JP2008304034A - シリンダ装置および鍛造プレスにおけるノックアウト装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】作動流体により作動する両ロッドシリンダ11と、両ロッドシリンダ11の一方のロッド14を、その軸方向から押して移動させうる押圧機構20とからなり、押圧機構20が、一方のロッド14に対して非固定であって、一方のロッド14の端部を他方のロッド13に向かって押しうる押圧部材24と、押圧部材24を、ネジナット機構によって一方のロッド14の軸方向に沿って進退させる移動手段とからなる。両ロッドシリンダ11を駆動する駆動源を選択すれば、使用する状況に合わせて、両ロッドシリンダ11を最適な状態で作動させることができる。
【選択図】図1
Description
しかし、カム機構を採用しているため、ノックアウトのタイミング等を変更するにはカムを交換する必要があり、タイミング等の変更作業が非常に大変である。また、鍛造される鍛造素材にあわせて最適なタイミング等でノックアウトを行うには、ワーク毎にカムを用意しなければならなくなるため、経済的にも問題がある。
図3に示すように、かかる装置では、ノックアウトピン123に連結されたノックアウトブロック122がノックアウトレバー121を介して油圧シリンダ120に連結されているから、油圧シリンダ120を伸縮させれば、ノックアウトピン123を昇降させることができる。
そして、油圧シリンダ120によってノックアウトピン123を作動させているから、サーボバルブなどの油圧機器を使用して油圧シリンダ120に供給する油量を制御することによって、ノックアウトのタイミング等をある程度自由に変更することができる。
図4に示すように、かかる装置では、サーボモータ130の主軸にボールネジ131が連結されており、このボールネジ131に螺合したナットホルダ132に駆動アーム133の一端が連結されている。この駆動アーム133の他端は、ノックアウトピン134に連結されているから、サーボモータ130を作動させれば、ナットホルダ132がボールネジ131に沿って移動し、このナットホルダ132の移動と連動してノックアウトピン134を昇降させることができる。
そして、ナットホルダ132の移動によってノックアウトピン134を作動させている、言い換えれば、サーボモータ130の回転によってノックアウトピン134を作動させているから、ノックアウトのタイミング等をある程度自由に変更することができる。
一方、ノックアウト動作が高速化すると、ノックアウトピンの移動速度や移動加速度も大きくなるので、ノックアウトされた鍛造素材の飛び跳ね現象が生じやすくなる。この飛び跳ね現象が発生すると、ノックアウト後金型からリフトされた鍛造素材を所定の位置に配置できなくなるので、鍛造素材を自動搬送することが困難となる。
したがって、熱間鍛造プレスのノックアウト装置には、ノックアウトピンの高速移動に加えて、高速ノックアウトを行っても飛び跳ね現象を生じさせないようにノックアウトピンの移動速度等を制御する機能が要求される。
一方、サーボモータによって作動されるボールネジ機構を利用したノックアウト装置は応答性が高いので、高速ノックアウト動作を行っても、離型後のノックアウトピンの移動速度等を正確に制御できる。しかし、サーボモータは離型時に大きなノックアウト力を発揮させることが難しい。たしかに、大型のサーボモータを採用すれば大きなノックアウト力を発生させることも可能ではあるが、装置が大型化するし非常に高価であるため設備費が高騰する。
第2発明のシリンダ装置は、第1発明において、前記移動手段のネジナット機構は、前記両ロッドシリンダのピストンが作動流体によって他方のロッド側に向かって移動するときに、前記押圧部材が、前記一方のロッドの端部と接触した状態で移動するように制御されていることを特徴とする。
第3発明のシリンダ装置は、第1または第2発明において、前記両ロッドシリンダには、そのピストンを挟む一対の流体室を連通する連通通路と、該連通通路に設けられ前記一対の流体室間の連通遮断を切り換える切換弁とを備えた回路が接続されており、該両ロッドシリンダのピストンは、前記一方のロッド側における受圧面積が、前記他方のロッド側における受圧面積よりも小さいものであることを特徴とする。
第4発明の鍛造プレスにおけるノックアウト装置は、上下一対の金型によって鍛造素材を成型する鍛造プレスに設けられ、上端部が前記下金型の底面から出没自在に設けられたノックアウトピンと、該ノックアウトピンをその軸方向に沿って昇降させる昇降機構とからなるノックアウト装置において、前記昇降機構は、請求項1、2または3記載のシリンダ装置を有し、該シリンダ装置における両ロッドシリンダの他方のロッドの突出量が増加すると、前記ノックアウトピンが前記下金型の底面から突出するように構成されていることを特徴とする。
第2発明によれば、押圧部材が常に一方のロッドの端部に接しているから、作動流体による駆動からネジナット機構による駆動に切り換える時に、ロッドの移動にタイムラグが生じることを防ぐことができる。
第3発明によれば、切換弁によって一方のロッド側の流体室と他方のロッド側の流体室とを連通させれば、受圧面積の差に応じて、ピストンを一方のロッド側に向かって移動させる力(以下、差動圧力という)が発生する。このため、一方のロッドを押圧部材に押し付けた状態とすることができるので、押圧機構によってロッドが移動するときに、押圧部材と同じ移動速度、同じ移動加速度でロッドを移動させることができる。また、押圧部材の移動を固定すれば、差動圧力によってロッドが押圧部材に押し付けられているので、ピストンの移動を固定しておくことができる。さらに、押圧部材を一方のロッドから離間するように後退させれば、差動圧力によって他方のロッドは押圧部材に向かって移動するので、他方のロッドの突出量も減少する。つまり、他方のロッドの突出量も減少させるための特別な回路を設けなくてもよくなるから、回路を簡単な構成とすることができる。そして、ピストンに対して差動圧力が加わっているので押圧部材の移動とロッドの移動にタイムラグが生じることを防ぐことができる。
第4発明によれば、ノックアウトピンの初動時には作動流体によってピストンを作動させれば、大きなノックアウト力を発生させることができるから、鍛造素材を確実に離型することができる。一方、鍛造素材の離型後、押圧機構の押圧部材によって他方のロッドに向けて一方のロッドを押せば、押圧部材の移動によりノックアウトピンの突出量を増加させることができる。しかも、押圧部材の移動がネジナット機構によって制御されているから、ノックアウトピンの移動速度や移動加速度を微調整することができる。したがって、鍛造素材を確実に離型させることができ、しかも、鍛造素材の飛び跳ねも防止することができるからストローク端における鍛造素材の姿勢も安定した状態に保つことができる。そして、押圧部材が一方のロッドに対して非固定であるから、駆動機構を切り替えるときや作動流体によって両ロッドシリンダを移動させているときに、押圧部材に対して大きな負荷が加わることを防ぐことができる。
図1はシリンダ装置10の概略説明図である。同図に示すように、シリンダ装置10は、作動流体により作動する両ロッドシリンダ11と、両ロッドシリンダ11の一方のロッド14を他方のロッド13に向かって(図1では下方に向かって)押して移動させ得る押圧機構20とを備えている。つまり、シリンダ装置10は作動流体と押圧機構20によって作動されるように構成されているのである。
図1に示すように、両ロッドシリンダ11は、内部にピストン12pを有するシリンダボディ12を備えている。このシリンダボディ12内のピストン12pの上面および下面には、それぞれロッド13,14が立設されており、各ロッド13,14の先端がシリンダボディ12から突出している。
なお、上方のロッド14は、下方のロッド13よりもその軸径が太くなっているので、両ロッドシリンダ11のピストン12pが作動流体の圧力を受ける面積(以下、受圧面積という)は、上方のロッド14側の受圧面積が下方のロッド13側の受圧面積よりも小さくなっている。
この回路30は、シリンダボディ12の上方流体室12aと作動流体供給手段31とを連通する配管31pを備えている。作動流体供給手段31は、所定の圧力に調整された作動油等の作動流体を両ロッドシリンダ11に供給するものであり、例えばポンプ等を使用することができる。なお、配管31pには、上方流体室12aから作動流体供給手段31に向かって作動流体が流れることを防止するために逆止弁が設けられている。
また、回路30は、シリンダボディ12の下方流体室12bとタンク32とを連通する配管32pを備えており、この配管32pには、タンク32と下方流体室12bとの間の連通遮断を切り換える切換弁33が介装されている。
そして、回路30は、配管31pと配管32pとを連通する連通配管35pも備えており、この配管35pには、配管31pと配管32pとの間の連通遮断を切り換える切換弁35が介装されている。
切換弁33によって下方流体室12bとタンク32の間を遮断しかつ切換弁35によって両配管31p,32p間を連通すれば、両ロッドシリンダ11における上方流体室12a内の作動流体の圧力と下方流体室12b内の作動流体の圧力とを同じ圧力にすることができる。すると、ピストン12pは上方のロッド14側の受圧面積が下方のロッド13側の受圧面積よりも小さくなっているので、両空間12a,12b内の作動流体の圧力が同じであっても、受圧面積の差に応じてピストン12pには上向きの力(以下、差動圧力という)が発生する。そして、上方流体室12aと下方流体室12bとの間を作動流体が自由に流動することができるから、ピストン12pに差動圧力が加わると作動流体が上方流体室12aから下方流体室12bに向かって移動し、ピストン12pが上方に移動するのである。
図1に示すように、両ロッドシリンダ11の上方のロッド14よりも上方には、サーボモータ21が設けられている。このサーボモータ21は、その主軸を上方のロッド14に向けかつ主軸と上方のロッド14とが同軸となるように配設されており、ステー21aを介して両ロッドシリンダ11のシリンダボディ12に固定されている。
このネジ軸23の先端部分は、上方のロッド14に形成された軸挿入空間14h内に挿入されている。この軸挿入空間14hは、上方のロッド14の上端面から軸方向に沿って形成されており、作動流体によってピストン12pが上方に移動されてもネジ軸23の先端がその内底面に接触しない程度の深さに形成されている。
そして、ネジ軸23において、上方のロッド14の上端面とカップリング22bとの間の部分には、ナット部材24が螺合している。
まず、シリンダ装置10は、回路30を介して供給される作動流体、および、押圧機構20によって両ロッドシリンダ11を作動させることができるが、作動流体によって両ロッドシリンダ11を作動させれば、下方のロッド13から大きな出力を外部に供給することができる。一方、押圧機構20によって両ロッドシリンダ11を作動させれば、出力が小さくても他方ロッドの移動を正確かつフレキシブルに調整することができる。
つまり、シリンダ装置10は、両ロッドシリンダ11を駆動する駆動源を選択すれば、使用する状況に合わせて、下方のロッド13を最適な状態で移動させることができる。
このため、両ロッドシリンダ11に駆動力を供給する駆動源が作動流体から押圧機構20のサーボモータ21に切り換わった時に、下方のロッド13の移動、つまり、ノックアウトピン2の移動にタイムラグが生じることを防ぐことができる。
なぜなら、サーボモータ21に設定されているナット部材24の移動速度や移動加速度と、作動流体による上方のロッド14の移動速度や移動加速度とを完全に一致させることは事実上困難だからである。すると、駆動機構を作動流体駆動から押圧機構20に切り換えるときに、作動流体による上方のロッド14の移動速度等がサーボモータ21に設定されているナット部材24の移動速度等よりも速い場合には、上方のロッド14とナット部材24とを固定している部分に両者を離間させようとする力が加わり、その固定部分が破損してしまうとともに、ナット部材24やネジ軸23等も損傷する可能性がある。
しかし、本実施形態のシリンダ装置10では、押圧機構20のナット部材24が上方のロッド14と別体でありかつ上方のロッド14に対して接近離間可能、言い換えれば、ナット部材24が上方のロッド14に非固定である。すると、駆動機構切換時において、作動流体による上方のロッド14の移動速度等がサーボモータ21に設定されているナット部材24の移動速度等よりも速くてもナット部材24には何も力が加わらないから、駆動機構切換時のショック等によりナット部材24やネジ軸23等が損傷することを防ぐことができる。
すると、ナット部材24と上方のロッド14を同じ移動速度および移動加速度で移動させることできるし、ナット部材24の移動を固定すれば、ピストン12pの移動を固定しておくことができる。
しかも、ピストン12pに対して差動圧力が加わっているので、ナット部材24が上方のロッド14から離間するように移動すると、上方のロッド14はナット部材24に追従するように移動する。よって、ナット部材24を上方のロッド14から離間させたときに、ナット部材24の移動するタイミングと両ロッドシリンダ11が作動するタイミングとの間にタイムラグが生じることを防ぐことができる。
さらになお、ネジ軸23を回転させる装置はサーボモータに限られず、ネジ軸23の回転量や回転速度等を正確に制御できるものであれば、ステッピングモータやインバータモータ等でもよい。
この下方のロッド13の先端は連結アーム5の先端に連結されており、この連結アーム5の基端が前記軸4に固定されている。
そして、シリンダ装置10において、図1におけるロッド13の突出量が増減したときにノックアウトピン2が昇降するように構成されているのであれば、ロッド13の向き、つまり、シリンダ装置10の配置はとくに限定されない。
以下では説明を簡単にするために、切換弁33によって下方流体室12bとタンク32の間を連通することを切換弁33をONするといい、両者の間を遮断することを切換弁33をOFFするという。同様に、切換弁35によって配管31p,32p間を連通することを切換弁35をONするといい、両者の間を遮断することを切換弁35をOFFするという。
このとき、両ロッドシリンダ11の駆動力(ノックアウトピン2の駆動力)は作動流体から供給されているので、下方のロッド13からの得られる出力が大きくなる。すると、ノックアウトピン2のノックアウト力を大きくすることができるから、鍛造素材を下金型Mから確実に分離することができる。
なお、作動流体によって両ロッドシリンダ11が作動されているときには、押圧機構20のサーボモータ21は、ナット部材24の下面が常に上方のロッド14における上端面と接した状態で移動するようにその作動が制御されている。
ノックアウトピン2の移動速度および移動加速度は、揺動アーム3の長さと連結アーム5の長さの割合に応じて下方のロッド13の移動速度および移動加速度に対して一定の割合で変化するので、ナット部材24の移動速度や移動加速度を微調整すれば、ノックアウトピン2の移動速度や移動加速度も微調整できる。
よって、押圧機構20によって両ロッドシリンダ11を駆動すれば、飛び跳ね等を生じさせることなくノックアウトピン2によって鍛造素材を上昇させることができる。
一方、鍛造素材の離型後は、押圧機構20によってノックアウトピン2を作動させるので、ノックアウトピン2を高速で移動させることができ、素早く鍛造素材を金型から遠ざけることができる。よって、鍛造素材と金型との接触時間が長くなることによる弊害が生じることを防ぐことができる。
しかも、押圧機構20によってノックアウトピン2を作動させるときには、両ロッドシリンダ11のピストン12pに上向きの差動圧力が加わるように回路30が制御される。すると、押圧機構20のナット部材24の移動速度や移動加速度と下方のロッド13の移動速度や移動加速度を同じにすることができるので、ノックアウトピン2の移動速度や移動加速度を微調整することができる。よって、鍛造素材の飛び跳ね等を防ぐことができるし、ノックアウトピン2のストローク端における鍛造素材の姿勢を安定した状態に保つこともできる。
しかも、ピストン12pに対して差動圧力が加わっているので、ナット部材24が上方のロッド14から離間するように移動すると、上方のロッド14はナット部材24に追従するように移動する。よって、ナット部材24を上方のロッド14から離間するタイミングとノックアウトピン2が下降するタイミングとの間にタイムラグが生じることを防ぐことができる。
また、本発明のプレスにおけるノックアウト装置は、上型の昇降動作によりコイニング、トリミング、絞り、鍛造などの成形が行われるプレスにおけるノックアウト装置として適している。
2 ノックアウトピン
10 シリンダ装置
11 両ロッドシリンダ
13 下方のロッド
14 上方のロッド
20 押圧機構
21 サーボモータ
23 ネジ軸
24 ナット部材
30 回路
M 下金型
Claims (4)
- 作動流体により作動する両ロッドシリンダと、
該両ロッドシリンダの一方のロッドを、その軸方向から押して移動させうる押圧機構とからなり、
前記押圧機構が、
前記一方のロッドに対して非固定であって、該一方のロッドの端部を他方のロッドに向かって押しうる押圧部材と、
前記押圧部材を、ネジナット機構によって前記一方のロッドの軸方向に沿って進退させる移動手段とからなる
ことを特徴とするシリンダ装置。 - 前記移動手段のネジナット機構は、
前記両ロッドシリンダが作動流体によって前記他方のロッドの突出量が増加するように作動されるときに、前記押圧部材が、前記一方のロッドの端部と接触した状態で移動するように制御されている
ことを特徴とする請求項1記載のシリンダ装置。 - 前記両ロッドシリンダには、
そのピストンを挟む一対の流体室を連通する連通通路と、該連通通路に設けられ前記一対の流体室間の連通遮断を切り換える切換弁とを備えた回路が接続されており、
該両ロッドシリンダのピストンは、
前記一方のロッド側における受圧面積が、前記他方のロッド側における受圧面積よりも小さいものである
ことを特徴とする請求項1または2記載のシリンダ装置。 - 上下一対の金型によって鍛造素材を成型する鍛造プレスに設けられ、上端部が前記下金型の底面から出没自在に設けられたノックアウトピンと、該ノックアウトピンをその軸方向に沿って昇降させる昇降機構とからなるノックアウト装置において、
前記昇降機構は、
請求項1、2または3記載のシリンダ装置を有し、該シリンダ装置における両ロッドシリンダの他方のロッドの突出量が増加すると、前記ノックアウトピンが前記下金型の底面から突出するように構成されている
ことを特徴とする鍛造プレスにおけるノックアウト装置。
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