JP2010099662A - 鍛造プレスおよび鍛造プレスにおけるノックアウト制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノックアウト装置を備えた鍛造プレスであって、ノックアウト装置は、ノックアウトピンNと、ノックアウトピンNを作動させるノックアウトピン作動手段10とを備えており、ノックアウトピンNは、その昇降方向に沿って並んで配設された複数の軸状部材NPから構成されており、各軸状部材NPは、金型Dおよび金型Dを支持する複数の部材にそれぞれ昇降可能に配設されており、ノックアウトピン作動手段10は、駆動軸状部材NP4を昇降させる昇降部と、昇降部の作動を制御する制御部20とを備えており、制御部20は、接触軸状部材NP1の先端が金型Dの上面Daと面一となる状態における駆動軸状部材NP1の移動量を、遊びストローク量として記憶する遊びストローク量記憶部22を備えている。
【選択図】図1
Description
例えば、機械式の駆動機構の場合、通常、エキセン軸に設けられた上カムと、この上カムに追従して先端が揺動する上カムレバーと、上カムレバーの先端にロッドを介して連結された下レバーと、下レバーの軸に固定されノックアウトピンの下方に設けられたロッカーアームとから構成されている。
そして、かかる機械式の駆動機構を採用したノックアウト装置であれば、エキセン軸の回転に対応してロッカーアームが上下に揺動するので、ロッカーアームの揺動に対応してノックアウトピンを上下に昇降させることができる。
特許文献1,2には、ノックアウトピンを作動させるロッカーアームや揺動アームをサーボモータに連結し、このサーボモータによりノックアウトピンの作動を制御する機構が開示されている。
また、特許文献3,4には、ノックアウトピンを作動させるロッカーアームを油圧シリンダのロッドに連結し、この油圧シリンダの作動を油圧回路によって制御し、ノックアウトピンの作動をコントロールする技術が開示されている。
これらの技術では、サーボモータや油圧シリンダの作動タイミングはエキセン軸の回転に拘束されることなく自由に設定することができるので、金型変更作業等に伴うノックアウトモーションの変更を簡単かつ短時間で行うことができる。
しかし、上記のごとく金型からベッドまで貫通するノックアウトピンを設けていると、鍛造プレスの金型交換において、金型だけまたは金型をダイホルダとともに交換するときに、ノックアウトピンが金型等の交換の邪魔になる。
第1発明の鍛造プレスにおけるノックアウト制御方法は、ノックアウトピンを作動させて金型から鍛造品を離型するノックアウト装置を備えた鍛造プレスにおいて、前記ノックアウトピンの作動を制御する制御方法であって、前記ノックアウトピンは、その昇降方向に沿って並んで配設された複数の軸状部材から構成されており、各軸状部材は、その昇降方向に沿って並んで配設された、金型を支持する複数の部材にそれぞれ昇降可能に配設されており、前記複数の軸状部材における最下層に位置する駆動軸状部材を、基準位置から、前記複数の軸状部材における隣接する軸状部材同士が接触しかつ最上層に位置する接触軸状部材の先端が前記金型の上面と面一となるノックアウト開始位置まで移動させる移動量を遊びストローク量として設定し、前記ノックアウトピンが離型モーションを開始する前に、前記駆動軸状部材が前記ノックアウト開始位置に位置するように、該駆動軸状部材を移動させることを特徴とする。
第2発明の鍛造プレスにおけるノックアウト制御方法は、第1発明において、各ノックアウトサイクルにおいて、ノックアウト終了後、前記駆動軸状部材を前記基準位置に配置した状態から前記遊びストローク量分移動させることを特徴とする。
(ノックアウト装置)
第3発明の鍛造プレスは、ノックアウト装置を備えた鍛造プレスであって、前記ノックアウト装置は、ノックアウトピンと、該ノックアウトピンを作動させるノックアウトピン作動手段とを備えており、前記ノックアウトピンは、その昇降方向に沿って並んで配設された複数の軸状部材から構成されており、各軸状部材は、その昇降方向に沿って並んで配設された、金型および金型を支持する複数の部材にそれぞれ昇降可能に配設されており、前記ノックアウトピン作動手段は、前記複数の軸状部材のうち、最下層に位置する駆動軸状部材を昇降させる昇降部と、該昇降部の作動を制御する制御部とを備えており、該制御部は、前記駆動軸状部材を、基準位置から、前記複数の軸状部材における隣接する軸状部材同士が接触しかつ最上層に位置する接触軸状部材の先端が前記金型の上面と面一となるノックアウト開始位置までの移動させる移動量を、遊びストローク量として記憶する遊びストローク量記憶部を備えていることを特徴とする。
第4発明の鍛造プレスは、第3発明において、前記制御部は、各ノックアウトサイクルにおいて、ノックアウト終了後、前記駆動軸状部材が前記基準位置に配置した状態から前記遊びストローク量分移動するように、昇降部を制御するものであることを特徴とする。
第1発明によれば、ノックアウトを開始するタイミングでは、駆動軸状部材が前記ノックアウト開始位置に配置される。すると、軸状部材同士が互いに接触しかつ接触軸状部材の先端が鍛造品に接触した状態からノックアウトを開始させることができるから、ノックアウトを開始するタイミングにズレが生じることを防ぐことができる。
第2発明によれば、ノックアウトを開始するタイミングにおいて、駆動軸状部材を前記ノックアウト開始位置に確実に配置させることができる。
(ノックアウト装置)
第3発明によれば、遊びストローク量が遊びストローク量記憶部に記憶されているので、ノックアウトを開始するタイミングにおいて駆動軸状部材を前記ノックアウト開始位置に配置することができる。すると、軸状部材同士が互いに接触しかつ接触軸状部材の先端が鍛造品に接触した状態からノックアウトを開始させることができるので、ノックアウトを開始するタイミングにズレが生じることを防ぐことができる。
第4発明によれば、ノックアウトを開始するタイミングにおいて、駆動軸状部材を前記ノックアウト開始位置に確実に配置させることができる。
図2は本実施形態の鍛造プレスにおけるノックアウト装置の概略説明図である。同図において、符号Dは上下一対の金型における下型(以下では単に金型Dという)示している。この金型DはダイホルダHに保持されており、このダイホルダHは、ハードプレートPを介してベッドBの上面に取り付けられている。つまり、金型Dは、ベッドB、ハードプレートP、ダイホルダHによって支持されているのである。
なお、ベッドB、ハードプレートP、ダイホルダHが特許請求の範囲にいう金型Dを支持する複数の部材に相当する。
よって、ノックアウトピンNを構成する各軸状部材NP1〜NP4が金型Dの交換作業時等の障害となることを防ぐことができるから、ノックアウトピンNを取り外さなくても、金型Dの交換作業等を行うことができる。
そして、前記油圧シリンダ11は、ノックアウトピン作動手段10の制御部20の作動制御部21によってその作動が制御されている。具体的には、作動制御部21に設けられた油圧回路によって、油圧シリンダ11が伸縮するストローク、タイミングおよび伸縮速度が制御されているのである。
そして、駆動軸状部材NP4が上昇すると、駆動軸状部材NP4の上端が軸状部材NP3に接触し、軸状部材NP3を下方から押し上げる。同様に、軸状部材NP3によって軸状部材NP2が押し上げられ、軸状部材NP2によって軸状部材NP1が押し上げられる。逆に、駆動軸状部材NP4が上昇した状態から下降すると、駆動軸状部材NP4の下降に伴って、軸状部材NP1〜NP3は自重で下方に移動する。
つまり、制御部20によって油圧シリンダ11を作動させて駆動軸状部材NP4を昇降させれば、ノックアウトピンNの最上層に位置する軸状部材NP1(以下、接触軸状部材NP1という)の上端を金型Dの上面Daから出没させることができるから、ノックアウトピンNによって、金型Dから鍛造品Wをノックアウトすることができるのである。
また、以下では、駆動軸状部材NP4が最下方まで下降した位置を基準位置という。かかる基準位置は、ノックアウトする鍛造品Wや金型、ダイホルダ等に応じて適宜定められる位置である。例えば、油圧シリンダ11が完全に収縮している状態における駆動軸状部材NP4の位置を基準位置としでもよいし、油圧シリンダ11が若干伸長している状態における駆動軸状部材NP4の位置を基準位置としでもよい。
具体的には、作動制御部21は、油圧シリンダ11に作動油を供給排出する油圧回路と、予め定められている接触軸状部材NP1のノックアウトモーション(基準モーション)の情報とを記憶する記憶部とを備えている。そして、作動制御部21は、基準モーションで接触軸状部材NP1が作動するように、油圧回路を作動させる機能を有している。
なお、基準モーションの情報とは、プレスのスライドの昇降タイミングと駆動軸状部材NP4の移動量とを対応づけた情報である。つまり、どのタイミングで駆動軸状部材NP4の作動を開始させるか、また、どのタイミングで駆動軸状部材NP4をどの程度移動させるか等を定めた情報である。
しかし、本実施形態の鍛造プレスでは、ノックアウトピンN(例えば、接触軸状部材NP1)が摩耗しても、遊びストローク量を変更すれば、ノックアウトモーション開始時における接触軸状部材NP1の先端と金型Dの上面Daとが面一の状態となるよう調整することができる。
つまり、本実施形態の鍛造プレスでは、所定のノックアウトストローク(鍛造品Wの金型Dからのリフト量)が確保できるのであれば、摩耗したノックアウトピンNをそのまま継続して使用しても、ノックアウトピンNの実際のノックアウトモーションと基準モーションとの間にズレが生じることを防ぐことができる。
よって、ノックアウトピンNの耐用年数を長くすることができるので、ノックアウトピンN等をメンテナンスする頻度を抑えることができ、生産効率も向上する。
具体的には、駆動軸状部材NP4をノックアウト開始位置まで移動させたときに反力検出部によって測定される反力が、接触軸状部材NP1の先端と金型Dの上面Daとが面一の状態ときに鍛造品WからノックアウトピンNに加わるの反力よりも小さい場合には、ノックアウトピンNに摩耗等が生じていると判断することができる。
上記反力検出部は、ノックアウトピンNに加わる鍛造品Wからの反力を検出し、検出した反力に対応した信号を出力する機能を有しているものであればとくに限定されず、例えば、圧力センサやロードセル等も採用することができる。
とくに、図2に示すように油圧シリンダ11によってノックアウトピンNを作動させる場合であれば、ノックアウトピンNに加わる鍛造品Wからの反力は油圧シリンダ11の油圧として検出することができる。かかる構成の場合には、反力検出部として、油圧シリンダ11の油圧を検出する圧力センサを採用することができるから、反力検出部の設置や反力の検出が容易になるという利点がある。
上述した遊び補正制御を行うには、遊びストローク量を設定しなければならないが、遊びストローク量は、以下の方法で設定することができる。以下、図3,図4に基づいて、遊びストローク量の設定作業を説明する。
全ての軸状部材NP1〜NP4が接触した状態となってからも、さらに油圧シリンダ11の作動(伸長)を継続し、駆動軸状部材NP4を上昇させる。やがて、接触軸状部材NP1の先端面が金型Dの上面Daと面一となる位置まで駆動軸状部材NP4が上昇する。つまり、金型Dの成形後の鍛造品Wが存在している場合において、接触軸状部材NP1の上面が鍛造品Wに接触した状態となる位置、つまり、ノックアウト開始位置まで駆動軸状部材NP4が上昇する(図3(A))。
上記状態となると油圧シリンダ11の作動を停止し、作動開始からの作動停止までの油圧シリンダ11の作動量(伸長量)、言い換えれば、基準位置からノックアウト開始位置までの駆動軸状部材NP4の移動量を遊びストローク量として遊びストローク量記憶部22に記憶させれば、遊びストローク量の設定が終了する。
しかし、鍛造品Wによっては、接触軸状部材NP1が金型Dの貫通孔Dh内において最下方に位置した状態でも、接触軸状部材NP1の上面が成形後の鍛造品Wと接触する場合もある。つまり、接触軸状部材NP1の上面も鍛造品Wを成形する型の一部として機能する場合もある(図5参照)。
かかる場合には、隣接する駆動軸状部材NP間に隙間が存在しない状態とすれば、ノックアウトを開始するタイミングにズレが生じることを防ぐことができるから、隣接する駆動軸状部材NP間に隙間が存在しない状態となるまでの駆動軸状部材NP4の移動量を遊びストローク量とすればよい。そして、この場合には、隣接する駆動軸状部材NP間に隙間が存在しない状態となった状態における駆動軸状部材NP4の位置がノックアウト開始位置となる。
11 油圧シリンダ
12 サーボモータ
13 ボールねじ機構
20 制御部
21 作動制御部
22 遊びストローク量記憶部
23 反力記憶部
24 遊びストローク量変更部
P ノックアウトピン
NP 軸状部材
NP1 接触軸状部材
NP4 駆動軸状部材
D 金型
B ベッド
Claims (4)
- ノックアウトピンを作動させて金型から鍛造品を離型するノックアウト装置を備えた鍛造プレスにおいて、前記ノックアウトピンの作動を制御する制御方法であって、
前記ノックアウトピンは、
その昇降方向に沿って並んで配設された複数の軸状部材から構成されており、
各軸状部材は、
その昇降方向に沿って並んで配設された、金型を支持する複数の部材にそれぞれ昇降可能に配設されており、
前記複数の軸状部材における最下層に位置する駆動軸状部材を、基準位置から、前記複数の軸状部材における隣接する軸状部材同士が接触しかつ最上層に位置する接触軸状部材の先端が前記金型の上面と面一となるノックアウト開始位置まで移動させる移動量を遊びストローク量として設定し、
前記ノックアウトピンが離型モーションを開始する前に、前記駆動軸状部材が前記ノックアウト開始位置に位置するように、該駆動軸状部材を移動させる
ことを特徴とする鍛造プレスにおけるノックアウト制御方法。 - 各ノックアウトサイクルにおいて、ノックアウト終了後、前記駆動軸状部材を前記基準位置に配置した状態から前記遊びストローク量分移動させる
ことを特徴とする請求項1記載の鍛造プレスにおけるノックアウト制御方法。 - ノックアウト装置を備えた鍛造プレスであって、
前記ノックアウト装置は、
ノックアウトピンと、該ノックアウトピンを作動させるノックアウトピン作動手段とを備えており、
前記ノックアウトピンは、
その昇降方向に沿って並んで配設された複数の軸状部材から構成されており、
各軸状部材は、
その昇降方向に沿って並んで配設された、金型および金型を支持する複数の部材にそれぞれ昇降可能に配設されており、
前記ノックアウトピン作動手段は、
前記複数の軸状部材のうち、最下層に位置する駆動軸状部材を昇降させる昇降部と、
該昇降部の作動を制御する制御部とを備えており、
該制御部は、
前記駆動軸状部材を、基準位置から、前記複数の軸状部材における隣接する軸状部材同士が接触しかつ最上層に位置する接触軸状部材の先端が前記金型の上面と面一となるノックアウト開始位置まで移動させる移動量を、遊びストローク量として記憶する遊びストローク量記憶部を備えている
ことを特徴とする鍛造プレス。 - 前記制御部は、
各ノックアウトサイクルにおいて、ノックアウト終了後、前記駆動軸状部材が前記基準位置に配置した状態から前記遊びストローク量分移動するように、昇降部を制御するものである
ことを特徴とする請求項1記載の鍛造プレス。
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