JP2006278926A - 半導体レーザの駆動制御装置及び駆動制御方法 - Google Patents

半導体レーザの駆動制御装置及び駆動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ加工、切断、物理計測、光サンプリング等に使用される短光パルスを容易に最適条件で半導体レーザから出力させる半導体レーザの駆動制御装置を提供すること。
【解決手段】半導体レーザ12に短光パルスを発生させるレーザ駆動電流として所定の周期関数成分と直流バイアス成分を含む電流を出力する駆動電流制御部33,34と、半導体レーザ12の光出力を監視する光電変換素子13と、光電変換素子13の出力信号に基づいて半導体レーザ12の光出力を監視するレーザ出力モニタ部32と、駆動電流制御部33,34の直流駆動電流に対するレーザ出力モニタ部32の出力の変化量が急峻に変化する条件におけるレーザ駆動電流の直流バイアス成分を基準値I0 とし、該基準値I0 から所定値を変更した値を最適なバイアス成分Is になるように駆動電流制御部33,34を制御する制御部30とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザの駆動制御装置及び駆動制御方法に関し、より詳しくは、レーザ加工、切断、物理計測、光サンプリング等に使用される短光パルスを出力させる半導体レーザの駆動制御装置及び駆動制御方法に関する。
半導体レーザをステップ状の電流で駆動すると、半導体レーザの発振開始時に緩和振動が発生する。この緩和振動の1周期が終わった時点で電流注入を停止することにより短光パルスを半導体レーザから出力させることができる。そして、この過程を繰り返すことにより、周期的に短光パルスを発生させることができる。
そのような半導体レーザの注入電流の変化により半導体レーザの利得を急激に変化させて発振の開始と停止を行う方法は、利得スイッチングと呼ばれている。利得スイッチング効果により短光パルスを発生させるためには、半導体レーザの利得が大きくなる周期が緩和振動の1周期とほぼ等しくなるようにレーザ駆動電流を最適化する必要がある。
半導体レーザから短光パルスを出力させるためのレーザ駆動電流としてパルス電流を使用すると、そのパルス電流よりも狭いパルス幅の短光パルスを出力できることが下記の特許文献1に記載されている。
最適条件での短光パルスのパルス幅は緩和振動周波数で決まり、例えばレーザ駆動電流のパルス幅が数百psの場合に、それより短い数十psのパルス幅を持つ短光パルスを半導体レーザから出力させることができる。
例えば、発振閾値電流が数十mA、中心波長が1550nmのDFB(distributed feedback)半導体レーザを有するレーザモジュールを用いて利得スイッチング効果により発生させた短光パルスの波形は、図9に示すようになり、そのパルス幅は約30psであった。この場合のレーザ駆動条件は、半導体レーザに注入する直流のバイアス電流が10mAであり、バイアス電流に重畳させるパルス電流の振幅が40mA、パルス電流のパルス幅が400psであり、さらにパルス電流の繰り返し周期が500MHzであった。
短光パルスの発生周期は、パルス電流の繰り返し周期を変えることにより制御することができる。
特開2003−315456号公報
しかし、バイアス電流の大きさとパルス電流の振幅及びそのパルス幅を一定にして半導体レーザを駆動しても、短光パルスの波形はパルス電流の繰り返し周期の違いによって図10(a)〜(d)のように異なってくる。図10(a)〜(d)の短光パルスは、半導体レーザに注入するバイアス電流を15mAとし、半導体レーザに注入するパルス電流の振幅を40mA、そのパルス幅を400psに設定した条件であって、パルス電流の繰り返し周波数だけを変えて出力された。
図10(a)、(b)に示すようにパルス電流の繰り返し周波数が10MHz、100MHzの場合には、短光パルスの振幅が小さく、短光パルスの立ち上がりは遅く、かつ緩和振動後にも光出力が長く続いている。これは、パルス電流入力時の半導体レーザ中のキャリア密度がパルス電流の繰り返し周波数により異なること、若しくは、パルス電流発生源と半導体レーザの間に入れるカップリングコンデンサの時定数に起因すると考えられる。
また、図10(c)、(d)に示すようにパルス電流の繰り返し周波数が250MHz、500MHzと高い場合には、光パルスの立ち上がりが速く、緩和振動後の光出力の減衰時間が短く、短光パルスの振幅が大きく、好ましい波形が得られる。
従って、所望の周波数で最適な波形の短光パルスを半導体レーザから出力させるためには、電流パルスの繰り返し周波数毎に最適なバイアス電流及び電流パルスの条件を探す必要がある。
しかし、半導体レーザに注入される電流パルスの繰り返し周波数毎に半導体レーザ前端から出射される短光パルスの波形を図10に示すように測定して最適なバイアス電流及びパルス電流を見つけることは時間と費用がかかりすぎて現実的ではない。しかも、半導体レーザの特性が経年変化により異なることも予想され、この場合には改めて最適条件を探す必要がある。
本発明の目的は、短光パルスを容易に最適条件で発生させることができる半導体レーザの制御装置及び制御方法を提供することにある。
上記の課題を解決するための本発明の第1の態様は、半導体レーザに短光パルスを発生させるレーザ駆動電流として所定の周期関数成分と直流バイアス成分を含む電流を出力する駆動電流制御部と、前記半導体レーザの光出力を監視する光電変換素子と、前記光電変換素子の出力信号に基づいて前記半導体レーザの前記光出力を監視するレーザ出力モニタ部と、前記駆動電流制御部の前記直流駆動電流に対する前記レーザ出力モニタ部の出力の変化量が急峻に変化する条件における前記直流駆動電流の前記直流バイアス成分を基準値とし、該基準値から所定値を変更した値を前記バイアス成分として設定させる制御信号を前記駆動電流制御部に出力する制御部とを有することを特徴とするである。
本発明の第2の態様は、第1の態様の半導体レーザの駆動制御装置において、前記駆動電流制御部が、前記半導体レーザに前記直流バイアス成分を出力するバイアス電流制御部と、前記半導体レーザに前記所定の周期関数成分を出力する周期関数波電流源とを有することを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の半導体レーザの駆動制御装置において、前記光電変換素子が、前記半導体レーザの後端から出力される光を受光する位置に取り付けられていることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1又は第2の態様の半導体レーザの駆動制御装置において、前記光電変換素子は、前記半導体レーザの前端から出力される前記短光パルスの一部を受光する状態に取り付けられていることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第2乃至第4の態様のいずれか1つの半導体レーザの駆動制御装置において、前記周期関数波電流源が、カップリングコンデンサを介して前記半導体レーザに接続されていることを特徴とする。
本発明の第6の態様は、所定の周期関数成分と直流バイアス成分を含むレーザ駆動電流を半導体レーザに注入するとともに前記半導体レーザの光出力を監視用の光電変換素子により電気信号に変換し、前記レーザ駆動電流に対する前記電気信号の変化量が急峻に変化する条件における前記レーザ駆動電流の前記直流バイアス成分を基準値とし、前記基準値から所定値を変更した値に前記直流バイアス成分を設定した前記レーザ駆動電流を短光パルス出射用レーザ駆動電流として設定することを特徴とする半導体レーザの駆動制御方法である。
本発明によれば、半導体レーザに短光パルスを発生させるレーザ駆動電流として所定の周期関数成分と直流バイアス成分を含む電流を半導体レーザに注入するとともに、半導体レーザの光出力を光電変換素子により電気信号に変換して監視しながら、レーザ駆動電流の直流バイアス成分に対する光電変換素子の電気信号が急峻に変化する条件における直流バイアス成分を基準値とし、この基準値から所定値を変更した値に直流バイアス成分を調整している。
そのような値の直流バイアス成分と所定の周期関数成分を含むレーザ駆動電流を半導体レーザに注入すると、最適な短光パルスが生成されることが実験により明らかになった。これにより、半導体レーザから出力される短光パルスの波形を調べてレーザ駆動電流の最適条件を見つける必要もないし、半導体レーザ特性の経年変化や、レーザ駆動電流源と半導体レーザの間に接続されるカップリングコンデンサの影響などを考慮する必要もない。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る半導体レーザ駆動制御装置の構成図を示している。
図1において、レーザモジュール10のケーシング11内には、先端から短光パルスを放出し得る半導体レーザ12と、半導体レーザ12の後端から出射される光を受光する位置に配置されてその光を電流(電気信号)に変換する光電変換素子であるフォトダイオード13と、半導体レーザ12の温度を調整するペルチェ素子等のTEC(thermoelectric cooler)14と、半導体レーザ12の温度を検出するサーミスタ15と、半導体レーザ12のn側電極(カソード)に一端が接続されるインピーダンスマッチング用抵抗16と、そのn側電極に一端が接続されるバイアスT用インダクタ17とを有している。半導体レーザ12として例えばDFB半導体レーザが使用されている。
ケーシング11の一側部と他側部にはそれぞれピン20a〜20mが間隔をおいて取り付けられている。
ケーシング11の内側の一側部において、第1、第2ピン20a,20bにはTEC14の2つの端子がそれぞれ接続され、第3、第4ピン20c,20dにはフォトダイオード13の2つの端子がそれぞれ接続され、第5ピン20eにはバイアスT用インダクタ17の他端が接続され、さらに、第6、第7ピン20f,20gにはサーミスタ15の2つの端子がそれぞれ接続されている。
また、ケーシング11の内側の他側部において、第11ピン20kには半導体レーザ12のp側電極(アノード)が接続され、第12ピン20mにはインピーダンスマッチング抵抗16の他端が接続されている。
レザーモジュール10の各ピン20a〜20mは、それぞれ外部の回路に接続されている。即ち、第1、第2ピン20a,20bはTEC制御部31の出力端に接続され、第6、第7ピン20f、20gはTEC制御部31の入力端に接続されている。また、第3、第4ピン20c,20dはレーザバックファセット電流(BFC:back facet currenta )モニタ部32の入力端に接続され、第5ピン20eはレーザバイアス電流制御部33の出力端に接続されている。また、第12ピン20mは、カップリングコンデンサ18を介してパルス電流源34の出力端に接続されている。
なお、第8、第9ピン20h,20iと第11ピン20kには定電圧Vccが印加されており、半導体レーザの12のp側電極とケーシング11の電圧を定電圧に保持している。
TEC制御部31は、サーミスタ15によって検出された半導体レーザ12の温度データを入力する一方、その温度データに基づいてTEC14の冷却温度を目標値になるように調整するように構成されている。TEC制御部31の冷却温度の目標値は、制御部30から出力される制御信号に基づいて設定される。
レーザBFCモニタ部32は、半導体レーザ12の後端から出力される光を電流に変換するフォトダイオード13の出力電流信号を増幅して制御部30に出力するように構成されている。また、レーザBFCモニタ部32から出力されるレーザファセット電流IBFは、制御部30によって平均化されて任意の単位時間当たりの電流量に換算される。
レーザバイアス電流制御部33は、制御回路30からの制御信号によって設定される大きさの直流バイアス電流Iを第5ピン20e及びバイアスT用インダクタ17を介して半導体レーザ12のカソードに注入するように構成されている。
パルス電流源34は、制御回路30からの制御信号によって設定される繰り返し周波数、パルス幅、振幅を持つパルス電流Ip をカップリングコンデンサ18及びインピーダンスマッチング抵抗16を介して半導体レーザ12のカソードに注入するように構成されている。これにより、パルス電流Ipはレーザバイアス電流Iに重畳される。パルス電流Ip の繰り返し周波数、振幅、パルス幅(デューティー比)は、制御部30からの信号によって制御される。
なお、第8、第9、第11ピン20h,20i,20kには、定電圧源により電圧Vccが印加され、これにより半導体レーザ12のアノードは定電圧になり、また、第8、第9ピン20h,20iに接続されるケーシング11も電圧Vccになる。
次に、上述した半導体レーザ駆動装置を使用して半導体レーザ12の出力端から出力される短光パルスの制御について説明する。なお、以下に説明する半導体レーザ12として、発振閾値電流が数十mA、中心波長が1550nmのDFB半導体レーザを使用しているが、これに限られるものではない。
まず、パルス電流源34から半導体レーザ12に出力されるパルス電流Ip の繰り返し周波数を10MHz、パルス幅を400ps、パルス電流振幅を40mAに設定し、また、レーザバイアス電流制御部33から半導体レーザ12に入力される直流バイアス電流Iを変化することにより、短光パルスのバイアス電流依存性を測定したところ、図2に示すような結果が得られた。図2によれば、バイアス電流が変わるにつれて短光パルスの波形が変化することがわかる。
図2において、バイアス電流Iが15mAの場合には、短光パルス要素以外の無駄な光エネルギーの比率が高くなる。また、図に示していないがバイアス電流Iが15mA以上になると短光パルスが実質的に得られなくなる。また、バイアス電流Iが5mA、10mAの場合には緩和振動後に光出力が長く続いている。一方、バイアス電流Iが1mA以下になると短光パルスの振幅が小さくなる。
これに対して、バイアス電流Iが3mAの場合には、振幅が高くて立ち下がりの速い短光パルスが半導体レーザ12から出力された。
従って、パルス電流源34からのパルス電流Ip の繰り返し周波数が10MHzの場合には、短光パルス強度振幅が強く且つ光出力時間の短い好ましい短光パルスを得る上で最適なバイアス電流Ibは3mA又はその付近であることがわかる。
このようなバイアス電流Ibの最適点を繰り返し周波数の違いに応じて見つけることができれば、最適な短光パルスを得ることが可能である。
パルス電流Ip の繰り返し周波数に応じてバイアス電流Ibを最適化するために、レーザモジュール10に接続されるレーザBFCモニタ部32を用いて、レーザバイアス電流制御部33から出力されるバイアス電流IとレーザBFCから出力されるバックファセット電流IBFの関係を調べたところ図3に示すような特性線が得られた。
図3の測定では、半導体レーザ12に注入されるパルス電流Ip の繰り返し周波数を10MHz、100MHz、250MHz、500MHzと変え、それぞれの繰り返し周波数についてバイアス電流Iの大きさを変化させた。
図3によれば、10MHz、100MHz、250MHz、500MHzのいずれの繰り返し周波数においてもバイアス電流−BFC特性線の傾きが急峻に変化し始める点又は領域が存在することがわかる。
その点又は領域は、10MHz、100MHz、250MHz、500MHzのそれぞれについて12〜13mA、14〜15mA、17〜18mA、21〜22mAである。
図3において、バイアス電流−BFC特性線の傾きが大きく変わり始めるバイアス電流Iの点又はその付近における短光パルスの波形と、その点から一律にバイアス電流を10mA小さくした点での短光パルスの波形を調べたところ、図4(a)〜(d)に示すような波形が得られた。なお、パルス電流Ip の振幅は40mA、パルス電流Ip のパルス幅は400psに設定された。また、パルス電流Ip は、繰り返し周波数の変更によりデューティー比が変わることになる。
図4(a)において、バイアス電流Iが12mAの場合には短光パルスの振幅が大きいが、バイアス電流Iが13mAになると短光パルスの振幅が大幅に減少した。従って、繰り返し周波数が10MHzのバイアス電流−BFC特性線の傾きの急峻な変化点のバイアス電流Iは13mAであり、最適なバイアス電流Is は3mAである。
図4(b)において、バイアス電流Iが14mAの場合には短光パルスの振幅が大きいが、バイアス電流Iが15mAになると短光パルスの振幅が大幅に減少した。従って、繰り返し周波数が100MHzのバイアス電流−BFC特性線の傾きの急峻な変化点のバイアス電流Iは15mAであり、最適なバイアス電流Is は5mAである。
図4(c)において、バイアス電流Iが17mAの場合には短光パルスの振幅が大きいが、バイアス電流Iが18mAになると短光パルスの振幅が大幅に減少した。従って、繰り返し周波数が250MHzのバイアス電流−BFC特性線の傾きの急峻な変化点のバイアス電流Iは18mAであり、最適なバイアス電流Is は8mAである。
図4(d)において、バイアス電流Iが21mAの場合には短光パルスの振幅が大きいが、バイアス電流Iが22mAになると短光パルスの振幅が大幅に減少した。従って、繰り返し周波数が500MHzのバイアス電流−BFC特性線の傾きの急峻な変化点のバイアス電流Iは22mAであり、最適なバイアス電流Is は12mAである。
図4(a)〜(d)によれば、バイアス電流−BFC特性線の傾きが大きく変化する点を基準にして、その点からバイアス電流Iを一律に10mA小さくした大きさで半導体レーザ12に注入すると、最適なパルス幅でパルス振幅の短光パルスが得られることがわかる。なお、図4(a)〜(d)において、バイアス電流−BFC特性線の傾きが大きく変化する点は、図3に示す各特性線毎に表れる2つの直線の交点となっている。
従って、半導体レーザ12に注入するパルス電流の所定の繰り返し周波数について、バイアス電流−BFC特性線の急峻な変化点におけるバイアス電流Iの値を基準値I0 とし、その基準値I0 から所定電流値σを引いた(I0−σ)をバイアス電流の最適値Is とすることにより、パルス振幅が大きく且つ緩和振動による裾引きの少ない短光パルスを半導体レーザ12から出射させることができる。なお、所定電流σの値は上記の10mAに限られるものではなく、半導体レーザ12の発振閾値が異なってくればその数値も変わる。
以上のことから、半導体レーザ12の前端から出力される短光パルスの波形を見るのではなくて、半導体レーザ12の後端から出る光をフォトダイオード13により受光し、そのフォトダイオード13から出力される電流値をデータとして使用し、その電流値のデータに基づいて演算することにより最適なバイアス電流Is を求めることができる。
次に、半導体レーザ12に注入されるパルス電流Ip の繰り返し周期に対する最適なバイアス電流Is を設定する方法の一例を説明する。その方法を実行するための手順は、例えば図5〜図8に示すフローチャートに従い、そのフローチャートは制御回路30にインストールされたプログラムに従って実行される。
まず、図5に示すように、制御回路30は、パルス電流源34の出力を所定値に設定した状態で、レーザバイアス電流制御部33から出力させるバイアス電流Iを設定範囲(Ia <I<Ib )の最小値Ia に設定し、この場合のレーザBFCモニタ部32からのバックファセット電流IBFを入力する。これにより、バイアス電流I=Ia とバックファセット電流IBFのデータを関連付けて制御回路30内のメモリに記録する。続いて、直前の測定条件のバイアス電流Iに微小値εを加えてI+εに設定し、その設定値が最大値Ib より大きいかを判断し、小さい場合にはバイアス電流レーザBFモニタ部32からバックファセット電流IBFを入力し、バイアス電流I=I+εとバックファセット電流IBFのデータを関連付けてメモリに記録する。さらに、直前に記録されたバイアス電流Iに微小値εを加えてI>Ibとなるまで、微小値ε増加毎にバックファセット電流IBFのデータを取り込んで、バイアス電流Iとバックファセット電流IBFのデータを関連付けてメモリに記憶する。これにより、制御回路30は、図3に示すバイアス電流−BFC特性線のプロットのデータを記憶することになる。
さらに、バイアス電流I=I+ε>Ibとなった時点で、制御回路30は、バイアス電流Iとバックファセット電流IBFのデータに基づいて、図3に示すバイアス電流−BFC特性線の傾きを算出する。即ち、図6に示すように、既に記録されたバイアス電流のデータから値xを取り出す。その値xの初期値として、バイアス電流設定範囲の最小値Ia を適用する。そのバイアス電流の値xと値x+εに対応するバックファセット電流は、制御回路30のメモリデータによればIBF(I=x)とIBF(I=x+ε)であり、バイアス電流がxからx+εに増加する場合のバイアス電流−BFC特性線の傾きS(x)は次のように定義できる。
S(x)=(IBF(I=x+ε)−IBF(I=x))/ε
そこで、最初にx=Ia における傾きS(Ia )のデータを記録する。その後、さらにバイアス電流をεずつ増加させてx<Ib の条件を満たさなくなるまでそれぞれ傾きS(x)の計算と記録を順次行う。傾きS(x)の記録はバイアス電流xと対応させて行われる。
次に、制御回路30は、図3に示すバイアス電流−BFC特性線の傾きが大きく変化する点、即ちS(x)が急峻に変化し始めるバイアス電流の基準値I0 を算出する。例えば図7に示すように、既に記録されたバイアス電流のデータから値xを取り出す。その値xの初期値の傾きS(Ia )に対して傾きS(x)が所定の値δより大きくなるバイアス電流xの最小の値をサーチしてこれを基準値I0 として記録する。
次に、制御回路30は、図8に示すように、記録したバイアス電流の基準値I0 に基づいて最適なバイアス電流Is =I0 −σを計算し、その大きさのバイアス電流Is を半導体レーザ12に出力させる制御信号をレーザバイアス電流制御部33に出力する。
以上により、レーザバイアス電流制御部33とレーザBFCモニタ部32の出力信号に基づいてバイアス電流−BFC特性線を求め、その特性線の傾きの急峻な変化点のバイアス電流の値から所定値σをずらしてバイアス電流の最適値とすることにより、最良の短光パルスを半導体レーザから出力させることができる。この場合には、最適値をサーチするために半導体レーザ12の前端から出射される短光パルスの波形を見る必要はない。
なお、半導体レーザ12の後端から出射される光をモニタするのではなく、その前端から出射される光の一部をフォトダイオード13、またはレーザモジュール10の外部に別途設けるフォトダイオードにより受光してレーザBFCモニタ部32に入力させてフィードバックすることでも、半導体レーザ12から最適な短光パルスを出射させる条件を同様に設定することができる。
ところで、上述した半導体レーザ駆動制御装置においては、パルス電流源34とレーザバイアス電流制御部33を別個に設けることによりパルス成分を含むレーザ駆動電流を半導体レーザ12に注入するようにしているが、それらの代わりにパルス状の交流成分を含む直流電流を出力できる電流源を用いてもよい。また、上述したパルス電流源34の代わりに正弦波、ノコギリ波などの周期関数電流を出力する周期関数波電流源を用いてもよい。
さらに、バイアス電流と周期関数電流を別に設ける代わりに、パルス電流や正弦波電流の振幅を含む直流電流を制御することによっても短光パルスの最適化が可能である。
図1は、本発明の実施形態に係る半導体レーザの駆動制御装置の回路図である。 図2は、本発明の実施形態に係る半導体レーザの駆動制御装置を用いて半導体レーザから短光パルスを出力させるために半導体レーザに注入するバイアス電流を異ならせた場合の短光パルスの波形図である。 図3は、本発明の実施形態に係る半導体レーザの駆動制御装置を用いて得られるバックファセット電流とバイアス電流の関係を示す特性図である。 図4(a)〜(d)は、図3に示す4種類のパルス電流毎のバックファセット電流・バイアス電流特性線の傾きが急峻に変換する点とその付近のバイアス電流と最適バイアス電流の各々の短光パルスの波形図である。 図5は、本発明の実施形態に係る半導体レーザの駆動方法を示すフローチャート(その1)である。 図6は、本発明の実施形態に係る半導体レーザの駆動方法を示すフローチャート(その2)である。 図7は、本発明の実施形態に係る半導体レーザの駆動方法を示すフローチャート(その3)である。 図8は、本発明の実施形態に係る半導体レーザの駆動方法を示すフローチャート(その4)である。 図9は、半導体レーザから出力される短光パルスの一例を示す波形図である。 図10は、半導体レーザから短光パルスを出力させるために半導体レーザに注入するパルス電流の繰り返し周波数を異ならせた場合の短光パルスの波形図である。
符号の説明
10:レーザモジュール
11:ケーシング
12:半導体レーザ
13:フォトダイオード
14:TEC
15:サーミスタ
16:インピーダンスマッチング抵抗
17:バイアスT用インダクタ
18:カップリングコンデンサ
30:制御部
31:TEC制御部
32:レーザBFCモニタ部
33:レーザバイアス電流制御部
34:パルス電流源

Claims (6)

  1. 半導体レーザに短光パルスを発生させるレーザ駆動電流として所定の周期関数成分と直流バイアス成分を含む電流を出力する駆動電流制御部と、
    前記半導体レーザの光出力を監視する光電変換素子と、
    前記光電変換素子の出力信号に基づいて前記半導体レーザの前記光出力を監視するレーザ出力モニタ部と、
    前記駆動電流制御部の前記直流駆動電流に対する前記レーザ出力モニタ部の出力の変化量が急峻に変化する条件における前記直流駆動電流の前記直流バイアス成分を基準値とし、該基準値から所定値を変更した値を前記バイアス成分として設定させる制御信号を前記駆動電流制御部に出力する制御部とを有することを特徴とする半導体レーザの駆動制御装置。
  2. 前記駆動電流制御部は、前記半導体レーザに前記直流バイアス成分を出力するバイアス電流制御部と、前記半導体レーザに前記所定の周期関数成分を出力する周期関数波電流源とを有することを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザの駆動制御装置。
  3. 前記光電変換素子は、前記半導体レーザの後端から出力される光を受光する位置に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体レーザの駆動制御装置。
  4. 前記光電変換素子は、前記半導体レーザの前端から出力される前記短光パルスの一部を受光する状態に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体レーザの駆動制御装置。
  5. 前記関数波電流源は、カップリングコンデンサを介して前記半導体レーザに接続されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1つに記載の半導体レーザの駆動制御装置。
  6. 所定の周期関数成分と直流バイアス成分を含むレーザ駆動電流を半導体レーザに注入するとともに前記半導体レーザの光出力を監視用の光電変換素子により電気信号に変換し、
    前記レーザ駆動電流に対する前記電気信号の変化量が急峻に変化する条件における前記レーザ駆動電流の前記直流バイアス成分を基準値とし、
    前記基準値から所定値を変更した値に前記直流バイアス成分を設定した前記レーザ駆動電流を短光パルス出射用レーザ駆動電流として設定する
    ことを特徴とする半導体レーザの駆動制御方法。
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