JP2010094573A - 廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、廃水中のフルオロリン酸化合物を安定的に分解さしめることが可能な廃水の処理方法を提供することを課題とする。
【解決手段】廃水中のフルオロリン酸化合物を分解して廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法であり、該方法は、
硫酸濃度10〜20重量%となるように硫酸を廃水に加えながら、廃水の温度を65〜85℃に調整する工程、
廃水を該温度範囲内に保持する工程、
及びカルシウム化合物を廃水に添加する工程を有することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】廃水中のフルオロリン酸化合物を分解して廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法であり、該方法は、
硫酸濃度10〜20重量%となるように硫酸を廃水に加えながら、廃水の温度を65〜85℃に調整する工程、
廃水を該温度範囲内に保持する工程、
及びカルシウム化合物を廃水に添加する工程を有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、フルオロリン酸化合物を含有した廃水中のフッ素及びリン濃度を減少させる方法に関する。
MPF6(MはH、Li、Na、K、Rb、Cs等の1価の陽イオンになるもの)等のフルオロリン酸化合物は、電池の電解質、電子写真の感光体等への消費が増え、製造量が増加している。
フルオロリン酸化合物は、当該物質の製造過程、フルオロリン酸化合物を有する製品の製造過程、当該製品の廃棄時や回収時、又はリンとフッ素とが共存する環境下で、廃水中に混入されることがある。
フルオロリン酸化合物を有する廃水は、当該化合物に起因して廃水中のフッ素濃度、リン濃度を上昇させるので、廃水を自然環境に戻す前に、フルオロリン酸化合物を分解し、当該化合物中のフッ素とリンとを固定させる必要がある。
しかしながら、フルオロリン酸化合物は、水中で安定なので、当該化合物中のフッ素とリンとを固定させるためには、技術的課題が生じる。特許文献1は、フルオロリン酸イオンを含む廃液に硫酸濃度が25〜35重量%になるように硫酸を加え、20〜80℃の処理温度で0.5〜2時間加熱処理した後、カルシウム化合物を加えることで、フッ素をフッ化カルシウムとして固定する方法を開示している。
また、特許文献2は、フルオロリン酸イオンを含む廃液に塩酸濃度が2〜10重量%になるように塩酸を加え、80℃以上に加熱した後、カルシウム化合物を加える方法を開示している。特許文献2では、加熱により揮散した塩酸を処理槽外に設けた凝縮器により回収している。
特開平6−170380号公報
特開2000−229280号公報
廃水中のフルオロリン酸化合物を分解して廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法に関し、塩酸を用いる方法では、塩酸が加熱により揮散しやすいことから、廃水中の塩酸濃度の変動が生じ、フルオロリン酸化合物の分解を安定的に行うことが難しくなる問題が生じやすい。また、揮散した塩酸を回収するための設備の付加が必要になり、コスト増に繋がる。
他方、硫酸を使用する方法は、硫酸は塩酸よりも揮散が生じにくいので、廃水中の酸濃度の調整の観点から、有力な候補であると言えるが、硫酸を廃水に加えるときに、発熱が生じ、例えば、25〜35重量%になるように硫酸を加えると、廃水の温度が90℃を超えることがある。廃水の高温化は、水分の蒸発を促し、反応槽の材質グレードを上げる必要が発生し、又、廃水の濃縮を起こす。これは酸濃度の変動、さらにはカルシウム化合物の添加処理の困難性を引き起こしやすい。
本発明は、廃水中のフルオロリン酸化合物を安定的に分解さしめることが可能な、廃水中のフッ素及びリン濃度を減少させる方法を提供することを課題とする。
本発明は、廃水中のフルオロリン酸化合物を分解して、廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法に関する。該方法は、
硫酸濃度10〜20重量%となるように硫酸を廃水に加えながら、廃水の温度を65〜85℃に調整する工程、
廃水を該温度範囲内に保持する工程、
及びカルシウム化合物を廃水に添加する工程を有することを特徴とする。
硫酸濃度10〜20重量%となるように硫酸を廃水に加えながら、廃水の温度を65〜85℃に調整する工程、
廃水を該温度範囲内に保持する工程、
及びカルシウム化合物を廃水に添加する工程を有することを特徴とする。
本発明では、廃水に加えた後の硫酸濃度域に着目し前記範囲になるように調整することで、廃水の濃縮が生じるような高い温度となりにくく、カルシウム化合物の添加処理の困難性を引き起こすこともなく、廃水中のフルオロリン酸化合物の分解の効率化を成しえた。
本発明の好ましい態様のフルオロリン酸化合物を分解して廃水中のフッ素及びリン濃度を減少させる方法は、工業的に容易に実施できる方法であるので、フルオロリン酸化合物を有する廃水の低フッ素化、低リン化の低コスト化に効果を奏す。
本発明の、廃水中のフルオロリン酸化合物を分解してフッ素及びリンの濃度を減少させる方法は、硫酸を廃水に加えながら、廃水の温度を調整する工程、廃水を調整された温度範囲内に保持する工程、及びカルシウム化合物を廃水に添加する工程を有する。
廃水に加えられる硫酸は、その濃度を20〜98重量%、好ましくは30〜98重量%のものとすることが好ましい。硫酸は、試薬グレードのもの、工業設備から排出される廃硫酸等が適宜使用される。廃硫酸の使用により、廃水中の硫酸濃度を本発明で規定した範囲内に調整することが難しい場合、さらに高濃度の硫酸、例えば80〜98重量%の濃度を有する硫酸を使用してもよい。
硫酸が加えられて65〜85℃に調整された廃水は、当該温度範囲内で、好ましくは0.5〜5時間、より好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは2〜3時間保持される。0.5時間未満では、フルオロリン酸化合物の分解が十分でないことがあり、5時間超保持しても、フルオロリン酸化合物の分解が飛躍的に進むことが少なく、効率的ではない。
硫酸によりフルオロリン酸化合物が分解された後、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム化合物が廃水に添加される。この添加により、不溶性のフッ化カルシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト等が生じる。これらを廃水から回収することで、廃水中のフッ素濃度、リン濃度が減少したものとなる。
カルシウム化合物の添加は、硫酸を加えて、温度保持を行う槽とは別の槽にて実施されることが好ましい。
また、硫酸を加えて、温度保持を行う槽には、廃水の温度を65〜85℃に保持しやすいように汎用の加熱冷却装置を備えられていることが好ましい。また、硫酸を加えるときに生じる発熱を利用して調整された当該温度範囲を効率的に保持できるように、槽の外壁を断熱材で覆うことが好ましい。
実施例1
試薬特級のLiPF6を蒸留水に希釈し、フッ素濃度が10000mg/l(蒸留法による分析結果)の溶液を調製し、これを、フルオロリン酸化合物を有する廃水とした。
試薬特級のLiPF6を蒸留水に希釈し、フッ素濃度が10000mg/l(蒸留法による分析結果)の溶液を調製し、これを、フルオロリン酸化合物を有する廃水とした。
該廃水に、硫酸濃度が15重量%となるように硫酸を加え、80℃で一定時間保持した。硫酸濃度を15重量%とする本実施例では、硫酸を廃水に比較的速やかに加えても廃水温度が90℃を超えることがなく、効率的に硫酸を加えることができた。
その後、廃水に中和等量に対して過剰量の水酸化カルシウムを加え、得られた中和液を濾過して、濾液中のフッ素濃度(蒸留分離しイオン電極法による分析結果[JIS K0102(2008年)に準拠])を測定した。
硫酸を加えた後の保持時間が1時間の場合90mg/l、2時間保持の場合15mg/l、3時間の保持の場合9.8mg/lであり、99%以上のフッ素を固定化できていることがわかった。
分解されたフルオロリン酸は、フッ素含有体とリン含有体へと転じる。これらは、水酸化カルシウムと反応し、不溶性の沈殿物となる。フッ素濃度の評価結果が、リンの固定化の評価に一義的に反映されることから、リンの固定化の評価についてもフッ素濃度だけの評価結果で代用されても差し支えない。
実施例2
試薬特級のHPF6を蒸留水に希釈し、フッ素濃度が11000mg/l(蒸留法による分析結果)の溶液を調製し、これを、フルオロリン酸化合物を有する廃水とした。
試薬特級のHPF6を蒸留水に希釈し、フッ素濃度が11000mg/l(蒸留法による分析結果)の溶液を調製し、これを、フルオロリン酸化合物を有する廃水とした。
該廃水に、硫酸濃度が15重量%となるように硫酸を加えた。そして、80℃で一定時間保持した。硫酸濃度を15重量%とする本実施例では、硫酸を廃水に比較的速やかに加えても廃水温度が90℃を超えることがなく、効率的に硫酸を加えることができた。
その後、廃水に中和等量に対して過剰量の水酸化カルシウムを加え、得られた中和液を濾過して、濾液中のフッ素濃度(蒸留分離しイオン電極法による分析結果[JIS K0102(2008年)に準拠])を測定した。
結果として、硫酸を加えた後の保持時間が1時間の場合88mg/l、2時間保持の場合14mg/l、3時間の保持の場合9.9mg/lであり、フルオロリン酸化合物の99%以上が分解されていることが確認された。
参考例
試薬特級のHPF6を蒸留水に希釈し、フッ素濃度が11000mg/l(蒸留法による分析結果)の溶液を調製し、これを、フルオロリン酸化合物を有する廃水とした。
試薬特級のHPF6を蒸留水に希釈し、フッ素濃度が11000mg/l(蒸留法による分析結果)の溶液を調製し、これを、フルオロリン酸化合物を有する廃水とした。
該廃水に、硫酸濃度が35重量%となる様に硫酸を加えたが、本参考例では、硫酸を加えるときに廃水の温度が90℃を超えたので、廃水を冷却しながら、硫酸を少量ずつ、温度上昇に注意しながら加えることが必要であった。
尚、硫酸濃度が35重量%となる様に硫酸を加えるとき、冷却を行わないと廃水温度は90℃を超え廃水濃縮を起こした。その後、廃水に水酸化カルシウムを加えようとしたが、中和処理に困難を極めた。得られた中和液を濾過して、濾液中のフッ素濃度(蒸留分離しイオン電極法による分析結果[JIS K0102(2008年)に準拠])を測定した所、2時間保持の場合で58mg/lとなり、実施例2と比較して効果が劣った。
Claims (2)
- 廃水中のフルオロリン酸化合物を分解して廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法であり、該方法は、
硫酸濃度10〜20重量%となるように硫酸を廃水に加えながら、廃水の温度を65〜85℃に調整する工程、
廃水を該温度範囲内に保持する工程、
及びカルシウム化合物を廃水に添加する工程を有することを特徴とする廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法。 - 廃水に加える硫酸濃度を、20〜98重量%のものとすることを特徴とする請求項1に記載の廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008264860A JP2010094573A (ja) | 2008-10-14 | 2008-10-14 | 廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法。 |
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JP2008264860A JP2010094573A (ja) | 2008-10-14 | 2008-10-14 | 廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法。 |
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JP2010094573A true JP2010094573A (ja) | 2010-04-30 |
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JP2008264860A Pending JP2010094573A (ja) | 2008-10-14 | 2008-10-14 | 廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法。 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2010094573A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013054875A1 (ja) * | 2011-10-13 | 2013-04-18 | セントラル硝子株式会社 | フルオロリン酸化合物を含む廃水の処理方法 |
JP2016113672A (ja) * | 2014-12-16 | 2016-06-23 | 住友金属鉱山株式会社 | 廃リチウムイオン電池からの有価金属の回収方法 |
-
2008
- 2008-10-14 JP JP2008264860A patent/JP2010094573A/ja active Pending
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WO2013054875A1 (ja) * | 2011-10-13 | 2013-04-18 | セントラル硝子株式会社 | フルオロリン酸化合物を含む廃水の処理方法 |
JP2016113672A (ja) * | 2014-12-16 | 2016-06-23 | 住友金属鉱山株式会社 | 廃リチウムイオン電池からの有価金属の回収方法 |
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