JP2010094350A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【課題】押え足の下降位置を確実に保持することができると共に、押え足の下降位置を調整する際の操作性を向上させることができるミシンを提供する。
【解決手段】ミシンの頭部には、調節摘み34の回動に伴い回動可能な回動体35が、上下動不能に支持されている。押え棒12の上端部には、回動体35に係合して押え足11の下降位置を位置決めするピン33が固着されている。押え足11の下降位置は、調節摘み34の回動操作によって回動体35を回動させることで調整される。
【選択図】 図8
【解決手段】ミシンの頭部には、調節摘み34の回動に伴い回動可能な回動体35が、上下動不能に支持されている。押え棒12の上端部には、回動体35に係合して押え足11の下降位置を位置決めするピン33が固着されている。押え足11の下降位置は、調節摘み34の回動操作によって回動体35を回動させることで調整される。
【選択図】 図8
Description
本発明は、アーム部の先端側の頭部に上下動可能に支持された押え棒と、この押え棒の下端部に装着された押え足とを備えたミシンに関する。
従来より、上記のミシンには、押え棒に外装された圧縮コイルばねの付勢力によって、その押え棒を下方へ弾性付勢し、押え足がベッド部上の加工布を常に押圧するように構成したものが供されている。
ところが、例えばベルベットのような表面に毛羽がある加工布を縫製する場合、通常の押圧力で押え足が加工布を押圧すると、表面の毛羽によって上布と下布がずれて縫製されてしまうという問題がある。また、例えば刺繍枠をベッド部上方で自在に移送させる移送機構を備えた刺繍縫製可能なミシンのように、寧ろ、押え足を加工布から僅かに離間させて縫製する場合もある。つまり、刺繍縫製可能なミシンでは加工布が刺繍枠に保持されているため、刺繍縫製の際、必ずしも加工布に対して押え足を押圧する必要がないのである。
この点、特許文献1に記載されたミシンは、加工布の厚みに応じて押え足(押え金)の上下方向の位置を調節することができる押え足浮上装置を備えている。この浮上装置は、頭部を上下に貫通する押え棒の上端部に雄ねじを形成すると共に、その雄ねじに対して浮上調節ねじを螺合させることにより構成されている。そして、ユーザによる浮上調節ねじの回動操作に伴い、押え棒が上下方向に移動され、以って押え足の上下方向の位置が調節される。尚、特許文献1の押え棒は、従来と同様に圧縮コイルばねにより下方へ弾性付勢されており、押え足浮上装置は、その押え足の下降位置を調節するものである。
実開平6−31675号公報
特許文献1の押え足浮上装置によれば、浮上調節ねじの回動操作によって、押え足の下面(裏面)と加工布の上面との隙間を加工布の厚みに適した隙間に調節することで、縫製不良の発生を防止している。
しかしながら、上記構成では、縫製時の振動等により浮上調節ねじが緩む虞があり、押え足の下降位置、つまり一旦設定した押え足の高さを維持できない事態が生じる。そこで、浮上調節ねじと押え棒の雄ねじとの嵌め合い公差を小さくして緩みを防止することも考えられるが、この場合、浮上調節ねじの回動が重くなってしまい、浮上調節ねじの操作がし辛く、操作性が悪くなる。また、上記構成では、浮上調節ねじを1回転させたときの押え棒(押え足)の移動量は、ねじの1ピッチ分移動するだけである。従って、押え棒(押え足)を大きく移動させたい場合には、浮上調節ねじを幾度も回動させる必要があり、操作性が悪い。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、押え足の下降位置を確実に保持することができると共に、押え足の下降位置を調整する際の操作性を向上させることができるミシンを提供することである。
上記した目的を達成するために、本発明の請求項1のミシンは、アーム部の先端側の頭部に上下動可能に支持された押え棒と、この押え棒の下端部に装着された押え足とを備えたミシンにおいて、前記頭部に回動操作可能に配置された調節体と、前記調節体の回動に伴い回動可能で、且つ前記頭部に上下動不能に支持された回動体と、前記押え棒に設けられ、前記回動体に係合して前記押え足の下降位置を位置決めする接触子と、を具備したことを特徴とする。
これによれば、例えば押え足を加工布から僅かに離間させて刺繍を施す場合、その押え足の下降位置は、調節体の回動操作によって回動体を回動させることで調整される。この点、押え棒の上端部に形成された雄ねじに螺合する浮上調整ねじによって押え足の高さを調整していた従来装置とは異なり、接触子が、頭部に上下動不能に支持された回動体に係合することで押え足の下降位置を位置決めする構成であるので、縫製時の振動等によって押え足の下降位置(高さ)がずれるのを防止することができる。従って、調節体の回動操作のみで押え足の下降位置を加工布の厚み等に応じた適正な位置に調節することができると共にその下降位置を保持することができる。
請求項2のミシンは、請求項1の発明において、前記接触子は、前記押え棒の上端部に固着されたピンからなり、前記回動体は、前記押え棒に対して回動可能に支持され、前記ピンとの係合によって前記ピンの上下方向の位置を定めるカムを有することを特徴とする。
請求項3のミシンは、請求項1又は2の発明において、前記回動体の回動方向の位置を保持する保持体を備えたことを特徴とする。
請求項4のミシンは、請求項1乃至3の何れかの発明において、前記調節体は、前記回動体に装着されるキャップ状をなし、前記回動体と一体に回動するように構成されていることを特徴とする。
請求項4のミシンは、請求項1乃至3の何れかの発明において、前記調節体は、前記回動体に装着されるキャップ状をなし、前記回動体と一体に回動するように構成されていることを特徴とする。
請求項1のミシンによれば、例えば押え足を加工布から僅かに離間させて刺繍を施す場合、その押え足の下降位置は、調節体の回動操作によって回動体を回動させることで調整される。この点、押え棒の上端部に形成された雄ねじに螺合する浮上調整ねじによって押え足の高さを調整していた従来装置とは異なり、接触子が、頭部に上下動不能に支持された回動体に係合することで押え足の下降位置を位置決めする構成であるので、縫製時の振動等によって押え足の下降位置(高さ)がずれるのを防止することができる。従って、調節体の回動操作のみで押え足の下降位置を加工布の厚み等に応じた適正な位置に調節することができると共にその下降位置を保持することができる。
請求項2のミシンによれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、押え足の下降位置を、カムとピンとの係合による簡単な構成で調節することができる。また、カムの輪郭曲線(カムが本来有する曲線)を適宜設定することで、調節体の回動操作量が小さくても、押え棒(押え足)を大きく移動させることができ、押え足の下降位置を調整する際の操作性を向上させることができる。
請求項3のミシンによれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、保持体によって、回動体が回動しないように保持することができ、縫製時の振動等による押え足の下降位置のずれを確実に防止することができる。
請求項4のミシンによれば、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の効果に加え、調節体を、回動操作に適したコンパクトな形状にすることができると共に極力安価で簡単な構成にすることができる。
以下、本発明を家庭用のミシンに適用した一実施形態について、図1乃至図8を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る刺繍縫製可能なミシンM全体の外観斜視図を示しており、ユーザが位置する方向を前方として説明する。
ミシンMは、左右方向に延びるベッド部1と、ベッド部1の右端部から上方に立上がる脚柱部2と、脚柱部2の上部から左方に延びるアーム部3と、アーム部3の先端側に設けられた頭部4とを一体に備えて構成されている。アーム部3の前面には、種々の操作スイッチ類5が配設されると共に、脚柱部2の前面には横型の液晶ディスプレイ6が設けられている。この液晶ディスプレイ6には、実用模様や刺繍模様等の種々の縫製模様、縫製作業に必要な各種の機能を実行させる機能名などが表示される。
ベッド部1の左側部分には、刺繍枠7をベッド部1上側において所定の二方向へ自在に移送する刺繍枠移送装置8が取外し可能に装着されている。刺繍枠移送装置8は、刺繍模様の刺繍データに基づいて駆動制御され、刺繍枠7をX方向(左右方向)及びY方向(前後方向)に移送する。尚、刺繍枠7は、刺繍対象としての加工布CL(図8にのみ図示)を保持する布保持部の大きさや形状が異なる複数種類のものが用意されており、刺繍枠移送装置8に着脱可能に装着される。
アーム部3内には、ミシン主軸(図示せず)が左右方向に延びるように設けられていると共に、前記ミシン主軸を回転させるミシンモータ(図示せず)が配設されている。また、アーム部3の右側部には、前記ミシン主軸を手動で回転させるためのハンドプーリ9が設けられている。頭部4には、下端に縫針10を装着した針棒(図示せず)が設けられている。図示は省略するが、アーム部3内には、前記針棒をミシン主軸の回転に基づき上下動させる針棒駆動機構、針棒を布送り方向と直交する方向(左右方向)に揺動させる針棒揺動機構、天秤を針棒の上下動に同期して上下動させる天秤駆動機構等が配設されている。
ベッド部1の上面には、針板1aが設けられている。何れも図示は省略するが、ベッド部1内には、針板1aの下側に位置して、送り歯を上下方向や前後方向に移動させる布送り機構、下糸ボビンを収容し縫針10と協働して縫目を形成する水平回転釜、上糸と下糸を切断する糸切り機構等が配設されている。
頭部4には、下端部に刺繍縫製用の押え足11を備えた押え棒12が上下動可能に支持されている。図2及び図3は、この押え棒12の支持構造を示す正面図及び後方からの斜視図を示している。
頭部4には、下端部に刺繍縫製用の押え足11を備えた押え棒12が上下動可能に支持されている。図2及び図3は、この押え棒12の支持構造を示す正面図及び後方からの斜視図を示している。
図2に示すように、頭部4のミシン機枠(図示せず)に固定されたホルダ13には、上下1対のガイド孔部13a,13bが設けられている。押え棒12は、ガイド孔部13a,13bに挿通されることにより、鉛直方向へ昇降自在にガイドされている。押え棒12の上下方向における略中間部には、押え棒抱き14が嵌め込まれて止めねじ14a(図3参照)により固定されている。尚、止めねじ14aは、ホルダ13に形成された上下に延びるガイド孔13cに上下摺動自在に挿通されることで、ホルダ13に対して押え棒12をその中心軸回りに回動しないように規制し、押え棒12の上下動のみを許容する。
押え棒12には、押え棒抱き14と上側のガイド部材13aとの間に圧縮コイルバネ15が外装されている。この圧縮コイルバネ15は、押え棒抱き14を介して押え棒12と押え足11を下方へ弾性付勢している。
また、ホルダ13には、押え足11を手動操作するための押え上げレバー17がピン18により揺動可能に設けられている。押え上げレバー17の基端部には、押え棒抱き14に当接可能な当接部17aが形成されており、押え上げレバー17の先端部は操作部17bとされている。図2に示すように、押え上げレバー17が下向きの状態から反時計回り方向(矢印A1方向)に操作されると、その当接部17aで押え棒抱き14を圧縮コイルバネ15の付勢力に抗して上方へ移動させ、押え棒12と共に押え足11を上昇させる(図8(c)参照)。逆に、この押え上げレバー17が横向きの状態から時計回り方向(図8(c)中、矢印A2方向)に操作されると、圧縮コイルバネ15の付勢力により、押え棒抱き14が当接部17aを摺動することに伴い下方へ移動して、押え棒12と共に押え足11を下降させる(図2、図8(a)参照)。この押え足11の上方及び下方へ移動した際の上昇位置及び下降位置について詳しくは後述することとする。
本実施形態の押え足11は、布押え部20aを有する押え足部材20と、押え足部材20を押え棒12に着脱可能に取り付けるためのホルダ部材21とを備えると共に、押え上げレバー17の操作による押え棒12の上昇に伴い、押え足部材20を、ホルダ部材21に対して上昇させる押え上動機構22を具備している。これら押え足部材20、ホルダ部材21及び押え上動機構22について、図4も参照しながら説明する。尚、図4(a)及び(b)は、押え足11の上昇位置及び下降位置における拡大左側面図であって、説明の便宜上、押え棒12を二点鎖線で示している。
図2乃至図4に示すように、ホルダ部材21は、押え棒12下端部の左側に位置する取付け部21a(図4中、二点鎖線で示す)と、正面手前側に位置し且つ縦向きのスリット21b(図2中、破線で示す)が形成されたホルダ本体板部21cとを一体に有する。また、ホルダ部材21には、ホルダ本体板部21cの右側にて斜め後上方に延びる右側板部21dと、ホルダ本体板部21cの裏側に位置する上下一対の支持部21e,21fとが屈曲形成されている。ホルダ部材21の取付け部21aは、押え棒12の下端部にて止めねじ23により着脱自在に固定されている。また、ホルダ部材21には、支持部21e,21fを貫通する支持軸24が上下動自在に支持されている。
支持軸24の中間部(やや下寄り)には、前方に突出する規制ピン26が固着されると共に、支持軸24の下端部には押え足部材20が固着されている。押え足部材20は全体としてクランク状をなし、その下端部に、縫針10を挿通させる針孔(図示せず)が形成された布押え部20aが形成されている。
支持軸24には、補助部材25が上下動可能に設けられている。補助部材25は、前面板部25aと、この前面板部25aの右端から後方へ折り曲げられ正面視(図2参照)にて「コ」字状をなす右側板部25bとを一体に有する。前面板部25aには、前記スリット21bに臨む縦向きのスリット25cが形成されており、右側板部25bの上端部及び下端部には、支持軸24が貫通する上下1対の支持片部25d,25eが形成されている。支持片部25dは支持部21eの上側に緩衝用のOリング27を挟んで重ねた状態に配置され、支持片部25eは規制ピン26の直ぐ上側に配置されている。この規制ピン26は、スリット21b,25cを上下摺動自在に貫通することで、ホルダ部材21に対する押え足部材20の上下動のみを許容するようになっている。
また、支持軸24には、支持部21eと支持片部25eとの間に第1付勢部材(圧縮コイルバネ)29aが外装されている。この第1付勢部材29aの付勢力により、ホルダ部材21に対して補助部材25を下方に弾性付勢し、支持片部25dがOリング27に当接する状態を保持している。更に、支持軸24には、支持軸24の上端部に固定されたバネ受けリング28と支持片部25dとの間に第2付勢部材(圧縮コイルバネ)29bが外装されている。この第2付勢部材29bの付勢力により、補助部材25に対して支持軸24を上方に弾性付勢し、規制ピン26が支持片部25eに下側から当接する状態を保持している。
ホルダ部材21に対し、第1付勢部材29aの付勢力に抗して補助部材25を上昇させると、第2付勢部材29bの弾性力により規制ピン26が支持片部25eと当接状態を維持しながら支持軸24と共に上昇する。即ち、補助部材25と押え足部材20は一体的に上昇する。
この押え足部材20の上昇は、前記押え上動機構22によって行われる。即ち、ホルダ部材21の右側板部21dの上端部には、押え上動用レバー板30が、横向きの枢支ピン31により回動自在に枢支されている。押え上動用レバー板30は、その上段部分に形成された斜め後上方へ延びる当接部30aと、中段部分に形成された押動出力部30bとを一体に有する。押動出力部30bは支持片部25dの下面に当接し、当接部30aは、ホルダ部材21より上方へ突出しており押え棒12の上下動に伴いホルダ13に当接又は離間する。
具体的には、前述のように押え棒12と押え足11が下方に位置する状態では(図2、図4(a)、図8(a)参照)、当該押え足11は、布押え部20aの下面が加工布CLの上面側に近接する下降位置にあり、押え上動用レバー板30の当接部30aはホルダ13から離間している。ここで、押え上げレバー17の操作により押え棒12と共に押え足11を上昇させると、その上昇途中で当接部30aがホルダ13に当接して押え上動用レバー板30が図4中、反時計回りに回動する。この回動に伴い、押動出力部30bが支持片部25dを押し上げることで、押え足部材20がホルダ部材21に対して相対的に上昇する(図4(b)参照)。このとき、押え棒12の上昇量と、押え上動用レバー板30の回動による支持片部25dの上昇量とを加えたものが、押え足部材20の上昇量となる。つまり、図8(c)に示すように、押え上動機構22によって、押え足11(布押え部20aの下面)を刺繍枠7よりも高い上昇位置に移動させることができ、刺繍枠7の取り付け又は取り外しを、布押え部20aに接触させることなく容易且つ簡単に行うことができる。上記押え上動用レバー板30、補助部材25、支持軸24、規制ピン26、第1付勢部材29a、第2付勢部材29b等は、押え上動機構22を構成する。
さて、本実施形態のミシンMは、押え足11の下降位置を調整する押え高さ調節装置32を備えている。この押え高さ調節装置32について、図5乃至図7も参照しながら詳述する。
図6は、押え棒12上端の近傍部の拡大斜視図を示している。同図に示すように、押え棒12の上端部には孔部12aが形成されており、この孔部12aに接触子としてのピン33が設けられている。ピン33は、一方の端部が押え棒12の外周面と面一になるように配置され、且つ他方の端部のみが押え棒12の径方向外側へ突出した状態で孔部12aに固着されている。
図6は、押え棒12上端の近傍部の拡大斜視図を示している。同図に示すように、押え棒12の上端部には孔部12aが形成されており、この孔部12aに接触子としてのピン33が設けられている。ピン33は、一方の端部が押え棒12の外周面と面一になるように配置され、且つ他方の端部のみが押え棒12の径方向外側へ突出した状態で孔部12aに固着されている。
図1乃至図3に示すように、頭部4には、その上面側に位置して調節摘み(調節体)34が回動操作可能に配置されていると共に、調節摘み34の回動に伴い回動可能な回動体35が配設されている。回動体35は、例えば合成樹脂材料からなり、上半部に形成された大径筒部36と、下半部に形成された小径筒部37と、小径筒部37の上下方向の中間部に位置して形成された中間筒部38とを一体に有する。中間筒部38の外周部には、上下方向に延びる複数の溝からなる凹凸状の係止部38aが形成されている。回動体35は、押え棒12が挿通されることにより、押え棒12に対して回動可能に支持されている。また、回動体35は、中間筒部38と大径筒部36との間に外径が小さい溝部37aが形成され、ホルダ13の上端部において、溝部37aに係合する支持部材39により上下方向には移動不能に支持されている。
図5に示すように、支持部材39は、2つの取付孔39aが形成された取付部39bと、取付部39bの上端部に屈曲形成された支持部39cとを有する。支持部39cは、溝部37aに嵌り込んで、回動体35の上下方向への移動を規制する。また、支持部材39の近傍には、中間筒部38の係止部38aに弾性的に当接して回動体35の回動方向の位置を保持する板バネ(保持体)40が配置されている。板バネ40は、2つの取付孔40aが形成された取付部40bと、取付部40bの上端部に形成された帯状のバネ片40cとを有する。バネ片40cは、その先端のエッジ部が係止部38aに圧接するように延設されている。ホルダ13の上端部には、2つのねじ孔(図示せず)が形成されており、支持部材39の取付孔39aと板バネ40の取付孔40aとに夫々挿通されたねじ42により、支持部材39及び板バネ40が前後に重ねられた状態で取付け固定されている。
図6に示すように、回動体35において、大径筒部36(同図中、2点鎖線で示す)と小径筒部37との間の段部(以下、底壁部36aと称す)には、カム45が一体形成されている。詳しくは後述するように、カム45はピン33との係合によって、ピン33及び押え棒12の上下方向の位置を定めるようになっている。また、図5に示すように、大径筒部36は、上端から下方への切欠きにより形成された短冊状の爪部46を有し、この爪部46の先端部46aは径方向外側へ突出している(図7(c)参照)。また、大径筒部36の外周部には、爪部36bから180度隔てた位置に、上端から下方に延びる嵌合凹部47が形成されている。尚、爪部46の上方は、合成樹脂材料の可撓性により、爪部46の先端部46aが大径筒部36の外周面と略面一になるまで内側への弾性変形が可能である。
前記調節摘み34は合成樹脂材料からなり、大径筒部36に装着されるキャップ状をなしている。調節摘み34の周壁部34aには、爪部46の先端部46aが嵌り込む孔部48が形成されると共に、この孔部48と180度隔てた対向する位置に径方向内側へ突出する嵌合凸部49(図7(b)参照)が形成されている。尚、周壁部34aの外周面は、多数の縦向きの溝からなり滑り止め機能を有する凹凸状の把持部とされ、ユーザ(操作者)により把持されて周方向に回動操作される。また、調節摘み34の上面部34bには、調節摘み34の回動操作可能な範囲(後述するカム面45a始端部から終端部までの範囲)を標示する略「C」字状の標示部50が設けられている。
調節摘み34は、回動体35に対して上側から組み付けられる。この組み付けは、単に、回動体35の嵌合凹部47に調節摘み34の嵌合凸部49を連ねるように位置合わせした状態で、周壁部34aを大径筒部36の上部に被せることにより行われる。この場合、回動体35の爪部46の上方は内側に撓むようにして、調節摘み34の周壁部34a内に押し込まれ、爪部46の先端部46aが孔部48に到達すると、爪部46の可撓性によりその先端部46aが孔部48に嵌り込む。こうして、組み付けが完了した状態にあっては、爪部46の先端部46aと孔部48の係合、及び嵌合凹部47と嵌合凸部49との嵌合により、調節摘み34は回動体35と一体に回動する。これら調節摘み34、回動体35、ピン33、支持部材39及び板バネ40は、本発明の押え高さ調節装置32を構成する。
ここで、図7(a)は前記カム45の展開図を示しており、図7(b)及び(c)は、カム45の展開図に対応して示す調節摘み34及び回動体35の平面図である。カム45は、平面視にて回動体35の大径筒部36に沿う環状をなし、ピン33に対して下側から当接可能なカム面45aを有する。図6、図7(a)に示すように、カム面45aは、底壁部36aから上方へ緩やかに傾斜しており、カム面45a終端部には、上方へ大きく突出する回動規制部45bが形成されている。前述のように押え棒12は、上下動のみが許容され且つ圧縮コイルバネ15により押え棒抱き14を介して下方へ付勢されている。よって、ピン33はカム面45aの上側から当接し、押え棒12ひいては押え足11の下降位置を位置決めする。また、カム面45aは、回動体35の回動に伴い図7(c)中、横向きのピン33に対して摺接しながら回動することで、当該ピン33を介して押え棒12及び押え足11の下降位置を調整する。
この場合、図7(a)に示すように、ピン33は、カム面45a始端部で回動規制部45bに当接する位置P1とカム面45a終端部で回動規制部45bに当接する位置P2との間で上下方向に移動されることで、押え棒12及び押え足11の下降位置を、所定の調節範囲H(例えば5mm)で調節することができる。ここで、図7(a)中、P1´,P2´は、ピン33をP1或はP2に位置させた状態で、押え上げレバー17の操作により押え棒12と共に押え足11を上昇させた場合における、ピン33の夫々の上昇後の位置を示している。即ち、回動規制部45bは、ピン33が上昇した位置P1´,P2´でも当接する高さに延設されており、回動体35を所定の回動範囲に確実に規制する。
回動体35及び調節摘み34は、上昇した押え棒12の上端部やピン33が頭部4の上側に露出しないように、押え棒12の上端部分を覆う大きさに形成されている(図8(c)参照)。尚、前述した特許文献1の浮上調節ねじは、頭部の上面部に露出した状態で押え棒と共に上下動するため、外観の見栄えが良くなかった。本実施形態の回動体35及び調節摘み34は、頭部4の上面部において、押え棒12と共に上下動することなく押え棒12の上端部をピン33ごと収容する構成であるので、外観の見栄えを良くすることができる。
次に、上記構成の押え高さ調節装置32の作用について、図8を参照しながら説明する。
図8(a)に示すように、刺繍枠7には比較的布厚が薄い加工布CLが保持されており、押え足11は、圧縮コイルバネ15により、押え棒抱き14を介して押え棒12と共に下方へ付勢され、加工布CL側に近接する下降位置にある。この下降位置は、調節摘み34の回動操作によって、ピン33とカム面45aとの係合位置が調整されることで、布押え部20aの下面が加工布CLの上面に接触せずに僅かな隙間(例えば1mm〜2mm)が生じるように位置決めされている。尚、図8(a)は、ピン33がカム面45a始端部と係合する位置P1に移動された場合、つまり押え足11の下降位置の下限を示している。
図8(a)に示すように、刺繍枠7には比較的布厚が薄い加工布CLが保持されており、押え足11は、圧縮コイルバネ15により、押え棒抱き14を介して押え棒12と共に下方へ付勢され、加工布CL側に近接する下降位置にある。この下降位置は、調節摘み34の回動操作によって、ピン33とカム面45aとの係合位置が調整されることで、布押え部20aの下面が加工布CLの上面に接触せずに僅かな隙間(例えば1mm〜2mm)が生じるように位置決めされている。尚、図8(a)は、ピン33がカム面45a始端部と係合する位置P1に移動された場合、つまり押え足11の下降位置の下限を示している。
ここで、布押え部20aの下面と加工布CLの上面との隙間は、加工布CLの種類や布厚等に応じて適宜調節を行うことが望ましい。つまり、押え足11の下降位置を調節することで、刺繍縫製の際、加工布CLに縫針10が刺さった後、縫針10が上昇して加工布CLから抜けていくときに、布押え部20aが、縫針10と共に上昇する加工布CLの上昇を押えるようにするのである。
また、調節摘み34を平面視(図7(b)参照)にて時計回り方向に回動操作して、当該ピン33の位置を上方へ(P1からP2へ)移動させると、図8(b)に示すように、布押え部20aの下面と加工布CLの上面との間の隙間が最大となり、押え足11の下降位置を上限に調節することができる。また、調節摘み34を回動操作する際、板バネ40のバネ片40cが係止部38aの複数の溝に係合して軽いノッチ感が付与される。そして、調節摘み34を回動操作しないときには、バネ片40cの付勢力により回動体35が回転しないように係止される。
こうして、調節摘み34を適宜周方向に回動操作して、押え足11を調節範囲H内で任意の下降位置に調節することができると共に、調節した下降位置をバネ片40cにより確実に保持することができる。
刺繍縫製が終了し、刺繍枠7を刺繍枠移送装置8から取り外す場合には、押え上げレバー17を下向きの状態から反時計回り方向(矢印A1方向)に操作することで、押え棒抱き14を圧縮コイルバネ15の付勢力に抗して上方へ移動させ、押え棒12と共に押え足11を上昇させる(図8(c)参照)。この上昇途中で、押え上動機構22により押え足部材20をホルダ部材21に対して相対的に上昇させることで、押え足11は、刺繍枠7よりも高い上昇位置に移動する。これにより、刺繍枠7の取り外しを、布押え部20aに接触させることなく容易且つ簡単に行うことができる。
以上のように本実施形態の押え高さ調節装置32は、調節摘み34の回動に伴い回動可能で且つ頭部4に上下動不能に支持された回動体35と、押え棒12に設けられ、回動体35に係合して押え足11の下降位置を位置決めするピン33とを具備して構成されている。即ち、押え棒の上端部に形成された雄ねじに螺合する浮上調整ねじによって押え足の高さを調整していた従来装置とは異なり、ピン33は、頭部4に上下動不能に支持された回動体35に係合することで押え足11の下降位置を位置決めする構成であるので、縫製時の振動等によって押え足11の下降位置(高さ)がずれるのを防止することができる。従って、調節摘み34の回動操作のみで、押え足11の下降位置を加工布CLの厚み等に応じた適正な位置に調節することができると共にその下降位置を保持することができる。
前記ピン33は、接触子として押え棒12の上端部に固着されており、回動体35は、押え棒12に対して回動可能に支持されると共にピン33との係合によって当該ピン33の上下方向の位置を定めるカム45を有する。この構成によれば、押え足11の下降位置を、カム45とピン33との係合による簡単な構成で調節することができる。また、カム45のカム面45aの傾斜を適宜設定することで、調節摘み34の回動操作量が小さくても、押え棒12(押え足11)を大きく移動させることができ、押え足11の下降位置を調整する際の操作性を向上させることができる。
押え高さ調節装置32は、回動体35の回動方向の位置を保持する板バネ40を備えて構成されている。この板バネ40によって、縫製時の振動等による押え足の下降位置のずれを確実に防止することができる。
調節摘み34は、回動体35に装着されるキャップ状をなし、回動体35と一体に回動するように構成されているので、回動操作に適したコンパクトな形状にすることができると共に極力安価で簡単な構成にすることができる。
調節摘み34は、回動体35に装着されるキャップ状をなし、回動体35と一体に回動するように構成されているので、回動操作に適したコンパクトな形状にすることができると共に極力安価で簡単な構成にすることができる。
尚、本発明は上記しかつ図面に示す実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形又は拡張することができる。
本発明は、刺繍縫製可能なミシンMに限られず、本縫いミシン等の各種ミシンにも適用できるものである。
本発明は、刺繍縫製可能なミシンMに限られず、本縫いミシン等の各種ミシンにも適用できるものである。
また、上記実施形態において、押え足11の下降位置の調節範囲Hを5mmとしたが、これに限定されるものではない。即ち、カム45の形状やカム面45aの傾斜を変更する等して、下降位置の調節範囲Hを増減してもよいし、布押え部20aにより加工布CLを積極的に下方に押圧する位置まで調節範囲Hを拡張してもよい。
また、回動体35の回動方向の位置を保持する保持体として板バネ40を用いたが、これに限定されるものではなく、保持体は、調節摘み34又は回動体35に対して当接することで回動方向の位置を保持する構成であればよい。
また、回動体35の回動方向の位置を保持する保持体として板バネ40を用いたが、これに限定されるものではなく、保持体は、調節摘み34又は回動体35に対して当接することで回動方向の位置を保持する構成であればよい。
また、本発明は、刺繍縫製用の押え足11に代えて各種の押え足を用いてその下降位置を調節する等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
M ミシン
3 アーム部
4 頭部
11 押え足
33 ピン(接触子)
34 調節体
35 回動体
40 保持体
45 カム
3 アーム部
4 頭部
11 押え足
33 ピン(接触子)
34 調節体
35 回動体
40 保持体
45 カム
Claims (4)
- アーム部の先端側の頭部に上下動可能に支持された押え棒と、この押え棒の下端部に装着された押え足とを備えたミシンにおいて、
前記頭部に回動操作可能に配置された調節体と、
前記調節体の回動に伴い回動可能で、且つ前記頭部に上下動不能に支持された回動体と、
前記押え棒に設けられ、前記回動体に係合して前記押え足の下降位置を位置決めする接触子と、
を具備したことを特徴とするミシン。 - 前記接触子は、前記押え棒の上端部に固着されたピンからなり、
前記回動体は、前記押え棒に対して回動可能に支持され、前記ピンとの係合によって前記ピンの上下方向の位置を定めるカムを有することを特徴とする請求項1記載のミシン。 - 前記回動体の回動方向の位置を保持する保持体を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
- 前記調節体は、前記回動体に装着されるキャップ状をなし、前記回動体と一体に回動するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のミシン。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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CN200910208024A CN101724987A (zh) | 2008-10-17 | 2009-10-14 | 缝纫机 |
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