JP2010098243A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電界効果トランジスタ、特に、アンテナスイッチのスイッチング素子を構成する電界効果トランジスタで発生する高次高調波の発生を低減できる技術を提供する。
【解決手段】メアンダ構造をしているトランジスタQ1において、ゲート入力側に最も近い部分トランジスタのゲート幅を大きくする。具体的には、図5に示すように、櫛歯状電極CL(1)をその他の櫛歯状電極CL(2)〜CL(n)よりも長くするように構成している。言い換えれば、フィンガー長Lw1をその他のフィンガー長Lwjよりも長くしている。特に、櫛歯状電極CL(1)を櫛歯状電極CL(1)〜CL(n)の中で最も長くする。
【選択図】図5

Description

本発明は、半導体装置に関し、特に、アンテナスイッチを含む半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
特開2006−165224号公報(特許文献1)には、挿入損失を増大させることなく、マルチゲートを構成するゲート間の電位安定化が可能な電界効果トランジスタを提供する技術が記載されている。具体的に、電界効果トランジスタは、半導体基板上に形成された2個のオーミック電極と、この2個のオーミック電極の間に配置された少なくとも2個のゲート電極と、隣り合うゲート電極の間に挟まれて配置された導電領域とを備える。この導電領域の一端には、隣り合うゲート電極に挟まれて配置された導電領域よりも幅の広い幅広領域を有し、隣り合うゲート電極の間の距離が幅広領域の幅よりも狭くなっている。さらに、幅広領域を介して2個のオーミック電極の間に直列に抵抗が接続されているとしている。
特開2006−165224号公報
近年の携帯電話機では音声通話機能だけでなく様々なアプリケーション機能が追加されている。すなわち、携帯電話機を用いた配信音楽の視聴、動画伝送、データ転送などの音声通話機能以外の機能が携帯電話機に追加されている。このような携帯電話機の多機能化に伴い、世界各国での周波数帯(GSM(Global System for Mobile communications)帯、PCS(Personal Communication Services)帯など)や変調方式(GSM、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)、WCDMA(Wideband Code Division Multiplex Access)など)が多数存在することになっている。したがって、携帯電話機では、複数の異なる周波数帯や異なる変調方式に対応した送受信信号に対応する必要がある。このことから、携帯電話機では、これらの送受信信号の送信と受信とを1つのアンテナで共用し、アンテナスイッチによってアンテナとの接続を切り替えることが行なわれている。
例えば、携帯電話機においては、送信信号の電力が1Wを超えるなど大電力になることが普通であり、アンテナスイッチには、大電力の送信信号の高品質性を確保し、かつ、他の周波数帯の通信に悪影響を与える妨害波(高次高調波)の発生を低減する性能が要求される。このため、アンテナスイッチを構成するスイッチング素子として電界効果トランジスタを使用する場合、この電界効果トランジスタには、高耐圧性だけでなく、高次高調波歪を低減できる性能が要求される。
アンテナスイッチには、高次高調波歪の低減などの電気的特性の向上が要求されるが、一方で、アンテナスイッチを制御する制御信号の簡略化(制御信号の本数の削減、制御信号の低電圧化)やアンテナスイッチのコスト削減(チップサイズの縮小化)が求められている。しかし、このような状況においても、アンテナスイッチには、高次高調波歪の低減などの電気的特性の向上が求められている。つまり、アンテナスイッチを製品化するためには、コストの削減と電気的特性の向上の両方が必要となる。
本発明の目的は、電界効果トランジスタ、特に、アンテナスイッチのスイッチング素子を構成する電界効果トランジスタで発生する高次高調波の発生を低減できる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明による半導体装置は、半導体基板上に形成された電界効果トランジスタを備える。このとき、前記電界効果トランジスタは、(a)前記半導体基板の第1方向に延在し、互いに対向するように配置された第1オーミック電極および第2オーミック電極と、(b)前記第1オーミック電極の前記第2オーミック電極と対向する対向面から前記第1方向と交差する第2方向に突き出た複数の第1櫛歯状電極とを有する。そして、(c)前記第2オーミック電極の前記第1オーミック電極と対向する対向面から前記第1方向と交差する前記第2方向に突き出た複数の第2櫛歯状電極と、(d)前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極とを交互に櫛歯状に配置することにより、前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極の間に形成される隙間に沿って延在するゲート電極とを有する。ここで、前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極を含む櫛歯状電極のうち、前記ゲート電極に制御信号を入力する入力側に最も近い櫛歯状電極の長さを、その他の櫛歯状電極の長さよりも長くすることを特徴とするものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
アンテナスイッチを含む半導体装置において、アンテナスイッチで発生する高次高調波歪を低減できる。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
<携帯電話機の構成および動作>
図1は、携帯電話機の送受信部の構成を示すブロック図である。図1に示すように、携帯電話機1は、アプリケーションプロセッサ2、メモリ3、ベースバンド部4、RFIC5、電力増幅器6、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ7、アンテナスイッチ8およびアンテナ9を有している。
アプリケーションプロセッサ2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)から構成され、携帯電話機1のアプリケーション機能を実現する機能を有している。具体的には、メモリ3から命令を読みだして解読し、解読した結果に基づいて各種の演算や制御することによりアプリケーション機能を実現している。メモリ3は、データを記憶する機能を有しており、例えば、アプリケーションプロセッサ2を動作させるプログラムや、アプリケーションプロセッサ2での処理データを記憶するように構成されている。また、メモリ3は、アプリケーションプロセッサ2だけでなく、ベースバンド部4ともアクセスできるようになっており、ベースバンド部で処理されるデータの記憶にも使用できるようになっている。
ベースバンド部4は、中央制御部であるCPUを内蔵し、送信時には、操作部を介したユーザ(通話者)からの音声信号(アナログ信号)をデジタル処理してベースバンド信号を生成できるように構成されている。一方、受信時には、デジタル信号であるベースバンド信号から音声信号を生成できるように構成されている。
RFIC5は、送信時にはベースバンド信号を変調して無線周波数の信号を生成し、受信時には、受信信号を復調してベースバンド信号を生成することができるように構成されている。電力増幅器6は、微弱な入力信号と相似な大電力の信号を電源から供給される電力で新たに生成して出力する回路である。SAWフィルタ7は、受信信号から所定の周波数帯の信号だけを通過させるように構成されている。
アンテナスイッチ8は、携帯電話機1に入力される受信信号と携帯電話機1から出力される送信信号とを分離するためのものであり、アンテナ9は、電波を送受信するためのものである。
携帯電話機1は、上記のように構成されており、以下に、その動作について簡単に説明する。まず、信号を送信する場合について説明する。ベースバンド部4で音声信号などのアナログ信号をデジタル処理することにより生成されたベースバンド信号は、RFIC5に入力する。RFIC5では、入力したベースバンド信号を、変調信号源およびミキサによって、無線周波数(RF(Radio Frequency)周波数)の信号に変換する。無線周波数に変換された信号は、RFIC5から電力増幅器(RFモジュール)6に出力される。電力増幅器6に入力した無線周波数の信号は、電力増幅器6で増幅された後、アンテナスイッチ8を介してアンテナ9より送信される。
次に、信号を受信する場合について説明する。アンテナ9により受信された無線周波数の信号(受信信号)は、SAWフィルタ7を通過した後、RFIC5に入力する。RFIC5では、入力した受信信号を増幅した後、変調信号源およびミキサによって、周波数変換を行なう。そして、周波数変換された信号の検波が行なわれ、ベースバンド信号が抽出される。その後、このベースバンド信号は、RFIC5からベースバンド部4に出力される。このベースバンド信号がベースバンド部4で処理され、音声信号が出力される。
<RFモジュールの構成>
上述したように、デジタル携帯電話機から信号を送信する際、電力増幅器6によって信号は増幅された後、アンテナスイッチ8を介してアンテナ9から出力される。この電力増幅器6とアンテナスイッチ8とは例えば、1つのRFモジュールHPAとして製品化されている。以下では、このRFモジュールHPAの回路ブロック構成について説明する。図2は、本実施の形態1におけるRFモジュールHPAの回路ブロック構成を示す図である。図2において、本実施の形態1におけるRFモジュールHPAは、電力増幅器6、出力整合回路12a、12b、検波回路13a、13b、ローパスフィルタLPF1、LPF2、アンテナスイッチ8およびダイプレクサDiを有している。
電力増幅器6は、整合回路10a、10b、増幅回路LB、HBおよび制御回路11から構成されている。整合回路10aは、RFモジュールHPAの入力端子TX(LB)inに入力する入力信号(RF入力)の反射を抑制して効率良く増幅回路LBに出力できるようになっている。この整合回路10aは、例えば、インダクタ、容量素子および抵抗素子などの受動部品から形成されており、入力信号に対するインピーダンス整合をとることができるように組み合わされている。整合回路10aに入力される入力信号は、第1周波数帯の信号である。例えば、第1周波数帯の信号としては、GSM(Global System for Mobile Communication)方式を利用した信号が挙げられ、周波数帯としては、GSM低周波帯域の824MHz〜915MHz、GSM高周波帯域の1710MHz〜1910MHzを使用している信号である。
増幅回路LBは、整合回路10aに接続されており、整合回路10aから出力された入力信号を増幅するように構成されている。すなわち、増幅回路LBは、GSM低周波帯域の入力信号を増幅するアンプであり、例えば、2つの増幅段から構成されている。増幅回路LBでは、整合回路10aから出力されたGSM低周波帯域の入力信号がまず、初段の増幅段で増幅される。そして、初段の増幅段で増幅された入力信号は、終段の増幅段で増幅されるようになっている。この増幅回路LBによって、微弱な入力信号と相似の大電力の増幅信号を得ることができる。
このように、電力増幅器6には、GSM低周波帯域の入力信号を増幅するための整合回路10aと増幅回路LBを有しているが、さらに、電力増幅器6には、GSM高周波帯域1710MHz〜1910MHzの入力信号も増幅できるようになっている。具体的には、電力増幅器6は、さらに、整合回路10bと増幅回路HBを有している。
整合回路10bは、RFモジュールHPAの入力端子TX(HB)inから入力する入力信号(RF入力)の反射を抑制して効率良く増幅回路HBに出力できるようになっている。この整合回路10bは、例えば、インダクタ、容量素子および抵抗素子などの受動部品から形成されており、入力信号に対するインピーダンス整合をとることができるように組み合わされている。整合回路10bに入力される入力信号は、第2周波数帯の信号である。例えば、第2周波数帯の信号としては、GSM(Global System for Mobile Communication)方式を利用した信号が挙げられ、周波数帯としては、GSM高周波帯域の1710MHz〜1910MHzを使用している信号である。この整合回路10bは、GSM高周波帯域の信号用の整合回路であり、上述したGSM低周波帯域の信号用の整合回路とは異なる数値の受動部品から構成されている。
増幅回路HBは、整合回路10bに接続されており、整合回路10bから出力された入力信号を増幅するように構成されている。すなわち、増幅回路HBは、GSM高周波帯域の入力信号を増幅するアンプであり、例えば、2つの増幅段から構成されている。増幅回路HBでは、整合回路10bから出力されたGSM高周波帯域の入力信号がまず、初段の増幅段で増幅される。そして、初段の増幅段で増幅された入力信号は、終段の増幅段で増幅されるようになっている。この増幅回路HBによって、微弱な入力信号と相似の大電力の増幅信号を得ることができる。
以上のように本実施の形態1における電力増幅器6は、GSM低周波帯域の信号とGSM高周波帯域の信号という異なる周波数帯域の信号を増幅できるように構成されている。そして、電力増幅器6には、GSM低周波帯域の信号を増幅する増幅回路LBと、GSM高周波帯域の信号を増幅する増幅回路HBとを制御する制御回路11を有している。制御回路11は、RFモジュールHPAに入力される電源(電源電圧)と制御信号(パワー制御電圧)にしたがって、それぞれ、増幅回路LBと増幅回路HBにバイアス電圧を印加して増幅度を制御するように構成されている。
このように、制御回路11は、増幅回路LBと増幅回路HBとの制御を行なうが、増幅回路LBの増幅度や増幅回路HBの増幅度が一定になるようにフィードバック制御を行なっている。このフィードバック制御の構成について説明する。
フィードバック制御を実現するために、GSM低周波帯の信号を増幅する増幅回路LBの出力には、方向性結合器(カプラ)(図示せず)が設けられている。方向性結合器は、増幅回路LBで増幅された増幅信号の電力を検出できるように構成されている。具体的に方向性結合器は、主線路を構成する配線と副線路を構成する配線から形成されており、主線路を進行する増幅信号の電力を電磁界結合によって副線路で検出するものである。
この方向性結合器には、検波回路13aが接続されている。検波回路13aは、方向性結合器により検出された電力を電圧あるいは電流に変換して制御回路11に検出信号を出力するように構成されている。このように、フィードバック制御は、方向性結合器と検波回路13aにより実現されている。制御回路11では、検波回路13aから入力した検出信号と制御信号(パワー制御電圧)の差分を算出し、算出した差分がなくなるように増幅回路LBに印加するバイアス電圧を調整するように構成されている。このようにして、制御回路11は、増幅回路LBの増幅度が一定になるように制御している。同様に、GSM高周波帯の信号を増幅する増幅回路HBの出力には、方向性結合器(カプラ)(図示せず)が設けられ、この方向性結合器に検波回路13bが接続されている。検波回路13bで検出された検出信号は、制御回路11に入力するようになっている。
次に、出力整合回路12aは、電力増幅器6に含まれる増幅回路LBで増幅された増幅信号を入力し、この増幅信号のインピーダンス整合をとるように構成されている。すなわち、出力整合回路12aは、増幅回路LBで増幅された増幅信号を効率良く伝達する機能を有し、例えば、インダクタ、容量素子および抵抗素子などの受動部品から構成されている。この出力整合回路12aには、増幅回路LBで増幅された増幅信号が入力されるため、GSM低周波帯域の信号用の整合回路である。
ローパスフィルタLPF1は、出力整合回路12aに接続されており、高調波ノイズを除去する機能を有している。例えば、増幅回路LBで入力信号を増幅する場合、GSM低周波帯域の信号が増幅されるが、このとき、GSM低周波帯域の整数倍の高調波も生成される。この高調波は、GSM低周波帯域の信号に含まれることになるが、GSM低周波帯域の増幅信号とは周波数の異なるノイズ成分となる。したがって、増幅されたGSM低周波帯域の増幅信号から高調波成分を除去する必要がある。この機能を有するのが、出力整合回路12aの後に接続されたローパスフィルタLPF1である。このローパスフィルタLPF1は、複数の周波数帯の信号から特定範囲の周波数帯の信号を通過させる選別回路として機能するものである。すなわち、ローパスフィルタLPF1は、GSM低周波帯域の増幅信号を通過させる一方、GSM低周波帯域の増幅信号よりも周波数の高い高調波を減衰させるように構成されている。このローパスフィルタLPF1により、GSM低周波帯域の増幅信号に含まれる高調波ノイズを低減することができる。
続いて、GSM高周波帯域の増幅信号を生成する増幅回路HBの出力にも、出力整合回路12bとローパスフィルタLPF2が接続されている。具体的に、出力整合回路12bは、電力増幅器6に含まれる増幅回路HBで増幅された増幅信号を入力し、この増幅信号のインピーダンス整合をとるように構成されている。すなわち、出力整合回路12bは、増幅回路HBで増幅された増幅信号を効率良く伝達する機能を有し、例えば、インダクタ、容量素子および抵抗素子などの受動部品から構成されている。この出力整合回路12bには、増幅回路HBで増幅された増幅信号が入力されるため、GSM高周波帯域の信号用の整合回路である。
ローパスフィルタLPF2は、出力整合回路12bに接続されており、高調波ノイズを除去する機能を有している。例えば、増幅回路HBで入力信号を増幅する場合、GSM高周波帯域の信号が増幅されるが、このとき、GSM高周波帯域の整数倍の高調波も生成される。この高調波は、GSM高周波帯域の信号に含まれることになるが、GSM高周波帯域の増幅信号とは周波数の異なるノイズ成分となる。したがって、増幅されたGSM高周波帯域の増幅信号から高調波成分を除去する必要がある。この機能を有するのが、出力整合回路12bの後に接続されたローパスフィルタLPF2である。このローパスフィルタLPF2は、複数の周波数帯の信号から特定範囲の周波数帯の信号を通過させる選別回路として機能するものである。すなわち、ローパスフィルタLPF2は、GSM高周波帯域の増幅信号を通過させる一方、GSM高周波帯域の増幅信号よりも周波数の高い高調波を減衰させるように構成されている。このローパスフィルタLPF2により、GSM高周波帯域の増幅信号に含まれる高調波ノイズを低減することができる。
次に、アンテナスイッチ8は、アンテナANTに接続する回線を切り替えるように構成されており、この回線の切り替えは、切り替えスイッチによって行なわれる。具体的に、アンテナスイッチ8を構成する切り替えスイッチは、ローパスフィルタLPF1の出力とローパスフィルタLPF2の出力を切り替えて、アンテナANTに接続するように構成されている。つまり、ローパスフィルタLPF1から出力されるGSM低周波帯域の増幅信号をアンテナANTから出力する場合には、切り替えスイッチによって、ローパスフィルタLPF1の出力をアンテナANTに接続するように構成されている。一方、ローパスフィルタLPF2から出力されるGSM高周波帯域の増幅信号をアンテナANTから出力する場合には、切り替えスイッチによって、ローパスフィルタLPF2の出力をアンテナANTに接続するようになっている。このようにアンテナスイッチ8は、二系統の出力(送信状態)を切り替えるように構成されているとともに、さらに、受信状態にも切り替えることができるように構成されている。例えば、受信状態では、アンテナで受信した受信信号を受信回路へ出力するように切り替えスイッチを動作させるようになっている。この受信回線も複数存在するため、複数の受信回路へ切り替えることができるように切り替えスイッチが構成されている。例えば、複数の受信信号を出力する受信端子RX1〜RX4が設けられており、アンテナANTで受信された受信信号は、アンテナスイッチ8による切り替えにより対応する受信回路へ出力されるように構成されている。
アンテナスイッチ8を構成する切り替えスイッチの制御は、ベースバンド部4からの制御信号に基づいて、アンテナスイッチ8内に形成されているデコーダ14によって行なわれる。このデコーダ14は、電力増幅器6のチップ内に内蔵されていても構わない。例えば、増幅された増幅信号(RF信号(低周波帯域))は、アンテナスイッチ8内に形成されている切り替えスイッチ(スイッチング素子)のオン/オフによってアンテナANTへの出力/非出力が制御されている。また、アンテナからの受信信号は、アンテナスイッチ8内に形成されている別の切り替えスイッチ(スイッチング素子)のオン/オフによって受信回路への出力/非出力が制御される。同様に、増幅された増幅信号(RF信号(高周波帯域))も図示していないが、アンテナスイッチ8内の切り替えスイッチ(スイッチング素子)のオン/オフによってアンテナANTへの出力/非出力が制御されている。
続いて、ダイプレクサDiは、低周波帯域(LB)と高周波帯域(HB)の2つの異なる周波数帯域を分離する部品であり、アンテナ共有器、分波器とも呼ばれることもある。ダイプレクサDiを用いることで帯域の異なる信号を高価なアンテナスイッチを余分に使用しなくても1本のアンテナのみで信号分離を行うことができる。また、低周波帯域(LB)および高周波帯域(HB)の送信モード(電力増幅器6から出力された大電力がスイッチを介してアンテナから送信される場合)時、電力増幅器6からの大電力がオフしている片方のスイッチはダイプレクサDiにより分離されている。そのため大電力に耐えられる回路的工夫が不要となるため、回路構成が簡素化できる利点もある。
<RFモジュールの動作>
本実施の形態1におけるRFモジュールHPAは上記のように構成されており、以下に、その動作について説明する。図2に示すように、本実施の形態1では、GSM低周波帯域の信号およびGSM高周波帯域の信号を増幅することができるように構成されているが、動作は同様なので、GSM低周波帯域の信号を増幅する動作について説明する。なお、通信方式は、GSM方式について説明しているが、その他の通信方式であってもよい。
図2に示すように、RFモジュールHPAに微弱な入力信号(RF入力)が入力されると、まず、微弱な入力信号は、整合回路10aに入力する。整合回路10aでは、微弱な入力信号に対して、インピーダンス整合をとっているので、反射することなく効率的に入力信号が増幅回路LBに向って出力される。続いて、増幅回路LBに入力した入力信号は、増幅回路LBを構成する2つの増幅段によって電力が増幅される。このとき、増幅回路LBによる電力の増幅は、制御回路11によって制御される。具体的には、制御回路11に入力する電源(電源電圧)と制御信号(パワー制御電圧)に基づいて、制御回路11は、増幅回路LBにバイアス電圧を印加する。すると、増幅回路LBは、制御回路11からのバイアス電圧に基づいて入力信号を増幅して増幅信号を出力する。このようにして、電力増幅器6で増幅された増幅信号が出力される。
電力増幅器6から出力される増幅信号は、一定電力であることが望ましい。しかし、外部からの影響により実際に出力される増幅信号の電力が所望の電力になっているとは限らない。そこで、増幅回路LBを制御する制御回路11にフィードバックをかけている。このフィードバック回路の動作について説明する。
増幅回路LBで増幅された増幅信号の電力は、方向性結合器(カプラ)(図示せず)によって検出される。方向性結合器で検出された電力は、方向性結合器に接続されている検波回路13aで電圧に変換される。検波回路12aで変換された電圧からなる検出信号は、制御回路11に入力する。一方、制御回路11には、RFモジュールHPAの外部から入力した制御信号(パワー制御電圧)も入力している。そして、制御回路11は、検波回路13aで変換された検出信号と、RFモジュールHPAの外部から入力した制御信号との差分を算出する。次に、制御回路11は、算出された差分がなくなるように制御回路11から増幅回路LBへ印加するバイアス電圧を制御する。このようにして、増幅回路LBで増幅された増幅信号の電力が一定となる。この動作がフィードバック回路の動作である。
続いて、増幅回路LBで増幅された増幅信号は、出力整合回路12aに入力する。出力整合回路12aでは、増幅された増幅信号に対して、インピーダンス整合をとっているので、反射することなく効率的に増幅信号がローパスフィルタLPF1に向って出力される。続いて、ローパスフィルタLPF1に入力した増幅信号は、ローパスフィルタLPF1で増幅信号に含まれる高次高調波が除去される。その後、ローパスフィルタLPF1を通過した増幅信号は、アンテナスイッチ8に入力する。このとき、ベースバンド部からのスイッチ切り替え制御信号によってアンテナスイッチ8を構成する切り替えスイッチが制御される。いまの場合には、ローパスフィルタLPF1とアンテナANTが電気的に接続するように切り替えスイッチを制御する。これにより、ローパスフィルタLPF1から出力された増幅信号は、オン状態の切り替えスイッチを介してダイプレクサDiに出力され、このダイプレクサDiからアンテナANTへ送信される。以上のようにして、RFモジュールHPAで増幅された増幅信号をアンテナANTから送信することができる。
次に、アンテナANTで受信した受信信号を取り込む動作につい説明する。アンテナANTで受信された受信信号は、ダイプレクサDiを介してアンテナスイッチ8に入力する。アンテナスイッチ8に入力した受信信号は、ベースバンド部からのスイッチ切り替え制御信号により切り替えスイッチを切り替える。具体的には、アンテナANTとRFモジュールHPAの外部に設けられている受信回路(図示せず)とを電気的に接続するように、アンテナスイッチ8に含まれる切り替えスイッチを切り替える。すると、アンテナANTで受信された受信信号は、アンテナスイッチ8を構成する切り替えスイッチを介して受信回路に入力する。そして、受信回路内で信号処理される。このようにして、受信信号を受信することができる。
<アンテナスイッチの回路構成および動作>
本実施の形態1は、RFモジュールHPAに搭載されるアンテナスイッチに着目している。以下では、このアンテナスイッチの回路構成について説明する。図3は、アンテナスイッチを構成する回路の一例を示す図である。図3に示すように、アンテナスイッチには、送信端子TX1、アンテナ端子ANT1および受信端子RX1を有している。送信端子TX1は電力増幅器の出力に接続されており、アンテナ端子ANT1はアンテナに接続されている。そして、受信端子RX1は受信回路の入力に接続されている。
送信端子TX1とアンテナ端子ANT1との間には、スイッチング素子としてトランジスタQ1が接続されている。一方、アンテナ端子ANT1と受信端子RX1との間には、スイッチング素子としてトランジスタQ2が接続されている。送信端子TX1とアンテナ端子ANT1との間に接続されているトランジスタQ1は、オーミック電極OE1、オーミック電極OE2およびゲート電極G1を有している。オーミック電極OE1は送信端子TX1と接続され、オーミック電極OE2はアンテナ端子ANT1と接続されている。ゲート電極G1はゲート抵抗Rgg1を介してゲート端子TX1cと接続されている。ゲート抵抗Rgg1は、送信端子TX1とアンテナ端子ANT1との間を流れる送信信号がゲート端子TX1cに漏れ出ることを防ぐために設けられているアイソレーション抵抗である。
受信端子RX1とアンテナ端子ANT1との間に接続されているトランジスタQ2は、オーミック電極OE3、オーミック電極OE4およびゲート電極G2a、G2bを有している。オーミック電極OE3はアンテナ端子ANT1と接続され、オーミック電極OE4は受信端子RX1と接続されている。ゲート電極G2aはゲート抵抗Rgg3およびゲート抵抗Rgg2を介してゲート端子RX1cと接続され、ゲート電極G2bはゲート抵抗Rgg4およびゲート抵抗Rgg2を介してゲート端子RX1cと接続されている。ゲート抵抗Rgg2〜Rgg4は、アンテナ端子ANT1と受信端子RX1との間を流れる受信号がゲート端子RX1cに漏れ出ることを防ぐために設けられているアイソレーション抵抗である。
本実施の形態1におけるアンテナスイッチは上記のように構成されており、以下にその動作について説明する。アンテナスイッチの動作を説明する前に、本実施の形態1に用いるトランジスタとしては、高電子移動度トランジスタ(HEMT)を想定した説明になっている。HEMTの基本動作を、図3に示したトランジスタQ1を例に、図4に示した断面構造を用いて説明する。ゲート電極G1は、AlGaAs層23とショットキー接合を形成して接している。ゲート電極G1がオーミック電極(OE1、もしくは、OE2)に対ししきい値電圧Vth(一般的には−1.0V程度)より低い電位であればオーミック電極OE1とオーミック電極OE2間が高インピーダンスになりオフ状態となる。逆に、ゲート電極G1に印加される電圧をオーミック電極(OE1、もしくは、OE2)に対して、しきい値電圧Vth(一般的には−1.0V程度)より高くすることで、ゲート電極G1とAlGaAs層23とのショットキー障壁がつぶれて、ゲート電極G1に印加された電圧がオーミック電極OE1、OE2にかかり、同時に、オーミック電極OE1とオーミック電極OE2間が低インピーダンスとなりオン状態になる。ゲート電極G1とオーミック電極OE1(OE2)間の電位差によるトランジスタQ1のオン/オフ制御は、MOSFETでも同じように切り替えることができる。そこで、具体的に、送信信号をアンテナから送信する場合について説明する。
トランジスタQ1のゲート電極G1に正電圧(〜3V)を印加すると、ゲート電極G1に印加される電圧がオーミック電極(OE1、もしくは、OE2)に対し閾値電圧Vth(一般的には−1.0V程度)より高くなるのでトランジスタQ1はオンする。それと同時にオーミック電極OE1、OE2にはショットキー障壁分だけ下がった電圧(〜0.5V程度低下)が印加される。一方、トランジスタQ2をオフ状態にするために、トランジスタQ2のゲート電極G2aおよびゲート電極G2bには0Vが印加される。トランジスタQ1をオンさせるためにゲート電極G1に印加した正電圧によりショットキー障壁分下がった電圧(〜0.5V程度低下)がトランジスタQ1のオーミック電極OE1、OE2に印加されている。すなわち、トランジスタQ2のオーミック電極OE3、OE4にも同等な電圧が印加されていることになる。トランジスタQ2のゲート電極G2aおよびゲート電極G2bは0Vであるので、ゲート電極G2aおよびゲート電極G2bはオーミック電極OE3(OE4)に対してしきい値電圧Vthより低い電圧になる。このため、トランジスタQ2はオフ状態となる。
したがって、アンテナ端子ANT1は、オンしているトランジスタQ1を介して送信端子TX1と電気的に接続される。この状態で、送信端子TX1からアンテナスイッチに入力した送信信号(AC信号)は、導通状態のトランジスタQ1を通ってアンテナ端子ANT1に出力された後、アンテナから送信される。
続いて、受信信号をアンテナから受信する場合について説明する。受信端子Rx1から入る受信信号を通すために、トランジスタQ2のゲート電極G2a、G2bに正電圧を印加(ゲート端子Rx1cに正電圧を印加)し、トランジスタQ1のゲート電極G1に0Vを印加する。トランジスタQ2はゲート電極G2a、G2bに正電圧が印加されたことでオン状態になり、それと同時にオーミック電極OE3、OE4にはショットキー障壁分低下した電圧(〜0.5V程度低下)が印加される。トランジスタQ1のオーミック電極OE1、OE2にはトランジスタQ2のオーミック電極OE3、OE4と同じ正電圧が印加される。トランジスタQ1のゲート電極G1は0Vになっているので、ゲート電極G1はオーミック電極OE1(OE2)より電圧が低く、しきい値電圧Vthより低くなることで、トランジスタQ1はオフ状態になる。
したがって、アンテナ端子ANT1は、オンしているトランジスタQ2を介して受信端子RX1と電気的に接続される。この状態で、アンテナ端子ANT1からアンテナスイッチに入力した受信信号(AC信号)は、導通状態のトランジスタQ2を通って受信端子RX1に出力された後、受信回路に入力する。
このように、送信時においては、トランジスタQ1をオンし、かつ、トランジスタQ2をオフすることにより、送信端子TX1から入力した送信信号をアンテナ端子ANT1から送信することができる。一方、受信時においては、トランジスタQ1をオフし、かつ、トランジスタQ2をオンすることにより、アンテナ端子ANT1から入力した受信信号を受信回路に出力することができる。
ここで、アンテナスイッチから送信信号を出力する場合を考える。送信信号の電力は、例えば、1Wを超える大電力であり、この送信信号に含まれる高次高調波を抑制する必要がある。つまり、送信信号はアンテナから送信されるが、送信信号の周波数は予め定められている周波数帯域の信号だけが含まれていることが望ましい。しかし、送信信号は、例えば、図2に示すRFモジュールHPAの電力増幅器6で増幅されるが、このとき、使用する周波数の2倍や3倍の高次高調波も発生する。したがって、電力増幅器6から出力された送信信号をそのままアンテナから送信すると、使用帯域よりも高い高次高調波が含まれることとなり電波法との関係で問題となる。すなわち、送信信号の周波数帯は予め規定されており、規定外の周波数帯の信号が発生すると、他の信号の妨害波となるため、高次高調波の発生を低減する必要がある。このことから、図2に示すように、電力増幅器6で増幅された送信信号は、ローパスフィルタLPF1、LPF2を通過するように構成されており、ローパスフィルタLP1、LP2により送信信号に含まれる高次高調波は除去される。
ところが、ローパスフィルタLP1、LP2でも高次高調波を完全に除去することはできず、さらに、ローパスフィルタLP1、LP2を通過した後に入力するアンテナスイッチにおいても高次高調波が発生する。したがって、アンテナスイッチにおいて発生する高次高調波も低減する必要がある。具体的に、アンテナスイッチは、図3に示すように、トランジスタQ1とトランジスタQ2から構成されている。送信信号の送信時では、トランジスタQ1をオン状態にし、かつ、トランジスタQ2をオフ状態とする。このとき、オンしているトランジスタQ1により高次高調波が発生するとともに、オフしているトランジスタQ2からも高次高調波が発生する。
まず、オンしているトランジスタQ1とオフしているトランジスタQ2の両方で、高次高調波の発生を低減する構成を採用している。例えば、トランジスタQ1のオーミック電極OE1とオーミック電極OE2との間に抵抗Rd1を設けている。同様に、トランジスタQ2のオーミック電極OE3とオーミック電極OE4の間に抵抗Rd3および抵抗Rd4を設けている。この理由について説明する。例えば、トランジスタQ1について考えて見る。トランジスタQ1のオーミック電極OE1とオーミック電極OE2の間を抵抗Rd1で接続するのは、オーミック電極OE1とオーミック電極OE2とをDC的に同電位にするためである。つまり、オーミック電極OE1とオーミック電極OE2がDC的に同電位になっていないと、オーミック電極OE1とオーミック電極OE2間の非線形性が顕在化し、この非線形性の顕在化により送信信号が通過する際、高次高調波が発生するのである。つまり、送信信号に高次高調波を発生させる一要因として、トランジスタQ1におけるオーミック電極OE1とオーミック電極OE2間の非線形性が挙げられるのである。このため、オーミック電極OE1とオーミック電極OE2とを抵抗Rd1でDC的に同電位にすることにより、高次高調波の発生を抑制することができる。同様の理由から、トランジスタQ2においても、オーミック電極OE3とオーミック電極OE4の間に抵抗Rd3および抵抗Rd4を設けることにより、オーミック電極OE3とオーミック電極OE4とをDC的に同電位としている。
なお、図3において、例えば、オーミック電極OE1とオーミック電極OE2とを抵抗Rd1で接続すると、トランジスタQ1をオフしている状態でもオーミック電極OE1とオーミック電極OE2が導通すると考えられるが、オーミック電極OE1とオーミック電極OE2はDC的に同電位であり、かつ、抵抗Rd1は、AC的なRF信号を遮蔽するのに充分大きな抵抗を使用しているので、トランジスタQ1がオフ状態のときにオーミック電極OE1とオーミック電極OE2の間をAC的なRF信号が流れることはないのである。
次に、オフしているトランジスタQ2において、高次高調波の発生を低減する構成について説明する。図3に示すように、送信時にオフしているトランジスタQ2は、ゲート電極G2aとゲート電極G2bとを有している。すなわち、トランジスタQ2は、デュアルゲート構造をしている。これにより、送信時にオフしているトランジスタQ2から発生する高次高調波を低減することができるのである。この理由について説明する。例えば、図3に示すように、送信時、トランジスタQ2はオフしている。このため、トランジスタQ2のオーミック電極OE3とオーミック電極OE4はフローティング状態となっていると考えられる。しかし、実際には、受信端子RX1は抵抗を介して基準電位(GND電位)と接続されているので、送信信号が送信端子TX1からアンテナ端子ANT1へ伝達する際、アンテナ端子ANT1と受信端子RX1との間にRF電圧が印加されることになる。つまり、トランジスタQ2が有するオフ容量によって、トランジスタQ2のオーミック電極OE3とオーミック電極OE4の間にRF電圧が印加されることになる。このRF電圧が大きくなればなるほど、オフしているトランジスタQ2から高次高調波が発生することになるのである。そこで、本実施の形態1では、トランジスタQ2をデュアルゲート構造としている。すなわち、トランジスタQ2のゲート電極を2本のゲート電極G2aとゲート電極G2bから構成すると、オーミック電極OE3とオーミック電極OE4との間に形成されるオフ容量が分割される。この結果、分割されたそれぞれのオフ容量に印加されるRF電圧を小さくすることができる。このことから、トランジスタQ2の個々のオフ容量に印加されるRF電圧が小さくなるので、トランジスタQ2から発生する高次高調波を低減できるのである。
続いて、オンしているトランジスタQ1において、高次高調波の発生を低減する構成について説明する。本実施の形態1では、オンしているトランジスタQ1の構成を工夫することにより、送信時にオンしているトランジスタQ1から発生する高次高調波を低減することに特徴がある。本実施の形態1における特徴点を説明する前に、トランジスタQ1を構成するデバイス構造について説明する。
<アンテナスイッチを構成するトランジスタのデバイス構造>
アンテナスイッチを構成するトランジスタQ1やトランジスタQ2は、例えば、電界効果トランジスタの一種であるHEMT(High Electron Mobility Transistor)から構成される。このHEMTのデバイス構造について説明する。
図4は、本実施の形態1におけるHEMTの構成を示す断面図である。図4において、半絶縁性基板20上にエピタキシャル層21が形成されている。半絶縁性基板20とは、化合物半導体であるGaAs基板から構成される以下に示すような基板である。つまり、禁制帯幅の大きい化合物半導体では、ある種の不純物を添加すると、禁制帯の内部に深い準位が形成される。そして、この深い準位の電子および正孔が固定され、伝導帯の電子密度あるいは価電子帯の正孔密度が非常に小さくなり絶縁体に近くなる。このような基板を半絶縁性基板と呼ぶ。GaAs基板では、Cr、In、酸素などを添加したり、過剰に砒素を導入することにより深い準位が形成され、半絶縁性基板となる。
半絶縁性基板20上に形成されているエピタキシャル層21は、例えば、GaAs層から形成されている。そして、このエピタキシャル層21上にバッファ層22が形成され、このバッファ層22上にAlGaAs層23が形成される。このAlGaAs層23はメサ形状に加工され素子分離がなされている。そして、AlGaAs層23上にゲート電極G1が形成されている。ゲート電極G1は、例えば、Pt(白金)を最下層とする金属層から形成され、下層よりPt、Ti(チタン)、Pt、Au(金)を順次積層した積層膜が用いられる。これにより、AlGaAs層23とゲート電極G1(最下層のPt)とは、ショットキー接合を形成することになる。さらに、ゲート電極G1を離間して挟むように、n型GaAs層24が形成されており、このn型GaAs層24上にオーミック電極OE1、OE2が形成されている。このオーミック電極OE1とOE2は、n型GaAs層24とオーミック接触するように構成されている。ここで、後述するように、オーミック電極OE1は、櫛歯状電極CL(1)と一体的に形成され、オーミック電極OE2は、櫛歯状電極CL(2)と一体的に形成されている。
上述した高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、半絶縁性基板(化合物半導体基板)20上に、高抵抗なエピタキシャル層21(GaAs層)とAlGaAs層23を積層して形成し、GaAs層とAlGaAs層とのヘテロ結合界面にできる三角形の井戸型ポテンシャルを利用するものである。この高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、AlGaAs層23の表面に金属膜を形成してショットキー障壁型のゲート電極G1を有し、このゲート電極G1を挟んで、ヘテロ接合面に電流を流すためのオーム性のソース電極(オーミック電極OE1)とドレイン電極(オーミック電極OE2)を設けた構造をしている。
高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、この井戸型ポテンシャルに形成される2次元電子ガスをキャリアとして利用する。ヘテロ接合界面に存在する井戸型ポテンシャルの幅が電子の波長と同程度の幅しかなく、電子は、ほぼ界面に沿った2次元的な運動しかできないため、大きな電子移動度が得られるという特性がある。したがって、2次元電子ガスの高移動度特性により、高周波特性および高速特性に優れ、雑音が非常に少ないことから、高速性を要求されるアンテナスイッチに使用されているのである。
<トランジスタのレイアウト構造(本発明の特徴的構成)>
続いて、本実施の形態1の特徴点を含むトランジスタQ1のレイアウト構成について説明する。図5は、本実施の形態1におけるトランジスタQ1のレイアウト構成を示す図である。図5において、y軸方向に延在するようにオーミック電極OE1とオーミック電極OE2が形成されている。すなわち、オーミック電極OE1とオーミック電極OE2とは、一定距離だけ離間し、かつ、それぞれがy軸方向に延在するように配置されている。そして、オーミック電極OE1のオーミック電極OE2と対向する面に複数の櫛歯状電極CL(1)、CL(3)・・・CL(2j+1)が形成されている。この複数の櫛歯状電極CL(1)、CL(3)・・・CL(2j+1)は、x軸方向に突き出るように配置されている。同様に、オーミック電極OE2のオーミック電極OE1と対向する面にも複数の櫛歯状電極CL(2)、CL(4)・・・CL(n)が形成されている。この複数の櫛歯状電極CL(2)、CL(4)・・・CL(n)もx軸方向に突き出るように配置されている。この櫛歯状電極CL(1)、CL(3)・・・CL(2j+1)および櫛歯状電極CL(2)、CL(4)・・・CL(n)は、メサ領域MRに形成されている。
オーミック電極OE1と電気的に接続する櫛歯状電極CL(1)、CL(3)・・・CL(2j+1)と、オーミック電極OE2と電気的に接続する櫛歯状電極CL(2)、CL(4)・・・CL(n)は、それぞれ交互に櫛歯状に配置されている。そして、複数の櫛歯状電極CL(1)、CL(3)・・・CL(2j+1)と複数の櫛歯状電極CL(2)、CL(4)・・・CL(n)の間に形成される隙間に沿ってゲート電極G1が形成されている。つまり、ゲート電極G1は、複数の櫛歯状電極CL(1)、CL(3)・・・CL(2j+1)と複数の櫛歯状電極CL(2)、CL(4)・・・CL(n)の間に形成される隙間を縫うように延在している。このとき、ゲート電極G1は、ゲート抵抗Rgg1を介してゲート端子TX1cと接続されている。さらに、オーミック電極OE1とオーミック電極OE2とは、抵抗Rd1を介して接続されている。
本実施の形態1におけるトランジスタQ1は上記のように構成されており、本明細書では上述したトランジスタQ1のレイアウト構成をメアンダ(蛇行)構造と呼ぶことにする。メアンダ構成によれば、トランジスタQ1の高次高調波の発生を低減することができる構造をしている。すなわち、メアンダ構造では、ゲート電極G1のゲート幅(ゲート電極G1が延在する方向の長さ)を大きくとれる構造をしている。このことは、トランジスタQ1のオーミック電極OE1とオーミック電極OE2間のオン抵抗を低減できることを意味しており、オン抵抗を低減することができることから、オン抵抗の非線形成分に起因した高次高調波の発生を低減することができるのである。つまり、メアンダ構造では、一定の面積において、ゲート電極G1のゲート幅を大きくできるというように面積効率を向上できるので、一定の規定された面積の中でゲート電極G1のゲート幅を大きくとれるということができる。
したがって、送信時にオンしているトランジスタQ1で発生する高次高調波を低減する観点からは、ゲート電極G1のゲート幅を長くすればするほど望ましいことがわかる。しかし、ゲート電極G1のゲート幅を際限なく長くすることは、トランジスタQ1の占有面積が大きくなることを意味しており、トランジスタQ1を形成する半導体チップの小型化やコスト低減を図る観点から、ゲート電極G1のゲート幅を長くすることは望ましいといえない。
さらに、ゲート電極G1のゲート幅を長くすると、以下に示す副作用が生じる。この副作用について説明する。図3において、受信信号を受信する場合について考える。この場合、トランジスタQ1はオフし、かつ、トランジスタQ2はオンしている。したがって、受信時には、アンテナ端子ANT1と受信端子RX1が導通状態のトランジスタQ2を介して電気的に接続され、アンテナで受信された受信信号が、アンテナ端子ANT1から受信端子RX1を介して受信回路に出力される。このとき、トランジスタQ1は、オフして非導通状態となっているため、トランジスタQ1にはオフ容量が生じている。このオフ容量が大きくなると、アンテナ端子ANT1から受信端子RX1に流れる受信信号が、トランジスタQ1のオフ容量に起因して送信端子TX1側に漏れ出る現象が発生する。すると、受信回路に伝達する受信信号が少なくなるため、受信信号の処理が困難となり、受信が正常に行なわれなくなる。したがって、トランジスタQ1のオフ容量は大きくならないことが望ましい。
ところが、トランジスタQ1を構成するゲート電極G1のゲート幅を大きくすると、トランジスタQ1のオフ容量が増加するのである。このことから、ゲート電極G1のゲート幅をあまり大きくすることはできないのである。つまり、トランジスタQ1におけるゲート電極G1のゲート幅を調整する観点から見ると、トランジスタQ1での高次高調波の発生を低減することと、トランジスタQ1のオフ容量を低減することは、トレードオフの関係にあることがわかる。したがって、トランジスタQ1における高次高調波の発生を抑制し、かつ、トランジスタQ1のオフ容量を低減し、さらに、トランジスタQ1を形成する面積の低減とコスト低減を実現するためには、ある規定された面積で最も高次高調波の発生を低減できる構造を提供する工夫が必要となる。すなわち、トランジスタの面積低減、コスト低減およびオフ容量の低減を満足するように、トランジスタQ1のゲート幅が、ある規定された幅に設定される。この状態で如何に高次高調波の発生を低減できるかが鍵となる。以下では、規定されたゲート幅の範囲内で、最大限に高次高調波の発生を抑制できる本実施の形態1の特徴的構成について説明する。
図5において、本実施の形態1における特徴的構成は、櫛歯状電極CL(1)の長さをその他の櫛歯状電極CL(3)〜CL(2j+1)、CL(2)〜CL(n)よりも長くする点にある。つまり、櫛歯状電極CL(1)の長さを最も長く形成し、その他の櫛歯状電極CL(3)〜CL(2j+1)、CL(2)〜CL(n)の長さよりも長くする点にある。ここでは、櫛歯状電極CL(1)〜CL(2j+1)、CL(2)〜CL(n)の長さで説明しているが、より詳細には、フィンガー長の大小関係で説明される。フィンガー長とは、以下のようにして定義される量である。つまり、図5に示すように、例えば、フィンガー長Lw1は、櫛歯状電極CL(1)のうち、相対する位置に櫛歯状電極CL(2)が存在する部分を示している。言い換えれば、櫛歯状電極CL(1)と櫛歯状電極CL(2)とをx軸上に射影した場合に重なる部分の長さをフィンガー長Lw1とするものである。同様に、フィンガー長Lwnは、櫛歯状電極CL(n−1)と櫛歯状電極CL(n)とをx軸上に射影した場合に重なる部分の長さで定義される。したがって、本実施の形態1の特徴的構成は、櫛歯状電極CL(1)の長さをその他の櫛歯状電極CL(3)〜CL(2j+1)、CL(2)〜CL(n)よりも長くするということもできるし、フィンガー長Lw1の長さをその他のフィンガー長Lwjよりも長くするということもできる。
本実施の形態1では、櫛歯状電極CL(1)(フィンガー長Lw1)をその他の櫛歯状電極CL(j)(フィンガー長Lwj)よりも長くすることに特徴があるが、ここでいう櫛歯状電極CL(1)(フィンガー長Lw1)は、ゲート電極G1の入力側に最も近い櫛歯状電極を示している。つまり、図5において、ゲート端子TX1cからゲート抵抗Rgg1を介してゲート電極G1が延在しているが、メアンダ構造を構成する櫛歯状電極CL(j)(フィンガー長Lwj)のうちゲート端子TX1cに接続されているゲート電極G1の入力側に最も近い櫛歯状電極CL(1)(フィンガー長Lw1)の長さを最も長くすることに特徴がある。
このように構成することにより、規定された範囲内のゲート幅において、最大限に高次高調波の発生を抑制することができるのである。以下に、この理由について定性的に説明する。
<高次高調波の発生を低減できる定性的理由>
図6は、本実施の形態1におけるメアンダ構造を示す平面図である。図6に示すように、アンテナスイッチを構成するトランジスタQ1はメアンダ構造をしている。この図6に示すメアンダ構造によって1つのトランジスタQ1が構成されているが、1つのトランジスタQ1は、複数の部分トランジスタCF1、CF2・・・CFjから構成されているとみなすことができる。具体的には、図6から、メアンダ構造をした1つのトランジスタQ1は、部分トランジスタCF1、CF2・・・CFjを並列に接続した構造をしているということができる。例えば、部分トランジスタCF1は、櫛歯状電極CL(1)と櫛歯状電極CL(2)を一対のオーミック電極とし、その間に配置されているゲート電極G1からなるトランジスタとみなすことができる。詳細には、部分トランジスタCF1は、フィンガー長Lw1に対応したトランジスタである。同様に、部分トランジスタCF2は、櫛歯状電極CL(2)と櫛歯状電極CL(3)を一対のオーミック電極とし、その間に配置されているゲート電極G1からなるトランジスタとみなすことができる。詳細には、部分トランジスタCF2は、フィンガー長Lw2(図示せず)に対応したトランジスタである。
以上のようにメアンダ構造をした1つのトランジスタQ1は複数の部分トランジスタCF1、CF2・・・CFjを並列に接続したものとみなすことができる。このことを前提として、メアンダ構造をした1つのトランジスタの等価回路図について説明する。図7は、メアンダ構造をした1つのトランジスタQ1のオン時における等価回路図である。図7において、左端に送信端子TX1が配置され、この送信端子TX1にオーミック電極OE1が電気的に接続されており、このオーミック電極OE1とオーミック電極OE2の間にオン抵抗Ron1、Ron2・・・が形成されている。そして、オーミック電極OE2にアンテナ端子ANT1が接続されている。このとき、オーミック電極OE1とオーミック電極OE2とを接続するオン抵抗Ron1は、部分トランジスタCF1の櫛歯状電極CL(1)と櫛歯状電極CL(2)との間のオン抵抗である。同様に、オーミック電極OE1とオーミック電極OE2とを接続するオン抵抗Ron2は、部分トランジスタCF2の櫛歯状電極CL(2)と櫛歯状電極CL(3)との間のオン抵抗である。このように等価回路でも、部分トランジスタCF1や部分トランジスタCF2がオーミック電極OE1とオーミック電極OE2の間に並列に接続されていることがわかる。
さらに、ゲート端子TX1cの一端は、直流電源Vctを介して基準電位(GND電位)に接続され、ゲート端子TX1cの他端は、ゲート抵抗Rgg1を介してゲート電極G1と電気的に接続されている。部分トランジスタCF1において、このゲート電極G1と櫛歯状電極CL(1)との間にはショットキーバリアダイオードD1aが接続され、ゲート電極G1と櫛歯状電極CL(2)との間にショットキーバリアダイオードD1bが接続されている。
HEMTのゲート電極G1とAlGaAs層23(図4)とはショットキー接合を形成している。等価回路としてゲート電極G1とオーミック電極OE1、OE2の接続を表現するには、ショットキーダイオードを用いることが有効である。部分トランジスタCF1でも構造は同じであるためゲート電極G1と櫛歯状電極CL(1)、あるいは、ゲート電極G1と櫛歯状電極CL(2)とをショットキーダイオードで接続した等価回路に置き換えている。
同様に、部分トランジスタCF2においても、部分トランジスタCF1のゲート電極G1から抵抗Rを介してゲート電極G1が配置されている。このとき、部分トランジスタCF1のゲート電極G1と部分トランジスタCF2のゲート電極G1の間に抵抗Rが存在するとしているのは、ゲート電極G1の配線抵抗を考慮しているからである。つまり、部分トランジスタCF2は、部分トランジスタCF1よりもゲート電極G1の入力側から離れて存在しているため、その距離に応じた配線抵抗を考慮したものである。このように構成されている部分トランジスタCF2においても、ゲート電極G1と櫛歯状電極CL(3)、あるいは、ゲート電極G1と櫛歯状電極CL(2)の間にショットキーバリアダイオードD2a、D2bが接続されていると考えることができる。
このようにして、メアンダ構造をした1つのトランジスタQ1の回路構成は、図7に示すような等価回路図となる。次に、図7に示す等価回路図を使用して送信端子TX1に高周波(RF)電圧(図中では正弦波にて表現)Vinが入力される場合を考える。まず、送信端子TX1に送信信号が入力されると、部分トランジスタCF1、CF2・・・CFjがオンしていることから、オン抵抗Ron1、Ron2・・・Ronjを介して送信信号がアンテナ端子ANT1から出力される。したがって、オン抵抗Ron1、Ron2・・・Ronjを小さくすれば、オン抵抗Ron1、Ron2・・・Ronjの非線形性に起因した高次高調波の発生を抑制できる。
さらに、送信端子TX1に高周波(RF)電圧(図中では正弦波にて表現)Vinが入力されると、ゲート電極G1がゲート抵抗Rgg1を介して基準電位(GND電位)に接続されていることから、送信端子TX1とゲート端子TX1cの間にRF電圧が印加される。具体的には、部分トランジスタCF1において、ゲート抵抗Rgg1とショットキーバリアダイオードD1aのインピーダンスにより、RF電圧が分圧され、ショットキーバリアダイオードD1aにRF電圧Vrf1が印加される。同様に、部分トランジスタCF2においても、ゲート抵抗Rgg1と抵抗RとショットキーバリアダイオードD2aのインピーダンスにより、RF電圧が分圧され、ショットキーバリアダイオードD2aにRF電圧Vrf2が印加される。このようにして部分トランジスタCF1、CF2・・・CFjを構成するショットキーバリアダイオードD1a、D2a・・・Djaには、RF電圧Vrf1、Vrf2・・・Vrfjが印加されることになる。
例えば、部分トランジスタCF1に着目すると、ショットキーバリアダイオードD1aにRF電圧Vrf1が印加されることになる。ショットキーバリアダイオードD1aにRF電圧Vrf1が印加されると、ショットキーバリアダイオードD1aの非線形性により高次高調波が発生する。このショットキーバリアダイオードD1aから発生する高次高調波は、ショットキーバリアダイオードD1aに印加されるRF電圧Vrf1が大きくなるほど大きくなる。したがって、ショットキーバリアダイオードD1aに発生するRF電圧Vrf1を小さくすることができれば、高次高調波の発生を抑制することができることがわかる。
ここで、部分トランジスタCF1、CF2・・・CFjを構成するショットキーバリアダイオードD1a、D2a・・・Djaに印加されるRF電圧Vrf1、Vrf2・・・Vrfjの大小関係について考えてみる。図7に示すように、部分トランジスタCF1のショットキーバリアダイオードD1aに印加されるRF電圧Vrf1は、ゲート抵抗Rgg1とショットキーバリアダイオードD1aのインピーダンスの割合で決定される。これに対し、部分トランジスタCF2のショットキーバリアダイオードD2aに印加されるRF電圧Vrf2は、ゲート抵抗Rgg1と、抵抗Rと、ショットキーバリアダイオードD2aのインピーダンスの割合で決定される。したがって、部分トランジスタCF1を構成するショットキーバリアダイオードD1aに印加されるRF電圧Vrf1は、部分トランジスタCF2を構成するショットキーバリアダイオードD2aに印加されるRF電圧Vrf2よりも大きくなる。つまり、部分トランジスタCF2では、ゲート配線による抵抗Rが存在するため、この抵抗Rに印加されるRF電圧Vrfg1だけ、部分トランジスタCF2を構成するショットキーバリアダイオードD2aに印加されるRF電圧Vrf2は、部分トランジスタCF1を構成するショットキーバリアダイオードD1aに印加されるRF電圧Vrf1よりも必然的に小さくなる。同様にして、部分トランジスタCF1〜CFjに進むにつれて、ショットキーバリアダイオードD1a、D2a・・・Djaに印加されるRF電圧Vrf1、Vrf2・・・Vrfjは徐々に小さくなる。すなわち、RF電圧Vrf1が最も大きくなることがわかる。このとき、RF電圧が大きくなると、高次高調波の発生も大きくなることから、部分トランジスタCF1において、最も高次高調波が発生しやすくなることがわかる。そして、それぞれの部分トランジスタCF1、CF2・・・CFjは並列に接続されていることから、それぞれの部分トランジスタCF1、CF2・・・CFjで発生した高次高調波は減衰することなくアンテナ端子ANT1からアンテナに出力される。
以上のことから、ゲート端子TX1c(言い換えれば、ゲート入力側)に最も近い部分トランジスタCF1から発生する高次高調波を抑制することができれば、トランジスタQ1からの高次高調波の発生を充分に抑制できることがわかる。部分トランジスタCF1において、ショットキーバリアダイオードD1aに印加されるRF電圧を小さくするには、ショットキーバリアダイオードD1aのインピーダンスを小さくすればよい。ここで、ショットキーバリアダイオードD1aのインピーダンスを小さくすることは、部分トランジスタCF1のゲート幅を大きくすればよいことを意味する。そこで、本実施の形態1では、ゲート入力側に最も近い部分トランジスタCF1のゲート幅を大きくしている。具体的には、図6に示すように、櫛歯状電極CL(1)をその他の櫛歯状電極CL(2)〜CL(n)よりも長くするように構成している。言い換えれば、部分トランジスタCF1のフィンガー長Lw1をその他の部分トランジスタのフィンガー長Lwjよりも長くしている。これにより、ゲート入力側に最も近い部分トランジスタCF1のゲート幅を大きくすることができる。この結果、部分トランジスタCFを構成するショットキーバリアダイオードD1aのインピーダンスが小さくなり、ショットキーバリアダイオードD1aに印加されるRF電圧Vrf1を小さくすることができる。このことから、ショットキーバリアダイオードD1aの非線形性に起因した高次高調波の発生を抑制することができるのである。以上のように、本実施の形態1によれば、規定されたゲート幅の範囲内で、最大限に高次高調波の発生を抑制できることがわかる。このことは、トランジスタQ1における高次高調波の発生を抑制し、かつ、トランジスタQ1のオフ容量を低減し、さらに、トランジスタQ1を形成する面積の低減とコスト低減を実現することができることを意味するものである。
<高次高調波を低減できる定量的理由>
次に、本実施の形態1によれば、高次高調波を低減できることを定量的に説明する。本実施の形態1では、図7に示す等価回路図を用いてシミュレーションを行い、送信時にオンしているトランジスタQ1から発生する高次高調波を算出した。シミュレーションの条件としては、入力信号の電力Pinを35dBm、入力信号の周波数を880MHzとしている。このとき、メアンダ構造をしているトランジスタQ1のゲート幅Wgを2050μmとし、フィンガー本数を20本に固定して評価している。
図8は、本実施の形態1で実施したシミュレーション結果を示す表である。図8において、ゲート入力側に最も近い部分トランジスタのフィンガー長をフィンガー長Lw1とし、その他の部分トランジスタのフィンガー長をフィンガー長Lwnで示している。まず、最も左側のデータについて検討する。最も左側のデータでは、フィンガー長Lw1とフィンガー長Lwnとを同じ102.5μmとしている。すなわち、フィンガー長Lw1/フィンガー長Lwnの比は1である。これは、個々の部分トランジスタのフィンガー長がすべて同じである場合を示していることになる。この場合、最もゲート入力側に近い部分トランジスタのショットキーバリアダイオードに印加されるRF電圧Vrf1は1.23Vであり、その他の部分トランジスタのショットキーバリアダイオードに印加されるRF電圧Vrfnは1.08Vとなっている。このときトランジスタQ1から発生する高次高調波(3次高調波3HD)は、63.19dBcとなっている。
次に、図8の中央のデータについて検討する。中央のデータでは、フィンガー長Lw1を150.00μmとし、フィンガー長Lwnを100.00μmとしている。すなわち、フィンガー長Lw1/フィンガー長Lwnの比は1.5である。これは、ゲート入力側に最も近い部分トランジスタのフィンガー長Lw1がその他の部分トランジスタのフィンガー長Lwnよりも大きい場合を示している。つまり、本実施の形態1の特徴を実現している構造となっている。この場合、最もゲート入力側に近い部分トランジスタのショットキーバリアダイオードに印加されるRF電圧Vrf1は1.14Vであり、その他の部分トランジスタのショットキーバリアダイオードに印加されるRF電圧Vrfnは1.00Vとなっている。このとき、トランジスタQ1から発生する高次高調波(3次高調波3HD)は、65.22dBcとなっている。ここで、3次高調波をデシベルで表示しているが、このデシベル表示は、高次高調波の大きさが入力電力の電力Pinからどれだけ減衰させているかを示している。すなわち、3次高調波のデシベル表示が大きくなるほど減衰も大きくなり、3次高調波の大きさが小さくなっていることを示していることになる。したがって、最も左側のデータと中央のデータを比較した場合、最も左側のデータでは高次高調波のレベルが63.19dBcであるのに対し、中央のデータでは高次高調波のレベルが65.22dBcとなっていることから、最も左側のデータよりも中央のデータの方が高次高調波の発生を抑制できていることを示している。つまり、ゲート入力側に最も近い部分トランジスタのフィンガー長Lw1をその他の部分トランジスタのフィンガー長Lwnよりも長くすることにより、高次高調波の発生を抑制できることがわかる。
これは、以下のように考えることができる。すなわち、発生する高次高調波の大きさは、部分トランジスタに印加されるRF電圧の大きさに比例して大きくなる。部分トランジスタに印加されるRF電圧は、部分トランジスタを構成するショットキーバリアダイオードのインピーダンスおよび一対のオーミック電極間の抵抗のインピーダンスが大きいと大きくなる。そして、ショットキーバリアダイオードのインピーダンスおよび一対のオーミック電極間の抵抗のインピーダンスは、部分トランジスタのゲート幅(フィンガー長)に依存し、部分トランジスタのゲート幅(フィンガー長)が大きいほど小さくなる。このため、図8に示すように、ゲート入力側に最も近い部分トランジスタのフィンガー長Lw1を大きくすることにより、部分トランジスタに印加されるRF電圧のうち最も高いRF電圧Vrf1が小さくなる結果、高次高調波の発生を抑制できると考えることができる。
さらに、図8の最も右側のデータについて検討する。最も右側のデータでは、フィンガー長Lw1を187.96μmとし、フィンガー長Lwnを98.00μmとしている。すなわち、フィンガー長Lw1/フィンガー長Lwnの比は1.92である。これは、ゲート入力側に最も近い部分トランジスタのフィンガー長Lw1がその他の部分トランジスタのフィンガー長Lwnよりも大きい場合を示している。つまり、本実施の形態1の特徴をさらに実現している構造となっている。この場合、最もゲート入力側に近い部分トランジスタのショットキーバリアダイオードに印加されるRF電圧Vrf1は1.08Vであり、その他の部分トランジスタのショットキーバリアダイオードに印加されるRF電圧Vrfnは0.95Vとなっている。このとき、トランジスタQ1から発生する高次高調波(3次高調波3HD)は、66.99dBcにもなる。
以上のことから、ゲート入力側に最も近い部分トランジスタのフィンガー長Lw1をその他の部分トランジスタのフィンガー長Lwnよりも長くすればするほど、高次高調波の発生を抑制することができることがわかる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、シングルゲート構造のトランジスタに本発明を適用する例を説明したが、本実施の形態2では、デュアルゲート構造のトランジスタに本発明を適用する例について説明する。
図9は、アンテナスイッチの回路構成の一例を示す図である。図9において、アンテナ端子ANT1と送信端子TX1との間にトランジスタQ1が接続されている。このトランジスタQ1は、オーミック電極OE1とオーミック電極OE2を有しており、オーミック電極OE1は送信端子TX1に接続され、オーミック電極OE2はアンテナ端子ANT1に接続されている。そして、オーミック電極OE1とオーミック電極OE2とは、抵抗Rd1および抵抗Rd2により接続されている。さらに、トランジスタQ1はデュアルゲート構造をしており、2本のゲート電極G1aとゲート電極G1bとを有している。このゲート電極G1aはゲート抵抗Rgg1およびゲート抵抗Rgg12を介してゲート端子TX1cと接続されている。同様に、ゲート電極G1bはゲート抵抗Rgg2およびゲート抵抗Rgg12を介してゲート端子TX1cと接続されている。
一方、本実施の形態2では、2つの受信端子RX1、RX2を有しており、アンテナ端子ANT1と受信端子RX1との間には、トリプルゲート構造のトランジスタQcとトランジスタQr1が接続されている。トランジスタQcのゲート電極はゲート端子RXcと接続され、トランジスタQr1のゲート電極はゲート端子RX1cと接続されている。同様に、アンテナ端子ANT1と受信端子RX2との間には、トリプルゲート構造のトランジスタQcとトランジスタQr2が接続されている。トランジスタQcのゲート電極はゲート端子RXcと接続され、トランジスタQr2のゲート電極はゲート端子RX2cと接続されている。このようにアンテナ端子ANT1と受信端子RX1の間、あるいは、アンテナ端子ANT1と受信端子RX2の間に、トランジスタを多段に接続しているのは、送信時にオフするトランジスタのオフ容量を分割して、個々のオフ容量に印加されるRF電圧を小さくすることにより、高次高調波の発生を抑制するためである。同様に、トリプルゲート構造のトランジスタQcを採用している理由も同様である。
本実施の形態2におけるアンテナスイッチは上記のように構成されており、以下に、アンテナ端子ANT1と送信端子TX1との間に接続されているデュアルゲート構造のトランジスタQ1に本発明の技術的思想を適用する例について説明する。図10は、デュアルゲート構造のトランジスタQ1のレイアウト構成を示す図である。図10に示すように、本実施の形態2におけるトランジスタQ1は、図5に示す前記実施の形態1におけるトランジスタQ1と同様にメアンダ構造をしている。本実施の形態2では、デュアルゲート構造をしているので、複数の櫛歯状電極CL(1)、CL(3)・・・CL(2j+1)と複数の櫛歯状電極CL(2)、CL(4)・・・CL(n)の間に形成される隙間に沿って2本のゲート電極G1aとゲート電極G1bが並行するように形成されている。つまり、ゲート電極G1aおよびゲート電極G1bは、複数の櫛歯状電極CL(1)、CL(3)・・・CL(2j+1)と複数の櫛歯状電極CL(2)、CL(4)・・・CL(n)の間に形成される隙間を縫うように延在している。
本実施の形態2でも、櫛歯状電極CL(1)(フィンガー長Lw1)をその他の櫛歯状電極CL(j)(フィンガー長Lwj)よりも長くすることに特徴がある。ここでいう櫛歯状電極CL(1)(フィンガー長Lw1)は、ゲート電極G1a、G1bの入力側に最も近い櫛歯状電極を示している。つまり、図10において、ゲート端子TX1cからゲート抵抗Rgg12とゲート抵抗Rgg1を介してゲート電極G1aが延在し、かつ、ゲート端子TX1cからゲート抵抗Rgg12とゲート抵抗Rgg2を介してゲート電極G1bが延在しているが、メアンダ構造を構成する櫛歯状電極CL(j)(フィンガー長Lwj)のうちゲート端子TX1cに接続されているゲート電極G1a、G1bの入力側に最も近い櫛歯状電極CL(1)(フィンガー長Lw1)の長さを最も長くすることに特徴がある点は前記実施の形態1と同様である。このように構成することにより、前記実施の形態1と同様に、規定された範囲内のゲート幅において、最大限に高次高調波の発生を抑制することができるのである。なお、本実施の形態2では、デュアルゲート構造のトランジスタQ1に本発明の技術的思想を適用する例について説明したが、これに限らず、例えば、トリプルゲート構造のトランジスタに本発明の技術的思想を適用してもよい。
(実施の形態3)
本実施の形態3では、メアンダ構造を有するトランジスタにおいて、櫛歯状電極の長さ(フィンガー長)がゲート電極に制御信号を入力する入力側から遠くなるにつれて短くなる例について説明する。
図11は本実施の形態3におけるトランジスタQ1のレイアウト構成を示している。図11に示すように、本実施の形態3におけるトランジスタQ1も前記実施の形態2と同様にデュアルゲート構造をし、かつ、メアンダ構造をしている。図11において、本実施の形態3におけるトランジスタQ1の特徴は、櫛歯状電極CL(1)〜CL(n)の長さが徐々に短くなっている点にある。すなわち、櫛歯状電極CL(1)〜CL(n)において、櫛歯状電極CL(1)の長さ>櫛歯状電極CL(2)の長さ>・・・>櫛歯状電極CL(n)の長さという関係が成立している。言い換えれば、フィンガー長Lw1〜Lwnにおいて、フィンガー長Lw1>フィンガー長Lw2>・・・>フィンガー長Lwnの関係が成立するように櫛歯状電極CL(1)〜CL(n)が形成されている。
これにより、本実施の形態3においても、ゲート電極に制御信号を入力する入力側に最も近い部分トランジスタの櫛歯状電極CL(1)(フィンガー長Lw1)を最も長くすることができるので、前記実施の形態1と同様に、規定された範囲内のゲート幅において、最大限に高次高調波の発生を抑制することができる。つまり、本実施の形態3では、最もRF電圧が高くなる部分トランジスタ(ゲート入力側に最も近い部分トランジスタ)のゲート幅(フィンガー長Lw1)を長くすることにより、この部分トランジスタに印加されるRF電圧を小さくして高次高調波の発生を抑制している。そして、ゲート入力側から離れた部分トランジスタについては、ゲート入力側に最も近い部分トランジスタに比べて印加されるRF電圧が徐々に小さくなっていくことから、フィンガー長Lwjを徐々に短くしている。これにより、部分トランジスタ全体(トランジスタQ1)のゲート幅を大幅に大きくすることなく、高次高調波の発生を効果的に抑制することができるのである。すなわち、本実施の形態3によれば、トランジスタQ1のオフ時におけるオフ容量を低減しつつ、オン時における高次高調波の発生を抑制することができる。
(実施の形態4)
前記実施の形態1では、アンテナスイッチを構成するトランジスタとして高電子移動度トランジスタ(HEMT)を使用する例について説明したが、本実施の形態4では、アンテナスイッチを構成するトランジスタとしてMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を使用する例について説明する。
図12は、アンテナスイッチを構成するトランジスタとして使用されるMOSFETの構造を示す断面図である。図12に示すように、半導体基板30上に、例えば、酸化シリコン膜からなる埋め込み絶縁層31が形成され、この埋め込み絶縁層31上にシリコン層(活性層)32が形成されている。つまり、本実施の形態4では、半導体基板30と、埋め込み絶縁層31と、シリコン層32よりなるSOI(Silicon on Insulator)基板上にMOSFETが形成されている。このMOSFETは、シリコン層32に形成された素子分離領域STIで区画された活性領域に形成されている。具体的に、MOSFETは、シリコン層32上に形成されたゲート絶縁膜GOXを有し、このゲート絶縁膜GOX上にゲート電極Gを有している。ゲート絶縁膜GOXは、例えば、酸化シリコン膜から形成され、ゲート電極Gは、例えば、ポリシリコン膜とシリサイド膜の積層膜から形成される。
そして、ゲート電極Gの両側の側壁には、例えば、酸化シリコン膜からなるサイドウォールSWが形成され、このサイドウォールSW直下のシリコン層32内にゲート電極Gに整合して不純物拡散領域であるエクステンション領域EXが形成されている。そして、エクステンション領域EXの外側にサイドウォールSWに整合したソース領域S1およびドレイン領域D1が形成されている。エクステンション領域EXおよびソース領域S1、ドレイン領域D1は、リンや砒素などのn型不純物を導入した半導体領域であり、エクステンション領域EXに導入されている不純物量は、ソース領域S1やドレイン領域D1に導入されている不純物量よりも少なくなっている。
以上のようにして、本実施の形態3におけるMOSFETが構成されており、このMOSFET上に層間絶縁膜ILが形成されている。そして、この層間絶縁膜ILを貫通してソース領域S1やドレイン領域D1に達するプラグPLGが形成されている。層間絶縁膜IL上には、プラグPLGと電気的に接続される配線L1が形成されている。
本実施の形態4では、MOSFETをSOI基板上に形成しているが、MOSFETをSOI基板上に形成することで、完全に素子分離することができ、また、ソース領域S1あるいはドレイン領域D1の容量を低減することができる。このため、集積密度や動作速度の向上、高耐圧化やラッチアップフリー化を実現できる利点がある。
上述したMOSFETは、アンテナスイッチを構成するトランジスタとして機能するが、その平面構造は、前記実施の形態1と同様にメアンダ構造をしている(図5参照)。したがって、図12に示すソース領域S1が、例えば、櫛歯状電極CL(1)を構成し、ドレイン領域D1が櫛歯状電極CL(2)を構成する。この櫛歯状電極CL(1)はオーミック電極OE1に接続され、櫛歯状電極CL(2)はオーミック電極OE2に接続されている。
MOSFETを使用したメアンダ構造においても、図5に示すように、櫛歯状電極CL(1)(フィンガー長Lw1)をその他の櫛歯状電極CL(j)(フィンガー長Lwj)よりも長くすることに特徴がある。ここでいう櫛歯状電極CL(1)(フィンガー長Lw1)は、ゲート電極G1の入力側に最も近い櫛歯状電極を示している。つまり、図5において、ゲート端子TX1cからゲート抵抗Rgg1を介してゲート電極G1が延在しているが、メアンダ構造を構成する櫛歯状電極CL(j)(フィンガー長Lwj)のうちゲート端子TX1cに接続されているゲート電極G1の入力側に最も近い櫛歯状電極CL(1)(フィンガー長Lw1)の長さを最も長くすることに特徴がある点は前記実施の形態1と同様である。このように構成することにより、前記実施の形態1と同様に、規定された範囲内のゲート幅において、最大限に高次高調波の発生を抑制することができるのである。
このようにMOSFETを使用したメアンダ構造においても、本発明が有効であることについて説明する。図13は、メアンダ構造をした1つのトランジスタのオン時における等価回路図である。図13は図7とほぼ同様の構成をしている。図13と図7の異なる点は、例えば、部分トランジスタCF1において、ゲート電極G1と櫛歯状電極CL(1)との間に接続される素子が容量C1aとなっている点である。さらに、ゲート電極G1と櫛歯状電極CL(2)との間にも容量C1bが接続されている。同様に、部分トランジスタCF2においても、ゲート電極G1と櫛歯状電極CL(3)との間に接続される素子が容量C2aとなっており、ゲート電極G1と櫛歯状電極CL(2)との間にも容量C2bが接続されている。したがって、図7と図13では、例えば、部分トランジスタCF1において、ゲート電極G1と櫛歯状電極CL(1)との間に接続される素子がショットキーバリアダイオードか容量かの相違があることになる。これは、図7に示す前記実施の形態1ではトランジスタとしてHEMTを使用しているのに、図13に示す本実施の形態4ではトランジスタとしてMOSFETを使用しているからである。つまり、HEMTの場合、ゲート電極Gと基板とはショットキー接合しているのに対し、MOSFETの場合、ゲート電極Gと基板とはゲート絶縁膜GOXを容量絶縁膜とする容量として形成されているからである。
図13において、例えば、部分トランジスタCF1に着目すると、容量C1aにRF電圧Vrf1が印加されることになる。容量C1aにRF電圧Vrf1が印加されると、高次高調波が発生する。この容量C1aから発生する高次高調波は、容量C1aに印加されるRF電圧Vrf1が大きくなるほど大きくなる。したがって、本実施の形態4においても、容量C1aに発生するRF電圧Vrf1を小さくすることができれば、高次高調波の発生を抑制することができることがわかる。
ここで、部分トランジスタCF1、CF2・・・CFjを構成する容量C1a、C2a・・・Cjaに印加されるRF電圧Vrf1、Vrf2・・・Vrfjの大小関係について考えてみる。図13に示すように、部分トランジスタCF1の容量C1aに印加されるRF電圧Vrf1は、ゲート抵抗Rgg1と容量C1aのインピーダンスの割合で決定される。これに対し、部分トランジスタCF2の容量C2aに印加されるRF電圧Vrf2は、ゲート抵抗Rgg1と、抵抗Rと、容量C2aのインピーダンスの割合で決定される。したがって、部分トランジスタCF1を構成する容量C1aに印加されるRF電圧Vrf1は、部分トランジスタCF2を構成する容量C2aに印加されるRF電圧Vrf2よりも大きくなる。つまり、部分トランジスタCF2では、ゲート配線による抵抗Rが存在するため、この抵抗Rに印加されるRF電圧Vrfg1だけ、部分トランジスタCF2を構成する容量C2aに印加されるRF電圧Vrf2は、部分トランジスタCF1を構成する容量C1aに印加されるRF電圧Vrf1よりも必然的に小さくなる。同様にして、部分トランジスタCF1〜CFjに進むにつれて、容量C1a、C2a・・・Cjaに印加されるRF電圧Vrf1、Vrf2・・・Vrfjは徐々に小さくなる。すなわち、RF電圧Vrf1が最も大きくなることがわかる。このとき、RF電圧が大きくなると、高次高調波の発生も大きくなることから、部分トランジスタCF1において、最も高次高調波が発生しやすくなることがわかる。
以上のことから、本実施の形態4でも、ゲート端子TX1c(言い換えれば、ゲート入力側)に最も近い部分トランジスタCF1から発生する高次高調波を抑制することができれば、トランジスタQ1からの高次高調波の発生を充分に抑制できることがわかる。部分トランジスタCF1において、容量C1aに印加されるRF電圧を小さくするには、容量C1aのインピーダンスを小さくすればよい。ここで、容量C1aのインピーダンスを小さくすることは、部分トランジスタCF1のゲート幅を大きくすればよいことを意味する。したがって、本実施の形態4のようにMOSFETを使用したメアンダ構造においても、本発明の技術的思想が有効に作用することがわかる。
本実施の形態4では、SOI基板上にMISFETを形成する例について説明したが、例えば、SOI基板に代えてSOS(Silicon on Sapphire)基板上にMOSFETを形成する場合にも適用することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
前記実施の形態では、送信時にオンするトランジスタに本発明の技術的思想を適用する例について説明したが、これに限らず、例えば、受信時にオンする(言い換えれば、送信時にオフする)トランジスタに本発明の技術的思想を適用することもできる。
本発明は、半導体装置を製造する製造業に幅広く利用することができる。
携帯電話機の送受信部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1におけるRFモジュールの回路ブロック構成を示す図である。 アンテナスイッチを構成する回路の一例を示す図である。 高電子移動度トランジスタの構成を示す断面図である。 実施の形態1におけるトランジスタのレイアウト構成を示す図である。 実施の形態1におけるメアンダ構造を示す平面図である。 メアンダ構造をした1つのトランジスタ(HEMT)のオン時における等価回路図である。 実施の形態1で実施したシミュレーション結果を示す表である。 実施の形態2において、アンテナスイッチを構成する回路の一例を示す図である。 実施の形態2におけるトランジスタのレイアウト構成を示す図である。 実施の形態3におけるトランジスタのレイアウト構成を示す図である。 実施の形態4におけるMOSFETの構成を示す断面図である。 実施の形態4において、メアンダ構造をした1つのトランジスタ(MOSFET)のオン時における等価回路図である。
符号の説明
1 携帯電話機
2 アプリケーションプロセッサ
3 メモリ
4 ベースバンド部
5 RFIC
6 電力増幅器
7 SAWフィルタ
8 アンテナスイッチ
9 アンテナ
10a 整合回路
10b 整合回路
11 制御回路
12a 出力整合回路
12b 出力整合回路
13a 検波回路
13b 検波回路
14 デコーダ
20 半絶縁性基板
21 エピタキシャル層
22 バッファ層
23 AlGaAs層
24 n型GaAs層
30 半導体基板
31 埋め込み絶縁層
32 シリコン層
ANT アンテナ
ANT1 アンテナ端子
C1a 容量
C1b 容量
C2a 容量
C2b 容量
CF1 部分トランジスタ
CF2 部分トランジスタ
CL(1) 櫛歯状電極
CL(2) 櫛歯状電極
CL(3) 櫛歯状電極
CL(4) 櫛歯状電極
CL(2j+1) 櫛歯状電極
CL(n−1) 櫛歯状電極
CL(n)櫛歯状電極
D1 ドレイン領域
D1a ショットキーバリアダイオード
D1b ショットキーバリアダイオード
D2a ショットキーバリアダイオード
D2b ショットキーバリアダイオード
Di ダイプレクサ
EX エクステンション領域
G ゲート電極
G1 ゲート電極
G1a ゲート電極
G1b ゲート電極
G2a ゲート電極
G2b ゲート電極
GOX ゲート絶縁膜
HB 増幅回路
HPA RFモジュール
IL 層間絶縁膜
L1 配線
LB 増幅回路
LPF1 ローパスフィルタ
LPF2 ローパスフィルタ
LW1 フィンガー長
LWn フィンガー長
MR メサ領域
OE1 オーミック電極
OE2 オーミック電極
OE3 オーミック電極
OE4 オーミック電極
PLG プラグ
Q1 トランジスタ
Q2 トランジスタ
Qc トランジスタ
Qr1 トランジスタ
Qr2 トランジスタ
Rd1 抵抗
Rd2 抵抗
Rd3 抵抗
Rd4 抵抗
Rgg1 ゲート抵抗
Rgg2 ゲート抵抗
Rgg3 ゲート抵抗
Rgg4 ゲート抵抗
Rgg12 ゲート抵抗
Ron1 オン抵抗
Ron2 オン抵抗
RX1 受信端子
RX1c ゲート端子
RX2 受信端子
RX2c ゲート端子
RX3 受信端子
RX4 受信端子
RXc ゲート端子
S1 ソース領域
STI 素子分離領域
SW サイドウォール
TX1 送信端子
TX1c ゲート端子
TX(HB)in 入力端子
TX(LB)in 入力端子
Vct 直流電源
Vin 高周波電圧
Vrf1 RF電圧
Vrf2 RF電圧
Vrfg1 RF電圧

Claims (18)

  1. 半導体基板上に形成された電界効果トランジスタを備え、
    前記電界効果トランジスタは、
    (a)前記半導体基板の第1方向に延在し、互いに対向するように配置された第1オーミック電極および第2オーミック電極と、
    (b)前記第1オーミック電極の前記第2オーミック電極と対向する対向面から前記第1方向と交差する第2方向に突き出た複数の第1櫛歯状電極と、
    (c)前記第2オーミック電極の前記第1オーミック電極と対向する対向面から前記第1方向と交差する前記第2方向に突き出た複数の第2櫛歯状電極と、
    (d)前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極とを交互に櫛歯状に配置することにより、前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極の間に形成される隙間に沿って延在するゲート電極とを有する半導体装置であって、
    前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極を含む櫛歯状電極のうち、前記ゲート電極に制御信号を入力する入力側に最も近い櫛歯状電極の長さを、その他の櫛歯状電極の長さよりも長くすることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置であって、
    前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極の間に形成される隙間に沿って、互いに並行する複数のゲート電極が延在していることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1記載の半導体装置であって、
    前記ゲート電極に制御信号を入力する入力側に最も近い櫛歯状電極の長さが、櫛歯状電極の中で最も長さが長いことを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1記載の半導体装置であって、
    前記複数の第1櫛歯状電極の長さがそれぞれ異なり、かつ、前記複数の第2櫛歯状電極の長さもそれぞれ異なることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項4記載の半導体装置であって、
    前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極を含む櫛歯状電極の長さが、前記ゲート電極に制御信号を入力する入力側から遠くなるにつれて、短くなることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1記載の半導体装置であって、
    前記電界効果トランジスタは、高電子移動度トランジスタであることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項6記載の半導体装置であって、
    前記ゲート電極と前記半導体基板の間には半導体層が形成されており、
    前記ゲート電極と前記半導体層の境界にはショットキー接合が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項7記載の半導体装置であって、
    前記半導体基板は化合物半導体から形成されていることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項1記載の半導体装置であって、
    前記ゲート電極と前記半導体基板の間にゲート絶縁膜が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項9記載の半導体装置であって、
    前記半導体基板はSOI基板、もしくは、SOS基板であることを特徴とする半導体装置。
  11. 送信信号の送信と受信信号の受信を切り替えるアンテナスイッチを半導体基板上に備え、
    前記アンテナスイッチは、
    (a)前記送信信号を入力する第1端子と、
    (b)アンテナに接続された第2端子と、
    (c)前記受信信号を出力する第3端子と、
    (d)前記第1端子と前記第2端子との間に接続された第1スイッチング素子と、
    (e)前記第2端子と前記第3端子との間に接続された第2スイッチング素子とを有し、
    前記送信信号の送信時に、前記第1スイッチング素子は導通状態となり、かつ、前記第2スイッチング素子は非導通状態となる一方、前記受信信号の受信時に、前記第1スイッチング素子は非導通となり、かつ、前記第2スイッチング素子は導通状態となる半導体装置であって、
    前記第1スイッチング素子は電界効果トランジスタから構成され、
    前記電界効果トランジスタは、
    (f1)前記半導体基板の第1方向に延在し、互いに対向するように配置された第1オーミック電極および第2オーミック電極と、
    (f2)前記第1オーミック電極の前記第2オーミック電極と対向する対向面から前記第1方向と交差する第2方向に突き出た複数の第1櫛歯状電極と、
    (f3)前記第2オーミック電極の前記第1オーミック電極と対向する対向面から前記第1方向と交差する前記第2方向に突き出た複数の第2櫛歯状電極と、
    (f4)前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極とを交互に櫛歯状に配置することにより、前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極の間に形成される隙間に沿って延在するゲート電極とを有し、
    前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極を含む櫛歯状電極のうち、前記ゲート電極に制御信号を入力する入力側に最も近い櫛歯状電極の長さを、その他の櫛歯状電極の長さよりも長くすることを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項11記載の半導体装置であって、
    前記第2スイッチング素子も前記第1スイッチング素子と同様の構成をしている前記電界効果トランジスタから構成されていることを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項11記載の半導体装置であって、
    前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極の間に形成される隙間に沿って、互いに並行する複数のゲート電極が延在していることを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項11記載の半導体装置であって、
    前記ゲート電極に制御信号を入力する入力側に最も近い櫛歯状電極の長さが、櫛歯状電極の中で最も長さが長いことを特徴とする半導体装置。
  15. 請求項11記載の半導体装置であって、
    前記複数の第1櫛歯状電極の長さがそれぞれ異なり、かつ、前記複数の第2櫛歯状電極の長さもそれぞれ異なることを特徴とする半導体装置。
  16. 請求項15記載の半導体装置であって、
    前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極を含む櫛歯状電極の長さが、前記ゲート電極に制御信号を入力する入力側から遠くなるにつれて、短くなることを特徴とする半導体装置。
  17. (a)送信信号を増幅する第1増幅器と、
    (b)前記送信信号の送信時に、前記第1増幅器で増幅された前記送信信号をアンテナから送信されるようにスイッチング動作し、受信信号の受信時に、前記アンテナで受信した受信信号を受信回路へ出力するようにスイッチング動作するアンテナスイッチを備え、
    前記アンテナスイッチは、
    (b1)前記送信信号を入力する第1端子と、
    (b2)アンテナに接続された第2端子と、
    (b3)前記受信信号を出力する第3端子と、
    (b4)前記第1端子と前記第2端子との間に接続された第1スイッチング素子と、
    (b5)前記第2端子と前記第3端子との間に接続された第2スイッチング素子とを有し、
    前記送信信号の送信時に、前記第1スイッチング素子は導通状態となり、かつ、前記第2スイッチング素子は非導通状態となる一方、前記受信信号の受信時に、前記第1スイッチング素子は非導通となり、かつ、前記第2スイッチング素子は導通状態となる半導体装置であって、
    前記第1スイッチング素子は電界効果トランジスタから構成され、
    前記電界効果トランジスタは、
    (c1)半導体基板の第1方向に延在し、互いに対向するように配置された第1オーミック電極および第2オーミック電極と、
    (c2)前記第1オーミック電極の前記第2オーミック電極と対向する対向面から前記第1方向と交差する第2方向に突き出た複数の第1櫛歯状電極と、
    (c3)前記第2オーミック電極の前記第1オーミック電極と対向する対向面から前記第1方向と交差する前記第2方向に突き出た複数の第2櫛歯状電極と、
    (c4)前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極とを交互に櫛歯状に配置することにより、前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極の間に形成される隙間に沿って延在するゲート電極とを有し、
    前記複数の第1櫛歯状電極と前記複数の第2櫛歯状電極を含む櫛歯状電極のうち、前記ゲート電極に制御信号を入力する入力側に最も近い櫛歯状電極の長さを、その他の櫛歯状電極の長さよりも長くすることを特徴とする半導体装置。
  18. 請求項17記載の半導体装置であって、
    前記半導体装置は、携帯電話機のRFモジュールを構成していることを特徴とする半導体装置。
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