JP2010096308A - 伸縮式回転伝達軸 - Google Patents

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Abstract

【課題】廉価で、しかも、大きな回転力(トルク)を伝達した場合にも、圧痕等の損傷を生じにくくできる構造を実現する。
【解決手段】アウターシャフト21の内周面に、アウター側凹溝24、24と凹部26、26とを設ける。又、インナーシャフト22外周面に、インナー側凹溝25、25と凸部27、27とを設ける。又、上記アウターシャフト21とインナーシャフト22とを組み付けた状態で、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25同士の間に玉23、23を設けると共に、上記凸部27、27を上記凹部26、26内に進入させる。そして、これら凹部26、26と凸部27、27との互いに円周方向に対向する側面同士を、回転力に応じて係合(当接)可能とする。
【選択図】図1

Description

この発明に係る伸縮式回転伝達軸は、例えば、自動車の操舵装置を構成するステアリングシャフトや中間シャフト(インターミディエイトシャフト)等、回転力(トルク)を伝達自在で、且つ、軸方向に伸縮可能なシャフトとして使用する。
自動車の操舵装置は、例えば図19に示す様に構成して、ステアリングホイール1の動きをステアリングギヤユニット2に伝達する様にしている。このステアリングホイール1の動きは、ステアリングシャフト3と、自在継手4aと、中間シャフト5と、自在継手4bとを介して、上記ステアリングギヤユニット2の入力軸6に伝達される。すると、このステアリングギヤユニット2が、左右1対のタイロッド7、7を押し引きして、操舵輪に所望の舵角を付与する。尚、図19に示した例では、電動モータ8により上記ステアリングシャフト3に、運転者が上記ステアリングホイール1に加えた力に応じた補助力を付与する、電動式パワーステアリング装置を組み込んでいる。
上述の様な操舵装置で、運転者の体格や運転姿勢に応じてステアリングホイール1の前後位置を調節する際には、上記ステアリングシャフト3と、このステアリングシャフト3を回転自在に支持したステアリングコラム9とを伸縮させる。この為に、このステアリングシャフト3を、アウターシャフト10とインナーシャフト11とを、スプライン係合部により伸縮及び回転力の伝達を自在に組み合わせた、所謂テレスコピックステアリングシャフトとしている。又、上記ステアリングコラム9を、アウターコラム12とインナーコラム13とを伸縮自在に組み合わせたものとしている。
通常時に於けるステアリングホイール1の操作感を向上させる為には、上記ステアリングシャフト3のうち、スプライン係合部等の軸方向摺動部で、回転方向の過大ながたつきが発生しない様にする必要がある。これに対して、ステアリングホイール1の前後位置の調節を軽い力で行なえる様にする為には、上記軸方向摺動部を、軸方向の変位をし易く構成する必要がある。この様な相反する要求を満たす構造として従来から、特許文献1に記載された構造が知られている。図20〜21は、この特許文献1に記載された従来構造の1例を示している。
この従来構造のステアリングシャフト3aの場合には、アウターシャフト10aと、インナーシャフト11aと、複数(3個)の鋼球14、14と、保持器15と、弾性部材(板ばね)16と、複数(2本)の円柱部材17、17とを備える。このうちのアウターシャフト10aは、内周面に、この内周面から径方向外方に凹入する状態で複数本(3本)のアウター側凹溝18、18を、軸方向に設けている。又、上記インナーシャフト11aは、外周面に、この外周面から径方向内方に凹入する状態で複数本(3本)のインナー側凹溝19、19を、軸方向に設けている。又、上記各鋼球14、14は、特許請求の範囲に記載した玉に相当するもので、上記3本のアウター側凹溝18、18のうちの1本(図20の上側)のアウター側凹溝18と、このアウター側凹溝18に対向するインナー側凹溝19に係合させた上記弾性部材16との間に、それぞれ設けている。
又、上記保持器15は、上記各鋼球14、14を、上記アウターシャフト10a及びインナーシャフト11aの軸方向に所定の間隔で保持している。又、上記弾性部材16は、上記各鋼球14、14を、上記アウター側凹溝18に向けて弾性的に押圧している(予圧を付与している)。又、上記各円柱部材17、17は、残りの2本の上記各アウター側凹溝18、18と、同じく残りの2本の上記各インナー側凹溝19、19との間に、それぞれ設けている。
そして、上記弾性部材16により、上記各鋼球14、14を上記(1本の)アウター側凹溝18の内面(内側面)に弾性的に押し付ける事により、これら各鋼球14、14並びに上記各円柱部材17、17と上記アウター側、インナー側各凹溝18、19との係合部(当接部、噛み合い部)でがたつきが発生する事を防止している。又、上記アウターシャフト10aとインナーシャフト11aとの間で大きな回転力(トルク)の伝達が行われる際には、上記弾性部材16が、この回転力に応じて弾性変形する。そして、この様な弾性部材16の弾性変形に基づき、上記各円筒部材17、17を介して上記大きな回転力の伝達が行われる様にすると共に、上記各鋼球14、14と上記アウター側、インナー側各凹溝18、19との接触部の面圧が過大になる事を防止している。又、上記アウターシャフト10aと上記インナーシャフト11aとを軸方向に相対変位させる際には、上記各鋼球14、14が転動すると共に、上記各円柱部材17、17の外周面と上記アウター側、インナー側各凹溝18、19の内面(内側面)とが摺動する。この為、上記相対変位を軽い力で行う事ができる。
ところが、上述の様な特許文献1に記載された構造の場合、弾性部材16を設ける分、部品点数が増大し、部品製作、部品管理が面倒になる他、組立工数が増大し、組立作業が面倒になる等、ステアリングシャフト3aの製造コスト増大に繋がる可能性がある。一方、上述の様な弾性部材16を設けずに、上記相対変位を軽い力で行える様にした構造として、例えば特許文献2〜8に記載された構造も、従来から知られている。但し、これら特許文献2〜8に記載された構造の場合には、何れも鋼球のみで回転力の伝達を行う。この為、操舵時にこれら各鋼球が、これら各鋼球と係合するアウター側、インナー側各凹溝のうちの同じ部分に繰り返し押し付けられ、当該部分の面圧が過度に大きくなる可能性がある。そして、この様に面圧が過度に大きくなった場合には、当該部分に圧痕(塑性変形)を生じる可能性がある。この様な圧痕は、操舵時にがたつきが発生する原因となる他、アウターシャフトとインナーシャフトとの軸方向の相対変位を円滑に行えなくする原因となる可能性がある等、好ましくない。
尚、上記圧痕は、伝達すべき回転力(トルク)が大きくなる程生じ易くなる。例えば、前述の図19に示した操舵装置は、補助動力源である電動モータ8をステアリングコラム側に設けた、所謂コラムタイプの電動式パワーステアリング装置であるが、この様な電動式パワーステアリング装置の場合、ステアリングシャフト3が伝達する回転力に比べ、中間シャフト5が伝達する回転力が、補助動力分だけ大きくなる。従って、この様な中間シャフト5(補助動力が加わるシャフト、補助動力源よりも下流側のシャフト)に上述の様な特許文献2〜8に記載された技術を採用した場合には、上記圧痕が更に生じ易くなる。
国際公開第2003/031250号パンフレット 特開2006−349104号公報 特開2007−46769号公報 特開2007−16901号公報 特許第3694637号公報 実開平3−30621号公報 特開2004−306919号公報 特開2004−168229号公報
本発明の伸縮式回転伝達軸は、上述の様な事情に鑑みて、廉価で、しかも、大きな回転力(トルク)を伝達した場合にも、圧痕等の損傷を生じにくくできる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の伸縮式回転伝達軸は、前述した従来構造と同様に、インナーシャフトと、アウターシャフトと、少なくとも1個(より好ましくは複数個)の玉とを備える。
このうちのインナーシャフトは、外周面の円周方向少なくとも1個所(より好ましくは円周方向複数個所)に、径方向内方に凹入したインナー側凹溝を、軸方向に設けている。
又、上記アウターシャフトは、上記インナーシャフトを挿入自在なもので、内周面の少なくとも1個所(より好ましくは円周方向複数個所)で上記インナー側凹溝と整合する位置に、径方向外方に凹入したアウター側凹溝を、軸方向に設けている。
又、上記玉は、上記インナー側凹溝と上記アウター側凹溝との間に設けられている。
そして、上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとを、互いの間での回転力(トルク)の伝達及び軸方向の相対変位を可能に組み合わせている。
特に、本発明の伸縮式回転伝達軸に於いては、上記インナーシャフトの外周面と上記アウターシャフトの内周面とのうちの一方の周面に、この一方の周面から径方向に凹入する状態で凹部を、これら両周面のうちの他方の周面から径方向に突出する状態で凸部を、それぞれ設けると共に、この凸部を上記凹部内に進入させている。そして、これら凹部と凸部との互いに円周方向に対向する側面同士を、上記回転力の大きさに応じて(回転力の増大に伴ない)係合(当接、接触、噛合)可能としている。
更には、上記インナー、アウター両シャフトの中立状態で、上記玉の表面を、上記インナー側凹溝とアウター側凹溝とのうちの少なくとも何れかの凹溝(より好ましくはインナー側、アウター側両凹溝)の内面のうちの溝底部で接触(当接、係合、噛合)させる(最も好ましくは、玉の表面を当該凹溝の溝底の幅方向中心で接触させる)。
言い換えれば、上記玉の表面と、上記インナー側凹溝とアウター側凹溝とのうちの少なくとも何れかの凹溝(より好ましくはインナー側、アウター側両凹溝)の内面との接触部の圧力角(接点角)、即ち、上記インナーシャフト及びアウターシャフトの中心軸と上記玉の中心とを含む仮想平面と上記接触部に接する仮想平面とのなす角を大きくする。具体的には、この接触部の圧力角(接点角)を45度以上、好ましくは60度以上、更に好ましくは75度以上、最も好ましくは90度とする。尚、上記玉の表面を上記溝底部で接触させるとは、上記圧力角(接点角)を45度以上(好ましくは60度以上、更に好ましくは75度以上、最も好ましくは90度)にする事を言う。
そして、請求項2に記載した発明の様に、凹溝の溝底部で接触させた玉の表面と当該凹溝(玉を溝底部で接触させた凹溝)の内面との接触部の圧力角(接点角)よりも、上記凹部と凸部との互いに円周方向に対向する側面同士の圧力角、即ち、この凹部の側面又は凸部の側面と、上記インナーシャフト及びアウターシャフトの中心軸と上記凹部の底部又は凸部の頂部の幅方向中心を含む仮想平面とのなす角を小さくする。
又、この様な本発明の伸縮式回転伝達軸を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、アウターシャフトとインナーシャフトとの間に回転力が加わらない中立位置での、これらインナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向に関する、凹部と凸部との互いに対向する側面同士の間隔(隙間)を、同じく円周方向に関する、インナー側、アウター側各凹溝と玉との間隔{例えば、後述する様に玉に円周方向の締め代を持たせた場合には、この間隔を0とする}よりも大きくする。又、好ましくは、この様に間隔を規制する事により、回転力が小さい状態では、上記玉のみがインナー側、アウター側各凹溝との係合(噛み合い)に基づき上記回転力の伝達を行い、この回転力が大きい状態では、上記玉並びにこの玉と係合するインナー側、アウター側各凹溝の弾性変形に伴い{例えば玉とこの玉の表面が当接する部分(相手面である凹溝の内面のうちの玉の表面と当接する部分)とが弾性変形する事により}、上記凸部と凹部との側面同士も係合し(当接し、噛み合い)、上記回転力の伝達を行う様にする。
又、この様な本発明の伸縮式回転伝達軸を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、上記玉に、上記インナー側、アウター側各凹溝に対する締め代(隙間0、締め代0も含む)を持たせる。即ち、上記アウターシャフトとインナーシャフトとを組み合わせた状態で、且つ、これらアウターシャフトとインナーシャフトとの間に回転力が加わらない中立位置での、インナー側、アウター側各凹溝の内面により構成される仮想円(断面に関する内接円)の直径に対し、上記玉の外径を、この仮想円の直径と同じか、又は、(極く僅か、例えば玉の外径の1/100〜1/1000程度、後述する様に玉や凹溝の剛性を小さくする場合には1/5〜1/1000程度)大きくする。
尚、この様に玉に持たせる締め代と、この玉の外径と、上記各凹溝の断面形状の曲率半径(や傾斜等)と、上記凹部と上記凸部との互いに対向する側面同士の周方向に関する間隔(隙間)との関係{玉の外径と、インナー側、アウター側各凹溝の内面により構成される仮想円(断面に関する内接円)の直径と、インナー側、アウター側各凹溝の曲率半径と、互いに対向する側面同士の間隔との関係}は、次の様に規制する。先ず、上記玉の締め代(玉の外径と仮想円の直径との差)を、上記各凹溝の断面形状の曲率半径との関係(接触楕円の面積との関係)で、この玉並びに上記インナー側、アウター側各凹溝が弾性変形する範囲内、即ち、これらインナー側、アウター側各凹溝に圧痕(塑性変形)が生じない(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)範囲内で設定する。又、上記側面同士の周方向に関する間隔を、上記回転力の伝達の際に、上記玉並びにインナー側、アウター側各凹溝が弾性変形する範囲内、即ち、これらインナー側、アウター側各凹溝に圧痕を生じない(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)範囲内で、上記側面同士が当接して、上記回転力(トルク)の伝達が行われる様に設定する。
又、この様な本発明の伸縮式回転伝達軸を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、インナーシャフトとアウターシャフトとのうちの少なくとも一方のシャフトのうちで、凹溝を設けた部分の剛性を、同じく凹部又は凸部を設けた部分の剛性よりも小さくする。
この場合には、例えば、上記円筒状のアウターシャフトの一部で上記アウター側凹溝の近傍部分の肉厚を小さく(薄肉に)したり、この近傍部分に内外両周面同士を貫通する状態でスリットを設ける事ができる。又、上記インナーシャフトを円筒状に形成すると共に、この円筒状に形成したインナーシャフトの一部で上記インナー側凹溝の近傍部分の肉厚を小さく(薄肉に)したり、この近傍部分に内外両周面同士を貫通する状態でスリットを設ける事もできる。
又、この様な本発明の伸縮式回転伝達軸を実施する場合に好ましくは、請求項6に記載した発明の様に、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向に関する玉の剛性を、同じく円周方向に関する凸部の剛性に比べて小さくする(玉の剛性≪凸部の剛性とする)。即ち、回転力の伝達時に、この回転力の増大に伴って、上記凸部の側面と凹部の側面とを係合し易く(当接し易く、噛み合い易く)すべく、上記玉をこの凸部に比べて弾性変形し易くする。
この場合には、例えば、上記玉の材質を弾性変形し易いものとしたり、或は、この玉を中空のものとすると共に、この玉に内外両周面を貫通する状態でスリットを設ける事ができる。又、この玉(中空であるか充実体であるかは問わない)の外周面に、この外周面から径方向内方に凹入する状態で(貫通しない)凹部を設ける事により、この玉の表面(外周面)を弾性変形し易くする事もできる。
又、本発明の伸縮式回転伝達軸を実施する場合に好ましくは、請求項7に記載した発明の様に、インナー側、アウター側各凹溝を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向等間隔複数個所に設ける。又、必要に応じて、凹部と凸部とを、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向等間隔複数個所に設ける。
上述の様に構成する本発明の伸縮式回転伝達軸によれば、廉価で、しかも、大きな回転力(トルク)を伝達した場合にも、圧痕等の損傷を生じにくくできる(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向の伸縮を円滑に行える)。この為、大きな回転力を伝達する(許容負荷トルクを大きくする)事と、がたつきなく円滑な軸方向伸縮を行う事と、製造コストの低減とを、高次元で並立させられる。
即ち、本発明の場合には、玉に弾性力を付与する為の弾性部材を設ける必要がない分、廉価に構成できる。又、上記回転力の伝達を、上記玉だけでなく、凹部と凸部との互いに円周方向に対向する側面同士の当接に基づいて行う事ができる為、その分(側面同士の当接面積を大きくできる分)大きな回転力を伝達できる(許容負荷トルクを大きくできる)。又、この様に大きな回転力の伝達を、上記側面同士が分担する事により、上記玉と凹溝との当接部の面圧が過度に大きくなる事も防止でき、圧痕等の損傷を生じにくくできる。又、本発明の場合には、大きな回転力の伝達を、前述の図20〜21に示した従来構造の様な円柱部材(円筒部材)を用いずに、上記凹部と凸部との側面同士の当接に基づいて行う為、部品点数の低減を図れ、この面からも廉価に構成できる。
しかも、本発明の場合には、上記玉の表面を、インナー側凹溝とアウター側凹溝とのうちの少なくとも何れかの凹溝の内面(内側面)のうちの溝底部で接触させている為、回転力の増大に伴ってこの回転力の伝達を、上記側面同士が確実に分担できる。即ち、溝底部で接触させた上記玉の表面と当該凹溝(玉を溝底部で接触させた凹溝)の内面との接触部では、その圧力角(接点角)が大きくなる為、上記回転力を受ける方向に加わる分力が小さく、この回転力が大きくなると、この回転力がこの玉を介してだけでは伝達されにくくなる。この為、上記玉の表面と当該凹溝の内面との接触部では、上記回転力が加わると、インナーシャフトとアウターシャフトとの相対回転が許容される傾向になる。そして、この様な相対回転に伴い、上記凹部と凸部との互いに対向する側面同士が当接(接触、係合、噛合)し、上記回転力の増大に伴って、この回転力の伝達を、これら側面同士の係合部が確実に分担する。
又、上記インナーシャフトとアウターシャフトとの相対回転に伴い、上記玉の表面と当該凹溝の内面との接触部は、上記回転力が加わらない無負荷状態での接触位置から側方(回転方向)に変位する(ずれる)傾向となる。この為、例え、大きな回転力が加わる事により、当該凹溝の表面に、上記玉の表面との当接に基づく圧痕が生じたとしても、この圧痕が生じる位置は、上記回転力が加わらない無負荷状態での上記玉の表面との接触位置から外れた位置となる。この為、上記圧痕に拘らず(例え圧痕が生じたとしても)、上記回転力が加わらない無負荷状態で行われる、上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとの軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)を、円滑に行える。
又、請求項2に記載した発明の様に、凹溝の溝底部で接触させた玉の表面と当該凹溝の内面との接触部の圧力角(接点角)よりも、凹部と凸部との互いに円周方向に対向する側面同士の圧力角を小さくすれば、上記玉の接触部で相対回転を許容し易くできると共に、上記側面同士の接触部で回転力を支承し易くできる(大きな回転力を確実に伝達できる)。又、上記側面同士の圧力角を小さくする事により、僅かな回転方向の変位でこれら側面同士を接触させる事ができる(側面の直角方向に関するこの側面同士の隙間に対し、アウターシャフトとインナーシャフトとの回転方向変位量を調節し易くできる)。
又、請求項3に記載した発明の様に、円周方向に関する側面同士の間隔を、同じく円周方向に関するインナー側、アウター側各凹溝と玉との間隔よりも大きくすれば、回転力の増大に伴って、上記側面同士を確実に係合させられる。即ち、回転力が小さい状態では、上記玉のみがインナー側、アウター側各凹溝との係合(噛み合い)に基づき上記回転力の伝達を行い、この回転力が大きい状態では、上記凸部と凹部との側面同士も係合し(当接し、噛み合い)、上記回転力の伝達を行う様にできる。この様に玉の表面とインナー側、アウター側各凹溝との間隔と側面同士の間隔とを規制すると言う、簡単な構造で、これら側面同士により回転力の伝達を確実に分担させられる為、この面からも、廉価に構成できる(製造コストの低減を図れる)。又、上述の様に間隔を規制する事で、上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとの軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)を、上記玉の転動に基づいて行う事ができ(凸部と凹部との側面同士の摺接を低減でき)、この面からも、上記相対変位(伸縮動作)を円滑に行える。
又、請求項4に記載した発明の様に、玉にインナー側、アウター側各凹溝に対する締め代を持たせた場合には、弾性部材を必要とする事なく、インナーシャフトとアウターシャフトとが回転方向にがたつく事を防止できる。
又、請求項5に記載した発明の様に、インナーシャフトとアウターシャフトとのうちの少なくとも一方のシャフトのうちで凹溝を設けた部分の剛性を小さく(弾性変形し易く)すれば、回転力の増大に伴って、凸部と凹部との側面同士を係合し(噛み合い)易くできる。この為、上記回転力の伝達の際に、大きい回転力をこれら側面同士により確実に分担でき、圧痕等の損傷をより生じにくくできる。しかも、上記玉にインナー側、アウター側各凹溝に対する締め代を持たせた場合に、この締め代に対する自由度(許容度)を大きくできる(締め代に対し鈍感にできる)。
即ち、(意識的であるか否かを問わず)上記締め代が大きくなっても、上記インナー側、アウター側各凹溝を設けた部分の剛性が小さい(弾性変形し易い)分、これらインナー側、アウター側各凹溝の内面に圧痕を生じにくくできる。又、この様に締め代が大きくなっても圧痕を生じにくくできる為、上記インナー側、アウター側各凹溝、並びに、上記玉の加工精度を高度に維持しなくて済み(寸法誤差を許容でき)、その分、廉価に構成できる(製造コストの低減を図れる)。しかも、上記締め代に基づく予圧(抵抗)が過度に大きくなる事を防止でき、インナーシャフトとアウターシャフトとの回転方向のがたつき防止と軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)の円滑化との両立を、高次元に図れる。又、上記インナー側、アウター側各凹溝の摩耗に拘らず、長期に亙り必要な予圧(抵抗)を確保し易い。
又、請求項6に記載した発明の様に、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向に関する玉の剛性を、同じく円周方向に関する凸部の剛性に比べて小さくした場合にも、回転力の増大に伴って、この凸部と凹部との側面同士を係合し(噛み合い)易くできる。この為、上記回転力の伝達の際に、大きい回転力をこれら側面同士の係合部により確実に分担でき、圧痕等の損傷をより生じにくくできる。又、これと共に、上記玉と凸部との剛性を適宜調節する事で、回転力の伝達の際に、上記側面同士が回転力を分担し始めるタイミングを調整し易くできる(所望のタイミングに規制し易くできる)。尚、この様な側面同士が回転力を分担し始めるタイミングの調整は、インナーシャフト及びアウターシャフト全体としての剛性、延いては、上記請求項5に記載した発明の様に、これらインナーシャフト及びアウターシャフトのうちでインナー側、アウター側各凹溝を設けた部分の剛性を適宜調節する事でも、同様に行える。
尚、図22は、インナーシャフトとアウターシャフトとの回転角と、これらインナーシャフトとアウターシャフトとの間に加わる捩れトルクとの関係の4例を示している。この図22中、点P1〜P4は、各玉の表面と各凹溝の内面との係合に基づく回転力の伝達が行われている状態から、凹部と凸部との側面同士が当接して回転力の伝達が行われる状態へ変化する変曲点を、それぞれ示している。上述した様に、各玉の剛性やこれら各玉の締め代、上記インナーシャフトやアウターシャフトの剛性、インナー側、アウター側各凹溝の数、断面形状、曲率半径、上記各玉の外径、凹部と凸部との円周方向に関する側面同士の間隔等を適宜調節する事で、所望の捩れトルクと回転角との関係を得る(ステアリングホイール操作時のレスポンスやキックバック入力等を任意に設定する)事ができる。尚、上述の様に玉の剛性を小さくする場合には、この剛性を小さくする程、変曲点(例えば点P4)の前後での傾きの変化が大きくなる。この為、単にそのままでは、例えば変曲点P4から二点鎖線で示す様に捩れトルクが変化する可能性があり、この様な場合には、違和感(ストッパー感)を感じたり異音を生じる可能性がある。そこで、例えば上記凹部と凸部との接触角(圧力角)や剛性等を適宜調節する事で、例えば上記変曲点をP4´にずらし、滑らかなトルク伝達の分担を行える様にする事が好ましい。又、上記各玉の剛性や締め代、これら各玉と接触する各凹溝の断面形状、曲率半径、これら各玉の表面と各凹溝の内面との接触角(接点角、圧力角)等を適宜調節する事で、図22のQで示す部分を、変曲点P1〜P4に向けて滑らかな曲線となる様にする事ができる。
又、請求項7に記載した発明の様に、インナー側、アウター側各凹溝(必要に応じて凸部並びに凹部)を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向等間隔複数個所に設けた場合には、これらインナー側、アウター側各凹溝が均一に弾性変形し易くなり、これら各凹溝に圧痕等の損傷をより生じにくくできる。又、上記インナーシャフト並びにアウターシャフトに、上記インナー側、アウター側各凹溝(及び凸部並びに凹部)を形成する際に、これらインナーシャフト並びにアウターシャフトを所望通りに形成し易くできる。即ち、例えば塑性加工に基づき、シャフトの形成と共にこのシャフトに凹溝(及び凸部並びに凹部)を形成する場合に、このシャフトの円周方向に関して均等に成型荷重を加える事ができ、このシャフトが例えば折れ曲がる方向や断面形状が歪む方向等に変形しにくくできる。この為、アウターシャフトとインナーシャフトとの軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)の円滑化と、円周方向のがたつき防止との両立を、高次元で図れる。
[実施の形態の第1例]
図1〜3は、請求項1〜4、7に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例は、本発明の伸縮式回転伝達軸をステアリングシャフト20として実施する場合の構造に就いて示している。但し、この様なステアリングシャフト20に限らず、例えば前述の図19に示した中間シャフト5等の、回転力(トルク)の伝達と軸方向の伸縮との両方の機能を必要とされる、各種シャフトとして実施する事ができる。何れにしても、本例のステアリングシャフト20は、例えば炭素鋼等の金属材に、押出加工或いは切削加工を施す事により形成されたアウターシャフト21と、同じく炭素鋼等の金属材に、押出加工、鍛造加工、或いは切削加工を施す事により形成されたインナーシャフト22と、同じくそれぞれが炭素鋼、軸受鋼、ステンレス鋼等の金属材や合成樹脂、高機能樹脂等の非金属材料により造られた複数の玉23、23とを備える。このうちのアウターシャフト21は、円筒状のもので、内周面の円周方向2個所位置(180度反対側位置)に、この内周面から径方向外方に凹入する状態で(2本の)アウター側凹溝24、24を、軸方向に設けている。
又、上記インナーシャフト22は、円筒状又は円柱状のもので、外周面の円周方向2個所位置(180度反対側位置)で上記アウター側凹溝24、24と整合する位置に、この外周面から径方向内方に凹入する状態で(2本の)インナー側凹溝25、25を、軸方向に設けている。又、上記各玉23、23は、上記各アウター側凹溝24、24と上記各インナー側凹溝25、25との間にそれぞれ複数個(図示の例では7個)ずつ設けられたもので、これら各玉23、23を介して上記アウターシャフト21と上記インナーシャフト22とを組み合わせる事により、これらアウターシャフト21とインナーシャフト22との間で、回転力の伝達及び軸方向の相対変位を可能としている。
又、本例の場合には、上記アウターシャフト21の内周面の円周方向2個所位置(180度反対側位置)で、上記各アウター側凹溝24、24から円周方向に外れた部分に、この内周面から径方向外方に凹入する状態で、スプライン係合部を構成するスプライン溝の如き凹部26、26を、軸方向に設けている。又、上記インナーシャフト22の外周面の円周方向2個所位置(180度反対側位置)で、上記各凹部26、26と整合する位置に、この外周面から径方向外方に突出する状態で、スプライン係合部を構成するスプライン歯の如き凸部27、27を、軸方向に設けている。そして、上記アウターシャフト21に上記インナーシャフト22を組み付けた状態で、上記各凸部27、27が上記各凹部26、26内に進入する様にしている。
又、本例の場合には、上記両シャフト21、22の中立状態(回転力の伝達を行わない状態)で、上記各玉23、23の表面を、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面のうちの溝底部で接触(当接、係合、噛合)させている。言い換えれば、上記各玉23、23の表面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面との接触部の圧力角(接点角)θ1、θ2、即ち、上記アウターシャフト21及びインナーシャフト22の中心軸と上記各玉23、23の中心とを含む仮想平面と上記接触部に接する仮想平面とのなす角θ1、θ2を、大きくしている(本例の場合は略90度としている)。要するに、本例の場合には、上記各玉23、23の表面を上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面のうちの溝底部で接触する様にして(各圧力角θ1、θ2を大きくして、例えばθ1、θ2≧45度、好ましくはθ1、θ2≧60、更に好ましくはθ1、θ2≧75度以上、最も好ましくはθ1、θ2≒90度にして)、これら各玉23、23の転動面とアウター側、インナー側各凹溝24、25の内面との接触位置が、小さい回転力で、これら各凹溝24、25の底部から側方に変位し易くなる様にしている。この為に、例えば上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の断面形状を単一円弧とする場合には、その曲率半径を、上記各玉23、23の半径よりも大きくし、上記接触位置が溝底近傍となる様にする。又、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の断面形状をゴシックアーチ状とした場合には、その接触角を大きくし、上記接触位置が溝底近傍となる様にする。尚、この様に接触位置を溝底部近傍にする面からは、上記断面形状は単一円弧状とする事が好ましく、この様に溝底部近傍で接触する様にする事により、上記接触位置を変位し易くする事が好ましい。
一方、上記凹部26、26と凸部27、27との互いに円周方向に対向する側面同士の圧力角θ3、即ち、これら凹部26、26の側面又は凸部27、27の側面と、上記アウターシャフト21及びインナーシャフト22の中心軸と上記凹部26、26の底部又は凸部27、27の頂部の幅方向中心を含む仮想平面とのなす角θ3は、上記各玉23、23の表面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面との接触部の圧力角θ1、θ2よりも、小さくしている(θ3<θ1、θ2)。そして、この様に構成する事により、上記凹部26、26と凸部27、27との互いに円周方向に対向する側面同士で、上記回転力を支承し易くしている(大きな回転力を確実に伝達できる様にしている)。
又、本例の場合には、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25に、前述の図20〜21に示した様な弾性部材16(図20〜21参照)は設けていない。即ち、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25に設けた各玉23、23に対し、上記弾性部材16による押圧力(予圧)付与を行ってはいない{弾性部材16により、各玉23、23を、アウター側凹溝24、24とインナー側凹溝25、25とのうちの少なくとも何れかの凹溝25、26の内面に押し付けると言った構成は採用していない}。本例の場合には、この様な弾性部材16を設けない代わりに、上記各玉23、23に、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25に対する締め代(隙間0、締め代0も含む)を持たせている。
即ち、前記アウターシャフト21とインナーシャフト22とを組み合わせた状態で、且つ、これらアウターシャフト21とインナーシャフト22との間に回転力が加わらない中立位置での、アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面により構成される仮想円(互いに対向する凹溝24、25同士の内接円)の直径に対し、各玉23、23の自由状態での外径を同じか、又は、(極く僅か、例えば玉23の外径の1/100〜1/1000程度)大きくしている。一方、上記アウターシャフト21とインナーシャフト22とを組み合わせた状態で、且つ、これらアウターシャフト21とインナーシャフト22との間に回転力が加わらない中立位置での、これらアウターシャフト21とインナーシャフト22の円周方向に関する、上記凹部26、26と上記凸部27、27との互いに対向する側面同士の間隔Sを、同じく円周方向に関する、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25と上記各玉23、23との間隔よりも大きくしている。
そして、この様な構成を採用する事により、上記アウターシャフト21とインナーシャフト22との間で伝達する回転力が小さい状態で、上記各玉23、23のみが、アウター側、インナー側各凹溝24、25との係合(局部点当りでの噛み合い)に基づき、この回転力を伝達する様にしている。これに対して、この回転力が大きい状態では、上記各玉23、23並びにこれら各玉23、23と係合する上記インナー側、アウター側各凹溝24、25の弾性変形に伴い{各玉23、23とこれら各玉23、23の表面が当接する部分(相手面である凹溝24、25の内面のうちのこれら各玉23、23の表面と当接する部分)とが弾性変形(局部弾性変形)する事により}、上記凸部27、27と凹部26、26との側面同士も係合し(当接し、噛み合い)、上記回転力の伝達を行う様にしている。
尚、この様な回転力の伝達を行う様にすべく、本例の場合には、上記各玉23、23の外径と、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の断面形状の曲率半径(や傾斜等)と、上記凹部26、26と上記凸部27、27との互いに対向する側面同士の周方向に関する間隔S(隙間)との関係{各玉23、23の外径と、アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面により構成される仮想円(断面に関する内接円)の直径と、アウター側、インナー側各凹溝24、25の曲率半径と、凹部26、26並びに凸部27、27の断面形状(側面の傾斜等)と、互いに対向する側面同士の間隔Sとの関係}は、次の様に規制している。先ず、上記各玉23、23の締め代(各玉23、23の外径と仮想円の直径との差)を、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の断面形状の曲率半径との関係(接触楕円の面積との関係)で、これら各玉23、23並びに上記アウター側、インナー側各凹溝24、25が弾性変形する範囲内、即ち、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25に圧痕(塑性変形)が生じない(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)範囲内で設定する。又、上記各凹部26、26と各凸部27、27との互いに対向する側面同士の周方向に関する間隔Sを、上記回転力の伝達の際に、上記各玉23、23並びにアウター側、インナー側各凹溝24、25が弾性変形する範囲内、即ち、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25に圧痕を生じない(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)範囲内で、上記側面同士が当接して、上記回転力(トルク)の伝達が行われる様に設定する。
上述の様に構成する本例の伸縮式回転伝達軸(ステアリングシャフト20)によれば、廉価で、しかも、大きな回転力を伝達した場合にも、圧痕等の損傷を生じにくい(生じたとしても、耐久性の低下に繋がらず、且つ、軸方向伸縮を円滑に行える)構造を実現できる。この為、大きな回転力を伝達する(許容負荷トルクを大きくする)事と、がたつきなく円滑な軸方向伸縮を行う事と、製造コストの低減とを、高次元で並立させられる。
即ち、本例の場合には、各玉23、23に弾性力を付与する為の弾性部材(例えば図20〜21の弾性部材16)を設けなくて済む分、部品製作、部品管理、組立作業を何れも単純化して、廉価に構成できる。又、上記回転力の伝達を、上記各玉23、23だけでなく、凹部26、26と凸部27、27との互いに円周方向に対向する側面同士の当接に基づいて行う事ができる為、その分(側面同士の当接面積を大きくできる分)大きな回転力を伝達できる(許容負荷トルクを大きくできる)。又、この様に大きな回転力の伝達を、上記側面同士が分担する事により、上記各玉23、23と各凹溝24、25との当接部の面圧が過度に大きくなる事も防止でき、圧痕等の損傷を生じにくくできる。又、本例の場合には、大きな回転力の伝達を、前述の図20〜21に示した従来構造の様な円柱部材(円筒部材)17を用いずに、上記各凹部26、26と各凸部27、27との側面同士の当接に基づいて行う為、部品点数の低減を図れ、この面からも廉価に構成できる。
しかも、本例の場合には、上記各玉23、23の表面をアウター側、インナー側各凹溝24、25の内面のうちの溝底部で接触させている為、回転力の増大に伴ってこの回転力の伝達を、上記各凹部26、26と各凸部27、27との側面同士が確実に分担できる。即ち、上記各玉23、23の表面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面との接触部では、その圧力角(接点角)θ1、θ2が大きくなる為、上記回転力を受ける方向に加わる分力が小さく、この回転力がこれら各玉23、23を介して伝達されにくくなる。この為、これら各玉23、23の表面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面との接触部では、上記回転力が加わると、インナーシャフト22とアウターシャフト21との相対回転が許容される傾向になる。そして、この様な相対回転に伴い、上記各凹部26、26と各凸部27、27との互いに対向する側面同士が当接(接触、係合、噛合)し易くなり、上記回転力の増大に伴って、この回転力の伝達を、これら側面同士が確実に分担できる。しかも、本例の場合には、上記圧力角(接点角)θ1、θ2よりも、上記各凹部26、26と各凸部27、27との互いに円周方向に対向する側面同士の圧力角θ3を小さくしている為、上述の様に各玉23、23の接触部で相対回転を許容し易くできるだけでなく、上記側面同士の接触部で回転力を確実に支承できる(大きな回転力を確実に伝達できる)。
又、本例の場合には、円周方向に関する上記側面同士の間隔Sを、同じく円周方向に関する上記アウター側、インナー側各凹溝24、25と上記各玉23、23との間隔よりも大きくしている為、回転力の増大に伴って、上記側面同士を確実に係合させられる。即ち、回転力が小さい状態では、上記各玉23、23のみが上記アウター側、インナー側各凹溝24、25との係合(噛み合い)に基づき上記回転力の伝達を行い、この回転力が大きい状態では、上記各凸部27、27と各凹部26、26との側面同士も係合し(当接し、噛み合い)、上記回転力の伝達を行う様にできる。この様に各玉23、23の表面とアウター側、インナー側各凹溝24、25との間隔と各凸部27、27と各凹部26、26との側面同士の間隔Sとを規制すると言う、簡単な構造で、これら側面同士により回転力の伝達を確実に分担させられる為、この面からも、廉価に構成できる(製造コストの低減を図れる)。又、上述の様に間隔を規制する事で、上記アウターシャフト21と上記インナーシャフト22との軸方向相対変位(ステアリングシャフト20の伸縮)を、上記各玉23、23の転動に基づいて行う事ができ(凸部27、27と凹部26、26との側面同士の摺接を低減でき)、この面からも、上記相対変位(伸縮動作)を円滑に行える。
又、本例の場合には、上記各玉23、23に上記アウター側、インナー側各凹溝24、25に対する締め代を持たせている為、前記弾性部材(例えば図20〜21の弾性部材16)を設けなくても、アウターシャフト21とインナーシャフト22とが回転方向にがたつく事を防止できる。尚、この様ながたつきを許容できるのであれば(例えば、或る程度がたついても走行中に問題とならないのであれば)、このがたつきを許容できる範囲で、締め代を持たせない様に(隙間を持たせる様に)する(例えば各玉23、23の外径を、アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面により構成される仮想円の直径よりも小さくする)事もできる。又、この様に締め代を持たせない(隙間を持たせた)場合には、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面と上記各玉23、23の表面との接触点位置が、回転力に応じて変位し易くなる為、例え圧痕が生じた場合にも、この圧痕の存在に拘らず、上記アウターシャフト21とインナーシャフト22との軸方向の相対変位(ステアリングシャフト20の伸縮)を円滑に行える様にできる。
図3は、各玉23、23に締め代を持たせた構造の場合の、アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面と各玉23、23の表面との接触点位置の変化を示している。尚、この図3の(A)(B)は、アウター側、インナー側各凹溝24、25の断面形状をそれぞれ単一円弧としている。又、図3(A)は、無負荷時の状態(回転力が加わっていない状態)を、同図(B)は、回転力が加わった状態を示している。又、この様な図3(A)(B)中にそれぞれ示した点αは、無負荷且つ中立状態での、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面(内側面)と上記各玉23、23の表面との接触点位置を示している。そして、図3の(B)に示す様に、上記回転力が加わると、上記各玉23並びに上記各アウター側、インナー側各凹溝24、25の弾性変形に基づき(各凹溝24、25が弾性変形方向に拡がり)、上記接触点位置が点αから点βに、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25の内面の曲率半径Rと各玉23の半径(=D/2)とに応じた距離{図3(B)のδ1、δ2}分、変位する。尚、この変位は、上記接触点位置が連続的に接触したまま行われる事が好ましい。
何れにしても(締め代を持たせた構造の場合も持たせない構造の場合も)、大きな回転力が加わる事により、アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面と上記各玉23の表面との接触部で圧痕が生じたとしても、上述の様に接触点位置が変位する為、この圧痕は点βの位置に生じる。この様に圧痕が生じる位置βが、無負荷時の接触点位置αとずれる為、この無負荷時に行われるアウターシャフト21とインナーシャフト22との軸方向の相対変位(ステアリングシャフト20の伸縮)は、上記圧痕の存在に拘らず、滑らかに行える。尚、この様な締め代を持たせた構造の場合も、又、締め代を持たせない構造の場合にも、何れも大きい回転力が加わった場合には、各凸部27、27と各凹部26、26との接触面積が大きい側面同士がその回転力を分担する為、上記圧痕は生じにくい。
又、図4は、アウター側、インナー側各凹溝24a、25aの断面形状をゴシックアーチ状とした構造を示している。この様なゴシックアーチ状とした構造の場合には、図4(A)に示す様に、無負荷時でも接触点位置αが、アウター側、インナー側各凹溝24a、25aの中央部(溝深さが最も大きい部分)からずれる。この様な構造の場合には、捩り剛性を大きくできるが、大きな回転力が加わった状態での、上記接触点位置の変位量(ずれ量)は大きくなりにくい(ずれ量は小さい)。但し、後述する様に、円筒状のアウターシャフト21やインナーシャフト22の肉厚を小さくする(例えば薄肉部を設ける)事により、これらアウターシャフト21やインナーシャフト22、延いては、上記アウター側、インナー側各凹溝24a、25aを弾性変形し易くすれば、上記接触点位置αからβにずれ易くできる。又、この様に弾性変形し易くする事により、小さい回転力が加わった状態から、各凸部27、27と各凹部26、26との側面同士でこの回転力の伝達を行う様にする事もできる為、その分、圧痕を生じにくくできる。
何れにしても、本例の場合には、上記各玉23、23の表面をアウター側、インナー側各凹溝24、25の内面のうちの溝底部で接触させている為、この接触部に関しては、回転力が加わると、インナーシャフト22とアウターシャフト21との相対回転が許容される傾向になる。即ち、上記回転力が加わると、これらインナーシャフト22とアウターシャフト21との相対回転に伴い、上記各玉23、23の表面と上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面との接触部が、上記回転力が加わらない無負荷状態での接触位置から側方(回転方向)に変位する(ずれる)傾向となる。この為、例え、大きな回転力が加わる事により、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の表面に、上記各玉23、23の表面との当接に基づく圧痕が生じたとしても、この圧痕が生じる位置は、上記回転力が加わらない無負荷状態での上記各玉23、23の表面との接触位置から外れた位置となる。この為、上記圧痕に拘らず(例え圧痕が生じても)、上記回転力が加わらない無負荷状態で行われる、上記アウターシャフト21と上記インナーシャフト22との軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)を、円滑に行える。
又、本例の場合には、アウター側、インナー側各凹溝24、25を、インナーシャフト22及びアウターシャフト21の円周方向等間隔複数個所(180度間隔2個所位置)に設けている為、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25が均一に弾性変形し易くなり、これら各凹溝24、25に圧痕等の損傷をより生じにくくできる。
又、本例の場合は、図2に示す様に、各玉23、23を保持器28により保持する事により、これら各玉23、23の位置決めを図り(遊びを制限し)、これら各玉23、23が、アウター側、インナー側各凹溝2、25の軸方向にがたつくのを防止している。又、この様な保持器28を設けた場合には、上記各玉23、23を上記アウター側、インナー側各凹溝24、25同士の間に組み込み易くできる。
又、本例の場合には、各玉23、23の表面を、アウター側各凹溝24、24の溝底部とインナー側各凹溝25、25の溝底部とに接触させている(両方の凹溝24、25の溝底部に接触させている)が、これらインナー側各凹溝24、24とアウター側各凹溝25、25とのうちの何れか一方の凹溝24(25)のみの溝底部に接触させる事もできる。即ち、例えば上記アウター側各凹溝24、24とインナー側各凹溝25、25とのうちの何れか一方の凹溝24(25)の断面形状を単一円弧とすると共に、他方の凹溝25(24)の断面形状をゴシックアーチ状とし、このうち断面形状が単一円弧とした一方の凹溝24(25)のみ、上記各玉23、23の表面を溝底部に接触させる事もできる。
[実施の形態の第2例]
図5は、請求項1〜5、7に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、アウターシャフト21aのうちでアウター側凹溝24、24の近傍部分の肉厚を、同じくこれらアウター側凹溝24、24から外れた部分の肉厚に比べて小さくしている。この為に、本例の場合には、上記アウターシャフト21aの外周面に、上記アウター側凹溝24、24の周囲部分を挟む状態で、これら各アウター側凹溝24、24毎に1対ずつの平坦部29、29を、それぞれ設けている。そして、この様に構成する事により、上記アウターシャフト21aのうちで、上記アウター側凹溝24、24を設けた部分の剛性を(凹部26、26を設けた部分の剛性よりも)小さくしている(弾性変形し易くしている)。
この様な本例の場合には、回転力の増大に伴って、各凸部27、27と各凹部26、26との側面同士を係合し(噛み合い)易くできる。この為、回転力(トルク)の伝達の際に、大きい回転力を上記側面同士により確実に分担でき、圧痕等の損傷をより生じにくくできる。しかも、上記各玉23、23に上記アウター側、インナー側各凹溝24、25に対する締め代を持たせた場合に、この締め代に対する自由度(許容度)を大きくできる(締め代に対し鈍感にできる)。即ち、(意識的であるか否かを問わず)上記締め代が大きくなっても、上記各アウター側凹溝24、24を設けた部分の剛性が小さい(弾性変形し易い)分、上記各玉23、23と当接するアウター側、インナー側各凹溝24、25に圧痕を生じにくくできる。又、この様に締め代が大きくなっても圧痕を生じにくくできる為、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25、並びに、上記各玉23、23の加工精度を高度に維持しなくて済み(寸法誤差を許容でき)、その分、廉価に構成できる(製造コストの低減を図れる)。しかも、上記締め代に基づく予圧(抵抗)が過度に大きくなる事を防止でき、インナーシャフト22とアウターシャフト21aとの回転方向のがたつき防止と軸方向相対変位(伸縮式回転伝達軸の伸縮)の円滑化との両立を、高次元で図れる。又、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25の摩耗に拘らず、長期に亙り必要な予圧(抵抗)を確保できる。尚、この様な本例の場合には、上記各玉23、23の締め代を、例えばこれら各玉23、23の外径の1/5〜1/1000程度にできる。
尚、本例の場合には、1対ずつの平坦部29、29を、上記アウターシャフト21aの外周面の円周方向2個所位置にそれぞれ設けているが、このアウターシャフト21aの捩り剛性を確保したい場合には、円周方向1個所位置に設けても良い。又、上記アウター側凹溝24、24の近傍部分には、大きな回転力(トルク)が加わらない(大きな回転力は各凹部26、26と各凸部27、27との側面同士が分担する)為、上述の様な平坦部29、29に代えて、例えば図6に示す様に、アウターシャフト21aの一部で、上記アウター側凹溝24を設けた部分の近傍(アウター側凹溝24から円周方向に少し外れた部分)に、上記アウターシャフト21aの軸方向に長いスリット溝30、30を、上記アウターシャフト21aの外周面から内周面まで貫通する状態で設ける事もできる。
又、本例の場合には、アウターシャフト21aの一部(アウター側凹溝24、24の近傍部分)を薄肉にしている(アウターシャフト21aを弾性変形し易くしている)が、インナーシャフト22を円筒状のものとすると共に、このインナーシャフト22の一部(インナー側凹溝25、25の近傍部分)を薄肉にする(インナーシャフト22を弾性変形し易くする)事もできる。勿論、インナーシャフト22とアウターシャフト21aとの両方の部材の一部(アウター側、インナー側各凹溝24、25の近傍部分)を薄肉にする事もできる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図7は、請求項1〜5、7に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合は、インナーシャフト22aのうちでインナー側凹溝25、25の近傍部分を弾性変形し易くしている(剛性を小さくしている)。この為に、本例の場合には、上記各玉23、23を円周方向に挟む状態で玉受部31、31を設けると共に、この玉受部31、31の肉厚(インナーシャフト22aの円周方向に関する肉厚)を、所望の弾性変形を得られる厚さに規制している。
尚、上記インナーシャフト22aの軽量化を図るべく、このインナーシャフト22aの外周面に、図7に二点鎖線で示す様な除肉部32、32を設ける事もできる。又、本例の場合には、インナーシャフト22aの玉受部31、31の肉厚を規制しているが、アウターシャフト21の内周面に玉受部を設け、この玉受部の肉厚を規制(弾性変形し易く、剛性を小さく)する事もできる。勿論、インナーシャフトとアウターシャフトとの両方の玉受部の肉厚を、所望の弾性変形を得られる厚さに規制する事もできる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜2例と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図8〜9は、請求項1〜5、7に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、アウターシャフト21bの外周面の円周方向1個所位置に平坦部33を設ける事により、このアウターシャフト21bの一部を、他の部分よりも薄肉にしている。尚、本例の場合は、上記平坦部33を、上記アウターシャフト21bの軸方向全体に亙り設けずに、軸方向に関して一部にのみ設け、薄肉にできない部分(例えば剛性を確保しなければならない部分等)の肉厚を確保している。又、本例の場合には、上記平坦部33を何れかのアウター側凹溝24の近傍部分に設ける事により、このアウター側凹溝24の近傍部分を弾性変形し易くしている(剛性を小さくしている)。そして、この様に何れかのアウター側凹溝24の近傍部分を弾性変形し易くする事により、加工精度のばらつきに拘らず、必要な締め代(締め代に基づく予圧)を確保しつつ(がたつきを防止しつつ)、ステアリングシャフト20の伸縮を円滑に行える様にしている。又、これと共に、大きな回転力(トルク)が加わった場合には、各凹部26、26と各凸部27、27との側面同士によりこの大きなトルクを確実に分担できる様にしている。
又、本例の場合には、アウター側、インナー側各凹溝24、25及び各凹部26、26並びに各凸部27、27を、アウターシャフト21b及びインナーシャフト22の円周方向等間隔複数個所に設けている。この為、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25がそれぞれ均一に弾性変形し易くなり、これら各凹溝24、25に圧痕等の損傷をより生じにくくできる。又、上記アウターシャフト21b並びにインナーシャフト22に、上記アウター側、インナー側各凹溝24、25及び各凹部26、26並びに各凸部27、27を形成する際に、これらアウターシャフト21b並びにインナーシャフト22を所望通りに形成し易くできる。即ち、例えば塑性加工に基づきシャフト21b、22の形成と共にこのシャフト21b、22に凹溝24、25及び各凹部26、26並びに各凸部27、27を形成する場合に、このシャフト21b、22の円周方向に関して均等に成型荷重を加える事ができ、このシャフト21b、22が例えば折れ曲がる方向や断面形状が歪む方向等に変形しにくくできる。この為、上記アウターシャフト21bとインナーシャフト22との軸方向相対変位(ステアリングシャフト20の伸縮)の円滑化と、円周方向のがたつき防止との両立を高度に図れる。
尚、本例の場合には、上記アウターシャフト21bのうちで、肉厚を小さくした薄肉部を、上述の様に単一の平坦部33を形成する事により構成している。この為、前述した実施の形態の第2例(図5参照)の構造の様な、1対の平坦部29、29と、この平坦部29、29に挟まれる状態で存在する曲面部34(図5参照)とを設ける場合に比べて、上記薄肉部の形成(切削)作業の容易化を図れる。
尚、図10に示す様に、平坦部33aから各玉23を露出させる事もできる。又、図11〜12に示す様に、薄肉部を1対の平坦部33b、33cを設ける事により構成する事もできる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜3例と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図13〜14は、請求項1〜5、7に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、アウターシャフト21cの外周面のうちで何れかのアウター側凹溝24と整合する位置に、これら外周面とアウター側凹溝24の底部とを貫通する状態で、スリット溝30aを設けている。そして、このアウター側凹溝24部分に配置した各玉26の表面と、アウター側、インナー側各凹溝24、25の内面との接触部の面圧上昇を抑えている。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第4例と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第6例]
図15〜16は、請求項6に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、インナーシャフト22及びアウターシャフト21(例えば図1〜2参照)の円周方向に関する玉23aの剛性を、同じく凸部27(例えば図1参照)の剛性に比べて小さくしている(玉23aの剛性≪凸部27の剛性としている)。即ち、回転力の伝達時に、この回転力の増大に伴って、凸部27と凹部26(例えば図1参照)との側面同士を係合し易くすべく、玉23aをこのうちの凸部27に比べて、形状の相違に基づく以上に、より弾性変形し易くしている。この為に本例の場合には、上記玉23aを中空のものとすると共に、この玉23aに内外両周面を貫通する状態でスリット35を設けている。この様なスリット35は、図15に示す様な曲線状(波状)のものとする事ができる他、例えば図16(A)に示す様な凸凹状としたり、同図(B)に示す様な直線状とする事もできる。
この様な本例の場合には、上記玉23aがより弾性変形し易くなる(剛性が小さい)分、この玉23aに上記アウター側、インナー側各凹溝24、25に対する締め代を持たせた場合にも、ステアリングシャフト20(例えば図1〜2参照)の伸縮時に、この締め代に拘らず、上記玉23aを転がり易くできる。又、上記玉23aを弾性変形し易くできる分、上記凹部26と上記凸部27との互いに対向する側面同士の間隔S(図1参照)を大きくできる。又、これと共に、上記玉23aや上記アウター側、インナー側各凹溝24、25、上記凹部26、上記凸部27、延いては、これらアウター側、インナー側各凹溝24、25や凹部26並びに凸部27を設けたアウターシャフト21及びインナーシャフト22の形状精度、寸法精度を、高度に確保する必要もなくなる。又、これらアウターシャフト21やインナーシャフト22を弾性変形し易くする必要もなくなり{例えば、肉厚を調節したり、平坦部29、33、33a〜33c(図5、8〜12)やスリット溝30、30a(図6、13、14)を設ける必要がなくなり}、その分、これらアウターシャフト21やインナーシャフト22の加工の容易化を図れる。
尚、本例の場合には、玉23aを中空にすると共にスリット35を設けているが、例えばこの玉23aを充実体とする事もできる。この様に玉23aを充実体とした場合には、例えば、この玉23aを構成する材料により、所望の弾性を得られる様にする。例えば、この玉23aを構成する素材として、一般的な軸受鋼とはヤング率の異なる(軸受鋼に比べてヤング率が低い)、ステンレス鋼や、鋳鉄、アルミニウム合金、銅、黄銅(真鍮)、合成樹脂等を採用する事ができる。又、上記玉23aの表面に、この表面から凹入する状態で凹部を設ける事により、この玉23aの表面微小範囲でのつぶれ剛性を小さくし、所望の弾性を得られる様にする事もできる。又、この玉23aの表面に硬質クロムメッキ等の表面処理を施して、所望の弾性を得られる様にしても良い。何れの場合にも、玉23aの弾性を調節する(玉23aの弾性係数、弾性領域等を調節する)事により、図17に示す様に、初期捩り剛性や、上記凹部26と凸部27との側面同士が回転力を分担し始めるタイミング等を所望に調整できる。この為、車両に求められる操舵特性に合わせた最適設定を容易に行える。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜5例と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第7例]
図18は、請求項1〜5に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合には、アウター側、インナー側各凹溝24、25を、アウターシャフト21d及びインナーシャフト22bの径方向反対側(180度反対側)位置に、それぞれ2本ずつ設けている。又、これら2本ずつのアウター側、インナー側各凹溝24、25同士の間に、それぞれ凹部26、26と凸部27、27とを設けている。又、本例の場合には、円筒状の上記アウターシャフト21dの一部の肉厚t1、即ち、上記各アウター側凹溝24、24を設けた部分の肉厚t1を、これら各アウター側凹溝24、24から外れた部分の肉厚t2に比べて小さくしている。
この様な本例の場合は、2本ずつのアウター側、インナー側各凹溝24、25並びに1対の凹部26と凸部27とを、径方向反対側(180度反対側)位置にそれぞれ設けている為、上記アウター側凹溝24、24を設けたアウターシャフト21dを弾性変形し易くできる。即ち、このアウターシャフト21dを、上記各アウター側凹溝24、24を設けた方向を長径とする楕円形に弾性変形し易くできる。この為、上記各玉23、23の締め代に対する変形抵抗を鈍感に(小さく)でき、この締め代に拘らず、圧痕等の損傷を生じにくくできる。又、本例の場合には、上記アウターシャフト21dのうちで、肉厚が小さい部分であるアウター側凹溝24、24を設けた部分が弾性変形し易くなり、これら各アウター側凹溝24、24に圧痕を生じにくくできる。又、これと共に、回転力の増大に伴って、上記各凸部27、27と各凹部26、26との側面同士を係合し易く(噛み合い易く)できる。この為、上記回転力の伝達の際に、これら各側面同士により大きいトルクを確実に分担でき、この面からも、圧痕等の損傷を生じにくくできる。しかも、上記肉厚t1、t2を調節する事で、上記回転力を伝達する際に、上記各側面同士が回転力(トルク)を分担し始めるタイミングを調整し易くできる(所望のタイミングに規制し易くできる)。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜6例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[本発明を実施する場合の留意点]
本発明は、以上に述べた各実施の形態の構造に限らず、これら各実施の形態の構造を適宜組み合わせる等、種々の構造で実施可能である。又、構成各部の形状、構造、材質に就いても、各種変更実施できる。
本発明の伸縮式回転伝達軸は、例えば前述の図19に示した、電動式パワーステアリング装置を備えた自動車用操舵装置の構成部材のうち、中間シャフト5に適用して、大きな効果を得られる。但し、この中間シャフト5に限らず、ステアリングコラム9の内側に配置するステアリングシャフト3(20)として実施する事もできる。更には、自動車用操舵装置を構成するシャフトに限らず、工作機械、遊具等、各種回転機械装置を構成する回転伝達用シャフトとして実施する事もできる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図2の上下方向に切断して凸部と凹部との係合部を真上にした状態で示す断面図。 図1のイ−イ断面に相当する図。 凹溝の断面形状を単一円弧とした、図1のロ部に相当する図で、(A)は回転力(トルク)が加わっていない状態(無負荷時)を、(B)は回転力(トルク)が加わった状態を、それぞれ示している。 凹溝の断面形状をゴシックアーチとした、図1のロ部に相当する図で、(A)は回転力(トルク)が加わっていない状態(無負荷時)を、(B)は回転力(トルク)が加わった状態を、それぞれ示している。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。 別例を示す、図5のハ矢印方向から見た図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図1と同様の図。 同第4例を示す部分斜視図。 図8のニ−ニ断面図。 別例の第1例を示す図9と同様の図。 別例の第2例を示す図8と同様の図。 図11のホ−ホ断面図。 本発明の実施の形態の第5例を示す部分斜視図。 図13のヘ−ヘ断面図。 本発明の実施の形態の第6例を、玉のみを取り出して示す正面図。 玉に形成するスリットの別の2例を示す図。 捩れ角と回転力(トルク)との関係を示す線図。 本発明の実施の形態の第7例を示す、図1と同様の図。 自動車用操舵装置の1例を示す、部分縦断側面図。 従来から知られている伸縮式回転伝達軸の1例を示す断面図。 同分解斜視図。 捩れ角と回転力(トルク)との関係を説明する為の線図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3、3a ステアリングシャフト
4a、4b 自在継手
5 中間シャフト
6 入力軸
7 タイロッド
8 電動モータ
9 ステアリングコラム
10、10a アウターシャフト
11、11a インナーシャフト
12 アウターコラム
13 インナーコラム
14 鋼球
15 保持器
16 弾性部材
17 円柱部材
18 アウター側凹溝
19 インナー側凹溝
20 ステアリングシャフト
21、21a、21b、21c、21d アウターシャフト
22、22a、22b インナーシャフト
23 玉
24、24a アウター側凹溝
25、25a インナー側凹溝
26 凹部
27 凸部
28 保持器
29 平坦部
30、30a スリット溝
31 玉受部
32 除肉部
33、33a、33b、33c 平坦部
34 曲面部
35 スリット

Claims (7)

  1. 外周面の円周方向の少なくとも1個所に、径方向内方に凹入したインナー側凹溝を軸方向に設けたインナーシャフトと、内周面の円周方向の少なくとも1個所で上記インナー側凹溝と整合する位置に、径方向外方に凹入したアウター側凹溝を軸方向に設けた、上記インナーシャフトを挿入自在なアウターシャフトと、上記インナー側凹溝と上記アウター側凹溝との間に設けられた少なくとも1個の玉とを備え、上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとを、互いの間での回転力の伝達及び軸方向の相対変位を可能に組み合わせた
    伸縮式回転伝達軸に於いて、
    上記インナーシャフトの外周面と上記アウターシャフトの内周面とのうちの一方の周面に、この一方の周面から径方向に凹入する状態で凹部を、これら両周面のうちの他方の周面から径方向に突出する状態で凸部を、それぞれ設けると共に、この凸部を上記凹部内に進入させ、これら凹部と凸部との互いに円周方向に対向する側面同士を、上記回転力の大きさに応じて係合可能としており、
    更に、上記インナー、アウター両シャフトの中立状態で、上記玉の表面を、上記インナー側凹溝とアウター側凹溝とのうちの少なくとも何れかの凹溝の内面のうちの溝底部で接触させた
    事を特徴とする伸縮式回転伝達軸。
  2. 凹部と凸部との互いに円周方向に対向する側面同士の圧力角を、凹溝の溝底部で接触させた玉の表面と当該凹溝の内面との接触部の圧力角よりも小さくした、
    請求項1に記載した伸縮式回転伝達軸。
  3. アウターシャフトとインナーシャフトとの間に回転力が加わらない中立位置での、これらインナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向に関する、凹部と凸部との互いに対向する側面同士の間隔を、同じく円周方向に関する、インナー側、アウター側各凹溝と玉との間隔よりも大きくした、
    請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
  4. 玉に、インナー側、アウター側各凹溝に対する締め代を持たせた、
    請求項3に記載した伸縮式回転伝達軸。
  5. インナーシャフトとアウターシャフトとのうちの少なくとも一方のシャフトのうちで、凹溝を設けた部分の剛性を、同じく凹部又は凸部を設けた部分の剛性よりも小さくした、
    請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
  6. インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向に関する玉の剛性を、同じく円周方向に関する凸部の剛性に比べて小さくした、
    請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
  7. インナー側、アウター側各凹溝を、インナーシャフト及びアウターシャフトの円周方向等間隔複数個所に設けた、
    請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した伸縮式回転伝達軸。
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