JP2010095579A - 有機多孔質体の清澄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機多孔質粒子内に残存する多孔質化剤或いはその洗浄剤を環境負荷が少なく、かつ効率的に除去する方法を提供する。
【解決手段】ジビニルベンゼン、又はメタクリル酸エステルなどを主な原料として用いる共重合体からなる有機多孔質粒子の製造後に、有機多孔質粒子内に残存する多孔質化剤等を除去飽和水蒸気圧以上の圧力下において、100℃以上300℃以下の水で流通洗浄する有機多孔質粒子の清澄化方法。
【選択図】図1

Description

本発明は有機多孔質粒子の効率的な清澄化方法に関する。詳しくは、簡便で、環境負荷が少なく、かつ効率的な有機多孔質粒子の清澄化方法に関する。
有機多孔質粒子は、例えば吸着剤として液体或いは気体中の物質の吸着に好適に利用される材料であり、また、例えばイオン交換樹脂、キレート樹脂等の機能性材料の合成中間体として工業的にも重要な物質である。
有機多孔質粒子は、例えば、水を連続相とし、油溶性重合性単量体を分散相とする水性懸濁重合法により製造される。懸濁重合法により得られる重合体に多孔性を付与する方法としては種々知られているが、いずれも重合反応に寄与しない不活性な油溶性物質(以下、適宜「多孔質化剤」と言う。)を分散相中に予め溶解させておき、重合反応終了後に洗浄除去せしめるものである。
このような有機多孔質粒子を洗浄する方法として、例えば高温の水を用いて洗浄する方法が知られている(特許文献1〜4)。
特開2007−297455号公報 特開2007−297456号公報 特開2007−297457号公報 特開2007−297458号公報
多孔質化剤は親油性であるため重合体中に残存しやすく、蒸留などの従来法では定量的に除去することが困難であった。そのため、残存する多孔質化剤を除去するために低級アルコール等の両親媒性溶剤(即ち、洗浄剤)で洗浄してから水洗する等の追加の工程が必要となることがあり、コスト及び環境負荷の観点から改善の余地があった。
また、有機多孔質粒子は、その保管流通過程での安全性の面から、水による湿潤状態での取扱いが望ましく、多孔質化剤或いはその洗浄剤(以下、適宜「多孔質化剤等」と言う。)を効率的に除去する方法が求められていた。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、有機多孔質粒子内に残存する多孔質化剤等を効率的に除去する方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、飽和水蒸気圧以上の圧力下において、100℃以上300℃以下の水で有機多孔質粒子を流通洗浄することにより、粒子内に残存する多孔質化剤等を効率的に除去する方法を提供することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、飽和水蒸気圧以上の圧力下において、100℃以上300℃以下の水で有機多孔質粒子を流通洗浄する工程を有することを特徴とする、有機多孔質粒子の清澄化方法に存する。
この時、前記有機多孔質粒子が、ジビニルベンゼンを主な原料として用いる共重合体であることが好ましい(請求項2)。
また、前記有機多孔質粒子が、メタクリル酸エステル共重合体であることが好ましい(請求項3)。
そして、前記有機多孔質粒子の細孔容積が0.2mL/g以上であることが好ましい(請求項4)。
前記有機多孔質粒子が重量平均粒径3μm以上2mm以下の球状粒子であることが好ましい(請求項5)。
本発明によれば、有機多孔質粒子内に残存する多孔質化剤等を効率的に除去できる。
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明の実施の形態は以下のものに制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、任意に変更して実施できる。
有機多孔質粒子の製造方法は、通常、大きく分けて二つの工程からなる。即ち、先ず、有機多孔質粒子を製造する(第1の工程)。そして、次の工程として、当該有機多孔質粒子の清澄化を行う(第2の工程)。本発明においては、前記第2の工程において、第1の工程において得られた有機多孔質粒子に対し、飽和水蒸気圧以上の圧力下において、100℃以上300℃以下の水で有機多孔質粒子を流通洗浄して清澄化を行う(即ち、本発明の有機多孔質粒子の清澄化方法)。これにより、清澄化された有機多孔質粒子を得ることが出来る。
[1.有機多孔質粒子の製造方法(第1の工程)]
有機多孔質粒子の製造は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意に行うことができる。以下、重合性単量体を触媒及び多孔質化剤の存在下に水性懸濁重合することで、有機多孔質粒子を製造する方法について説明するが、有機多孔質粒子の製造方法は以下の方法に限定されるものではない。
[1−1.重合性単量体]
重合性単量体は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意のものを用いることができる。
重合性単量体としては、例えばビニル樹脂のモノマーまたはオリゴマーとして用いられる化合物が挙げられ、ビニル化合物、メタクリル酸エステル等を用いることが出来る。中でも、ビニル基、又はメタクリル酸残基を複数有する多官能性の単量体が好ましく、この観点から、ポリビニル化合物(ビニル基を2以上有する化合物)、及び多官能性メタクリル酸エステル(メタクリル酸残基を2以上有するエステル)が好ましい。なお、ポリビニル化合物及び多官能性メタクリル酸エステルは、重合反応で高分子化するとともに、橋架け剤として多孔質構造を安定化させる役割を有する。
ポリビニル化合物の具体例としては、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニル芳香族化合物等が挙げられる。
また、多官能性メタクリル酸エステルの具体例としては、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性メタクリル酸エステル等が挙げられる。
これらのなかでも、ジビニルベンゼン、及びエチレングリコールジメタクリレートが好ましい。
重合性単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
また、重合性単量体として、例えばスチレン、エチルビニルベンゼン等のモノビニル芳香族化合物、メチルメタクリレート等の単官能性メタクリレートエステル等の単官能性の単量体を用いてもよい。また、これらの単官能性の単量体は多官能性の単量体と組み合わせて用いてもよい。組み合わせて用いる場合、多官能性の単量体の割合は、原料として用いられる単量体の全量に対し、通常20重量%以上である。
[1−2.触媒]
触媒としては、上記の重合性単量体を重合させる重合開始剤を使用できる。触媒の種類も本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、触媒の具体例としては、ジベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
触媒の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、原料として用いられる重合性単量体の全量に対し、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上、また、その上限は、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下であることが望ましい。使用量が少なすぎる場合、重合反応が完結せず重合体の収量が低下したり、多孔性が得られなかったりする可能性があり、多すぎる場合、重合反応が急速に進行して不安定になったり、多孔性が安定しなかったりする可能性がある。
[1−3.多孔質化剤]
多孔質化剤は、重合反応に寄与せず、重合性単量体と相溶する限り、任意のものを用いることができる。ただし、蒸留回収を容易にする観点から、常圧(通常は1気圧)下において、多孔質化剤の沸点が通常200℃以下、好ましくは150℃以下、より好ましくは100℃以下である。また、同様の観点から、多孔質化剤は、水と共沸するものが好ましい。多孔質化剤の具体例としては、ドデカン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール等が挙げられる。
なお、多孔質化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
多孔質化剤の使用量は、多孔質化剤の機能を発現し、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、原料として用いられる重合性単量体の全量に対して、通常30重量%以上、好ましくは70重量%以上、また、その上限は、通常300重量%以下、好ましくは250重量%以下である。使用量が少なすぎる場合、十分に多孔性を有しない可能性があり、多すぎる場合、多孔質粒子の力学的強度が維持できない可能性がある。
[1−4.重合反応]
有機多孔質粒子は、通常、上記の重合性単量体を触媒及び多孔質化剤の存在下に水性懸濁重合することで、得ることができる。具体的には、多孔質化剤、重合開始剤としての触媒、及び重合性単量体を、攪拌加熱条件下で重合させる。
反応時間は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意であるが、通常10分以上、通常24時間以下で行う。
反応温度も、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意であるが、通常40℃以上、通常130℃以下で行う。
反応圧力も、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意であるが、通常、常圧(通常は1気圧)または適度な加圧条件下で行う。
また、必要に応じ、以下の操作を行ってもよい。
例えば、第2の工程前に、多孔質化剤等を含む有機多孔質粒子を水で洗浄してもよい。
また、例えば、水層と多孔質化剤等を含む有機多孔質粒子とを懸濁状態で加熱する(即ち、蒸留する)ようにしてもよい。これにより、水層に有機多孔質粒子の粗精製物が得られる。
通常、このような操作により、多孔質化剤等を予め粗回収しておくことが好ましい。予め粗回収しておくことで、効率的に多孔質化剤等を有機多孔質粒子から除去することができる。
なお、蒸留工程後の有機多孔質粒子は、それらの水層とともに洗浄容器に充填することができる。
[2.有機多孔質粒子の物性]
上記の反応により得られる有機多孔質粒子の物性は特に制限されないが、中でも、以下に記載するものが好ましい。
上記の有機多孔質粒子の製造方法(第1の工程)により得られる有機多孔質粒子は、通常、残留物としての多孔質化剤を含むものである。多孔質化剤の含有量は有機多孔質粒子全体の1重量%以下の微量成分であるが、本発明においては、かかる微量成分も効率的に除去することができる。
なお、本発明における「多孔質」とは、通常、細孔容積が、有機多孔質粒子1gあたり、通常0.2mL以上のものをいう。従って、本発明の清澄化方法により清澄化する有機多孔質粒子は、その細孔容積が0.2mL/g以上であるものが好ましい。細孔容積は、例えば有機多孔質粒子を乾燥させて、窒素吸着法により測定することができる。
有機多孔質粒子は、[1−1.重合性単量体]において説明した重合性単量体を用いた重合体であることが好ましい。中でも、清澄化を行う有機多孔質粒子としては、ジビニルベンゼンを主な原料として用いる共重合体、又はメタクリル酸エステル共重合体が好ましい。なお、ジビニルベンゼンを主な原料として用いる共重合体を有機多孔質粒子として用いる場合、原料のうちでジビニルベンゼンの量は、通常50重量%以上、好ましくは80重量%以上であることが望ましい。
有機多孔質粒子の重量平均粒径は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常3μm以上、好ましくは75μm以上、通常2mm以下である。また、その形状も本発明の効果を損なわない限り任意であるが、中でも、球状であることが好ましい。即ち、有機多孔質粒子は、重量平均粒径3μm以上2mm以下の球状粒子であるものが好ましい。
なお、重量平均粒径は、当業者による公知の方法で測定できる。例えば、三菱化学株式会社イオン交換樹脂事業部発行「ダイヤイオンI基礎編」第14版(平成11年9月1日)第139〜141頁に記載される公知の算出法等を採用することができる。
[3.有機多孔質粒子の清澄化方法(第2の工程)]
有機多孔質粒子の製造後は、第2の工程(本清澄化方法)を行う。即ち、多孔質化剤等を含む有機多孔質粒子を、飽和水蒸気圧以上の圧力下において、100℃以上300℃以下の水で有機多孔質粒子を流通洗浄して多孔質化剤等を除去することにより、清澄化された有機多孔質粒子を得ることができる。
[3−1.清澄化装置]
清澄化装置としては、有機多孔質粒子を流通洗浄することができれば任意のものを用いることができるが、通常はカラム構造、即ち、一方が入口で他方が出口となっている円筒管構造の洗浄容器(即ち、洗浄槽)を有する流通式の清澄化装置を用いる。
回分式の清澄化装置も考え得るが、かかる装置においては高温時での有機多孔質粒子の処理中に多孔質化剤を除去できるものの、常温常圧に戻した際に、反応系内に存在する多孔質化剤が有機多孔質粒子に再吸着する場合がある。しかし、流通式の清澄化装置を用いることで、このような再吸着を低減することができる。
図1は、本発明の有機多孔質粒子の清澄化方法に係る清澄化装置の一例を模式的に示した図である。本発明の清澄化方法に係る清澄化装置は、洗浄水入口1から導入された洗浄水を供給するポンプ2と、ポンプ2により供給された洗浄水を加熱する加熱部3と、加熱部3により加熱された洗浄水が供給される洗浄容器7とを備えて構成されるものである。なお、ポンプ2は、洗浄水を加圧する機能も有する。
洗浄容器7においては、有機多孔質粒子が有機多孔質粒子入口5から供給されるようになっている。さらに、洗浄容器7内の洗浄水は洗浄水出口9から排出され、有機多孔質粒子は有機多孔質粒子出口11から送出されるようになっている。そして、洗浄容器7の底部の洗浄水出口9と連結されている部分には、有機多孔質粒子の流出を抑制するための目皿(図示せず)が設けられている。
洗浄容器7は、通常は耐圧性の材料で形成する。また、洗浄容器7は縦置きにし、洗浄水を鉛直方向に沿って流通させることが好ましい。洗浄容器7内での洗浄水の澱みを防止するためである。
洗浄容器7の上部には、洗浄容器7に供給される洗浄水の流入量を制御するためのバルブ4と、洗浄容器7に供給される有機多孔質粒子の供給を制御するためのバルブ6とが設けられている。また、洗浄容器7の下部には、有機多孔質粒子を清澄化した後の洗浄水(廃水)の排出量を制御するためのバルブ8と、有機多孔質粒子の送出を制御するためのバルブ10とが設けられている。なお、バルブ8を開閉することにより、洗浄容器7内部の圧力を制御することができる。
また、必要に応じて、加熱及び冷却操作を迅速に行うために、ジャケット12を洗浄容器7の周囲に設けてもよい。この際、必要に応じて、洗浄水出口9より排出された洗浄水(廃水)を、洗浄容器7の保温に用いてもよい。
なお、図1は、本発明の有機多孔質粒子の清澄化方法の一例であり、本発明の有機多孔質粒子の清澄化方法は、図1で表わしたものに限定されない。
[3−2.清澄化方法]
(充填)
初めに、バルブ4、6、8及び10を全て開放し、装置全体を大気圧(雰囲気圧)下に空にする。その後、バルブ4及び10を閉じ、処理前の有機多孔質粒子を有機多孔質粒子入口5より洗浄容器に入れる。このとき、有機多孔質粒子は、水懸濁(スラリー)状態で流入させてもよい。その場合、バルブ8を開放して、剰余の洗浄水を洗浄容器7の外部に排出させる。
清澄化前の有機多孔質粒子の所定量が洗浄容器7に移送されたら、バルブ8を閉じ、次いでバルブ6を閉じて、洗浄容器7が有機多孔質粒子及び水で満たされた状態とする。
(送水・昇圧)
充填後、バルブ4及び8を開け、洗浄水を洗浄水入口1よりポンプ2を介して洗浄容器7に供給し、洗浄水を洗浄容器7内部に流通させる。このとき、洗浄水の温度は100℃以下であり、流速は空間速度で通常0.1/時間以上、通常1/時間以下が好ましい。流速が小さすぎる場合、洗浄容器内の安定化に時間を要して非効率となる可能性があり、流速が大きすぎる場合、過剰の洗浄水を使用して不経済となる可能性がある。流通後の洗浄水は、バルブ8を介して洗浄水出口9より、本発明の清澄化装置の外部へ排出される。
(加熱・洗浄)
次いで、バルブ8を調整することにより、洗浄容器7内部の水圧を所定の清澄化条件まで昇圧させる。また、洗浄水の供給を続けながら、加熱部3にて洗浄水を加熱し、洗浄水を所定の清澄化温度まで昇温する。そして、洗浄水を所定の流速として、所定時間、有機多孔質粒子を清澄化する。この際、水圧は通常0.1MPa以上、好ましくは1.5MPa以上であり、所望の清澄化温度における飽和水蒸気圧以上に設定される。なお、かかる飽和水蒸気圧は、例えば化学工学便覧(丸善、399頁)等に記載されている。
清澄化の温度は、通常水の沸点(100℃)以上、好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃以上である。また、その上限は、通常臨界温度(374℃)以下、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下、さらに好ましくは280℃以下、特に好ましくは270℃以下である。温度が低すぎる場合、洗浄効果が低下する可能性がある。一方、温度が高すぎる場合、有機多孔性粒子の性質が熱劣化する可能性がある。また、必要に応じて、洗浄容器7をジャケット12により保温してもよい.
洗浄水の供給速度は、空間速度で通常0.2/時間以上、好ましくは0.3/時間以上、また、その上限は、通常7/時間以下、好ましくは5/時間以下である。供給速度が小さすぎる場合、洗浄時間が長くなり非効率である可能性があり、供給速度が大きすぎる場合、過剰な洗浄水を消費して不経済となる可能性がある。
洗浄時間は有機多孔質粒子の洗浄性、他の操作条件等を勘案して設定されるが、通常0.5時間以上、好ましくは2時間以上、また、その上限は、通常24時間以下、好ましくは12時間以下である。洗浄時間が短すぎる場合、処理効果が低下する可能性があり、洗浄時間が長すぎる場合、非効率である可能性がある。
(冷却)
所定の清澄化処理が完了すると、加熱部3における加熱を停止し、通常100℃以下、好ましくは常温(通常は25℃)の洗浄水を洗浄容器7に供給する。これにより、有機多孔質粒子と洗浄容器7を含む流路とが冷却される。この操作は、洗浄水出口9より排出される排出水の温度が100℃以下になるまで行われる。また、必要に応じて、洗浄容器7をジャケット12により冷却してもよい。
(放圧)
排出水の温度が100℃以下となったら、バルブ8を開放して、洗浄容器7内の水圧を下げ、洗浄水出口9における圧力を常圧(通常は1気圧)とする。
(回収)
以上の処理が終了すると、ポンプ2を停止し、バルブ4及び8を閉じ、バルブ10を開けて、清澄化された有機多孔質粒子を有機多孔質粒子出口11より回収する。このとき、バルブ6を開けて、有機多孔質粒子入口5より移送水を供給し、有機多孔質粒子を水懸濁スラリーとして回収してもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を著しく逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1:
不純物としてエチルビニルベンゼンを含有する純度81重量%のジビニルベンゼン213gと、多孔質化剤としてトルエン372gと、純度75重量%のジベンゾイルパーオキシド2.9gとを混合し、ポリビニルアルコール2.9gを含む脱塩水2050mL(温度25℃)中に加えて、攪拌し懸濁させた。
攪拌しながら昇温し、80℃で8時間重合反応を行った。得られた重合体ビーズを水洗し、水中で攪拌しながらトルエンが留出しなくなるまで加熱した。
得られたビーズ(有機多孔質粒子)を内径20mm、長さ150mmのステンレスカラムに充填し、250℃恒温槽に設置した。カラム出口側に調圧弁を接続し、カラム入口側から高圧定流量ポンプを用いて脱塩水を流速1.5mL/分、圧力5MPaで4時間供給した。次いで25℃の水を供給しながらカラムを放冷し、さらに放圧して水湿潤状態の多孔質粒子を得た。
濾別した有機多孔質粒子3.9gをメタノール40mL中に加えて25℃で6時間振とうした。抽出液の254nm吸収から、抽出された不純物量は、トルエン濃度に換算して0.1重量%であった。この粒子を乾燥させて窒素吸着法により細孔容積を測定したところ、細孔容積は1.5mL/gであった。
比較例1:
有機多孔質粒子をカラムに充填して清澄化を行わないこと以外は実施例1と同様にして、有機多孔質粒子を得た。
得られた有機多孔質粒子3.0gについて、実施例1と同様にメタノール抽出を行いメタノールに含まれる不純物を、実施例1と同様にしてトルエン濃度換算で測定したところ、メタノール中の不純物濃度は2.5重量%であった。
また、実施例1と同様にして有機多孔質粒子の細孔容積を測定したところ、有機多孔質粒子1gあたり、1.5mL/gであった。
本発明の有機多孔質粒子の清澄化方法によれば、例えば、合成吸着剤の製造などに好適に用いることができる。
図1は、本発明の有機多孔質粒子の清澄化方法に係る清澄化装置の一例を模式的に示した図である
符号の説明
1 洗浄水入口
2 ポンプ
3 加熱部
4 バルブ
5 有機多孔質粒子入口
6 バルブ
7 洗浄容器
8 バルブ
9 洗浄水出口
10 バルブ
11 有機多孔質粒子出口
12 ジャケット

Claims (5)

  1. 飽和水蒸気圧以上の圧力下において、100℃以上300℃以下の水で有機多孔質粒子を流通洗浄する工程を有する
    ことを特徴とする、有機多孔質粒子の清澄化方法。
  2. 前記有機多孔質粒子が、ジビニルベンゼンを主な原料として用いる共重合体である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の有機多孔質粒子の清澄化方法。
  3. 前記有機多孔質粒子が、メタクリル酸エステル共重合体である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の有機多孔質粒子の清澄化方法。
  4. 前記有機多孔質粒子の細孔容積が0.2mL/g以上である
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機多孔質粒子の清澄化方法。
  5. 前記有機多孔質粒子が重量平均粒径3μm以上2mm以下の球状粒子である
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機多孔質粒子の清澄化方法。
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