JP2010095864A - 車両の電子キーシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】マスターキー及びサブキーの2種類の電子キーを備えている場合であれ、高いセキュリティレベルを維持することのできる車両の電子キーシステムを提供する。
【解決手段】この車両の電子キーシステムは、マスターキー11及びサブキー12の2種類の電子キーを備える。ここでは、サブキー12を収容するための収容部を車室内に設けた上で、マスターキー11が室内通信可能エリアBに位置している状態で収容部からサブキー12が取り出されたとき、サブキー12が貸し出し状態である旨を判断する。そして、マスターキー11が室内通信可能エリアBに位置しているとき、サブキー12が収容部から取り出されている状態であって、且つサブキー12が貸し出し状態である旨の判断がなされていないことを条件として、スピーカ51を通じてサブキー12が異常な状態にある旨の報知を行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両と電子キーとの間の無線通信を通じて車両の各種操作を許可する車両の電子キーシステムに関する。
携帯機(電子キー)を所持した車両乗員が車両ドアに接近することにより車両ドアのアンロックが実行されるとともに、車両乗員が車室内に入ることによりエンジンの始動許可などが実行される、いわゆる車両の電子キーシステムが周知である。この電子キーシステムでは、車両ドアの周辺に設定されたエリア、あるいは車室内に設定されたエリアに電子キーが進入したときに車両と電子キーとの間で無線通信が行われるとともに、この無線通信を通じて車両に記憶されている識別コード(IDコード)と電子キーに記憶されている識別コードとの照合が行われる。そして、この照合を通じて互いの識別コードが一致している旨が判定されたとき、上記車両ドアのアンロックやエンジンの始動許可などの車両の各種制御が実行される。このような電子キーシステムによれば、車両乗員の直接的な手動操作によることなく車両の各種操作が自動的に行われるため、車両の操作にかかる利便性が大きく向上するようになる。
一方、こうした電子キーシステムを搭載した車両にあっては、例えばホテルの利用時にホテルマンに電子キーを預けることでホテルマンに車両を駐車場まで運んでもらうサービス、いわゆるバレーパーキングサービスを利用する場合など、車両オーナが第三者に電子キーを貸し出すことがある。ところで、このような電子キーの貸し出し時にあっては、電子キーを借りた者が車両の各種操作を全て行うことが可能となるため、例えば貴重品などを収容したトランクルームが車両オーナの知らない間に勝手に開けられるなどの不正行為が行われる可能性もあり、車両のセキュリティの観点からすると、こうした不正行為を未然に防ぐことが望ましい。そして従来、こうした不正行為を未然に防ぐようにした車両の電子キーシステムとしては、例えば特許文献1に記載の車両の電子キーシステムがある。
この特許文献1に記載の車両の電子キーシステムでは、電子キーが、主に車両オーナによって携帯所持されるマスターキーと、車両オーナ以外の第三者に貸し出すためのサブキーといった2種類の電子キーから構成されるとともに、マスターキーとサブキーとに互いに異なる識別コードが設定されている。そして、上記車両と電子キーとの間の無線通信を通じた識別コードの照合の際に、照合された識別コードがサブキーの識別コードである旨が判断されたとき、車両乗員によるトランクドアのアンロック操作を禁止するようにしている。電子キーシステムとしてのこうした構成によれば、車両オーナは、電子キーの貸し出し時にサブキーを貸し出すことで、サブキーを借りた者によるトランクドアのアンロック操作を防止することができるようになるため、上記不正行為についてもこれを未然に防ぐことができるようになる。
特表2003−511588号公報
このように、車両の電子キーシステムとしてマスターキー及びサブキーの2種類の電子キーを備えるようにすることで、確かに電子キーの貸し出し時の不正行為を未然に防ぐことができるようにはなる。ただし、車両オーナによって携帯所持されるマスターキーと異なり、サブキーは第三者への貸し出し時にのみ使用されるものであるため、例えば車室内のグローブボックスに収容されたままの状態で放置されるなど、車両オーナの監視下に置かれていない状態で放置されることがある。このため、車両オーナの知らない間に車室内に不正侵入した者によってサブキーが盗難されるような異常事態が生じたとしても、この異常事態に車両オーナが気付くことができないおそれがあり、このことが電子キーシステムとしてのセキュリティレベルの低下を招く要因となっていた。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、マスターキー及びサブキーの2種類の電子キーを備えている場合であれ、高いセキュリティレベルを維持することのできる車両の電子キーシステムを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、主として使用されるマスターキー及び該マスターキーの代わりに補助的に使用されるサブキーの2種類の電子キーを備え、該電子キーと車両との間の無線通信を通じて前記電子キーが車室内に設定された通信可能エリア、もしくは車室外に設定された通信可能エリアのいずれかのエリアに位置しているか否かを監視しつつ、前記電子キーが前記通信可能エリアのうちのいずれかのエリアに位置している旨を検知したとき、検知された電子キーが位置している通信可能エリアに応じて車両の各種操作の許可を行う車両の電子キーシステムにおいて、前記車室内には、前記サブキーを収容するための収容部が設けられ、前記マスターキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置している旨が検知されている状態で前記収容部から前記サブキーが取り出された旨を検知したとき、前記サブキーが貸し出し状態である旨を判断するとともに、前記マスターキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置している旨を検知したとき、前記サブキーが前記収容部から取り出されている旨が検知されている状態であって、且つ前記サブキーが貸し出し状態である旨の判断がなされていないことを条件として、前記車両に設けられた報知手段を通じて前記サブキーが異常な状態にある旨の報知を行うことを要旨としている。
車両の電子キーシステムとしての上記構成によれば、例えばマスターキーを所持した車両オーナがサブキーを収容部から取り出した場合には、車両オーナが車室内に位置している状況、すなわちマスターキーが車室内に位置している状況で収容部からサブキーが取り出されることとなるため、サブキーが貸し出し状態である旨の判断がなされる。一方、車両オーナの知らない間に車室内に不正侵入した者が収容部からサブキーを不正に取り出した場合には、車両オーナが車室内に位置していない状況、すなわちマスターキーが車室内に位置していない状況で収容部からサブキーが取り出されることとなるため、サブキーが貸し出し状態である旨の判断がなされることはない。したがって、サブキーが収容部から取り出されている状態であって、且つサブキーが貸し出し状態でない旨の判断がなされていない場合には、サブキーが収容部から不正に取り出されている状況であると推定することができる。そして、このようにサブキーが収容部から不正に取り出されている状況であると推定される状況下では、マスターキーを所持した車両オーナが車室内に進入した状態であるときに、車両に設けられた報知手段を通じてサブキーが異常な状態にある旨の報知が行われるため、車両オーナは、この報知を通じてサブキーの異常状態を知ることができる。これにより、車両オーナは、サブキーの異常状態に応じた適宜の対策手段、例えばサブキーと車両との間の無線通信を通じた車両の各種操作を禁止するなどの対策手段を講じることができるようになるため、電子キーシステムとしての高いセキュリティレベルを維持することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の電子キーシステムにおいて、前記マスターキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置している旨を検知したとき、前記サブキーが前記収容部から取り出されている旨が検知されている状態であることを条件に、前記サブキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置しているか否かの検出を行い、該検出の結果、前記サブキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置していない旨を判断したとき、前記サブキーが貸し出し状態である旨の判断がなされていないことを条件として、前記報知手段を通じて前記サブキーが盗難されている可能性がある旨の報知を行うとともに、前記サブキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置している旨を判断したとき、前記サブキーが貸し出し状態である旨の判断がなされていないことを条件として、前記報知手段を通じて前記サブキーが不正に取り出されて前記車室内に設定された通信可能エリア内に落ちている可能性がある旨の報知を行うことを要旨としている。
上述のように、収容部からサブキーが取り出されたときに、マスターキーが車室内に位置しているか否かに基づいて、サブキーが収容部から不正に取り出されたか否かを推定することができる。ところで、サブキーが収容部から不正に取り出されている場合には、さらにその不正に取り出されているサブキーが上記車室内に設定された通信可能エリアに位置しているか否かに基づいて、サブキーが、以下の(a1)及び(a2)のいずれかの状態であると推定することができる。
(a1)サブキーが上記車室内に設定された通信可能エリアに位置している場合。この場合には、サブキーが収容部から不正に取り出されて上記車室内に設定された通信可能エリア内に落ちている状態であると推定することができる。
(a2)サブキーが上記車室内に設定された通信可能エリアに位置していない場合。この場合には、サブキーが収容部から不正に取り出されて何者かに持ち去られている状態、すなわち盗難されている状態であると推定することができる。
したがって、車両の電子キーシステムとしての上記構成によれば、マスターキーを所持した車両オーナが車室内に進入した状態であるときに、サブキーの状態が上記(a1)の状態であれば、サブキーが不正に取り出されて上記車室内に設定された通信可能エリア内に落ちている可能性がある旨の報知が、また、サブキーの状態が上記(a2)の状態であれば、サブキーが盗難されている可能性がある旨の報知が行われるため、車両オーナは、サブキーの具体的な異常状態を知ることができる。このため、車両オーナは、サブキーの具体的な異常状態に応じた、より適切な対策手段を講じることができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両の電子キーシステムにおいて、前記サブキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置しているか否かの検出の結果、前記サブキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置している旨を判断したとき、前記サブキーが貸し出し状態である旨の判断がなされていることを条件として、前記報知手段を通じて前記サブキーが前記車室内に設定された通信可能エリア内に落ちている可能性がある旨の報知を行うことを要旨としている。
サブキーが貸し出し状態である旨の判断がなされているときには、基本的には、サブキーは異常な状態にないと推定されるが、例えばサブキーが上記車室内に設定された通信可能エリアに位置している場合には、貸し出されたサブキーが上記車室内に設定された通信可能エリア内に落ちている可能性がある。そして、このように貸し出されたサブキーが上記車室内に設定された通信可能エリア内に落ちている状況にあっては、そのことに車両オーナが気付くことができない場合、サブキーを紛失する可能性が極めて高い。この点、車両の電子キーシステムとしての上記構成によれば、マスターキーを所持した車両オーナが車室内に進入した状態であるときに、貸し出し中のサブキーが上記車室内に設定された通信可能エリア内に落ちていれば、その旨の報知が行われるため、車両オーナは、サブキーが車室内に落ちている可能性があることを知ることができる。これにより、車両オーナは、例えばサブキーを探すなどの対策手段を講じることができるようになるため、サブキーの紛失を未然に防ぐことができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の電子キーシステムにおいて、前記収容部は、同収容部に収容されたサブキーを固定するためのサブキー固定機構と、該サブキー固定機構を通じた前記サブキーの固定を解除する際に車両乗員によって押圧操作されるサブキー取り出しボタンとを有し、前記サブキー固定機構は、前記収容部にサブキーが収容されたとき、同収容されたサブキーを自動的に固定するとともに、前記サブキー取り出しボタンが押圧操作されたとき、前記マスターキーが前記車室内に位置していることを条件として、前記サブキーの固定の解除を実行することを要旨としている。
車両の電子キーシステムとしての上記構成によれば、車両オーナの知らない間に車室内に不正侵入した者が収容部からサブキーを取り出そうとしてサブキー取り出しボタンを押圧操作したとしても、車両オーナが車室内に位置していない状況、すなわちマスターキーが車室内に位置していない状況でサブキー取り出しボタンが押圧操作されることとなるため、サブキーの固定が解除されることはない。一方、収容部から取り出されていたサブキーの返却時にあっては、車両オーナが収容部にサブキーを収容すれば自動的にサブキーが固定された状態となるため、サブキーが固定されていない状態で放置されるような状況を回避することもできる。したがって、車室内に不正侵入した者によるサブキーの盗難そのものを未然に防止することができるようになるため、電子キーシステムとしてのセキュリティレベルを、より高めることができるようになる。
本発明にかかる車両の電子キーシステムによれば、マスターキー及びサブキーの2種類の電子キーを備えている場合であれ、高いセキュリティレベルを維持することができるようになる。
以下、本発明にかかる車両の電子キーシステムの一実施形態について図1〜図9を参照して説明する。はじめに、図1を参照して、この実施形態にかかる車両の電子キーシステムの概略構成について説明する。
同図1に示されるように、この電子キーシステムでは、運転席のドア21a及び助手席のドア21bの周辺にそれぞれ設定された室外通信可能エリアA、あるいは車室内に設定された室内通信可能エリアBに電子キー(携帯機)10を所持した車両乗員が進入したときに、電子キー10と車両20との間でリクエスト信号や応答信号といった各種信号が無線通信を通じて授受される。そしてこの電子キーシステムでは、こうした各種信号の授受を通じて電子キー10に記憶されている識別コード(IDコード)と車両20に記憶されている識別コードとの照合が行われ、この照合を通じて互いの識別コードが一致している旨が判定されたとき、車両ドア21a〜21dのアンロックやエンジン始動許可などの車両の各種制御が実行される。そしてこのようにエンジン始動許可が行われたときには、車両乗員は、例えば車両のインストルメントパネル23に設けられているエンジンスタートスイッチ24を押圧操作することで、エンジンを始動させることができる。
ここで、電子キー10は、主に車両20のオーナによって携帯所持されるマスターキー11、及び、例えば車両オーナ以外の第三者に貸し出すためのサブキー12の2種類の電子キーからなるとともに、これらマスターキー11及びサブキー12には、互いに異なる識別コードIDM,IDSがそれぞれ設定されている。ちなみに、これらの識別コードIDM,IDSは、マスターキー11及びサブキー12が内蔵する不揮発性のメモリにそれぞれ記憶されている。また、これらマスターキー11及びサブキー12は、車両20から送信されるリクエスト信号をそれぞれ受信するとともに、この受信したリクエスト信号に対して識別コードIDM,IDSなどの情報を含む応答信号をそれぞれ送信する。
一方、車両20の運転席のドア21a及び助手席のドア21bには、上記室外通信可能エリアAにリクエスト信号を送信するための室外送信装置30がそれぞれ設けられるとともに、車両20の室内には、上記室内通信可能エリアBにリクエスト信号を送信するための室内送信装置31が設けられている。ちなみに、車両20の室内には、電子キー10から送信される上記応答信号を受信するための受信装置32も設けられている。また、車両ドア21a〜21d及びトランクドア22には、それら各ドアのロック/アンロックを行うためのドアロック機構41〜45がそれぞれ設けられている。そして、上記送信装置30,31によるリクエスト信号の送信制御、並びに上記受信装置32を通じて受信される応答信号の処理が、同じく車両20に設けられている車両側制御装置60を通じて行われる。ちなみにこの車両側制御装置60は、上記ドアロック機構41〜45を通じた各車両ドア21a〜21d及びトランクドア22のロック/アンロックにかかる制御や、エンジン始動装置50を通じたエンジンの始動/停止にかかる制御を含め、例えば車室内に設けられたスピーカ51の鳴動にかかる制御など、車両の各種制御を統括的に実行する部分でもある。また、この車両側制御装置60は、こうした車両の各種制御の実行のために、例えば上記エンジンスタートスイッチ24や、上記車両ドア21a〜21dの開閉状態を検出するドアカーテシスイッチ33a〜33dなど、車両に設けられた各種スイッチの検出信号を取り込んでいる。
ところで、本実施形態にかかる電子キーシステムにあっては、車両20のセンターコンソール25に、貸し出し状態でないサブキー12を収容するための収容部70が設けられている。次に、図2(a),(b)を参照して、サブキー12及び収容部70の構造について詳細に説明する。ここで、図2(a),(b)は、サブキー12及び収容部70の斜視構造及び断面構造をそれぞれ示したものである。
同図2(a)に示されるように、サブキー12は、カード型に形成されるとともに、その中央部よりもやや先端部の方向にずれた位置に、上面から下面に貫通した断面矩形状の貫通孔12aを有した構造からなる。一方、収容部70は、基本的には、樹脂材料などにより箱状に形成されるとともに、その前面部分に開口する断面矩形状のスロット71を備え、このスロット71の開口部から挿入されたサブキー12をスロット71内に収容する構造となっている。また、図2(b)に示されるように、このスロット71の底面には凹部72が形成されており、この凹部72に、当該凹部72に摺接されるニードル81と、同ニードル81を図中の上下方向に往復動させるためのアクチュエータ82とが配設されている。そして、この収容部70では、これらニードル81及びアクチュエータ82によって、スロット71内に収容されたサブキー12を固定するためのサブキー固定機構80が構成されている。
ここで、上記ニードル81の先端部には、上記スロット71の開口部に対向するかたちで傾斜面81aが形成されており、ニードル81は、その傾斜面81aがスロット71内に露出した状態で配置されている。すなわち、この傾斜面81aは、スロット71内にサブキー12が挿入されたときに、サブキー12の先端部分が接触する部分となる。
一方、アクチュエータ82には、図中の上下方向に延伸された中空部82aが形成されており、この中空部82aに、ロッド82bを介してニードル81に連結された磁性材料からなるアーマチャ82cと、このアーマチャ82cの底面部分を付勢するコイルスプリング82dとが配設されている。すなわち、このアクチュエータ82では、通常はコイルスプリング82dの弾性力によりアーマチャ82cが図中の上方に付勢されて上記中空部82aの上壁に当接しており、これによりニードル81の先端部がスロット71内に露出した状態で保持されている。また、このアクチュエータ82の内部には、上記アーマチャ82c及びコイルスプリング82dの周囲を囲むかたちで電磁コイル82eが配設されており、この電磁コイル82eへの通電に基づき上記アーマチャ82cが図中の下方に吸引される。すなわち、この収容部70では、電磁コイル82eへの通電、すなわち同コイル82eの励磁によって図中の上方に付勢されているアーマチャ82cをコイルスプリング82dの弾性力に抗して上記中空部82aの下部へ動作させるようにしている。そして、アーマチャ82cのこのような動作を通じて、上記ニードル81の先端部がスロット71内に突出した状態から凹部72内に埋没した状態となる。その後、上記通電の遮断に伴ってこの電磁コイル82eが消磁されれば、再びコイルスプリング82dの弾性力によってアーマチャ82cが上方へ移動し、中空部82aの上壁に当接するようになる。すなわち、ニードル81の先端部はスロット71内に突出した状態となる。
ちなみに、こうした電磁コイル82eの励磁及び消磁の切り替えは、マイクロコンピュータを中心に構成されたバレー用制御装置90を通じて制御される。このバレー用制御装置90は、基本的には、収容部70の前面に設けられているサブキー取り出しスイッチ73の出力信号を取り込んで同スイッチ73が押圧操作されたか否かを検知し、同スイッチ73の押圧操作を検知したとき、上記電磁コイル82eの励磁を実行する。また、このバレー用制御装置90は、サブキー取り出しスイッチ73の押圧操作を検知してから所定時間T1が経過したとき、電磁コイル82eの消磁を実行する。なお、このバレー用制御装置90は、サブキー取り出しスイッチ73の押圧操作を検知してからの経過時間を同制御装置90内のタイマ91を通じて計測する。一方、上記収容部70のスロット71の底面には、スロット71内に突出する突出部74aを備えたマイクロスイッチ74が設けられており、このマイクロスイッチ74の出力信号も上記バレー用制御装置90に取り込まれている。ちなみに、このマイクロスイッチ74は、突出部74aがスロット71内に突出した状態であるときにオフ状態となり、スロット71内へのサブキー12の挿入に伴い突出部74aがスロット71の内壁に埋没した状態となったときにオン状態となる。すなわち、バレー用制御装置90は、マイクロスイッチ74のオン/オフを通じてスロット71内にサブキー12が収容されているか否かを検知する。
次に、図3(a)〜(c)を参照して、スロット71にサブキー12が挿入された際の収容部70の動作、及びスロット71からサブキー12が取り出される際の収容部70の動作について説明する。
例えばいま、図3(a)に示されるように、車両オーナがサブキー12をスロット71内に挿入したとする。このとき、サブキー12の先端部が上記ニードル81の傾斜面81aに当接すると、車両オーナがサブキー12を押す力F1の一部が傾斜面81aによってアクチュエータ82のロッド82bの軸方向の力F2に変換されて、ニードル81、ロッド82b、及びアーマチャ82cが上記コイルスプリング82dの弾性力に抗して下方に移動する。
その後、図3(b)に示されるように、さらにサブキー12がスロット71内へ挿入されて同サブキー12の貫通孔12aがニードル81の位置まで移動したとすると、上記コイルスプリング82dの弾性力によってニードル81が貫通孔12aの内部に挿入される。そして、このようにニードル81が貫通孔12a内に挿入された状態では、例えば車両オーナがサブキー12をスロット71から取り出そうとしてサブキー12に図中の左方向の力F3を加えたとしても、サブキー12の貫通孔12aの内壁が上記ニードル81の右側壁に接触するため、ニードル81が障害物となってサブキー12を取り出すことができなくなる。すなわち、サブキー12が収容部70に固定された状態となる。このように、この収容部70では、サブキー12のスロット71への挿入を通じてサブキー12が自動的に固定された状態となるため、サブキー12が固定されていない状態で放置されるような状況を回避することができるようになり、ひいては車室内に不正侵入した者によるサブキー12の盗難を未然に防止することができるようになる。ちなみに、サブキー12がスロット71内に挿入されたときには、上記マイクロスイッチ74の突出部74aがスロット71の内壁に埋没して、マイクロスイッチ74がオン状態となる。
一方、図3(c)に示されるように、例えばマスターキー11を所持した車両オーナが上記サブキー取り出しスイッチ73を押圧操作したとする。このとき、上記ニードル81はサブキー固定機構80の駆動を通じて凹部72内に埋没し、サブキー12の固定が解除された状態となるため、車両オーナは、図中の左方向の力F4を加えれば、スロット71からサブキー12を取り出すことができる。そして、スロット71からサブキー12が取り出されたときに、上記マイクロスイッチ74がオフ状態となる。
続いて、図4を参照して、こうした構成からなる車両の電子キーシステムの動作についてより具体的に説明する。ここで図4は、この電子キーシステムのシステム構成をブロック図として示したものである。
同図4に示されるように、上記車両側制御装置60は、例えば車両20が停車しているときには、室外送信装置30から室外通信可能エリアAにリクエスト信号を所定の周期で送信する。そしてこのとき、車両オーナが所持するマスターキー11がこの室外通信可能エリアAに進入したとすると、次のような態様にて車両20とマスターキー11との間で信号の授受が実行される。すなわち、上記室外送信装置30から送信されたリクエスト信号がマスターキー11の受信装置11aにより受信されるとともに、このリクエスト信号がマスターキー11の制御装置11bに入力される。マスターキー側制御装置11bでは、こうしてリクエスト信号が入力されると、内蔵する不揮発性のメモリ11dに記憶されている識別コードIDMを含む応答信号を生成してこれを送信装置11cに出力するとともに、この応答信号を上記車両20に送信する。このようにして応答信号が送信されることにより上記車両20の受信装置32ではこれを受信するとともに、受信した応答信号を上記車両側制御装置60に出力する。これにより車両側制御装置60では、入力された応答信号に含まれる識別コードIDMと同制御装置60が内蔵する不揮発性のメモリ60aに予め記憶されている識別コードとの照合を行う。そして、この照合を通じて応答信号に含まれる識別コードがマスターキー11の識別コードIDMである旨を判断すると、ドアロック機構41〜45を通じた車両ドア21a〜21d及びトランクドア22のアンロックなどを実行する。また、車両側制御装置60は、このように室外送信装置30からリクエスト信号を送信した後にマスターキー11からの応答信号を受信することができた場合には、マスターキー11が室外通信可能エリアAに位置している旨を検知する。
また、上記車両側制御装置60は、例えば上記ドアカーテシスイッチ33aを通じて運転席のドア21aが開状態から閉状態となった旨を検知したとき、すなわち車両乗員による運転席のドア21aの開閉操作が検知されたときには、上記室内送信装置31から室内通信可能エリアBにリクエスト信号を送信する。そしてこのとき、車両オーナが所持するマスターキー11がこの室内通信可能エリアBに進入していたとすると、車両20とマスターキー11との間で、同様の信号の授受が実行され、上記車両側制御装置60は、上記識別コードの照合を通じて、エンジン始動装置50を通じたエンジン始動許可などを実行する。また、車両側制御装置60は、このように室内送信装置31からリクエスト信号を送信した後にマスターキー11からの応答信号を受信することができた場合には、マスターキー11が室内通信可能エリアBに位置している旨を検知する。
なお、車両側制御装置60は、こうした室外送信装置30から室外通信可能エリアAへのリクエスト信号の送信と、室内送信装置31から室内通信可能エリアBへのリクエスト信号の送信とを、各々の送信時期をずらして行うため、マスターキー11が室外通信可能エリアAに位置しているか、あるいは室内通信可能エリアBに位置しているかを正確に検知することが可能である。
一方、サブキー12にも、マスターキー11と同様に、受信装置12b、送信装置12d、及び同サブキー12の識別コードIDSが記憶された不揮発性のメモリ12eを内蔵する制御装置12cが設けられており、サブキー12が室外通信可能エリアA、あるいは室内通信可能エリアBに進入したときにも、同様の識別コードの照合が行われる。そして、車両側制御装置60は、この照合を通じてサブキー12から送信された応答信号に含まれる識別コードがサブキー12の識別コードIDSである旨を判断すると、上記トランクドア22のロックを維持したまま、車両ドア21a〜21dのアンロックやエンジン始動許可を実行する。また、車両側制御装置60は、サブキー12が室外通信可能エリアAに位置しているか、あるいは室内通信可能エリアBに位置しているかについても同様に検知する。
なお、これらマスターキー11及びサブキー12の位置情報は、車両側制御装置60が内蔵する上記不揮発性のメモリ60aに記憶される。
そして、上記バレー用制御装置90は、マスターキー11の位置情報を車両側制御装置60から取り込むとともに、同マスターキー11の位置情報、並びにサブキー取り出しスイッチ73やマイクロスイッチ74の出力信号などに基づいて、上記サブキー固定機構80の駆動を通じてサブキー12の固定を解除するサブキー固定解除処理などの各種処理を実行する。なお、このバレー用制御装置90は、サブキー固定解除処理などの各種処理の実行の際に、サブキー12が貸し出し状態であるか否かに基づいて貸し出しフラグFsのオン/オフの切り替えを行ったり、あるいは車室内のスピーカ51を利用してサブキー12が収容部70から不正に取り出されている可能性がある旨の報知を行ったりもする。ちなみに、この貸し出しフラグFsは、同制御装置90が内蔵するメモリもしくはレジスタの各々特定の領域に記憶され、オン状態であるときにその値が「1」に設定されるとともに、オフ状態であるときにその値が「0」に設定される。
さらに、上記車両側制御装置60は、貸し出しフラグFsのオン/オフの情報、及びマイクロスイッチ74のオン/オフの情報をバレー用制御装置90から取り込む。そして、これらの情報と共に、上記マスターキー11及びサブキー12の位置情報やドアカーテシスイッチ33aのオン/オフの情報などに基づいて、電子キーシステムの状態(モード)を設定するシステムモード設定処理を実行する。ここで、この電子キーシステムでは、同システムのモードとして、以下の(b1)〜(b4)の3つのモードが予め設けられている。
(b1)通常モード。なお、同システムが通常モードに設定された場合には、エンジンスタートスイッチ24の押圧操作に基づくエンジン始動操作や、トランクドア22のアンロック操作を含め、車両乗員による車両の各種操作が全て許可される。
(b2)バレーモード。なお、同システムがバレーモードに設定された場合には、エンジンスタートスイッチ24の押圧操作に基づくエンジン始動操作は許可されるが、トランクドア22のアンロック操作が禁止されるとともに、車両の走行速度が所定の速度(例えば時速20km)に制限される。
(b3)車両操作禁止モード。なお、同システムが車両操作禁止モードに設定された場合には、エンジンスタートスイッチ24の押圧操作に基づくエンジン始動操作や、トランクドア22のアンロック操作が禁止される。
ここで、車両側制御装置60は、上記システムモード設定処理を通じて、上記マスターキー11が上記室内通信可能エリアBに位置していると判断したとき、同システムを通常モードに設定するとともに、上記サブキー12のみが室内通信可能エリアBに位置していると判断したとき、同システムをバレーモードに設定する。なお、車両走行中など、エンジン運転中にあっては、同システムはこれら通常モード、あるいはバレーモードのいずれかのモードに設定される。また、車両側制御装置60は、マスターキー11及びサブキー12の双方が室内通信可能エリアBに位置していないと判断したとき、あるいはマスターキー11が室内通信可能エリアBに位置しておらず、且つサブキー12が上記収容部70に収容されていると判断したとき、同システムを車両操作禁止モードに設定する。さらに、車両側制御装置60は、上記システムモード設定処理の実行の際に、上記サブキー12が異常な状態である旨を検知したとき、その旨を上記スピーカ51を通じて報知する。
以下、まずは、図5を参照して、バレー用制御装置90を通じて実行される上記サブキー固定解除処理の具体的手順について説明する。ちなみに、このサブキー固定解除処理は、基本的には、サブキー固定機構80によるサブキー12の固定を解除する処理であり、同処理に併せて貸し出しフラグFsをオン状態に設定する処理も行う。ここで、図5は、このサブキー固定解除処理をフローチャートとして示したものである。なお、この図5に示す処理は、例えば車両のアクセサリスイッチがオン状態となっているとき、すなわち車両のメイン電源がオン状態となっているとき、所定の演算周期をもって繰り返し実行される。
同図5に示されるように、この処理では、まず、上記サブキー取り出しスイッチ73が押圧操作されたか否かが判断される(ステップS10)。ここで、サブキー取り出しスイッチ73が押圧操作されていない旨が判断された場合には(ステップS10:NO)、バレー用制御装置90はこの処理を終了する。
一方、サブキー取り出しスイッチ73が押圧操作された旨が判断された場合には(ステップS10:YES)、上記タイマ91の計測が開始されるとともに(ステップS11)、マスターキー11が上記室内通信可能エリアBに位置しているか否かが判断される(ステップS12)。ちなみに、このサブキー固定解除処理では、このステップS12の処理を通じて、マスターキー11を所持した車両オーナが車室内に位置しているか否かを判断するようにしている。そして、マスターキー11が室内通信可能エリアBに位置していない旨が判断された場合には(ステップS12:NO)、上記タイマ91の値がリセットされ(ステップS17)、バレー用制御装置90はこの処理を終了する。
また一方、マスターキー11が室内通信可能エリアBに位置している旨が判断された場合には(ステップS12:YES)、サブキー固定機構80の駆動を通じてサブキー12の固定が解除され(ステップS13)、サブキー12が収容部70から取り出し可能な状態となる。そして、このステップS13の処理に続いて、上記マイクロスイッチ74の出力信号に基づいてサブキー12が収容部70に収容されているか否かが判断され(ステップS14)、サブキー12が収容部70に収容されている旨が判断された場合には(ステップS14:YES)、上記タイマ91を通じて計測される時間が所定時間T1に達したか否かが判断される(ステップS15)。ここで、タイマ91を通じて計測される時間が所定時間T1に達していない旨が判断されている期間に(ステップS15:NO)、サブキー12が収容部70から取り出されてサブキー12が収容部70に収容されていない旨が判断されるようになった場合には(ステップS14:NO)、貸し出しフラグFsがオン状態に設定される(ステップS18)。このステップS18の処理では、具体的には、貸し出しフラグFsの値が「1」に設定される。そして、このステップS18の処理に続いて、上記サブキー固定機構80の駆動が停止されるとともに(ステップS16)、上記タイマ91の値がリセットされ(ステップS17)、バレー用制御装置90はこの処理を終了する。
また一方、ステップS15の処理を通じて、タイマ91を通じて計測される時間が所定時間T1に達した旨が判断された場合には(ステップS15:YES)、上記サブキー固定機構80の駆動が停止される(ステップS16)。すなわち、このサブキー固定解除処理では、サブキー取り出しスイッチ73が押圧操作されてサブキー12の固定が一旦解除された後、収容部70からサブキー12が取り出されなかった場合には、再びサブキー12を固定するようにしている。そして、ステップS16の処理に続いて、上記タイマ91の値がリセットされ(ステップS17)、バレー用制御装置90はこの処理を終了する。
車両の電子キーシステムとしてこのサブキー固定解除処理を実行することで、マスターキー11を所持した者、例えば車両オーナが、サブキー取り出しスイッチ73を押圧操作したときにのみ、サブキー12を収容部70から取り出すことが可能となるため、車両オーナ以外の者によるサブキー12の盗難を未然に防ぐことができるようになる。また、車両オーナがサブキー取り出しスイッチ73を押圧操作したときにのみ、上記貸し出しフラグFsがオン状態に設定されるようになる。
次に、同じくバレー用制御装置90を通じて実行される上記貸し出しフラグFsをオフ状態に設定するための処理について説明する。
本実施形態にかかる車両の電子キーシステムでは、基本的には、同処理をエンジン運転中に実行するとともに、エンジン運転中にあっては同システムが上記通常モード、あるいはバレーモードのいずれかのモードに設定されることに鑑みて、同システムが通常モードに設定されているか、あるいはバレーモードに設定されているかに基づいて、互いに異なる処理を実行するようにしている。すなわち、同システムが通常モードに設定されているときには、通常モード時貸し出しフラグ設定処理を、また、同システムがバレーモードに設定されているときには、バレーモード時貸し出しフラグ設定処理をそれぞれ実行するようにしている。
図6は、これらのうちの通常モード時貸し出しフラグ設定処理をフローチャートとして示したものであり、以下、この図6を参照して同処理の具体的な手順について説明する。なお、同図6に示す処理は、上述のように、エンジン運転中であって、且つ同システムが通常モードに設定されているときに、所定の演算周期をもって繰り返し実行される。
同図6に示されるように、この処理では、まず、上記マイクロスイッチ74の出力信号に基づいてサブキー12が収容部70に収容されたか否かが判断される(ステップS20)。このステップS20の処理では、具体的には、マイクロスイッチ74がオフ状態からオン状態となった旨が判断されたとき、サブキー12が収容部70に収容された旨が判断される。ここで、サブキー12が収容部70に収容された旨が判断された場合には(ステップS20:YES)、上記貸し出しフラグFsがオフ状態に設定される(ステップS21)。このステップS21の処理では、具体的には、貸し出しフラグFsの値が「0」に設定される。
一方、ステップS20の処理を通じて、サブキー12が収容部70に収容されていない旨が判断された場合には(ステップS20:NO)、上記貸し出しフラグFsのオン/オフの情報に基づいて、サブキー12が貸し出し状態であるか否かが判断される(ステップS22)。
ところで、サブキー12が収容部70から取り出されている状態であるにも拘わらず、貸し出しフラグFsがオフ状態である場合、すなわちサブキー12が貸し出し状態でない旨が判断される場合には、サブキー12が収容部70から不正に取り出されている可能性があると推定することができる。
そこで、この通常モード時貸し出しフラグ設定処理では、上記ステップS22の処理を通じてサブキー12が貸し出し状態でない旨が判断されたとき(ステップS22:NO)、上記スピーカ51を通じて第1の報知、すなわちサブキー12が収容部70から不正に取り出されている可能性がある旨の報知が所定時間(例えば3秒)行われる(ステップS23)。他方、ステップS22の処理を通じて、サブキー12が貸し出し状態である旨が判断された場合には(ステップS22:YES)、バレー用制御装置90はこの処理を終了する。
車両の電子キーシステムとしてこの通常モード時貸し出しフラグ設定処理を実行することで、同システムが通常モードに設定されているときには、例えば車両オーナがサブキー12を収容部70に挿入した時点で上記貸し出しフラグFsがオフ状態に設定されるようになる。また、マスターキー11を所持した車両オーナは、上記サブキー12が収容部70から不正に取り出されている状態である旨の報知を通じて、サブキー12が異常な状態にある旨を知ることができるようになる。
次に、図7を参照して、同じくバレー用制御装置90を通じて実行される上記バレーモード時貸し出しフラグ設定処理の具体的な手順について説明する。なお、図7は、このバレーモード時貸し出しフラグ設定処理をフローチャートとして示したものである。また、この図7に示す処理は、上述のように、エンジン運転中であって、且つ同システムがバレーモードに設定されているときに、所定の演算周期をもって繰り返し実行される。
同図7に示されるように、この処理では、まず、上記マイクロスイッチ74の出力信号に基づいてサブキー12が収容部70に収容されたか否かが判断される(ステップS30)。ここで、サブキー12が収容部70に収容された旨が判断された場合には(ステップS30:YES)、上記貸し出しフラグFsがオフ状態に設定される(ステップS31)。一方、サブキー12が収容部70に収容されていない旨が判断された場合には(ステップS30:NO)、バレー用制御装置90はこの処理を終了する。
車両の電子キーシステムとしてこのバレーモード時貸し出しフラグ設定処理を実行することで、同システムがバレーモードに設定されているときには、例えば車両オーナがサブキー12を収容部70に挿入した時点で上記貸し出しフラグFsがオフ状態に設定されるようになる。
次に、図8及び図9を参照して、車両側制御装置60を通じて実行される上記システムモード設定処理の具体的な手順について説明する。ここで、図8及び図9は、このシステムモード設定処理をフローチャートとして示したものである。なお、これら図8及び図9に示す処理は、例えば上記ドアカーテシスイッチ33aを通じて運転席のドア21aが開状態から閉状態となった旨を検知したとき、すなわち車両乗員が運転席のドア21aを開閉操作したときに実行される。
同図8に示されるように、この処理では、まず、上記マスターキー11が室内通信可能エリアBに位置しているか否かが判断され(ステップS40)、マスターキー11が上記室内通信可能エリアBに位置している旨が判断された場合には(ステップS40:YES)、サブキー12が収容部70に収容されているか否かが判断される(ステップS41)。このステップS41の処理では、具体的には、上記マイクロスイッチ74のオン/オフの情報を通じてサブキー12が収容部70に収容されているか否かが判断される。そして、サブキー12が収容部70に収容されていない旨が判断された場合には(ステップS41:NO)、サブキー12が上記室内通信可能エリアBに位置しているか否かが判断される(ステップS42)。このステップS42の処理を通じて、サブキー12が室内通信可能エリアBに位置している旨が判断された場合には(ステップS42:YES)、上記貸し出しフラグFsのオン/オフの情報に基づいてサブキー12が貸し出し状態であるか否かが判断される(ステップS43)。このステップS43の処理では、具体的には、貸し出しフラグFsがオン状態、すなわちその値が「1」であるとき、サブキー12が貸し出し状態である旨が判断される。
ところで、サブキー12が室内通信可能エリアBに位置している旨が判断されたとき、サブキー12が貸し出し状態であるか否かに基づいて、サブキー12が、以下の(c1),(c2)のいずれかの状態であると推定することができる。
(c1)サブキー12が貸し出し状態である場合。この場合には、サブキー12は、基本的には、異常な状態にないと推定することができる。ただし、貸し出したサブキー12が車室内に落ちている可能性はある。
(c2)サブキー12が貸し出し状態でない場合。この場合には、サブキー12が収容部70から不正に取り出されて車室内に落ちている状態であると推定することができる。
そこで、このシステムモード設定処理では、上記ステップS43の処理を通じて、サブキー12が貸し出し状態である旨が判断された場合には(ステップS43:YES)、上記スピーカ51を通じて第2の報知、すなわちサブキー12が車室内に落ちている可能性がある旨の報知が実行される(ステップS44)。そして、このステップS44の処理に続いて、同システムが上記通常モードに設定される(ステップS45)。
一方、上記ステップS43の処理を通じて、サブキー12が貸し出し状態でない旨が判断された場合には(ステップS43:NO)、上記スピーカ51を通じて第3の報知、すなわちサブキー12が収容部70から不正に取り出されて車室内に落ちている可能性がある旨の報知が実行される(ステップS46)。そして、このステップS46の処理に続いて、同システムが上記通常モードに設定される(ステップS45)。
また一方、上記ステップS42の処理を通じて、サブキー12が室内通信可能エリアBに位置していない旨が判断された場合にも(ステップS42:NO)、上記貸し出しフラグFsのオン/オフの情報に基づいてサブキー12が貸し出し状態であるか否かが判断される(ステップS47)。
ところで、サブキー12が室内通信可能エリアBに位置していない旨が判断されたとき、サブキー12が貸し出し状態であるか否かに基づいて、サブキー12が、以下の(d1),(d2)のいずれかの状態であると推定することができる。
(d1)サブキー12が貸し出し状態である場合。この場合には、サブキー12は適正に貸し出されている状態であると推定することができる。
(d2)サブキー12が貸し出し状態でない場合。この場合には、サブキー12が収容部70から不正に取り出されて何者かに持ち去られている状態、すなわち盗難されている状態であると推定することができる。
そこで、このシステムモード設定処理では、上記ステップS47の処理を通じて、サブキー12が貸し出し状態である旨が判断された場合には(ステップS47:YES)、上記スピーカ51を通じた報知を行わずに、そのまま同システムが通常モードに設定される(ステップS45)。
一方、上記ステップS47の処理を通じて、サブキー12が貸し出し状態でない旨が判断された場合には(ステップS47:NO)、上記スピーカ51を通じて第4の報知、すなわちサブキー12が盗難されている可能性がある旨の報知が実行され(ステップS48)、同システムが通常モードに設定される(ステップS45)。
また一方、上記ステップS41の処理を通じて、サブキー12が収容部70に収容されている旨が判断された場合にも(ステップS41:YES)、上記貸し出しフラグFsのオン/オフの情報に基づいてサブキー12が貸し出し状態であるか否かが判断される(ステップS49)。ここで、サブキー12が収容部70に収容されている状態であって、且つ、サブキー12が貸し出し状態である旨が判断されている場合には、例えば貸し出されていたサブキー12が返却されてこれが車両に乗り込んだオーナにより収容部70に収容された状況などが想定される。そこで、ステップS49の処理を通じて、サブキー12が貸し出し状態である旨が判断された場合には(ステップS49:YES)、貸し出しフラグFsがオフ状態に設定されるとともに(ステップS50)、同システムが通常モードに設定される(ステップS45)。他方、ステップS49の処理を通じて、サブキー12が貸し出し状態でない旨が判断された場合には(ステップS49:NO)、そのまま同システムが通常モードに設定される(ステップS45)。
ところで、上記ステップS40の処理を通じて、マスターキー11が室内通信可能エリアBに位置していない旨が判断された場合には(ステップS40:NO)、図9に示される処理が実行される。
すなわち、同図9に示されるように、まず、サブキー12が収容部70に収容されているか否かが判断され(ステップS51)、サブキー12が収容部70に収容されていない旨が判断された場合には(ステップS51:NO)、続いてサブキー12が室内通信可能エリアBに位置しているか否かが判断される(ステップS52)。そして、サブキー12が室内通信可能エリアBに位置している旨が判断された場合には(ステップS52:YES)、同システムが上記バレーモードに設定される(ステップS53)。
一方、上記ステップS51の処理を通じてサブキー12が収容部70に収容されている旨が判断された場合(ステップS51:YES)、あるいは上記ステップS52の処理を通じてサブキー12が室内通信可能エリアBに位置していない旨が判断された場合には(ステップS52:NO)、同システムが上記車両操作禁止モードに設定される(ステップS54)。ちなみに、このように同システムが車両操作禁止モードに設定された場合には、先の図8に併せ示されるように、マスターキー11が室内通信可能エリアBに位置するまで(ステップS40:NO)、同システムは車両操作禁止モードのまま維持される。
車両の電子キーシステムとしてのこうした構成によれば、マスターキー11を所持した車両オーナが乗車しようとして車室内に進入して運転席のドア21aを閉めた際に、サブキー12が上記(c1),(c2),(d2)に例示した異常状態にある旨が検知されれば、各異常状態に応じた上記第2〜第4の報知が実行される。また、マスターキー11を所持した車両オーナが車両を運転している際にも、サブキー12が不正に取り出されている旨が検知されれば、上記第1の報知が実行される。そして、これらの報知を通じて、車両オーナはサブキー12に生じている具体的な異常状態を知ることができるようになるため、サブキー12の異常状態に応じた適宜の対策手段を講じることが可能となる。なお、このサブキー12の異常状態に応じた対策手段としては、例えば以下の(e1),(e2)の対策手段が考えられる。
(e1)第2の報知が行われた場合。この場合には、車両オーナは、例えばサブキー12を探すなどの対策手段を講じることができるようになるため、サブキー12の紛失を未然に防ぐことができるようになる。
(e2)第1、第3、及び第4の報知が行われた場合。この場合には、車両オーナは、例えば車両20をディーラーに持ち込むなどして、上記車両側制御装置60の識別コードデータベース60aからサブキー12の識別コードIDSを抹消することで、上記サブキー12と車両20との間の無線通信を通じた車両の各種制御を禁止するなどの対策手段を講じることができるようになる。
このように、本実施形態にかかる車両の電子キーシステムでは、サブキー12の異常状態に応じた適宜の対策手段を講じることが可能となるため、電子キーシステムとしての高いセキュリティレベルを維持することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態にかかる車両の電子キーシステムによれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)サブキー12を収容するための収容部70をセンターコンソール25に設けるようにした上で、マスターキー11が室内通信可能エリアBに位置している状態で収容部70からサブキー12が取り出された旨を検知したとき、サブキー12が貸し出し状態である旨を判断するようにした。また、マスターキー11が室内通信可能エリアBに位置している旨を検知したとき、サブキー12が収容部70に収容されていないことが検知されていることを条件として、サブキー12が室内通信可能エリアBに位置しているか否かの検出を行うようにした。そして、該検出の結果、サブキー12が室内通信可能エリアBに位置している旨が判断されたとき、サブキー12が貸し出し状態である旨の判断がなされていることを条件として、第2の報知、すなわちサブキー12が車室内に落ちている可能性がある旨の報知を実行するようにした。また、サブキー12が貸し出し状態である旨の判断がなされていないことを条件として、第3の報知、すなわちサブキー12が収容部70から不正に取り出されて車室内に落ちている可能性がある旨の報知を実行するようにした。さらに、上記サブキー12が室内通信可能エリアBに位置しているか否かの検出の結果、サブキー12が室内通信可能エリアBに位置していない旨が判断されたとき、サブキー12が貸し出し状態である旨の判断がなされていないことを条件として、第4の報知、すなわちサブキー12が盗難されている可能性がある旨の報知を実行するようにした。一方、エンジン運転中であって、且つ電子キーシステムが通常モードに設定されている状況で、サブキー12が収容部70に収容されていない旨が判断されたとき、サブキー12が貸し出し状態である旨の判断がなされていないことを条件として、第1の報知、すなわちサブキー12が収容部から不正に取り出されている状態である旨の報知を実行するようにした。これにより、車両オーナは、サブキー12の異常状態に応じた適宜の対策手段を講じることができるようになるため、電子キーシステムとしての高いセキュリティレベルを維持することができるようになる。
(2)スロット71に収容されたサブキー12を固定するためのサブキー固定機構80を収容部70に設けた上で、このサブキー固定機構80を、スロット71にサブキー12が収容されたときにその固定を自動的に行う構成とした。また、同サブキー固定機構80を、サブキー取り出しスイッチ73が押圧操作されたときに、マスターキー11が室内通信可能エリアBに位置していることを条件として、サブキー12の固定を解除する構成とした。これにより、車室内に不正侵入した者によるサブキー12の盗難そのものを未然に防止することができるようになるため、電子キーシステムとしてのセキュリティレベルを、より高めることができるようになる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、上記スピーカ51を通じた第2〜第4の報知を、ドアカーテシスイッチ33aを通じて運転席のドア21aが開状態から閉状態となった旨を検知したとき、すなわち車両乗員が運転席のドア21aを開閉操作したときに実行するようにした。これに代えて、例えば、上記エンジンスタートスイッチ24が押圧操作されたときに実行するようにしてもよい。要は、これら第2〜第4の報知、並びに上記第1の報知を、マスターキー11が車室内に位置していると判断できる状況で実行するものであればよい。
・上記実施形態では、第1〜第4の報知を全て行うようにしたが、これに代えて、例えば第2〜第4の報知のみを行ったり、あるいは第1の報知のみを行ったりするようにしてもよい。また、第3の報知のみを行ったりしてもよい。
・上記実施形態では、サブキー固定解除処理を、車両のアクセサリスイッチがオン状態となっているとき、すなわち車両のメイン電源がオン状態となっているとき、所定の演算周期をもって繰り返し実行するようにした。これに代えて、例えば上記ドアカーテシスイッチ33aを通じて運転席のドア21aが開状態から閉状態となった旨を検知したとき、すなわち車両乗員が運転席のドア21aを開閉操作したときに実行するようにしてもよい。また、上記マイクロスイッチ74がオン状態となっているとき、すなわち上記収容部70にサブキー12が収容されているときに、所定の演算周期をもって繰り返し実行するようにしてもよい。
・上記実施形態では、通常モード時貸し出しフラグ設定処理及びバレーモード時貸し出しフラグ設定処理を、エンジン運転中に実行するようにしたが、これに代えて、例えばマスターキー11が室内通信可能エリアBに位置している状態であって、且つ上記マイクロスイッチ74がオフ状態となっているとき、すなわち上記収容部70からサブキー12が取り出されているときに、所定の演算周期をもって繰り返し実行するようにしてもよい。
・上記実施形態では、電子キーシステムがバレーモードに設定されたとき、トランクドア22のアンロック操作を禁止するとともに、車両の走行速度を所定の速度に制限するようにした。これに代えて、例えばトランクドア22のアンロック操作の禁止のみを実行するようにしてもよい。要は、同システムがバレーモードに設定されたとき、サブキー12を借りた者による車両の不正な操作を防止するかたちで車両の各種操作が制限されるものであればよい。
・上記実施形態では、車両の電子キーシステムとして、室内通信可能エリアBにサブキー12のみが位置している旨が判断されて、且つサブキー12が貸し出し状態である旨が判断されたとき、トランクドア22のアンロック操作の禁止などを行うシステム構成を採用するようにした。これに代えて、室内通信可能エリアBにサブキー12のみが位置している旨が判断されて、且つサブキー12が貸し出し状態である旨が判断されたとき、トランクドア22のアンロック操作も含め、車両の各種操作を全て許可するようにしてもよい。すなわち、サブキー12が、マスターキー11と同等の機能を有する、いわゆるスペアキーであってもよい。なお、電子キーシステムとしてこうしたシステム構成を採用するようにした場合には、先の図9に例示したシステムモード設定処理のステップS53の処理として、同システムを通常モードに設定する処理を実行すればよい。
・上記実施形態では、第1〜第4の報知を、報知手段としての車室内のスピーカ51を利用して行うようにしたが、これに代えて、例えば車両のインストルメントパネル23に警告灯を新たに設け、この新たに設けた警告灯の点灯を通じて行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、収容されたサブキー12を固定するためのサブキー固定機構80を収容部70に設けるようにしたが、例えば収容部70のスペース的な制約によりサブキー固定機構80を設けることが難しい場合には、同サブキー固定機構80を割愛するようにしてもよい。なお、このように収容部70からサブキー固定機構80を割愛するようにした場合には、先の図5に例示したサブキー取り出しスイッチ73を割愛することもできるようになるとともに、上記サブキー固定解除処理の実行が不要となる。ただし、このようにサブキー固定解除処理を行わないようにした場合には、上記貸し出しフラグFsをオン状態に設定する処理も行われなくなるため、この貸し出しフラグFsをオン状態に設定するための処理が必要となる。そこで、電子キーシステムとして、例えばマスターキー11が室内通信可能エリアBに位置している旨が検知されている状態でマイクロスイッチ74がオン状態からオフ状態となった旨を検知したとき、貸し出しフラグFsをオン状態に設定する処理を実行するようにしてもよい。
・上記実施形態では、電子キーシステムとして、1つのマスターキー11、及び1つのサブキー12の合計2つの電子キーを備える構成を採用するようにしたが、これに代えて、例えば1つのマスターキー11、及び2つのサブキー12の合計3つの電子キーを備える構成など、電子キーを3つ以上備えるシステム構成を採用するようにしてもよい。ちなみに、例えば2つのサブキー12を備える構成とした場合には、上記収容部70に、これら2つのサブキー12を収容するために2つのスロットを設けるなど、サブキー12の数に応じてスロットの数を適宜変更する必要があることは言うまでもない。
・上記実施形態では、収容部70を、車両のセンターコンソール25に設けるようにしたが、これに代えて、例えば車両のグローブボックス内に設けるようにしてもよい。
(付記)
次に、上記実施形態及びその変形例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両の電子キーシステムにおいて、前記収容部から取り出されたサブキーが前記車室内に設定された通信可能エリア、もしくは車室外に設定された通信可能エリアに位置している旨を検知したとき、前記車両の各種操作のうちの一部の操作を禁止する車両の電子キーシステム。車両の電子キーシステムとしての上記構成によれば、例えばバレーパーキングサービスを利用する際など、第三者に電子キーを貸し出す際にサブキーを貸し出すようにすることで、サブキーを借りた者による車両の不正な操作を防止することができ、ひいては車両の電子キーシステムのセキュリティレベルを高めることができるようになる。したがって、こうした車両の電子キーシステムに前述した請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明の構成が採用されることで、車両の電子キーシステムのセキュリティレベルを、より高めることができるようになる。
(ロ)付記イに記載の車両の電子キーシステムにおいて、前記収容部から取り出されたサブキーが前記車室内に設定された通信可能エリア、もしくは車室外に設定された通信可能エリアに位置している旨を検知したとき、前記車両の各種操作のうちの一部の操作として、車両エンジンの始動操作を許可するとともに、車両のトランクドアのアンロック操作を禁止し、且つ、車両の走行速度に制限を設ける車両の電子キーシステム。具体的には、車両の電子キーシステムとしての上記構成によるように、収容部から取り出されたサブキーが車室内に設定された通信可能エリア、もしくは車室外に設定された通信可能エリアに位置している旨を検知したとき、車両の各種操作のうちの一部の操作として、車両エンジンの始動操作を許可するとともに、車両のトランクドアのアンロック操作を禁止し、且つ、車両の走行速度に制限を設けるといった構成を採用することができる。
本発明にかかる車両の電子キーシステムの一実施形態についてその概要構成を示す平面図。 (a),(b)は、同実施形態の車両の電子キーシステムについてそのサブキー及び同サブキーを収容するための収容部の斜視構造及び断面構造を示す斜視図及び断面図。 (a)〜(c)は、同実施形態の車両の電子キーシステムの収容部についてサブキーを収容する際の動作、及び収容部からサブキーを取り出す際の動作をそれぞれ示す断面図。 同実施形態の車両の電子キーシステムについてそのシステム構成を示すブロック図。 同実施形態の車両の電子キーシステムのサブキー固定解除処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の車両の電子キーシステムの通常モード時貸し出しフラグ設定処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の車両の電子キーシステムのバレーモード時貸し出しフラグ設定処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の車両の電子キーシステムのシステムモード設定処理の処理手順を示すフローチャート。 同じく同実施形態の車両の電子キーシステムのシステムモード設定処理の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
A…室外通信可能エリア、B…室内通信可能エリア、10…電子キー、11…マスターキー、11a,12b…受信装置、11b…マスターキー側制御装置、11c,12d…送信装置、11d,12e,60a…メモリ、12…サブキー、12a…貫通孔、12c…サブキー側制御装置、20…車両、21a〜21d…車両ドア、22…トランクドア、23…インストルメントパネル、24…エンジンスタートスイッチ、25…センターコンソール、30…室外送信装置、31…室内送信装置、32…受信装置、33a〜33d…ドアカーテシスイッチ、41〜45…ドアロック機構、50…エンジン始動装置、51…スピーカ、60…制御装置、60…車両側制御装置、60a…メモリ、70…収容部、71…スロット、72…凹部、73…サブキー取り出しスイッチ、74…マイクロスイッチ、74a…突出部、80…サブキー固定機構、81…ニードル、81a…傾斜面、82…アクチュエータ、82a…中空部、82b…ロッド、82c…アーマチャ、82d…コイルスプリング、82e…電磁コイル、90…バレー用制御装置、91…タイマ。

Claims (4)

  1. 主として使用されるマスターキー及び該マスターキーの代わりに補助的に使用されるサブキーの2種類の電子キーを備え、該電子キーと車両との間の無線通信を通じて前記電子キーが車室内に設定された通信可能エリア、もしくは車室外に設定された通信可能エリアのいずれかのエリアに位置しているか否かを監視しつつ、前記電子キーが前記通信可能エリアのうちのいずれかのエリアに位置している旨を検知したとき、検知された電子キーが位置している通信可能エリアに応じて車両の各種操作の許可を行う車両の電子キーシステムにおいて、
    前記車室内には、前記サブキーを収容するための収容部が設けられ、前記マスターキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置している旨が検知されている状態で前記収容部から前記サブキーが取り出された旨を検知したとき、前記サブキーが貸し出し状態である旨を判断するとともに、前記マスターキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置している旨を検知したとき、前記サブキーが前記収容部から取り出されている旨が検知されている状態であって、且つ前記サブキーが貸し出し状態である旨の判断がなされていないことを条件として、前記車両に設けられた報知手段を通じて前記サブキーが異常な状態にある旨の報知を行う
    ことを特徴とする車両の電子キーシステム。
  2. 前記マスターキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置している旨を検知したとき、前記サブキーが前記収容部から取り出されている旨が検知されている状態であることを条件に、前記サブキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置しているか否かの検出を行い、該検出の結果、前記サブキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置していない旨を判断したとき、前記サブキーが貸し出し状態である旨の判断がなされていないことを条件として、前記報知手段を通じて前記サブキーが盗難されている可能性がある旨の報知を行うとともに、前記サブキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置している旨を判断したとき、前記サブキーが貸し出し状態である旨の判断がなされていないことを条件として、前記報知手段を通じて前記サブキーが不正に取り出されて前記車室内に設定された通信可能エリア内に落ちている可能性がある旨の報知を行う
    請求項1に記載の車両の電子キーシステム。
  3. 前記サブキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置しているか否かの検出の結果、前記サブキーが前記車室内に設定された通信可能エリアに位置している旨を判断したとき、前記サブキーが貸し出し状態である旨の判断がなされていることを条件として、前記報知手段を通じて前記サブキーが前記車室内に設定された通信可能エリア内に落ちている可能性がある旨の報知を行う
    請求項2に記載の車両の電子キーシステム。
  4. 前記収容部は、同収容部に収容されたサブキーを固定するためのサブキー固定機構と、該サブキー固定機構を通じた前記サブキーの固定を解除する際に車両乗員によって押圧操作されるサブキー取り出しボタンとを有し、前記サブキー固定機構は、前記収容部にサブキーが収容されたとき、同収容されたサブキーを自動的に固定するとともに、前記サブキー取り出しボタンが押圧操作されたとき、前記マスターキーが前記車室内に位置していることを条件として、前記サブキーの固定の解除を実行する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の電子キーシステム。
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