JP2010095710A - インクジェット記録用水性インクおよび水性インクセット - Google Patents

インクジェット記録用水性インクおよび水性インクセット Download PDF

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Abstract

【課題】記録紙への浸透性を確保しつつ、裏抜けを大きく抑制または防止し、さらに印字濃度および紙面乾燥性にも優れたインクジェット記録用水性インクを提供する。
【解決手段】インクジェット記録用水性インクは、自己分散型顔料と、水と、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテルおよびトリエチレングリコールブチルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種のグリコールエーテル類と、0.01重量%〜0.5重量%のメチルセルロースとを含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用水性インクおよび水性インクセットに関する。
水、水溶性有機溶剤および着色剤を含有するインクジェット記録用水性インクを使用して記録紙に高速印字をする場合、印字された記録紙を留め置く排紙トレーにおいて、先に印字された記録紙の上に次に印字された記録紙が重なるため、先に印字された記録紙表面のインクがその上に重ねられた次に印字された記録紙の裏面を汚してしまう「転写」という現象が生ずる場合ある。このため、インクジェット記録用水性インクにグリコールエーテル類を添加し、インクの記録紙への浸透性を高め、結果的にインクの紙面乾燥性を高めることが広く行われている。
しかし、記録紙へのインクの浸透性を過度に高くすると、インクが記録紙の裏面にまで浸み通ってしまう「裏抜け」という現象が生じる場合がある。そのような場合、印字濃度の低下を招くことが懸念される。特に、顔料インクは染料インクに比べて記録紙に浸透し難いために、染料インクよりも多量に浸透剤を使用する傾向がある。それゆえ、「裏抜け」は顔料インクに起こりやすい。
水、水溶性有機溶剤および顔料分散体を含有するインクジェット記録用水性インクにおいて、記録紙に記録して得た印字物の耐擦過性を改善するために、いわゆる増粘剤に分類される多糖類、セルロース誘導体および加工でんぷん類の少なくとも一種を、インク全量に対して3重量%〜40重量%という比較的多量に配合することが提案されている(特許文献1)。
特開平8−231910号公報
しかしながら、特許文献1で提案されているインクジェット記録用水性インクは、増粘剤の濃度が高すぎるため、インクが記録紙の表面上乃至は記録紙の表面近傍内部に局在する傾向があり、紙面乾燥性が低下し、転写の発生が懸念される。
本発明は、以上の従来の課題を解決しようとするものであり、記録紙へのインクの浸透性を確保しつつ、かつ裏抜けを抑制または防止し、さらには印字濃度と紙面乾燥性にも優れたインクジェット記録用水性インクを提供することを目的とする。
本願に係る発明者は、分散剤を必要とする顔料に比べ自己分散型顔料の方が、記録紙の繊維に対して顔料粒子が定着し易いために裏抜けを抑制または防止でき、さらにインクの裏抜け防止剤として比較的少量のメチルセルロースを使用し、加えて浸透剤として特定のグリコールエーテル類をそれぞれ特定範囲の配合量で併用することにより、上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の第1の態様に従えば、自己分散型顔料と、水と、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテルおよびトリエチレングリコールブチルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種のグリコールエーテル類と、0.01重量%〜0.5重量%のメチルセルロースとを含有することを特徴とするインクジェット記録用水性インクが提供される。
本発明の第2の態様に従えば、自己分散型顔料と、水と、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテルおよびトリエチレングリコールブチルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種のグリコールエーテル類と、0.01重量%〜0.5重量%のメチルセルロースとを含有する顔料インクと;染料と水を含む染料インクとを備えるインクジェット記録用水性インクセットが提供される。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、着色剤として記録紙の繊維に対して良好な親和性を示す自己分散型顔料を使用し、さらに裏抜け防止剤として比較的少量のメチルセルロースを使用し、さらに浸透剤として特定のグリコールエーテル類をそれぞれ特定範囲の配合量で併用するので、裏抜けを抑制または防止でき、さらには印字濃度の低下を防ぎ、良好な紙面乾燥性を実現することができる。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、自己分散型顔料と、水と、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテルおよびトリエチレングリコールブチルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種のグリコールエーテル類と、0.01重量%〜0.5重量%のメチルセルロースとを含有する。すなわち、本発明のインクジェット記録用水性インクは顔料インクである。前述のように顔料インクでは裏抜けの問題が深刻であるので、本発明が顔料インクに有効に適用される。
本発明のインクジェト記録用水性インクで使用する自己分散型顔料は、例えば、顔料粒子の表面にカルボキシル基、カルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン基などの親水性官能基およびそれらの塩の少なくとも一種が、直接または多価の基を介して化学結合により導入されていることによって、分散剤を使用することなく水に分散可能なものである。
前記自己分散型顔料としては、例えば、特開平8−3498号公報、特表2000−513396号公報などに記載の方法によって表面処理された自己分散型顔料を用いることができる。また、市販品を用いてもよい。このような市販品としては、例えば、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「CAB−O−JET(登録商標)200、250、260、270、300および700」、オリエント化学工業(株)製の「BONJET(登録商標)BLACK CW−1、CW−2およびCW−3」、東洋インキ製造(株)製の「LIOJET(登録商標)WD BLACK 002C」などが挙げられる。本発明においては、CAB−O−JET(登録商標)300のように、表面処理により表面官能基としてカルボキシル基が導入された自己分散型顔料が好ましい。
前記自己分散型顔料の原料として用いることができる顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。また、表面処理を行うのに適した無機顔料としては、例えば、三菱化学(株)製の「MA8および100」、デグサ社製の「カラーブラックFW200」などが挙げられる。表面処理を行うのに適した有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ系顔料;リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの不溶性アゾ系顔料;アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料;キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系顔料;ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系顔料;イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系顔料;イソインドリン系顔料;ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系顔料;チオインジゴ系顔料;縮合アゾ系顔料;ベンズイミダゾロン系顔料;キノフタロンエローなどのキノフタロン系顔料;フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレットなどが挙げられる。なかでも、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料およびキノフタロン系顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機有色顔料を用いることが耐光性などの点から好ましい。具体的には、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4を好ましく使用できる。
前記自己分散型顔料の粒子径は、大きすぎるとインクの保存中に顔料が沈降することが懸念され、小さすぎると顔料粒子の凝集が生じ、インク中に安定に分散することが困難になることが懸念されるので、その平均粒子径は、好ましくは10nm〜150nm、より好ましくは50nm〜130nmである。
前記自己分散型顔料のインクジェット記録用水性インク全量中における配合量は、少なすぎると必要とする印字濃度を得ることができなくなり、多すぎるとインクジェットヘッドのノズルの目詰まりの原因となるので、好ましくは0.5重量%〜15重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%である。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、裏抜け防止剤として、メチルセルロースを使用する。そのようなメチルセルロースとしては、所期の発明の効果を得るという観点から、メトキシ基置換度が25%〜35%であって、メチルセルロース20gを20℃の水に溶解して全量を1リットルとした水溶液の粘度が、20cP〜30cPを示すものを使用することが好ましい。さらに、このような特性のメチルセルロースの中でも、その分子量が小さすぎるとメチルセルロースを含有するインクが記録紙中に浸透し易くなり、裏抜けを生じる要因となることが懸念され、大きすぎると少量の使用であっても、インクの粘度が高くなり、インクとして適さなくなることが懸念されるため、重量平均分子量が55,000〜65,000であるものを使用することがより好ましい。なお、本願明細書中、用語「メチルセルロース」は、狭義で用いており、メチルセルロースの誘導体や塩、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは含まない。
前記メチルセルロースのインクジェット記録用水性インク全量中における配合量は、0.01重量%〜0.5重量%であり、印字濃度、紙面乾燥性および裏抜け防止という3つの特性の総合的な評価という観点からすれば、好ましくは0.05重量%〜0.3重量%である。0.01重量%未満であると裏抜け防止効果が不充分であり、0.5重量%を超えると紙面乾燥性が不充分となる。特に裏抜け防止効果を重視するのであれば、前記メチルセルロースのインクジェット記録用水性インク全量中における配合量は、0.1重量%〜0.5重量%が好ましい。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、浸透剤として、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテルおよびトリエチレングリコールブチルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種のグリコールエーテル類(特定のグリコールエーテル類)を使用する。これらに代えて他のグリコールエーテル類を使用した場合には、裏抜け防止効果または紙面乾燥性のいずれかが不充分となる。特に、裏抜け防止の観点からすれば、ジプロピレングリコールプロピルエーテルまたはトリエチレングリコールブチルエーテルが好ましい。
前記特定のグリコールエーテル類のインクジェット記録用水性インク全量中における配合量は、0.3重量%〜5重量%であり、好ましくは0.5重量%〜3重量%である。0.3重量%未満であると紙面乾燥性が不充分であり、5重量%を超えると裏抜け防止効果が不充分となる。
本発明のインクジェット記録用水性インクで使用する水としては、純水または脱イオン水が好ましい。前記水のインクジェット記録用水性インク全量中における配合量は、特定のグリコールエーテル類および後述する湿潤剤の種類および組成、所望のインク特性などに応じて広い範囲で決定され、好ましくは10重量%〜95重量%、より好ましくは10重量%〜80重量%、特に好ましくは20重量%〜80重量%である。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、さらに、主としてインクジェットヘッドの先端部におけるインクの乾燥防止効果を有する湿潤剤を含有してもよい。
前記湿潤剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトンまたはケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコールなどのアルキレングリコール;グリセリン;2−ピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。中でも、アルキレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールが好ましい。
前記湿潤剤のインクジェット記録用水性インク全量中における配合量は、0〜95重量%、好ましくは5重量%〜80重量%、より好ましくは5重量%〜50重量%である。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、さらに必要に応じて、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよび水溶性樹脂などの粘度調整剤;表面張力調整剤;防黴剤;pH調整剤などの従来公知の添加剤を含有してもよい。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、自己分散型顔料、水、特定のグリコールエーテル類、メチルセルロースおよび湿潤剤などの他の添加成分を、均一に混合し、フィルターで不溶解物を除去することにより調製することができる。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、従来公知のインクジェット記録装置に適合するインクカートリッジに充填し、インクジェット記録に使用することができる。また、本発明のインクジェット記録用水性インクは、染料インクと組み合わせることによって、インクジェット記録用水性インクセットをもたらすことができる。染料インクは、知られた染料インクを用いることができ、例えば、主に、染料、水および水溶性有機溶媒を含む。染料インクにも、顔料インクと同様にメチルセルロースを含めてもよい。
実施例1
メチルセルロースを0.1重量%、ジエチレングリコールブチルエーテルを1.5重量%、グリセリンを25重量%、サンノール(登録商標)NL1430を0.12重量%および水を40.28重量%を均一に混合し、混合溶液を得た。混合溶液を、自己分散型顔料CAB−O−JET(登録商標)300に、重量比で混合溶液:CAB−O−JET(登録商標)300=67:33になるように加えて均一に混合した。その後、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)で濾過することにより、実施例1のインクジェット記録用水性インク(顔料インク)を調製した。得られたインクジェット記録用水性インクをインクカートリッジに充填した後、ブラザー工業(株)製のインクジェットプリンタ搭載デジタル複合機DCP−330Cに装着し、普通紙(Hammermil社製のLaserPrint)に対し、ベタ印字(3cm×3cm角、解像度600dpi×600dpi、100%duty)を行い、以下に説明するように、a)裏抜け評価、b)印字濃度評価およびc)紙面乾燥性評価を行った。用いたメチルセルロースは、以下の特性のものを用いた。メトキシ基置換度が25%〜35%であり、メチルセルロース20gを20℃の水に溶解して全量を1リットルとした水溶液の粘度が20cP〜30cPであり、重量平均分子量が55,000〜65,000であった。
a)裏抜け評価
ベタ印字部および非印字部のそれぞれの裏面に対して、分光光度計(Gretag Macbeth社製のSpectrolino(測定条件:光源D50、視野角2°、ANSI T))を用いて、明度(L*)の測定を行った。ついで、非印字部裏面の明度に対するベタ印字部裏面の明度の変化率(明度変化率)を式(1)に基づき算出し、以下の評価基準で評価した。明度変化率および評価結果を表1に示す。なお、裏抜け評価の評価基準において、Gは良好、NGは不良を意味する。
Figure 2010095710
<裏抜け評価基準>
G: 明度変化率が6%以下であった。
NG: 明度変化率が6%を超えた。
b)印字濃度評価
ベタ印字部表面に対して、分光光度計(Gretag Macbeth社製のSpectrolino(測定条件:光源D50、視野角2°、ANSI T))を用いて光学濃度(OD)値の測定を行い、以下の評価基準で評価した。光学濃度(OD)値および評価結果を表1に示す。なお、印字濃度評価の評価基準において、Gは良好、NGは不良を意味する。
<印字濃度評価基準>
G: OD値が1.30以上であった。
NG: OD値が1.30未満であった。
c)紙面乾燥性評価
印字直後のベタ印字部表面において、液状のインクが目視確認できなくなるまでの所要時間(乾燥時間)を計測し、以下の評価基準で評価した。乾燥時間および評価の結果を表1に示す。なお、紙面乾燥性評価において、Gは良好、NGは不良を意味する。
<紙面乾燥性評価基準>
G: 5秒以内であった。
NG: 5秒を超えた。
Figure 2010095710
実施例2〜8
水性インクを表1に記載の組成で調製した以外は、実施例1と同様にして、水性インクを調製し、a)裏抜け評価、b)印字濃度評価およびc)紙面乾燥性評価を行った。
比較例1〜16
水性インクを表1に記載の組成で調製した以外は、実施例1と同様にして、水性インクを調製して、a)裏抜け評価、b)印字濃度評価およびc)紙面乾燥性評価を行った。
比較例17
カーボンブラックを10重量部、DISPERBYK(登録商標)−190を6重量部、グリセリンを12重量部および水を72重量部を混合した後、直径0.3mmのジルコニアビーズを媒体とした湿式サンドミルにて分散処理を行い、カーボンブラック分散体を得た。また、水を29.28重量部、メチルセルロースを0.1重量部、グリセリンを19重量部、トリエチレングリコールブチルエーテルを1.5重量部、サンノール(登録商標)NL1430を0.12重量部を混合して、混合溶液(インク溶媒)50重量部を調製した。その後、撹絆したカーボンブラック分散体50重量部に、調製した混合溶液50重量部を徐々に加え、さらに30分撹拝した後、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテート型のメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)で濾過して、水性インクを得た。得られた水性インクについて、実施例1と同様にして、a)裏抜け評価、b)印字濃度評価およびc)紙面乾燥性評価を行った。
比較例18および19
水性インクの組成を表1に記載した以外は、比較例17と同様にして、水性インクを調整して、a)裏抜け評価、b)印字濃度評価およびc)紙面乾燥性評価を行った。
表1から、実施例1〜8のインクジェット記録用水性インクは、いずれの評価項目についても良好な結果(G)が得られたことがわかる。
一方、比較例1および3のインクジェット記録用水性インクは、メチルセルロースを使用しているが、その含有量が実施例の水性インクに比べて少ないので、裏抜け評価が低かった。比較例2および4のインクジェット記録用水性インクは、メチルセルロースを使用しているが、その含有量が実施例の水性インクに比べて多いので、紙面乾燥性は良くなかった。比較例5〜10のインクジェット記録用水性インクは、特定のグリコールエーテル類を使用していないため、裏抜け評価または紙面乾燥性評価の少なくとも一方が不良(NG)であった。比較例11〜14のインクジェット記録用水性インクは、メチルセルロースに代えて他のセルロース系増粘剤を使用したので、裏抜け評価が不良(NG)であった。従って、メチルセルロースの裏抜け防止効果が、比較した他のセルロース系増粘剤よりも優れていることがわかった。比較例15および16のインクジェット記録用水性インクは、メチルセルロースのみならず他のセルロース系増粘剤も使用していないため、裏抜け評価が不良(NG)であった。比較例17〜19のインクジェット記録用水性インクは、顔料として自己分散性顔料を使用せずに、顔料を分散剤によってインク中に分散しているため、いずれの評価項目についても不良(NG)であった。
上記実施例および比較例の結果より、メチルセルロースを0.01重量%〜0.5重量%の割合で、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテルまたはトリエチレングリコールブチルエーテルとともに顔料インク中で用いることにより、印字濃度、裏抜け防止および紙面乾燥性のいずれにも優れた顔料インクが得られることが分かる。
上記実施例では、顔料インクに、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテルまたはトリエチレングリコールブチルエーテルの何れかを添加したが、それらを組み合わせて添加してもよい。

Claims (9)

  1. 自己分散型顔料と、水と、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテルおよびトリエチレングリコールブチルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種のグリコールエーテル類と、0.01重量%〜0.5重量%のメチルセルロースとを含有することを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
  2. 前記メチルセルロースは、25%〜35%のメトキシ基置換度を有し、前記メチルセルロース20gを20℃の水に溶解して全量を1リットルとした水溶液の粘度が、20cP〜30cPを示す請求項1記載のインクジェット記録用水性インク。
  3. 前記メチルセルロースは、55,000〜65,000の重量平均分子量を有する請求項1または2記載のインクジェット記録用水性インク。
  4. 前記メチルセルロースが、0.05重量%〜0.3重量%含まれる請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  5. 前記メチルセルロースが、0.1重量%〜0.5重量%含まれる請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  6. 前記グリコールエーテル類が、ジプロピレングリコールプロピルエーテルまたはトリエチレングリコールブチルエーテルである請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  7. 前記グリコールエーテル類が、0.5重量%〜3.0重量%含まれる請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  8. 前記自己分散型顔料が、表面官能基としてカルボキシル基を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  9. 自己分散型顔料と、水と、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテルおよびトリエチレングリコールブチルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種のグリコールエーテル類と、0.01重量%〜0.5重量%のメチルセルロースとを含有する顔料インクと;
    染料と水を含む染料インクとを備えるインクジェット記録用水性インクセット。
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