JP2010092519A - 光ピックアップ、光情報記録方法及び光ディスク装置 - Google Patents

光ピックアップ、光情報記録方法及び光ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光ディスクに対する情報の記録精度を高める。
【解決手段】光ディスク装置110の情報光学系150は、半導体レーザ3から情報光ビームLMとして特異ピーク光LEP及び特異スロープ光LESを順次出力させ、補正レンズ162により特異ピーク光LEPの発散角を変化させることにより、記録層101において特異ピーク光LEPによる吸収変化領域RA及び特異スロープ光LESによるエネルギー集中領域REをいずれも目標位置QGを中心に形成することができ、この結果、目標位置QGを中心に記録マークRMを形成することができるので、光ディスク100に対する情報の記録精度を高めることができる。
【選択図】図35

Description

本発明は、光ピックアップ、光情報記録方法及び光ディスク装置に関し、例えば光ビームを用いて光ディスクに情報を記録する光ディスク装置に適用して好適なものである。
従来、光ディスク装置においては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びBlu−ray Disc(登録商標、以下BDと呼ぶ)等の円盤状でなる光ディスクに対して情報を記録し、また当該光ディスクから当該情報を読み出すようになされたものが広く普及している。
かかる光ディスク装置では、音楽コンテンツや映像コンテンツ等の各種コンテンツ、或いはコンピュータ用の各種データ等のような種々の情報を光ディスクに記録するようになされている。
特に近年では、映像の高精細化や音楽の高音質化等により情報量が増大し、また1枚の光ディスクに記録するコンテンツ数の増加が要求されているため、当該光ディスクのさらなる大容量化が求められている。
そこで、かかる光ディスクを大容量化する手法の一つとして、情報を表す記録ピットの形成に2光子吸収反応を利用し、当該記録ピットを3次元に配列するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−37658公報
ところで、光ディスクに記録マークを形成する手法として、第1の光ビームを集光して2光子吸収反応により第1の反応を生じさせ、当該反応が生じた領域にさらに第2の光ビームを集光して熱反応等といった第2の反応を生じさせる手法が考えられる。
光ディスク装置は、かかる手法で光ディスクに記録マークを形成する場合、第1の光ビームを集光して第1の反応を生じさせた後、当該反応が生じた変化領域に合わせて第2の光ビームを集光することにより、第2の反応を生じさせることが可能となる。
このとき光ディスク装置は、第1の光ビームの焦点及び第2の光ビームの焦点の双方をいずれも目標とする位置に合わせることができれば、当該目標とする位置に記録マークを正しく形成できる。
しかしながら光ディスク装置は、第1の光ビームと第2の光ビームとで焦点の位置がずれた場合、第1の光ビームによる変化領域と第2の光ビームの集光範囲とがずれるため、目標とする位置には記録マークを正しく形成できなくなる。また光ディスク装置は、第1の光ビームと第2の光ビームとで焦点が互いに大きく離れた場合、変化領域と第2の光ビームの集光範囲とが完全に離れてしまうため、2番目の反応を生じさせることができず、記録マークを形成できない。
このように光ディスク装置は、複数の光ビームを照射して記録マークを形成する際に各光ビームの焦点がずれてしまうと、光ディスク内における所望の位置に記録マークを正しく形成できず、情報の記録精度を低下させてしまう、という問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、光ディスクに対する情報の記録精度を高め得る光ピックアップ、光情報記録方法及び光ディスク装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の光ピックアップ及び光情報記録方法においては、半導体レーザに対しパルス状でなり所定の特異電圧でなる駆動パルスが供給された際、パルス状の光強度特性を有する特異ピーク光と、当該特異ピーク光よりも光強度が小さいスロープ状の光強度特性を有し当該特異ピーク光と異なる波長でなる特異スロープ光とを、レーザ光として順次出射させ、レーザ光の波長に応じて特異ピーク光及び特異スロープ光の発散角を相違させ、光ディスクの記録層に、特異ピーク光を集光し焦点近傍の領域に第1の反応を生じさせた後、特異スロープ光を特異ピーク光と同一の焦点位置に集光して第1の反応が生じた領域に第2の反応を生じさせることにより、記録マークを形成するようにした。
本発明の光ピックアップ及び光情報記録方法では、特異ピーク光及び特異スロープ光の発散角を相違させることにより、特異ピーク光及び特異スロープ光の焦点位置を互いに独立して調整することができる。このため本発明の光ピックアップ及び光情報記録方法では、特異ピーク光と特異スロープ光との発光点が相違する場合であっても、特異ピーク光により第1の反応が生じる領域に特異スロープ光を集光することができる。この結果、本発明の光ピックアップ及び光情報記録方法では、特異スロープ光の焦点を中心とした記録マークを形成できる。
さらに本発明の光ディスク装置においては、パルス状でなり所定の特異電圧でなる駆動パルスが供給された際、パルス状の光強度特性を有する特異ピーク光と、当該特異ピーク光よりも光強度が小さいスロープ状の光強度特性を有し当該特異ピーク光と異なる波長でなる特異スロープ光とを、レーザ光として順次出射する半導体レーザと、レーザ光の波長に応じて特異ピーク光及び特異スロープ光の発散角を相違させる発散角相違部と、光ディスクの記録層に、特異ピーク光を集光し焦点近傍の領域に第1の反応を生じさせた後、特異スロープ光を特異ピーク光と同一の焦点位置に集光して第1の反応が生じた領域に第2の反応を生じさせることにより、記録マークを形成する対物レンズと、対物レンズを駆動することにより、特異ピーク光及び特異スロープ光における焦点の位置を制御するレンズ駆動制御部とを設けるようにした。
本発明の光ディスク装置は、特異ピーク光及び特異スロープ光の発散角を相違させることにより、特異ピーク光及び特異スロープ光の焦点位置を互いに独立して調整することができる。このため本発明の光ディスク装置は、特異ピーク光と特異スロープ光との発光点が相違する場合でも、特異ピーク光により第1の反応が生じる領域に特異スロープ光を集光することができるので、当該特異スロープ光の焦点を中心とした記録マークを形成できる。
本発明によれば、特異ピーク光及び特異スロープ光の発散角を相違させることにより、特異ピーク光及び特異スロープ光の焦点位置を互いに独立して調整することができる。このため本発明では、特異ピーク光と特異スロープ光との発光点が相違する場合でも、特異ピーク光により第1の反応が生じる領域に特異スロープ光を集光することができるので、当該特異スロープ光の焦点を中心とした記録マークを形成できる。かくして本発明によれば、光ディスクに対する情報の記録精度を高め得る光ピックアップ、光情報記録方法及び光ディスク装置を実現することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.光情報記録媒体に対する情報の記録再生原理
2.半導体レーザによる光ビームの出力原理
3.実施の形態(光ディスク装置・補正レンズを用いた例)
4.他の実施の形態
<1.光情報記録媒体に対する情報の記録再生原理>
まず、光ディスク等の光情報記録媒体に対する情報の記録原理について説明する。一般に、対物レンズの開口数をNA、光ビームの波長をλとすると、光ビームが集光されるときのスポット径dは、次に示す(1)式によって表される。
Figure 2010092519
すなわち同一の対物レンズを用いる場合、開口数NAが一定となるため、光ビームのスポット径dは当該光ビームの波長λに比例することになる。
図1に示すように、集光された光ビームの光強度は焦点FM付近で最も大きくなり、焦点FMから離隔するほど小さくなる。例えば、一般的な光情報記録媒体MD1において情報を表す記録マークRMが形成される場合、1光子吸収反応が生じている。この1光子吸収では、1光子を吸収することにより光反応が生じるため、光ビームの光強度に比例して当該光反応が生じる。
このため光情報記録媒体では、記録光ビームL1における所定の光強度以上となる領域に記録マークRMが形成される。因みに図1では、スポット径dと同一サイズの記録マークRMが形成された場合を示している。
これに対して2光子吸収反応の場合、同時に2光子を吸収したときにのみ反応が生じるため、光ビームの光強度の2乗に比例して2光子吸収反応が生じる。このため2光子吸収反応が生じる光情報記録媒体MD2では、図2に示すように、記録光ビームL1において光強度の非常に大きい焦点FM近傍にのみ記録マークRMが形成される。
この記録マークRMは、記録光ビームL1のスポット径dと比して小さいサイズとなり、その直径daも小さくなる。このため光情報記録媒体MD2では、高密度で記録マークRMを形成させることにより記録容量の大容量化が可能となる。
ところで2光子吸収材料のなかには、2光子吸収反応によって化学変化を引き起こし、その光吸収特性を変化させる化合物(以下、これを光特性変化材料と呼ぶ)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
A. Toriumi and S. Kawata, Opt. Lett /Vol. 23, No.24, 1998, 1924-1926
例えば、この光特性変化材料でなる光情報記録媒体MD2に対し、当該光特性変化材料が本来吸収しない波長でなる記録光ビームL1が、図3に示す光強度特性WLのように、時刻t1から大きな光強度で一定の照射時間tcに亘って照射された場合を仮定する。
この場合、この光特性変化材料でなる光情報記録媒体MD2は、時点t1において、図4(A)に示すように、記録光ビームL1によるスポットPが照射される。その後光情報記録媒体MD2は、時点t2において、図4(B)に示すように第1の反応としての2光子吸収反応により当該光特性変化材料の光吸収が変化し、記録光ビームL1によるスポットPよりも小さな吸収変化領域RAを形成する。
この吸収変化領域RAでは、光特性変化材料の光吸収の変化により、当該記録光ビームL1を吸収して発熱を生じることになる。
その後光情報記録媒体MD2は、そのまま記録光ビームL1が照射され続けると、記録光ビームL1を吸収して熱を発生し、時点t3において、第2の反応としての熱反応によって空洞を形成することにより、図4(C)に示すように記録マークRMを形成する。
これを換言すると、光情報記録媒体MD2では、2光子吸収反応により形成された吸収変化領域RAのうち引き続き記録光ビームL1が照射され熱反応が生じた領域に、記録マークRMが形成されることになる。
また、このようにして形成された記録マークRMは、光強度が比較的弱い読出光ビームL2が照射されると、周囲の光特性変化材料との間で屈折率が相違することにより、当該読出光ビームL2を反射して戻り光ビームL3を生成する。
そこで本発明の光情報記録再生装置は、このような原理を利用し、情報を記録する場合には、光情報記録媒体MD2に対し記録光ビームL1を照射し、まず2光子吸収反応を生じさせて光吸収を変化させ、続いて熱反応により屈折率を変化させ或いは空洞を形成させることにより、記録マークRMを形成するようになされている。
また本発明の光情報記録再生装置は、情報を再生する場合、光情報記録媒体MD2に対して読出光ビームL2を照射すると共に、戻り光ビームL3を受光するようになされている。このとき光情報記録再生装置は、戻り光ビームL3の光量変化を基に記録マークRMの有無を検出し、その検出結果を基に情報を再生するようになされている。
<2.半導体レーザによる短パルス出力原理>
次に、半導体レーザから、2光子吸収反応を生じ得るような高い光強度でなり短いパルス状でなるレーザ光LLを出力する原理について説明する。
[2−1.短パルス光源の構成]
ここでは、図5に示す短パルス光源装置1を例に説明する。この短パルス光源装置1は、レーザ制御部2と半導体レーザ3とから構成されている。
半導体レーザ3は、半導体発光を利用する一般的な半導体レーザ(例えばソニー株式会社製、SLD3233)でなる。レーザ制御部2は、半導体レーザ3に供給する駆動信号D1を制御することにより、当該半導体レーザ3からパルス状のレーザ光LLを出力させるようになされている。
レーザ制御部2は、所定のタイミングで複数種類のパルス状の信号を生成するパルス信号発生器4、及び半導体レーザ3を駆動する駆動回路6により構成されている(詳しくは後述する)。
パルス信号発生器4は、その内部で所定の周期TSの矩形波でなる同期信号SSを生成しており、当該同期信号SSに基づいたタイミングで動作すると共に、当該同期信号SSを外部の測定装置等(図示せず)へ供給し得るようになされている。
またパルス信号発生器4は、図6(A)に示すように、周期TSごとにパルス状に変化するパルス信号SLを生成し、これを駆動回路6へ供給する。このパルス信号SLは、駆動回路6に対し、半導体レーザ3へ電源を供給すべきタイミング、期間及び電圧レベルの大きさを示している。
駆動回路6は、パルス信号SLを基に、図6(B)に示すようなレーザ駆動信号SDを生成し、これを半導体レーザ3へ供給する。
このとき駆動回路6は、パルス信号SLを所定の増幅率で増幅することによりレーザ駆動信号SDを生成する。このためレーザ駆動信号SDのピーク電圧VDは、パルス信号SLのピーク電圧VLに応じて変化することになる。因みにレーザ駆動信号SDは、駆動回路6の増幅特性により、その波形が歪まされている。
半導体レーザ3は、レーザ駆動信号SDの供給を受けると、図6(C)に示すように、光強度LTをパルス状に変化させながらレーザ光LLを出射する。以下では、レーザ光をパルス状に出射することを「パルス出力する」と表記する。
このように短パルス光源装置1は、レーザ制御部2の制御により、他の光学部品等を用いることなく、半導体レーザ3からレーザ光LLを直接的にパルス出力するようになされている。
[2−2.緩和振動モードによるレーザ光のパルス出力]
ところで、一般にレーザの特性は、いわゆるレート方程式により表されることが知られている。例えば、閉込係数Γ、光子寿命τph[s]、キャリア寿命τ[s]、自然放出結合係数Cs、活性層厚d[mm]、電荷素量q[C]、最大利得gmax、キャリア密度N、光子密度S、注入キャリア密度J、光速c[m/s]、透明化キャリア密度N0、群屈折率ng及び面積Agを用いると、レート方程式は次に示す(2)式のように表される。
Figure 2010092519
次に、(2)式のレート方程式を基に、注入キャリア密度Jと光子密度Sとの関係を算出した結果を図7のグラフに示し、注入キャリア密度Jとキャリア密度Nとの関係を算出した結果を図8のグラフに示す。
因みにこれらの算出結果は、閉込係数Γ=0.3、光子寿命τph=1e−12[s]、キャリア寿命τ=1e−9[s]、自然放出結合係数Cs=0.03、活性層厚d=0.1[μm]、電荷素量q=1.6e−19[C]、及び面積Ag=3e−16[cm]として得られたものである。
図8に示したように、一般的な半導体レーザは、注入キャリア密度J(すなわちレーザ駆動信号SD)の増大に応じてキャリア密度Nが飽和状態の少し手前となる飽和前点Slにおいて、発光を開始する。
また図7に示したように、半導体レーザは、注入キャリア密度Jの増大に伴って光子密度S(すなわち光強度)を増大させる。さらに図7と対応する図9に示すように、半導体レーザは、注入キャリア密度Jのさらなる増大に伴って、光子密度Sをさらに増大させることがわかる。
次に、図9に示した特性曲線上に、注入キャリア密度Jが比較的大きいポイントPT1、及び当該ポイントPT1よりも注入キャリア密度Jが順次小さくなるポイントPT2及びPT3をそれぞれ選定した。
続いて、ポイントPT1、PT2及びPT3における、レーザ駆動信号SDの印加を開始してからの、光子密度Sが変化する様子を算出した結果を図10、図11及び図12にそれぞれ示す。因みに、注入キャリア密度Jの大きさは半導体レーザに供給されるレーザ駆動信号SDの大きさに対応しており、また光子密度Sの大きさは光強度の大きさに対応している。
図10に示すように、ポイントPT1において、光子密度Sは、いわゆる緩和振動により大きく振動してその振幅が大きくなり、かつ振幅の周期(すなわち極小値から極小値まで)となる振動周期taが約60[ps]と小さいことが確認された。また光子密度Sの値は、発光開始直後に出現する第1波の振幅が最も大きく、第2波、第3波と徐々に減衰し、やがて安定している。
このポイントPT1の光子密度Sにおける第1波の最大値は約3×1016と、光子密度Sが安定したときの値である安定値(約1×1016)の約3倍であった。
ここで、レーザ駆動信号SDを印加し始めてから発光を開始するまでの時間を発光開始時間τdとすると、(2)式に示したレート方程式から当該発光開始時間τdを算出することができる。
すなわち、発振以前に光子密度S=0であったとすると、(2)式における上段の式は、次に示す(3)式のように表すことができる。
Figure 2010092519
ここでキャリア密度Nをスレショールド値Nthとすると、発光開始時間τdを次に示す(4)式のように表すことができる。
Figure 2010092519
このように発光開始時間τdは、注入キャリア密度Jに反比例することがわかる。
図10に示すように、ポイントPT1では、(4)式から発光開始時間τdが約200[ps]と算出される。このポイントPT1では、半導体レーザに大きな電圧値でなるレーザ駆動信号SDを印加しているため、当該レーザ駆動信号SDを印加し始めてから発光を開始するまでの発光開始時間τdも短くなっている。
図11に示すように、ポイントPT1よりもレーザ駆動信号SDの値が小さいポイントPT2では、明確な緩和振動を生じているものの、ポイントPT1と比して振動の振幅が小さくなり、且つ振動周期taが約100[ps]と大きくなった。
またポイントPT2の場合、(4)式から算出される発光開始時間τdは約400[ps]となり、ポイントPT1と比較して大きくなった。このポイントPT2では、光子密度Sにおける第1波の最大値は約8×1015となり、安定値(約4×1015)の約2倍であった。
図12に示すように、ポイントPT2よりも供給したレーザ駆動信号SDの値がさらに小さいポイントPT3では、緩和振動が殆どみられなかった。またポイントPT3の場合、(4)式から算出される発光開始時間τdは約1[ns]となり、比較的長いことが確認された。このポイントPT3の光子密度Sにおける最大値は安定値とほぼ同一であり、約1.2×1015であった。
ところで一般的なレーザ光源では、半導体レーザに対してポイントPT3のように緩和振動の殆どみられない比較的低い電圧のレーザ駆動信号SDを印加するようになされている。すなわち一般的なレーザ光源は、レーザ光の出射開始直後における光強度の変動幅を小さく抑えることにより、レーザ光LLの出力を安定させるようになされている。
以下では、短パルス光源装置1において、半導体レーザ3に比較的低い電圧でなるレーザ駆動信号SDを供給することにより、緩和振動を生じず安定した光強度でなるレーザ光LLを出力する動作モードを、通常モードと呼ぶ。また、この通常モードにおいて半導体レーザ3に供給するレーザ駆動信号SDの電圧を通常電圧VNと呼び、当該半導体レーザ3から出力されたレーザ光LLを通常出力光LNと呼ぶ。
これに加えて本実施の形態による短パルス光源装置1は、ポイントPT1及びPT2の場合のように、比較的高い電圧のレーザ駆動信号SDが供給されることにより、光強度特性に緩和振動を生じさせる動作モード(以下、これを緩和振動モードと呼ぶ)を有している。
この緩和振動モードの場合、短パルス光源装置1は、レーザ駆動信号SDの電圧V(以下これを振動電圧VBと呼ぶ)を通常電圧VNよりも高めることになる(例えば1.5倍以上)。この結果、短パルス光源装置1は、レーザ光の瞬間的な光強度LTの最大値を、通常モードの場合よりも増大させることができる。
すなわち短パルス光源装置1は、緩和振動モードで動作する場合、半導体レーザ3に対して比較的高い振動電圧VBを供給することにより、当該振動電圧VBに応じた大きな光強度でなるレーザ光LLを出射することができる。
これを別の観点から見れば、半導体レーザ3は、振動電圧VBでなるレーザ駆動信号SDが印加されることにより、通常電圧VNを印加していた従来と比較して、レーザ光LLの光強度を大幅に増加させることが可能となる。
例えば半導体レーザは、ポイントPT1において緩和振動の第1波による光子密度Sが約3×1016であり、通常電圧VDNを印加した場合を示すポイントPT3の場合(約1.2×1015)と比して、半導体レーザ3の光強度を20倍以上に増大させることが可能となる。
実際上、一般的な半導体レーザ(ソニー株式会社製、SLD3233VF)に対して、比較的高い電圧のレーザ駆動信号SDを印加した時に測定された光強度特性の波形を図13に示す。なお図13では、半導体レーザに対して矩形のパルス状でなるレーザ駆動信号SDを供給し、その結果得られたレーザ光LLの光強度特性の波形を示している。
この図13から、図10及び図11において光子密度Sの算出結果としてみられた緩和振動が、実際の光強度の変化としても生じていることが確認された。
ここで、半導体レーザ3に供給するレーザ駆動信号SDとレーザ光LLの光強度との関係について、詳細に検討する。
図14(A)は、図11と同様、光子密度Sの時間変化の様子を示している。例えば図14(B)に示すように、短パルス光源装置1のレーザ制御部2は、緩和振動を生じさせるのに十分な振動電圧VB1でなるパルス状のレーザ駆動信号SDを半導体レーザ3に供給する。
このときレーザ制御部2は、レーザ駆動信号SDを、発光開始時間τdに緩和振動の振動周期taを加算した時間(すなわちτd+ta、以下これを供給時間τPDと呼ぶ)に亘ってローレベルからハイレベルに立ち上げることにより、矩形状のパルス信号とする。
なお説明の都合上、レーザ駆動信号SDのうちパルス状に立ち上がっている部分を駆動パルスPD1と呼ぶ。
この結果半導体レーザ3は、図14(C)に示すように、緩和振動における第1波の部分のみに相当するパルス状のレーザ光LL(以下、これを振動出力光LBと呼ぶ)を出射することができる。
このときレーザ制御部2は、パルス状でなる駆動パルスPDを供給しているため、高い振動電圧VBの印加時間を比較的短く抑えることができ、半導体レーザ3の平均消費電力を低下させて過発熱などによる当該半導体レーザ3の不具合や破壊を防止させることができる。
一方レーザ制御部2は、図14(D)に示すように、緩和振動を生じさせ得る程度に高い電圧であり、且つ振動電圧VB1よりも低い振動電圧VB2でなる駆動パルスPD2を半導体レーザ3へ供給し得るようにもなされている。
この場合半導体レーザ3は、図14(E)に示すように、駆動パルスPD1が供給された場合と比較して光強度の小さい振動出力光LBを出射することができる。
このように短パルス光源装置1は、レーザ制御部2から比較的高い振動電圧VBでなる駆動パルスPD(すなわち駆動パルスPD1又はPD2)を半導体レーザ3へ供給する緩和振動モードで動作し得るようになされている。このとき短パルス光源装置1は、光強度が緩和振動によりパルス状に変化する振動出力光LBを出射し得るようになされている。
[2−3.特異モードによるレーザ光のパルス出力]
さらに短パルス光源装置1は、通常モード及び緩和振動モードに加えて、振動電圧VBよりも高い特異電圧VEでなる駆動パルスPDを半導体レーザ3に供給する特異モードで動作するようにもなされている。
このとき短パルス光源装置1は、半導体レーザ3から振動出力光LBよりもさらに大きな光強度でなるレーザ光LLをパルス出力し得るようになされている。
[2−3−1.光測定装置の構成]
ここでは、短パルス光源装置1から出射されたレーザ光LLを測定及び分析する光測定装置11(図15)を用いることにより、短パルス光源装置1における駆動パルスPDの電圧Vを変化させた場合のレーザ光LLの光強度を測定する実験を行った。
光測定装置11は、短パルス光源装置1の半導体レーザ3からレーザ光LLを出射させ、これをコリメータレンズ12へ入射させる。
続いて光測定装置11は、レーザ光LLをコリメータレンズ12によって発散光から平行光に変換して集光レンズ15へ入射させ、さらに集光レンズ15によって集光させる。
その後光測定装置11は、レーザ光LLを光サンプルオシロスコープ16(浜松ホトニクス株式会社製、C8188−01)へ供給することにより、当該レーザ光LLの光強度を測定し、その時間変化を光強度特性UT(後述する)として示すようになされている。
また光測定装置11は、レーザ光LLを光スペクトラムアナザイザ17(株式会社エーディーシー製、Q8341)へ供給することにより、当該レーザ光LLの波長を分析し、その分布特性を波長特性UW(後述する)として示すようになされている。
また光測定装置11は、コリメータレンズ12及び集光レンズ15の間にパワーメータ14(株式会社エーディーシー製、Q8230)が設置されており、当該パワーメータ14によりレーザ光LLの光強度LTを測定するようになされている。
さらに光測定装置11は、必要に応じて、コリメータレンズ12及び集光レンズ15の間にBPF(Band Pass Filter)13を設置し得るようにもなされている。このBPF13は、レーザ光LLにおける特定波長成分の透過率を低減させることができる。
[2−3−2.設定パルスと駆動パルスとの関係]
ところで短パルス光源装置1では、実際に生成されるパルス信号SLやレーザ駆動信号SD等がいわゆる高周波信号であることから、それぞれの波形が理想的な矩形波から変形した、いわゆる「なまった」波形となることが予想される。
そこで、パルス信号発生器4に対し、図16(A)に示すように、パルス幅Wsが1.5[ns]でなる矩形状の設定パルスPLsを含むパルス信号SLを出力するよう設定した。このパルス信号SLを所定の測定装置により測定したところ、図16(B)に示すような測定結果が得られた。
図16(B)のパルス信号SLにおいて、設定パルスPLsに対応して生成されるパルス(以下、これを生成パルスPLと呼ぶ)の半値幅である生成信号パルス半値幅PLhalfは、約1.5[ns]であった。
また、パルス信号発生器4から駆動回路6に対し上述したパルス信号SLを供給した際に、当該駆動回路6から半導体レーザ3に実際に供給されたレーザ駆動信号SDについても同様に測定したところ、図16(C)に示すような測定結果が得られた。
このレーザ駆動信号SDにおいて、生成パルスPLに対応して出現するパルス(すなわち駆動パルスPD)の半値幅である駆動パルス半値幅PDhalfは、生成パルスPLの信号レベルに応じて約1.5[ns]〜約1.7[ns]の範囲で変化した。
このときの生成パルスPLの最大電圧値に対する駆動パルスPDにおける電圧パルス半値幅PDhalfの関係、及び当該生成パルスPLの最大電圧値に対する駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxの関係を、図17に重ねて示す。
この図17から、駆動回路6へ供給される生成パルスPLの最大電圧値が増加するに連れ、当該駆動回路6から出力されるレーザ駆動信号SDにおける駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxも増加することが分かる。
また図17から、駆動回路6へ供給される生成パルスPLの最大電圧値が増加するに連れ、駆動パルスPDの駆動パルス半値幅PDhalfも徐々に増加することが分かる。
このことを換言すると、短パルス光源装置1は、一定のパルス幅でなる設定パルスPLsをパルス信号発生器4に設定した場合であっても、駆動回路6に供給する生成パルスPLの最大電圧値を変化させることにより、当該駆動回路6から出力されるレーザ駆動信号SDにおける駆動パルスPDのパルス幅及び電圧値を変化させることができる。
[2−3−3.駆動パルスの電圧と出力されるレーザ光との関係]
そこで、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxを様々な値に設定した場合について、当該駆動パルスPDに応じて半導体レーザ3から出力されるレーザ光LLの光強度を、光測定装置11(図15)の光サンプルオシロスコープ16によりそれぞれ測定した。
図18(A)及び(B)は、この測定の結果を示す。なおこの図18において、時間軸(横軸)は相対的な時間を表しており、絶対的な時間を表していない。またこの測定においては、BPF13は設置されていない。
図18(A)に示すように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが8.8[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT1には、比較的幅広い小さな出力ピーク(時間1550[ps]近傍)が1つのみ確認され、緩和振動による振動は見られなかった。すなわち光強度特性UT1は、短パルス光源装置1が通常モードで動作し半導体レーザ3から通常出力光LNを出力していることを表している。
また図18(A)に示したように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが13.2[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT2には、緩和振動による複数のピークが確認された。すなわち光強度特性UT2は、短パルス光源装置1が緩和振動モードで動作し半導体レーザ3から振動出力光LBを出力していることを表している。
一方、図18(B)に示すように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが17.8[V]、22.0[V]、26.0[V]及び29.2[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT3、UT4、UT5及びUT6には、比較的早い時間に先頭のピークとして表れるピーク部分と、その後細かい振動を伴い緩やかに減衰するスロープ部分が確認された。
光強度特性UT3、UT4、UT5及びUT6は、先頭のピーク部分の後に大きなピークが表れていないことから、第1波に続いて第2波、第3波のピークを有する緩和振動モードによる光強度特性WT2(図18(A))と比較して、波形の傾向が明らかに異なっている。
因みに、光測定装置11の光サンプルオシロスコープ16における解像度が約30[ps]以上であるため図18等には表われていないが、別途ストリークカメラを用いた実験により、先頭ピーク部分のピーク幅(半値幅)は、約10[ps]であることが確認された。
このように光サンプルオシロスコープ16における解像度が低いため、光測定装置11では、必ずしも正しい光強度LTを測定できていない可能性がある。この場合、図18等における先頭ピーク部分の最大光強度は、実際の値よりも低く表われることになる。
次に、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxを変化させたときのレーザ光LLについて、さらに詳細に分析する。
ここでは、光測定装置11を用い、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxを変化させたときに半導体レーザ3から出射されるレーザ光LLについて、その光強度特性UT及び波長特性UWを光サンプルオシロスコープ16及び光スペクトラムアナライザ17によりそれぞれ測定した。
図19〜図23は、この測定の結果をそれぞれ示す。因みに図19(A)〜図23(A)では、光スペクトラムアナライザ17により測定したレーザ光LLの波長特性UW(すなわち波長ごとに分解した結果)を表している。また図19(B)〜図23(B)は、図18と同様に、光サンプルオシロスコープ16により測定したレーザ光LLの光強度特性UT(すなわち時間変化の様子)を示している。この測定において、BPF13は設置されていない。
図19(B)に示すように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが8.8[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT11波形にはピークが1個のみ確認された。このことから、このとき短パルス光源装置1は通常モードで動作しており、当該レーザ光LLは通常出力光LNであるといえる。
また図19(A)に示すように、このときの波長特性UW11には、波長約404[nm]に1個のピークのみが確認された。このことから、このレーザ光LLの波長は約404[nm]であることがわかる。
図20(B)に示すように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが13.2[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT12には比較的大きなピークが複数確認された。このことから、このとき短パルス光源装置1は緩和振動モードで動作しており、当該レーザ光LLは振動出力光LBであるといえる。
また図20(A)に示すように、このときの波長特性UW12には、波長約404[nm]及び約407[nm]に2個のピークが確認された。このことから、このレーザ光LLの波長は約404[nm]及び約407[nm]であることがわかる。
図21(B)に示すように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが15.6[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT13には、先頭のピーク部分及び緩やかに減衰するスロープ部分が見られた。
このとき図21(A)に示すように、波長特性UW13には、約404[nm]及び約408[nm]に2個のピークが確認された。この波長特性UW13では、緩和振動モードで確認された約406[nm]のピークが長波長側へ2[nm]移動しており、さらに398[nm]近傍が僅かに盛り上がっていることが確認された。
図22(B)に示すように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが17.8[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT14には、先頭のピーク部分及び緩やかに減衰するスロープ部分が見られた。
また図22(A)に示すように、このときの波長特性UW14では、約398[nm]と約403[nm]に2個の大きなピークが確認された。この波長特性UW14では、波長特性UW13(図21(A))と比較して、約408[nm]のピークが非常に小さくなっており、その代わりに約398[nm]に大きなピークが形成されていることが確認された。
図23(B)に示すように、駆動パルスPDの最大電圧値Vmaxが38.4[V]のとき、レーザ光LLの光強度特性UT15には先頭のピーク部分及び緩やかに減衰するスロープ部分が明確に見られた。
また図23(A)に示すように、このときの波長特性UW15では、約398[nm]及び約404[nm]に2個のピークが確認された。この波長特性UW15は、波長特性UW14(図22(A))と比較すると、約408[nm]のピークが完全に消失しており、また約398[nm]に明確なピークが形成されていることが確認された。
これらのことから、短パルス光源装置1では、振動電圧VBよりも大きな特異電圧VE(すなわち最大電圧値Vmax)でなる駆動パルスPDを半導体レーザ3に供給したことにより、振動出力光LBとはその波形及び波長の異なるレーザ光LLを出力し得ることが確認された。またこのレーザ光LLの発光開始時間τdは、上述したレート方程式から導かれる(3)式とは一致しなかった。
ここでレーザ光LLの波長に着目する。レーザ光LLは、最大電圧値Vmaxが高くなるにつれて通常出力光LN(図19)から振動出力光LB(図20)へと変化し、さらに当該振動出力光LBからその波長を変化させる。
具体的に振動出力光LB(図20)は、その波長特性UW12において、通常出力光LNとほぼ同等の波長(通常出力光LNの波長から±2[nm]以内)のピークに加えて、当該通常出力光LNよりも約3[nm](3±2[nm]以内)長波長側にピークを有する。
これに対して図23に示したレーザ光LLは、その波長特性UW15において、通常出力光LNとほぼ同等の波長(通常出力光LNの波長から±2[nm]以内)のピークに加えて、当該通常出力光LNよりも約6[nm](6±2[nm]以内)短波長側にピークを有する。
そこで以下では、図23に示したようなレーザ光LLを特異出力光LEと呼び、短パルス光源装置1において半導体レーザ3から当該特異出力光LEを出力するような動作モードを特異モードと呼ぶ。
[2−3−4.特異モードにおけるレーザ光の波長]
ところで、最大電圧値Vmaxが15.6[V]のときの波長特性UW13(図21(A))に対して最大電圧値Vmaxが17.8[V]のときの波長特性UW14(図22(A))を比較すると、長波長側のピークは消失し、代りに短波長側のピークが出現している。
すなわち波長特性UWは、最大電圧値Vmaxの上昇に伴いレーザ光LLが振動出力光LBから特異出力光LEへ変化する過程において、長波長側のピークが徐々に減少し、その代りに短波長側のピークが増大していくことがわかる。
そこで、以下では、波長特性UWにおいて短波長側のピーク面積が長波長側のピーク面積以上となるレーザ光LLを特異出力光LEとし、当該波長特性UWにおいて短波長側のピーク面積が長波長側のピーク面積未満となるレーザ光LLを振動出力光LBと定義する。
因みに、図22のように2つのピークが重複する場合には、通常出力光LNの波長から6[nm]短波長側の波長を短波長側の中心波長とし、当該中心波長±3[nm]の範囲における面積を当該ピークの面積とする。
従って、この定義により、最大電圧値Vmaxが15.6[V]のとき(図21)のレーザ光LLは振動出力光LBとなり、最大電圧値Vmaxが17.8[V]のとき(図22)のレーザ光LLは特異出力光LEとなる。
次に、光測定装置11において短パルス光源装置1を特異モードで動作させ、光ビームLL(すなわち特異出力光LE)の光強度特性UT16及び波長特性UW16を測定した。また、光測定装置11にBPF13を設置することにより光ビームLLにおける波長406±5[nm]の透過率を低下させるようにした状態で、同様に光強度特性UT17及び波長特性UW17を測定した。
図24に、光強度特性UT16及び光強度特性UT17を重ねて示す。この図24からわかるように、BPF13が設置されたときの光強度特性UT17は、光強度特性UT16と比較して、ピーク部分の光強度が殆ど同等であったのに対し、スロープ部分の光強度が大きく減少した。
このことは、スロープ部分の波長が約404[nm]であるためにBPF13により出射高強度が減少したのに対し、ピーク部分の波長が約398[nm]であるためにBPF13によっては光強度が減少しなかったことを表している。
また図25(A)及び(B)に、波長特性UW16及びUW17をそれぞれ示す。因みに図25は、波長特性UW16及びUW17をそれぞれ最大の光強度に応じて正規化しており、縦軸の光強度を相対値としている。
波長特性UW16(図25(A))では、光強度特性UT16において大きな面積を有するスロープ部分に対応するように、波長404[nm]の光強度が波長398[nm]の光強度に比して大きくなっている。
一方波長特性UW17では、スロープ部分の減少に伴い、波長404[nm]の光強度と波長398[nm]の光強度とがほぼ同程度となった。
このことからも、特異出力光LEは、図26に示す光強度特性UTにおける特異スロープESLの波長が約404[nm]であり特異ピークEPKの波長が約398[nm]であること、すなわちピーク部分の波長がスロープ部分の波長よりも短いことが分かった。
これを換言すると、特異出力光LEの光強度特性UTにおけるピーク部分は、通常出力光LNの場合と比して、その波長が約6[nm]短波長側にシフトすることになる。因みに、他の実験において通常出力光LNの波長が異なる他の半導体レーザを用いた場合であっても、同様の結果が得られた。
また光測定装置11において、半導体レーザ3としてソニー株式会社製SLD3233を使用して特異出力光LEを測定したところ、図26に示すような光強度特性UT20が得られた。
このとき、特異出力光LEにおけるピーク部分(以下これを特異ピークEPKと呼び、このとき出力される光ビームを特異ピーク光LEPと呼ぶ)の光強度は、パワーメータ14により測定したところ、約12[W]であった。この約12[W]という光強度は、振動出力光LBにおける最大の光強度(約1〜2[W])と比較して極めて大きい値といえる。因みに図26では、光サンプルオシロスコープ16の解像度が低いために、この光強度は表れていない。
さらにストリークカメラ(図示せず)による分析の結果、特異出力光LEの光強度特性UTは、特異ピークEPKにおけるピーク幅が10[ps]程度であり、振動出力光LBにおけるピーク幅(約30[ps])と比較して小さくなることも確認された。因みに図26では、光サンプルオシロスコープ16の解像度が低いために、このピーク幅は表れていない。
一方、特異出力光LEの光強度特性UTにおけるスロープ部分(以下、これを特異スロープESLと呼び、このとき出力される光ビームを特異スロープ光LESと呼ぶ)は、その波長が通常モードにおけるレーザ光LLの波長と同一であり、最大の光強度は約1〜2[W]程度であった。
このように短パルス光源装置1は、半導体レーザ3に対し振動電圧VBよりもさらに高い特異電圧VEでなるレーザ駆動信号SDを供給することにより、特異出力光LEとして特異ピーク光LEP及び特異スロープ光LESを順次出射することができる。
[2−3−5.特異出力光における発光点の移動]
次に、半導体レーザ3から特異出力光LEを出力させる際における発光点の位置を調査した。
図27(A)は、半導体レーザ3、コリメータレンズ21及び集光レンズ22を組み合わせた光学系20を模式的に示している。また図27(A)は、この光学系20において半導体レーザ3から通常出力光LNが出力された状態を示している。このとき通常出力光LNは、その発光点が半導体レーザ3の出射端面3Aに位置すると共に、その焦点が位置QNに結ばれている。
また図27(A)と対応する図27(B)は、光学系20において半導体レーザから特異スロープ光LESが出力された状態を破線で示している。このとき特異スロープ光LESは、通常出力光LNの場合と同様に、その発光点が半導体レーザ3の出射端面3Aに位置すると共に、その焦点が位置QNに結ばれている。
これに対し、光学系20において半導体レーザから特異ピーク光LEPが出力された場合、図27(B)に実線で示すように、その焦点は位置QNよりも手前の位置QPに結ばれた。このことから、特異ピーク光LEPの発光点は、半導体レーザ3の内部の点3Bに位置していることが分かった。
ここで、コリメータレンズ21のNAを0.161とし、集光レンズ22のNAを0.837としたときに、特異ピーク光LEPの焦点が形成された位置QPは、位置QNから0.37[μm]だけ手前となった。このことを基に、特異ピーク光LEPの発光点を算出したところ、半導体レーザ3の点3Bは、出射端面3Aから内部へ10[μm]の位置となった。
このように半導体レーザ3は、特異出力光LEを出力させた場合、特異スロープ光LESの出力時には通常出力光LNの出力時と同様に出射端面3Aを発光点とするものの、特異ピーク光LEPの出力時には、その発光点が内部の点3Bへ移動することが判明した。因みにこの発光点位置の違いは、実際のレーザにおける発光点のずれと測定光学系の色収差を含んだ仮想的な発光点位置の違いである。
<3.実施の形態>
次に、実施の形態について説明する。本実施の形態では、図28に示す光ディスク装置110により、上述した情報の記録再生原理及び半導体レーザによる光ビームの出力原理に基づいて、光ディスク100に情報を記録し、また当該光ディスク100から情報を再生するようになされている。
[3−1.光ディスクの構成]
図29に断面図を示すように、光ディスク100は、光ディスク装置110からレーザ光LLに相当する情報光ビームLMを照射することにより情報が記録されるようになされている。また光ディスク100は、当該情報光ビームLMを反射して情報反射光ビームLMrとし、これが光ディスク装置110に検出されることにより情報が再生されるようになされている。
実際上光ディスク100は、全体として略円板状に構成されており、情報を記録するための記録層101の両面を基板102及び103により挟んだような構成を有している。
光ディスク装置110は、光源から出射された情報光ビームLMを対物レンズ118により光ディスク100の記録層101内に集光するようになされている。
記録層101は、波長約404[nm]の光を2光子吸収する2光子吸収材料を含有している。この2光子吸収材料は、光強度の2乗に比例して2光子吸収を生じさせることが知られており、光強度の非常に大きい光に対してのみ2光子吸収を生じさせる。なおこの2光子吸収材料としては、ヘキサジイン化合物、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、フタロシアニン色素及びアゾ色素などを用いることができる。
記録層101は、比較的強い強度でなる情報光ビームLMが当該記録層101内に照射されると、2光子吸収により例えば2光子吸収材料を気化させて気泡を形成し、この結果焦点FMの位置に記録マークRMを記録する。
このとき記録層101は、2光子吸収材料であるため、光強度の2乗に比例して反応が生じる。すなわち記録層101は、例えばレンズにより集光された焦点近傍のように非常に強度の大きい情報光ビームLMのみを吸収して反応を生じ、当該焦点以外のように強度の小さい情報光ビームLMによっては殆ど反応を生じない。このため記録層101は、全体の透過率を高く保つことができる。
また光ディスク100は、記録層101と基板102との間にサーボ層104が設けられている。サーボ層104には、サーボ用の案内溝が形成されており、具体的には、一般的なBD−R(Recordable)ディスク等と同様のランド及びグルーブにより螺旋状のトラック(以下、これをサーボトラックと呼ぶ)TSが形成されている。
このサーボトラックTSには、所定の記録単位ごとに一連の番号でなるアドレスが付されており、情報を記録又は再生する際にサーボ光ビームLS(後述する)が照射されるべきサーボトラック(以下、これを目標サーボトラックTSGと呼ぶ)を当該アドレスにより特定し得るようになされている。
またサーボ層104は、いわゆる波長選択性を有しており、例えば波長約660[nm]の赤色光ビームを高い反射率で反射する一方、波長約404[nm]の青紫色光ビームを高透過率で透過するようになされている。
光ディスク装置110は、光ディスク100に対して波長約660[nm]でなるサーボ光ビームLSを照射する。このときサーボ光ビームLSは、光ディスク100のサーボ層104により反射されサーボ反射光ビームLSrとなる。
光ディスク装置110は、サーボ反射光ビームLSrを受光し、その受光結果を基に対物レンズ118を光ディスク100に近接又は離隔させるフォーカス方向へ位置制御することにより、サーボ光ビームLSの焦点FSをサーボ層104に合わせるようになされている。
また光ディスク装置110は、サーボ光ビームLSと情報光ビームLMとの光軸XLを互いにほぼ一致させている。これにより光ディスク装置110は、情報光ビームLMの焦点FMを、記録層101内における目標サーボトラックTSGに対応した箇所に、すなわち目標サーボトラックTSGを通りサーボ層104に垂直な法線上に位置させる。
この結果、光ディスク100には、記録層101内における目標サーボトラックTSGを通る法線上の目標とする位置(以下これを目標位置QGと呼ぶ)に記録マークRMが形成される。
またこのようにして形成された記録マークRMは、光ディスク100の照射面100A及びサーボ層104等の各面とほぼ平行な平面状に配置され、当該記録マークRMによるマーク層Yを形成する。
一方、光ディスク装置110は、光ディスク100から情報を再生する際、例えば照射面100A側から目標位置QGに対して情報光ビームLMを集光する。ここで焦点FMの位置(すなわち目標位置QG)に記録マークRMが形成されている場合、当該情報光ビームLMが当該記録マークRMによって反射され、情報反射光ビームLMrとなる。
光ディスク装置110は、情報反射光ビームLMrを検出すると共にその検出結果に応じた検出信号を生成し、当該検出信号を基に記録マークRMが形成されているか否かを検出する。
このように光ディスク100は、光ディスク装置110により情報が記録又は再生される場合、当該光ディスク装置110によりサーボ光ビームLSを併用しながら情報光ビームLMが目標位置QGに照射されるようになされている。
[3−2.光ディスク装置の構成]
次に、光ディスク装置110の具体的な構成について説明する。図28に示したように、光ディスク装置110は制御部111を中心に構成されている。制御部111は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、各種プログラム等が格納されるROM(Read Only Memory)と、当該CPUのワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)とによって構成されている。
制御部111は、光ディスク100に情報を記録する場合、駆動制御部112を介してスピンドルモータ115を回転駆動させ、ターンテーブル(図示せず)に載置された光ディスク100を所望の速度で回転させる。
また制御部111は、駆動制御部112を介してスレッドモータ116を駆動させることにより、光ピックアップ117を移動軸G1及びG2に沿ってトラッキング方向、すなわち光ディスク100の内周側又は外周側へ向かう方向へ大きく移動させるようになされている。
光ピックアップ117は、対物レンズ118等の複数の光学部品や短パルス光源部120等が組み込まれており、制御部111の制御に基づいて光ディスク100へ情報光ビームLM及びサーボ光ビームLS(図29)を照射するようになされている。
また光ピックアップ117は、サーボ光ビームLSが光ディスク100により反射されてなるサーボ反射光ビームLSrを検出し、その検出結果に基づいた複数の検出信号を生成し、これらを信号処理部113へ供給する。
信号処理部113は、検出信号を用いた所定の演算処理を行うことにより、フォーカスエラー信号SFE及びトラッキングエラー信号STEをそれぞれ生成し、これらを駆動制御部112へ供給する。
因みにフォーカスエラー信号SFEは、サーボ光ビームLSのサーボ層104に対するフォーカス方向のずれ量を表す信号である。またトラッキングエラー信号STEは、サーボ光ビームLSの目標とするサーボトラックTS(すなわち目標サーボトラックTSG)に対するトラッキング方向のずれ量を表す信号である。
駆動制御部112は、フォーカスエラー信号SFE及びトラッキングエラー信号STEを基に、対物レンズ118を駆動するためのフォーカス駆動信号及びトラッキング駆動信号を生成し、これらを光ピックアップ117の2軸アクチュエータ119へ供給する。
光ピックアップ117の2軸アクチュエータ119は、フォーカス駆動信号及びトラッキング駆動信号に基づいて対物レンズ118をフォーカス方向及びトラッキング方向へそれぞれ移動させる(以下、これらをそれぞれフォーカス制御及びトラッキング制御と呼ぶ)。
駆動制御部112は、このフォーカス制御及びトラッキング制御を行うことにより、対物レンズ118によって集光されるサーボ光ビームLSの焦点FSを目標となるマーク層Y(以下、これを目標マーク層YGと呼ぶ)の目標サーボトラックTSGに追従させる。
このとき制御部111は、外部から供給される記録情報を信号処理部113に供給する。信号処理部113は、記録情報に所定の変調処理等を施して記録データを生成し、レーザ制御部2へ供給する。
レーザ制御部2は、記録データに基づいて特異出力光LEでなる情報光ビームLMを出射することにより、目標マーク層YGの目標位置QGに記録マークRMを形成させる。かくして光ディスク装置110は、光ディスク100に情報を記録することができる。
また光ピックアップ117は、光ディスク100から情報を再生する場合、記録時と同様にサーボ光ビームLSの焦点FSを目標サーボトラックTSGに追従させると共に、光強度が比較的弱い情報光ビームLMを目標マーク層YGの目標位置QGへ照射する。
このとき情報光ビームLMは、記録マークRMが形成されている箇所において反射され、情報反射光ビームLMrとなる。光ピックアップ117は、この情報反射光ビームLMrを検出し、その検出結果に基づいた検出信号を生成して、これを信号処理部113へ供給する。
信号処理部113は、検出信号に対し所定の復調処理及び復号化処理等を施すことにより、目標マーク層YGの目標位置QGに記録マークRMとして記録されている情報を復元する。かくして光ディスク装置110は、光ディスク100における目標位置QGから情報を再生することができる。
このように光ディスク装置110は、光ピックアップ117からサーボ光ビームLS及び情報光ビームLMを出射し、またサーボ反射光ビームLSr及び情報反射光ビームLMrを検出する。これにより光ディスク装置110は、光ディスク100に対する情報の記録及び再生を行うようになされている。
[3−3.光ピックアップの構成]
次に、光ピックアップ117の構成について説明する。この光ピックアップ117は、図30に示すように、レーザ制御部2と、主に対物レンズ118のサーボ制御を行うサーボ光学系130と、主に情報の再生又は記録を行う情報光学系150とを有している。
光ピックアップ117は、レーザダイオード131から出射されたサーボ光ビームLS及び半導体レーザ3から出射された情報光ビームLMをそれぞれサーボ光学系130及び情報光学系150を介して同一の対物レンズ118へ入射し、光ディスク100にそれぞれ照射するようになされている。
レーザ制御部2は、駆動パルスPGを含むレーザ駆動信号SDを生成し、これを半導体レーザ3へ供給するようになされている。
[3−3−1.サーボ光ビームの光路]
図30と対応する図31に示すように、サーボ光学系130では、対物レンズ118を介してサーボ光ビームLSを光ディスク100に照射すると共に、当該光ディスク100により反射されてなるサーボ反射光ビームLSrをフォトディテクタ143により受光するようになされている。
すなわちレーザダイオード131は、制御部111(図28)の制御に基づき、波長約660[nm]の発散光でなるサーボ光ビームLSを発射し、コリメータレンズ133へ入射させる。コリメータレンズ133は、サーボ光ビームLSを発散光から平行光に変換し、偏光ビームスプリッタ134へ入射させる。
偏光ビームスプリッタ134は、光ビームの偏光方向に応じて反射率及び透過率が相違しており、P偏光でなるサーボ光ビームLSのほぼ全てを透過させ、1/4波長板136へ入射させる。
1/4波長板136は、P偏光(すなわち直線偏光)でなるサーボ光ビームLSを円偏光(例えば右円偏光)に変換し、ダイクロイックプリズム137へ入射させる。
ダイクロイックプリズム137は、反射透過面137Sが光ビームの波長に応じて反射率が相違しており、波長約660[nm]の光ビームを反射させると共に、波長約404[nm]の光ビームを透過させるようになされている。
実際上ダイクロイックプリズム137は、反射透過面137Sによりサーボ光ビームLSを反射し、これを対物レンズ118へ入射させる。
対物レンズ118は、サーボ光ビームLSを集光し、光ディスク100の照射面100A側からサーボ層104へ向けて照射する。このときサーボ光ビームLSは、図29に示したように、基板102を透過しサーボ層104において反射されることにより、サーボ光ビームLSと反対方向へ向かうサーボ反射光ビームLSrとなる。またサーボ反射光ビームLSrは、円偏光における旋回方向がサーボ光ビームLSとは反転している。
この後サーボ反射光ビームLSrは、対物レンズ118により平行光に変換された後、ダイクロイックプリズム137へ入射される。ダイクロイックプリズム137は、サーボ反射光ビームLSrを反射し、これを1/4波長板136へ入射させる。
1/4波長板136は、円偏光でなるサーボ反射光ビームLSrをS偏光(すなわち直線偏光)に変換し、偏光ビームスプリッタ134へ入射させる。偏光ビームスプリッタ134は、S偏光でなるサーボ反射光ビームLSrを反射透過面134Sにより反射し、集光レンズ141へ入射させる。
集光レンズ141は、サーボ反射光ビームLSrを収束させ、シリンドリカルレンズ42により非点収差を持たせた上でフォトディテクタ143へ照射する。
フォトディテクタ143は、複数の受光領域を有しており、各受光領域においてサーボ反射光ビームLSrの光量に応じた検出信号をそれぞれ生成し、これらを信号処理部113(図28)へ送出する。
因みにサーボ光学系130では、対物レンズ118によりサーボ光ビームLSが集光され光ディスク100のサーボ層104へ照射されるときの合焦状態が、集光レンズ141によりサーボ反射光ビームLSrが集光されフォトディテクタ143に照射されるときの合焦状態に反映されるよう、各種光学部品の光学的位置が調整されている。
信号処理部113は、いわゆる非点収差法に基づいてサーボ光ビームLSの焦点FSと光ディスク100のサーボ層104とのずれ量を表すフォーカスエラー信号SFEを算出し、これを駆動制御部112へ供給する。
また信号処理部113は、いわゆるプッシュプル法に基づいて焦点FSと光ディスク100のサーボ層104における目標サーボトラックTSGとのずれ量を表すトラッキングエラー信号STEを算出し、これを駆動制御部112へ供給する。
駆動制御部112は、フォーカスエラー信号SFEを基にフォーカス駆動信号を生成し、当該フォーカス駆動信号を2軸アクチュエータ119へ供給する。かくして駆動制御部112は、サーボ光ビームLSが光ディスク100のサーボ層104に合焦するよう、対物レンズ118をフィードバック制御(すなわちフォーカス制御)する。
また駆動制御部112は、トラッキングエラー信号STEを基にトラッキング駆動信号を生成し、当該トラッキング駆動信号を2軸アクチュエータ119へ供給する。かくして駆動制御部112は、サーボ光ビームLSが光ディスク100のサーボ層104における目標サーボトラックTSGに合焦するよう、対物レンズ118をフィードバック制御(すなわちトラッキング制御)する。
このようにサーボ光学系130は、サーボ光ビームLSを光ディスク100のサーボ層104に照射し、その反射光であるサーボ反射光ビームLSrの受光結果を信号処理部113へ供給するようになされている。これに応じて駆動制御部112は、当該サーボ光ビームLSを当該サーボ層104の目標サーボトラックTSGに合焦させるよう、対物レンズ118のフォーカス制御及びトラッキング制御を行うようになされている。
[3−3−2.情報光ビームの光路]
一方情報光学系150は、図30と対応する図32に示すように、半導体レーザ3から情報光ビームLMを出射して対物レンズ118により光ディスク100に集光するようになされている。これと共に情報光学系150は、情報光ビームLMが光ディスク100により反射されてなる情報反射光ビームLMrを受光するようにもなされている。
すなわち半導体レーザ3は、レーザ制御部2から供給されるレーザ駆動信号SDに基づき、発散光でなる情報光ビームLMを発射してコリメータレンズ152へ入射させる。
コリメータレンズ152は、情報光ビームLMを発散光から平行光に変換し、偏光ビームスプリッタ154へ入射させる。因みにコリメータレンズ152は、情報光ビームLMの収差を補正する機能も有している。
偏光ビームスプリッタ154は、反射透過面154Sにおいて、反射透過面134Sと同様、P偏光でなる光ビームを透過させると共に、S偏光でなる光ビームを反射させるようになされている。実際上偏光ビームスプリッタ154は、反射透過面154SにおいてP偏光でなる情報光ビームLMを透過し、さらに球面収差などを補正するLCP(Liquid Crystal Panel)156を介して1/4波長板157へ入射させる。
1/4波長板157は、情報光ビームLMをP偏光(すなわち直線偏光)から円偏光(例えば左円偏光)に変換してリレーレンズ158へ入射させる。
リレーレンズ158は、情報光ビームLMの光軸方向に移動し得る可動レンズ158A及び固定された固定レンズ158Bにより構成されている。
実際上リレーレンズ158は、可動レンズ158Aにより当該情報光ビームLMを平行光から収束光に変換し、収束後に発散光となった当該情報光ビームLMを固定レンズ158Bにより再度収束光に変換し、ミラー159へ入射させる。
ミラー159は、情報光ビームLMを反射することによりその進行方向を変化させ、補正レンズ162(詳しくは後述する)を順次介してダイクロイックプリズム137へ入射させる。ダイクロイックプリズム137は、反射透過面137Sにおいて波長約404[nm]でなる情報光ビームLMを透過させ、これを対物レンズ118へ入射させる。
対物レンズ118は、情報光ビームLMを集光して光ディスク100へ照射する。このとき情報光ビームLMは、図29に示したように、基板102を透過して記録層101内に合焦する。
ここで情報光ビームLMの焦点FMの位置は、当該情報光ビームLMがリレーレンズ158の固定レンズ158Bから出射される際の収束状態により定められることになる。すなわち焦点FMは、可動レンズ158Aの位置に応じて記録層101内をフォーカス方向に移動することになる。
実際上情報光学系150は、制御部111(図28)によって可動レンズ158Aの位置が制御されるようになされている。これにより情報光学系150は、光ディスク100の記録層101内における情報光ビームLMの焦点FM(図29)の深さZM(すなわちサーボ層104からの距離)を調整し、目標位置QGに焦点FMを合致させるようになされている。
このとき情報光ビームLMは、対物レンズ118によって目標位置QGに集光されることにより、当該目標位置QGに記録マークRMを形成する。
一方情報光ビームLMは、光ディスク100に記録された情報を読み出す再生処理の際、目標位置QGに記録マークRMが記録されていた場合には、焦点FMに集光した情報光ビームLMが当該記録マークRMにより反射されて情報反射光ビームLMrとなる。
このとき情報反射光ビームLMrは、情報光ビームLMと反対方向へ進行して対物レンズ118へ入射される。また情報反射光ビームLMrは、円偏向における旋回方向が情報光ビームLMから反転される。
因みに情報光ビームLMは、目標位置QGに記録マークRMが記録されていない場合には、そのほぼ全てが光ディスク100を透過する。このため上述した情報反射光ビームLMrは殆ど生成されない。
対物レンズ118は、情報反射光ビームLMrをある程度収束させ、ダイクロイックプリズム137、補正レンズ162及びミラー159を順次介してリレーレンズ158へ入射させる。
リレーレンズ158は、情報反射光ビームLMrを平行光に変換し、1/4波長板157へ入射させる。1/4波長板157は、円偏光でなる情報反射光ビームLMrをS偏光(すなわち直線偏光)に変換し、LCP156を介して偏光ビームスプリッタ154へ入射させる。
偏光ビームスプリッタ154は、S偏光でなる情報反射光ビームLMrを反射透過面154Sにより反射し、マルチレンズ165へ入射させる。マルチレンズ165は、情報反射光ビームLMrを集光し、ピンホール板166を介してフォトディテクタ167へ照射させる。
ピンホール板166は、マルチレンズ165により集光される情報反射光ビームLMrの焦点を孔部166H内に位置させるよう配置されており、当該情報反射光ビームLMrをそのまま通過させる。一方ピンホール版166は、焦点が孔部166H内に形成されなかった光、すなわち光ディスク100内における目標位置QG以外の箇所において反射された光(いわゆる迷光)等については、遮断する。
この結果フォトディテクタ167は、迷光の影響を受けることなく、情報反射光ビームLMrの光量に応じた再生検出信号を生成し、これを信号処理部113(図28)へ供給する。
信号処理部113は、再生検出信号に対して所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより再生情報を生成し、この再生情報を制御部111へ供給するようになされている。
このように情報光学系150は、レーザ制御部122からのレーザ駆動信号SDに基づいて半導体レーザ3から情報光ビームLMを出射し光ディスク100へ照射するようになされている。また情報光学系150は、光ディスク100からの情報反射光ビームLMrを受光し、その受光結果を信号処理部113へ供給するようになされている。
[3−4.記録マークの形成位置]
次に、光ディスク100の記録層101において記録マークRMが形成される位置について説明する。
[3−4−1.仮想的な光学系における記録マークの形成]
まず、光ピックアップ117における情報光学系150と対比するために、当該情報光学系150と対応する仮想光学系150Vを想定する。
図33に示すように、仮想光学系150Vは、半導体レーザ3、コリメータレンズ152及び対物レンズ118により構成されており、当該半導体レーザ3から特異出力光LEでなる情報光ビームLMを出射するようになされている。因みにコリメータレンズ152及び対物レンズ118のNAは、光学系20(図27(B))の場合と同様に、それぞれ0.161及び0.837とする。
半導体レーザ3は、特異出力光LEを出射する場合、図26に示したように、まず波長398[nm]でなる特異ピーク光LEPを出射し、続いて波長404[nm]でなる特異スロープ光LESを出射することになる。
ここで半導体レーザ3は、まず特異ピーク光LEPを出射する際、光学系20(図27(B))の場合と同様に、その発光点が特異スロープ光LESにおける発光点である出射端面3Aから内部へ約10[μm]移動した箇所となる。
これに伴い特異ピーク光LEPの焦点FMPは、図27(B)に示した場合と同様に、情報光ビームLMが本来合焦すべき目標位置QGよりも約0.3[μm]手前側に位置する。ここでは、説明の都合上、目標位置QGの深さ(すなわちサーボ層104からの距離)を深さZGとし、焦点FMPの深さを深さZPとする。
このとき光ディスク100の記録層101では、図34(A)に示すように、特異ピーク光LEPの焦点FMP近傍において2光子吸収反応が生じることにより、当該記録層101を構成する材料の光吸収が変化して、吸収変化領域RAを形成する。
一方半導体レーザ3は、特異ピーク光LEPに続いて特異スロープ光LESを出射する際、光学系20(図27(B))の場合と同様に、その発光点を出射端面3Aとする。
このとき記録層101では、図34(A)に示したように、特異スロープ光LESの焦点FMSが目標位置QGに位置する。このため当該特異スロープ光LESのエネルギーは、その焦点FMPの近傍の領域(以下これをエネルギー集中領域REと呼ぶ)に集中する。
しかしながら特異スロープ光LESの焦点FMSは、特異ピーク光LEPの焦点FMP(すなわち深さZP)よりも、光ディスク100の入射面100A側から見て約0.3[μm]遠方となる目標位置QG(すなわち深さZG)に位置している。
このとき記録層101では、吸収変化領域RA及びエネルギー集中領域REが重なった部分を中心に記録マークRMが形成される。この結果記録マークRMは、目標位置QGよりもやや入射面100A側に偏った位置に形成されることになる。
このように仮想光学系150Vでは、半導体レーザ3から情報光ビームLMとして特異ピーク光LEP及び特異スロープ光LESを順次出射した結果、目標位置QGから入射面100A側にずれた箇所に記録マークRMを形成してしまう。
[3−4−2.補正レンズによる記録マーク形成位置の補正]
そこで情報光学系150は、補正レンズ162により記録マークRMの形成位置を補正するようになされている。
図35は、情報光学系150における一部の部品を示しており、半導体レーザ3から出射された情報光ビームLMがコリメータレンズ152、補正レンズ162及び対物レンズ118を順次介して光ディスク100へ照射される様子を模式的に表している。
すなわち図33に示す情報光学系150は、仮想光学系150Vに補正レンズ162を追加したような構成となっている。
補正レンズ162は、図36に示すように、凸レンズ状でなる凸レンズ部162Aと凹レンズ状でなる凹レンズ部162Bとが接合面162Sにおいて接合されている。
凸レンズ部162Aは、情報光ビームLMが入射される入射面162AJが比較的大きな曲率半径の曲面で構成されると共に、当該情報光ビームLMを出射する出射面162AKが比較的小さな曲率半径の曲面で構成されている。
また凸レンズ部162Aは、所定のガラス材料M1により構成されている。このガラス材料M1は、波長405[nm]における屈折率N1(405)が1.780であり、分散νd1が53.3となっている。
凹レンズ部162Bは、情報光ビームLMが入射される入射面162BJが凸レンズ部162Aの出射面162AKとほぼ同等の曲面で構成されると共に、当該情報光ビームLMを出射する出射面162BKが平面で構成されている。
また凹レンズ部162Bは、凸レンズ部162Aと異なる光学特性を有するガラス材料M2により構成されている。このガラス材料M2は、波長405[nm]における屈折率N2(405)が1.789であり、分散νd2が53.3となっている。すなわちガラス材料M2は、ガラス材料M1と比較して、波長405[nm]における屈折率Nがほぼ同等であるものの、分散νdは大きく相違している。
ここで、ガラス材料M1及びガラス材料M2における光の波長と屈折率との関係を、図37に特性曲線UN1及びUN2として示す。ガラス材料M1及びガラス材料M2は、互いの分散νdが相違していること並びに特性曲線UN1及びUN2が相違してることから分かるように、光の波長が変化したときにおける、互いの屈折率の変化の度合いが相違している。
この補正レンズ162(図36)は、波長405[nm]の光ビームに関し、凸レンズ部162Aのガラス材料M1と凹レンズ部162Bのガラス材料M2とで屈折率Nがほぼ同等となる。このため補正レンズ162は、波長405[nm]の光ビームが入射された際、接合面162Sにおいて当該光ビームを殆ど屈折させることなく透過させる。
これに対し補正レンズ162は、波長405[nm]以外の波長でなる光ビームに関し、凸レンズ部162Aのガラス材料M1と凹レンズ部162Bのガラス材料M2とで屈折率Nが相違する。このため補正レンズ162は、波長405[nm]以外の光ビームが入射された際、接合面162Sにおいて当該光ビームを屈折させ、当該接合面162Sをレンズとして作用させる。
すなわち補正レンズ162は、波長404[nm]でなる特異スロープ光LESに対して殆ど作用することなく透過させ、波長398[nm]でなる特異ピーク光LEPに対して接合面162Sを凹レンズとして作用させ発散角を拡大するよう変換する。
この結果補正レンズ162は、当該補正レンズ162が設けられていない仮想光学系150Vの場合と比較して、特異ピーク光LEPの焦点FMPを入射面100Aから遠ざけることができる。
ここで、仮想光学系150V(図33)及び情報光学系150(図35)における、情報光ビームLMの波長と焦点FMの深さZMとの関係を、図38にそれぞれ特性曲線UF1及びUF2として示す。
因みに図38は、目標位置QGの深さZGを基準位置として、焦点FMの相対的な位置(すなわち深さZM)を縦軸に表している。また情報光ビームLMの発光点については、半導体レーザ3の出射端面3A(図27)に統一している。
特性曲線UF1から分かるように、仮想光学系150Vの場合、補正レンズ162が設けられていないため、情報光ビームLMの波長に拘わらず焦点FMの深さZMは変化しない。
これに対し特性曲線UF2から分かるように、情報光学系150の場合、補正レンズ162の存在により、情報光ビームLMの波長に応じて焦点FMの深さは変化する。
特に情報光学系150は、波長405[nm]付近では焦点FMの深さZMを基準位置QGの深さZGと同一とするものの、波長398[nm]付近では焦点FMの深さZMを約0.3[μm]深くすること、すなわち遠方へ移動させることができる。この約0.3[μm]という深さは、図27(B)における位置QNと位置QPとの距離に合わせて設定された値である。
因みに補正レンズ162は、光学設計に基づき、凸レンズ部162Aの光軸部分における厚さHAを1.3[mm]、凹レンズ部162Bの光軸部分における厚さHBを0.8[mm]とした。また補正レンズ162は、入射面162AJの曲率半径R1を162.238[mm]、出射面162AK及び入射面162BJの曲率半径R2をいずれも7.240[mm]とした。
この結果情報光学系150は、図34(A)と対応する図34(B)に示すように、特異ピーク光LEPにおける焦点FMPの深さZPを、特異スロープ光LESにおける焦点FMSの深さZGに揃えることができる。すなわち情報光学系150は、特異ピーク光LEPの焦点FMP及び特異スロープ光LESの焦点FMSをいずれも目標位置QGに位置させることができる。
これにより光ディスク100の記録層101では、吸収変化領域RA及びエネルギー集中領域REがいずれも目標位置QGを中心に形成されるため、記録マークRMが当該目標位置QGを中心として形成される。
このように情報光学系150は、補正レンズ162により、特異スロープ光LESを透過する一方、特異ピーク光LEPを屈折させるようになされている。これにより情報光学系150は、特異スロープ光LESの焦点FMSを目標位置QGに固定したまま、特異ピーク光LEPにおける焦点FMPの深さZPを変化させ、当該焦点FMPを当該焦点FMSと同一の目標位置QGに位置させることができる。
[3−5.動作及び効果]
以上の構成において、光ディスク装置110の情報光学系150は、半導体レーザ3から情報光ビームLMとして特異出力光LEの特異ピーク光LEP及び特異スロープ光LESを順次出力させる。
このとき報光学系150は、コリメータレンズ152、補正レンズ162及び対物レンズ118を順次介し、特異ピーク光LEP及び特異スロープ光LESを光ディスク100の記録層101へ順次照射する。
補正レンズ162は、波長398[nm]でなる特異ピーク光LEPに対し凹レンズとして作用することによりその発散角を変化させる一方、特異スロープ光LEPをそのまま透過させる(図35)。
対物レンズ118は、特異ピーク光LEP及び特異スロープ光LESをそれぞれ集光することにより、光ディスク100の記録層101内に焦点FMP及びFMSをそれぞれ形成させる。
このとき情報光学系150は、特異ピーク光LEPの発散角を変化させているため、当該特異ピーク光LEPにおける焦点FMPの深さZPを、特異スロープ光の焦点FMSと同等の深さZGに合わせることができる。
従って情報光学系150は、記録層101内において、特異スロープ光LESによるエネルギー集中領域REの中心を、特異ピーク光LEPにより形成される吸収変化領域RAの中心である目標位置QGに合わせることができる。
この結果情報光学系150は、吸収変化領域RA及びエネルギー集中領域REが重なる部分に、目標位置QGを中心とした記録マークRMを形成することができる(図34(B))。
このとき情報光学系150は、補正レンズ162が設けられていない仮想光学系150Vの場合(図34(A))と異なり、記録マークRMを本来形成すべき位置、すなわち目標位置QGを中心とした位置に形成することができる。
この結果情報光学系150は、光ディスク100の記録層101に対する情報の記録精度を高めることができる。
これにより情報光学系150は、例えば既存の記録マークRMを基準として新たな記録マークRMの形成位置を定めるような場合に、誤差の累積により当該新たな記録マークRMの形成位置が本来記録すべき位置から大きく相違してしまうことを防止できる。
ところで特異出力光LEは、時間の経過に伴い特異ピーク光LEPから特異スロープ光LESに切り替わる。このため情報光学系150においては、この切り替わりのタイミングに合わせて情報光ビームLMの光路中で補正レンズを可動する等の手法も考えられる。
しかしながら、特異出力光LEは数十[ps]という極めて短い時間で特異スロープ光LESから特異ピーク光LEPに切り替わるため、一般にこの切り替わりのタイミングに合わせて極めて高速に機械的な動作を行うことは困難といえる。
これに対し情報光学系150は、補正レンズ162の光学特性を利用しており、機械的な動作を伴う必要がないため、安定的に特異スロープ光LESに殆ど影響を及ぼすことなく特異ピーク光LEPの発散角を変化させることができる。
また補正レンズ162は、通常出力光LNと同様の波長404[nm]でなる特異スロープ光LES対して何ら作用しない一方、波長398[nm]でなる特異ピーク光LEPの発散角を変化させている。
このため補正レンズ162は、通常出力光LNに対しても殆ど影響を及ぼすことがない。従って情報光学系150では、光ディスク100から情報を再生する際に、補正レンズ162に影響されることなく、通常出力光LN又は振動出力光LBでなる情報光ビームLMを目標位置QGに合焦させることができる。
以上の構成によれば、光ディスク装置110の情報光学系150は、半導体レーザ3から情報光ビームLMとして特異ピーク光LEP及び特異スロープ光LESを順次出力させ、補正レンズ162により特異ピーク光LEPの発散角を変化させる。これにより情報光学系150は、記録層101において特異ピーク光LEPによる吸収変化領域RA及び特異スロープ光LESによるエネルギー集中領域REをいずれも目標位置QGを中心に形成することができる。この結果情報光学系150は、目標位置QGを中心に記録マークRMを形成することができ、光ディスク100に対する情報の記録精度を高めることができる。
<4.他の実施の形態>
なお上述した実施の形態においては、特異スロープ光の発光点が半導体レーザ3の出射端面3A(図27(B))に位置し、特異ピーク光の発光点が当該出射端面3Aから約10[μm]内部の点3Bに位置する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、特異ピーク光LEPの発光点が点3B以外の箇所に位置する場合に適用しても良い。この場合、特異ピーク光LEPの発光点としては、半導体レーザ3の内部又は外部のいずれであっても良い。また特異ピーク光LEPの発光点は、特異スロープ光LESの光軸上にあることが望ましいが、当該光軸上から外れていても良い。この場合、特異ピーク光LEPと特異スロープ光LESとの光軸が相違するため、例えばプリズムを用いて両者の光軸を揃える等すれば良い。
また上述した実施の形態においては、補正レンズ162により、波長398[nm]でなる特異ピーク光LEPの焦点FMPを0.3[μm]遠方へ位置させるようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、特異ピーク光LEPの焦点FMPの移動幅を任意の値としても良く、要は吸収変化領域RAが目標位置QGを中心に形成されれば良い。
また上述した実施の形態においては、補正レンズ162により特異ピーク光LEPの発散角を変化させる一方、特異スロープ光LESの発散角については変化させないようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、補正レンズ162により特異スロープ光LESの発散角を変化させる一方、特異ピーク光LEPの発散角を変化させないようにしても良い。この場合、特異スロープ光LESにおける焦点FMSの深さZを特異ピーク光LEPにおける焦点FMPの深さZPに合わせることができる。さらには、補正レンズ162により特異ピーク光LEP及び特異スロープ光LESの発散角をいずれも変化させるようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、凸レンズ状の凸レンズ部162Aと凹レンズ状の凹レンズ部162Bとを接合面162Sにおいて接合させた補正レンズ162を用いる場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、他の種々のレンズを組み合わせた補正レンズを用いるようにしても良い。この場合、補正レンズとしては、構成する各レンズの分散が互いに相違することにより、補正レンズ全体として、特異ピーク光LEPの波長398[nm]における屈折率と特異スロープ光LESの波長404[nm]における屈折率とが相違していれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、凸レンズ部162Aをガラス材料M1により構成すると共に凹レンズ部162Bをガラス材料M2により構成する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、凸レンズ部162A及び凹レンズ部162Bを、それぞれ任意のガラス材料又は樹脂材料等により構成するようにしても良い。この場合、凸レンズ部162Aと凹レンズ部162Bとにおいて、特異スロープ光LESの波長404[nm]における屈折率がほぼ同等であり特異ピーク光LEPの波長398[nm]における屈折率が相違していれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、補正レンズ162によって特異ピーク光LEPの発散角を変化させる一方、特異スロープ光LESをそのまま透過するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばホログラムや回折格子等、或いはこれらを組み合わせた種々の光学素子により、特異ピーク光LEPの発散角を変化させる一方、特異スロープ光LESをそのまま透過するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、記録層101において、特異ピーク光LEPにより2光子吸収反応を生じさせて吸収変化領域RAを形成し、特異スロープ光LESのエネルギー集中領域REと当該吸収変化領域RAとの重複範囲に熱反応を生じさせ記録マークRMを形成する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、特異ピーク光LEPにより任意の第1の反応を生じさせ、特異スロープ光LESのエネルギー集中領域REと第1の反応が生じた領域との重複範囲で任意の第2の反応を生じさせ記録マークRMを形成するようにしても良い。この場合記録層101としては、特異ピーク光LEPにより第1の反応を生じ、当該第1の反応が生じた部分に特異スロープ光が照射されることにより第2の反応を生じるような材料により構成されていれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、半導体レーザ3から出射される光ビームLL(情報光ビームLM)の波長を404[nm]とした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、当該光ビームLLを他の波長とするようにしても良い。この場合、光ディスク100における記録層101の構成材料等を適切に選定することにより、当該記録層101内における目標位置QGの近傍に記録マークRMを適切に形成できれば良い。例えば、波長と集光時のビーム径との関係等を考慮して、当該波長を390〜460[nm]の範囲とすることが考えられる。
さらに上述した実施の形態においては、レーザ制御部2から半導体レーザ3へ矩形状のパルス電流を供給するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、要は短時間に亘って大きな振動電圧VBでなるパルス電流を半導体レーザ3へ供給すれば良く、例えば正弦波状でなる駆動パルスPDを供給するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、半導体レーザ3として一般的な半導体レーザ(ソニー株式会社製、SLD3233等)を用いるようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、要は、p型とn型の半導体を用いてレーザ発振を行ういわゆる半導体レーザであれば良い。さらに好ましくは、敢えて緩和振動を大きく生じさせやすくした半導体レーザを用いると良い。
さらに上述した実施の形態においては、記録層101が非線形吸収を示す2光子吸収材料を含有するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、非線形吸収を示す材料として、例えばプラズモン共鳴を生じさせる銀や金のナノ粒子を用いるようにしても良い。また光エネルギーの積算量に応じて記録マークRMを形成する記録層に対して情報光ビームLMを照射するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、記録層101に2T〜11Tのマーク長を有する記録マークRMを形成しても良く、また1Tマークに対して「1」と「0」を割り当て、記録マークRMの有無によって情報を記録するようにしても良い。さらに1つの記録マークRM(すなわち1T)に対して1つの振動出力光LBである必要はなく、2以上の振動出力光LBによって記録マークRMを形成しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、サーボ層104に案内溝でなる螺旋状のトラックを形成するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば案内溝に変えてピット等が形成され、或いは案内溝とピット等とが組み合わされていても良い。またサーボ層104のトラックは、螺旋状でなく同心円状であっても良い。
さらに上述した実施の形態においては、サーボ光学系130によりサーボ層104を用いてサーボ制御を行うようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば記録層101内に予め位置決めの基準となるサーボ用マークを形成しておき、サーボ光学系130により当該サーボ用マークを用いてサーボ制御を行うようにしても良い。この場合、光ディスク100のサーボ層104を省略することができる。
さらに上述した実施の形態においては、空洞でなる記録マークRMを形成するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば化学変化によって屈折率を局所的に変化させることにより記録マークRMを形成するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク100の基板102側から情報光ビームLMを照射するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば情報光ビームLMを基板103側の面から照射するようにする等、情報光ビームLMをそれぞれいずれの面、もしくは両面から照射するようにしても良い。なお情報光ビームLMを両面から照射する手法については、例えば特許文献2に記載された手法を用いることができる。
特開2008−71433公報
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク装置110が光ディスク100に情報を記録し、また当該情報を再生するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、光ディスク装置110が光ディスク100に対して情報の記録のみを行うようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、半導体レーザとしての半導体レーザ3と、発散角相違部としての補正レンズ162と、対物レンズとしての対物レンズ118とによって光ピックアップとしての光ピックアップ117を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる半導体レーザと、発散角相違部と、対物レンズとによって光ピックアップを構成するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、半導体レーザとしての半導体レーザ3と、発散角相違部としての補正レンズ162と、対物レンズとしての対物レンズ118と、レンズ駆動制御部としての駆動制御部112及び2軸アクチュエータ119とによって光ディスク装置としての光ディスク装置110を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる半導体レーザと、発散角相違部と、対物レンズと、レンズ駆動制御部によって光ディスク装置を構成するようにしても良い。
本発明は、例えば映像コンテンツや音声コンテンツ等のような大容量の情報を光ディスク等の記録媒体に記録し又は再生する光情報記録再生装置等でも利用できる。
1光子吸収による記録マークの形成の説明に供する略線的断面図である。 2光子吸収による記録マークの形成の説明に供する略線的断面図である。 記録光ビームにおける光強度の変化の説明に供する略線図である。 2光子吸収反応の様子の説明に供する略線図である。 短パルス光源装置の構成を示す略線図である。 パルス信号及びレーザ駆動信号を示す略線図である。 注入キャリア密度と光子密度との関係(1)の説明に供する略線図である。 注入キャリア密度とキャリア密度との関係の説明に供する略線図である。 注入キャリア密度と光子密度との関係(2)の説明に供する略線図である。 PT1における光子密度の説明に供する略線図である。 PT2における光子密度の説明に供する略線図である。 PT3における光子密度の説明に供する略線図である。 実際の発光波形を示す略線図である。 駆動信号と光強度との関係を示す略線図である。 光測定装置の構成を示す略線図である。 各パルスの形状を示す略線図である。 パルス信号と駆動パルスとの関係を示す略線図である。 駆動パルスの電圧を変化させたときの光強度特性を示す略線図である。 駆動パルスの電圧が8.8[V]のときにおける波長特性及び光強度特性を示す略線図である。 駆動パルスの電圧が13.2[V]のときにおける波長特性及び光強度特性を示す略線図である。 駆動パルスの電圧が15.6[V]のときにおける波長特性及び光強度特性を示す略線図である。 駆動パルスの電圧が17.8[V]のときにおける波長特性及び光強度特性を示す略線図である。 駆動パルスの電圧が38.4[V]のときにおける波長特性及び光強度特性を示す略線図である。 BPFの有無による光強度特性の相違を示す略線図である。 BPFの有無による波長特性の相違を示す略線図である。 特異出力光の光強度特性を示す略線図である。 特異出力光における発光点及び焦点の相違の説明に供する略線図である。 光ディスク装置の全体構成を示す略線図である。 光ディスクの構成を示す略線図である。 第1の実施の形態による光ピックアップの構成を示す略線図である。 サーボ光ビームの光路を示す略線図である。 情報光ビームの光路を示す略線図である。 仮想光学系の構成を示す略線図である。 記録マークの形成の説明に供する略線図である。 情報光学系の構成(1)を示す略線的回路図である。 補正レンズの構成を示す略線図である。 補正レンズの材料における波長と屈折率との関係 波長と焦点位置との関係を示す略線図である。
符号の説明
3……半導体レーザ、100……光ディスク、101……記録層、110……光ディスク装置、111……制御部、112……駆動制御部、113……信号処理部、117……光ピックアップ、118……対物レンズ、150……情報光学系、162……補正レンズ、LL……レーザ光、LM……情報光ビーム、LE……特異出力光、LEP……特異ピーク光、LES……特異スロープ光、XP、XS……光軸、FM、FMP、FMS……焦点、QG……目標位置、RA……吸収変化領域、RE……エネルギー集中領域、RM……記録マーク。

Claims (8)

  1. パルス状でなり所定の特異電圧でなる駆動パルスが供給された際、パルス状の光強度特性を有する特異ピーク光と、当該特異ピーク光よりも光強度が小さいスロープ状の光強度特性を有し当該特異ピーク光と異なる波長でなる特異スロープ光とを、レーザ光として順次出射する半導体レーザと、
    上記レーザ光の波長に応じて上記特異ピーク光及び上記特異スロープ光の発散角を相違させる発散角相違部と、
    光ディスクの記録層に、上記特異ピーク光を集光し焦点近傍の領域に第1の反応を生じさせた後、上記特異スロープ光を上記特異ピーク光と同一の焦点位置に集光して上記第1の反応が生じた領域に第2の反応を生じさせることにより、記録マークを形成する対物レンズと
    を有する光ピックアップ。
  2. 上記半導体レーザは、
    光強度が振動しない通常出力光及び上記特異スロープ光を出射する際には出射端面を発光点とする一方、上記特異ピーク光を出射する際には当該出射端面以外の箇所を発光点とし、
    上記発散角相違部は、
    上記特異スロープ光の発散角を変化させず、上記特異ピーク光の発散角を変化させる
    請求項1に記載の光ピックアップ。
  3. 上記半導体レーザは、
    上記特異ピーク光を出射する際には当該半導体レーザの内部における所定箇所を発光点とし、
    上記発散角相違部は、
    上記特異スロープ光の発散角を変化させず、上記特異ピーク光の発散角を拡大させる
    請求項2に記載の光ピックアップ。
  4. 上記発散角相違部は、
    互いに分散が相違する材料でなる第1のレンズ及び第2のレンズを有し、当該第1のレンズ及び当該第2のレンズの間で、上記特異スロープ光の波長における屈折率がほぼ同等である一方、上記特異ピーク光の波長における屈折率が相違する
    請求項2に記載の光ピックアップ。
  5. 上記発散角相違部は、
    互いに分散が相違する材料でなる第1のレンズ及び第2のレンズにより構成されている
    請求項1に記載の光ピックアップ。
  6. 上記光ディスクの上記記録層は、
    上記特異ピーク光の焦点近傍の領域に2光子吸収反応を生じると共に、当該2光子吸収反応が生じた領域に上記特異スロープ光が集光され熱反応を生じることにより、上記記録マークが形成される
    請求項1に記載の光ピックアップ。
  7. 半導体レーザに対しパルス状でなり所定の特異電圧でなる駆動パルスを供給することにより、当該半導体レーザから、パルス状の光強度特性を有する特異ピーク光と、当該特異ピーク光よりも光強度が小さいスロープ状の光強度特性を有し当該特異ピーク光と異なる波長でなる特異スロープ光とを、レーザ光として順次出射させる出射ステップと、
    上記レーザ光の波長に応じて上記特異ピーク光及び上記特異スロープ光の発散角を相違させる発散角相違ステップと、
    光ディスクの記録層に、所定の対物レンズにより上記特異ピーク光を集光し当該特異ピーク光の焦点近傍の領域に第1の反応を生じさせ、上記対物レンズにより上記特異スロープ光を集光し当該特異スロープ光の焦点近傍であり上記第1の反応が生じた領域に第2の反応を生じさせることにより、記録マークを形成する集光ステップと
    を有する光情報記録方法。
  8. パルス状でなり所定の特異電圧でなる駆動パルスが供給された際、パルス状の光強度特性を有する特異ピーク光と、当該特異ピーク光よりも光強度が小さいスロープ状の光強度特性を有し当該特異ピーク光と異なる波長でなる特異スロープ光とを、レーザ光として順次出射する半導体レーザと、
    上記レーザ光の波長に応じて上記特異ピーク光及び上記特異スロープ光の発散角を相違させる発散角相違部と、
    光ディスクの記録層に、上記特異ピーク光を集光し焦点近傍の領域に第1の反応を生じさせた後、上記特異スロープ光を上記特異ピーク光と同一の焦点位置に集光して上記第1の反応が生じた領域に第2の反応を生じさせることにより、記録マークを形成する対物レンズと、
    上記対物レンズを駆動することにより、上記特異ピーク光及び上記特異スロープ光における焦点の位置を制御するレンズ駆動制御部と
    を有する光ディスク装置。

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