JP5790107B2 - 塗布物乾燥装置及び記録装置 - Google Patents
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Description
インクジェット記録装置は、記録ヘッドから記録媒体に対してインクを吐出して着弾させることにより記録媒体上に画像を記録する方式が採用されているため、記録媒体として紙や布帛等のほか、従来の画像記録方式では記録が困難であった樹脂フィルムや金属等のインク吸収性に乏しい記録媒体に対しても画像記録を行うことができる。
例えば、記録媒体を支持する支持体の裏面側にヒーターを設けておき(例えば、特許文献1)、該ヒーターによって支持体を加熱することによって記録媒体上に吐出されたインクの乾燥を促進させる第1次加熱工程と、支持加熱工程である程度加熱された記録媒体を乾燥装置内で加熱乾燥させる第2次加熱工程とを実行することによって、インクの浸透乾燥や蒸発乾燥を促進させる手法が採用されている。
第1次加熱工程と第2次加熱工程とでそれぞれ異なる熱源を採用しているため、結果的に大きな電力を要することとなり、省電力化の妨げになっている。
これによれば、時間経過による温度低下を待つよりも短時間で第2温度から第1温度まで気体の温度を低下させることができ、効率よく基材加熱用気体を生成することができる。
これによれば、温度センサーによる測定結果に応じて、排気供給部から第1次加熱部へ供給する基材加熱用気体の温度調整を行うことによって、基材を第1温度に効率よく温度調整することができる。
これによれば、第1次加熱部で必要な加熱用気体の風量よりも第2次加熱部から第1次加熱部への排気量の方が多い場合には、ダンパ機構によって第2次加熱部から排気された気体の一部を外部へ逃がすなどして、前記排気供給部の風量を調整する。つまり、第2次加熱部(排気供給部)から第1次加熱部へ供給される供給量と、第1次加熱部から外部へ排出される排気量とを一定にすることによって、第1次加熱部で基材を加熱する温度を第1温度に維持することができる。
これによれば、吸引装置の作用により、支持体の吸引孔を介して外気を吸引することにより、圧力室内に負圧が発生して基材に対する吸着力を付与することができるようになっている。本発明ではこの吸引装置によって第2次加熱部からの排気を第1次加熱部に吸引させることができるようになっているため、吸引装置を少なくとも一つ設ければ良い。よって、第2次加熱部に必ずしも排気を流出させる装置を設ける必要がなくなるので、設備投資費用を抑えることができる。
これによれば、第1次加熱部に対して一定の温度の基材加熱用気体を供給することができ、支持体の温度を第1温度に維持することができる。
これによれば、基材に塗布された塗布物を省電力で効率よく乾燥することのできる塗布物乾燥装置を備えているので、全体の消費電力を削減することができる。
これにより、乾燥むらの発生を抑制できて高い記録品質を確保することが可能である。
なお、以下の実施の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
なお、本実施形態では、水平面内における連続紙12の幅方向をX方向、X方向と直交する連続紙12の搬送方向をY方向、鉛直方向をZ方向とするXYZ直交座標系を設定している。
本実施形態における供給搬送系は、プラテン28上に連続紙12を所定範囲ずつ間欠的に搬送する。
加熱装置10で第2次乾燥処理が行われた連続紙12は、中継ローラー39b〜39dを経由して送り出しローラー40へ搬送され、送り出しローラー40により媒体排出部16bを介して巻き取り部15へ繰り出される。
なお、ヘッド位置制御部35bは、記録ヘッド36の媒体幅方向(X方向)の位置制御とともに、キャリッジ35aの媒体搬送方向(Y方向;ヘッド走査方向)の位置制御を行い、連続紙12上の所望の位置に記録ヘッド36を配置することができる。
なお、記録ヘッド36は、複数のインク吐出ノズル列を有していてもよい。この場合には、4色や6色のカラー印刷を行う際に、それぞれのインク吐出ノズル列に色種毎にインクを割り当てれば、1つの記録ヘッド36で複数色のインクの噴射が可能となる。
本実施形態のインクジェットプリンター11は、第2次加熱部において利用した乾燥用気体を第1次加熱部において再利用する。この際、第1加熱処理と第2次加熱処理とで使用する気体温度に差があるため、第2次加熱部からの排気温度を第1次加熱処理用に温調させる必要がある。この温調制御が排気供給部3において行われる。
なお、気体供給装置8から供給される熱風によって、乾燥空間64内に配置された連続紙12のインクを効果的に乾燥させることができれば、加熱装置10に対する気体供給装置8と排気供給流路71との接続位置関係は上記したものに限らない。
排気供給流路71には、加熱装置10から高温の熱風が排気、導入される。廃熱温度は75℃近傍であり、このままでは第1次加熱部1へと供給することができない。温度調整部72は後述するように加熱装置10から排気供給流路71を通して排気された気体W1を吸気部74を通して取り込んだ外気W3と混合させて温調する。このため、プラテンの加熱温度は加熱装置からの排気W1よりも低く、且つ外気W3よりも高い温度に設定されている。本実施形態においては、プラテンの加熱温度は45度(第2温度)に設定されている。
図4に示すように、インクジェットプリンター11は、装置全体の駆動状態を制御するコントローラー(制御部)44を備えている。コントローラー44は、中央処理装置となるCPU45、ROM46、及びRAM47を備えている。ROM46には、印刷処理及び搬送処理に関する処理ルーチンのプログラム等が記憶されている。また、RAM47は、CPU45における演算結果の一時記憶領域や、外部入力装置48から入力される印刷データ等の一時記憶領域として使用される。
また、画像形成動作時以外の動作状態では、プラテン28への加熱用気体の供給を停止し、または画像形成動作開始時の立ち上がり時間を考慮した温度(画像形成時よりも低い温度)でプラテン28の温度を維持する。
まず、コントローラー44は、第1次加熱部1及び第2次加熱部2を駆動してウォーミングアップを実行する。
具体的に、コントローラー44は気体供給装置8を駆動して加熱装置10内に所定温度(75℃)の熱風を供給するとともに、吸引ファン29を駆動して加熱装置10内に供給された熱風を排気供給流路71へ流出させる。コントローラー44が吸引ファンモータードライバー54に対して制御信号を送信すると、吸引ファンモーター30の回転駆動に伴って吸引ファン29が回転駆動を開始して、負圧室31、温度調整部72、排気供給流路71内に順次負圧が生成される。その結果、加熱装置10内に供給された熱風が排気供給流路71、温度調整部72へと順次導入され、温度調整部72において生成された加熱用気体W2としてさらに負圧室31へと導入されることになる。
載置板28bは、25mm程度の厚さを有しているため設定温度まで加熱するには時間がかかるが、一旦設定温度に達した後は、吸引ファン29の出力を一定にすることで保持することができる。
このようにして印刷前のウォーミングアップを実行する。
連続紙12に対する印刷に用いられる印刷データが外部入力装置48からRAM47に対して入力され、かかる印刷データがヘッドドライバー49を介して記録ヘッド36に入力されると、コントローラー44は搬送処理及び印刷処理第に関するプログラムを実行する。
従来では、加熱装置10に熱風を供給する気体供給装置8とは別にプラテン28を加熱するヒーターが用いられており、プラテン28と加熱装置10とにそれぞれ異なる熱源が設けられていた。例えば、プラテンヒーターの消費エネルギーは1.1kW、気体供給装置8の消費エネルギーは3.5kWであり、各熱源を駆動するには多くのエネルギーが必要になるため省電力化の妨げになっていた。
また、本実施形態では、第1次加熱処理の温度(45℃)が第2次加熱処理の温度(75℃)よりも低く設定されていることから、第2次加熱処理からの廃熱を利用することが可能である。加熱装置10から排出された排気をプラテン28へ供給するまでに時間経過に伴って排気温度が低下することが考えられるため、第1次加熱処理の温度が第2次加熱処理の温度よりも同じ場合や高い温度が必要になる場合には第2次加熱処理の排気を利用することができない。加熱装置10からの排気温度を維持あるいはそれよりも高温にするための熱源や熱量が必要になってしまう。これでは省電力化の実現が困難になってしまうが、本実施形態であれば、プラテン加熱温度は加熱装置の温度よりも低く設定されているため、時間経過に伴う排気温度の低下は問題にならず、第1次加熱処理に有効的に利用することが可能となっている。これにより、省電力化を実現することができる。
しかしながら、吸引ファン29だけに限らず、排気供給系にも1つあるいは複数のファンを設けても構わない。
先の実施形態では、気体供給装置8が外部から取り込んだ常温(18〜29℃)の外気を所定温度(75℃)まで加熱しているが、プラテン28から排気された気体(45℃)を気体供給装置8で利用することで消費電力が少なくて済む。このように、第1次加熱部1、第2次加熱部2及び排気供給部3内において気体を循環させることにより、気体供給装置8の省電力化が可能になる。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
Claims (7)
- 基材の表面に塗布された塗布物を乾燥させる塗布物乾燥装置において、
前記塗布物が塗布された前記基材を第1温度で加熱する第1次加熱部と、
前記第1次加熱部よりも前記基材の搬送方向下流側に配置され、前記第1次加熱部で加熱された前記基材を前記第1温度より高い第2温度で加熱する第2次加熱部と、
前記第2次加熱部の排気を前記第2温度から前記第1温度に調整して、基材加熱用気体として前記第1次加熱部に供給する排気供給部と、を備え、
前記第1次加熱部は、前記基材を支持する支持体の支持面に対して前記基材を吸着保持させる吸着機能を備える
ことを特徴とする塗布物乾燥装置。 - 前記排気供給部は、外気を給気する吸気部を有し、
前記排気と前記外気とを混合することで前記第1次加熱部に供給する前記加熱用気体の温度調整を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の塗布物乾燥装置。 - 前記支持体が、前記基材を前記第1温度で加熱する機能を有し、
少なくとも前記支持体及び前記排気供給部の温度を測定する温度センサーと、
前記温度センサーによる結果に応じて、前記排気供給部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布物乾燥装置。 - 前記第2次加熱部からの前記排気を前記第1次加熱部へと供給する前記排気供給部に、前記加熱用気体の供給風量を調整するためのダンパ機構が設けられている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の塗布物乾燥装置。 - 前記第1次加熱部は、前記支持体の前記支持面から裏面に貫通する複数の吸引孔を介して前記支持体の裏面側に配置された圧力室内に外気を吸引する吸引装置を有しており、
前記吸引装置の吸引作用によって前記排気を前記第1次加熱部に吸引する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の塗布物乾燥装置。 - 前記第2次加熱部から前記第1次加熱部に供給される供給量と、前記第1次加熱部から外部に排出される排気量とが同じである
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の塗布物乾燥装置。 - 基材に塗布物を塗布することで記録を行う記録ヘッドと、
請求項1から6のいずれか一項に記載の塗布物乾燥装置と、を備えたことを特徴とする記録装置。
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