JP2010098527A - ルックアップテーブルの作成方法及び印刷装置 - Google Patents

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郷志 山▲崎▼
Shigeaki Sumiya
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Abstract

【課題】容易にLUTを作成する。また、LUTを用いた色変換性能を向上させる。
【解決手段】 プリンタ20bのCPU40bは、使用可能なインクの色の種類の各々(CMYKLkLLkRB)が、いずれかの基礎LUTの出力値に係る色の1つと一致するように、出力値に係る色がCMYKLkLLkである基礎LUT64bと、出力値に係る色がCMYKRBである基礎LUT65bとを選択する。そして、CPU40bは、結合比率αを用いて、選択した基礎LUTの各格子点における出力値を結合して新たな1つのLUTを生成し、当該新LUTを用いて色変換処理を行う。結合比率αは、格子点の位置に応じて決定する。
【選択図】図8

Description

本発明は、第1の色空間内にて表される入力値と第2の色空間内にて表される出力値との対応関係を記述したルックアップテーブルを用いた色変換技術に関する。
プリンタでは、一般的に、入力値と出力値との対応関係を記述したルックアップテーブル(LUT)を用いて、入力した画像データを入力デバイスの色空間(例えばRGB)からプリンタのインク量色空間(例えばCMYK)に変換して、印刷データを生成する。
特開平11−17967号公報
しかしながら、近年、レッド、ブルー、オレンジ、ライトグレーなど、種々の特色を用いたプリンタが増加し、多種類の色に対応するLUTの最適化が煩雑になっていた。また、印刷画像の高品質化が求められる中で、LUTによる色変換性能についても向上が求められていた。
上述の問題を踏まえ、本発明が解決しようとする課題は、容易にLUTを作成することである。また、LUTを用いた色変換性能を向上させることである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]第1の色空間内にて表される入力値と、該第1の色空間とは異なる第2の色空間内にて表される出力値との対応関係を記述したルックアップテーブルの作成方法であって、
特性が異なる複数種類のルックアップテーブルを用意し、
前記複数種類のルックアップテーブルの各々の対応する各格子点の出力値を所定の結合比率で結合して、新たなルックアップテーブルを作成する
ルックアップテーブルの作成方法。
かかるルックアップテーブルの作成方法は、特性が異なる複数種類のルックアップテーブルの対応する各格子点の出力値を所定の結合比率で結合するので、既存のルックアップテーブルを活用して、新たなルックアップテーブルを効率的に作成することができる。
[適用例2]所定の結合比率は、格子点の位置に応じて決定される値である適用例1記載のルックアップテーブルの作成方法。
かかるルックアップテーブルの作成方法は、格子点の位置に応じて結合比率が決定されるので、結合するルックアップテーブルの長所を活かして、各々の格子点の色特性に適したルックアップテーブルを作成することができる。
[適用例3]複数種類のルックアップテーブルは、出力値が表す色の種類の一部が互いに異なるルックアップテーブルである適用例1または適用例2記載のルックアップテーブルの作成方法。
かかるルックアップテーブルの作成方法は、出力値が表す色の種類の一部が互いに異なるルックアップテーブルを結合するので、結合するルックアップテーブルよりも出力値に係る色の種類を増やしたルックアップテーブルを簡単かつ効率的に作成することができる。
[適用例4]ルックアップテーブルは、印刷装置の色変換処理に用いるルックアップテーブルである適用例1ないし適用例3のいずれか記載のルックアップテーブル作成方法。
かかるルックアップテーブルの作成方法は、印刷装置の色変換処理に用いるルックアップテーブルにも好適に適用することができる。
[適用例5]複数種類のルックアップテーブルは、印刷装置によって印刷される印刷物の粒状性または色再現範囲の特性が互いに異なるルックアップテーブルである適用例4記載のルックアップテーブルの作成方法。
かかるルックアップテーブルの作成方法は、印刷物の粒状性または色再現範囲の特性が互いに異なるルックアップテーブルを結合するので、粒状性と色再現性とを両立させたルックアップテーブルを作成することができる。
[適用例6]第1の色空間内にて表される入力値と、該第1の色空間とは異なる第2の色空間内にて表される出力値との対応関係を記述したルックアップテーブルを用いて色変換を行う印刷装置であって、
特性が異なる複数種類のルックアップテーブルを記憶する記憶手段と、
前記複数種類のルックアップテーブルのうちから基礎ルックアップテーブルとして選択した少なくとも2種類のルックアップテーブルの各々の対応する各格子点の出力値を所定の結合比率で結合して、新たなルックアップテーブルを作成する作成手段と、
前記作成した新たなルックアップテーブルに基づいて、前記色変換を行う色変換手段と
を備えた印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、特性が異なる複数種類のルックアップテーブルのうちから選択した基礎ルックアップテーブルの対応する各格子点の出力値を所定の結合比率で結合して、新たなルックアップテーブルを作成するので、製造者が複雑な最適化処理を行って多数のルックアップテーブルを作成する必要がない。また、基礎ルックアップテーブルの組み合わせにより様々な特性のルックアップテーブルが作成可能となるので、色変換性能が向上する。また、基礎ルックアップテーブルから必要な時に必要なルックアップテーブルを作成すればよいので、予め複雑な多数のルックアップテーブルを記憶しておく必要がなく、メモリ容量を削減することができる。
[適用例7]所定の結合比率は、格子点の位置をパラメータとして決定される値である適用例6記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、格子点の位置に応じて結合比率が決定されるので、結合するルックアップテーブルの長所を活かして、各々の格子点の色特性に適したルックアップテーブルを作成し、当該ルックアップテーブルで好適に色変換を行うことができる。
[適用例8]適用例6または適用例7記載の印刷装置であって、更に、印刷条件を把握する把握手段を備え、作成手段は、把握した印刷条件に応じて、基礎ルックアップテーブルを選択する印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、印刷条件に応じて基礎ルックアップテーブルを選択して、新たなルックアップテーブルを作成するので、印刷条件に適したルックアップテーブルを作成し、当該ルックアップテーブルで好適に色変換を行って、印刷画質を向上させることができる。
[適用例9]適用例8記載の印刷装置であって、印刷条件は、印刷装置が使用可能なインクの色の種類であり、作成手段は、使用可能なインクの色の種類の各々がいずれかの基礎ルックアップテーブルの出力値に係る色の1つと一致するように、基礎ルックアップテーブルを選択する印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、使用可能なインクの色の種類の各々がいずれかの基礎ルックアップテーブルの出力値に係る色の1つと一致するように基礎ルックアップテーブルを選択して、新たなルックアップテーブルを作成するので、新たなルックアップテーブルの出力値は、使用可能なインクの色の全てに対応することができる。したがって、色々なインク色の組み合わせでの印刷に対応することができる。また、使用可能なインクの色の全てに対応するルックアップテーブルを、その組み合わせの数だけ記憶しておく必要がないので、メモリ容量を削減することができる。
[適用例10]適用例8または適用例9記載の印刷装置であって、印刷条件は、印刷に求められる印刷物の粒状性または色再現範囲の程度であり、作成手段は、少なくとも、求められる粒状性に対応する特性を備えたルックアップテーブルと、求められる色再現範囲に対応する特性を備えたルックアップテーブルとを、基礎ルックアップテーブルとして選択する印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、求められる粒状性に対応する特性を備えたルックアップテーブルと、求められる色再現範囲に対応する特性を備えたルックアップテーブルとを選択して、新たなルックアップテーブルを作成するので、粒状性と色再現範囲との両方に配慮した新たなルックアップテーブルにより好適に色変換を行い、印刷画質を向上させることができる。
[適用例11]適用例8ないし適用例10のいずれか記載の印刷装置であって、印刷条件は、印刷装置が使用可能なインクの種類別の残余量であり、作成手段は、残余量が所定値以下であるエンドインクがある場合には、少なくとも、エンドインクと同一の色の出力値が小さい特性を備えたルックアップテーブルを基礎ルックアップテーブルとして選択する印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、残余量が所定値以下のインクと同一の色の出力値が小さい特性を備えた基礎ルックアップテーブルを選択して、新たなルックアップテーブルを作成するので、残余量が少ないインクの使用量を節約して、インク切れの発生を抑制することができる。
[適用例12]所定の結合比率は、残余量をパラメータとして決定される値である適用例11記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、インクの残余量をパラメータとして結合比率を決定するので、残余量に応じて、残余量が少ないインクの節約量を調節することができる。
また、本発明は、上述したルックアップテーブルの作成方法、印刷装置としての構成のほか、コンピュータプログラム、当該プログラムを記憶した記憶媒体等としても実現することができる。
A.第1実施例:
A−1.装置構成:
図1は、本発明の実施例としてのプリンタ20の概略構成図である。図示するように、プリンタ20は、紙送りモータ74によって印刷媒体Pを搬送する機構と、キャリッジモータ70によってキャリッジ80をプラテン75の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ80に搭載された印刷ヘッド81を駆動してインクの吐出及びドット形成を行う機構と、これらの紙送りモータ74,キャリッジモータ70,印刷ヘッド81及び操作パネル93との信号のやり取りを司る制御ユニット30とから構成されている。
キャリッジ80をプラテン75の軸方向に往復動させる機構は、プラテン75の軸と並行に架設され、キャリッジ80を摺動可能に保持する摺動軸73と、キャリッジモータ70との間に無端の駆動ベルト71を張設するプーリ72等から構成されている。
キャリッジ80には、カラーインクとして、シアンインクC、マゼンタインクM、イエロインクY、ブラックインクK、ライトブラックインクLk、ライトライトブラックインクLLk、レッドインクR、ブルーインクBをそれぞれ収容したカラーインク用のインクカートリッジ82〜89が搭載される。キャリッジ80の下部の印刷ヘッド81には、上述の各色のカラーインクに対応するノズル列が形成されている。キャリッジ80にこれらのインクカートリッジ82〜89を上方から装着すると、各カートリッジから印刷ヘッド81へのインクの供給が可能となる。
制御ユニット30は、CPU40や、ROM51、RAM52、EEPROM60がバスで相互に接続されて構成されている。制御ユニット30は、ROM51やEEPROM60に記憶されたプログラムをRAM52に展開し、実行することにより、色変換部42として機能する。この機能部の詳細については後述する。
EEPROM60には、ルックアップテーブル(LUT)62が記憶されている。本実施例におけるLUT62の例を図2(a)に示す。図示するように、LUT62では、RGB各色の階調値(0〜255)を17のグリッドで等分した格子点(合計で17×17×17グリッド)と、各格子点に対応するCMYKLkLLkRB階調値とが対応付けられている。LUT62は、後述する印刷処理において、CPU40が、入力されたRGBデータを、プリンタ20で扱うことができるCMYKLkLLkRBデータに変換する際に用いられる。
制御ユニット30には、メモリカードスロット91が接続されており、メモリカードスロット91に挿入したメモリカードMCから画像データORGを読み込んで入力することができる。本実施例においては、メモリカードMCから入力する画像データORGは、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色の色成分からなるデータである。
以上のようなハードウェア構成を有するプリンタ20は、キャリッジモータ70を駆動することによって、印刷ヘッド81を印刷媒体Pに対して主走査方向に往復動させ、また、紙送りモータ74を駆動することによって、印刷媒体Pを副走査方向に移動させる。制御ユニット30は、キャリッジ80が往復動する動き(主走査)や、印刷媒体の紙送りの動き(副走査)に合わせて、印刷データに基づいて適切なタイミングでノズルを駆動することにより、印刷媒体P上の適切な位置に適切な色のインクドットを形成する。こうすることによって、プリンタ20は、印刷媒体P上にメモリカードMCから入力したカラー画像を印刷することが可能となっている。
A−2.印刷処理:
プリンタ20における印刷処理について説明する。図3は、本実施形態における印刷処理のフローチャートである。ここでの印刷処理は、ユーザが操作パネル93等を用いて、メモリカードMCに記憶された所定の画像の印刷指示操作を行うことで開始される。印刷処理を開始すると、CPU40は、まず、メモリカードスロット91を介してメモリカードMCから印刷対象であるRGB形式の画像データORGを読み込んで入力する(ステップS110)。
画像データORGを入力すると、CPU40は、EEPROM60に記憶されたLUT62を参照して、画像データORGについて、RGB形式をCMYKLkLLkRB形式に色変換する(ステップS150)。なお、本実施例では、取り得る階調値の範囲を17等分した格子点での対応関係のみをLUT62として記憶しているので、格子点間の中間的なRGB階調値に対しては線形補間演算を行なって色変換を行なうようにしている。こうすれば、LUT62の記憶に必要なメモリ容量を削減することができるからである。ただし、格子点の数は、自由に設定すればよく、例えば、9等分してもよいし、256等分してもよい。また、補間方法は、特に限定するものではなく、種々の方法を用いることができる。
色変換処理を行うと、CPU40は、画像データを各色のドットのON/OFFデータに変換するハーフトーン処理を行う(ステップS160)。ここでは、周知の組織的ディザ法を用いる。ハーフトーン処理を行うと、CPU40は、プリンタ20のノズル配置や紙送り量などに合わせて、1回の主走査単位で印画するドットパターンデータに並び替えるインターレス処理を行う(ステップS170)。インターレス処理を行うと、CPU40は、印刷ヘッド81、キャリッジモータ70、モータ74等を駆動させて、印刷を実行する(ステップS180)。
A−3.LUT作成方法:
上述の印刷処理に用いるLUT62の作成方法について図4を用いて説明する。かかる処理は、プリンタ20の製造段階において、メインフレーム等のCPUを用いて、LUT62を作成する処理である。LUT62の作成においては、まず、特性が異なる複数種類の既存のLUTを用意する(ステップS210)。本実施例では、出力値が表す色の種類の一部が互いに異なる2種類のLUTをメモリに記憶させた。なお、色の種類とは、色相、濃度など色を特定するための種々の要素や色数をいう。本実施例で用意したLUTは、具体的には、RGBとCMYKLkLLkとを対応付けた6色のインクセット用のLUT_A(図2(b)参照)と、RGBとCMYKRBとを対応付けた6色のインクセット用のLUT_B(図2(c)参照)である。これらのLUTの出力値が表す色は、プロセスカラー(CMYK)のみが共通し、その他の色が異なっている。
LUTを用意すると、次に、LUT_A及びLUT_Bの各々の、互いに対応する位置の格子点の1つを選択する(ステップS220)。本実施例では、最初に選択する格子点は、格子点GP(R,G,B)=(0,0,0)とした。
格子点の1つを選択すると、次に、次式(1)に示すように、当該格子点におけるLUT_A及びLUT_Bの出力値を、当該出力値の使用比率である結合比率αで結合し、結合LUTの出力値を算出する(ステップS230)。
結合LUT=LUT_A×(1−α)+LUT_B×α・・・(1)
なお、出力値の結合に際して、いずれかのLUTにのみ出力値が存在する色については、当該色を有しないLUTにおける当該色の出力値は値0として、結合LUTの出力値を算出するものとした。例えば、LUT_Aでは、R,Bの出力値は存在しないが、その値は0であるとして、上式(1)を適用するのである。さらに具体的に示せば、LUT_AとLUT_Bとの結合LUTの出力値は、格子点GP(R,G,B)=(0,0,16)においては、次式(2)のとおりである。
結合LUT=(C,M,Y,K,Lk,LLk,R,B=10,10,0,230,0,0,0,0)×(1−α)+(C,M,Y,K,Lk,LLk,R,B=0,0,0,220,0,0,0,16)×α
=(C,M,Y,K,Lk,LLk,R,B=10(1−α),10(1−α),0,230(1−α)+220α,0,0,0,16α)・・・(2)
本実施例においては、上述の結合比率αは、上記ステップS220で選択した格子点の位置に応じて決定することとした。具体的には、図5に示すRGB色空間内のグレイラインGL(R,G,B)=(n,n,n)(nは0以上、255以下の整数)と、選択した格子点との距離に応じて、結合比率αを決定する。例えば、プロセスカラー(C,M,Y,K)を除いて考えれば、グレイラインGLに近い格子点においては、ライトブラックインクLk、ライトライトブラックインクLLkの特性を活かすことができることから、結合比率αを小さくとってLUT_Aの比率を大きくし、グレイラインGLから遠い格子点においては、レッドインクR、ブルーインクBの特性を活かすことができることから、αを大きくとってLUT_Bの比率を大きくするのである。かかる結合比率αは、格子点の位置、すなわち、格子点データが表現する色の特性を考慮して決定すればよく、例えば、明度によって決定してもよい。かかる結合比率αの決定方法は、後述する第2実施例で詳述する。
結合LUTの出力値を算出すると、全ての格子点について、出力値の算出が終了したか否かを判断し(ステップS240)、終了していれば(ステップS240:YES)、LUTの作成を終了する。一方、出力値の算出が終了していなければ(ステップS240:NO)、S220〜S240の工程を繰り返す。こうして、RGBとCMYKLkLLkRBとを対応付けた8色のインクセット用のLUTが完成する。
かかるLUTの作成方法は、出力値が表す色の種類の一部が互いに異なる2種類のLUTを用意し、当該LUTの対応する各格子点の出力値を結合比率αで結合して、新たなLUTを作成する。したがって、複雑な最適化処理を行わなくても、既存のLUTを活用して効率的に多色インクセットのLUTの作成を行うことができる。また、かかるLUTは、格子点の位置に応じて決定された結合比率αを用いて作成するので、既存のLUTの長所を活かして、各々の格子点の色特性に適したLUTとして作成することができる。
また、上述の例では、ステップS210において、出力値が表す色の種類の一部が互いに異なる2種類のLUTを用意したが、用意するLUTは、互いに特性の異なる複数種類のものであればよい。例えば、印刷物の粒状性を優先して作成されたLUTと、色再現範囲(Gamut)を優先して作成されたLUTとを用意してもよい。勿論、複数の特性、例えば、出力値が表す色の種類と粒状性特性のいずれもが異なるLUTを用意してもよい。こうしても、既存のLUTを活用して、効率的に新たな特性のLUTを作成することができる。
B.第2実施例:
B−1.装置構成:
第2実施例としてのプリンタ20bの構成を図6に示す。図1に示した第1実施例と異なる点は、CPU40bが作成部41b、把握部43bとしても機能する点、EEPROM60bに、複数の基礎LUT64b〜66bが記憶されている点であり、その他は、第1実施例と同様の構成である。
基礎LUT64bは、RGBとCMYKLkLLkとを対応付けた6色のインクセット用のLUTである。基礎LUT65bは、RGBとCMYKRBとを対応付けた6色のインクセット用のLUTである。また、基礎LUT66bは、RGBとCMYKLcLmとを対応付けた6色のインクセット用のLUTである。
B−2.印刷処理:
第2実施例としての、プリンタ20bによる印刷処理の流れを図7に示す。なお、第1実施例の印刷処理と同一内容のステップについては、図3と同様の符号を付して、説明を簡略化する。印刷処理が開始されると、CPU40bは、まず、RGB形式の画像データORGを読み込んで入力する(ステップS110)。
画像データORGを入力すると、CPU40bは、把握部43bの処理として、印刷条件の把握を行う(ステップS320)。把握する印刷条件は、種々の条件とすることができるが、本実施例においては、プリンタ20bが使用可能なインクの色の種類、すなわち、キャリッジ80に装着されたインクカートリッジ82b〜89bの種類である。本実施例では、インクカートリッジ82b〜89bは、収容されたインクの種類等を記憶させたICチップを備えており、インクカートリッジ82b〜89bをキャリッジ80に装着すると、各々のICチップと制御ユニット30bとが電気的に接続され、CPU40bが所定の信号を送出する。これに対して、ICチップは、記憶領域に記録されたインクの種類を表す信号をCPU40bに応答する。CPU40bは、この応答信号を解釈して、キャリッジ80に装着されたインクカートリッジ82b〜89bの種類、すなわち、使用可能なインクの色の種類を検出するのである。なお、印刷条件の把握方法は、特に限定するものではなく、例えば、ユーザが操作パネル93b等を用いて、キャリッジ80に装着したインクカートリッジ82b〜89bの種類を入力し、CPU40bがこれを受け付けることで行ってもよい。
印刷条件を把握すると、CPU40bは、把握した印刷条件に応じて、EEPROM60bに記憶されたLUTの中から、後述する色変換処理に用いるLUTを作成するための基礎LUTを選択する(ステップS330)。具体的には、CPU40bは、上記ステップS320で把握した使用可能なインクの色の種類の各々が、いずれかの基礎LUTの出力値に係る色の1つと一致するように、基礎LUTを選択する。本実施例では、上記ステップS320で把握した使用可能なインク色はCMYKLkLLkRBであるから、出力値に係る色がCMYKLkLLkである基礎LUT64bと、出力値に係る色がCMYKRBである基礎LUT65bとを選択する。
なお、EEPROM60bに記憶された基礎LUTが2種類のみの場合には、上記ステップS330は省略することができる。また、基礎LUT64bは、図5に示した色空間の内部を通過するグレイラインGL付近の色表現に適したLUTであることからInnerLUTともいい、基礎LUT65bは、グレイラインGLから遠い原色付近の色表現に適したLUTであることからOuterLUTともいう。
基礎LUTを選択すると、CPU40bは、作成部41bの処理として、選択した基礎LUTを結合して、新たな1つのLUTを生成するLUT結合処理を行う(ステップS340)。このLUT結合処理の詳細については後述する。そして、LUTを結合すると、CPU40bは、結合したLUTを用いて色変換処理を行い(ステップS150)、更にハーフトーン処理(ステップS160)、インターレス処理(ステップS170)を行った後、印刷を実行して(ステップS180)、印刷処理を終了する。なお、本実施例では、基礎LUTの結合により新たに作成した結合LUTは、メモリ容量の削減の観点から、印刷処理の終了後、消去する構成とした。
上述のステップS340におけるLUT結合処理の流れを図8に示す。図示するように、LUT結合処理が開始されると、CPU40bは、上記ステップS330で選択した基礎LUTの格子点データの1つ(Grid_R、Grid_G、Grid_B)を取得する(ステップS410)。なお、以降、ここで取得した格子点データのうち、その値が最大のものを格子点データgp2、最小のものを格子点データgp0、その間のものを格子点データgp1ともいう(gp0≦gp1≦gp2)。本実施例では、最初に取得する格子点データは、gp0=gp1=gp2=0である。
格子点データを取得すると、CPU40bは、結合比率算出処理(詳細は後述)を実行し、結合比率αを算出する(ステップS420)。そして、CPU40bは、次式(3)に示すように、算出した結合比率αを用いて、取得した格子点における選択した基礎LUT(基礎LUT64b及び基礎LUT65b)の出力値を結合する(ステップS440)。
結合LUT出力値=基礎LUT64b出力値×(1−α)+基礎LUT65b出力値×α・・・(3)
出力値を結合すると、CPU40bは、選択した基礎LUTの全ての格子点について、出力値の結合を終了したか否かを判断する(ステップS450)。その結果、全ての格子点について終了していれば(ステップS450:YES)、CPU40bは、LUT結合処理を終了し、処理を印刷処理に戻す。一方、出力値の結合を行っていない格子点があれば(ステップS450:NO)、CPU40bは、処理を上記ステップS410に戻し、上記ステップS410〜S440の処理を繰り返し、全ての格子点について出力値を結合する。
上述のステップS420における結合比率算出処理について詳述する。この処理は、上記ステップS410において取得した格子点の位置に応じた結合比率αを算出する処理である。まず、この処理の概要について図10を用いて説明する。本実施例の結合比率算出処理では、格子点の位置に対応する彩度に応じて、結合比率αを決定する。本実施例では、格子点ごとの彩度を、簡易的に格子点データgp2とgp0との差により把握する構成とした。具体的には、図示するように、指標値F(F=gp2−gp0)が値0以上、値Rmin以下の値の場合には、結合比率αを値0とし、指標値Fが値Rminより大きくなるにしたがって、すなわち、彩度が高くなるにしたがって結合比率αを増加させていき、指標値Fが値Rmax以上の値の場合には、結合比率αを値1とするのである。なお、本願においては、結合比率αが0からそれよりも大きな値に変化するポイント(F=Rmin)と、結合比率αが1からそれよりも小さな値に変化するポイント(F=Rmax)とを結合比率変化ポイントという。
結合比率算出処理について、図9を用いて、さらに詳細に説明する。この処理が開始されると、CPU40bは、上記ステップS410で取得した格子点データ(Grid_R,Grid_G,Grid_B)を、その値の大きさの順、すなわち、gp0、gp1、gp2(gp0≦gp1≦gp2)の順に並び替える(ステップS421)。
格子点データを並び替えると、CPU40bは、結合比率変化ポイントの初期値R0max(結合比率αが1から変化する位置)、R0min(結合比率αが0から変化する位置)を取得する(ステップS422)。かかる初期値は、EEPROM60bに予め記憶されている値であり、本実施例においては、RGBの階調値の範囲0〜255を4等分した際の両端の等分点(R0max=192、R0min=64)とした。ただし、初期値R0max、R0minは、上述の例に限らず、結合する基礎LUTに備えさせる所望の特性に応じて適宜設定すればよい。
結合比率変化ポイントの初期値を取得すると、CPU40bは、格子点データ(gp0+gp2)が値255よりも小さいか否かを判断する(ステップS423)。その結果、格子点データ(gp0+gp2)が値255未満であれば(ステップS423:YES)、CPU40bは、結合比率変化ポイントRmin,Rmaxを初期値のままとする(ステップS425)。すなわち、結合比率変化ポイントRmin、Rmaxを次式(4)、(5)のとおり算出する。
Rmin=R0min・・・(4)
Rmax=R0max・・・(5)
一方、格子点データ(gp0+gp2)が値255以上であれば(ステップS423:NO)、CPU40bは、定数Bmin,Bmaxを用いて、結合比率変化ポイントRmin,Rmaxを次式(6)、(7)のとおり算出する(ステップS424)。
Rmin=R0min×{Bmin−(gp0+gp2)}/256・・・(6)
Rmax=R0max×{Bmax−(gp0+gp2)}/256・・・(7)
なお、本実施例では、定数Bmin,Bmaxは、いずれも値511としたが、この値は511以上の値であればよく、互いに異なる値であってもよい。このような定数を用いるのは、「{Bmin−(gp0+gp2)}/256」と「{Bmax−(gp0+gp2)}/256」とを、それぞれ1未満の値にするためである。
上述のステップS423〜S425の処理は、格子点データ(gp0+gp2)が比較的大きい、すなわち、明度が比較的高い場合には、結合比率変化ポイントを初期値よりも小さくなるように補正する処理である。言い換えれば、明度が高い格子点ではOuterLUTの影響度が大きく、明度が低い格子点ではInnerLUTの影響度が大きくなるように補正しているのである。こうすることで、明度が高い格子点では、OuterLUTの特性を活かして、色再現範囲の広いLUTを作成することができる。
なお、本実施例では、格子点データ(gp0+gp2)と値255との大小関係により、明度の高低を判断したが、格子点データ(gp0+gp2)と比較する値は255に限らず、適宜設定すればよい。また、本実施例では、処理を簡略化するために、格子点データ(gp0+gp2)を用いて、上述の判断を行っているが、格子点の位置(gp0,gp1,gp2の具体的な値)などから判断してもよい。こうすれば、正確な判断を行うことができる。また、上記ステップS423及びS424は必須ではなく、格子点データにかかわらず、初期値の結合比率変化ポイントを用いてもよい。
結合比率変化ポイントRmin,Rmaxを算出すると、CPU40bは、算出した結合比率変化ポイントRmin,Rmaxを用いて、次式(8)により、結合比率αを算出する(ステップS426)。
α=(gp2−gp0−Rmin)/(Rmax−Rmin)・・・(8)
結合比率αを算出すると、CPU40bは、結合比率αの値が0未満であるか否かを判断する(ステップS427)。その結果、算出した結合比率αが0未満であれば(ステップS427:YES)、結合比率αは本来0以上1以下の値であるため、CPU40bは、結合比率αの値を0に補正して(ステップS429)、処理を図8のLUT結合処理に戻す。
一方、算出した結合比率αが0以上であれば(ステップS427:NO)、CPU40bは、さらに、算出した結合比率αが1より大きいか否かを判断する(ステップS428)。その結果、1よりも大きければ(ステップS428:YES)、結合比率αは本来0以上1以下の値であるため、CPU40bは、結合比率αの値を1に補正し(ステップS430)、処理をLUT結合処理に戻す。
一方、算出した結合比率αが1以下であれば(ステップS428:NO)、算出した結合比率αは適正な範囲にあるので、CPU40bは、処理をLUT結合処理に戻す。
上述の処理により作成されるLUTは、格子点における彩度の高低を示す(gp2−gp0)を横軸、明度の高低を示す(gp2+gp0)を縦軸にとれば、図11に示すとおりとなる。すなわち、CPU40bは、LUT結合処理において、彩度が高くなるほど、また、明度が高くなるほどOuterLUTを優先し、彩度が低くなるほど、また、明度が低くなるほどInnerLUTを優先するのである。
なお、本実施例では、格子点データgp0及びgp2を用いて、結合比率αを算出した。こうすれば、格子点位置の明度及び彩度を反映して、簡単にαを算出できるからである。ただし、結合比率αの算出は、かかる方法に限定するものではない。例えば、格子点GPの位置ごとに、結合比率αの値を予め定めて、記憶しておいてもよいし、gp0,gp1及びgp2から結合比率αを算出してもよい。勿論、格子点の位置(Grid_R、Grid_G、Grid_B)から結合比率αを算出してもよい。こうすれば、より正確に格子点の彩度及び明度を反映させて、結合比率αを決定することができる。
かかる構成のプリンタ20bは、EEPROM60bに記憶された、異なる複数種類のLUTのうちから選択した複数の基礎LUTの対応する各格子点の出力値を所定の結合比率で結合して、色変換処理に用いるLUTを作成するので、製造者が複雑な最適化処理を行って多数のLUTを作成する必要がない。また、基礎LUTの組み合わせにより様々な特性のLUTが作成可能となるので、色変換性能が向上する。また、基礎LUTから必要な時に必要なLUTを作成すればよいので、予め複雑な多数のLUTを記憶しておく必要がなく、メモリ容量を削減することができる。
また、かかる構成のプリンタ20bは、基礎LUTの格子点の位置に応じて、結合比率αを決定するので、結合するLUTのそれぞれの長所を活かして、各々の格子点の色特性に適したLUTを作成し、当該LUTで好適に色変換を行うことができる。
また、かかる構成のプリンタ20bは、使用可能なインクの色の種類の各々がいずれかのLUTの出力値に係る色の1つと一致するように、基礎LUTを選択して、当該基礎LUTを結合し、結合LUTを用いて色変換処理を行う。したがって、プロセスカラー(CMYK)と、プリンタ20bで使用が想定される少なくとも1つの特色(プロセスカラー以外の色をいう)とに係る出力値を有する基礎LUTを複数種類記憶しておけば、ユーザがキャリッジ80に装着するインクカートリッジの任意のインク色の組み合わせに対して、出力値の色の種類が一致するLUTを作成して、好適な印刷を行うことができる。また、一般的に、LUTの出力値の色の種類が増加するとLUTの最適化処理が煩雑となるが、かかるプリンタ20bは、そのような煩雑な最適化処理を必要とせず、その製造工程を簡略化することができる。また、ユーザに選択され得る任意のインク種の組み合わせに対応した多色のLUTを多数記憶しておく必要がないので、メモリ容量を削減することができる。
C.変形例:
上述の実施形態の変形例について説明する。
C−1.変形例1:
第1実施例及び第2実施例においては、既存の2種類の基礎LUTを結合して新たなLUTを作成するLUT製造方法及びプリンタの構成について示したが、結合するLUTは3種類以上であってもよい。例えば、RGBとCMYKLkLLkとを対応付けた6色のインクセット用のLUTと、RGBとCMYKRBとを対応付けた6色のインクセット用のLUTと、RGBとCMYKLLcLm(Lcはライトシアン、Lmはライトマゼンタ)とを対応付けた6色のインクセット用のLUTとを用いて、RGBとCMYKLkLLkLcLmRBとを対応付けた10色のインクセット用のLUTを作成してもよい。また、かかる場合にも、各LUTの特性を活かすことができる色域ごとに、すなわち、格子点の位置に応じて結合比率αを決定してもよい。
C−2.変形例2:
上述の実施形態においては、結合比率αは、格子点の位置に応じて決定するものとしたが、結合比率αは、格子点の位置によらず一定の値としてもよい。こうすれば、より簡単に基礎LUTを結合してLUTを作成することができる。
C−3.変形例3:
上述の実施形態においては、図8に示したLUT結合処理を、基礎LUTの全ての格子点について実行する構成として示したが、出力値を結合する格子点は、一部の格子点のみとしてもよい。例えば、CPU40bは、印刷処理(図7参照)の色変換処理(ステップS150)に必要な格子点のみについて、出力値を結合してもよい。こうすれば、LUT結合処理を高速化することができる。
C−4.変形例4:
上述の実施形態においては、RGB色空間内にて表される入力値と、CMYKLkLLkRB色空間内にて表される出力値との対応関係を記述したLUTの作成方法等について示したが、入力値と出力値との間での色空間の組み合わせは、特に限定するものではない。例えば、RGB色空間、CMYK色空間、L***空間、L***空間、xyY空間など、種々の色空間の組み合わせとすることができる。
C−5.変形例5:
上述の実施形態においては、三次元LUTについての例を示したが、LUTの次元は、特に限定するものではない。本発明を四次元LUTに適用する場合の結合比率算出処理の例を図12に示す。この処理は、基礎LUTを結合して、CMYK色空間で表される入力値をCMYKLcLm色空間で表される出力値に変換するLUTを作成する場合の、結合比率αを算出する処理である。なお、図9に示した第2実施例としての結合比率算出処理と同一のステップについては、図9と同一の符号を付して、説明を簡略化する。
図12に示すように、変形例としての結合比率算出処理が開始されると、CPU40bは、まず、実施例と同様に、格子点データの並び替えを行う(ステップS521)。上述の通り、本変形例で扱うLUTの入力値は、CMYK色空間で表されるため、LUT結合処理(図8参照)のステップS410で取得される格子点データは、CMYK形式である。ここでは、取得した格子点データ(Grid_C,Grid_M,Grid_Y,Grid_K)のうち、CMYに係る格子点データについてのみ並び替えを行う。並び替える格子点データのうち、その値が最大のものを格子点データgp2’、最小のものを格子点データgp0’、その間のものを格子点データgp1’ともいう(gp0’≦gp1’≦gp2’)。また、Kに係る格子点データを格子点データgpKともいう。
格子点データを並び替えると、CPU40bは、結合比率変化ポイントの初期値RK0max(結合比率αが1から変化する位置)及びRK0min(結合比率αが0から変化する位置)を取得する(ステップS522)。
結合比率変化ポイントの初期値を取得すると、CPU40bは、次式(9)を用いて、ブラック成分量CompKを算出する(ステップS523)。
CompK=gpK+gp0’・・・(9)
このようにブラック成分量CompKを算出するのは、明度が低いほど印刷画質の粒状性が問題となるので、図13に示すように、格子点における明度が低いほどInnerLUTの比率が大きくなるように結合比率αを決定するためである。
ブラック成分量CompKを算出すると、CPU40bは、次式(10),(11)により、結合比率変化ポイントRKmin及びRKmaxを算出する(ステップS524)。
RKmin=RK0min+(RK0max−RK0min)×{(gp2’−gp0’)/255}×0.85・・・(10)
RKmax=RK0max・・・(11)
かかる処理は、格子点データ(gp2’−gp0’)が比較的大きい、すなわち、彩度が比較的高い場合には、結合比率変化ポイントを初期値よりも大きくなるように補正する処理である。言い換えれば、彩度が高い格子点ではOuterLUTの影響度が大きく、彩度が低い格子点ではInnnerLUTの影響度が大きくなるように結合比率変化ポイントRKminを補正するものである。なお、「0.85」は、調整パラメータである。また、かかる処理は、上述のように結合比率変化ポイントRKminのみに対して行ってもよいし、結合比率変化ポイントRKmaxのみ、あるいは、結合比率変化ポイントRKmax,RKminの両方に対して行ってもよい。勿論、かかる処理は必須ではない。
結合比率変化ポイントRKmin,RKmaxを算出すると、CPU40bは、算出したブラック成分量CompK及び結合比率変化ポイントRmin,Rmaxを用いて、次式(12)により、結合比率αを算出する(ステップS526)。
α=1−(CompK−RKmin)/(RKmax−RKmin)・・・(12)
結合比率αを算出すると、CPU40bは、第2実施例と同様に、必要に応じて結合比率αの補正を行い(ステップS427〜S430)、処理をLUT結合処理に戻す。
上述の処理により作成されるLUTは、格子点における彩度の高低を示す(gp2’−gp0’)を横軸、明度の高低を示すCompKを縦軸にとれば、図14に示すとおりとなる。すなわち、CPU40bは、第2実施例と同様に、すなわち、CPU40bは、LUT結合処理において、彩度が高くなるほど、また、明度が高くなるほどOuterLUTを優先し、彩度が低くなるほど、また、明度が低くなるほどInnerLUTを優先するのである。
C−6.変形例6:
上述の実施形態においては、インクセットが異なる複数のLUTを結合して、新たなLUTを作成したが、結合するLUTの組み合わせは、インクセットが異なるものに限定するものではなく、同一のインクセットに係るLUTであってもよい。結合するLUTの組み合わせは、特性が異なるものであればよいのである。例えば、プリンタ20bにより印刷される印刷物の粒状性や色再現範囲の特性が互いに異なるLUTを結合するものであってもよい。こうすれば、新たな特性を有するLUTを簡単に作成することができる。
C−7.変形例7:
上述の第2実施例では、図7に示した印刷処理の上記ステップS320において、印刷条件として、プリンタ20bが使用可能なインクの色の種類を把握する構成としたが、ここで把握する印刷条件は、種々のものとすることができる。例えば、印刷条件は、印刷媒体の種別とし、CPU40bは、ユーザが操作パネル93b等を用いて入力する印刷媒体の種別を受け付けるなどして、かかる印刷条件を把握する構成としてもよい。こうすれば、例えば、各色の合計のインクデューティが大きくなる基礎LUTと小さくなる基礎LUTとを、印刷媒体のにじみ易さに応じて決定された結合比率αを用いて結合することで、印刷媒体の特性に適したLUTを作成し、好適な色変換処理を行うことができる。また、結合比率αは、各格子点におけるインクデューティに応じて決定してもよい。
あるいは、印刷条件は、印刷物に要求される粒状性や色再現範囲の程度とし、CPU40bは、ユーザが操作パネル93b等を用いて入力するこれらの程度を受け付けるなどして、かかる印刷条件を把握する構成としてもよい。こうすれば、例えば、粒状性を優先した基礎LUTと、色再現性を優先した基礎LUTとを、要求される粒状性及び色再現性の程度に応じて決定された結合比率αを用いて結合することで、ユーザの要求に応じたLUTを作成し、好適な色変換処理を行うことができる。また、結合比率αは、実施例と同様に、格子点ごとに決定してもよい。
あるいは、印刷条件は、インク残余量とし、CPU40bは、インクカートリッジ82b〜89bが備える残量センサと通信するなどして、かかる印刷条件を把握する構成としてもよい。こうすれば、例えば、通常の画質優先の基礎LUTと、残余量が少ないインクと同一の色の出力値が小さい(ゼロを含む)基礎LUTとを結合することで、残余量が少ないインクの使用量を節約できるLUTを作成し、インク切れの発生を抑制する色変換処理を行うことができる。また、残余量が少ないインクの残容量をパラメータとして結合比率αを決定すれば、インクの残余量が少なくなるほどに、残余量が少ないインクと同一の色の出力値が小さい基礎LUTの比率を増加させて、残余量が少ないインクの節約量を調節することができる。
C−8.変形例8:
上述の第2実施例においては、LUT結合処理(ステップS340)を印刷処理の中で行ったが、LUT結合処理の実行タイミングは、かかる場合に限るものではない。例えば、CPU40bの電源ON時、印刷ドライバのインストール時など、印刷処理に先立った種々のタイミングで行ってもよい。かかる場合、印刷処理においては、予め作成しておいた結合LUTの中から、把握した印刷条件に対応するLUTを選択して使用してもよい。こうすれば、LUT結合処理にかかる時間を省略して、印刷時間を短縮することができる。
また、第2実施例では、作成した結合LUTは、印刷処理の終了後に消去する構成としたが、直近に行った所定回数の印刷において使用した結合LUTをEEPROM62bに記憶しておく構成としてもよい。こうしても、次回の印刷処理時に、同一種類の印刷が行われる場合には、印刷時間を短縮することができる。
C−9.変形例9:
上述した実施形態においては、プリンタ20bが図7の印刷処理の全てを実行する構成としたが、プリンタ20bにコンピュータが接続される場合には、印刷処理の一部を当該コンピュータが実行してもよい。かかる場合、コンピュータとプリンタ20bとによって構成される印刷システムは、広義の印刷装置として捉えることができる。また、印刷装置としての本発明は、実施例に示したプリンタに限られるものではなく、版を用いる印刷機、コピー機、ファクシミリなど、種々の広義の印刷装置に適用することができる。LUTの作成方法としての本発明は、印刷装置に限らず、種々の出力装置に用いるLUTにも適用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、本発明は、LUTの作成方法、印刷装置としての構成の他、プログラム、記憶媒体等としても実現することができる。
第1実施例としてのプリンタ20の概略構成図である。 LUTの具体例を示す説明図である。 プリンタ20における印刷処理のフローチャートである。 プリンタ20の色変換処理に用いるLUTの作成手順を示すフローチャートである。 RGB色空間とグレイラインGLとの関係を示す説明図である。 第2実施例としてのプリンタ20bの概略構成図である。 プリンタ20bにおける印刷処理のフローチャートである。 プリンタ20bにおけるLUT結合処理のフローチャートである。 プリンタ20bにおける結合比率算出処理のフローチャートである。 結合比率算出処理における結合比率αの考え方を示す説明図である。 格子点における彩度及び明度と、結合LUTの出力値との関係を概念的に示す説明図である。 変形例としての結合比率算出処理のフローチャートである。 変形例としての結合比率算出処理における結合比率αの考え方を示す説明図である。 変形例としての、格子点における彩度及び明度と、結合LUTの出力値との関係を概念的に示す説明図である。
符号の説明
20,20b…プリンタ
30,30b…制御ユニット
40,40b…CPU
41b…作成部
42,42b…色変換部
43b…把握部
51,51b…ROM
52,52b…RAM
60,60b…EEPROM
62…LUT
64b,65b,66b…基礎LUT
70,70b…キャリッジモータ
71,71b…駆動ベルト
72,72b…プーリ
73,73b…摺動軸
74,74b…紙送りモータ
75,75b…プラテン
80,80b…キャリッジ
81,81b…印刷ヘッド
82〜89,82b〜89b…インクカートリッジ
91,91b…メモリカードスロット
93,93b…操作パネル
P…印刷媒体
MC…メモリカード
GL…グレイライン

Claims (12)

  1. 第1の色空間内にて表される入力値と、該第1の色空間とは異なる第2の色空間内にて表される出力値との対応関係を記述したルックアップテーブルの作成方法であって、
    特性が異なる複数種類のルックアップテーブルを用意し、
    前記複数種類のルックアップテーブルの各々の対応する各格子点の出力値を所定の結合比率で結合して、新たなルックアップテーブルを作成する
    ルックアップテーブルの作成方法。
  2. 前記所定の結合比率は、前記格子点の位置に応じて決定される値である請求項1記載のルックアップテーブルの作成方法。
  3. 前記複数種類のルックアップテーブルは、前記出力値が表す色の種類の一部が互いに異なるルックアップテーブルである請求項1または請求項2記載のルックアップテーブルの作成方法。
  4. 前記ルックアップテーブルは、印刷装置の色変換処理に用いるルックアップテーブルである請求項1ないし請求項3のいずれか記載のルックアップテーブル作成方法。
  5. 前記複数種類のルックアップテーブルは、前記印刷装置によって印刷される印刷物の粒状性または色再現範囲の特性が互いに異なるルックアップテーブルである請求項4記載のルックアップテーブルの作成方法。
  6. 第1の色空間内にて表される入力値と、該第1の色空間とは異なる第2の色空間内にて表される出力値との対応関係を記述したルックアップテーブルを用いて色変換を行う印刷装置であって、
    特性が異なる複数種類のルックアップテーブルを記憶する記憶手段と、
    前記複数種類のルックアップテーブルのうちから基礎ルックアップテーブルとして選択した少なくとも2種類のルックアップテーブルの各々の対応する各格子点の出力値を所定の結合比率で結合して、新たなルックアップテーブルを作成する作成手段と、
    前記作成した新たなルックアップテーブルに基づいて、前記色変換を行う色変換手段と
    を備えた印刷装置。
  7. 前記所定の結合比率は、前記格子点の位置をパラメータとして決定される値である請求項6記載の印刷装置。
  8. 請求項6または請求項7記載の印刷装置であって、
    更に、印刷条件を把握する把握手段を備え、
    前記作成手段は、前記把握した印刷条件に応じて、前記基礎ルックアップテーブルを選択する
    印刷装置。
  9. 請求項8記載の印刷装置であって、
    前記印刷条件は、前記印刷装置が使用可能なインクの色の種類であり、
    前記作成手段は、前記使用可能なインクの色の種類の各々がいずれかの前記基礎ルックアップテーブルの出力値に係る色の1つと一致するように、前記基礎ルックアップテーブルを選択する
    印刷装置。
  10. 請求項8または請求項9記載の印刷装置であって、
    前記印刷条件は、印刷に求められる印刷物の粒状性または色再現範囲の程度であり、
    前記作成手段は、少なくとも、前記求められる粒状性に対応する特性を備えたルックアップテーブルと、前記求められる色再現範囲に対応する特性を備えたルックアップテーブルとを、前記基礎ルックアップテーブルとして選択する
    印刷装置。
  11. 請求項8ないし請求項10のいずれか記載の印刷装置であって、
    前記印刷条件は、前記印刷装置が使用可能なインクの種類別の残余量であり、
    前記作成手段は、前記残余量が所定値以下であるエンドインクがある場合には、少なくとも、該エンドインクと同一の色の出力値が小さい特性を備えたルックアップテーブルを前記基礎ルックアップテーブルとして選択する
    印刷装置。
  12. 前記所定の結合比率は、前記残余量をパラメータとして決定される値である請求項11記載の印刷装置。
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