JP2010207857A - 鍛造プレスにおけるノックアウト装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上下一対の金型によって鍛造素材を成型する鍛造プレスに設けられ、上端部が下金型Mの底面から出没自在に設けられたノックアウトピン11と、ノックアウトピン11をその軸方向に沿って昇降させる昇降機構とからなるノックアウト装置10において、ノックアウトピン11は、鍛造素材を下金型Mから離型するための離型用ノックアウトピンと、離型用ノックアウトピンによって下金型Mから離型された鍛造素材をリフトするためのリフト用ノックアウトピン11とを備えており、昇降機構は、各ノックアウトピン11をそれぞれ駆動する2つの駆動手段を備えている。
【選択図】図1
Description
しかし、カム機構を採用しているため、ノックアウトのタイミング等を変更するにはカムを交換する必要があり、タイミング等の変更作業が非常に大変である。また、鍛造される鍛造素材にあわせて最適なタイミング等でノックアウトを行うには、ワーク毎にカムを用意しなければならなくなるため、経済的にも問題がある。
図4に示すように、かかる装置では、ノックアウトピン123に連結されたノックアウトブロック122がノックアウトレバー121を介して油圧シリンダ120に連結されているから、油圧シリンダ120を伸縮させれば、ノックアウトピン123を昇降させることができる。
そして、油圧シリンダ120によってノックアウトピン123を作動させているから、サーボバルブなどの油圧機器を使用して油圧シリンダ120に供給する油量を制御することによって、ノックアウトのタイミング等をある程度自由に変更することができる。
図5に示すように、かかる装置では、サーボモータ130の主軸にボールネジ131が連結されており、このボールネジ131に螺合したナットホルダ132に駆動アーム133の一端が連結されている。この駆動アーム133の他端は、ノックアウトピン134に連結されているから、サーボモータ130を作動させれば、ナットホルダ132がボールネジ131に沿って移動し、このナットホルダ132の移動と連動してノックアウトピン134を昇降させることができる。
そして、ナットホルダ132の移動によってノックアウトピン134を作動させている、言い換えれば、サーボモータ130の回転によってノックアウトピン134を作動させているから、ノックアウトのタイミング等をある程度自由に変更することができる。
一方、ノックアウト動作が高速化すると、ノックアウトピンの移動速度や移動加速度も大きくなるので、ノックアウトされた鍛造素材の飛び跳ね現象が生じやすくなる。この飛び跳ね現象が発生すると、ノックアウト後金型からリフトされた鍛造素材を所定の位置に配置できなくなるので、鍛造素材を自動搬送することが困難となる。
したがって、熱間鍛造プレスのノックアウト装置には、ノックアウトピンの高速移動に加えて、高速ノックアウトを行っても飛び跳ね現象を生じさせないようにノックアウトピンの移動速度等を制御する機能が要求される。
一方、サーボモータによって作動されるボールネジ機構を利用したノックアウト装置は応答性が高いので、高速ノックアウト動作を行っても、離型後のノックアウトピンの移動速度等を正確に制御できる。しかし、サーボモータは離型時に大きなノックアウト力を発揮させることが難しい。たしかに、大型のサーボモータを採用すれば大きなノックアウト力を発生させることも可能ではあるが、装置が大型化するし非常に高価であるため設備費が高騰する。
第2発明の鍛造プレスにおけるノックアウト装置は、第1発明において、前記2つの駆動手段は、前記離型用ノックアウトピンを駆動する駆動手段が油圧シリンダであり、前記リフト用ノックアウトピンを駆動する駆動手段がサーボモータ機構であることを特徴とする。
第3発明の鍛造プレスにおけるノックアウト装置は、第1または第2発明において、前記リフト用ノックアウトピンは、前記離型用ノックアウトピンを貫通し、かつ、該離型用ノックアウトピンに対して相対的に移動可能に設けられていることを特徴とする。
第4発明の鍛造プレスにおけるノックアウト装置は、第1、第2または第3発明において、前記離型用ノックアウトピンを駆動する駆動手段が油圧シリンダであり、前記離型用ノックアウトピンが、前記油圧シリンダのロッドであることを特徴とする。
第5発明の鍛造プレスにおけるノックアウト装置は、第4発明において、前記リフト用ノックアウトピンを駆動する駆動手段がサーボモータ機構であり、該サーボモータ機構は、前記ノックアウトピンの移動方向に沿って、前記離型用ノックアウトピンを駆動する油圧シリンダと直列に配設されていることを特徴とする。
第6発明の鍛造プレスにおけるノックアウト装置は、第2発明において、複数工程を有する鍛造プレスに使用することを特徴とする。
第2発明によれば、離型時の駆動手段が油圧シリンダであるから、短ストロークの高速かつ大きなノックアウト力を効果的に発生させることができ、リフト時の駆動手段がサーボモータ機構であるからノックアウトピンの移動速度等の正確な制御を容易に行うことができる。
第3発明によれば、ノックアウトピンを2つ設けても、その設置スペースを小さくすることができる。
第4発明によれば、離型用のノックアウトピンを、離型用ノックアウトピンを駆動する油圧シリンダのロッドと別に設ける必要がなく、また、ノックアウトピンを設置する位置に油圧シリンダも配置することができるので、装置をコンパクトにでき、その設置スペースも小さくすることができる。
第5発明によれば、油圧シリンダとサーボモータ機構とが、ノックアウトピンの移動方向に沿って直列に配置されているので、ノックアウト装置をコンパクトにでき、その設置スペースも小さくすることができる。
第6発明によれば、サーボモータ機構は個々の工程で個別制御を簡単に行うことができるから、各工程におけるリフト動作を、各工程にそれぞれ適したタイミング、移動速度等に調整することができる。しかも、油圧シリンダによるノックアウトストロークが短いので、各工程における離型タイミングを同じにすることも可能であり、この場合、油圧シリンダの制御系を一系統とすることができるので、装置の構成を簡単にすることができる。
図1において、符号Bは鍛造プレスのベッドを示しており、符号MはベッドBの上面に設けられた下金型を示している。図1に示すように、ベッドB及び下金型Mには、貫通孔Bh、貫通孔Mhがそれぞれ形成されている。
この油圧シリンダ30は、前記ピストン32に連結された上下一対のロッドを備えている。そして、上方のロッド33は、ピストン32が上方に移動されると、その上端が下金型Mの底面から突出する長さであって、その突出量が少なくなるように形成されている。例えば、下金型Mから鍛造素材を引き剥がすために必要な最低限の突出量に調整されている。具体的には、鍛造素材の形状によって差はあるものの、突出量は、5〜20mm程度となるように調整されている。
また、油圧シリンダ30には、そのピストン32および上下一対のロッドをその中心軸に沿って貫通する貫通孔30hが形成されているが、その理由は後述する。
なお、リフト用ノックアウトピン11の下ノックアウトピン11aおよび上ノックアウトピン11bは、その中心軸が、ベッドBの貫通孔Bhおよび油圧シリンダ30の貫通孔30hの中心軸とそれぞれ一致するように配設されている。
なお、ハウジング20hの上端には、貫通孔とスライド23の隙間からハウジング20h内スケール等が侵入することを防ぐために、スケールカバー24が設けられている。
このACサーボモータ21の主軸には、カップリング21cを介して、ボールネジ22aが連結されている。このボールネジ22aは、下ノックアウトピン11aと同軸となるように配設されており、軸受20bによってハウジング20hに対して回転自在となるように取り付けられている。
そして、このボールネジ22aには、前記スライド23に固定されたボールネジナット22bがネジ結合されている。
つぎに、本実施形態のノックアウト装置10によるノックアウト作業の説明する。
ここで、離型時には、鍛造素材を迅速に下金型Mから引き剥がすために、高速かつ大きなノックアウト力を鍛造素材に付与する必要がある。本実施形態のノックアウト装置10では、油圧シリンダ30の上方のロッド33によって鍛造素材を離型するので、高速かつ大きなノックアウト力を効果的に鍛造素材に付与することができる。よって、本実施形態のノックアウト装置10では、迅速かつ確実に下金型Mから鍛造素材を引き剥がすことができる。
本実施形態のノックアウト装置10では、リフト用ノックアウトピン11の駆動手段としてACサーボモータ21によって駆動されるサーボモータ機構20を採用しているので、その応答性が高くリフト用ノックアウトピン11の移動速度等を正確に制御できる。つまり、ACサーボモータ21の作動を制御すれば、ストローク端近傍において鍛造素材の飛び跳ねが生じない移動速度および移動加速度となるように、リフト用ノックアウトピン11の移動を制御することができる。すると、高速でリフト用ノックアウトピン11を移動させても、鍛造素材を、ストローク端の所定の位置に所定の姿勢で配置することができるから、鍛造素材を確実に自動搬送することができる。
しかも、かかる構成とすれば、ノックアウトピンの昇降方向に沿って、油圧シリンダ30とサーボモータ機構20とを直列に配置できる。すると、ノックアウト装置10自体の幅がコンパクトになるし、ノックアウト装置10の設置スペース、つまり、下金型MやベッドBの断面積に占めるノックアウト装置10の割合も小さくすることができる。
とくに、本実施形態のノックアウト装置10は、一台の鍛造プレスで複数の成形を行う多工程プレスにおけるノックアウト装置に適している。つまり、多工程プレスにおける各工程のノックアウト装置として、本実施形態のノックアウト装置10を採用すれば、上述したように、ノックアウト装置10の設置スペースを小さくできるので、プレス自体をコンパクト化できる。しかも、この効果に加えて、以下のごとき効果も得らえる。
各工程において、成形後の鍛造素材の形状はそれぞれ異なるため、離型時における飛び跳ねやストローク端での飛び跳ねを防止するために必要なリフト用ノックアウトピン11A,11Bの移動速度等はそれぞれ異なる。
11 リフト用ノックアウトピン
20 ボールネジ機構
21 ACサーボモータ
22a ボールネジ
22b ボールネジナット
30 油圧シリンダ
33 上方のロッド
M 下金型
Claims (6)
- 上下一対の金型によって鍛造素材を成型する鍛造プレスに設けられ、上端部が前記下金型の底面から出没自在に設けられたノックアウトピンと、該ノックアウトピンをその軸方向に沿って昇降させる昇降機構とからなるノックアウト装置において、
前記ノックアウトピンは、
前記鍛造素材を前記金型から離型するための離型用ノックアウトピンと、
該離型用ノックアウトピンによって前記金型から離型された前記鍛造素材をリフトするためのリフト用ノックアウトピンとを備えており、
前記昇降機構は、
各ノックアウトピンをそれぞれ駆動する2つの駆動手段を備えている
ことを特徴とする鍛造プレスにおけるノックアウト装置。 - 前記2つの駆動手段は、
前記離型用ノックアウトピンを駆動する駆動手段が油圧シリンダであり、
前記リフト用ノックアウトピンを駆動する駆動手段がサーボモータ機構である
ことを特徴とする請求項1記載の鍛造プレスにおけるノックアウト装置。 - 前記リフト用ノックアウトピンは、
前記離型用ノックアウトピンを貫通し、かつ、該離型用ノックアウトピンに対して相対的に移動可能に設けられている
ことを特徴とする請求項1または2記載の鍛造プレスにおけるノックアウト装置。 - 前記離型用ノックアウトピンを駆動する駆動手段が油圧シリンダであり、
前記離型用ノックアウトピンが、前記油圧シリンダのロッドである
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の鍛造プレスにおけるノックアウト装置。 - 前記リフト用ノックアウトピンを駆動する駆動手段がサーボモータ機構であり、
該サーボモータ機構は、
前記ノックアウトピンの移動方向に沿って、前記離型用ノックアウトピンを駆動する油圧シリンダと直列に配設されている
ことを特徴とする請求項4記載の鍛造プレスにおけるノックアウト装置。 - 複数工程を有する鍛造プレスに使用する
ことを特徴とする請求項2記載の鍛造プレスにおけるノックアウト装置。
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