JP5573450B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録装置に関するものである。
一般に、ターゲットに対して記録装置を施す記録装置として、インクジェット式プリンター(以下、「プリンター」とも言う。)が広く知られている。また、近年では、こうしたプリンターを用いて、長尺状の連続紙(ターゲット:記録紙)に、後に切り抜いてラベルとして用いる多数の単位画像を連続して印刷することにより、例えば生鮮食品のラップフィルム上にされるラベルを小ロットで印刷する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のプリンターは、連続紙における記録処理が施される領域を連続紙の長さ方向に沿う搬送経路に沿わせて支持するプラテンと、プラテンよりも連続紙の搬送方向の上流側であって且つプラテンの近傍位置に配設される搬送ローラーユニットと、プラテンよりも連続紙の搬送方向の下流側であって且つプラテンの近傍位置に配設される補助搬送ローラーユニットとを備えている。また、両搬送ローラーユニットは、無端ベルトを介して互いに連結されており、各々の配設位置において連続紙を巻き付けた状態で、ベルト動力伝達機構から無端ベルトに伝達される駆動力に基づき互いに同期して回転駆動するようになっている。
なお、補助搬送ローラーユニットは、搬送ローラーユニットよりも回転径が小さくなるように構成されている。そのため、このプリンターでは、記録処理のために連続紙を搬送するとき、補助搬送ローラーユニットが搬送ローラーユニットよりもわずかに速い速度となるように回転駆動される。その結果、プラテン上に支持される連続紙には張力が付与されるようになっている。
特開2007−313663号公報
上記した特許文献1では、ポリエチレンコート紙からなる支持体に、表面側から光沢層、インク吸収層、白色付与層を有するプリント面が積層された連続紙を用いている。
ラベル印刷を行う場合には、透明な部材からなる連続紙を用いることが好ましい。透明な被記録媒体を用いることで、プラテン上に設けられたヒーターにより、裏面側から好適にインク層を加熱することができ、インク層の硬化を促進させることができる。
しかしながら、透明なフィルム上に直接印刷を施しても色が透けてしまうため、所望の発色が得られないという問題がある。そのため、少なくともラベル形成領域に下地層として白インクのインク層を記録領域に形成することにより、視認性の高い画像を形成することができる。この際、下地層上に画像印刷を行うので、プラテンに対する連続紙の位置決めを精度良く行う必要がある。従来においては、連続紙の位置決めを搬送ローラーのモーター駆動によって行っていた。
しかしながら、駆動モーターのみによる位置制御の場合、1フレーム(複数のラベル形成領域)ごとの連続紙を送り出す際の紙送り量に誤差が、フレーム数が多くなるに従って蓄積され、位置ずれも徐々に大きくなっていってしまっていた。このため、所望の位置(ラベル形成領域、下地層上)に連続して印刷を行うことが難しかった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、被記録媒体上に多数の単位画像を連続して印刷する場合に、支持手段に対する被記録媒体の位置決めを精度良く行うことのできる記録装置を提供することを目的の一つとしている。
本発明の記録装置は、搬送方向へ所定のピッチで第1の画像が形成された長尺状の被記録媒体を該被記録媒体の長さ方向に倣う搬送経路に沿わせて支持する支持手段と、前記支持手段により支持された状態にある前記被記録媒体に対して記録処理を施す記録手段と、前記支持手段よりも前記被記録媒体の搬送方向下流側に配置され、前記第1の画像を検出するセンサーと、前記被記録媒体の搬送制御を行う搬送制御部と、を備え、前記搬送制御部は、前記第1の画像に対して位置合わせされた第2の画像を前記被記録媒体上に形成する際に、前記支持手段を通過させて搬送した前記被記録媒体上の前記第1の画像を前記センサーで検出し、検出した前記第1の画像を前記支持手段上の所定位置まで戻すことにより、前記支持手段に対する前記被記録媒体の初期配置を行う機能を有し、さらに、前記搬送制御部は、前記第2の画像が記録された前記被記録媒体を単位搬送長さごとに間欠的に搬送する際に、前記単位搬送長さ内に存在する所定数の前記第1の画像を前記センサーによって検出した後、所定の長さ分だけ前記被記録媒体を搬送あるいは巻き戻すことにより、前記第2の画像が記録されていない後続の単位記録領域に対応する前記第1の画像を前記支持手段上の所定の位置に配置させる機能を有することを特徴とする。
これによれば、第1の画像を有する被記録媒体に対して、第1の画像に対して位置合わせされた第2の画像を形成する際に、支持手段よりも搬送方向下流側に配置されたセンサーにより第1の画像を検出し、検出した第1の画像を支持手段上の所定の位置まで戻すことにより、支持手段に対する被記録媒体の初期配置を行うこととしたので、被記録媒体を無駄にすることなく、被記録媒体のほぼ全体に所望の記録を施すことができる。
また、被記録媒体の支持手段に対する位置合わせをセンサーによって検出された第1の画像に基づいて実施することから、第1の画像に対して高精度に位置合わせされた第2の画像が得られる。
このように、被記録媒体上に多数の単位画像を連続して記録する場合に、同一領域に多段印刷を実施しても支持手段に対する被記録媒体の位置決めを精度良く行うことができるので、高精細な画像が得られる。
また、これによれば、第2の画像を形成する際、第1の画像に対する位置合わせを精度良く行うことができるので、高品位な画像を得ることができる。
また、複数の単位記録領域が設定された被記録媒体に対して単位記録領域ごとに第1の画像が形成され、単位記録領域内に第3の画像が形成されている構成としてもよい。
これによれば、センサーによって検出される単位記録領域の目印となる第1の画像を形成するのと同時に所望の画像(第3の画像)を単位記録領域内に形成することにより、記録工程を削減することができる。
また、第1の画像が、白色あるいは黒色の画像である構成としてもよい。
これによれば、第1の画像をセンサーによって検出しやすい。
また、第3の画像が白色の下地層である構成としてもよい。
これによれば、単位記録領域内に第3の画像として白色の下地層を形成しておくことにより、被記録媒体が透明な材質であった場合でも所望の発色の第2の画像を得ることができる。
本発明の記録方法は、搬送方向へ所定のピッチで複数の第1の画像が形成された長尺状の被記録媒体に対し、前記第1の画像に対して位置合わせされた第2の画像を形成する際に、前記被記録媒体を搬送方向へ搬送させて、前記被記録媒体を該被記録媒体の長さ方向に倣う搬送方向に沿わせて支持する支持手段上を通過させるステップと、前記支持手段よりも前記被記録媒体の搬送方向下流側に設けられたセンサーにより前記被記録媒体上の前記第1の画像を検出するステップと、前記被記録媒体を搬送方向とは逆方向へ搬送させることにより、検出した前記第1の画像を前記支持手段上の所定の位置まで戻すステップと、を実施することにより、前記被記録媒体の前記支持手段に対する初期配置を行い、さらに、前記第2の画像が記録された前記被記録媒体を単位搬送長さごとに間欠的に搬送するステップを有し、当該ステップにおいては、前記単位搬送長さ内に存在する所定数の前記第1の画像を前記センサーによって検出した後、所定の長さ分だけ前記被記録媒体を搬送あるいは巻き戻すことにより、前記第2の画像が記録されていない後続の単位記録領域に対応する複数の前記第1の画像を前記支持手段上の所定の位置に配置させることを特徴とする。
これによれば、第1の画像を有する被記録媒体に対して、第1の画像に対して位置合わせされた第2の画像を形成する際に、支持手段よりも搬送方向下流側に配置されたセンサーにより第1の画像を検出し、検出した第1の画像を支持手段上の所定の位置まで戻すことにより、支持手段に対する被記録媒体の初期配置を行うこととしたので、被記録媒体を無駄にすることなく、被記録媒体の略全体に所望の記録を施すことができる。
また、被記録媒体の支持手段に対する位置合わせをセンサーによって検出された第1の画像に基づいて実施することから、第1の画像に対して高精度に位置合わせされた第2の画像が得られる。
このように、被記録媒体上に多数の単位画像を連続して記録する場合に、同一領域に多段印刷を実施しても支持手段に対する被記録媒体の位置決め精度を精度良く行うことができるので、高精細な画像が得られる。
また、これによれば第2の画像が記録されていない後続の単位記録領域に対応する複数の第1の画像を支持手段上の所定の位置に配置させることとしているので、被記録媒体上の第1の画像に基づいて第2の画像を精度良く形成することができる
また、複数の単位記録領域が設定された被記録媒体に対して単位記録領域ごとに第1の画像を形成するステップを有し、第1の画像を形成するステップでは単位記録領域内に第3の画像を形成する方法としてもよい。
これによれば、センサーによって検出される単位記録領域の目印となる第1の画像を形成するのと同時に所望の画像(第3の画像)を単位記録領域内に形成することにより、記録工程を削減することができる。
また、第3の画像が白色の下地層である方法としてもよい。
これによれば、単位記録領域内に第3の画像として白色の下地層を形成しておくことにより、被記録媒体が透明な材質であった場合でも所望の発色で第2の画像を形成することができる。
また、第2の画像が記録された被記録媒体を単位搬送長さごとに間欠的に搬送するステップを有し、当該ステップにおいては、単位搬送長さ内に存在する第1の画像の数をセンサーによって検出し、検出された第1の画像の数に基づいて被記録媒体を搬送あるいは巻き戻すことにより、第2の画像が記録されていない後続の単位記録領域に対応する第1の画像を支持手段上の所定の位置に配置させてもよい。
これによれば、第2の画像が形成された被記録媒体の単位搬送長さごとの搬送を第1の画像に基づいて行うことにより、被記録媒体の支持手段に対する位置決めを精度良く行うことができる。これにより、被記録媒体の単位搬送長さごとの搬送回数が増えたとしても所望の位置に記録を実施することができる。
第1実施形態におけるプリンターの全体構成を示す模式図。 プリンターにおいて印刷を実行する印刷領域の平面図。 プラテンの側断面図。 (a)は、実施形態における連続紙の概略構成を示す断面図。 (a)は、プリンターの記録方法を説明するためのフローチャートを示す図、(b)は、第2の画像を印刷するステップを説明するためのフローチャート図。 プリンターの記録動作を説明するための概略図。 プリンターの記録動作を説明するための概略図。 プリンターの記録動作を説明するための概略図。
以下、本発明の記録装置をインクジェット式プリンター(以下、「プリンター」という。)に具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプリンターを示す図である。図2は、プリンターにおいて印刷を実行する印刷領域の平面図である。図3は、プラテンの側断面図である。
プリンター11は、印刷方式として、複数の記録ヘッド(液体噴射ヘッド)から連続紙12上に液体を噴射するインクジェット方式を採用したものであり、ロール状に巻回された長尺状の連続紙(被記録媒体)12を順次繰り出しつつ印刷処理を行い、印刷後の連続紙12を再びロール状に巻回する。
なお、本実施形態では、水平面内における連続紙12の幅方向をX方向、X方向と直交する連続紙12の搬送方向をY方向、鉛直方向をZ方向とするXYZ直交座標系を設定している。
プリンター11は、印刷処理を実行する本体部14と、本体部14に対して連続紙12を供給する繰り出し部13と、本体部14から排出される連続紙12を巻き取る巻き取り部15とを備えている。
本体部14は本体ケース16を備えており、繰り出し部13は本体ケース16の搬送方向上流側(−Y側)に設置され、巻き取り部15は本体ケース16の搬送方向下流側(+Y側)に設置されている。本体ケース16の搬送方向上流側(−Y側)の側壁16Aに設けられた媒体供給部16aに繰り出し部13が接続される一方、搬送方向下流側(+Y側)の側壁16Bに設けられた媒体排出部16bに巻き取り部15が接続されている。
繰り出し部13は、本体ケース16の側壁16Aの下部に取り付けられた支持板17と、支持板17に設けられた巻き軸18と、本体ケース16の媒体供給部16aに接続された繰り出し台19と、繰り出し台19の先端に設けられた中継ローラー20とを備えている。巻き軸18にロール状に巻回された連続紙12が回転可能に支持されている。ロールから繰り出された連続紙12は中継ローラー20に巻き掛けられて繰り出し台19の上面に転換され、繰り出し台19の上面に沿って媒体供給部16aへ搬送される。
巻き取り部15は、巻き取りフレーム41と、巻き取りフレーム41に設けられた中継ローラー42及び巻き取り駆動軸43とを備えている。媒体排出部16bから排出される連続紙12は中継ローラー42に巻き掛けられて巻き取り駆動軸43に案内され、巻き取り駆動軸43の回転駆動によりロール状に巻き取られる。
本体部14の本体ケース16内には、板状の基台21が水平に設置され、基台21により本体ケース内が2つの空間に区画されている。基台21より上側の空間が連続紙12に印刷処理を施す印刷室22である。印刷室22には、基台21上に固定されたプラテン(媒体支持部)28と、プラテン28の上方に設けられた記録ヘッド(記録処理部)36と、記録ヘッド36を支持するキャリッジ35aと、キャリッジ35aを支持する2本のガイド軸35(図2参照)と、バルブユニット37とが設けられている。2本のガイド軸35は搬送方向(Y方向)に沿って互いに平行に配置され、キャリッジ35aが搬送方向に往復移動可能に構成されている。
プラテン28は、図1から図3に示すように、上面が開口した箱状の支持台28aと、支持台28aの開口に取り付けられた載置板28bと、を有する。支持台28aは基台21上に固定されており、支持台28aと載置板28bとにより囲まれた内部が負圧室31とされている。載置板28bの支持面PL(図示上面)に連続紙12が載置される。
載置板28bには、載置板28bを厚さ方向に貫通する多数の貫通孔28Aが形成されており、支持台28aの一側壁(本実施形態では−Y側の側壁)に、当該側壁を貫通する排気口28Bが形成されている。排気口28Bには吸引ファン29が接続されている。吸引ファン29により負圧室31内を吸引することで、多数の貫通孔28Aを介して連続紙12に吸引力を作用させ、連続紙12を載置板28bの支持面PLに吸着させて平坦化することができる。
プラテン28の搬送方向上流側(−Y側)には、複数の搬送ローラーを含む供給搬送系が設けられている。供給搬送系は、プラテン28近傍の印刷室22内に設けられた第1搬送ローラー対25と、本体ケース16の下段側の空間に設けられた中継ローラー24と、媒体供給部16a近傍に設けられた中継ローラー23とを含む。
第1搬送ローラー対25は、第1駆動ローラー25aと、第1従動ローラー25bとからなる。第1駆動ローラー25aには、図2に示すように、第1搬送モーター26と、第1エンコーダ26Eとが連結されている。
供給搬送系において、繰り出し部13から媒体供給部16aを介して本体ケース16内に搬入された連続紙12は、中継ローラー23、24を経由して第1駆動ローラー25aに下方から巻き掛けられ、第1搬送ローラー対25にニップされる。そして、第1搬送モーター26により駆動される第1駆動ローラー25aの回転に伴って、第1搬送ローラー対25からプラテン28の支持面PL上に水平に繰り出される。
一方、プラテン28の搬送方向下流側(+Y側)には、複数の搬送ローラーを含む排出搬送系が設けられている。排出搬送系は、プラテン28に対して第1搬送ローラー対25と反対側に設けられた第2搬送ローラー対33と、本体ケース16の下段側の空間に設けられた反転ローラー38及び中継ローラー39と、媒体排出部16b近傍に設けられた送り出しローラー40とを含む。
第2搬送ローラー対33は、第2駆動ローラー33aと、第2従動ローラー33bとからなる。第2駆動ローラー33aには、図2に示すように、第2搬送モーター34と、第2エンコーダ34Eとが連結されている。なお、第2従動ローラー33bは、連続紙12の印刷面側(上面側)に配置されるため、印刷された画像の損傷を回避するために、連続紙12の幅方向(X方向)の端縁部にのみ当接する構成としてもよい。
排出搬送系において、連続紙12をニップした第2搬送ローラー対33は、第2搬送モーター34により駆動される第2駆動ローラー33aの回転に伴ってプラテン28上から連続紙12を搬出する。第2搬送ローラー対33から繰り出された連続紙12は、反転ローラー38及び中継ローラー39を経由して送り出しローラー40へ搬送され、送り出しローラー40により媒体排出部16bを介して巻き取り部15へ繰り出される。
本実施形態の場合、複数の記録ヘッド36は、ヘッド取付板36aを介してキャリッジ35aに取り付けられている。ヘッド取付板36aはキャリッジ35a上で媒体幅方向(X方向)に移動可能に構成されている。ヘッド取付板36aはキャリッジ35aに接続されたヘッド位置制御部35bにより位置制御可能であり、ヘッド取付板36aを媒体幅方向(X方向)に移動させることで、複数の記録ヘッド36を一体的に改行動作させることができる。記録ヘッド36は、ヘッド取付板36a上において、隣り合う記録ヘッド36が媒体搬送方向(Y方向)で互い違いに2段になるように、媒体幅方向に一定間隔に並べて配置されている。
なお、ヘッド位置制御部35bは、記録ヘッド36の媒体幅方向(X方向)の位置制御とともに、キャリッジ35aの媒体搬送方向(Y方向;ヘッド走査方向)の位置制御を行い、連続紙12上の所望の位置に記録ヘッド36を配置することができる。
複数の記録ヘッド36は、それぞれ図示しないインク供給チューブを介してバルブユニット37と接続されている。バルブユニット37は印刷室22内における本体ケース16の内壁に設けられており、図示しないインクタンク(インク貯留部)と接続されている。バルブユニット37は、インクタンクから供給されるインクを一時貯留しつつ記録ヘッド36に供給する。
記録ヘッド36の下面(ノズル形成面)には、多数のインク吐出ノズルが媒体幅方向(X方向)に列設されている。記録ヘッド36はバルブユニット37から供給されるインクをインク吐出ノズルからプラテン28上の連続紙12に向けて噴射し、印刷を行う。
なお、記録ヘッド36は、複数のインク吐出ノズル列を有していてもよい。この場合には、4色や6色のカラー印刷を行う際に、それぞれのインク吐出ノズル列に色種毎にインクを割り当てれば、1つの記録ヘッド36で複数色のインクの噴射が可能となる。
印刷室22において、プラテン28上の領域が、インク吐出ノズルからのインク噴射により連続紙12に対して印刷が行われる印刷領域Rである。連続紙12は、上述した供給搬送系及び排出搬送系により間欠的に搬送される。具体的には、印刷領域Rに相当する長さの連続紙12が印刷を行う毎にプラテン28上にロードされ、印刷処理後に排出搬送系へ送出される。
印刷室22内に延在するガイド軸35は、図1及び図2に示すように、印刷領域Rよりも媒体搬送方向の外側にまで延びている。これにより、キャリッジ35aは印刷領域Rの外側の領域まで移動可能とされている。印刷領域Rの媒体搬送方向上流側(−Y側)に第1メンテナンス領域R1が設けられ、媒体搬送方向下流側(+Y側)に第2メンテナンス領域R2が設けられている。
第1メンテナンス領域R1には、メンテナンスユニット60が設けられている。メンテナンスユニット60は、例えば、個々の記録ヘッド36に対応して設けられたキャップ部材及びワイピング部材と、キャップ部材に接続されキャップ部材内部を吸引する吸引装置とを備えた構成である。
第2メンテナンス領域R2には、メンテナンスユニットなどは設けられておらず、作業者の手や腕を挿入可能な作業空間とされている。第2メンテナンス領域R2にキャリッジ35aを配置することで上記作業空間内に記録ヘッド36のノズル形成面を露出させることができ、作業者によるノズル形成面の清拭や記録ヘッド36の交換作業などが可能となる。
なお、印刷処理後の連続紙12は、排出搬送系内を搬送される間に自然乾燥されるが、インクを強制的に乾燥させ連続紙12に固着させるための加熱装置を備えた構成としてもよい。例えば、プラテン28に載置板28bを加熱するプラテンヒーターを備えた構成としてもよく、排出搬送系内に加熱装置内を設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、プラテン28よりも連続紙12の搬送方向下流側に、連続紙12上に設けられた後述のアイマーク6を検出するアイマーク検出センサー(センサー)7が配置されている。このアイマーク検出センサー7は、具体的に第2搬送ローラー対33よりも下流側であって、基台21上の連続紙12の搬送路8に対向する位置、つまりアイマーク6を検出し易い箇所に設置される。
アイマーク検出センサー7の設置位置は、連続紙12の搬送経路上であってアイマーク6の通過範囲内とされている。アイマーク検出センサー7は、搬送路8を介して対向配置された発光素子7aおよび受光素子7bを備えた透過型のフォトセンサであり、連続紙12の裏面側に配置された発光素子7aから搬送路8に向けて照射した検査光(透過光)の有無を受光素子7bにて検出することで、連続紙12の表面に形成されたアイマーク6を検出することができる。なお、発光素子7aおよび受光素子7bの配置位置が逆になっていても良い。
また、本実施形態のプリンター11には連続紙12の搬送制御を行う搬送制御部27を備えている。この搬送制御部27には、少なくとも第1駆動ローラー25a、第2駆動ローラー33a、アイマーク検出センサー7が接続されており、例えば、アイマーク検出センサー7の検出結果に基づいて、第1駆動ローラー25aおよび第2駆動ローラー33aがそれぞれ駆動制御されるようになっている。
次に、本実施形態のプリンターに使用される連続紙の概略構成について説明する。
図4(a)は、本実施形態における連続紙の概略構成を示す断面図であり、(b)は連続紙の平面図である。
図4(a)に示すように、本実施形態で用いられる連続紙12としては、剥離台紙12a上に接着層12bを介してフィルム12cが貼り付けられてなり、それぞれが透明な材料からなるラベル用紙が一例として挙げられる。
図4(b)に示すように、この連続紙12の表面には複数の単位印刷領域(単位記録領域)A1が搬送方向に所定のピッチで設定されている。本実施形態では、単位印刷領域A1ごとに当該単位印刷領域A1の位置を特定するためのアイマーク(第1の画像)6が形成されている。
具体的にアイマーク6は、単位印刷領域A1の外側の非印刷領域(非記録領域)Cであって単位印刷領域A1よりも紙端側(連続紙12の幅方向一端側)、かつ、搬送方向における単位印刷領域A1の幅方向略中央に位置している。このアイマーク6は単位印刷領域A1と同じ数だけ設けられており、黒色あるいは白色で印刷されている。
本実施形態では、上記したプラテン28の大きさに対応して設定される印刷領域Rに送り出された連続紙12には、10個の単位印刷領域A1と、これら単位印刷領域A1ごとにそれぞれ設けられたアイマーク6が10個ずつ存在している。
なお、印刷領域R内に存在する単位印刷領域A1の個数は10個に限らない。また、単位印刷領域A1の大きさや形状も図示したものに限らない。
本実施形態における連続紙12の1フレームにおける搬送長さは印刷領域Rの範囲に相当する。つまり、プリンター11は、連続紙12のうち印刷領域Rに対応する長さ分を送り出す。この送り長さがプリンター11における連続紙12の単位搬送長さLとなる。
アイマーク6を印刷済みの連続紙12を単位搬送長さLごとに間欠的に搬送する際に、プラテン28と連続紙12との位置決めを第1搬送ローラー対25および第2搬送ローラー対33の駆動モーターによる位置制御のみで行おうとすると、搬送回数(フレーム数)が多くなるに従って連続紙12を送り出す際の送り量に誤差が生じてしまい、位置ズレも徐々に大きくなってしまう。
そこで、本実施形態では単位印刷領域A1ごとにアイマーク6を形成しておき、アイマーク6を検出することによってプラテン28と連続紙12との位置決めすることのできる構成となっている。
また、より好ましくは、印刷領域R(単位搬送長さL)内に存在する複数のアイマーク6のうち、搬送方向におけるプラテン28の前端(単位搬送長さLの先頭)側に位置するアイマーク6A(1個目)と、搬送方向におけるプラテン28の後端(単位搬送長さLの最後尾)に位置するアイマーク6A(10個目)との形状を他のアイマーク6B(2個目〜9個目)とは異なる形状で形成し、単位搬送長さLの始端と終端の目印となるようにしておく。
また、単位搬送長さLにおける10個のアイマーク6(61,62,63)どうしのピッチは等ピッチとなるように形成されている。
一方、搬送方向に連続する単位搬送長さLどうしにおいて、搬送方向前方の単位搬送長さLにおける搬送方向最後尾に位置するアイマーク6Aと、搬送方向後方の単位搬送長さLにおける搬送方向先頭に位置するアイマーク6Aとのピッチは、単位搬送長さL内におけるアイマーク6のピッチと異なっていても良い。つまり、単位搬送長さLごとに形成される10個のアイマーク群どうしのピッチが一定であればよい。
アイマーク6の形状としては、例えば、単位搬送長さLの始端と終端の目印となるアイマーク6A(6),6A(6)は平面視矩形状を呈するように形成し、他のアイマーク6B(6)は平面視正方形状を呈するように形成する。アイマーク6の大きさは、一辺が3mm〜4mm程度であることが好ましい。
なお、アイマーク6A,6Aの平面視における形状を互いに異ならせても良い。また、10個のアイマーク群のうち、搬送方向先頭のアイマーク6A(1個目)のみを他のアイマーク6(2〜10個目)と異なる形状としておくだけでもよい。
各単位印刷領域A1内にはその面積全体を占める白色の下地層(第3の画像)30が形成されている。さらに、これら単位印刷領域A1内に設定された実印刷領域A2の下地層30上には任意の画像(第2の画像)が描画形成されている。ここでは、単位印刷領域A1内にこれよりも小さい面積の実印刷領域A2を設定し、各単位印刷領域A1内に設定された実印刷領域A2の周辺(単位印刷領域A1と実印刷領域A2との間)に幅数mmの余白が設けられるようになっているが、単位印刷領域A1と実印刷領域A2とが同じ範囲であってもよい。
なお、連続紙12の構成は上記したものこれに限らず、フィルム単体であったり、剥離台紙12aが不透明材料からなるものなど、種々のものが使用できる。また、単位印刷領域A1を連続紙12の幅方向(搬送方向に直交する方向)に複数列設定してもよい。この場合、幅方向に並ぶ各単位印刷領域A1に対応するアイマーク6を検出可能なアイマーク検出センサー7をそれぞれ設けることになるが、複数の単位印刷領域A1が搬送方向および幅方向に規則正しく整列配置されている場合は、搬送方向に並ぶ単位印刷領域A1ごとのアイマーク6を検出するアイマーク検出センサー7を設ければよく、複数設ける必要はない。
[記録方法]
次に、本実施形態のプリンターの記録方法について述べる。
図5(a)は、プリンターの記録方法を説明するためのフローチャートを示す図、図5(b)は、第2の画像を印刷するステップを説明するためのフローチャート図である。
図6から図8は、プリンターの記録動作を説明するための概略図である。
プリンター11による印刷方法は、図5(a)に示すように、第1の画像印刷ステップS10と、連続紙セットステップS11と、初期配置ステップS12と、第2の画像印刷ステップS13と、連続紙搬送ステップS14と、第2の画像印刷終了判定ステップS15とを含む。また、図5(b)に示すように、初期配置ステップS12は、初期搬送ステップS21と、アイマーク検出ステップS22と、連続紙巻き戻しステップS23と、を含む。
まず、図6に示すように、連続紙12の表面に設定された単位印刷領域A1ごとに下地層30とアイマーク6とを同時に印刷する。具体的には、連続紙12における印刷領域R(搬送方向におけるプラテン28の前端から後端までの領域)内に存在する10個の単位印刷領域A1(図4(b))に対して第1の画像を印刷する(第1の画像印刷ステップS10)。ここでは、単位印刷領域A1内にベタ状の白色の下地層30を印刷し、単位印刷領域A1のそれぞれに対応する白色あるいは黒色のアイマーク6を非印刷領域C(図4(b))に印刷する。
本実施形態では、印刷領域R内に存在する10個の単位印刷領域A1のうち、プラテン28の搬送方向前端に位置する単位印刷領域A1に対応するアイマーク6A(1個目)および搬送方向後端に位置する単位印刷領域A1に対応するアイマーク6A(10個目)を平面視矩形状に形成し、それ以外の8個の単位印刷領域A1に対応するアイマーク6Aをそれぞれ平面視正方形状に形成する。
その後、連続紙12の印刷領域Rに対応する長さ(単位搬送長さL)分を間欠的に送り出して搬送する。
このようにして、第1の画像を連続紙12の長さ方向全体にわたって印刷する。
次に、連続紙12の始端から終端までに存在する全ての単位印刷領域A1に対して第1の画像の印刷を終えた後に、搬送経路上に配置された多数のローラーを逆回転させて、巻き取り駆動軸43側に巻き取られた連続紙12をバックフィードさせ、再び巻き軸18側へ巻き取らせる(連続紙セットステップS11)。このようにして、連続紙12をプリンター11に対して再セットする。
なお、連続紙12の幅方向両側(搬送方向に直交する方向)に単位印刷領域A1を介して互いに対向する一対のアイマーク6,6が設けられている場合には、第1の画像が形成されて巻き取り駆動軸43側に全て巻き取られた連続紙12を再び巻き軸18側へと再セットすればよいことになる。これにより、連続紙12を幅方向で反転させた場合にもアイマーク検出センサー7によるアイマーク6のセンシングが可能となる。
次に、連続紙12の始端側を初期印刷位置に配置する(初期配置ステップS12)。
ここでは、まず、図7(a)に示すように連続紙12の始端がプラテン28上を通過するまで搬送させる(初期搬送ステップS21)。そして、連続紙12上に形成された最も始端側(搬送方向先頭)に位置するアイマーク6A(6)がアイマーク検出センサー7によって検出されると(アイマーク検出ステップS22)、連続紙12をバックフィードさせて、検出したアイマーク6A(6)を図7(b)に示すようにプラテン28上(印刷領域R内)の所定の位置まで戻す(連続紙巻き戻しステップS23)。
実際には、連続紙12を予め設定された単位搬送長さL分だけ搬送させる際、搬送方向に搬送される連続紙12のアイマーク6をアイマーク検出センサー7によって検出することによって送り出される連続紙12の搬送量を検出し、アイマーク6の数(搬送量)に基づいて連続紙12を停止させ、連続紙12の所望の位置(後続の単位搬送長さLに相当する領域)をプラテン28上に配置させる。このようにして、アイマーク6および下地層30を有する、始端側から数えて最初の10個の単位印刷領域A1を印刷領域R内に配置させる。
このように、アイマーク6が形成された連続紙12に対して第2の画像を形成する際に、まずプラテン28に対する連続紙12の初期配置を行う。
次に、複数の単位印刷領域A1のそれぞれに対して1つずつアイマーク6が形成された連続紙12上に、各アイマーク6(単位印刷領域A1)に対して位置合わせされた第2の画像5を形成する(第2の画像印刷ステップS13)。
具体的には、図8(a)に示すように、プラテン28上(印刷領域R内)に存在する個々の単位印刷領域A1に対応して形成されたアイマーク6に基づいて、各単位印刷領域A1の実印刷領域A2内に第2の画像5として絵柄等の所望の画像を印刷する。第2の画像5は、白色の下地層30上にカラー描画される。本実施形態においては、透明なフィルム上に直接カラー印刷するのではなく、予め形成された白色の下地層30上に印刷するため、所望の発色の第2の画像5を得ることができる。
次に、第2の画像5が形成された連続紙12を単位搬送長さL分だけ搬送させ(連続紙搬送ステップS14)する。そして、搬送制御部27において連続紙12全体に対する第2の画像5の印刷が終了したかどうかを判定し(第2の画像印刷終了判定ステップS15)、印刷継続であることが判定されると(No)、プラテン28上(印刷領域R内)に新たに送り出された複数(10個)の単位印刷領域A1のそれぞれに対して第2の画像5の印刷を実施する(第2の画像印刷ステップS13)。
そして、搬送制御部27において連続紙12全体に対する第2の画像5の印刷が終了であると判断されるまで、ステップS13、S14を繰り返し実施する。そして、連続紙12全体に対する第2の画像5の印刷が終了したと判断されると(Yes)、連続紙12に対する印刷を終了する。
本実施形態において、第2の画像5を有する連続紙12を単位搬送長さL分だけ搬送させる際、図8(b)に示すように、アイマーク検出センサー7によって送り出される連続紙12上のアイマーク6を順次センシングしていくことで連続紙12の搬送量を把握し、10個目のアイマーク6を検出した後、さらに連続紙12を所定の長さ分だけ送り出す。この追加送り長さは、単位搬送長さLごとに形成される上述したアイマーク群61同士のピッチ等に応じて適宜設定され、後続の単位搬送長さLに含まれる10個のアイマーク6(アイマーク群61)をプラテン28上の印刷領域R内に確実に存在させるために実施する。このため、本実施形態では追加送りを行う設定としたが、搬送方向とは逆方向へ連続紙12を戻す設定にしても良い。
なお、初期配置後に連続紙12を単位搬送長さLごとに間欠的に搬送させる際、次の印刷対象となるアイマーク群61(10個のアイマーク6)が印刷領域R内に確実に配置されるピッチで形成されているのであれば、上記したような位置調整は不要になる。
このように、第2の画像印刷ステップS13と連続紙搬送ステップS14とを交互に実施することにより、単位搬送長さLごとに間欠的に連続紙12を送り出し、連続紙12上に設定された全ての単位印刷領域A1に対して第2の画像を印刷する。
ここで、第2の画像としては、全ての単位印刷領域A1で統一されていてもいいし、単位印刷領域A1ごとに全て異なっていてもよい。
先に述べたように、アイマークに対して位置合わせされた第2の画像を形成する際に、連続紙12の先端がプラテン28を通過してアイマーク検出センサー7に達するまで搬送させ、搬送方向先頭に位置するアイマーク6をアイマーク検出センサー7によって検出し、検出したアイマーク6をプラテン28上の所定位置まで戻すことによりプラテン28に対する連続紙12の初期配置を行っている。
プリンター11における連続紙12の単位搬送長さLはプラテン28の大きさによって予め設定されている。第2の画像を形成する際、アイマーク6を有する連続紙12の単位搬送長さL内に存在するアイマーク6(単位印刷領域A1)を把握するため、連続紙12の先端側を単位搬送長さL分だけ送り出してアイマーク6(単位印刷領域A1)の数をカウントする。連続紙12を初期配置させるために送り出された連続紙12上には第2の画像は形成されていない。そのため、単位搬送長さL内に存在するアイマーク6の数をカウントするためだけに送り出された連続紙12の先端部分は捨てるしかなく、無駄になってしまう。
そこで、本実施形態では、1フレーム分の搬送量、つまり単位搬送長さLに対応する分だけ搬送方向とは逆の方向へ巻き戻して、カウントした全てのアイマーク6をプラテン28上における印刷領域R内に存在させることとした。これにより、連続紙12を無駄にすることなく、連続紙12全体に設けられた全ての単位印刷領域A1内に第2の画像を形成することができる。
また、連続紙12のプラテン28に対する位置合わせをアイマーク検出センサー7によって検出されたアイマーク6に基づいて実施することから、下地層30に対して高精度に位置合わせされた第2の画像5が得られる。
このように、連続紙12上に多雨数の単位画像を連続して記録する場合に、同一領域に多段印刷を実施してもプラテン28に対する連続紙12の位置決めを精度良く行うことができるので、高精細な画像を形成することができる。
また、所定の領域に第2の画像5を形成した連続紙12を単位搬送長さLごとに間欠的に搬送した後、第2の画像5が形成されていない後続の単位印刷領域A1(例えば11個目のアイマーク6に対応する単位印刷領域A1)がプラテン28上の所定の位置、つまり、プラテン28の搬送方向下流側の端部(印刷領域R内)に位置するように、連続紙12をさらに所定の長さ分だけ搬送させている。これにより、連続紙12上に設定された全ての単位印刷領域A1に対して、下地層30に対して高精度に位置合わせされた第2の画像5を確実に印刷することができる。
以上、本実施形態によれば、連続紙12に対して印刷の基準となるアイマーク6を印刷し、このアイマーク6を基準にして所望の印刷を行うことで、高度な印刷位置決め精度を得ている。
なお、本実施形態では、第1の画像印刷ステップS10をプリンター11にて実施する際の記録方法について述べたが、第1の画像印刷ステップS10を別の印刷装置にて実施した後、アイマーク付きの連続紙12をプリンター11にセットし、初期配置ステップS12から実施することとしてもよい。
また、透明なフィルム状の連続紙12に対して直接カラー印刷を施しても色が透けて所望の発色が得られないことから、白色の下地層30上にカラー印刷を行う。この場合、印刷工程が白地印刷とカラー印刷との2段回に分かれているため印刷部分の高精度な位置合わせが必要となる。下地層30を印刷済みの連続紙12を単位搬送長さLごとに間欠的に搬送する際、プラテン28に対する連続紙12の位置合わせを搬送ローラー対25,33の駆動モーターによる位置制御のみで行うと、送り量に誤差が生じ、搬送回数(フレーム数)が多くなるに従い位置ズレも徐々に大きくなってしまう。
そこで、予め設定された単位印刷領域A1内に下地層30を形成するのと同時に単位印刷領域A1に対応するアイマーク6を形成しておき、アイマーク6を検出することによってプラテン28と連続紙12との位置決めを確実に行うことのできる構成となっている。このように、アイマーク6を基準にして下地層30上に所望のカラー印刷を実施することにより、所望の位置に所望の発色で第2の画像5を描画することができる。
なお、本実施形態では、アイマーク6と下地層30とを同時印刷することとしたが、アイマーク6とともに下地層30ではなく所望のカラー画像を同時に形成し、下地層30を後から形成してもよい。
また、本実施形態の印刷方法によれば、シリアル番号など、全ての単位印刷領域A1において異なる画像を所定の場所に印刷する場合に有効である。
また、インクの色に関しては、今後さらに多数の色がラインアップされてくる可能性があり、多色用途の印刷にも対応が可能である。例えば、8色(イエロー、ブルー、マゼンタ、シアン、クリア、ブラック、マットブラック、ホワイト)印刷も可能となる。
また、多色印刷を実施する場合、搭載できるインクカートリッジの数にもよるが、例えば6色対応のプリンターの場合、第1印刷において6色印刷を行い、第2印刷では第1印刷とは異なる6色印刷を行うことにより最大12色の多色印刷が可能となる。この場合、第1印刷領域と第2印刷領域との高精度な位置決めを行う必要があるが、アイマーク6を利用した本実施形態の印刷方法によれば、高精度な位置決めを確実に、かつ、複雑な制御を必要とすることなく容易に行える。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上述の実施形態においては、記録装置として、インク等の液体を噴射する記録装置を例にして説明したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする記録装置に適用することができる。記録装置が噴射可能な液体は、機能材料の粒子が分散又は溶解されている液状体、ジェル状の流状体を含む。
また、上述した実施形態において、記録装置から噴射される液体としては、インクのみならず、特定の用途に対応する液体を適用可能である。記録装置に、その特定の用途に対応する液体を噴射可能な噴射ヘッドを設け、その噴射ヘッドから特定の用途に対応する液体を噴射して、その液体を所定の物体に付着させることによって、所定のデバイスを製造可能である。例えば、記録装置は、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、及び面発光ディスプレイ(FED)の製造等に用いられる電極材、色材等の材料を所定の分散媒(溶媒)に分散(溶解)した液体(液状体)を噴射する記録装置に適用可能である。
液体収容容器として、走査型記録ヘッドを載置するキャリッジにインクカートリッジを装着する場合を例にして説明したが、これに限らない。例えば、キャリッジとは異なる位置にインクカートリッジを装着する場合(いわゆるオフキャリッジ型)であってもよい。
また、ライン型ヘッド(非走査型記録ヘッド)にインクカートリッジを装着する場合であってもよい。
また、流体噴射装置としては、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する記録装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する記録装置であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する記録装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する記録装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する記録装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の記録装置に本発明を適用することができる。
5…第2の画像、6…アイマーク(第1の画像)、7…アイマーク検出センサー、L…単位搬送長さ、11…プリンター(記録装置)、12…連続紙(被記録媒体)、27…搬送制御部、28…プラテン(支持手段)、30…下地層(第3の画像)、36…記録ヘッド(記録手段)、A1…単位印刷領域(単位記録領域)

Claims (8)

  1. 搬送方向へ所定のピッチで第1の画像が形成された長尺状の被記録媒体を該被記録媒体の長さ方向に倣う搬送経路に沿わせて支持する支持手段と、
    前記支持手段により支持された状態にある前記被記録媒体に対して記録処理を施す記録手段と、
    前記支持手段よりも前記被記録媒体の搬送方向下流側に配置され、前記第1の画像を検出するセンサーと、
    前記被記録媒体の搬送制御を行う搬送制御部と、を備え、
    前記搬送制御部は、前記第1の画像に対して位置合わせされた第2の画像を前記被記録媒体上に形成する際に、
    前記支持手段を通過させて搬送した前記被記録媒体上の前記第1の画像を前記センサーで検出し、検出した前記第1の画像を前記支持手段上の所定位置まで戻すことにより、前記支持手段に対する前記被記録媒体の初期配置を行う機能を有し、
    さらに、前記搬送制御部は、前記第2の画像が記録された前記被記録媒体を単位搬送長さごとに間欠的に搬送する際に、前記単位搬送長さ内に存在する所定数の前記第1の画像を前記センサーによって検出した後、所定の長さ分だけ前記被記録媒体を搬送あるいは巻き戻すことにより、前記第2の画像が記録されていない後続の単位記録領域に対応する前記第1の画像を前記支持手段上の所定の位置に配置させる機能を有する
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 複数の単位記録領域が設定された前記被記録媒体に対して前記単位記録領域ごとに前記第1の画像が形成され、前記単位記録領域内に第3の画像が形成されている
    ことを特徴とする請求項記載の記録装置。
  3. 前記第1の画像が、白色あるいは黒色の画像である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記第3の画像が白色の下地層である
    ことを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  5. 搬送方向へ所定のピッチで複数の第1の画像が形成された長尺状の被記録媒体に対し、前記第1の画像に対して位置合わせされた第2の画像を形成する際に、
    前記被記録媒体を搬送方向へ搬送させて、前記被記録媒体を該被記録媒体の長さ方向に倣う搬送方向に沿わせて支持する支持手段上を通過させるステップと、
    前記支持手段よりも前記被記録媒体の搬送方向下流側に設けられたセンサーにより前記被記録媒体上の前記第1の画像を検出するステップと、
    前記被記録媒体を搬送方向とは逆方向へ搬送させることにより、検出した前記第1の画像を前記支持手段上の所定の位置まで戻すステップと、を実施することにより、
    前記被記録媒体の前記支持手段に対する初期配置を行い、
    さらに、前記第2の画像が記録された前記被記録媒体を単位搬送長さごとに間欠的に搬送するステップを有し、
    当該ステップにおいては、前記単位搬送長さ内に存在する所定数の前記第1の画像を前記センサーによって検出した後、所定の長さ分だけ前記被記録媒体を搬送あるいは巻き戻すことにより、前記第2の画像が記録されていない後続の単位記録領域に対応する複数の前記第1の画像を前記支持手段上の所定の位置に配置させる
    ことを特徴とする記録方法。
  6. 複数の単位記録領域が設定された前記被記録媒体に対して前記単位記録領域ごとに前記
    第1の画像を形成するステップを有し、
    前記第1の画像を形成するステップでは前記単位記録領域内に第3の画像を形成する
    ことを特徴とする請求項に記載の記録方法。
  7. 前記第1の画像として、白色あるいは黒色の画像を形成する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の記録方法。
  8. 前記第3の画像として白色の下地層を形成する
    ことを特徴とする請求項に記載の記録方法。
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