対して接離するようにメンテナンスユニット41を配置する構成が可能となり、プリンタ11の設計の自由度を高めることができる。
(9)上記実施形態では、偏心カム43は、メンテナンスユニット41の開口部と記録ヘッド22のノズル形成面との間の間隔が比較的小さな位置にメンテナンスユニット41を配置した場合には、記録ヘッド22のノズルから廃インクとして吐出されたインクが、メンテナンスユニット41の開口部の底面に衝突して飛散することでプリンタ11内が汚染されることを抑制できる。一方、偏心カム43は、メンテナンスユニット41の開口部とプラテン27の長孔28の開口縁との間の間隔が比較的大きな位置にメンテナンスユニット41を配置した場合には、プラテン27の長孔28からその隙間を通じて負圧室35内に流入するインクミストの流路抵抗が小さくなる。そのため、誘引送風機33は、プラテン27の長孔28を介して高風量のインクミストを吸引することで、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストをより効率的に回収することができる。
なお、上記各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記各実施形態において、図6に示すように、プラテン27上にて印刷処理が施された記録紙12を下流側に搬送するための搬送機構として、外周面が凹凸のない円筒面となるように形成され、記録紙12を乾燥促進のために加熱可能な加熱手段としてのヒータ45を内蔵した略円柱状の搬送駆動ローラ46と、該搬送駆動ローラ46に対して上下方向で対向する位置に配置され、外周面に多数の外歯が形成された略円柱状の搬送従動ローラ47とにより構成される搬送ローラ対48を採用してもよい。
・上記各実施形態において、図6に示すように、プラテン27上にて印刷処理が施された記録紙12を下流側に搬送するための搬送機構として、外周面が凹凸のない円筒面となるように形成され、記録紙12を乾燥促進のために加熱可能な加熱手段としてのヒータ45を内蔵した略円柱状の搬送駆動ローラ46と、該搬送駆動ローラ46に対して上下方向で対向する位置に配置され、外周面に多数の外歯が形成された略円柱状の搬送従動ローラ47とにより構成される搬送ローラ対48を採用してもよい。
一般に、記録紙12がプラテン27の上面の近傍位置にて加熱された場合には、記録紙12に含まれる水分が蒸発して水蒸気となって記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留し、その水蒸気がプラテン27の上面にて印刷処理が施された直後の記録紙12の印刷面に滲みを生じる虞がある。この点、この構成では、誘引送風機33がプラテン27の長孔28を介して水蒸気を直ちに負圧室35内に吸引するため、記録紙12の印刷品質が低下することを抑制しつつ、記録紙12の印刷面を迅速に乾燥させることができる。また、この構成では、搬送従動ローラ47は、外歯の先端を記録紙12に対して点接触させて接触面積を低減することで、記録紙12の印刷面を乱すことを抑制しつつ、記録紙12に対して従動回転することが可能となっている。
・上記第2の実施形態において、インクミストを負圧室35内に捕集するためのミスト吸引孔は、プラテン27の上面において、単位ヘッド23からのインクの吐出方向でノズルに対して対向する位置とは異なる位置であれば、任意の位置に開口形成してもよい。また、ミスト吸引孔の形状は円形状に限定されず、任意の形状であってもよい。
・上記各実施形態において、覆蓋部材29の底壁部において重力方向で最下部となる位置に、廃インクを吸収するための廃インク吸収剤を配置してもよい。
・上記各実施形態において、覆蓋部材29の底壁部は、水平方向に沿うように構成してもよい。
・上記各実施形態において、覆蓋部材29の底壁部は、水平方向に沿うように構成してもよい。
・上記各実施形態において、インクミストを負圧室35内に捕集するための吸引孔の配置は、プラテン27の上面において、吸引孔が各単位ヘッド23に対向して配置される構成であれば、任意の配置であってもよい。また、吸引孔の形状は矩形状に限定されず、任意の形状であってもよい。
・上記各実施形態において、単位ヘッド23の配置は、プラテン27の上方にて、任意の配置であってもよい。この場合、プラテン27の上面には、単位ヘッド23の配置に応じて、吸引孔が各単位ヘッド23に対向して配置される。また、単位ヘッド23の平面視形状は、矩形状に限定されず、任意の形状であってもよい。
・上記各実施形態において、記録ヘッド22は、単一の単位ヘッド23により構成してもよい。
・上記各実施形態において、記録ヘッド22は、プラテン27に対して水平方向に沿うように対向して配置してもよい。この場合、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストを吸引するための吸引孔は、記録ヘッド22のノズル形成面に対向するプラテン27の側面に形成される。
・上記各実施形態において、記録ヘッド22は、プラテン27に対して水平方向に沿うように対向して配置してもよい。この場合、記録ヘッド22とプラテン27との間に滞留したインクミストを吸引するための吸引孔は、記録ヘッド22のノズル形成面に対向するプラテン27の側面に形成される。
・上記各実施形態において、液体噴射装置として、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用しても良い。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体消費装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体消費装置が噴射させることができるような材料であれ良い。例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施例の形態で説明したようなインク等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体消費装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。
以下、上記実施形態から把握できる請求項に記載の発明以外の技術的思想について追記する。
・技術的思想(1)…請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載のミスト回収装置において、
前記負圧室に対する前記吸引手段の吸引時間を調整する吸引時間調整手段を更に備え、
前記吸引時間調整手段は、
前記液体噴射ヘッドの前記ノズルから前記液体が噴射された場合には、前記液体噴射ヘッドの前記ノズルから前記液体が噴射されていない場合と比較して、前記吸引手段の吸引時間を増大させることを特徴とするミスト回収装置。
・技術的思想(1)…請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載のミスト回収装置において、
前記負圧室に対する前記吸引手段の吸引時間を調整する吸引時間調整手段を更に備え、
前記吸引時間調整手段は、
前記液体噴射ヘッドの前記ノズルから前記液体が噴射された場合には、前記液体噴射ヘッドの前記ノズルから前記液体が噴射されていない場合と比較して、前記吸引手段の吸引時間を増大させることを特徴とするミスト回収装置。
上記構成によれば、液体噴射ヘッドのノズルから液体が噴射された直後のように、液体噴射ヘッドと支持部材との間に大量のミストが滞留する状態では、吸引手段の吸引時間を増大させて積算風量を増大させることで確実にミストを回収することができる。
・技術的思想(2)…技術的思想(1)に記載のミスト回収装置において、
前記吸引時間調整手段は、前記ターゲットの印刷面積に基づき、前記吸引手段の吸引時間を、前記印刷面積が大きい場合には該印刷面積が小さい場合よりも吸引時間が長くなるように調整することを特徴とするミスト回収装置。
前記吸引時間調整手段は、前記ターゲットの印刷面積に基づき、前記吸引手段の吸引時間を、前記印刷面積が大きい場合には該印刷面積が小さい場合よりも吸引時間が長くなるように調整することを特徴とするミスト回収装置。
上記構成によれば、ターゲットの印刷面積が拡大することで液体噴射ヘッドのノズルからターゲットに噴射される液体量が増大し、それに伴って、液体噴射ヘッドと支持部材との間に滞留するミスト量が増大した場合には、吸引手段の吸引時間を増大させて積算風量を増大させることで確実にミストを回収することができる。
・技術的思想(3)…請求項8に記載の液体噴射装置において、
前記支持面の近傍位置にて前記ターゲットを加熱するための加熱手段を更に備えたことを特徴とする液体噴射装置。
前記支持面の近傍位置にて前記ターゲットを加熱するための加熱手段を更に備えたことを特徴とする液体噴射装置。
ターゲットが支持部材の支持面の近傍位置にて加熱された場合には、ターゲットに含まれる水分が蒸発して水蒸気となって液体噴射ヘッドと支持部材との間に滞留し、その水蒸気が、支持部材の支持面上にて印刷処理が施された直後のターゲットの印刷面に滲みを生じる虞がある。この点、上記構成によれば、吸引手段が吸引孔を介して水蒸気を直ちに負圧室内に吸引するため、ターゲットの印刷品質が低下することを抑制しつつ、ターゲットの印刷面を迅速に乾燥させることができる。
11…液体噴射装置としてのプリンタ、12…ターゲットとしての記録紙、22…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、23…単位ヘッド、27…支持部材としてのプラテン、28…吸引孔としての長孔、33…吸引手段としての誘引送風機、30…廃液回収部を構成する廃インクチューブ、31…廃液回収部を構成する廃インク容器、35…負圧室、36…ミスト回収装置、38…吸引力調整手段及び吸引時間調整手段としての制御装置、39…ミスト吸引孔としての円孔、41…液体受容体としてのメンテナンスユニット、43…変位機構としての偏心カム、45…加熱手段としてのヒータ。
Claims (8)
- ノズル形成面に形成されたノズルからターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置に設けられるミスト回収装置であって、
前記ターゲットを支持可能な支持面が前記ノズル形成面に対して対向するように配置され、且つ該支持面上には吸引された場合に負圧を発生可能な吸引孔が開口形成された支持部材と、
該支持部材の前記吸引孔に対して連通した負圧室と、
該負圧室内に負圧を発生させることで、前記ノズルからの液体噴射に基づき前記液体噴射ヘッドと前記支持部材との間に発生したミストを、前記吸引孔を介して前記負圧室内に吸引する吸引手段と
を備え、
前記吸引孔は、前記支持面において、前記ノズルからの前記液体の吐出方向で前記ノズルに対して対向する位置に開口するように形成されていることを特徴とするミスト回収装置。 - 請求項1に記載のミスト回収装置において、
前記液体噴射ヘッドは、前記支持部材の前記支持面に対向するように千鳥状に配置された複数の単位ヘッドにより構成され、
前記吸引孔は、前記支持部材の前記支持面に、前記複数の単位ヘッド毎に個別に対応するように区画された態様で開口形成されていることを特徴とするミスト回収装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のミスト回収装置において、
前記負圧室は、重力方向で下方に位置する底壁部が水平方向に対して斜状をなすように構成されており、
前記底壁部において重力方向での最下部となる位置には、前記負圧室内に吸引された前記液体を回収するための廃液回収部が設けられていることを特徴とするミスト回収装置。 - 請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のミスト回収装置において、
前記吸引手段は、前記負圧室内における重力方向での上方の領域に連通していることを特徴とするミスト回収装置。 - 請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のミスト回収装置において、
前記支持部材の前記支持面には、前記負圧室内に前記ミストを吸引するためのミスト吸引孔が、前記負圧室内に連通する態様で、前記ノズルからの前記液体の吐出方向で前記ノズルに対して対向する位置とは異なる位置に開口形成されていることを特徴とするミスト回収装置。 - 請求項5に記載のミスト回収装置において、
前記液体噴射ヘッドの前記ノズルに対して対向するように配置された開口部を有し、該開口部を介して前記液体噴射ヘッドの前記ノズルから廃液として吐出された前記液体を受容可能であり、且つ前記負圧室内から前記吸引孔内を通過して前記液体噴射ヘッドの前記ノズル形成面に対して接離する方向に変位可能な液体受容体と、
該液体受容体を、前記開口部が前記液体噴射ヘッドの前記ノズルを封止する第1の位置と、前記液体噴射ヘッドの前記ノズルから吐出された前記液体を受容可能であり且つ前記吸引孔の開口縁よりも前記液体噴射ヘッドから前記負圧室側に離間した第2の位置と、該第2の位置よりも前記液体噴射ヘッドから前記負圧室側に離間した第3の位置との間で変位させる変位機構と
を更に備えたことを特徴とするミスト回収装置。 - 請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載のミスト回収装置において、
前記負圧室に対する前記吸引手段の吸引力を調整する吸引力調整手段を更に備え、
前記吸引力調整手段は、
前記ターゲットが前記支持部材の前記支持面上に配置されている場合には、前記吸引孔を介して前記ターゲットに付与される吸引力が前記ターゲットの平面性を維持可能な第1の吸引力となるように前記吸引手段の吸引力を調整すると共に、
前記ターゲットが前記支持部材の前記支持面上に配置されていない場合には、前記第1の吸引力よりも強力な第2の吸引力となるように前記吸引手段の吸引力を調整することを特徴とするミスト回収装置。 - ノズル形成面に形成されたノズルからターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載のミスト回収装置と
を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
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