JP2010092946A - 短パルス光源装置、レーザ駆動方法、光ピックアップ及び光ディスク装置 - Google Patents

短パルス光源装置、レーザ駆動方法、光ピックアップ及び光ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高出力の短パルス光を出射し得ると共に消費電力を低減できるようにする。
【解決手段】
短パルス光源装置1のレーザ制御部2は、電源回路5へ供給するゲート信号SGのゲートパルスPGを、駆動回路6へ供給するパルス信号SLの生成パルスPLが立ち上がる期間を含むように、極めて短いパルス幅Tgの期間だけ立ち上げることにより、生成パルスPLが立ち上がるタイミングで必要な電力を供給でき、且つ消費電力Paを標準消費電力Pbよりも大幅に削減することができる。
【選択図】図23

Description

本発明は、短パルス光源装置、レーザ駆動方法、光ピックアップ及び光ディスク装置に関し、例えば光ビームを用いて光ディスクに情報を記録する光ディスク装置に適用して好適なものである。
従来、光ディスク装置においては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びBlu−ray Disc(登録商標、以下BDと呼ぶ)等の円盤状でなる光ディスクに対して情報を記録し、また当該光ディスクから当該情報を読み出すようになされたものが広く普及している。
かかる光ディスク装置では、音楽コンテンツや映像コンテンツ等の各種コンテンツ、或いはコンピュータ用の各種データ等のような種々の情報を光ディスクに記録するようになされている。
特に近年では、映像の高精細化や音楽の高音質化等により情報量が増大し、また1枚の光ディスクに記録するコンテンツ数の増加が要求されているため、当該光ディスクのさらなる大容量化が求められている。
そこで、かかる光ディスクを大容量化する手法の一つとして、情報を表す記録ピットの形成に2光子吸収反応を利用し、当該記録ピットを3次元に配列するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−37658公報
ところで、この2光子吸収反応は、光強度の大きい光に応じてのみ生じる現象である。このため光ディスク装置では、光強度の大きい光源を用いる必要がある。この光源としては、レーザ光を短パルス出力するいわゆるピコ秒レーザやフェムト秒レーザ等の短パルス光源があり、例えばチタンサファイヤレーザやYAGレーザ等が知られている。
しかしながら、このような短パルス光源は、消費電力が大きく比較的強力な電源回路を必要とするため、当該電源回路やレーザを直接駆動する駆動回路等が比較的大型になってしまう。
すなわち、光ディスク装置にこのような短パルス光源を搭載する場合、消費電力が大きく短パルス光源の電源回路や駆動回路等を小型化することが困難であるため、当該光ディスク装置全体についても小型化や軽量化が困難であるという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、高出力の短パルス光を出射し得ると共に消費電力を低減し得る短パルス光源装置、レーザ駆動方法、光ピックアップ及び光ディスク装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の短パルス光源装置においては、パルス状でなり所定の特異電圧でなる駆動パルスが供給された際、光強度特性にパルス状の特異ピークと当該特異ピークよりも光強度が小さい特異スロープとが表れる特異出力光をレーザ光として出射する半導体レーザと、電力を供給すべき時期を表すゲートパルスが含まれるゲート信号を取得し、ゲートパルスに基づき電力を供給又は遮断する電源回路と、半導体レーザからレーザ光を出射させるべき時期を表す制御パルスが含まれるパルス信号を取得し、電源回路から供給される電力を用いて制御パルスに応じた駆動パルスを含むレーザ駆動信号を生成し半導体レーザへ供給する駆動回路と、パルス信号を生成して駆動回路へ供給すると共に、少なくとも当該パルス信号において制御パルスが立ち上がっている期間を含むようゲートパルスを立ち上げたゲート信号を生成して電源回路へ供給するパルス信号発生部とを設けるようにした。
これにより本発明の短パルス光源装置は、パルス信号の制御パルスが立ち上がることによりレーザ駆動信号の駆動パルスを立ち上げるべきタイミングで、当該駆動パルスの生成に必要な電力を電源回路から駆動回路へ供給してレーザ駆動信号を生成できる。このため光ディスク装置は、このレーザ駆動信号が供給された半導体レーザから短いパルス状のレーザ光を出射させ得ると共に、当該駆動パルスを生成しないときには当該駆動回路への電力供給を遮断することができる。
また本発明のレーザ駆動方法においては、電力を供給すべき時期を表すゲートパルスが含まれるゲート信号を生成して所定の電源回路へ供給するゲート信号生成ステップと、ゲートパルスに基づき電源回路から電力を供給又は遮断する電力供給ステップと、所定の半導体レーザからレーザ光を出射させるべき時期を表しゲートパルスと同等以下のパルス幅でなる制御パルスを、少なくともゲート信号においてゲートパルスが立ち上がっている期間内に立ち上げるパルス信号を生成するパルス信号生成ステップと、電源回路から電力が供給される駆動回路により、パルス信号を基に、所定の特異電圧でなり制御パルスに応じた駆動パルスを含むレーザ駆動信号を生成するレーザ駆動信号生成ステップと、レーザ駆動信号を半導体レーザへ供給することにより、光強度特性にパルス状の特異ピークと当該特異ピークよりも光強度が小さい特異スロープとが表れる特異出力光を半導体レーザから出射するレーザ光出射ステップとを設けるようにした。
これにより本発明のレーザ駆動方法では、パルス信号の制御パルスが立ち上がることによりレーザ駆動信号の駆動パルスを立ち上げるべきタイミングで、当該駆動パルスの生成に必要な電力を電源回路から駆動回路へ供給してレーザ駆動信号を生成できる。このため光ディスク装置は、このレーザ駆動信号が供給された半導体レーザから短いパルス状のレーザ光を出射させ得ると共に、当該駆動パルスを生成しないときには当該駆動回路への電力供給を遮断することができる。
さらに本発明の短パルス光源においては、パルス状でなり所定の特異電圧でなる駆動パルスが供給された際、光強度特性にパルス状の特異ピークと当該特異ピークよりも光強度が小さい特異スロープとが表れる特異出力光をレーザ光として出射する半導体レーザと、半導体レーザからレーザ光を出射させるべき時期を表す制御パルスが含まれるパルス信号を取得し、当該パルス信号を基に制御パルスに応じた駆動パルスを含むレーザ駆動信号を生成して半導体レーザへ供給する駆動回路と、パルス信号において制御パルスが立ち上がっている期間を含む期間に渡り、駆動回路へ電力を供給すべき時期を表すゲートパルスが立ち上がったゲート信号を取得し、当該ゲート信号に基づき駆動回路へ電力を供給又は遮断する電源回路とを設けるようにした。
これにより本発明の短パルス光源装置は、パルス信号の制御パルスが立ち上がることによりレーザ駆動信号の駆動パルスを立ち上げるべきタイミングで、当該駆動パルスの生成に必要な電力を電源回路から駆動回路へ供給してレーザ駆動信号を生成できる。このため光ディスク装置は、このレーザ駆動信号が供給された半導体レーザから短いパルス状のレーザ光を出射させ得ると共に、当該駆動パルスを生成しないときには当該駆動回路への電力供給を遮断することができる。
さらに本発明のレーザ駆動方法においては、電力を供給すべき時期を表すゲートパルスが含まれるゲート信号を取得して所定の電源回路へ供給するゲート信号取得ステップと、ゲートパルスに基づき電源回路から電力を供給又は遮断する電力供給ステップと、所定の半導体レーザからレーザ光を出射させるべき時期を表しゲートパルスと同等以下のパルス幅でなる制御パルスが、少なくともゲート信号においてゲートパルスが立ち上がっている期間内に立ち上がるパルス信号を取得するパルス信号取得ステップと、電源回路から電力が供給される駆動回路により、パルス信号を基に、所定の特異電圧でなり制御パルスに応じた駆動パルスを含むレーザ駆動信号を生成するレーザ駆動信号生成ステップと、レーザ駆動信号を半導体レーザへ供給することにより、光強度特性にパルス状の特異ピークと当該特異ピークよりも光強度が小さい特異スロープとが表れる特異出力光を半導体レーザから出射するレーザ光出射ステップとを設けるようにした。
これにより本発明のレーザ駆動方法では、パルス信号の制御パルスが立ち上がることによりレーザ駆動信号の駆動パルスを立ち上げるべきタイミングで、当該駆動パルスの生成に必要な電力を電源回路から駆動回路へ供給してレーザ駆動信号を生成できる。このため光ディスク装置は、このレーザ駆動信号が供給された半導体レーザから短いパルス状のレーザ光を出射させ得ると共に、当該駆動パルスを生成しないときには当該駆動回路への電力供給を遮断することができる。
さらに本発明の光ピックアップにおいては、パルス状でなり所定の特異電圧でなる駆動パルスが供給された際、光強度特性にパルス状の特異ピークと当該特異ピークよりも光強度が小さい特異スロープとが表れる特異出力光をレーザ光として出射する半導体レーザと、電力を供給すべき時期を表すゲートパルスが含まれるゲート信号を取得し、ゲートパルスに基づき電力を供給又は遮断する電源回路と、半導体レーザからレーザ光を出射させるべき時期を表す制御パルスが含まれるパルス信号を取得し、電源回路から供給される電力を用いて制御パルスに応じた駆動パルスを含むレーザ駆動信号を生成し半導体レーザへ供給する駆動回路と、パルス信号を生成して駆動回路へ供給すると共に、少なくとも当該パルス信号において制御パルスが立ち上がっている期間を含むようゲートパルスを立ち上げたゲート信号を生成して電源回路へ供給するパルス信号発生部と、半導体レーザから出射されたレーザ光を集光し所定の光ディスクに照射する対物レンズとを設けるようにした。
これにより本発明の光ピックアップでは、パルス信号の制御パルスが立ち上がることによりレーザ駆動信号の駆動パルスを立ち上げるべきタイミングで、当該駆動パルスの生成に必要な電力を電源回路から駆動回路へ供給してレーザ駆動信号を生成できる。このため光ディスク装置は、このレーザ駆動信号が供給された半導体レーザから短いパルス状のレーザ光を出射させ得ると共に、当該駆動パルスを生成しないときには当該駆動回路への電力供給を遮断することができる。
さらに本発明の光ディスク装置においては、光ディスクに記録すべき情報に応じ、当該光ディスク内の記録層に実際に形成すべき記録マークに対応した記録データを生成する信号処理部と、パルス状でなり所定の特異電圧でなる駆動パルスが供給された際、光強度特性にパルス状の特異ピークと当該特異ピークよりも光強度が小さい特異スロープとが表れる特異出力光をレーザ光として出射する半導体レーザと、電力を供給すべき時期を表すゲートパルスが含まれるゲート信号を取得し、ゲートパルスに基づき電力を供給又は遮断する電源回路と、半導体レーザからレーザ光を出射させるべき時期を表す制御パルスが含まれるパルス信号を取得し、電源回路から供給される電力を用いて制御パルスに応じた駆動パルスを含むレーザ駆動信号を生成し半導体レーザへ供給する駆動回路と、パルス信号を生成して駆動回路へ供給すると共に、少なくとも当該パルス信号において制御パルスが立ち上がっている期間を含むようゲートパルスを立ち上げたゲート信号を生成して電源回路へ供給するパルス信号発生部と、半導体レーザから出射されたレーザ光を集光し光ディスクの記録層に照射する対物レンズと、光ディスクの記録層におけるレーザ光の集光位置を制御する集光位置制御部とを設けるようにした。
これにより本発明の光ディスク装置では、パルス信号の制御パルスが立ち上がることによりレーザ駆動信号の駆動パルスを立ち上げるべきタイミングで、当該駆動パルスの生成に必要な電力を電源回路から駆動回路へ供給してレーザ駆動信号を生成できる。このため光ディスク装置は、このレーザ駆動信号が供給された半導体レーザから短いパルス状のレーザ光を出射させ得ると共に、当該駆動パルスを生成しないときには当該駆動回路への電力供給を遮断することができる。
本発明によれば、パルス信号の制御パルスが立ち上がることによりレーザ駆動信号の駆動パルスを立ち上げるべきタイミングで、当該駆動パルスの生成に必要な電力を電源回路から駆動回路へ供給してレーザ駆動信号を生成できる。このため本発明は、このレーザ駆動信号が供給された半導体レーザから短いパルス状のレーザ光を出射させ得ると共に、当該駆動パルスを生成しないときには当該駆動回路への電力供給を遮断することができる。かくして本発明によれば、高出力の短パルス光を出射し得ると共に消費電力を低減し得る短パルス光源装置、レーザ駆動方法、光ピックアップ及び光ディスク装置を実現できる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(短パルス光源装置・駆動回路に高周波回路を用いた例)
2.第2の実施の形態(光ディスク装置・駆動回路に高速スイッチ回路を用いた例)
3.他の実施の形態
<1.第1の実施の形態>
[1−1.短パルス光源装置の構成]
図1は本実施の形態による短パルス光源装置1の全体構成を示している。この短パルス光源装置1は、レーザ制御部2と半導体レーザ3とから構成されている。
半導体レーザ3は、半導体発光を利用する一般的な半導体レーザ(例えばソニー株式会社製、SLD3233)でなる。レーザ制御部2は、半導体レーザ3に供給する駆動信号D1を制御することにより、当該半導体レーザ3からパルス状のレーザ光LLを出力させるようになされている。
レーザ制御部2は、所定のタイミングで複数種類のパルス状の信号を生成するパルス信号発生器4、半導体レーザ3を駆動するための電源を生成する電源回路5、及び半導体レーザ3を駆動する駆動回路6により構成されている(詳しくは後述する)。
パルス信号発生器4は、その内部で所定の周期TSの矩形波でなる同期信号SSを生成しており、当該同期信号SSに基づいたタイミングで動作すると共に、当該同期信号SSを外部の測定装置等(図示せず)へ供給し得るようになされている。
またパルス信号発生器4は、図2(A)に示すように、周期TSごとにパルス状に変化するパルス信号SLを生成し、これを駆動回路6へ供給する。このパルス信号SLは、駆動回路6に対し、半導体レーザ3へ電源を供給すべきタイミング、期間及び電圧レベルの大きさを示している。
駆動回路6は、電源回路5から供給される電源及びパルス信号SLを基に、図2(B)に示すようなレーザ駆動信号SDを生成し、これを半導体レーザ3へ供給する。
このとき駆動回路6は、パルス信号SLを所定の増幅率で増幅することによりレーザ駆動信号SDを生成する。このためレーザ駆動信号SDのピーク電圧VDは、パルス信号SLのピーク電圧VLに応じて変化することになる。因みにレーザ駆動信号SDは、駆動回路6の増幅特性により、その波形が歪まされている。
半導体レーザ3は、レーザ駆動信号SDの供給を受けると、図2(C)に示すように、光強度LTをパルス状に変化させながらレーザ光LLを出射する。以下では、レーザ光をパルス状に出射することを「パルス出力する」と表記する。
このように短パルス光源装置1は、レーザ制御部2の制御により、他の光学部品等を用いることなく、半導体レーザ3からレーザ光LLを直接的にパルス出力するようになされている。
[1−2.緩和振動モードによるレーザ光のパルス出力]
ところで、一般にレーザの特性は、いわゆるレート方程式により表されることが知られている。例えば、閉込係数Γ、光子寿命τph[s]、キャリア寿命τ[s]、自然放出結合係数Cs、活性層厚d[mm]、電荷素量q[C]、最大利得gmax、キャリア密度N、光子密度S、注入キャリア密度J、光速c[m/s]、透明化キャリア密度N0、群屈折率ng及び面積Agを用いると、レート方程式は次に示す(1)式のように表される。
Figure 2010092946
次に、(1)式のレート方程式を基に、注入キャリア密度Jと光子密度Sとの関係を算出した結果を図3のグラフに示し、注入キャリア密度Jとキャリア密度Nとの関係を算出した結果を図4のグラフに示す。
因みにこれらの算出結果は、閉込係数Γ=0.3、光子寿命τph=1e−12[s]、キャリア寿命τ=1e−9[s]、自然放出結合係数Cs=0.03、活性層厚d=0.1[μm]、電荷素量q=1.6e−19[C]、及び面積Ag=3e−16[cm]として得られたものである。
図4に示したように、一般的な半導体レーザは、注入キャリア密度J(すなわちレーザ駆動信号SD)の増大に応じてキャリア密度Nが飽和状態の少し手前となる飽和前点Slにおいて、発光を開始する。
また図3に示したように、半導体レーザは、注入キャリア密度Jの増大に伴って光子密度S(すなわち光強度)を増大させる。さらに図3と対応する図5に示すように、半導体レーザは、注入キャリア密度Jのさらなる増大に伴って、光子密度Sをさらに増大させることがわかる。
次に、図5に示した特性曲線上に、注入キャリア密度Jが比較的大きいポイントPT1、及び当該ポイントPT1よりも注入キャリア密度Jが順次小さくなるポイントPT2及びPT3をそれぞれ選定した。
続いて、ポイントPT1、PT2及びPT3における、レーザ駆動信号SDの印加を開始してからの、光子密度Sが変化する様子を算出した結果を図6、図7及び図8にそれぞれ示す。因みに、注入キャリア密度Jの大きさは半導体レーザに供給されるレーザ駆動信号SDの大きさに対応しており、また光子密度Sの大きさは光強度の大きさに対応している。
図6に示すように、ポイントPT1において、光子密度Sは、いわゆる緩和振動により大きく振動してその振幅が大きくなり、かつ振幅の周期(すなわち極小値から極小値まで)となる振動周期taが約60[ps]と小さいことが確認された。また光子密度Sの値は、発光開始直後に出現する第1波の振幅が最も大きく、第2波、第3波と徐々に減衰し、やがて安定している。
このポイントPT1の光子密度Sにおける第1波の最大値は約3×1016と、光子密度Sが安定したときの値である安定値(約1×1016)の約3倍であった。
ここで、レーザ駆動信号SDを印加し始めてから発光を開始するまでの時間を発光開始時間τdとすると、(1)式に示したレート方程式から当該発光開始時間τdを算出することができる。
すなわち、発振以前に光子密度S=0であったとすると、(1)式における上段の式は、次式のように表すことができる。
Figure 2010092946
ここでキャリア密度Nをスレショールド値Nthとすると、発光開始時間τdを次式のように表すことができる。
Figure 2010092946
このように発光開始時間τdは、注入キャリア密度Jに反比例することがわかる。
図6に示すように、ポイントPT1では、(3)式から発光開始時間τdが約200[ps]と算出される。このポイントPT1では、半導体レーザに大きな電圧値でなるレーザ駆動信号SDを印加しているため、当該レーザ駆動信号SDを印加し始めてから発光を開始するまでの発光開始時間τdも短くなっている。
図7に示すように、ポイントPT1よりもレーザ駆動信号SDの値が小さいポイントPT2では、明確な緩和振動を生じているものの、ポイントPT1と比して振動の振幅が小さくなり、且つ振動周期taが約100[ps]と大きくなった。
またポイントPT2の場合、(3)式から算出される発光開始時間τdは約400[ps]となり、ポイントPT1と比較して大きくなった。このポイントPT2では、光子密度Sにおける第1波の最大値は約8×1015となり、安定値(約4×1015)の約2倍であった。
図8に示すように、ポイントPT2よりも供給したレーザ駆動信号SDの値がさらに小さいポイントPT3では、緩和振動が殆どみられなかった。またポイントPT3の場合、(3)式から算出される発光開始時間τdは約1[ns]となり、比較的長いことが確認された。このポイントPT3の光子密度Sにおける最大値は安定値とほぼ同一であり、約1.2×1015であった。
ところで一般的なレーザ光源では、半導体レーザに対してポイントPT3のように緩和振動の殆どみられない比較的低い電圧のレーザ駆動信号SDを印加するようになされている。すなわち一般的なレーザ光源は、レーザ光の出射開始直後における光強度の変動幅を小さく抑えることにより、レーザ光LLの出力を安定させるようになされている。
以下では、短パルス光源装置1において、半導体レーザ3に比較的低い電圧でなるレーザ駆動信号SDを供給することにより、緩和振動を生じず安定した光強度でなるレーザ光LLを出力する動作モードを、通常モードと呼ぶ。また、この通常モードにおいて半導体レーザ3に供給するレーザ駆動信号SDの電圧を通常電圧VNと呼び、当該半導体レーザ3から出力されたレーザ光LLを通常出力光LNと呼ぶ。
これに加えて本実施の形態による短パルス光源装置1は、ポイントPT1及びPT2の場合のように、比較的高い電圧のレーザ駆動信号SDが供給されることにより、光強度特性に緩和振動を生じさせる動作モード(以下、これを緩和振動モードと呼ぶ)を有している。
この緩和振動モードの場合、短パルス光源装置1は、レーザ駆動信号SDの電圧V(以下これを振動電圧VBと呼ぶ)を通常電圧VNよりも高めることになる(例えば1.5倍以上)。この結果、短パルス光源装置1は、レーザ光の瞬間的な光強度LTの最大値を、通常モードの場合よりも増大させることができる。
すなわち短パルス光源装置1は、緩和振動モードで動作する場合、半導体レーザ3に対して比較的高い振動電圧VBを供給することにより、当該振動電圧VBに応じた大きな光強度でなるレーザ光LLを出射することができる。
これを別の観点から見れば、半導体レーザ3は、振動電圧VBでなるレーザ駆動信号SDが印加されることにより、通常電圧VNを印加していた従来と比較して、レーザ光LLの光強度を大幅に増加させることが可能となる。
例えば半導体レーザは、ポイントPT1において緩和振動の第1波による光子密度Sが約3×1016であり、通常電圧VDNを印加した場合を示すポイントPT3の場合(約1.2×1015)と比して、半導体レーザ3の光強度を20倍以上に増大させることが可能となる。
実際上、一般的な半導体レーザ(ソニー株式会社製、SLD3233VF)に対して、比較的高い電圧のレーザ駆動信号SDを印加した時に測定された光強度特性の波形を図9に示す。なお図9では、半導体レーザに対して矩形のパルス状でなるレーザ駆動信号SDを供給し、その結果得られたレーザ光LLの光強度特性の波形を示している。
この図9から、図6及び図7において光子密度Sの算出結果としてみられた緩和振動が、実際の光強度の変化としても生じていることが確認された。
ここで、半導体レーザ3に供給するレーザ駆動信号SDとレーザ光LLの光強度との関係について、詳細に検討する。
図10(A)は、図7と同様、光子密度Sの時間変化の様子を示している。例えば図10(B)に示すように、短パルス光源装置1のレーザ制御部2は、緩和振動を生じさせるのに十分な振動電圧VB1でなるパルス状のレーザ駆動信号SDを半導体レーザ3に供給する。
このときレーザ制御部2は、レーザ駆動信号SDを、発光開始時間τdに緩和振動の振動周期taを加算した時間(すなわちτd+ta、以下これを供給時間τPDと呼ぶ)に亘ってローレベルからハイレベルに立ち上げることにより、矩形状のパルス信号とする。
なお説明の都合上、レーザ駆動信号SDのうちパルス状に立ち上がっている部分を駆動パルスPD1と呼ぶ。
この結果半導体レーザ3は、図10(C)に示すように、緩和振動における第1波の部分のみに相当するパルス状のレーザ光LL(以下、これを振動出力光LBと呼ぶ)を出射することができる。
このときレーザ制御部2は、パルス状でなる駆動パルスPDを供給しているため、高い振動電圧VBの印加時間を比較的短く抑えることができ、半導体レーザ3の平均消費電力を低下させて過発熱などによる当該半導体レーザ3の不具合や破壊を防止させることができる。
一方レーザ制御部2は、図10(D)に示すように、緩和振動を生じさせ得る程度に高い電圧であり、且つ振動電圧VB1よりも低い振動電圧VB2でなる駆動パルスPD2を半導体レーザ3へ供給し得るようにもなされている。
この場合半導体レーザ3は、図10(E)に示すように、駆動パルスPD1が供給された場合と比較して光強度の小さい振動出力光LBを出射することができる。
このように短パルス光源装置1は、レーザ制御部2から比較的高い振動電圧VBでなる駆動パルスPD(すなわち駆動パルスPD1又はPD2)を半導体レーザ3へ供給する緩和振動モードで動作し得るようになされている。このとき短パルス光源装置1は、光強度が緩和振動によりパルス状に変化する振動出力光LBを出射し得るようになされている。
[1−3.特異モードによるレーザ光のパルス出力]
さらに短パルス光源装置1は、通常モード及び緩和振動モードに加えて、振動電圧VBよりも高い特異電圧VEでなる駆動パルスPDを半導体レーザ3に供給する特異モードで動作するようにもなされている。
このとき短パルス光源装置1は、半導体レーザ3から振動出力光LBよりもさらに大きな光強度でなるレーザ光LLをパルス出力し得るようになされている。
[1−3−1.光測定装置の構成]
ここでは、短パルス光源装置1から出射されたレーザ光LLを測定及び分析する光測定装置11(図11)を用いることにより、短パルス光源装置1における駆動パルスPDの電圧Vを変化させた場合のレーザ光LLの光強度を測定する実験を行った。
光測定装置11は、短パルス光源装置1の半導体レーザ3からレーザ光LLを出射させ、これをコリメータレンズ12へ入射させる。
続いて光測定装置11は、レーザ光LLをコリメータレンズ12によって発散光から平行光に変換して集光レンズ15へ入射させ、さらに集光レンズ15によって集光させる。
その後光測定装置11は、レーザ光LLを光サンプルオシロスコープ16(浜松ホトニクス株式会社製、C8188−01)へ供給することにより、当該レーザ光LLの光強度を測定し、その時間変化を光強度特性UT(後述する)として示すようになされている。
また光測定装置11は、レーザ光LLを光スペクトラムアナザイザ17(株式会社エーディーシー製、Q8341)へ供給することにより、当該レーザ光LLの波長を分析し、その分布特性を波長特性UW(後述する)として示すようになされている。
また光測定装置11は、コリメータレンズ12及び集光レンズ15の間にパワーメータ14(株式会社エーディーシー製、Q8230)が設置されており、当該パワーメータ14によりレーザ光LLの光強度LTを測定するようになされている。
さらに光測定装置11は、必要に応じて、コリメータレンズ12及び集光レンズ15の間にBPF(Band Pass Filter)13を設置し得るようにもなされている。このBPF13は、レーザ光LLにおける特定波長成分の透過率を低減させることができる。
[1−3−2.設定パルスと駆動パルスとの関係]
ところで短パルス光源装置1では、実際に生成されるパルス信号SLやレーザ駆動信号SD等がいわゆる高周波信号であることから、それぞれの波形が理想的な矩形波から変形した、いわゆる「なまった」波形となることが予想される。
そこで、パルス信号発生器4に対し、図12(A)に示すように、パルス幅Wsが1.5[ns]でなる矩形状の設定パルスPLsを含むパルス信号SLを出力するよう設定した。このパルス信号SLを所定の測定装置により測定したところ、図12(B)に示すような測定結果が得られた。
図12(B)のパルス信号SLにおいて、設定パルスPLsに対応して生成されるパルス(以下、これを生成パルスPLと呼ぶ)の半値幅である生成信号パルス半値幅PLhalfは、約1.5[ns]であった。
また、パルス信号発生器4から駆動回路6に対し上述したパルス信号SLを供給した際に、当該駆動回路6から半導体レーザ3に実際に供給されたレーザ駆動信号SDについても同様に測定したところ、図12(C)に示すような測定結果が得られた。
このレーザ駆動信号SDにおいて、生成パルスPLに対応して出現するパルス(すなわち駆動パルスPD)の半値幅である駆動パルス半値幅PDhalfは、生成パルスPLの信号レベルに応じて約1.5[ns]〜約1.7[ns]の範囲で変化した。
このときの生成パルスPLの最大電圧値に対する駆動パルスPDにおける電圧パルス半値幅PDhalfの関係、及び当該生成パルスPLの最大電圧値に対する駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxの関係を、図13に重ねて示す。
この図13から、駆動回路6へ供給される生成パルスPLの最大電圧値が増加するに連れ、当該駆動回路6から出力されるレーザ駆動信号SDにおける駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxも増加することが分かる。
また図13から、駆動回路6へ供給される生成パルスPLの最大電圧値が増加するに連れ、駆動パルスPDの駆動パルス半値幅PDhalfも徐々に増加することが分かる。
このことを換言すると、短パルス光源装置1は、一定のパルス幅でなる設定パルスPLsをパルス信号発生器4に設定した場合であっても、駆動回路6に供給する生成パルスPLの最大電圧値を変化させることにより、当該駆動回路6から出力されるレーザ駆動信号SDにおける駆動パルスPDのパルス幅及び電圧値を変化させることができる。
[1−3−3.駆動パルスの電圧と出力されるレーザ光との関係]
そこで、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxを様々な値に設定した場合について、当該駆動パルスPDに応じて半導体レーザ3から出力されるレーザ光LLの光強度を、光測定装置11(図11)の光サンプルオシロスコープ16によりそれぞれ測定した。
図14(A)及び(B)は、この測定の結果を示す。なおこの図14において、時間軸(横軸)は相対的な時間を表しており、絶対的な時間を表していない。またこの測定においては、BPF13は設置されていない。
図14(A)に示すように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが8.8[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT1には、比較的幅広い小さな出力ピーク(時間1550[ps]近傍)が1つのみ確認され、緩和振動による振動は見られなかった。すなわち光強度特性UT1は、短パルス光源装置1が通常モードで動作し半導体レーザ3から通常出力光LNを出力していることを表している。
また図14(A)に示したように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが13.2[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT2には、緩和振動による複数のピークが確認された。すなわち光強度特性UT2は、短パルス光源装置1が緩和振動モードで動作し半導体レーザ3から振動出力光LBを出力していることを表している。
一方、図14(B)に示すように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが17.8[V]、22.0[V]、26.0[V]及び29.2[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT3、UT4、UT5及びUT6には、比較的早い時間に先頭のピークとして表れるピーク部分と、その後細かい振動を伴い緩やかに減衰するスロープ部分が確認された。
光強度特性UT3、UT4、UT5及びUT6は、先頭のピーク部分の後に大きなピークが表れていないことから、第1波に続いて第2波、第3波のピークを有する緩和振動モードによる光強度特性WT2(図14(A))と比較して、波形の傾向が明らかに異なっている。
因みに、光測定装置11の光サンプルオシロスコープ16における解像度が約30[ps]以上であるため図14等には表われていないが、別途ストリークカメラを用いた実験により、先頭ピーク部分のピーク幅(半値幅)は、約10[ps]であることが確認された。
このように光サンプルオシロスコープ16における解像度が低いため、光測定装置11では、必ずしも正しい光強度LTを測定できていない可能性がある。この場合、図14等における先頭ピーク部分の最大光強度は、実際の値よりも低く表われることになる。
次に、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxを変化させたときのレーザ光LLについて、さらに詳細に分析する。
ここでは、光測定装置11を用い、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxを変化させたときに半導体レーザ3から出射されるレーザ光LLについて、その光強度特性UT及び波長特性UWを光サンプルオシロスコープ16及び光スペクトラムアナライザ17によりそれぞれ測定した。
図15〜図19は、この測定の結果をそれぞれ示す。因みに図15(A)〜図19(A)では、光スペクトラムアナライザ17により測定したレーザ光LLの波長特性UW(すなわち波長ごとに分解した結果)を表している。また図15(B)〜図19(B)は、図14と同様に、光サンプルオシロスコープ16により測定したレーザ光LLの光強度特性UT(すなわち時間変化の様子)を示している。この測定において、BPF13は設置されていない。
図15(B)に示すように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが8.8[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT11波形にはピークが1個のみ確認された。このことから、このとき短パルス光源装置1は通常モードで動作しており、当該レーザ光LLは通常出力光LNであるといえる。
また図15(A)に示すように、このときの波長特性UW11には、波長約404[nm]に1個のピークのみが確認された。このことから、このレーザ光LLの波長は約404[nm]であることがわかる。
図16(B)に示すように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが13.2[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT12には比較的大きなピークが複数確認された。このことから、このとき短パルス光源装置1は緩和振動モードで動作しており、当該レーザ光LLは振動出力光LBであるといえる。
また図16(A)に示すように、このときの波長特性UW12には、波長約404[nm]及び約407[nm]に2個のピークが確認された。このことから、このレーザ光LLの波長は約404[nm]及び約407[nm]であることがわかる。
図17(B)に示すように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが15.6[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT13には、先頭のピーク部分及び緩やかに減衰するスロープ部分が見られた。
このとき図17(A)に示すように、波長特性UW13には、約404[nm]及び約408[nm]に2個のピークが確認された。この波長特性UW13では、緩和振動モードで確認された約406[nm]のピークが長波長側へ2[nm]移動しており、さらに398[nm]近傍が僅かに盛り上がっていることが確認された。
図18(B)に示すように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが17.8[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT14には、先頭のピーク部分及び緩やかに減衰するスロープ部分が見られた。
また図18(A)に示すように、このときの波長特性UW14では、約398[nm]と約403[nm]に2個の大きなピークが確認された。この波長特性UW14では、波長特性UW13(図17(A))と比較して、約408[nm]のピークが非常に小さくなっており、その代わりに約398[nm]に大きなピークが形成されていることが確認された。
図19(B)に示すように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが38.4[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT15には先頭のピーク部分及び緩やかに減衰するスロープ部分が明確に見られた。
また図19(A)に示すように、このときの波長特性UW15では、約398[nm]及び約404[nm]に2個のピークが確認された。この波長特性UW15は、波長特性UW14(図18(A))と比較すると、約408[nm]のピークが完全に消失しており、また約398[nm]に明確なピークが形成されていることが確認された。
これらのことから、短パルス光源装置1では、振動電圧VBよりも大きな特異電圧VE(すなわち最大電圧値Vmax)でなる駆動パルスPDを半導体レーザ3に供給したことにより、振動出力光LBとはその波形及び波長の異なるレーザ光LLを出力し得ることが確認された。またこのレーザ光LLの発光開始時間τdは、上述したレート方程式から導かれる(3)式とは一致しなかった。
ここでレーザ光LLの波長に着目する。レーザ光LLは、最大電圧値Vmaxが高くなるにつれて通常出力光LN(図15)から振動出力光LB(図16)へと変化し、さらに当該振動出力光LBからその波長を変化させる。
具体的に振動出力光LB(図16)は、その波長特性UW12において、通常出力光LNとほぼ同等の波長(通常出力光LNの波長から±2[nm]以内)のピークに加えて、当該通常出力光LNよりも約3[nm](3±2[nm]以内)長波長側にピークを有する。
これに対して図19に示したレーザ光LLは、その波長特性UW15において、通常出力光LNとほぼ同等の波長(通常出力光LNの波長から±2[nm]以内)のピークに加えて、当該通常出力光LNよりも約6[nm](6±2[nm]以内)短波長側にピークを有する。
そこで以下では、図19に示したようなレーザ光LLを特異出力光LEと呼び、短パルス光源装置1において半導体レーザ3から当該特異出力光LEを出力するような動作モードを特異モードと呼ぶ。
[1−3−4.特異モードにおけるレーザ光の波長]
ところで、最大電圧値Vmaxが15.6[V]のときの波長特性UW13(図17(A))に対して最大電圧値Vmaxが17.8[V]のときの波長特性UW14(図18(A))を比較すると、長波長側のピークは消失し、代りに短波長側のピークが出現している。
すなわち波長特性UWは、最大電圧値Vmaxの上昇に伴いレーザ光LLが振動出力光LBから特異出力光LEへ変化する過程において、長波長側のピークが徐々に減少し、その代りに短波長側のピークが増大していくことがわかる。
そこで、以下では、波長特性UWにおいて短波長側のピーク面積が長波長側のピーク面積以上となるレーザ光LLを特異出力光LEとし、当該波長特性UWにおいて短波長側のピーク面積が長波長側のピーク面積未満となるレーザ光LLを振動出力光LBと定義する。
因みに、図18のように2つのピークが重複する場合には、通常出力光LNの波長から6[nm]短波長側の波長を短波長側の中心波長とし、当該中心波長±3[nm]の範囲における面積を当該ピークの面積とする。
従って、この定義により、最大電圧値Vmaxが15.6[V]のとき(図17)のレーザ光LLは振動出力光LBとなり、最大電圧値Vmaxが17.8[V]のとき(図18)のレーザ光LLは特異出力光LEとなる。
次に、光測定装置11において短パルス光源装置1を特異モードで動作させ、光ビームLL(すなわち特異出力光LE)の光強度特性UT16及び波長特性UW16を測定した。また、光測定装置11にBPF13を設置することにより光ビームLLにおける波長406±5[nm]の透過率を低下させるようにした状態で、同様に光強度特性UT17及び波長特性UW17を測定した。
図20に、光強度特性UT16及び光強度特性UT17を重ねて示す。この図20からわかるように、BPF13が設置されたときの光強度特性UT17は、光強度特性UT16と比較して、ピーク部分の光強度が殆ど同等であったのに対し、スロープ部分の光強度が大きく減少した。
このことは、スロープ部分の波長が約404[nm]であるためにBPF13により光強度が減少したのに対し、ピーク部分の波長が約398[nm]であるためにBPF13によっては光強度が減少しなかったことを表している。
また図21(A)及び(B)に、波長特性UW16及びUW17をそれぞれ示す。因みに図21は、波長特性UW16及びUW17をそれぞれ最大の光強度に応じて正規化しており、縦軸の光強度を相対値としている。
波長特性UW16(図21(A))では、光強度特性UT16において大きな面積を有するスロープ部分に対応するように、波長404[nm]の光強度が波長398[nm]の光強度に比して大きくなっている。
一方波長特性UW17では、スロープ部分の減少に伴い、波長404[nm]の光強度と波長398[nm]の光強度とがほぼ同程度となった。
このことからも、特異出力光LEは、図22に示す光強度特性UTにおける特異スロープESLの波長が約404[nm]であり特異ピークEPKの波長が約398[nm]であること、すなわちピーク部分の波長がスロープ部分の波長よりも短いことが分かった。
これを換言すると、特異出力光LEの光強度特性UTにおけるピーク部分は、通常出力光LNの場合と比して、その波長が約6[nm]短波長側にシフトすることになる。因みに、他の実験において通常出力光LNの波長が異なる他の半導体レーザを用いた場合であっても、同様の結果が得られた。
また光測定装置11において、半導体レーザ3としてソニー株式会社製SLD3233を使用して特異出力光LEを測定したところ、図22に示すような光強度特性UT20が得られた。
このとき、特異出力光LEにおけるピーク部分(以下これを特異ピークEPKと呼ぶ)の光強度は、パワーメータ14により測定したところ、約12[W]であった。この約12[W]という光強度は、振動出力光LBにおける最大の光強度(約1〜2[W])と比較して極めて大きい値といえる。因みに図22では、光サンプルオシロスコープ16の解像度が低いために、この光強度は表れていない。
さらにストリークカメラ(図示せず)による分析の結果、特異出力光LEの光強度特性UTは、特異ピークEPKにおけるピーク幅が10[ps]程度であり、振動出力光LBにおけるピーク幅(約30[ps])と比較して小さくなることも確認された。因みに図22では、光サンプルオシロスコープ16の解像度が低いために、このピーク幅は表れていない。
一方、特異出力光LEの光強度特性UTにおけるスロープ部分(以下、これを特異スロープESLと呼ぶ)は、その波長が通常モードにおけるレーザ光LLの波長と同一であり、最大の光強度は約1〜2[W]程度であった。
このように短パルス光源装置1は、半導体レーザ3に対し振動電圧VBよりもさらに高い特異電圧VEでなるレーザ駆動信号SDを供給することにより、光強度特性UTにおいて特異ピークEPK及び特異スロープESLを順次出現させるような特異出力光LEを出射することができる。
[1−4.レーザ制御部の構成]
次に、短パルス光源装置1のレーザ制御部2(図1)について詳述する。
[1−4−1.各信号のタイミング]
レーザ制御部2のパルス信号発生器4は、その内部において、図23(A)に示すように矩形波でなり所定の周期TSを有する同期信号SSを生成するようになされている。この同期信号SSは、デューティー比約50%の矩形波でなり、短パルス光源装置1全体における動作タイミングの基準となっている。
またパルス信号発生器4は、図23(B)に示すようなパルス状のゲート信号SGを生成し、これを電源回路5へ供給する。このゲート信号SGは、パルス幅Tgでなる矩形のゲートパルスPGが、同期信号SSと同一の周期TSごとに繰り返し生成されるようになされている。さらにゲートパルスPGは、同期信号SSにおける立ち上がりのエッジと同期して立ち上がるようになされている。
またゲート信号SGは、ハイレベルとなっている期間、すなわち周期TSのうちパルス幅Tgに相当する時間に限り、電源回路5から駆動回路6へ電源を供給することを表している。
さらにパルス信号発生器4は、上述した図2(A)と対応する図23(C)に示すように、周期TSごとに制御パルスとしての生成パルスPLが立ち上がるパルス信号SLを生成し、これを駆動回路6へ供給する。因みに、パルス信号SLのパルス幅Tuは、例えば1[ns]や500[ps]程度のように極めて短い時間となっている。
パルス信号SLは、同期信号SSと比較すると、当該同期信号SSにおける立ち上がりのタイミングから遅延期間Tpだけ遅延して、生成パルスPLが立ち上がるようになされている。
この遅延期間Tpは、ゲート信号SGにおけるゲートパルスPGのパルス幅Tgよりも短くなるように設定されている。すなわちパルス信号SLでは、ゲート信号SGにおけるゲートパルスPGのパルス幅Tgに含まれるタイミングで、生成パルスPLが立ち上がることになる。これを換言すれば、ゲートパルスPGは、生成パルスPLよりも立ち上がりの位相が進んでいるといえる。
ところでレーザ制御部2では、少なくとも生成パルスPLが立ち上がる時点でゲートパルスPGが立ち上がっていれば良く、それ以外のタイミングでは当該ゲートパルスPGが立ち上がっている必要はない。
ここで、電源回路5に対しゲート信号SGを供給せず、当該電源回路5から駆動回路6に対し電源を常時供給すると仮定した場合における、当該駆動回路6の消費電力(以下これを標準消費電力Pbと呼ぶ)が40[W]であったとする。
一方、ゲート信号SGにおけるパルス幅Tgの期間だけ電源回路5から駆動回路6に対し電源を供給した場合、すなわち本実施の形態の場合、当該駆動回路6の消費電力Paは、上述した標準消費電力Pbを用いて次の(4)式のように表すことができる。
Figure 2010092946
ここで、例えば周期TS=10[μs](すなわち周波数fに換算すると100[kHz])、パルス幅Tg=0.1[μs]とすると、(4)式から、駆動回路6の消費電力Paは0.4[W]と算出される。これは、駆動回路6の消費電力Paを標準消費電力Pbの100分の1に低減できたことになる。
また(4)式から分かるように、駆動回路6の消費電力Paは、(パルス幅Tg/周期TS)の値が小さいほど低減効果が大きくなる。
このためパルス幅Tgは、パルス信号SLにおける生成パルスPLが立ち上がっている期間を含み、且つ極力短くなるような範囲で設定されている。
ここで、比較対象として半導体レーザ3の消費電力Pdを算出する。消費電力Pdは、周期TS、駆動回路6から供給される駆動信号SDにおけるパルス幅Td、印加電圧Vd、供給される電流Idを用いると、次に示す(5)式により算出される。
Figure 2010092946
この(5)式に、周期TS=5[μs]、パルス幅Td=500[ps]、印加電圧Vd=20[V]、電流Id=2[A]とした場合、半導体レーザ3の消費電力Pdは4[mW]となる。
すなわち、(パルス幅Td/周期TS)の値が小さい場合には、半導体レーザ3の消費電力Pdよりも駆動回路6の消費電力Paの方が遙かに大きくなることがわかる。このことは、短パルス光源装置1における全体の消費電力を下げるには、駆動回路6における消費電力Paの低減化が有効であることを示している。
ところで短パルス光源装置1では、消費電力Paを比較的小さく抑え得るような周期TS、パルス幅Tg等の組み合わせが多数存在する。そこで、図24にこのような周期TS、パルス幅Tg等の組み合わせの例を、そのときの消費電力Pa等と共に示す。
例えば図24に設定パターンPTN5として示したように、周期TS=3.3[ns]、パルス幅Tg=1.7[ns]としたとき、消費電力Pa/標準消費電力Pbでなる消費電力低減率は0.5となる。すなわち(パルス幅Tg/周期TS)が1/2程度であっても、短パルス光源装置1は、消費電力Paを標準消費電力Pbの1/2に低減でき、消費電力の低減を図ることができる。
また図24に各設定パターンPTNとして示したように、周期Tとしては例えば100[μs]〜3.3[ns]程度の値を、パルス幅Tgとしては例えば100[ns]〜1.7[ns]程度の値を設定することが考えられる。
同様に各設定パターンPTNとして示したように、半導体レーザ3としては、ピーク光出力が例えば1[W]〜300[W]のものを用いることができる。さらに半導体レーザ3は、ピーク電圧として例えば10[V]〜40[V]、ピーク電流として例えば1[A]〜12[A]と設定することが考えられる。この場合、半導体レーザ3から出力される光パルス幅tとしては0.1[ps]〜100[ps]とすることが可能となる。
このように短パルス光源装置1では、ゲート信号SGにおけるパルス幅Tgが、パルス信号SLにおける生成パルスPLが立ち上がっている期間を含みながら極力短くなるよう設定されることにより、駆動回路6の消費電力Paを低減させ得るようになされている。
[1−4−2.駆動回路の構成]
次に、駆動回路6の構成について説明する。駆動回路6は、図25に示すように、いわゆる高周波電力増幅回路と同様に構成されている。これは、パルス幅Tgが例えば100[ns]程度、パルス幅Tuが例えば100[ps]程度と極めて短く、高速動作が要求されるためである。
駆動回路6は、大きく分けて入力部21、増幅部22及び出力部23により構成されている。また駆動回路6には、マイクロストリップラインを用いたインピーダンス整合用素子IM1〜IM11が随所に設けられており、各種信号のインピーダンスを整合させ反射を防止するようになされている。
入力部21は、パルス信号SLの入力を受け、これをFET(Field Effect Transistor)Tr1のゲート端子へ供給する。FETTr1は、パルス信号SLがローレベルからハイレベルに立ち上がると、ソース・ドレイン間で電流を流すオン状態となり、コイルL2を介して供給される電流を後段の増幅部22へ供給する。
増幅部22は、FETTr2及びTr3によるプッシュプル型の増幅回路を形成しており、入力部21から供給される電流をカップリングコンデンサC1及びC2を介してFETTr2及びTr3のゲート端子へそれぞれ供給する。また電源回路5は、抵抗R1及びR2を介してFETTr2及びTr3へ電流を供給する。
FETTr2及びTr3は、カップリングコンデンサC1及びC2を介して供給された電流をプッシュプル動作により増幅し、後段の出力部23へ供給する。
出力部23は、増幅部22から供給された電流に対し、インピーダンス整合用素子IM9及びIM10でなるバラン(Balun)BLにより平衡・不平衡変換を行う。
さらに出力部23は、バランBLから供給される電流に対し、コンデンサC3及びコイルL3でなるLCフィルタにより不要な低周波域を減衰させてレーザ駆動信号SDを生成し、これを半導体レーザ3へ供給する。
因みにFETTr1〜Tr3としては、GaAs MES(Metal Semiconductor)FETを用いることができるが、その他にHEMT(High Electron Mobility Transistor)、GaN、HBT(Heterojunction Bipolar Transistor)等のトランジスタを用いても良い。
このように駆動回路6は、パルス信号SLに含まれる生成パルスPLに応じて高速に動作することにより、当該生成パルスPLのパルス幅Tgに応じた短いパルス幅でなる駆動パルスPDを含むレーザ駆動信号SDを生成し得るようになされている。
[1−5.動作及び効果]
以上の構成において、短パルス光源装置1におけるレーザ制御部2のパルス信号生成器4は、生成パルスPLを同期信号SSにおける立ち上がりのエッジから遅延期間Tpだけ遅延させるようパルス信号SLを生成し(図23)、これを駆動回路6へ供給する。
またパルス信号生成器4は、ゲートパルスPGを同期信号SSにおける立ち上がりのエッジにあわせて立ち上げ、そのパルス幅Tgを遅延期間Tpよりも延長させるようゲート信号SGを生成し(図23)、これを電源回路5へ供給する。
レーザ制御部2は、ゲート信号SG及びパルス信号SLがそれぞれハイレベルとなっている期間、すなわちパルス幅Tg及びTuに相当する期間のみ、電源回路5及び駆動回路6をそれぞれ動作させる。
この結果駆動回路6は、(4)式に示したように、電源回路5から定常的に電力が供給された場合の標準消費電力Pbと比較して、実際の消費電力Paを(パルス幅Tg/周期TS)倍に低減することができる。
特に短パルス光源装置1では、(4)式及び(5)式を用いて上述したように、全体の消費電力に対し駆動回路6による消費電力Pbの占める割合が大きい。このため短パルス光源装置1は、駆動回路6の消費電力Pbを低減することにより、全体の消費電力を効果的に低減することが可能となる。
例えば駆動回路6は、図24に周期TS、パルス幅Tg等の組み合わせの例を示したように、消費電力Paを標準消費電力Pbの約1/100から1/10000程度に低減することも可能となる。
いずれの組み合わせにおいても、パルス信号生成部4は、パルス信号SLにおいて生成パルスPLが立ち上がる期間を含むようにゲート信号SGのゲートパルスPGを立ち上げれば、電源回路5から駆動回路6へ必要な電力を必要なタイミングで供給させることができる。
また駆動回路6は、図25に示したように、高周波電力増幅回路と同様に構成されていることにより、ゲートパルスPGの立ち上げタイミングから殆ど遅れることなく、駆動回路6へ電力を供給できる。
ところで駆動回路6は、比較的消費電力が大きいためにスイッチング時間が比較的長くなってしまう。また駆動回路6は、一般にノイズ対策として電源平滑化用コンデンサ(図示せず)が設けられており、安定的に動作するには、動作開始からある程度の待ち時間を必要とする。
かかる点を考慮して、パルス信号生成部4は、パルス信号SLの生成パルスPLよりも遅延時間Tpだけ早いタイミングでゲート信号SGのゲートパルスPGを立ち上げる。
これにより電源回路5は、生成パルスPLが立ち上がる時点、すなわち駆動回路6からレーザ駆動信号SDとして駆動パルスPDを出力すべき時点に、当該駆動パルスPDの生成に必要な電力を、駆動回路6へ確実に供給させることができる。
これを換言すれば、短パルス光源装置1は、電源回路5における動作開始からの待ち時間を短くすることができれば、これに応じて遅延時間Tpを短くすることができ、さらにパルス幅Tgを短くすることができる。この場合、短パルス光源装置1は、消費電力Pbをさらに低減させることができる。
例えば短パルス光源装置1は、電源回路5における動作開始からの待ち時間が無視できる程度に短い場合には、遅延時間Tpを無くしパルス幅Tgを生成パルスPLのパルス幅Tuと同等に短縮することができる。
以上の構成によれば、短パルス光源装置1のレーザ制御部2は、電源回路5へ供給するゲート信号SGのゲートパルスPGを、駆動回路6へ供給するパルス信号SLの生成パルスPLが立ち上がる期間を含むように、極めて短いパルス幅Tgの期間だけ立ち上げる。これにより短パルス光源装置1は、生成パルスPLが立ち上がるタイミングで必要な電力を供給でき、且つ消費電力Paを標準消費電力Pbよりも大幅に削減することができる。
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、図26に示すように、光情報記録媒体としての光ディスク100に情報を記録する光ディスク装置110において、上述した短パルス光源装置1と同様に構成された短パルス光源部120が組み込まれている。
[2−1.光ディスクの構成]
まず光ディスク100の構成について説明する。図27に示すように、光ディスク100は、光ディスク装置110からレーザ光LLに相当する情報光ビームLMを照射することにより情報が記録されるようになされている。また光ディスク100は、当該情報光ビームLMを反射して情報反射光ビームLMrとし、これが光ディスク装置110に検出されることにより情報が再生されるようになされている。
実際上光ディスク100は、全体として略円板状に構成されており、図27に断面図を示すように、情報を記録するための記録層101の両面を基板102及び103により挟んだような構成を有している。
光ディスク装置110は、光源から出射された情報光ビームLMを対物レンズ118により光ディスク100の記録層101内に集光するようになされている。
記録層101は、波長約404[nm]の光を2光子吸収する2光子吸収材料を含有している。この2光子吸収材料は、光強度の2乗に比例して2光子吸収を生じさせることが知られており、光強度の非常に大きい光に対してのみ2光子吸収を生じさせる。なおこの2光子吸収材料としては、ヘキサジイン化合物、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、フタロシアニン色素及びアゾ色素などを用いることができる。
記録層101は、比較的強い強度でなる情報光ビームLMが当該記録層101内に照射されると、2光子吸収により例えば2光子吸収材料を気化させて気泡を形成し、この結果焦点FMの位置に記録マークRMを記録する。因みに記録層101は、例えば化学変化などによって局所的な屈折率を変化させることにより記録マークRMを形成するようにしても良い。
ここで2光子吸収材料は、光強度の2乗に比例して反応が生じることが知られている。すなわち記録層101は、例えばレンズにより集光された焦点近傍のように非常に強度の大きい情報光ビームLMのみを吸収して反応を生じ、当該焦点以外のように強度の小さい情報光ビームLMによっては殆ど反応を生じない。このため記録層101は、全体の透過率を高く保つことができる。
また光ディスク100は、記録層101と基板102との間にサーボ層104が設けられている。サーボ層104には、サーボ用の案内溝が形成されており、具体的には、一般的なBD−R(Recordable)ディスク等と同様のランド及びグルーブにより螺旋状のトラック(以下、これをサーボトラックと呼ぶ)TSが形成されている。
このサーボトラックTSには、所定の記録単位ごとに一連の番号でなるアドレスが付されており、情報を記録又は再生する際にサーボ光ビームLS(後述する)が照射されるべきサーボトラック(以下、これを目標サーボトラックTSGと呼ぶ)を当該アドレスにより特定し得るようになされている。
因みにサーボ層104(すなわち記録層101と基板102との境界面)には、案内溝に代えてピット等が形成され、或いは案内溝とピット等とが組み合わされていても良い。またサーボ層104のトラックは、螺旋状でなく同心円状であっても良い。
またサーボ層104は、いわゆる波長選択性を有しており、例えば波長約660[nm]の赤色光ビームを高い反射率で反射する一方、波長約404[nm]の青紫色光ビームを高透過率で透過するようになされている。
光ディスク装置110は、光ディスク100に対して波長約660[nm]でなるサーボ光ビームLSを照射する。このときサーボ光ビームLSは、光ディスク100のサーボ層104により反射されサーボ反射光ビームLSrとなる。
光ディスク装置110は、サーボ反射光ビームLSrを受光し、その受光結果を基に対物レンズ118を光ディスク100に近接又は離隔させるフォーカス方向へ位置制御することにより、サーボ光ビームLSの焦点FSをサーボ層104に合わせるようになされている。
また光ディスク装置110は、サーボ光ビームLSと情報光ビームLMとの光軸XLを互いにほぼ一致させている。これにより光ディスク装置110は、情報光ビームLMの焦点FMを、記録層101内における目標サーボトラックTSGに対応した箇所に、すなわち目標サーボトラックTSGを通りサーボ層104に垂直な法線上に位置させる。
この結果、光ディスク100には、記録層101内における目標サーボトラックTSGを通る法線上の目標とする位置(以下これを目標位置QGと呼ぶ)に記録マークRMが形成される。
またこのようにして形成された記録マークRMは、光ディスク100の照射面100A及びサーボ層104等の各面とほぼ平行な平面状に配置され、当該記録マークRMによるマーク層Yを形成する。
一方、光ディスク装置110は、光ディスク100から情報を再生する際、例えば照射面100A側から目標位置QGに対して情報光ビームLMを集光する。ここで焦点FMの位置(すなわち目標位置QG)に記録マークRMが形成されている場合、当該情報光ビームLMが当該記録マークRMによって反射され、情報反射光ビームLMrとなる。
光ディスク装置110は、情報反射光ビームLMrを検出すると共にその検出結果に応じた検出信号を生成し、当該検出信号を基に記録マークRMが形成されているか否かを検出する。
このように光ディスク100は、光ディスク装置110により情報が記録又は再生される場合、当該光ディスク装置110によりサーボ光ビームLSを併用しながら情報光ビームLMが目標位置QGに照射されるようになされている。
[2−2.光ディスク装置の構成]
次に、光ディスク装置110の具体的な構成について説明する。
[2−2−1.光ディスク装置の全体構成]
図26に示したように、光ディスク装置110は制御部111を中心に構成されている。制御部111は、図示しないCPU(CentralProcessing Unit)と、各種プログラム等が格納されるROM(Read Only Memory)と、当該CPUのワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)とによって構成されている。
制御部111は、光ディスク100に情報を記録する場合、駆動制御部112を介してスピンドルモータ115を回転駆動させ、ターンテーブル(図示せず)に載置された光ディスク100を所望の速度で回転させる。
また制御部111は、駆動制御部112を介してスレッドモータ116を駆動させることにより、光ピックアップ117を移動軸G1及びG2に沿ってトラッキング方向、すなわち光ディスク100の内周側又は外周側へ向かう方向へ大きく移動させるようになされている。
光ピックアップ117は、対物レンズ118等の複数の光学部品や短パルス光源部120等が組み込まれており、制御部111の制御に基づいて光ディスク100へ情報光ビームLM及びサーボ光ビームLS(図27)を照射するようになされている。
ところで光ディスク装置110では、回転する光ディスク100において面ブレ等が発生する可能性があり、このときサーボ層104の目標サーボトラックTSGと対物レンズ118によるサーボ光ビームLSの焦点との相対的な位置が変動する可能性がある。
そこで光ピックアップ117は、サーボ光ビームLSが光ディスク100により反射されてなるサーボ反射光ビームLSrを検出し、その検出結果に基づいた複数の検出信号を生成し、これらを信号処理部113へ供給する。
信号処理部113は、供給された検出信号を用いた所定の演算処理を行うことにより、フォーカスエラー信号SFE及びトラッキングエラー信号STEをそれぞれ生成し、これらを駆動制御部112へ供給する。
因みにフォーカスエラー信号SFEは、サーボ光ビームLSのサーボ層104に対するフォーカス方向のずれ量を表す信号である。またトラッキングエラー信号STEは、サーボ光ビームLSの目標とするサーボトラックTS(すなわち目標サーボトラックTSG)に対するトラッキング方向のずれ量を表す信号である。
駆動制御部112は、供給されたフォーカスエラー信号SFE及びトラッキングエラー信号STEを基に、対物レンズ118を駆動するためのフォーカス駆動信号及びトラッキング駆動信号を生成し、これらを光ピックアップ117の2軸アクチュエータ119へ供給する。
光ピックアップ117の2軸アクチュエータ119は、このフォーカス駆動信号及びトラッキング駆動信号に基づいて対物レンズ118をフォーカス方向及びトラッキング方向へそれぞれ移動させる(以下、これらをそれぞれフォーカス制御及びトラッキング制御と呼ぶ)。
駆動制御部112は、このフォーカス制御及びトラッキング制御を行うことにより、対物レンズ118によって集光されるサーボ光ビームLSの焦点FSを目標となるマーク層Y(以下、これを目標マーク層YGと呼ぶ)の目標サーボトラックTSGに追従させる。
このとき制御部111は、外部から供給される記録情報を信号処理部113に供給する。信号処理部113は、記録情報に所定の変調処理等を施して記録データを生成し、短パルス光源部120へ供給する。
短パルス光源部120は、記録データに基づいて情報光ビームLMを変調することにより目標マーク層YGの目標位置QGに記録マークRMを形成する。かくして光ディスク装置110は、光ディスク100に情報を記録することができる。
また光ピックアップ117は、光ディスク100から情報を再生する場合、記録時と同様にサーボ光ビームLSの焦点FSを目標サーボトラックTSGに追従させると共に、比較的弱い情報光ビームLMを目標マーク層YGの目標位置QGへ照射する。
ここで情報光ビームLMは、記録マークRMが形成されている箇所において反射され、情報反射光ビームLMrとなる。光ピックアップ117は、この情報反射光ビームLMrを検出し、その検出結果に基づいた検出信号を生成して、これを信号処理部113へ供給する。
信号処理部113は、検出信号に対し所定の演算処理、復調処理及び復号化処理等を施すことにより、目標マーク層YGの目標位置QGに記録マークRMとして記録されている情報を復元する。かくして光ディスク装置110は、光ディスク100における目標位置QGから情報を再生することができる。
[2−2−2.光ピックアップの構成]
次に、光ピックアップ117の構成について説明する。この光ピックアップ117は、図28に示すように、レーザ制御部122と、主に対物レンズ118のサーボ制御を行うサーボ光学系130と、主に情報の再生又は記録を行う情報光学系150とを有している。
光ピックアップ117は、レーザダイオード131から出射されたサーボ光ビームLS及び半導体レーザ3から出射された情報光ビームLMをそれぞれサーボ光学系130及び情報光学系150を介して同一の対物レンズ118へ入射し、光ディスク100にそれぞれ照射するようになされている。
レーザ制御部122は、第1の実施の形態におけるレーザ制御部2(図1)と同様、駆動パルスPGを含むレーザ駆動信号SDを生成し、これを半導体レーザ3へ供給するようになされている。
[2−2−2−1.サーボ光ビームの光路]
図28と対応する図29に示すように、サーボ光学系130では、対物レンズ118を介してサーボ光ビームLSを光ディスク100に照射すると共に、当該光ディスク100により反射されてなるサーボ反射光ビームLSrをフォトディテクタ143により受光するようになされている。
すなわちレーザダイオード131は、制御部111(図26)の制御に基づいて発散光でなる所定光量のサーボ光ビームLSを発射し、コリメータレンズ133へ入射させる。コリメータレンズ133は、サーボ光ビームLSを発散光から平行光に変換し、偏光ビームスプリッタ134へ入射させる。
偏光ビームスプリッタ134は、光ビームの偏光方向に応じて反射率及び透過率が相違しており、P偏光でなるサーボ光ビームLSのほぼ全てを透過させ、1/4波長板136へ入射させる。
1/4波長板136は、P偏光(すなわち直線偏光)でなるサーボ光ビームLSを円偏光(例えば右円偏光)に変換し、ダイクロイックプリズム137へ入射させる。
ダイクロイックプリズム137は、反射透過面137Sが光ビームの波長に応じて反射率が相違しており、波長約660[nm]の光ビームを反射させると共に、波長約404[nm]の光ビームを透過させるようになされている。
実際上ダイクロイックプリズム137は、反射透過面137Sによりサーボ光ビームLSを反射し、これを対物レンズ118へ入射させる。
対物レンズ118は、サーボ光ビームLSを集光し、光ディスク100の照射面100A側からサーボ層104へ向けて照射する。このときサーボ光ビームLSは、図27に示したように、基板102を透過しサーボ層104において反射されることにより、サーボ光ビームLSと反対方向へ向かうサーボ反射光ビームLSrとなる。またサーボ反射光ビームLSrは、円偏光における旋回方向がサーボ光ビームLSとは反転している。
この後サーボ反射光ビームLSrは、対物レンズ118により平行光に変換された後、ダイクロイックプリズム137へ入射される。ダイクロイックプリズム137は、サーボ反射光ビームLSrを反射し、これを1/4波長板136へ入射させる。
1/4波長板136は、円偏光でなるサーボ反射光ビームLSrをS偏光(すなわち直線偏光)に変換し、偏光ビームスプリッタ134へ入射させる。偏光ビームスプリッタ134は、S偏光でなるサーボ反射光ビームLSrを反射透過面134Sにより反射し、集光レンズ141へ入射させる。
集光レンズ141は、サーボ反射光ビームLSrを収束させ、シリンドリカルレンズ42により非点収差を持たせた上でフォトディテクタ143へ照射する。
フォトディテクタ143は、複数の受光領域を有しており、各受光領域においてサーボ反射光ビームLSrの光量に応じた検出信号をそれぞれ生成し、これらを信号処理部113(図26)へ送出する。
因みにサーボ光学系130では、対物レンズ118によりサーボ光ビームLSが集光され光ディスク100のサーボ層104へ照射されるときの合焦状態が、集光レンズ141によりサーボ反射光ビームLSrが集光されフォトディテクタ143に照射されるときの合焦状態に反映されるよう、各種光学部品の光学的位置が調整されている。
信号処理部113、いわゆる非点収差法に基づいてサーボ光ビームLSの焦点FSと光ディスク100のサーボ層104とのずれ量を表すフォーカスエラー信号SFEを算出し、これを駆動制御部112へ供給する。
また信号処理部113は、いわゆるプッシュプル法に基づいて焦点FSと光ディスク100のサーボ層104における目標サーボトラックTSGとのずれ量を表すトラッキングエラー信号STEを算出し、これを駆動制御部112へ供給する。
駆動制御部112は、フォーカスエラー信号SFEを基にフォーカス駆動信号を生成し、当該フォーカス駆動信号を2軸アクチュエータ119へ供給する。かくして駆動制御部112は、サーボ光ビームLSが光ディスク100のサーボ層104に合焦するよう、対物レンズ118をフィードバック制御(すなわちフォーカス制御)する。
また駆動制御部112は、トラッキングエラー信号STEを基にトラッキング駆動信号を生成し、当該トラッキング駆動信号を2軸アクチュエータ119へ供給する。かくして駆動制御部112は、サーボ光ビームLSが光ディスク100のサーボ層104における目標サーボトラックTSGに合焦するよう、対物レンズ118をフィードバック制御(すなわちトラッキング制御)する。
このようにサーボ光学系130は、サーボ光ビームLSを光ディスク100のサーボ層104に照射し、その反射光であるサーボ反射光ビームLSrの受光結果を信号処理部113へ供給するようになされている。これに応じて駆動制御部112は、当該サーボ光ビームLSを当該サーボ層104の目標サーボトラックTSGに合焦させるよう、対物レンズ118のフォーカス制御及びトラッキング制御を行うようになされている。
[2−2−2−2.情報光ビームの光路]
一方情報光学系150は、図28と対応する図30に示すように、半導体レーザ3から情報光ビームLMを出射して対物レンズ118により光ディスク100に集光するようになされている。これと共に情報光学系150は、情報光ビームLMが光ディスク100により反射されてなる情報反射光ビームLMrを受光するようにもなされている。
すなわち半導体レーザ3は、レーザ制御部122から供給されるレーザ駆動信号SDに基づき、発散光でなる情報光ビームLMを発射してコリメータレンズ152へ入射させる。コリメータレンズ152は、情報光ビームLMを発散光から平行光に変換し、偏光ビームスプリッタ154へ入射させる。
偏光ビームスプリッタ154は、反射透過面154Sにおいて、反射透過面134Sと同様、P偏光でなる光ビームを透過させると共に、S偏光でなる光ビームを反射させるようになされている。実際上偏光ビームスプリッタ154は、反射透過面154SにおいてP偏光でなる情報光ビームLMを透過し、さらに球面収差などを補正するLCP(Liquid Crystal Panel)156を介して1/4波長板157へ入射させる。
1/4波長板157は、情報光ビームLMをP偏光(すなわち直線偏光)から円偏光(例えば左円偏光)に変換してリレーレンズ158へ入射させる。
リレーレンズ158は、情報光ビームLMの光軸方向に移動し得る可動レンズ158A及び固定された固定レンズ158Bにより構成されている。
実際上リレーレンズ158は、可動レンズ158Aにより当該情報光ビームLMを平行光から収束光に変換し、収束後に発散光となった当該情報光ビームLMを固定レンズ158Bにより再度収束光に変換し、ミラー159へ入射させる。
ミラー159は、情報光ビームLMを反射することによりその進行方向を変化させ、ダイクロイックプリズム137へ入射させる。ダイクロイックプリズム137は、反射透過面137Sにおいて波長約404[nm]でなる情報光ビームLMを透過させ、これを対物レンズ118へ入射させる。
対物レンズ118は、情報光ビームLMを集光し、光ディスク100へ照射する。このとき情報光ビームLMは、図27に示したように、基板102を透過し、記録層101内に合焦する。
ここで情報光ビームLMの焦点FMの位置は、当該情報光ビームLMがリレーレンズ158の固定レンズ158Bから出射される際の収束状態により定められることになる。すなわち焦点FMは、可動レンズ158Aの位置に応じて記録層101内をフォーカス方向に移動することになる。
実際上情報光学系150は、制御部111(図26)によって可動レンズ158Aの位置が制御されることにより、光ディスク100の記録層101内における情報光ビームLMの焦点FM(図27)の深さd(すなわちサーボ層104からの距離)を調整し、目標位置QGに焦点FMを合致させるようになされている。
このとき情報光ビームLMは、対物レンズ118によって目標位置QGに集光されることにより、当該目標位置QGに記録マークRMを形成する。
一方情報光ビームLMは、光ディスク100に記録された情報を読み出す再生処理の際、目標位置QGに記録マークRMが記録されていた場合には、焦点FMに集光した情報光ビームLMが当該記録マークRMにより反射されて情報反射光ビームLMrとなる。
このとき情報反射光ビームLMrは、情報光ビームLMと反対方向へ進行して対物レンズ118へ入射される。また情報反射光ビームLMrは、円偏向における旋回方向が情報光ビームLMから反転される。
因みに情報光ビームLMは、目標位置QGに記録マークRMが記録されていない場合には、そのほぼ全てが光ディスク100を透過する。このため上述した情報反射光ビームLMrは殆ど生成されない。
対物レンズ118は、情報反射光ビームLMrをある程度収束させ、ダイクロイックプリズム137、ミラー159を介してリレーレンズ158へ入射させる。
リレーレンズ158は、情報反射光ビームLMrを平行光に変換し、1/4波長板157へ入射させる。1/4波長板157は、円偏光でなる情報反射光ビームLMrをS偏光(すなわち直線偏光)に変換し、LCP156を介して偏光ビームスプリッタ154へ入射させる。
偏光ビームスプリッタ154は、S偏光でなる情報反射光ビームLMrを反射透過面154Sにより反射し、マルチレンズ160へ入射させる。マルチレンズ160は、情報反射光ビームLMrを集光し、ピンホール板161を介してフォトディテクタ162へ照射させる。
ピンホール板161は、マルチレンズ160により集光される情報反射光ビームLMrの焦点を孔部161H内に位置させるよう配置されており、当該情報反射光ビームLMrをそのまま通過させる。一方ピンホール版161は、焦点が孔部161H内に形成されなかった光、すなわち光ディスク100内における目標位置QG以外の箇所において反射された光(いわゆる迷光)等については、遮断する。
この結果フォトディテクタ162は、迷光の影響を受けることなく、情報反射光ビームLMrの光量に応じた再生検出信号を生成し、これを信号処理部113(図26)へ供給する。
信号処理部113は、再生検出信号に対して所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより再生情報を生成し、この再生情報を制御部111へ供給するようになされている。
このように情報光学系150は、レーザ制御部122からのレーザ駆動信号SDに基づいて半導体レーザ3から情報光ビームLMを出射し光ディスク100へ照射するようになされている。また情報光学系150は、光ディスク100からの情報反射光ビームLMrを受光し、その受光結果を信号処理部113へ供給するようになされている。
[2−3.短パルス光源部の構成]
次に、短パルス光源部120について説明する。図1と対応する図31に示すように、短パルス光源部120は、第1の実施の形態における短パルス光源装置1と比較して、パルス信号生成器4に相当するパルス信号発生部121が外部に設けられている点が大きく相違している。
パルス信号発生部121は、第1の実施の形態におけるパルス信号発生器4と一部類似した構成を有しており、図23(A)と対応する図32(A)に示すように、所定の周期TSを有する同期信号SSをその内部で生成するようになされている。この同期信号SSは、第1の実施の形態と同様、デューティー比約50%の矩形波となっている。
またパルス信号発生部121は、図23(C)と対応する図32(C)に示すように、周期TSごとに生成パルスPLが立ち上がるパルス信号SLを生成する。
パルス信号SLの生成パルスPLは、第1の実施の形態と同様に、パルス幅Tuが例えば1[ns]や500[ps]程度のように極めて短い時間となっている。しかしながら第2の実施の形態では、生成パルスPLは、第1の実施の形態と異なり同期信号SSと同時に立ち上がるようになされている。
パルス信号発生部121は、信号処理部113から供給される記録データ等に応じて、この同期信号SS及びパルス信号SLをレーザ制御部122へ供給するようになされている。
具体的にパルス信号発生部121は、例えば符号「1」が供給されたときにはパルス信号SLに生成パルスPLを立ち上げ、符号「0」が供給されたときには当該生成パルスPLを立ち上げないようになされている。
またパルス信号発生部121は、同期信号SSを信号処理部113等の他の回路へ供給することにより、レーザ制御部122と当該他の回路との動作を同期させ得るようになされている。
[2−3−1.レーザ制御部の構成]
レーザ制御部122は、PLL(Phase Locked Loop)回路123、ゲート信号生成回路124、第1の実施の形態における電源回路5に対応する電源回路125、及び第1の実施の形態における駆動回路6に対応する駆動回路126により構成されている。
PLL回路123は、パルス信号発生部121から供給される同期信号SSを基に、当該同期信号SSに同期し、且つその周期が当該同期信号の約1/100となるクロック信号CLKを生成し、これをゲート信号生成回路124へ供給する。
ゲート信号生成回路124は、クロック信号CLKを基に、図23(B)と対応する図32(B)に示すようなゲート信号SGを生成し、これを電源回路125へ供給するようになされている。
ここでゲート信号生成回路124は、ゲート信号SGにおいて、第1の実施の形態におけるゲート信号SG(図23(B))と同様にパルス幅TgでなるゲートパルスPGを周期TSごとに立ち上げるようになされている。
しかしながらこの第2の実施の形態において、ゲートパルスPGは、同期信号SSにおける立ち上がりのエッジよりも前側パルス幅Tg1だけ早く立ち上がり、また当該立ち上がりエッジよりも後側パルス幅Tg2だけ遅れて立ち下がるようになされている。
因みにゲート信号生成回路124は、同期信号SSにおける立ち上がりのタイミングから、所定クロック数(例えば90クロック等)遅延したタイミングでゲート信号SGを立ち上げるようになされている。これによりゲート信号SGは、次の周期の同期信号SSにおける立ち上がりのエッジよりも前側パルス幅Tg1だけ早く立ち上がることになる。
ここで前側パルス幅Tg1は、第1の実施の形態における遅延期間Tpに相当するものであり、後述する電源回路125における動作遅延時間等を考慮して設定されている。また後側パルス幅Tg2は、第1の実施の形態におけるパルス幅Tgから遅延期間Tpを差し引いた差分に相当するものである。
このためゲート信号SGのゲートパルスPGは、パルス信号SLの生成パルスPLよりも前側パルス幅Tg1だけ先行して立ち上がり、また当該生成パルスPLよりも後側パルス幅Tg2だけ後に立ち下がることになる。これを換言すれば、ゲートパルスPGは同期信号SS及び生成パルスPLよりも立ち上がりの位相が進んでいることになる。
またレーザ制御部122では、第1の実施の形態と同様、パルス幅Tg、すなわち前側パルス幅Tg1及び後側パルス幅Tg2の和が極力小さくなるように設定されている。
すなわちレーザ制御部122では、第1の実施の形態におけるレーザ制御部2と同様、少なくとも生成パルスPLが立ち上がる時点でゲートパルスPGを立ち上げ、それ以外のタイミングでは当該ゲートパルスPGを極力立ち上げないようになされている。
電源回路125は、ゲート信号SGを基に、当該ゲート信号SGにおいてゲートパルスPGが立ち上がっている期間、すなわち前側パルス幅Tg1及び後側パルス幅Tg2の和に相当する期間のみ電力を駆動回路126へ供給する。
駆動回路126は、電源回路125から供給される電力を用い、パルス信号SLに含まれる生成パルスPLに応じた駆動パルスPGを含むレーザ駆動信号SDを生成し、これを半導体レーザ3へ供給するようになされている。
因みに駆動パルスPGは、光ディスク100に情報を記録する際には、そのピークレベルが特異電圧VEとなるようになされている。このとき半導体レーザ3は、情報光ビームLMとして、例えば数十[ps]程度のパルス幅でなる特異ピークEPK及び特異スロープESL(図22)を持つ特異出力光LEを出射することができる。これにより光ディスク100は、目標位置QGに記録マークRMが形成される。
駆動回路126における消費電力Paは、第1の実施の形態と同様、(4)式により算出される。従って駆動回路126は、駆動回路6の場合と同様、(パルス幅Tg/周期TS)の値が小さいほど、標準消費電力Pbに対する消費電力Paの低減効果が大きくなる。
また短パルス光源部120における周期TS、パルス幅Tg等の値については、第1の実施の形態と同様、図24に示したような種々の組み合わせが可能である。因みに図24において、前側パルス幅Tg1は遅延期間Tpに相当する。
このように短パルス光源部120は、外部から供給される同期信号SS及びパルス信号SLを基に、レーザ制御部122によりレーザ駆動信号SDを生成し、これを半導体レーザ3へ供給するようになされている。このときレーザ制御部122は、ゲート信号SGのゲートパルスPGにおける前側パルス幅Tg1及び後側パルス幅Tg2の和が極力短く設定されることにより、駆動回路126の消費電力Paを低減させ得るようになされている。
[2−3−2.駆動回路の構成]
次に、駆動回路126の構成について説明する。まず電源回路125は、図33に示すように、ゲート信号生成回路124(図31)からゲート信号SGを取得し、当該ゲート信号SGがハイレベルになった期間、すなわちパルス幅Tgに相当する期間のみ駆動回路126へ電力を供給するようになされている。
因みに電源回路125は、パルス幅Tg(すなわち前側パルス幅Tg1及び後側パルス幅Tg2の和)が例えば100[ns]程度と極めて短いため、高速に動作し得るようになされている。
一方駆動回路126は、全体として、いわゆる高速電流スイッチ回路と同様に構成されている。これは、第1の実施の形態と同様、パルス幅Tuが例えば100[ps]程度と極めて短く、高速動作が要求されるためである。
駆動回路126は、端子N1を介して電源E11と接続されており、また端子N2を介してグランドGNDと接続されている(すなわち接地されている)。
端子N1には、トランジスタTr21のコレクタが直接接続され、また抵抗R22を介してトランジスタTr21のコレクタが接続されている。トランジスタTr22のコレクタは、トランジスタTr21及びTr22のベースにそれぞれ接続されている。またトランジスタTr21及びTr22のエミッタは、トランジスタTr23及びTr24のコレクタにそれぞれ接続されている。
トランジスタTr24のコレクタはトランジスタTr23及びTr24のベースにそれぞれ接続されている。またトランジスタTr23及びTr24のエミッタは、それぞれ抵抗R25及びR26を介して端子N2に接続されている。
このためトランジスタTr21及びTr22は、端子N1に電源E11からの電流が供給されると、コレクタ・エミッタ間に電流が流れるため、トランジスタTr23及びTr24のコレクタに電流を供給する。これに伴いトランジスタTr23及びTr24もコレクタ・エミッタ間に電流が流れる。
また端子N1には、抵抗R24を介してトランジスタTr25のベース及びトランジスタTr26のコレクタ及びベースが接続されている。トランジスタTr26のエミッタは、抵抗R28を介して端子N2に接続されている。
このためトランジスタTr26は、端子N1に電源E11からの電流が供給されると、トランジスタTr25のベースに所定電位でなる電流を供給する。
さらに端子N1には、抵抗R21及びR23をそれぞれ介してトランジスタTr27及びTr28のエミッタがそれぞれ接続されている。トランジスタTr27のコレクタは、トランジスタTr29のコレクタ並びにトランジスタTr27及びTr28のベースにそれぞれ接続されている。
トランジスタTr29は、ベースにパルス信号発生部121(図31)からパルス信号SLが供給されると共に、エミッタがトランジスタTr21のエミッタ及びトランジスタTr23のコレクタに接続されている。
一方、トランジスタTr28のコレクタは、トランジスタTr30のコレクタ並びにトランジスタTr30及びTr31のベースに接続されている。トランジスタTr30及びTr31のエミッタは、それぞれ抵抗R27及びR29を介して端子N2に接続されている。
またトランジスタTr31のコレクタは、トランジスタTr25のエミッタに接続されている。すなわちトランジスタTr25及びTr31は、いわゆるカスコード接続がなされており、これにより高電圧時の高周波動作における不安定性や発振の危険性を改善し得るようになされている。さらにトランジスタTr25のコレクタは、半導体レーザ3のカソードに接続されている。
このためトランジスタTr29は、パルス信号SLにおいて生成パルスPLが立ち上がると、コレクタ・エミッタ間に電流を流すため、トランジスタTr27及びTr28のベースにそれぞれ電流を供給する。
これに伴いトランジスタTr27及びTr28は、エミッタ・コレクタ間に電流を流す。これによりトランジスタTr30は、ベースに電流が供給されるため、コレクタ・エミッタ間に電流を流す。
このときトランジスタTr31のベースにも電流が供給される。すると、トランジスタTr25及びTr31は、いずれもベースに電流が供給されることになるため、いずれもコレクタ・エミッタ間に電流を流す。
これによりトランジスタTr25は、コレクタから半導体レーザ3に対して駆動パルスPDを含むレーザ駆動信号SDを供給する。因みにこの場合、レーザ駆動信号SDは負の駆動パルスPDを生成することにより、半導体レーザ3から電流を引き込むことになる。
この結果、半導体レーザ3は、電源125から供給される電流が極めて短い時間に渡ってパルス状に流れ、パルス状に情報光ビームLMを出射することができる。
また駆動回路126は、複数のトランジスタが対称的に接続されたカレントミラー回路を多数形成しているため、例えば2[A]程度の比較的大きな電流でなるレーザ駆動信号SDを半導体レーザ3へ供給することができる。
因みにトランジスタTr11、Tr12、Tr21〜Tr31としては、Siでなるバイポーラ型トランジスタを用いることができるが、その他にSiGe、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、GaAs、HEMT、HBT等のトランジスタを用いても良い。
このように電源回路125は、ゲート信号SGにおいてゲートパルスPGが立ち上がっている間のみ駆動回路126に対し電力を供給する。そのうえで駆動回路126は、パルス信号SLにおいて生成パルスPLが立ち上がったときに、駆動パルスPDを含むレーザ駆動信号SDを半導体レーザ3へ供給するようになされている。
[2−4.動作及び効果]
以上の構成において、光ディスク装置110のレーザ制御部122は、パルス信号生成部121から周期TSでなる同期信号SSと、当該同期信号SSにおける立ち上がりエッジに同期した生成パルスPLが含まれるパルス信号SLとの供給を受ける。
レーザ制御部122は、同期信号SSにおける立ち上がりエッジよりも前側パルス幅Tg1だけ先行して立ち上がり、且つ当該立ち上がりエッジから後側パルス幅Tg2だけ遅れて立ち下がるゲートパルスPGを含むゲート信号SGを生成し、電源回路125へ供給する。またレーザ制御部122は、パルス信号SLを駆動回路126へ供給する。
これによりレーザ制御部122は、ゲート信号SG及びパルス信号SLがそれぞれハイレベルとなっている期間、すなわちパルス幅Tg及びTuに相当する期間のみ、電源回路125及び駆動回路126をそれぞれ動作させる。
この結果駆動回路126は、第1の実施の形態における駆動回路6と同様、(4)式に示したように、電源回路5から定常的に電力が供給された場合の標準消費電力Pbと比較して、実際の消費電力Paを(パルス幅Tg/周期TS)倍に低減することができる。
また駆動回路126は、図33に示したように、高周波電力増幅回路と同様に構成されていることにより、ゲートパルスPGの立ち上げタイミングから殆ど遅れることなく、駆動回路6へ電力を供給できる。
さらに第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様、周期TS、パルス幅Tg等として図24に示したような様々な値を設定することができる。
その他、短パルス光源部120は、第1の実施の形態における短パルス光源装置1とほぼ同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、光ディスク装置110における短パルス光源部120のレーザ制御部122は、パルス信号SLを駆動回路126へ供給する。またレーザ制御部122は、パルス信号SLにおける生成パルスPLの前及び後にそれぞれ前側パルス幅Tg1及び後側パルス幅Tg2だけ幅広のゲートパルスPGを含むゲート信号SGを生成し、電源回路125へ供給する。これにより短パルス光源部120は、生成パルスPLが立ち上がるタイミングで必要な電力を供給でき、且つ消費電力Paを標準消費電力Pbよりも大幅に削減することができる。
<3.他の実施の形態>
なお上述した第1及び第2の実施の形態においては、図23及び図32に示したように、ゲート信号SGのゲートパルスPGにおけるパルス幅Tgのほぼ中心に相当するタイミングで生成パルスPLが立ち上がる場合、すなわち遅延期間Tp又は前側パルス幅Tg1をパルス幅Tgの約半分とした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、遅延期間Tp又は前側パルス幅Tg1については、パルス幅Tgを超えない範囲で任意に設定するようにしても良い。このとき遅延期間Tp又は前側パルス幅Tg1については、必要に応じて、電源回路5又は125が安定動作するまでの待ち時間を考慮して設定されることが望ましい。
ところで、ゲート信号SG及びパルス信号SLは、例えばゲートパルスPGのパルス幅Tgが0.1[μs]等であり周波数が極めて高く、ゲートパルスPG及び生成パルスPLの立ち上がり時間及び立ち下がり時間が極めて短くなっている。
このため、オシロスコープ等のプローブを用いてレーザ制御部122内のゲート信号SG及びパルス信号SLを観測した場合、観測点の回路素子に容量を付加することになってしまい、観測した信号波形における立ち上がり時間及び立ち下がりの時間が遅延する可能性がある。
すなわち、短パルス光源装置1又は短パルス光源部120内の各観測点において測定装置等により信号波形を観測する場合、その測定手法によっては、図23又は図32に示したタイミングと相違した観察結果が得られる可能性もある。
この点において、本発明では、ゲート信号SG及びパルス信号SLの相対的なタイミングとして、測定手法に拘わらず、実際にゲートパルスPGが立ち上がっている間に生成パルスPLが短時間立ち上がるようになされていれば良い。
また上述した第1の実施の形態においては、高周波電力増幅回路と同様の駆動回路6(図25)によりレーザ駆動信号SDを生成する場合について述べ、第2の実施の形態においては、高速電流スイッチ回路と同様の駆動回路126(図33)によりレーザ駆動信号SDを生成する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、他の種々の回路構成でなる駆動回路6又は駆動回路126により、レーザ駆動信号SDを生成するようにしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、パルス信号発生器4及びパルス信号発生部121の内部において同期信号SSを生成するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばパルス信号発生器4が外部から同期信号SSの供給を受け、これを基にパルス信号PLやゲート信号SG等を生成するようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態については、パルス信号SLにおいて生成パルスPLを周期的に立ち上げ、またゲート信号SGにおいてゲートパルスPGも周期的に立ち上げるようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば任意のタイミングで生成パルスPLを立ち上げるようにし、これにあわせてゲートパルスPGを立ち上げるようにしても良い。この場合、生成パルスPLは、例えば同期信号SSにおける任意の立ち上がりエッジに同期して立ち上がるようにすれば、ゲートパルスPGとの時間差を比較的容易に遅延期間Tpに揃えることが可能となる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、短パルス光源装置1において、パルス信号発生器4をレーザ制御部122の内部に設けるようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、第2の実施の形態と同様に、当該パルス信号発生器4を短パルス光源装置1の外部に設けるようにしても良い。
これと同様に、上述した第2の実施の形態においては、光ディスク装置110において、短パルス光源部120の外部にパルス信号発生部121を設けるようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、第1の実施の形態と同様に、レーザ制御部122の内部にパルス信号発生部121を設けるようにしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、半導体レーザ3から出射される光ビームLL(情報光ビームLM)の波長を404[nm]とした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、当該光ビームLLを他の波長とするようにしても良く、例えば390〜460[nm]の範囲とすることが考えられる。特に第2の実施の形態の場合、光ディスク100における記録層101の構成材料等を適切に選定することにより、当該記録層101内における目標位置QGの近傍に記録マークRMを適切に形成できれば良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、駆動回路6又は126から半導体レーザ3へ駆動パルスPDとして矩形状のパルス電流を供給するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、要は短時間に亘って大きな振動電圧VBでなるパルス電流を半導体レーザ3へ供給すれば良く、例えば正弦波状でなる駆動パルスPDを供給するようにしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、半導体レーザ3として一般的な半導体レーザ(ソニー株式会社製、SLD3233等)を用いるようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、要は、p型とn型の半導体を用いてレーザ発振を行ういわゆる半導体レーザであれば良い。さらに好ましくは、敢えて緩和振動を大きく生じさせやすくした半導体レーザを用いると良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、記録層101が非線形吸収を示す2光子吸収材料を含有するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、非線形吸収を示す材料として、例えばプラズモン共鳴を生じさせる銀や金のナノ粒子を用いるようにしても良い。また光エネルギーの積算量に応じて記録マークRMを形成する記録層に対して情報光ビームLMを照射するようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、特に述べていないが、2T〜11Tのマーク長を有する記録マークRMを形成しても良く、また1Tマークに対して「1」と「0」を割り当て、記録マークRMの有無によって情報を記録するようにしても良い。さらに1つの記録マークRM(すなわち1T)に対して1つの振動出力光LBである必要はなく、2以上の振動出力光LBによって記録マークRMを形成しても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、サーボ層104を用いてサーボ制御を実行するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば記録層101内に予めサーボ制御用のサーボ用マークが形成されており、当該サーボ用マークを用いてサーボ制御が実行されるようにしても良い。この場合、光ディスク100においてサーボ層104は不要となる。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、空洞でなる記録マークRMを形成するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば化学変化によって屈折率を局所的に変化させることにより記録マークRMを形成するようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、光ピックアップ117の内部にレーザ制御部122が設けられるようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、当該光ピックアップ117の外部に当該レーザ制御部122が設けられるようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、光ディスク100の基板102側から情報光ビームLMを照射するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば情報光ビームLMを基板103側の面から照射するようにする等、情報光ビームLMをそれぞれいずれの面、もしくは両面から照射するようにしても良い。なお情報光ビームLMを両面から照射する手法については、例えば特許文献2に記載された手法を用いることができる。
特開2008−71433公報
さらに上述した第2の実施の形態においては、光ディスク装置110により、円盤状に形成された光ディスク100を回転させながら情報光ビームLMを照射するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば矩形状に形成された光情報記録媒体に対し、対物レンズ118を一定速度で移動させながら情報を記録するようにする等しても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、光ディスク装置110が光ディスク100に情報を記録しまた当該情報を再生するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、光ディスク装置110が光ディスク100に対して情報の記録のみを行うようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、短パルス光源装置1に相当する短パルス光源部120を光ディスク装置110に組み込むようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、当該短パルス光源装置1を例えば各種医療用機器や熱応答顕微鏡など、種々の機器に適用することができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、半導体レーザとしての半導体レーザ3と、電源回路としての電源回路5と、駆動回路としての駆動回路6と、パルス信号発生部としてのパルス信号発生部4とによって短パルス光源装置としての短パルス光源装置1を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる半導体レーザと、電源回路と、駆動回路と、パルス信号発生部とによって短パルス光源装置を構成するようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、半導体レーザとしての半導体レーザ3と、電源回路としての電源回路125と、駆動回路としての駆動回路126とによって短パルス光源装置としての短パルス光源部120を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる半導体レーザと、電源回路と、駆動回路とによって短パルス光源装置を構成するようにしても良い。
本発明は、例えば映像コンテンツや音声コンテンツ等のような大容量の情報を光ディスク等の記録媒体に記録し又は再生する光情報記録再生装置等でも利用できる。
第1の実施の形態による短パルス光源装置の構成を示す略線図である。 パルス信号及びレーザ駆動信号を示す略線図である。 注入キャリア密度と光子密度との関係(1)の説明に供する略線図である。 注入キャリア密度とキャリア密度との関係の説明に供する略線図である。 注入キャリア密度と光子密度との関係(2)の説明に供する略線図である。 PT1における光子密度の説明に供する略線図である。 PT2における光子密度の説明に供する略線図である。 PT3における光子密度の説明に供する略線図である。 実際の発光波形を示す略線図である。 駆動信号と光強度との関係を示す略線図である。 光測定装置の構成を示す略線図である。 各パルスの形状を示す略線図である。 パルス信号と駆動パルスとの関係を示す略線図である。 駆動パルスの電圧を変化させたときの光強度特性を示す略線図である。 駆動パルスの電圧が8.8[V]のときにおける波長特性及び光強度特性を示す略線図である。 駆動パルスの電圧が13.2[V]のときにおける波長特性及び光強度特性を示す略線図である。 駆動パルスの電圧が15.6[V]のときにおける波長特性及び光強度特性を示す略線図である。 駆動パルスの電圧が17.8[V]のときにおける波長特性及び光強度特性を示す略線図である。 駆動パルスの電圧が38.4[V]のときにおける波長特性及び光強度特性を示す略線図である。 BPFの有無による光強度特性の相違を示す略線図である。 BPFの有無による波長特性の相違を示す略線図である。 特異出力光の光強度特性を示す略線図である。 第1の実施の形態における各信号のタイミングを示す略線図である。 周期・パルス幅等の設定例と消費電力の設定例を示す略線図である。 第1の実施の形態による駆動回路の構成を示す略線的回路図である。 光ディスク装置の全体構成を示す略線図である。 光ディスクの構成を示す略線図である。 光ピックアップの構成を示す略線図である。 サーボ光ビームの光路を示す略線図である。 情報光ビームの光路を示す略線図である。 第2の実施の形態における短パルス光源部の構成を示す略線的ブロック図である。 第2の実施の形態における各信号のタイミングを示す略線図である。 第2の実施の形態による駆動回路の構成を示す略線的回路図である。
符号の説明
1……短パルス光源装置、2、122……レーザ制御部、3……半導体レーザ、4……パルス信号生成器、5、125……電源回路、6、126……駆動回路、100……光ディスク、110……光ディスク装置、111……制御部、112……駆動制御部、113……信号処理部、117……光ピックアップ、118……対物レンズ、120……短パルス光源、121……パルス信号生成部、123……PLL、124……ゲート信号生成部、LL……レーザ光、LM……振動出力光、LE……特異出力光、EPK……特異ピーク、ESL……特異スロープ、SS……同期信号、SL……パルス信号、SD……レーザ駆動信号、PL……生成パルス、PD……駆動パルス、TS……周期、Tg……パルス幅、Tg1……前側パルス幅、Tg2……後側パルス幅、Tp……遅延期間、RM……記録マーク。

Claims (11)

  1. パルス状でなり所定の特異電圧でなる駆動パルスが供給された際、光強度特性にパルス状の特異ピークと当該特異ピークよりも光強度が小さい特異スロープとが表れる特異出力光をレーザ光として出射する半導体レーザと、
    電力を供給すべき時期を表すゲートパルスが含まれるゲート信号を取得し、上記ゲートパルスに基づき電力を供給又は遮断する電源回路と、
    上記半導体レーザからレーザ光を出射させるべき時期を表す制御パルスが含まれるパルス信号を取得し、上記電源回路から供給される上記電力を用いて上記制御パルスに応じた駆動パルスを含むレーザ駆動信号を生成し上記半導体レーザへ供給する駆動回路と、
    上記パルス信号を生成して上記駆動回路へ供給すると共に、少なくとも当該パルス信号において上記制御パルスが立ち上がっている期間を含むよう上記ゲートパルスを立ち上げた上記ゲート信号を生成して上記電源回路へ供給するパルス信号発生部と
    を有する短パルス光源装置。
  2. 上記電源回路は、
    上記ゲートパルスが供給されてから所定の始動期間が経過した後に上記駆動回路に対し上記電力を安定して供給し、
    上記パルス信号発生部は、
    上記ゲート信号の上記ゲートパルスを、上記パルス信号において上記制御パルスが立ち上がるよりも上記始動期間以上早く立ち上げる
    請求項1に記載の短パルス光源装置。
  3. 上記パルス信号発生部は、
    上記ゲート信号の上記ゲートパルスを、上記パルス信号において上記制御パルスが立ち上がる期間のみ立ち上げる
    請求項1に記載の短パルス光源装置。
  4. 上記パルス信号発生部は、
    上記ゲート信号及び上記パルス信号において、所定の同期信号と同一の周期で上記ゲートパルス及び上記制御パルスを周期的に立ち上げる
    請求項1に記載の短パルス光源装置。
  5. 電力を供給すべき時期を表すゲートパルスが含まれるゲート信号を生成して所定の電源回路へ供給するゲート信号生成ステップと、
    上記ゲートパルスに基づき上記電源回路から電力を供給又は遮断する電力供給ステップと、
    所定の半導体レーザからレーザ光を出射させるべき時期を表し上記ゲートパルスと同等以下のパルス幅でなる制御パルスを、少なくとも上記ゲート信号において上記ゲートパルスが立ち上がっている期間内に立ち上げるパルス信号を生成するパルス信号生成ステップと、
    上記電源回路から上記電力が供給される駆動回路により、上記パルス信号を基に、所定の特異電圧でなり上記制御パルスに応じた駆動パルスを含むレーザ駆動信号を生成するレーザ駆動信号生成ステップと、
    上記レーザ駆動信号を上記半導体レーザへ供給することにより、光強度特性にパルス状の特異ピークと当該特異ピークよりも光強度が小さい特異スロープとが表れる特異出力光を上記半導体レーザから出射するレーザ光出射ステップと
    を有するレーザ駆動方法。
  6. パルス状でなり所定の特異電圧でなる駆動パルスが供給された際、光強度特性にパルス状の特異ピークと当該特異ピークよりも光強度が小さい特異スロープとが表れる特異出力光をレーザ光として出射する半導体レーザと、
    上記半導体レーザからレーザ光を出射させるべき時期を表す制御パルスが含まれるパルス信号を取得し、当該パルス信号を基に上記制御パルスに応じた駆動パルスを含むレーザ駆動信号を生成して上記半導体レーザへ供給する駆動回路と、
    上記パルス信号において上記制御パルスが立ち上がっている期間を含む期間に渡り、上記駆動回路へ電力を供給すべき時期を表すゲートパルスが立ち上がったゲート信号を取得し、当該ゲート信号に基づき上記駆動回路へ電力を供給又は遮断する電源回路と
    を有する短パルス光源装置。
  7. 第1の周期でなる同期信号を取得し、当該同期信号を基に、上記第1の周期ごとに当該同期信号よりも進んだ位相で上記ゲートパルスを周期的に立ち上げることにより上記ゲート信号を生成するゲート信号生成部
    をさらに有し、
    上記パルス信号は、上記同期信号に同期し且つ上記同期信号と同位相で上記制御パルスが周期的に含まれる
    請求項6に記載の短パルス光源装置。
  8. 上記ゲート信号生成部は、
    PLL(Phase Locked Loop)回路により、上記同期信号を基に、第1の周期よりも短い第2の周期でなり当該同期信号に同期したクロック信号を生成し、当該クロック信号を用いることにより上記ゲートパルスの位相を上記同期信号よりも進ませる
    請求項7に記載の短パルス光源装置。
  9. 電力を供給すべき時期を表すゲートパルスが含まれるゲート信号を取得して所定の電源回路へ供給するゲート信号取得ステップと、
    上記ゲートパルスに基づき上記電源回路から電力を供給又は遮断する電力供給ステップと、
    所定の半導体レーザからレーザ光を出射させるべき時期を表し上記ゲートパルスと同等以下のパルス幅でなる制御パルスが、少なくとも上記ゲート信号において上記ゲートパルスが立ち上がっている期間内に立ち上がるパルス信号を取得するパルス信号取得ステップと、
    上記電源回路から上記電力が供給される駆動回路により、上記パルス信号を基に、所定の特異電圧でなり上記制御パルスに応じた駆動パルスを含むレーザ駆動信号を生成するレーザ駆動信号生成ステップと、
    上記レーザ駆動信号を上記半導体レーザへ供給することにより、光強度特性にパルス状の特異ピークと当該特異ピークよりも光強度が小さい特異スロープとが表れる特異出力光を上記半導体レーザから出射するレーザ光出射ステップと
    を有するレーザ駆動方法。
  10. パルス状でなり所定の特異電圧でなる駆動パルスが供給された際、光強度特性にパルス状の特異ピークと当該特異ピークよりも光強度が小さい特異スロープとが表れる特異出力光をレーザ光として出射する半導体レーザと、
    電力を供給すべき時期を表すゲートパルスが含まれるゲート信号を取得し、上記ゲートパルスに基づき電力を供給又は遮断する電源回路と、
    上記半導体レーザからレーザ光を出射させるべき時期を表す制御パルスが含まれるパルス信号を取得し、上記電源回路から供給される上記電力を用いて上記制御パルスに応じた駆動パルスを含むレーザ駆動信号を生成し上記半導体レーザへ供給する駆動回路と、
    上記パルス信号を生成して上記駆動回路へ供給すると共に、少なくとも当該パルス信号において上記制御パルスが立ち上がっている期間を含むよう上記ゲートパルスを立ち上げた上記ゲート信号を生成して上記電源回路へ供給するパルス信号発生部と、
    上記半導体レーザから出射された上記レーザ光を集光し所定の光ディスクに照射する対物レンズと
    を有する光ピックアップ。
  11. 光ディスクに記録すべき情報に応じ、当該光ディスク内の記録層に実際に形成すべき記録マークに対応した記録データを生成する信号処理部と、
    パルス状でなり所定の特異電圧でなる駆動パルスが供給された際、光強度特性にパルス状の特異ピークと当該特異ピークよりも光強度が小さい特異スロープとが表れる特異出力光をレーザ光として出射する半導体レーザと、
    電力を供給すべき時期を表すゲートパルスが含まれるゲート信号を取得し、上記ゲートパルスに基づき電力を供給又は遮断する電源回路と、
    上記半導体レーザからレーザ光を出射させるべき時期を表す制御パルスが含まれるパルス信号を取得し、上記電源回路から供給される上記電力を用いて上記制御パルスに応じた駆動パルスを含むレーザ駆動信号を生成し上記半導体レーザへ供給する駆動回路と、
    上記パルス信号を生成して上記駆動回路へ供給すると共に、少なくとも当該パルス信号において上記制御パルスが立ち上がっている期間を含むよう上記ゲートパルスを立ち上げた上記ゲート信号を生成して上記電源回路へ供給するパルス信号発生部と、
    上記半導体レーザから出射された上記レーザ光を集光し上記光ディスクの上記記録層に照射する対物レンズと、
    上記光ディスクの上記記録層における上記レーザ光の集光位置を制御する集光位置制御部と
    を有する光ディスク装置。

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