JP2010096004A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温による還元剤噴射弁の熱損傷や還元触媒の熱劣化を防止しつつ、フィルタの排気下流側に設けられた還元触媒を速やかに昇温させることができる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】排気通路は、還元剤噴射弁よりも上流側で分岐し、還元剤噴射弁よりも下流側かつ還元触媒よりも上流側で合流する第1の通路及び第2の通路を備えるとともに、第1の通路に還元剤噴射弁が設けられており、第2の通路に設けられ第2の通路を流れる排気ガスを加熱するための加熱手段と、第2の通路への排気ガスの流入を制御するための流入切替手段と、加熱手段及び流入切替手段を制御するための制御部とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関し、特に、パティキュレートフィルタ、還元剤噴射弁及び還元触媒が排気上流側から順次に設けられた内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関から排出される排気ガス中には、排気微粒子(以下、「PM」と称する。)や窒素酸化物(以下、「NOX」と称する。)が含まれている。そのため、従来、内燃機関の排気通路に、PMを捕集するためのパティキュレートフィルタ(以下、単に「フィルタ」と称する。)と、NOXを還元するための還元触媒とが備えられ、排気ガスの浄化が行われる排気浄化装置が実用化されている。また、この還元触媒の一態様として、還元触媒の上流側で供給される還元剤を用いて、排気ガス中のNOXを選択的に還元する還元触媒がある。
ここで、フィルタには、PMの捕集量が増大すると目詰まりを生じるという問題がある。そのため、フィルタが用いられる場合には、捕集されたPMを燃焼してフィルタを再生させる再生制御が行われる。フィルタの再生制御方法としては、例えば、フィルタの排気上流側に酸化触媒を設け、内燃機関の運転状態を制御する等の方法により酸化触媒に未燃燃料(HC)を供給して酸化反応を生じさせ、この酸化反応によって生じる排気熱を利用してフィルタに捕集されたPMを燃焼させる方法が知られている。また、これ以外にも、バーナや電熱線等の加熱手段をフィルタの上流側に設け、再生制御を行う際に加熱手段を作動させてフィルタの再生を行う方法もある。
フィルタの上流側に酸化触媒を設け、内燃機関の運転状態を制御して排気ガスに未燃燃料を含ませて酸化触媒に供給する再生制御を行う場合、この再生制御には相当程度の排気ガスの温度が必要となる。そのため、フィルタ、還元触媒及び還元剤噴射弁を備えた排気浄化装置において、フィルタが、還元剤噴射弁や還元触媒よりも排気上流側に設けられる場合がある。また、還元触媒がフィルタよりも上流側に設けられると、還元触媒にPMが付着するおそれがあることからも、図10に示すように、フィルタ300が、還元剤噴射弁301や還元触媒302よりも排気上流側に設けられる場合がある(例えば、特許文献1参照)。
一方、還元触媒は、その温度が活性温度未満であるとNOXの還元効率が著しく低下するという性質を有しており、還元触媒の温度が低い場合には、NOXの還元が効率的に進行せず、未浄化の排気ガスが大気中に放出されるおそれが生じる。そのため、例えば内燃機関の冷間始動時等、還元触媒の温度が活性温度に達しないような運転条件下においては、必要に応じて還元触媒の昇温制御が行われる。
還元触媒の昇温制御方法についても、還元触媒の排気上流側に設けた酸化触媒による酸化熱を利用する方法や、加熱手段を利用する方法が提案されている。例えば、フィルタを備えていない例ではあるが、図11に示すように、ヒータ303等の加熱手段と、還元剤噴射弁304と、還元触媒305とを排気上流側から順次に備えた排気浄化装置が開示されている(例えば、特許文献2)。
特開2008−138583号公報 (図1) 特開2005−256727号公報 (図1)
ところで、特許文献1に記載の排気浄化装置のように、フィルタが還元触媒の上流側に設けられている排気浄化装置においては、内燃機関から排出された排気ガスが、還元触媒に到達する前にフィルタを通過する構成となっている。このような排気浄化装置では、フィルタの上流側に酸化触媒や加熱手段を設け、フィルタの再生制御と同じ方法によって排気ガスを昇温させて還元触媒の昇温制御を試みたとしても、フィルタの熱容量が比較的大きく、フィルタに熱を奪われやすいために、還元触媒の昇温活性化に時間がかかるおそれがある。特に、還元触媒も熱容量が比較的大きく、還元触媒が昇温活性化するために比較的多くの熱量が必要であることも相俟って、還元触媒の昇温活性化に時間がかかってしまう。その結果、排気ガス中のNOXの還元が効率的に行われるまでに時間を要し、その間、未浄化の排気ガスが大気中に放出されてしまうことになる。
一方、フィルタが還元触媒の上流側に設けられている排気浄化装置において、還元触媒を効率的に昇温させるためには、特許文献2に記載されたように還元触媒の上流側にバーナ等の加熱手段を設けることが有効と考えられるが、還元剤噴射弁は高温に弱く、加熱手段を還元剤噴射弁の上流側に設けた場合、加熱手段によって還元剤噴射弁の熱損傷を生じるおそれがある。また、加熱手段を還元剤噴射弁よりも下流側かつ還元触媒よりも上流側に設けた場合、還元剤噴射弁と還元触媒とは極端に離されて設けられることがないことからも、還元触媒が直接加熱手段に晒され、還元触媒の熱劣化を生じるおそれがある。
そこで、本発明の発明者は以上の問題を鋭意検討した結果、還元剤噴射弁よりも上流側で分岐し、還元剤噴射弁よりも下流側かつ還元触媒よりも上流側で合流する第1の通路及び第2の通路を設け、一方の第1の通路に還元剤噴射弁を備えるとともに他方の第2の通路に加熱手段を備え、第2の通路を流れる排気ガスの流量を調整する手段を備えることにより、このような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は、高温による還元剤噴射弁の熱損傷や還元触媒の熱劣化を防止しつつ、フィルタの排気下流側に設けられた還元触媒を速やかに昇温させることができる内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、内燃機関の排気通路に備えられ、排気ガス中の排気微粒子を捕集するパティキュレートフィルタと、排気通路中に還元剤を噴射する還元剤噴射弁と、還元剤を用いて排気ガス中のNOXを還元する還元触媒と、が排気上流側から順次に設けられた内燃機関の排気浄化装置において、排気通路は、還元剤噴射弁よりも上流側で分岐し、還元剤噴射弁よりも下流側かつ還元触媒よりも上流側で合流する第1の通路及び第2の通路を備えるとともに、第1の通路に還元剤噴射弁が設けられており、第2の通路に設けられ第2の通路を流れる排気ガスを加熱するための加熱手段と、第2の通路への排気ガスの流入を制御するための流入切替手段と、加熱手段及び流入切替手段を制御するための制御部と、を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置を構成するにあたり、第1の通路及び第2の通路は、パティキュレートフィルタよりも下流側かつ還元剤噴射弁よりも上流側で分岐することが好ましい。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置を構成するにあたり、加熱手段がバーナであって、第2の通路は、バーナから放射される火炎を衝突させる火炎衝突部を備えることが好ましい。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置を構成するにあたり、内燃機関から排出される排気ガスの流量全体に対して、第2の通路を流れる排気ガスの流量割合を50%以下とすることが好ましい。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置を構成するにあたり、制御部は、還元触媒の温度が所定の閾値以上であるか否かを判定する触媒温度判定部と、触媒温度判定部による判定結果に基づいて流入切替手段の制御を行う流入切替制御部と、触媒温度判定部による判定結果に基づいて加熱手段の制御を行う加熱手段制御部と、を備えることが好ましい。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置を構成するにあたり、制御部は、還元触媒の温度が所定の閾値未満の場合には加熱手段を停止させるとともに全量の排気ガスを第1の通路に流すように制御する一方、還元触媒の温度が所定の閾値以上である場合には加熱手段を作動させるとともに第1の通路及び第2の通路それぞれに排気ガスを流すように制御することが好ましい。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置を構成するにあたり、制御部は、加熱手段の作動時において加熱手段としてのバーナの燃焼温度が600℃以上になるように加熱手段の出力を制御することが好ましい。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置を構成するにあたり、制御部は、内燃機関の運転状態に基づいて加熱手段の作動の可否を判定する加熱手段作動判定部を備えることが好ましい。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置を構成するにあたり、加熱手段がバーナである場合に、加熱手段作動判定部は、バーナの作動時においてバーナが失火するおそれがあるか否かを判定し、バーナが失火するおそれがあると判定されたときに、加熱手段制御部がバーナを停止させるか、又は流入切替制御部が第2の通路を流れる排気ガスの流量を減少させることが好ましい。
本発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、還元剤噴射弁よりも上流側で分岐し、還元剤噴射弁よりも下流側かつ還元触媒よりも上流側で合流する第1の通路及び第2の通路に排気通路が分岐し、還元剤噴射弁が設けられた第1の通路とは異なる第2の通路に、排気ガスを加熱するための加熱手段が備えられている。したがって、加熱手段によって高温にされた排気ガスの熱量がフィルタに奪われることなく、高温の排気ガスが効率よく還元触媒に流入し、還元触媒が速やかに昇温させられる。また、還元剤噴射弁が設けられた第1の通路とは異なる第2の通路に、排気ガスを加熱するための加熱手段が備えられているために、還元剤噴射弁が高温の排気ガスに晒されることがなく、また、還元触媒が加熱手段に直接晒されることがない。したがって、還元剤噴射弁の熱損傷や還元触媒の熱劣化が防止される。
さらに、本発明の内燃機関の排気浄化装置は、加熱手段が設けられた第2の通路への排気ガスの流入を制御するための流入切替手段を備えているために、還元触媒を昇温させる必要がない場合においては全量の排気ガスが第1の通路に流され、還元剤と排気ガスとの衝突による還元剤の分散、蒸発が促進される。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置において、第1の通路及び第2の通路がフィルタの下流側かつ還元剤噴射弁の上流側で分岐することにより、すべての排気ガスがフィルタを通過させられるため、PMが還元触媒に付着したり大気中に放出されたりすることがない。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置において、加熱手段がバーナである場合に、第2の通路が火炎衝突部を備えることにより、還元触媒がバーナから放射された火炎に直接晒されることが防止される。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置において、排気ガスの全量に対して、第2の通路を流れる排気ガスの流量割合が50%以下であることにより、第1の通路に設けられた還元剤噴射弁から噴射される還元剤の分裂、蒸発効果を著しく低下させるおそれがなく、また、加熱手段の作動時に、著しく高温の排気ガスが還元触媒に流入することが防止される。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置において、制御部が、触媒温度判定部と、流入切替制御部と、加熱手段制御部とを備えることにより、還元触媒の昇温の必要性に応じて、第2の通路を流れる排気ガスの流量を調整しながら当該排気ガスを加熱することができる。したがって、還元剤噴射弁の熱損傷や還元触媒の熱劣化が防止されつつ、還元触媒の速やかな昇温が効率的に行われる。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置において、制御部が、還元触媒の昇温が必要でない場合に加熱手段を停止させ全量の排気ガスを第1の通路に流すように制御することにより、還元触媒が活性状態にある場合には、全量の排気ガスが第1の通路に流され、還元剤の分裂、蒸発が促進される。また、制御部が、還元触媒の昇温が必要な場合に第1の通路及び第2の通路に排気ガスを流し加熱手段を作動させることにより、還元触媒の昇温活性化が必要な場合には、還元触媒に流入する排気ガスを加熱することができるとともに、第1の通路及び第2の通路への排気ガスの流量の割合によって、還元触媒が過度の高温に晒されることが防止される。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置において、制御部が、燃焼温度が600℃以上になるように加熱手段としてのバーナの出力を制御することにより、バーナから未燃のままの燃料が噴射されることが防止される。したがって、還元触媒への未燃燃料の付着や、大気中への未燃燃料の放出が防止される。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置において、制御部が、所定の加熱手段作動判定部を備えることにより、還元触媒の温度が閾値未満の場合であっても、還元触媒の昇温が不要な時期や加熱手段の作動の安定性が確保されにくい状況での加熱手段の作動が抑えられる。
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置において、加熱手段がバーナである場合に、加熱手段作動判定部がバーナが失火するおそれがあると判定したときに、バーナを停止するか、又は第2の通路を流れる排気ガスの流量を減少させることにより、バーナの作動時において失火の発生が防止される。
以下、本発明の内燃機関の排気浄化装置に関する実施の形態について、適宜図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、この実施の形態は本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものについては同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
[第1の実施の形態]
1.内燃機関の排気浄化装置の全体的構成
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる内燃機関の排気浄化装置(以下、単に「排気浄化装置」と称する。)10の全体構成を示している。
この排気浄化装置10は、内燃機関11に接続された排気通路12を備えている。この排気通路12は、上流側排気通路12aと下流側排気通路12bとを含むとともに、上流側排気通路12aと下流側排気通路12bとの間は、分岐する第1の通路13及び第2の通路14を備えた排気ガス調整部50で接続されている。上流側排気通路12aと排気ガス調整部50、及び下流側排気通路12bと排気ガス調整部50は、それぞれ、端部に設けられた取付フランジ15a、15b、15c、15dによって互いに連結されている。
上流側排気通路12aには上流側から酸化触媒19及びフィルタ20が設けられている。また、下流側排気通路12bには還元触媒21が設けられるとともに、還元触媒21の上流側及び下流側にそれぞれ温度センサ24、25が取付けられている。さらに、排気ガス調整部50のうち、第1の通路13には還元剤噴射弁27が設けられ、第2の通路14には加熱手段としてのバーナ70及び流入切替手段60が設けられている。この排気浄化装置10には、還元剤噴射弁27やバーナ70、流入切替手段60の制御を行う制御部30が備えられている。
上流側排気通路12aに設けられたフィルタ20は、排気ガス中のPMを捕集するためのものであり、例えば、セラミック材料から構成されたハニカム構造のフィルタをはじめとする公知のフィルタが用いられる。
また、フィルタ20の排気上流側に設けられた酸化触媒19は、主として、フィルタ20の再生制御に用いられ、内燃機関11の運転状態の制御によって排気ガスに含まれた未燃燃料を酸化して、この酸化熱によって、フィルタ20に捕集されたPMを燃焼させる。酸化触媒19は、例えば、アルミナに白金を担持させたものに所定量のセリウム等の希土類元素を添加したものをはじめとして、公知の酸化触媒が用いられる。
下流側排気通路12bに設けられた還元触媒21は、還元剤噴射弁27から供給された還元剤を用いて排気ガス中のNOXを還元するものである。還元触媒21としては、例えば、多孔質担体上に、活性成分としてのストロンチウム又はバリウム、及びマグネシウム等のアルカリ土類金属や、セリウムとランタン等の希土類金属、白金とロジウム等の貴金属等を含むものをはじめとして、公知の還元触媒が用いられる。この還元触媒21は、触媒温度が活性温度未満であるとNOXの還元効率が低下する特性を有している。
2.排気ガス調整部
図2(a)〜(c)、図3及び図4は、本実施形態の排気浄化装置10における、排気ガス調整部50の構成を詳細に示している。図2(b)は、図2(a)の排気ガス調整部50を矢印X方向に見た図であり、図2(c)は、図2(a)の排気ガス調整部50を背面側から見た図である。また、図3は図2(a)のYY断面図であり、図4は図2(b)のZZ断面図である。
(1)第1の通路の構成
排気ガス調整部50の第1の通路13に設けられた還元剤噴射弁27は、還元触媒の上流側で排気ガス中に還元剤を供給するためのものであり、例えば、通電制御により弁の開閉がON−OFFで制御されるON−OFF弁が用いられる。この還元剤噴射弁27は、精密な開弁動作を達成するための電磁制御部分や樹脂部分を含んで構成される。
還元剤噴射弁27によって噴射される還元剤は、例えば、尿素水溶液が用いられる。尿素水溶液が還元剤として用いられる場合、排気ガス中に供給された尿素水溶液が排気熱によって分解され、アンモニアが生成される。そして、アンモニアと排気ガス中のNOXとが還元触媒中で還元反応を生じ、NOXが窒素(N2)と水(H2O)とに浄化される。使用できる還元剤はアンモニアが生成されるものに限られず、還元触媒の種類に応じて未燃燃料(HC)等が用いられる場合がある。
本実施形態の排気浄化装置10では、第1の通路13が屈曲部13aを有し、この屈曲部13aに還元剤噴射弁27が固定され、還元剤噴射弁27からの還元剤の噴射形状の中心軸と屈曲部13aより下流側の第1の通路13の中心軸とが一致している。還元剤噴射弁27がこのように配置されているために、第1の通路13を流れる排気ガスの流れ方向に沿って還元剤を噴射することができ、還元剤を排気ガス中に均一に分布させることができるとともに、還元剤噴射弁27の放熱性が効率化されている。ただし、還元剤噴射弁27は、屈曲部13a以外に固定されていてもよい。
また、本実施形態の排気浄化装置10では、還元剤噴射弁27よりも下流側の第1の通路13に、排気ガスと還元剤との混合、拡散を促進させるためのミキサ18が設けられている。ミキサ18の形態は特に制限されるものではなく、種々のミキサが用いられる。また、ミキサ18を設ける位置は、還元剤噴射弁27よりも下流側かつ還元触媒よりも上流側であれば特に制限されるものではない。例えば、第1の通路13及び第2の通路14の合流部分17よりも下流側かつ還元触媒よりも上流側にミキサを設けてもよい。この位置にミキサを設けた場合には、還元触媒の昇温時において、還元剤のみならず、第2の通路14を通ってきた高温の排気ガスが持つ熱量をも拡散させることができる。さらに、この位置にミキサを設けた場合には、ミキサに還元剤の結晶が生じたとしても、高温の排気ガスが持つ熱量によって、結晶化した還元剤を溶解させることができる。
(2)第2の通路の構成
第2の通路14は、導入管51と、流入切替手段60のハウジング61と、バーナカバー52とによって構成されており、導入管51の下流側に流入切替手段60のハウジング61が接続されるとともに、ハウジング61の下流側にバーナカバー52が接続されている。
(2)−1 加熱手段
排気ガス調整部50の第2の通路14に設けられる加熱手段としては、電熱線やバーナ等が用いられるが、本実施形態の排気浄化装置10では、バーナ70が用いられている。本実施形態の排気浄化装置10に備えられたバーナ70は、図3に示すように、ノズル71の軸方向孔71a内に、燃料を加熱するためのグロープラグ72が配置され、このグロープラグ72の先端側の加熱部73とノズル71との間隙に燃料及び空気を供給するエアアシスト式のバーナ70である。燃料の着火手段としてグロープラグ72が用いられることで、燃料温度が上昇させられて燃料の粘性が低下し、当該燃料の微粒化や燃料着火の促進が図られる。
また、本実施形態の排気浄化装置10では、バーナ70に空気を供給する手段として、低出力のピストンポンプ(図示せず。)が用いられている。低出力のピストンポンプであれば、バーナ70が着火しない間にピストンポンプが駆動しても排気温度を低下させるおそれがない。また、エアアシスト式のバーナ70であれば、バーナ70の停止時に空気を供給してノズル71と加熱部73との間の間隙に生じたコンタミの除去や、当該間隙の洗浄が容易になる。ただし、使用できる加熱手段は上述した例に制限されない。
また、バーナ70は、還元触媒の上流側の温度センサ(図1の24)や、あるいはバーナカバー52又は第1の通路13に設けられた図示しない温度センサで検出される排気ガス温度の値に基づいて推定されるバーナ70の燃焼温度が600℃以上となるように燃料が供給される。推定される燃焼温度が600℃以上になっている状態においては、火炎に混じって大量の未燃燃料が排出されることがないため、還元触媒への未燃燃料の付着や、未燃燃料の大気中への放出が防止される。
(2)−2 バーナカバー
バーナ70は、ノズル71の先端部がバーナカバー52内に臨むようにバーナカバー52に取付けられている。バーナカバー52は、排気ガスの流入方向と流出方向とを90度に屈曲させている。また、図3及び図4に示すように、バーナカバー52の内部は、流入切替手段60のハウジング61側に設けられた第1の小室52aと、バーナ70から放射される火炎が導かれる第2の小室52bと、第2の小室52bと連通し、排気ガスを第1の通路との合流部分に導く大室52cとに区画されている。
バーナカバー52内の大室52cには円筒燃焼管53が配設されており、この円筒燃焼管53の外周面には排気ガス導入通路54が設けられ、排気ガス導入通路54の端部54aはバーナカバー52内の流入切替手段60のハウジング61側に設けられた第1の小室52aに臨んでいる。また、円筒燃焼管53の排気ガス導入通路54は、円筒燃焼管53の中心軸からオフセットされており、排気ガス導入通路54を介して円筒燃焼管53内に流れ込む排気ガスによって、円筒燃焼管53内にスワール流が形成される。そのため、バーナ70によって放射された火炎の熱量と排気ガスとの混合性や燃焼性の促進が図られる。
また、円筒燃焼管53の一端は、バーナ70を包囲するようにバーナカバー52の側壁に固定されるとともに、円筒燃焼管53の他端は第2の小室52bに臨んでいる。このように、円筒燃焼管53の軸方向は、バーナカバー52への排気ガスの流入方向と90度をなし、また、バーナカバー52からの排気ガスの流出方向とも90度をなしている。
第2の通路14がこのように構成された排気ガス調整部50では、第1の小室52aから円筒燃焼管53内に導入された排気ガスは、スワール流を形成しながら第2の小室52bに向かって進行する。円筒燃焼管53内でバーナ70によって加熱された排気ガスは、第2の小室52bに導かれると火炎衝突部55としてのバーナカバー52の側壁に衝突した後、大室52cに流れ込み、第1の通路13との合流部分17に導かれる。
バーナカバー52が上述のように構成され、バーナ70から還元触媒までの排気通路が直線的ではない構成となっているため、バーナ70を用いて排気ガスが加熱される場合において、バーナ70から放射される火炎が長く延びた場合であっても火炎衝突部55に衝突するため、還元触媒が火炎に直接晒されることが防止される。したがって、還元触媒の熱劣化が防止される。
(2)−3 流入切替手段
また、バーナカバー52の上流側に設けられた流入切替手段60は、第2の通路14を流れる排気ガスの流量を調整するための手段であり、本実施形態の排気浄化装置10では、エアシリンダ62でバルブの開閉が制御されるエアシリンダ式のON−OFF弁が用いられている。本実施形態の排気浄化装置10では、流入切替手段60が第2の通路14に設けられているが、流入切替手段60の取付け位置については特に制限されるものではなく、第1の通路13と第2の通路14の分岐部分16に取付けたり、上流側排気通路12aに取付けたりしてもよい。
また、本実施形態の排気浄化装置10では、流入切替手段60としてON−OFF弁が用いられていることから、第2の通路14は、ON−OFF弁の開弁時においても、第2の通路14を流れる排気流量が排気ガスの全量の50%以下になるように構成されている。この第2の通路14を流れる排気ガスの流量割合は、第2の通路14の全部又は一部の有効通路面積を変えることで調節することができる。第2の通路14を流れる排気ガスの流量割合を所定割合以下に設定することによって、バーナ70の燃焼時に、第2の通路14に大量の排気ガスが流れることによるバーナ70の失火が防止される。
ただし、流入切替手段60はON−OFF弁以外にも、種々の構成を採用することができ、例えば、ステッピングモータ等でバルブ開度が調整可能な流入切替手段であってもよい。バルブ開度が調整可能な流入切替手段が用いられる場合、第2の通路14を流れる排気ガスの流量が調整可能になり、第1の通路13を流れる排気ガスと第2の通路14を流れる高温の排気ガスとが混合された後の排気ガスの温度を調節できる。また、内燃機関の運転状態が急激に変化して排気ガスの流量が増加した場合に、第2の通路14を流れる排気ガスの流量が絞られることによって、バーナ70の失火が防止される。
本実施形態の排気浄化装置10では、流入切替手段60とバーナ70とがこの順序で第2の通路に設けられているが、流入切替手段60とバーナ70との配置順序は逆であっても構わない。ただし、バーナの上流側に流入切替手段を設けた場合には、流入切替手段が、バーナによって高温に加熱された排気ガスにより熱負荷を受けるおそれがなくなる。
(3)合流部分の構成
また、図4に示すように、排気ガス調整部50の第1の通路13及び第2の通路14の合流部分17において、第1の通路13の外周面には複数の排気ガス導入孔29が設けられ、さらにその外側を被覆するように第2の通路14を構成するバーナカバー52が接続されている。第1の通路13及び第2の通路14の合流部分17がこのように構成されていることにより、第1の通路13内を流れる排気ガスに対して、第2の通路14を流れる高温の排気ガスが360度周囲方向から流入する。そのため、第1の通路13内を流れる排気ガスに対して第2の通路14から流れてくる高温の排気ガスが十分に混合され、還元触媒の入口面全体に対して還元剤及び排気ガスの熱量がムラなく均一に流入する。
なお、本実施形態の排気浄化装置10は、フィルタの下流側で第1の通路13と第2の通路14とが分岐しているが、分岐部分16はフィルタの上流側であってもよい。ただし、フィルタの下流側で第1の通路13と第2の通路14とを分岐させれば、排気ガスの一部を第2の通路14に流してバーナ70によって加熱する期間中にも全量の排気ガスがフィルタを通過する。そのため、排気微粒子が第2の通路14や還元触媒に付着したり、大気中に放出されたりすることが防止される。
3.制御部
次に、本実施形態の排気浄化装置10に備えられた制御部30について、図5を用いて説明する。図5は、制御部30のうち、バーナ70及び流入切替手段60の動作制御に関する部分について機能的なブロックに表された構成例を示している。
この制御部30は、還元触媒の温度を演算する触媒温度演算部(図5では「触媒温度演算」と表記。)と、還元触媒の温度が所定の閾値以上であるか否かを判定する触媒温度判定部(図5では「触媒温度判定」と表記。)と、内燃機関の運転状態に基づいてバーナ70の作動の可否を判定するバーナ作動判定部(図5では「バーナ作動判定」と表記。)と、触媒温度判定部及びバーナ作動判定部の判定結果に基づいてバーナ70の出力を制御するバーナ制御部(図5では「バーナ制御」と表記。)と、触媒温度判定部及びバーナ作動判定部の判定結果に基づいて流入切替手段60を制御する流入切替制御部(図5では「流入切替制御」と表記。)等を主要な要素として構成されている。これらの各部は、具体的にはマイクロコンピュータ(図示せず)によるプログラムの実行によって実現される。
触媒温度演算部は、還元触媒の上流側の温度センサのセンサ値Tgu及び還元触媒の下流側の温度センサのセンサ値Tglに基づいて還元触媒の温度Tcatを演算により推定する部分である。算出された還元触媒の温度は触媒温度判定部に出力される。ただし、還元触媒の温度Tcatの推定方法は上述した例に限られない。
触媒温度判定部は、還元触媒の温度を所定の閾値以上であるか否かの判定を行い、還元触媒が活性化状態にあるか否かを推定する部分である。本実施形態の排気浄化装置において、触媒温度判定部は、触媒温度演算部で算出した還元触媒の温度Tcatが活性温度Tact未満であるか否かの判定を行う。還元触媒の活性温度Tactは一般的に200〜250℃程度の値であるため、閾値の値は、例えば、使用される還元触媒の特性により200〜250℃の範囲内で選択され設定される。
バーナ作動判定部は、内燃機関の運転状態に基づいてバーナ70の作動の可否を判定する部分である。還元触媒が活性化状態にないとしてもバーナ70を作動させたくない場合があるために、バーナ作動判定部がバーナ70の作動の可否を判定する。本実施形態の排気浄化装置において、バーナ作動判定部は、内燃機関の回転数Neや内燃機関への燃料噴射量Q等を検出するとともに、当該回転数Neや燃料噴射量Q等を考慮して内燃機関の運転状態を推定し、バーナ70の作動の可否の判定を行う。
例えば、車両が下り坂を走行中でエンジンブレーキを使用している場合等、内燃機関から排出されるNOX流量が少ない運転状態の場合には還元触媒を昇温させる必要がないため、バーナ作動判定部はバーナ70の作動を待機するよう指示する。また、内燃機関の回転数Neの急増によって排気ガスの流量や流速が増加する場合にはバーナ70の失火のおそれがあるため、バーナ作動判定部はバーナ70の作動を待機するよう指示する。
なお、バーナ70の失火防止を防ぐ観点では、上流側排気通路や第2の通路等に排気流量センサや排気流速センサを取り付け、これらのセンサ値に基づいて、バーナ70の失火のおそれがあるか否かを判定するようにバーナ作動判定部を構成することもできる。また、バーナ70の排気下流側に温度センサを配置し、当該温度センサのセンサ値に基づいてバーナ70から火炎が放射されているか否かを直接的に判別してもよい。
バーナ制御部は、基本的には触媒温度判定部の判定結果に基づき、還元触媒の昇温が必要な場合に、バーナ70の駆動信号を出力する部分である。また、本実施形態の排気浄化装置において、バーナ制御部は、バーナ70によって高温に加熱した排気ガスの温度を検出し、検出される排気ガスの温度が600℃以上になるようにバーナ70への燃料供給量の制御を行う。ただし、バーナ作動判定部からバーナの作動を待機する指示が出力されている場合には、バーナ制御部は、還元触媒の温度にかかわらずバーナ70の作動を待機させる。
流入切替制御部は、基本的には、触媒温度判定部の判定結果に基づいて、流入切替手段60に対して制御信号を出力する部分である。還元触媒の温度が活性温度Tactに達している場合には、全量の排気ガスが第1の通路に流れるように流入切替手段60が制御される一方、還元触媒の温度が活性温度Tact未満である場合には、第2の通路にも排気ガスが流れるように流入切替手段60が制御される。本実施形態の排気浄化装置に用いられる排気ガス調整部の場合、流入切替手段60としてON−OFF弁が用いられており、流入切替制御部はON−OFF弁のON−OFFを切替える。
ただし、バーナ作動判定部からバーナの作動を待機する指示が出力されている場合には、流入切替制御部は、還元触媒の温度にかかわらず全量の排気ガスが第1の通路に流れるように流入切替手段60を制御する。
また、バルブ開度が調整可能な流入切替手段が用いられる場合には、バーナ70の失火のおそれがある場合に、流入切替制御部は、全量の排気ガスを第1の通路に流すのではなく、第2の通路を流れる排気ガスの流量を減少させるように流入切替手段を制御することもできる。
4.排気浄化装置の制御方法
次に、図1に示す排気浄化装置10の制御方法のルーチンの一例について、図6及び図7のフロー図に基づき具体的に説明する。このルーチンは、内燃機関11の始動中において常時実行される。
図6のフロー図は、第2の通路14に設けられる流入切替手段60としてON−OFF弁が用いられた場合の制御フローの一例を示している。
スタート後のステップS11で、還元触媒21の温度Tcatを算出した後、ステップS12に進み、還元触媒21の温度Tcatが、活性温度Tact未満となっているか否かの判定を行う。還元触媒21の温度Tcatが活性温度Tact未満である場合にはステップS13に進む一方、還元触媒21の温度Tcatが活性温度Tact以上である場合にはステップS19に進む。
還元触媒21の温度Tcatが活性温度Tact未満と判定されると、ステップS13で内燃機関11の回転数Neや燃料噴射量Q等を読み込み、ステップS14で当該回転数Neや燃料噴射量Q等に基づいて内燃機関11の運転状態を推定した後、ステップS15でバーナ70を作動するか否かを判定する。
ステップS15でバーナ70を作動すると判定した場合には、ステップS16に進みバーナ70が現在作動中であるか否かを判定する。このステップS16でバーナ70が作動中でないと判定された場合は、ステップS17で流入切替手段60を制御し、第2の通路14に排気ガスを流すとともに、ステップS18でバーナ70を作動し、排気ガスの加熱を開始して本ルーチンを終了する。その後、再びステップS11に戻り、還元触媒21の温度Tcatの算出を行う。一方、ステップS16でバーナ70がすでに作動中であると判定された場合は、ステップS17に進まずに本ルーチンを終了した後、ステップS11に戻る。
上記ステップS15でバーナ70を作動しないと判断した場合には、ステップS19に進みバーナ70が現在作動中であるか否かを判定する。このステップS19でバーナ70がすでに作動中であると判定された場合は、ステップS20に進みバーナの運転を停止した後、ステップS21で流入切替手段60を制御して第1の通路13にのみ排気ガスを流して本ルーチンを終了した後、ステップS11に戻る。一方、ステップS19でバーナ70が作動中でないと判定された場合は、そのまま本ルーチンを終了してステップS11に戻る。
なお、上記のステップS12で、還元触媒21の温度Tcatが活性温度Tact以上であると判定された場合には、直接ステップS19に進み、上述のステップS19〜S21を経て本ルーチンを終了してからステップS11に戻ることになる。
このように、ステップS12において、還元触媒21の温度Tcatが活性温度Tact以上であると判定されるまでは、ステップS13〜ステップS21においてバーナ70を作動させる必要があるか否か及びバーナ70の失火のおそれがあるか否かを考慮しながら、第2の通路14にも排気ガスを流すとともにバーナ70によって排気ガスを加熱し、その排気熱によって還元触媒21の昇温を行う。
そして、ステップS12において還元触媒21の温度Tcatが活性温度Tact以上と判定された場合に、ステップS19〜S21において、バーナ70を作動していた場合は当該バーナ70を停止した後、流入切替手段60を制御し全量の排気ガスを第1の通路13に流して本ルーチンを終了する。
ここまで説明した排気浄化装置の制御フローは、流入切替手段60としてON−OFF弁を用いた場合の制御フローの一例であるが、流入切替手段60としてバルブ開度が調整可能な流入切替手段が用いられる場合には、ステップS16及びステップS18の後に、流入切替手段の開度を調節するステップを加え、ステップS14で推定した内燃機関11の運転状態に応じて第2の通路14を流れる排気ガスの流量を調節するようにしてもよい。
このようなステップを加えることで、第1の通路13を流れる排気ガスと第2の通路14を流れる高温の排気ガスとが混合された後の排気ガスの温度が調節される。また、内燃機関11の運転状態が急激に変化して排気ガスの流量や流速が増加した場合に、第2の通路14を流れる排気ガスの流量が絞られることによって、バーナ70の失火が防止される。
また、図7は、内燃機関11が停止した場合の制御フローの一例を示している。
内燃機関11の停止信号が入力された場合には、まずステップS22で、バーナ70が作動中であるか否かを判定する。バーナ70が作動中であると判定された場合はステップS23に進みバーナの運転を停止し、ステップS24で流入切替手段60を制御して第1の通路13にのみ排気ガスを流して、本ルーチンを終了する。また、ステップS22でバーナ70が作動中でないと判定された場合には、そのまま本ルーチンを終了する。
以上、本実施形態の排気浄化装置10は、還元触媒21の昇温が必要である場合に、第2の通路14に排気ガスが流されるとともにバーナ70によって排気ガスが加熱されるため、還元剤噴射弁を熱損傷させることなく還元触媒21が速やかに昇温活性化され、排気ガス中のNOXの還元が早期に開始される。また、本実施形態の排気浄化装置10は、還元触媒21の昇温が必要でない場合には、全量の排気ガスが第1の通路13に流れるため、還元剤の分裂、蒸発の効果が低下することがない。
また、本実施形態の排気浄化装置10は、バーナ70の作動時において、内燃機関11の運転状態によりバーナ70の失火のおそれがあると判断される場合は、バーナ70を停止したり、第2の通路14への排気ガスの流量を減少させたりすることで、バーナ70の失火が回避される。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態にかかる排気浄化装置は、排気ガス調整部の構成が第1の実施の形態と異なる他は、第1の実施の形態と同様の構成となっている。以下、排気ガス調整部の構成を中心に本実施形態の排気浄化装置について説明する。
図8(a)〜(b)及び図9(a)〜(b)は、本実施形態の排気浄化装置に備えられる排気ガス調整部100の構成を示している。図8(b)は、図8(a)の排気ガス調整部100を矢印P方向に見た図であり、図9(a)は図8(b)のQQ断面図であり、図9(b)は図8(a)のRR断面図である。
この排気ガス調整部100は、排気ガス導入口101aが設けられたケーシング101を備えている。ケーシング101内には流入切替手段60、バーナカバー102及び合流管103が収容されている。
流入切替手段60及びバーナカバー102とケーシング101との間には間隙105が形成され、流入切替手段60及びバーナカバー102内に流入しない排気ガスがこの間隙105を流れ、合流管103まで導かれる。合流管103の外周のうち、この間隙105内に配置される部分には複数の排気ガス導入孔103aが設けられている。したがって、流入切替手段60及びバーナカバー102とケーシング101との間の間隙105を流れ合流管103まで導かれた排気ガスは、複数の排気ガス導入孔103aから合流管103内に流入し、下流側排気通路12bに導かれる。本実施形態の排気浄化装置では、これらの間隙105及び合流管103によって第1の通路113が構成されている。
また、第1の通路113を構成する合流管103における、下流側排気通路12b側の端部とは反対側の端部に還元剤噴射弁27が固定されている。還元剤噴射弁27から噴射される還元剤の噴射形状の中心軸と合流管103の軸心とが一致しており、還元剤噴射弁27は合流管103の軸方向に向けて還元剤を噴射する。また、本実施形態の排気浄化装置に用いられる排気ガス調整部100では、第1の通路113の終端部である下方側排気通路12bとの接続部分にミキサ18が配置されている。
また、バーナカバー102の内部は、流入切替手段60のハウジング61側に設けられた第1の小室102aと、バーナ70から放射される火炎が導かれる第2の小室102bと、第2の小室102bと連通するとともに円筒燃焼管53が配置された大室102cと、大室102cと連通して排気ガスを第1の通路113との合流部分117に導く連通室102dとに区画されており、バーナカバー102は排気ガスの流入方向と流出方向とを90度に屈曲させている。本実施形態の排気浄化装置では、これらの流入切替手段60のハウジング61、第1の小室102a、第2の小室102b、大室102c及び連通室102dによって第2の通路114が構成されている。
バーナカバー102の大室102cには、第1の実施の形態の排気ガス調整部50と同様に、端部54aが第1の小室102aに臨む排気ガス導入通路54が設けられた円筒燃焼管53が配設されており、円筒燃焼管53の一端はバーナ70を包囲するようにバーナカバー102の側壁に固定され、他端は第2の小室102bに臨んでいる。
本実施形態の排気浄化装置に用いられる排気ガス調整部100では、バーナ70は、ノズル71の先端部がバーナカバー102の大室102cに臨むように、バーナカバー102に取付けられている。このバーナ70から放射される火炎が長く延びた場合であっても火炎が火炎衝突部55に衝突するため、還元触媒が火炎に直接晒されることがなく、還元触媒の熱劣化が防止される。また、ケーシング101の外部には、ケーシング101内に収容された流入切替手段60の動作を制御するエアシリンダ62等の制御手段が取付けられている。
第1の通路113を構成する合流管103の外周における、バーナカバー102の連通室102d内に配置される部分にも複数の排気ガス導入孔103bが設けられている。したがって、第2の通路114を流れる排気ガスは、連通室102b内に配置された合流管103の外周の複数の排気ガス導入孔103bを介して合流管103に流入し、第1の通路113内を流れる排気ガスと混合される。
このように、本実施形態の排気浄化装置に用いられる排気ガス調整部100は、還元触媒の昇温が必要な場合に排気ガスの一部が導入され、排気ガスが加熱される第2の通路114が、第1の通路113の内側に設けられた二重管構造となっている。したがって、バーナ70によって加熱される高温の排気ガスが通過する第2の通路114が外部に露出することがなく、排気ガス調整部100の表面温度が比較的低く保たれる。その結果、排気浄化装置の外側への熱の影響が低減され、安全性がより向上する。
さらに、本実施形態の排気浄化装置に用いられる排気ガス調整部100は、バーナ70によって加熱される高温の排気ガスが流れる第2の通路114が第1の通路113によって包囲されているために、第2の通路114を流れる排気ガスの熱損失が軽減される。したがって、バーナ70による排気ガスの加熱効率の向上が図られ、バーナ70作動時の燃料消費量が削減される。
本発明の第1の実施の形態にかかる内燃機関の排気浄化装置の全体構成を示す概略図である。 第1の実施の形態の排気浄化装置に備えられる排気ガス調整部の構成を説明するための外観図である。 第1の実施の形態の排気浄化装置に備えられる排気ガス調整部の内部構成を説明するための断面図である。 第1の実施の形態の排気浄化装置に備えられる排気ガス調整部の内部構成を説明するための別の断面図である。 内燃機関の排気浄化装置の制御部の構成例を示すブロック図である。 内燃機関の排気浄化装置の制御方法の一例を示すフロー図である。 内燃機関が停止した場合の排気浄化装置の制御方法の一例を示すフロー図である。 第2の実施の形態の排気浄化装置に備えられる排気ガス調整部の構成を説明するための外観図である。 第2の実施の形態の排気浄化装置に備えられる排気ガス調整部の内部構成を説明するための断面図である。 従来の内燃機関の排気浄化装置の構成を説明するための図である。 従来の内燃機関の排気浄化装置の構成を説明するための図である。
符号の説明
10:排気浄化装置、11:内燃機関、12:排気通路、12a:上流側排気通路、12b:下流側排気通路、13:第1の通路、13a:屈曲部、14:第2の通路、15a・15b・15c・15d:取付フランジ、16:分岐部分、17:合流部分、18:ミキサ、19:酸化触媒、20:パティキュレートフィルタ、21:還元触媒、24・25:温度センサ、27:還元剤噴射弁、29:排気ガス導入孔、30:制御部、50:排気ガス調整部、51:導入管、52:バーナカバー、52a:第1の小室、52b:第2の小室、52c:大室、53:円筒燃焼管、54:排気ガス導入通路、54a:端部、55:火炎衝突部、60:流入切替手段、61:ハウジング、62:エアシリンダ、70:加熱手段(バーナ)、71:ノズル、71a:軸方向孔、72:グロープラグ、73:加熱部、100:排気ガス調整部、101:ケーシング、101a:排気ガス導入口、102:バーナカバー、103:合流管、103a・103b:排気ガス導入孔、105:間隙、113:第1の通路、114:第2の通路、117:合流部分

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気通路に備えられ、排気ガス中の排気微粒子を捕集するパティキュレートフィルタと、前記排気通路中に還元剤を噴射する還元剤噴射弁と、前記還元剤を用いて前記排気ガス中のNOXを還元する還元触媒と、が排気上流側から順次に設けられた内燃機関の排気浄化装置において、
    前記排気通路は、前記還元剤噴射弁よりも上流側で分岐し、前記還元剤噴射弁よりも下流側かつ前記還元触媒よりも上流側で合流する第1の通路及び第2の通路を備えるとともに、前記第1の通路に前記還元剤噴射弁が設けられており、
    前記第2の通路に設けられ前記第2の通路を流れる排気ガスを加熱するための加熱手段と、前記第2の通路への前記排気ガスの流入を制御するための流入切替手段と、前記加熱手段及び前記流入切替手段を制御するための制御部と、を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記第1の通路及び前記第2の通路は、前記パティキュレートフィルタよりも下流側かつ前記還元剤噴射弁よりも上流側で分岐することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記加熱手段がバーナであって、前記第2の通路は、前記バーナから放射される火炎を衝突させる火炎衝突部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記内燃機関から排出される排気ガスの流量全体に対して、前記第2の通路を流れる排気ガスの流量割合を50%以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記制御部は、前記還元触媒の温度が所定の閾値以上であるか否かを判定する触媒温度判定部と、前記触媒温度判定部による判定結果に基づいて前記流入切替手段の制御を行う流入切替制御部と、前記触媒温度判定部による判定結果に基づいて前記加熱手段の制御を行う加熱手段制御部と、を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記制御部は、前記還元触媒の温度が所定の閾値未満の場合には前記加熱手段を停止させるとともに全量の前記排気ガスを前記第1の通路に流すように制御する一方、前記還元触媒の温度が所定の閾値以上である場合には前記加熱手段を作動させるとともに前記第1の通路及び前記第2の通路それぞれに前記排気ガスを流すように制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記制御部は、前記加熱手段の作動時において前記加熱手段としての前記バーナの燃焼温度が600℃以上になるように前記加熱手段の出力を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 前記制御部は、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記加熱手段の作動の可否を判定する加熱手段作動判定部を備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 前記加熱手段が前記バーナである場合に、前記加熱手段作動判定部は、前記バーナの作動時において前記バーナが失火するおそれがあるか否かを判定し、
    前記バーナが失火するおそれがあると判定されたときに、前記加熱手段制御部が前記バーナを停止させるか、又は前記流入切替制御部が前記第2の通路を流れる前記排気ガスの流量を減少させることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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