JP2010092311A - 店舗端末、及び情報処理サーバ - Google Patents

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Abstract

【課題】他店舗に送客すると共に、その送客効果を確認する。
【解決手段】ユーザは、携帯電話7の電子マネー機能を用いて加盟店81の「山田定食」で複数回決済したことがある。電子マネーサーバ2は、他の加盟店81「うどんの中海」への案内情報を「山田定食」の店舗端末に送っておく。店舗端末は、当該案内情報を受信して記憶しておく。ユーザが、再度「山田定食」で食事をして携帯電話7で決済すると、「山田定食」の店舗端末は、レシート82に「うどんの中海」への案内情報を印字する。ユーザが案内に従って「うどんの中海」へ行って食事をして携帯電話7で決済すると、「うどんの中海」の店舗端末は、取引ログを電子マネーサーバ2に送信する。電子マネーサーバ2は、「うどんの中海」からの取引ログによって、ユーザが案内に従って「うどんの中海」に送客されたことを確認する。
【選択図】図1

Description

本発明は、店舗端末、及び情報処理サーバに関し、例えば、ユーザの有するICチップを用いてユーザをグループ内の店舗間で送客するものに関する。
近年、企業同士が協力したり、複数の企業が合併・吸収されるなどして、異なる系統の店舗が経営上の関連性を有し、グループを構成する場合がある。
また、例えば、立ち食いそばのチェーン店である「○○そば屋」と喫茶店の「○×喫茶」が合併した場合、単一の企業が「○○そば屋」と「○×喫茶」を経営することになり、両店舗は経営上のグループを構成することになる。
このように、複数の店舗がグループを形成している場合、グループ内の店舗で互いに送客したいとの要望が考えられる。
グループ内で送客する場合、各店舗がグループ内の他店舗のクーポンを発行することが考えられるが、この場合、クーポンを発行する店舗と、クーポンが使用される店舗が異なるため、如何にして送客効果を確認するかが課題となる。
そこで、この課題を解決する技術として次の特許文献1の「クーポン発行システムおよびクーポン発行方法」がある。
特開2007−213281公報
この技術は、クーポンの発行主体と、クーポンが使用される店舗の事業者が別である場合に、クーポンに2次元バーコードを印刷しておき、これを店舗のバーコードリーダーで読み取ることにより、クーポンの発行主体がクーポンによる送客効果を確認できるようにするものである。
一方、近年、電子的な情報処理により商取引を行う電子マネーシステムを導入する店舗が増加している。
電子マネーによる商取引は、バリューと呼ばれる金銭と同等の交換価値を持つ電子データを操作して価値の移動を行うことにより行われる。
バリューは、金額を表す電子データであって、金額情報としてICチップに書き込まれている。
このICチップは、例えば、携帯電話や樹脂製のカードなどに内蔵されており、ユーザに電子財布として携帯される。
ICチップが記憶するバリューの金額は、店舗の会計エリアに設置した店舗端末からICチップにアクセスして増減することができ、バリューの減額により決済を行うことができる。
グループを構成する企業の店舗が電子マネーシステムを使用している場合がある。そこで、電子マネーシステムを利用して他店舗に送客すると共に、送客効果を確認する方法があれば、既存の電子マネーシステムを送客効果が確認できる送客システムとして利用することができ、送客システムを安価に構築することができるため、そのような方法が模索されていた。
そこで、本発明は、他店舗に送客すると共に、その送客効果を確認することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、グループを構成する店舗に設置された店舗端末であって、ユーザの有するICチップからID情報を読み出すID情報読み出し手段と、前記読み出したID情報に対して前記グループに含まれる他店舗への案内情報を出力する案内情報出力手段と、前記読み出したID情報と、前記出力した他店舗を特定する情報と、を含む案内済み情報を所定のサーバに送信する案内済み情報送信手段と、を具備したことを特徴とする店舗端末を提供する。
請求項2に記載の発明では、ID情報に対応させた案内情報を予め記憶する案内情報記憶手段を具備し、前記案内情報出力手段は、前記読み出したID情報に対する案内情報を前記案内情報記憶手段から取得して出力することを特徴とする請求項1に記載の店舗端末を提供する。
請求項3に記載の発明では、前記読み出したID情報を所定のサーバに送信するID情報送信手段を具備し、前記案内情報出力手段は、前記送信したID情報に対して前記所定のサーバが送信してきた案内情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の店舗端末を提供する。
請求項4に記載の発明では、前記ICチップは、貨幣価値の金額を記憶し、店舗端末から入力された金額変更情報を用いて前記記憶した貨幣価値の金額を変更する電子マネー機能を備えており、前記ICチップに金額変更情報を入力して、当該ICチップが記憶する貨幣価値の金額を変更させる金額処理手段を具備し、前記ID情報読み出し手段は、前記金額処理手段で金額の変更をする際に、前記ICチップを特定するために読み出したID情報を取得することを特徴とする請求項1から請求項3までのうちの何れか1の請求項に記載の店舗端末を提供する。
請求項5に記載の発明では、ユーザが有するICチップと、店舗に設置され、前記ICチップからID情報を読み取る店舗端末と、前記店舗端末から読み取ったID情報を受信する情報処理サーバと、を用いて構成された送客システムで使用される情報処理サーバであって、案内元店舗の店舗端末から、当該店舗端末がユーザのICチップから読み取ったID情報と、当該ID情報に対して当該店舗端末が案内した案内先店舗を特定する案内先店舗特定情報と、を含む案内済み情報を受信する案内済み情報受信手段と、前記案内先店舗の店舗端末から、当該店舗端末がICチップから読み取ったID情報を受信するID情報受信手段と、前記案内元店舗の店舗端末から受信した案内済み情報と、前記案内先店舗の店舗端末から受信したID情報と、を照合することにより、案内情報によってユーザが案内元店舗から案内先店舗に送客されたことを確認する送客確認手段と、を具備したことを特徴とする情報処理サーバを提供する。
請求項6に記載の発明では、店舗端末が設置された店舗をグループ化して記憶するグループ記憶手段と、ID情報と、前記グループに属する店舗の案内情報と、を対応付けた案内情報を記憶する案内情報記憶手段と、1の店舗の店舗端末に対して、前記記憶した、当該店舗以外の店舗の案内情報を送信する案内情報送信手段と、を具備したことを特徴とする請求項5に記載の情報処理サーバを提供する。
請求項7に記載の発明では、前記案内情報送信手段は、前記ID情報を所定回数以上送信してきた店舗端末が設置されている店舗の店舗端末に、前記送客先情報を送信することを特徴とする請求項6に記載の情報処理サーバを提供する。
請求項8に記載の発明では、前記案内情報送信手段は、前記ID情報受信手段で1の店舗端末から当該店舗端末が読み出したID情報を受信した場合に、当該店舗端末に案内情報を送信することを特徴とする請求項6に記載の情報処理サーバを提供する。
請求項9に記載の発明では、前記ICチップには、貨幣価値の金額を電子データとして記憶し、金額変更情報を用いて前記記憶した金額を変更する電子マネー機能部が形成されており、前記店舗端末には、前記ICチップに金額変更情報を入力して前記ICチップが記憶する貨幣価値の金額を変更させる機能部が形成されており、前記店舗端末からICチップと行った処理内容を記録した取引情報を受信する取引情報受信手段と、取引情報の内容に基づいて案内先店舗を選択する選択基準を記憶した選択基準記憶手段と、前記受信した取引情報を前記記憶した選択基準と照合して、前記ICチップのID情報と、案内情報と、を対応付ける対応付け手段と、を具備し、前記案内情報記憶手段は、前記対応付けた案内情報を記憶することを特徴とする請求項6、請求項7、又は請求項8に記載の情報処理サーバを提供する。
請求項10に記載の発明では、前記送客確認手段によって、ユーザが案内元店舗から案内先店舗に送客されたことを確認できた場合に、当該ユーザのICチップが記憶する貨幣価値の金額を増額する金額変更情報を生成する金額変更情報生成手段と、前記生成した金額変更情報を前記ICチップに送信する金額変更情報送信手段と、を具備したことを特徴とする請求項9に記載の情報処理サーバを提供する。
本発明によれば、電子マネーの使用に際してユーザに他店舗への案内情報を提供し、電子マネーによる取引ログと、ユーザに提供した案内情報を照合することにより、送客効果を確認することができる。
(A)実施の形態の概要
以下、図1の括弧に示した番号に対応して本実施の形態の概要を説明する。
(1)ユーザは、携帯電話7(又は電子マネーカード6)の電子マネー機能を用いて加盟店81の「山田定食」で決済する。
(2)「山田定食」の店舗端末8は、携帯電話7との取引ログを電子マネーサーバ2に送信する。ユーザは、「山田定食」を複数回利用したことがあり、電子マネーサーバ2は、取引ログを解析して当該ユーザが「山田定食」をよく訪れる客であることを認識する。
(3)そこで、電子マネーサーバ2は、次回にユーザが「山田定食」に食事をしに来たときに、他店舗(「うどんの中海」とする)へ案内するために、「山田定食」の店舗端末8に「うどんの中海」への案内情報を送信しておく。
ユーザを案内する加盟店81の選択は、例えば、ユーザの取引履歴を後述の基本条件DBや特別条件DBと対比して、条件が適合する案内情報を検索することにより行われる。
(4)その後、ユーザが、「山田定食」を訪れて食事をし、携帯電話7のバリューで決済する。
(5)その際に、店舗端末8は、携帯電話7との通信から案内対象のユーザであることを認識し、電子マネーサーバ2からダウンロードしておいた「うどんの中海」への案内情報をレシート82に印字する。
(6)レシート82の出力後、店舗端末8は、当該ユーザに「うどんの中海」への案内情報を出力した旨を記録した案内ログを電子マネーサーバ2に通知する。
(7)ユーザが案内情報に従って「うどんの中海」に来店し、食事をして携帯電話7で決済すると、「うどんの中海」の店舗端末8は、取引ログを電子マネーサーバ2に送信する。
電子マネーサーバ2は、「山田定食」の店舗端末8からの案内ログと、「うどんの中海」からの取引ログによって、ユーザが案内に従って「うどんの中海」に送客されたことを確認することができる。
(B)実施の形態の詳細
図1は、本実施の形態の全体的な情報処理の流れを説明するための図である。
加盟店81、81、・・・(以下、加盟店81)は、電子マネーサーバ2が提供する電子マネーサービスの加盟店であり、互いに送客しあう加盟店グループ80を形成している。
加盟店81は、一例として、「山田定食」(定食屋)、「カカオ喫茶」(喫茶店)、「うどんの中海」(うどん屋)、「ビッグステーキ」(ステーキレストラン)など、異なる系統の店舗から構成されている。
なお、「うどんの中海新宿店」、「うどんの中海渋谷店」など、同系統の店舗であってもよい。
以下、ユーザを送客する手順を括弧に示した番号に従って説明する。
(1)ユーザは、電子マネー機能を有する携帯電話7(電子マネーカード6でもよい)を有するユーザであって、携帯電話7には、バリューによって決済を行う機能を有するICチップが内蔵されている。
ここで、バリューとは、電子マネーシステムにおいて貨幣に該当する概念であって、バリューを増額する処理はチャージ、減額する処理は決済と呼ばれている。
ユーザが「山田定食」で食事をし、携帯電話7での決済を申し出ると、ユーザは、携帯電話7を「山田定食」の店舗端末8にセットする。
そして、「山田定食」の担当者が店舗端末8を操作すると、店舗端末8は、携帯電話7のICチップと通信し、ICチップに代金分のバリューを減額させて決済を行う。
(2)「山田定食」に設置された店舗端末8は、携帯電話7との取引を記録したログデータである取引ログを生成し、内蔵する記憶媒体に記憶しておく。
そして、店舗端末8は、記憶媒体に記憶しておいたログデータを、例えば、店舗端末8の締めの後に、バッチ処理にて一括して電子マネーサーバ2に送信する。
電子マネーサーバ2は、店舗端末8から取引ログを受信すると、取引ログに記録されている内容を取引履歴DBに記憶する。ここで、DBはデータベースを意味する。
取引履歴DBには、ユーザが決済を行った、日時、加盟店81、店舗端末8、決済金額などが記憶される。
(3)電子マネーサーバ2は、定期又は不定期に、取引履歴DBに記録されているユーザの決済記録を基本条件DB及び特別条件DBを照合する。
基本条件DBと特別条件DBには、ユーザに提供する案内情報と、当該案内情報を提供するためにユーザの購買活動などが満たすべき条件が記憶されている。
より詳細には、基本情報DBには、例えば、「ユーザが山田定食を3ヶ月以内に10回以上利用したらうどんの中海を案内する」といったように、案内先(「うどんの中海」を案内)と、案内情報の出力条件(「山田定食」を3ヶ月以内に10回以上利用)が記憶されており、特別条件DBには、例えば、「山田定食から10km以内の加盟店を案内する」といったように、より細かな条件が記憶されている。
電子マネーサーバ2は、このようにしてユーザの取引履歴に出力条件と合致するものがあるか否かを確認し、合致するものがあった場合、当該合致する取引ログの送信元である加盟店81(ここでは「山田定食」)の店舗端末8に当該出力条件に係る案内情報を送信し、次回ユーザが「山田定食」で決済した際に案内情報を提供できるようにする。
案内情報には、ユーザの携帯電話7のICチップが有するID情報である電子マネー機能部IDが対応付けられており、案内先の加盟店81(「うどんの中海」とする)への案内が記録されている。
(4)「山田定食」の店舗端末8は、電子マネーサーバ2から案内情報を受信すると、これを記憶し、ユーザが再び「山田定食」を訪れて決済するのを待つ。
そして、ユーザが「山田定食」を訪れて食事をした後、携帯電話7での決済を申し出ると、ユーザは、携帯電話7を「山田定食」の店舗端末8にセットする。
「山田定食」の担当者が店舗端末8を操作すると、店舗端末8は、携帯電話7のICチップと通信し、ICチップに代金分のバリューを減額させて決済を行う。
(5)「山田定食」の店舗端末8は、ICチップと通信して決済処理を行うに際して、ICチップから電子マネー機能部IDを読み出すが、店舗端末8は、決済処理を行うと共に、当該電子マネー機能部IDを用いて電子マネーサーバ2からダウンロードした案内情報を検索し、該当する案内情報があった場合、これをレシート82に印字する。
レシート82には、例えば、「有効期限4月1日、うどんの中海で食事すると10%キャッシュバック」などと、ユーザを「うどんの中海」に送客するための案内情報が印刷されている。
ここで、案内情報の提示方法として、レシート82への印字を行うこととしたのは、レシート82は、決済に際して通常印字されるものであり、また、ユーザはレシート82に印字された案内情報を読むだけでよく、分かり易く、かつ、簡単で手間がかからないからである。
また、レシート82には、「山田定食とうどんの中海はグループ企業です」などと印刷されており、店舗のブランド名が異なるためにユーザに同系列の企業であるとの認識が薄いと考えられる場合に、これらの周知徹底を図ることができる。
(6)そして、店舗端末8は、ユーザに当該案内情報を出力した旨を記録した案内ログを作成して内蔵する記憶媒体に記憶しておき、店舗端末8を締めた後などに、これを電子マネーサーバ2に送信する。
電子マネーサーバ2は、店舗端末8から案内ログを受信すると、これを案内履歴DBに記憶する。
(7)ユーザは、レシート82の案内情報を見て、有効期限内に「うどんの中海」を訪れて食事をし、携帯電話7の電子マネーで決済する。
「うどんの中海」の店舗端末8は、後にバッチ処理にて携帯電話7との決済内容を記録した取引ログを電子マネーサーバ2に送信する。
電子マネーサーバ2は、当該取引ログを受信すると、これを取引履歴DBに記憶する。
電子マネーサーバ2は、例えば、1日に1回程度、取引履歴DBと案内履歴DBを照合し、各ユーザが案内情報に従った決済を行ったか否かを確認する。
例えば、案内履歴DBにより、ユーザに対して「うどんの中海」への案内情報を提供したことを確認し、更に、「うどんの中海」からの取引ログにより、ユーザが有効期限内に「うどんの中海」で案内情報に該当する決済を行ったことを確認することにより、ユーザが当該案内情報により「うどんの中海」に送客されたことを確認する。
そして、電子マネーサーバ2は、ユーザが案内情報に従ったことが確認できると、案内情報に記載されている特典(例えば、代金の10%返却)をユーザに付与するために、当該特典分のバリューをチャージする金額変更情報を生成して携帯電話7に送信し、携帯電話7の記憶するバリューの金額を特典分だけ増額する。
このように、ユーザに贈呈するバリューをバリューギフトと呼ぶことにする。
バリューギフトの提供は、例えば、次のようにして行われる。
まず、電子マネーサーバ2が携帯電話7にバリューギフトを提供可能であることを記載した電子メールを送信する。
そして、ユーザがこれを閲覧して携帯電話7を電子マネーサーバ2の運用するウェブサイトにアクセスする。
電子マネーサーバ2は、携帯電話7から当該ウェブサイトにアクセスを受け付けると、当該ウェブサイトから金額変更情報を携帯電話7に送信する。
携帯電話7は、当該金額変更情報を受信して、これを実行し、バリューのチャージを行う。
以上は、特典をバリューギフトでユーザに提供する場合であるが、このほか、特典が景品などの場合は、個別に対応するようにする。
このように、本実施の形態では、電子マネーの利用を用いてユーザに案内情報を提供することができると共に、取引ログなどから案内情報による送客効果を確認することができる。
また、案内情報はレシート82に印字されるため、ユーザは容易に案内情報を認識することかできる。
更に、送客効果は、取引ログなど、電子データにより自動的に行われるため、ユーザは、レシート82を案内先の加盟店81に持参する必要がなく、案内情報利用の利便性を高めることができる。
なお、本実施の形態では、ユーザが1の加盟店81を複数回利用した場合に、当該ユーザに他の加盟店81を案内するように構成したが、ユーザが初めて1の加盟店81を訪れた際に、他の加盟店81を案内するように構成することもできる。
この場合、1の加盟店81の店舗端末8は、携帯電話7や電子マネーカード6で決済するたびに不特定のユーザに対して他店舗の案内情報を提供し、案内情報を提供したユーザの電子マネー機能部IDと案内内容を記録した案内ログを電子マネーサーバ2に送信する。
電子マネーサーバ2は、案内履歴と案内先の加盟店81による取引履歴を照合することにより、当該不特定のユーザが案内情報に従って他の加盟店81で決済したか確認することができる。
図2は、電子マネーシステム1のネットワーク構成を示した図である。
電子マネーシステム1は、携帯電話7、電子マネーサーバ2、インターネット4、基地局5、電子マネーカード6、ユーザ端末9、加盟店81に設置された店舗端末8などから構成されている。
携帯電話7は、電子マネー処理機能を有する非接触型のICチップを内蔵している。このICチップは、当該電子マネー処理機能に付与されたID情報である電子マネー機能部IDを記憶する機能と、バリューを記憶する機能、及び金額変更情報を用いて記憶したバリューの金額を増減する機能などを備えている。
ICチップは、携帯電話7を店舗端末8のリーダライタに近接させると、店舗端末8と近距離の無線通信を行うことができる。そして、店舗端末8からICチップに金額変更情報を送信して入力することにより、ICチップにチャージや決済を行わせることができる。
また、携帯電話7は、基地局5と無線通信してインターネット4に接続し、電子マネーサーバ2のウェブサイトにアクセスすることができる。
そして、携帯電話7は、電子マネーサーバ2のウェブサイトから電子マネーサーバ2が生成した金額変更情報を受信してICチップに入力し、ICチップに記憶されているバリューを増減することができる。
案内情報の特典がキャッシュバックである場合、電子マネーサーバ2は、携帯電話7にウェブサイトへアクセスしてもらい、当該ウェブサイトから携帯電話7内のICチップに金額変更情報を送信することにより、キャッシュバック分の金額をICチップにチャージする。
電子マネーカード6は、携帯電話7に内蔵されているのと同等のICチップを内蔵したICカードである。
電子マネーカード6は、携帯電話7のICチップと同様に店舗端末8と通信してチャージや決済を行える他、ユーザ端末9を介して電子マネーサーバ2に接続し、電子マネーサーバ2と通信してチャージや決済を行うこともできる。
電子マネーカード6にキャッシュバックする場合には、ユーザ端末9を介して電子マネーカード6を電子マネーサーバ2に接続し、電子マネーサーバ2に金額変更情報を送信してもらう。
このように、本実施の形態では、携帯電話7や電子マネーカード6に内蔵されたICチップによって決済することができるが、以下では、これらICチップを内蔵した媒体を電子マネー媒体と総称することにする。
電子マネー媒体は、カードや携帯電話の他に、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)など、その他の媒体とすることも可能である。
ユーザ端末9は、例えば、リーダライタと呼ばれる非接触型のICチップにアクセスするデバイスを備えたパーソナルコンピュータであり、インターネット4に接続する機能を備えている。
ユーザ端末9は、リーダライタによって電子マネー媒体のICチップと接続し、ICチップと電子マネーサーバ2の通信を仲介することができる。
電子マネーサーバ2は、店舗端末8から取引ログ(チャージや決済の履歴を記録したログデータ)を収集して集計し、バリューの流通と通貨との対応を管理する。
また、電子マネーサーバ2は、ユーザに対する案内情報の提供、案内情報による送客効果の確認、及び案内情報に従ったユーザに対するバリューギフトによる特典の付与などを行う。
加盟店81は、電子マネー媒体のICチップに記憶されたバリューで決済可能な店舗(コンビニエンスストア、デパート、レストラン、その他の小売店舗、営業車両、その他の移動体など)であり、会計エリアに単数、又は複数の店舗端末8を備えている。
これら加盟店81には、先に説明したように、互いに他の加盟店81に送客する加盟店グループを構成しているものがある。
店舗端末8は、リーダライタを介して電子マネー媒体のICチップと近距離の無線通信を行う端末であって、ICチップに金額変更情報を入力してチャージや決済を行うことができる。
店舗端末8は、ICチップとの処理内容を取引ログに記録し、例えば、1日に1回程度、バッチ処理にて電子マネーサーバ2に送信する。
また、店舗端末8は、電子マネーサーバ2から案内情報をダウンロードしてこれを記憶しておき、案内対象となるユーザのレシート82に印字する。そして、その案内ログを記憶しておき、例えば、1日に1回程度、バッチ処理にて電子マネーサーバ2に送信する。
図3は、携帯電話7の構成の一例を示した概念図である。
携帯電話7は、電話機能部10と、電子マネー機能部として機能するICチップ12を備えており、両者はインターフェース部11によって接続されている。
ICチップ12は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えたコンピュータであって、これらハードとソフトウェアを組み合わせることにより、端末通信部16、バリュー処理部17、電子マネー記憶部18などが形成されている。
電子マネー記憶部18は、電子マネー機能部ID、バリュー残高、ログデータなどを記憶している。
電子マネー機能部IDは、電子マネーシステム1でICチップ12を特定するための識別情報である。
バリュー残高は、現在記憶しているバリューの金額であり、これを減額することにより決済することができる。このように、電子マネー記憶部18は、貨幣価値の金額を電子データ(バリュー)として記憶する金額記憶手段として機能している。
ログデータは、バリューの処理内容などを記録したログデータである。
端末通信部16は、店舗端末8のリーダライタと無線通信する機能部であって、店舗端末8とバリュー処理部17の通信を仲介する。
バリュー処理部17は、金額変更情報などの各種コマンドを実行する機能部であって、端末通信部16を介して店舗端末8と通信することができると共に、電話機能部10を介して電子マネーサーバ2と通信することができる。
コマンドには、金額変更情報、ID参照コマンドなどがあり、店舗端末8や電子マネーサーバ2は、バリュー処理部17に金額変更情報を送信してチャージや決済を行わせたり、ID参照コマンドを送信して、電子マネー記憶部18の電子マネー機能部IDを読み出したりすることができる。
金額変更情報は、チャージする場合には電子マネー記憶部18に記憶したバリューを加算する加算情報として機能し、決済する場合には減算情報として機能する。
このように、バリュー処理部17は、金額変更手段として機能し、ICチップ12は、貨幣価値の金額を記憶し、店舗端末から入力された金額変更情報を用いて前記記憶した貨幣価値の金額を変更する電子マネー機能を有している。
電話機能部10は、通話を行う通話モードとアプリケーションを動作させるアプリケーションモードを有しており、ユーザの操作により切り替えることができる。
電話機能部10は、CPUと、各種のアプリケーションプログラムを記憶した記憶部を備えており、アプリケーションモードにてこれらのアプリケーションプログラムをCPUで実行することにより各種のアプリケーション機能を発揮することができる。
図3の例では、電子マネーサーバ2のウェブサイトに接続して、バリューギフトを受け取るなどする電子マネーアプリケーション部15がインストールされている。
以上では、携帯電話7について説明したが、電子マネーカード6にもICチップ12と同様のICチップが内蔵されている。
図4は、店舗端末8のハードウェア的な構成の一例を示した図である。
店舗端末8は、CPU31、ROM33、RAM34、通信制御部35、記憶部36、入力部37、出力部38、リーダライタ部39などがバスラインで接続されて構成されている。
CPU31は、所定のプログラムに従って情報処理を行う他、店舗端末8全体の制御などを行う。
本実施の形態では、CPU31は、電子マネー媒体のICチップ12に金額変更情報を入力して、これらが記憶するバリューの残高を増減させたり、実行した金額変更処理の内容を記録した取引ログを作成してバッチ処理にて電子マネーサーバ2に送信したり、ICチップ12の電子マネー機能部IDに対応する案内情報をレシート82に印字させたり、案内ログを作成して電子マネーサーバ2に送信したりする。
ROM33は、店舗端末8を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどを記憶した読み出し専用メモリである。
RAM34は、CPU31にワーキングメモリを提供したり、記憶部36に記憶されたプログラムやデータをロードして記憶したりなどする随時書き込み読み出し可能なメモリである。
通信制御部35は、ネットワークを介して店舗端末8を電子マネーサーバ2に接続する。
入力部37は、例えば、キーボードや、バーコードリーダなどの入力装置を備えており、操作担当者が商品コードや決済金額やチャージ金額などを入力したり、店舗端末8と電子マネー媒体の間の処理を実行させたりすることができるようになっている。
出力部38は、例えば、液晶表示装置、プリンタ、音声出力装置などに接続されており、プリンタでレシート82を印字したり、ユーザや加盟店81の操作担当者に情報を提示するようになっている。
リーダライタ部39は、アンテナを内蔵したリーダライタを備えており、電子マネー媒体のICチップ12と無線通信を行う。
リーダライタは、キャッシュレジスタ近辺に設置され、ユーザが商品の決済時に、電子マネー媒体をリーダライタに近接させることができるようになっており、通常は、電子マネー媒体をリーダライタのアンテナ面上に置くようになっている。
記憶部36は、例えばハードディスクやその他の記憶媒体と、これらを駆動する駆動装置から構成されており、各種プログラムを格納したプログラム格納部42、データを格納したデータ格納部44などから構成されている。
プログラム格納部42には、店舗端末8を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、電子マネー媒体のICチップ12に金額変更情報を入力するなどして金額変更処理を行わせるためのプログラムなどが記憶されている。
データ格納部44には、店舗端末8のID情報である端末ID、店舗端末8が設置された加盟店81のID情報である加盟店IDといった基本的な情報のほか、取引ログ、案内情報、案内ログなどを記憶している。
取引ログには、金額変更処理を行ったICチップ12の電子マネー機能部ID、決済・チャージの別、決済又はチャージした金額、金額変更処理を行った日時、加盟店ID、端末IDなどの情報が記録されており、バッチ処理にて電子マネーサーバ2に送信される。
案内情報は、電子マネーサーバ2が送信してきたものをデータ格納部44に記憶したものであって、案内対象となるユーザが有する電子マネー媒体の電子マネー機能部IDや、当該電子マネー機能部IDに対して決済処理した際にレシート82に印字する印字内容(案内内容)などが記録されている。
案内ログは、案内情報の出力履歴であり、出力の対象となった電子マネー媒体のICチップ12に付与されている電子マネー機能部IDや、案内情報の内容などが記録されている。
図5は、電子マネーサーバ2のハードウェア的な構成の一例を示した図である。
電子マネーサーバ2は、CPU51、ROM52、RAM54、通信制御部53、記憶部55などがバスラインで接続されて形成され、情報処理サーバを構成している。
CPU51は、所定のプログラムに従って各種の情報処理を行う中央処理装置である。
本実施の形態では、店舗端末8から取引ログを収集して集計する他、案内情報を店舗端末8に送信したり、案内情報による送客効果の確認を行ったりする。
なお、これらの機能の全てをCPU51で行う必要はなく、複数台のサーバ装置を組み合わせて電子マネーサーバ2と同等の機能を有するシステムを構成してもよい。
ROM52は、読み出し専用のメモリであり、電子マネーサーバ2を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどが記憶されている。
RAM54は、読み書き可能なメモリであって、CPU51にワーキングメモリを提供したり、記憶部55に記憶されたプログラムやデータをロードして記憶したりなどする。
通信制御部53は、店舗端末8と通信したり、あるいは、インターネット4や基地局5を介して携帯電話7と通信したり、更には、ユーザ端末9を介して電子マネーカード6と通信したりする。
記憶部55は、例えばハードディスクなどの大容量の記憶装置を用いて構成されており、各種プログラムを格納したプログラム格納部56、データを格納したデータ格納部57などから構成されている。
プログラム格納部56には、電子マネーサーバ2を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、CPU51に取引ログを処理させる機能、案内情報を管理・配信する機能、案内情報による送客効果を確認する機能などを発揮させるためのプログラム、及び、その他のプログラムが格納されている。
データ格納部57には、加盟店81を登録した加盟店DB、各ユーザの電子マネー媒体による取引履歴を記録した取引履歴DB、ユーザに提供する案内情報を規定した基本条件DB、及び特別条件DB、店舗端末8から送信されてきた案内ログを蓄積した案内履歴DBなどが格納されている。
図示しないが、このほかに、ユーザを登録したユーザDBや、後述のバリューギフト情報を記憶したバリューギフト情報DBなどがある。
以下に、これらのデータベースの構成について説明する。
図6は、加盟店DBの論理的な構成の一例を示した図である。
加盟店DBは、加盟店81の基本的な情報を記録したデータベースであって、「グループID」、「加盟店名称」、「法人ID」、「加盟店ID」、「所在地」、「所在地条件(距離)」、「所在地条件(時間)」、その他の項目から構成されている。
項目「グループID」は、加盟店81間で案内情報による送客を行う事業者の加盟店グループを特定するためのID情報である。
例えば、図の例では、「山田定食」、「カカオ喫茶」、「うどんの中海」、「ビッグステーキ」がグループを形成しており、グループIDとして「0001」が付与されている。これらの事業者は、案内情報を用いて互いの加盟店81に送客を行う。
また、「フレンチ山手」と「満腹ラーメン」が別の加盟店グループを形成しており、こちらの加盟店グループにはグループIDとして「0002」が付与されている。
このように、電子マネーサーバ2は、店舗端末8が設置された店舗をグループ化して記憶するグループ記憶手段を備えている。
項目「加盟店名称」は、加盟店81の店舗名である。
項目「法人ID」は、加盟店81を運営する事業者に付与されたID情報である。
例えば、「山田定食」に世田谷3丁目店、永田町駅前店、・・・などと加盟店81が複数ある場合であっても、これらを運営する事業者は1つなので、これら各加盟店81に共通の法人IDが付与される。
また、図の例では、グループID「0001」の加盟店グループでは、加盟店81を運営する事業者がそれぞれ異なるため、異なる加盟店名称に異なる法人IDが付与されているが、グループID「0002」の加盟店グループでは、「フレンチ山手」と「満腹ラーメン」を同じ事業者が運営しているため、同じ法人ID「105」が付与されている。
このように、電子マネーシステム1は、同じ事業者が運営する異なる加盟店81に送客する場合もある。
また、「山田定食」の世田谷3丁目支店から永田町駅前支店に送客するなど、同系列の加盟店81に送客する場合もある。
項目「加盟店ID」は、各加盟店81に付与されたID情報である。例えば、「山田定食」には、世田谷3丁目店、永田町駅前店、・・・などというように加盟店81が複数ある場合、これら各店舗ごとに加盟店IDが付与される。
項目「所在地」は、加盟店81の所在地の住所である。
項目「所在地条件(距離)」は、加盟店81が存在する地点と基準となる地点の直線距離である。基準となる地点は、加盟店81ごとに設定され、通常は最寄りの駅が用いられる。
項目「所在地条件(時間)」は、基準となる地点から加盟店81までの徒歩で要する時間である。基準となる地点は、加盟店81ごとに設定され、通常は最寄りの駅が用いられる。
これら所在条件は、例えば、距離や時間を用いて加盟店81を絞り込んだりする際に用いられる。
図7(a)は、取引履歴DBの論理的な構成の一例を示した図である。
取引履歴DBは、店舗端末8から送信されてくる取引ログの内容を記録したものであり、取引履歴DBは、「電子マネー機能部ID」、「店舗端末ID」、「加盟店ID」、「取引日時」、「取引種別」、「取引金額」、「残高」、その他の項目から構成されている。
項目「電子マネー機能部ID」は、ユーザが決済又はチャージに使用したICチップ12の電子マネー機能部IDである。
これにより、ユーザが使用した電子マネー媒体を特定することができる。
項目「店舗端末ID」は、ユーザが決済又はチャージを行った店舗端末8の店舗端末IDである。
項目「加盟店ID」は、ユーザが決済又はチャージを行った店舗端末8が設置されている加盟店81の加盟店IDである。
加盟店81は、会計エリアに複数の店舗端末8を設置している場合があり、このような場合であっても、「加盟店ID」によりユーザが利用した加盟店81を特定し、更に、「店舗端末ID」により、ユーザが決済又はチャージを行った店舗端末8を特定することができる。
項目「取引日時」は、ユーザが決済又はチャージを行った日時分秒である。
項目「取引種別」は、ユーザが決済を行ったのか、あるいはチャージを行ったのか、その区別を記録したものである。
項目「取引金額」は、ユーザが決済又はチャージした金額である。
項目「残高」は、ユーザの電子マネー媒体のICチップ12に、決済又はチャージ後に記録されているバリューの残高であり、店舗端末8が決済やチャージを行った後に記録したものである。
取引履歴DBは、以上のように構成されており、これらの情報を用いて、ユーザが案内条件の提供対象としての条件を満たしているか確認したり、ユーザが案内情報の有効期限内に決済したか確認することができる。
図7(b)は、基本条件DBの論理的な構成の一例を示した図である。
基本条件DBは、案内元の加盟店81で出力する案内内容や、これを出力する条件などを設定しているデータベースで、「案内元加盟店名称」、「案内元加盟店ID」、「案内ID」、「案内先加盟店名称」、「案内先加盟店ID」、「案内内容」、「出力条件」、「特別条件ID」、その他の項目から構成されている。
項目「案内元店舗名称」は、送客元として案内を出力する加盟店81の名称であり、項目「案内元加盟店ID」は、その加盟店IDである。図の例では、「山田定食」が案内元の加盟店81となっている。
項目「案内ID」は、以下の項目により構成された案内情報に付与されたID情報である。
項目「案内先加盟店名称」は、送客先の加盟店81の名称であり、項目「案内先加盟店ID」は、その加盟店IDである。
なお、項目「案内先加盟店ID」には、単数又は複数の加盟店IDを登録することが可能である。単数である場合には、例えば、「カカオ喫茶新宿駅前店で10%キャッシュバック」などと、チェーン店の中の特定の加盟店81を送客先とすることができ、複数である場合には、例えば、「カカオ喫茶全店で10%キャッシュバック」などと、チェーン店の複数の加盟店81を送客先とすることができる。
項目「案内内容」は、ユーザに提供する案内の案内方法とその内容である。
例えば、図の「カカオ喫茶」の場合、案内方法は「クーポン情報印字」となっており、これは、レシート82への印字を意味している
また、案内内容は、図では省略して記載しているが、「8月1日から5日まで、カカオ喫茶全店で5%キャッシュバック。」などと、レシート82に印字する内容となっている。
同様に、「うどんの中海」の場合は、レシート82に「新装開店プレゼント有り。」と印字し、「ビッグステーキ」の場合は、「8月2日は、ビッグステーキの日。5%キャッシュバック。」とユーザに宛てて電子メールを送信する。
このように案内情報を電子メールにて提供することも可能である。
項目「出力条件」は、ユーザに案内情報を提供するための条件である。
例えば、案内ID「001」の場合、ユーザが案内元の加盟店81で直近の利用から3ヶ月以内に10回以上利用していることが案内情報の出力条件となっている。これは、ユーザの電子マネー機能部IDによる取引履歴を解析すれば得ることができる。
項目「特別条件ID」は、出力条件に、更に特別条件を課す場合に、特別条件DBを参照するためのID情報である。特別条件を課さない場合には「なし」となっている。
次に述べるように、出力条件は、気象やユーザの性別などの特別条件によって、よりきめ細かく設定することができる。
図8(a)は、特別条件DBの論理的な構成の一例を示した図である。
特別条件DBは、案内情報の出力条件をより詳細に規定したものであり「特別条件ID」、「地域」、「気象」、「性別」、「年齢」、「時間」、その他の項目から構成されている。
項目「特別条件ID」は、以下の項目で構成される特別条件に付与されたID情報である。
項目「地域」は、案内先の加盟店81の所在地を限定するものである。
所在地の限定は、例えば、「案内元加盟店所在地から半径1km以内の店舗を紹介」などと、案内元の加盟店81からの距離を用いたり、ある駅を基準とし、当該駅からの徒歩での所要時間や、あるいは、当該駅からの距離などを用いて行うことができる。
項目「気象」は、案内情報を出力する際の気象条件を規定したものである。例えば、特別条件ID「002」は、気象条件が「晴れ」となっており、案内元の加盟店81での決済時の天候が晴れであることが案内情報出力の条件となっている。
項目「性別」は、ユーザの性別である。特別条件ID「001」の場合は、「男性」となっており、ユーザが男性であることが案内情報出力の条件となっている。
項目「年齢」は、ユーザの年齢である。特別条件ID「001」の場合は、「20代〜40代」となっており、ユーザの年齢が20代〜40代であることが案内情報出力の条件となっている。
項目「時間」は、案内元の加盟店81で決済した日時である。特別条件ID「001」の場合は、「平日10時〜12時」となっており、平日の10時〜12時に決済することが案内情報出力の条件となっている。
図8(b)は、案内履歴DBの論理的な構成の一例を示した図である。
案内履歴DBは、加盟店81が送信してきた案内ログからその内容を読み出して記録したものであり、「案内ID」、「出力時間」、「出力先電子マネー機能部ID」、「案内内容」、「有効期限」、その他の項目から構成されている。
項目「案内ID」は、ユーザに対して出力した案内情報のID情報である。
項目「出力時間」は、ユーザに対して案内情報を出力した日時分秒である。
項目「出力先電子マネー機能部ID」は、ユーザが決済に使用した電子マネー媒体の電子マネー機能部IDである。
項目「案内内容」は、ユーザに対して出力した案内の内容である。
項目「有効期限」は、案内による特典(例えば、キャッシュバック)の有効期限である。
また、図示しないが、ユーザDBは、氏名、住所、年齢、性別といったユーザの基本的な情報や、ユーザが有する電子マネー媒体の電子マネー機能部ID、携帯電話7やユーザ端末9の電子メールアドレスなどが記憶されている。
バリューギフト情報DBについては後述する。
次に、以上のように構成された電子マネーシステム1の動作について説明する。
図9は、電子マネーシステム1が、ユーザに案内情報を出力する手順を説明するためのフローチャートである。
以下の処理は、電子マネー媒体のICチップ12に形成されたCPU、店舗端末8のCPU31、及び電子マネーサーバ2のCPU51が所定のプログラムに従って行うものである。
まず、電子マネーサーバ2は、店舗端末8から取引ログを受信し、取引履歴DBに記憶しておく。
このように、電子マネーサーバ2は、前記店舗端末からICチップ12と行った処理内容を記録した取引情報を受信する取引情報受信手段を備えている。
次に、電子マネーサーバ2は、取引履歴DBの取引履歴を参照すると共に(ステップ5)、基本条件DBを参照し、ユーザの取引履歴が基本条件DBで規定する出力条件に一致するか確認する(ステップ10)。
例えば、図7(b)の基本条件DBにおいて、ユーザが、「山田定食」の支店のうち、加盟店ID「6542」の加盟店81で、直近の利用から3ヶ月以内に10回以上利用した場合は、案内ID「001」の条件を満たす。
ここで、基本条件DBに記憶されている条件は、取引情報の内容に基づいて案内先店舗を選択する選択基準として機能し、このため、電子マネーサーバ2は、選択基準記憶手段を備えている。
次に、電子マネーサーバ2は、基本条件DBが特別条件を更に課している場合には、特別条件DBを参照し、当該条件を満たしているか確認する(ステップ15)。
そして、電子マネーサーバ2は、ユーザの取引履歴などが、基本条件や特別条件などを満たしている場合には、基本条件DBを参照してユーザに対する案内情報を特定する(ステップ20)。
次に、電子マネーサーバ2は、ユーザが上記の案内情報の出力条件を満たしていた場合、案内情報を作成して、RAM54(図5)などの記憶媒体に記憶する。
記憶する案内情報には、案内対象となるユーザのICチップ12の電子マネー機能部IDが対応付けられている。
このように、電子マネーサーバ2は、取引情報(取引履歴)を選択基準(基本条件DBや特別条件DB)と照合して、ICチップ12のID情報と、案内情報と、を対応付ける対応付け手段を備えている。
また、電子マネーサーバ2は、ID情報(電子マネー機能部ID)と、グループに属する店舗の案内情報と、を対応付けた案内情報を記憶する案内情報記憶手段を備えている。
電子マネーサーバ2は、以上の処理を繰り返して送信用の案内情報を記憶媒体に蓄積し、店舗端末8が電子マネーサーバ2に接続した際に、これら案内情報を店舗端末8に送信する(ステップ25)。
送信先の店舗端末8は、案内情報を出力する加盟店81の店舗端末8の全てである。例えば、加盟店81が会計エリアに店舗端末8を3台備えていた場合、電子マネーサーバ2は、これら3台の店舗端末8に案内情報を送信する。ユーザが次回に当該加盟店81を訪れた場合に、どの店舗端末8で決済しても対応できるようにするためである。
このように、電子マネーサーバ2は、1の店舗(案内元の加盟店81)の店舗端末に対して、当該店舗以外の店舗(案内先の加盟店81)の案内情報を送信する案内情報送信手段を備えている。
また、電子マネーサーバ2は、条件として「3ヶ月以内に10回以上利用」した加盟店81など、ID情報(電子マネー機能部ID)を所定回数以上送信してきた店舗端末8が設置されている店舗の店舗端末に、前記送客先情報を送信する。
そして、店舗端末8は、電子マネーサーバ2から案内情報を受信すると、これをデータ格納部44(図4)に格納する。
このように、店舗端末8は、ID情報(電子マネー機能部)に対応させた案内情報を予め記憶する案内情報記憶手段を備えている。
その後、ユーザが当該加盟店81を訪れて決済する場合、電子マネー媒体を店舗端末8にセットし、加盟店81の担当者が店舗端末8を操作して、店舗端末8に決済処理を行わせる(ステップ30)。
すると、店舗端末8は、電子マネー媒体に内蔵されたICチップ12から電子マネー機能部IDを読みって、ICチップ12を特定し、決済金額分の金額変更情報をICチップ12に入力してICチップ12にバリューの減額を行わせる。
このように、店舗端末8は、ユーザの有するICチップ12からID情報(電子マネー機能部ID)を読み出すID情報読み出し手段と、ICチップ12に金額変更情報を入力して、当該ICチップ12が記憶する貨幣価値の金額を変更させる金額処理手段を備えている。
そして、店舗端末8は、ICチップ12の電子マネー機能部ID、加盟店81の加盟店ID、店舗端末8の店舗端末ID、取引日時、取引種別、取引金額、残高などを記録した取引ログを生成してデータ格納部44(図4)に記憶する。
データ格納部44に記憶された取引ログは、後に店舗端末8の締めの際などに電子マネーサーバ2にバッチ処理にて一括して送信される。
店舗端末8は、このように、取引ログを作成すると共に、ICチップ12の電子マネー機能部IDを用いて、当該電子マネー機能部に対して設定されている案内情報をデータ格納部44で検索する(ステップ35)。
そして、当該電子マネー機能部IDに対して設定されている案内情報があった場合、レシート82に決済内容を印字する際に、当該案内情報をデータ格納部44から読み出してこれもあわせて印字する(ステップ40)。
このように、店舗端末8は、読み出したID情報(電子マネー機能部ID)に対してグループに含まれる他店舗への案内情報を出力する案内情報出力手段を備えている。
店舗端末8は、案内情報を印字した後、当該案内情報の案内ID、出力時間、当該ICチップ12の電子マネー機能部ID、案内内容(案内先の加盟店81を特定する情報が含まれている)、案内に係る特典の有効期限などを記録した案内ログを作成し(ステップ45)、データ格納部44(図4)に記憶する。
データ格納部44に記憶された案内ログは、後に店舗端末8の締めの際などに電子マネーサーバ2にバッチ処理にて一括して送信される。
ここで、案内ログには、読み出したID情報と、当該出力した他店舗(案内先の加盟店81)を特定する情報と、を含む案内済み情報を所定のサーバ(電子マネーサーバ2)に送信する案内済み情報送信手段を備えている。
なお、以上の例では、例えば、ユーザが「山田定食」で食事をして「うどんの中海」への案内情報を受け取った後、「うどんの中海」を訪れる前に、「山田定食」で食事をすると、再度、当該ユーザに案内情報が出力される。
このように複数回案内情報を出力したくない場合には、案内情報を出力した後、店舗端末8が当該案内情報に出力済みフラグを設定し、当該案内情報が出力済みであることを記録するように構成すればよい。
店舗端末8は、案内情報を出力する際に、出力済みフラグを確認し、出力済みフラグが設定されている場合には、案内情報を出力しない。これによって、店舗端末8が案内情報を重複して出力するのを防ぐことができる。
また、同一店舗内に店舗端末8が複数台存在する場合には、これらで出力済みフラグを共有するようにする。
更に、案内情報を出力した後、店舗端末8が当該案内情報を消去するように構成してもよい。
この場合も、同一店舗内に店舗端末8が複数台存在する場合には、全ての店舗端末8で案内情報を消去するようにする。
以上の例では、予め案内情報を店舗端末8にダウンロードしておき、ユーザが決済するのを待つが、後述するように、案内情報は電子マネーサーバ2に記憶しておき、決済時に店舗端末8が電子マネーサーバ2に案内情報の有無を問い合わせるように構成することも可能である。
図10のフローチャートを用いてこの変形例について説明する。図8と同じ処理内容のステップについては、同じステップ番号を付して説明を簡略化又は省略する。
まず、ユーザは、案内元の当該加盟店81を訪れて商品を購入する。そして、ユーザは、電子マネー媒体を店舗端末8にセットし、加盟店81の担当者が店舗端末8を操作して、店舗端末8に決済処理を行わせる(ステップ50)。
すると、店舗端末8は、電子マネー媒体のICチップ12と通信して決済処理を行うと共に、決済処理に際してICチップ12から読み出した電子マネー機能部IDを電子マネーサーバ2に送信する(ステップ55)。
このように、店舗端末8は、読み出したID情報(電子マネー機能部ID)を所定のサーバ(電子マネーサーバ2)に送信するID情報送信手段を備えている。
その際に、店舗端末8は、電子マネーサーバ2が店舗端末8を特定できるように、店舗端末8の店舗端末IDや店舗端末8が設置された加盟店81の加盟店IDなども電子マネーサーバ2に送信する。
電子マネーサーバ2は、店舗端末8から電子マネー機能部IDを受信すると、これによってユーザを特定し、ユーザの取引履歴を参照する(ステップ5)。
更に、電子マネーサーバ2は、基本条件DBを参照し(ステップ10)、必要があれば特別条件DBも参照し(ステップ15)、当該電子マネー機能部IDに対して用意されている案内情報を特定する(ステップ20)。
なお、案内情報が特定できなかった場合には、ユーザに対する案内情報は作成されていないため、電子マネーサーバ2は、その旨を店舗端末8に通知し、店舗端末8は、案内情報の出力処理を終了する。
次に、電子マネーサーバ2は、特定した案内情報で案内元となっている店舗端末8の加盟店IDと、電子マネー機能部IDを送信してきた店舗端末8が設置されている店舗端末8の加盟店IDが一致するか確認し、一致する場合、当該案内情報を店舗端末8に送信する(ステップ25)。
このように、電子マネーサーバ2は、1の店舗端末から当該店舗端末が読み出したID情報を受信した場合に、当該店舗端末に案内情報を送信する。
なお、案内情報に記録されている案内元の加盟店IDと、電子マネー機能部IDを送信してきた店舗端末8が設置されている加盟店81の加盟店IDと一致しない場合、この案内情報は他の加盟店81で提供するものであるため、電子マネーサーバ2は、該当する案内情報が存在しない旨を店舗端末8に通知し、店舗端末8は、案内情報の出力処理を終了する。
このようにして、店舗端末8は、電子マネーサーバ2から案内情報を受信すると(ステップ60)、これをレシート82に印字して出力し(ステップ40)、案内ログを作成して記憶する(ステップ45)。
このように、店舗端末8は、電子マネーサーバ2に送信したID情報に対して所定のサーバ(電子マネーサーバ2)が送信してきた案内情報を出力する。
以上のように、この変形例では、予め案内情報を店舗端末8にダウンロードしなくても案内情報を提供することができる。
本変形例の場合にも、案内情報を重複して出力するのを防ぎたい場合には、電子マネーサーバ2に出力済みフラグを設定させたり、あるいは、出力済みの案内情報を消去させたりすればよい。
次に、案内情報を出力した後に電子マネーシステム1が行う処理について図11のフローチャートを用いて説明する。
店舗端末8は、データ格納部44(図4)に案内ログを蓄積しておき、これをバッチ処理にて一括して電子マネーサーバ2に送信する(ステップ105)。
なお、案内ログを作成すると、これをリアルタイムで電子マネーサーバ2に送信するように構成することもできる。
ここで、案内ログは案内済み情報として機能し、店舗端末8は、読み出したID情報(電子マネー機能部ID)と、出力した他店舗(案内先の加盟店81)を特定する情報と、を含む案内済み情報を所定のサーバ(電子マネーサーバ2)に送信する案内済み情報送信手段を備えている。
電子マネーサーバ2は、店舗端末8から案内ログを受信すると、これをデータ格納部57の案内履歴DB(図5)に格納する。
このように電子マネーサーバ2は、案内元店舗の店舗端末から、当該店舗端末がユーザのICチップ12から読み取ったID情報(電子マネー機能部ID)と、当該ID情報に対して当該店舗端末が案内した案内先店舗(案内先の加盟店81)を特定する案内先店舗特定情報と、を含む案内済み情報を受信する案内済み情報受信手段を備えている。
また、電子マネーサーバ2は、各加盟店81の店舗端末8から別途、取引ログを受信して取引履歴DBに記憶しておく。
このように、電子マネーサーバ2は、案内先店舗の店舗端末から、当該店舗端末がICチップ12から読み取ったID情報(取引ログに含まれている)を受信するID情報受信手段を備えている。
そして、電子マネーサーバ2は、取引履歴DBを参照して、ユーザの取引履歴を確認し、ユーザが案内履歴に記録された案内に合致した決済を行ったか否かを調べる(ステップ110)。
例えば、案内履歴DBで、電子マネー機能部IDが1111のICチップ12に対し、案内内容「カカオ喫茶で決済すると10%キャッシュバック」を出力したことになっていた場合、電子マネーサーバ2は、取引履歴DBを参照して、ユーザが案内後にカカオ喫茶で決済したか否かを確認する。
案内内容に合致する決済が行われていなかった場合(ステップ110;N)、電子マネーサーバ2は、当該案内ログに対する処理を終了し、次の案内ログに対する処理に移行する。
一方、案内内容に合致する決済が行われていた場合(ステップ110;Y)、電子マネーサーバ2は、その決済を行ったときが、案内情報で指定した有効期限内であるか否かを取引履歴DBで確認する(ステップ115)。
有効期限内でなかった場合(ステップ115;N)、当該案内ログに対する処理を終了する。
有効であった場合(ステップ115;Y)、電子マネーサーバ2は、ユーザが送客されたと判断する。
このように、電子マネーサーバ2は、案内元店舗の店舗端末から受信した案内済み情報と、案内先店舗の店舗端末から受信したID情報と、を照合することにより、案内情報によってユーザが案内元店舗から案内先店舗に送客されたことを確認する送客確認手段を備えている。
次に、電子マネーサーバ2は、案内内容の特典がバリューギフトであるか否かを確認する(ステップ120)。案内内容で「10%キャッシュバック」などと、金銭的価値の付与を内容とするものは、バリューギフトで金銭的価値をユーザに与えるため、バリューギフトによる特典に該当する。
特典が、例えば、「マスコット人形プレゼント」などと、バリューギフトでない場合(ステップ120;N)、電子マネーサーバ2は、ユーザが案内先の加盟店81に送客されたことを示す送客実績情報を作成し、当該取引ログに関する処理を終了する。特典については担当者が別途対応する。
一方、特典がバリューギフトであった場合(ステップ120;Y)、電子マネーサーバ2は、当該ユーザの電子マネー媒体に対するバリューギフト情報を生成して(ステップ125)バリューギフト情報DBに記憶する。
バリューギフト情報は、当該電子マネー媒体の電子マネー機能部ID、チャージする金額、有効期限などの情報から構成されている。
電子マネーサーバ2は、バリューギフトを生成した後、ユーザが案内先の加盟店81に送客されたことを示す送客実績情報を作成し(ステップ130)、当該取引ログに関する処理を終了する。
以上の処理を全ての取引ログに対して行うことにより、電子マネーサーバ2は、案内情報による送客効果を確認することができ、その結果が、送客実績情報として記録される。
次に、案内情報を出力した後に電子マネーシステム1が行う処理の変形例について図12のフローチャートを用いて説明する。
上記の例では、店舗端末8が電子マネーサーバ2に案内ログを送信し、これを用いて送客効果を確認したが、本変形例では、電子マネーサーバ2は、自身が作成した案内情報と取引履歴DBを比較してユーザが送客されたか否かを確認する。
このため、店舗端末8は案内ログを記録する必要も、電子マネーサーバ2にこれを送信する必要も無くなり、システムの簡素化を図ることができる。
まず、電子マネーサーバ2は、案内情報を作成すると、これを店舗端末8に送信せずに自身の案内情報DBに記憶しておく。このように、本変形例に係る電子マネーサーバ2は、案内情報DBを有している。
案内情報DBに案内情報を蓄積した後、電子マネーサーバ2は、店舗端末8からの取引ログが取引履歴DBに蓄積されるのを所定期間待つ。
取引履歴DBに取引履歴が蓄積されると、電子マネーサーバ2は、案内情報DBを参照すると共に(ステップ140)、取引履歴DBを参照し(ステップ145)、店舗端末8で出力された案内情報を特定する(ステップ150)。
例えば、ある加盟店81での案内情報の出力条件が「案内元の加盟店で、直近の利用から3ヶ月以内に、10回以上利用」となっていた場合、電子マネーサーバ2は、当該加盟店81からの取引ログを解析し、これに該当する電子マネー媒体を特定する。そして、この電子マネー媒体に対し案内情報が出力された筈であるため、電子マネーサーバ2は、当該電子マネー媒体のユーザに対して出力された案内情報を特定することができる。
このように、電子マネーサーバ2は、案内情報DBと取引履歴DBを対比することにより、出力対象の電子マネー媒体の電子マネー機能部IDと、出力した案内情報を特定することができ、これを案内履歴DBに記録する。
即ち、電子マネーサーバ2は、店舗端末8から案内ログを送信してもらわなくても、自身の有する情報から案内ログを作成することができる。
この場合、店舗端末8が送信してくる取引ログが案内済み情報として機能している。
以下のステップ110〜ステップ130は、図11と同じであるため、説明を省略する。
次に、バリューギフトの提供方法について図13のフローチャートを用いて説明する。
以下では、電子マネー媒体が携帯電話7である場合を例にして説明するが、電子マネー媒体が電子マネーカード6の場合には、電子マネーカード6をユーザ端末9にセットすることにより同様に処理することができる。
まず、電子マネーサーバ2は、バリューギフト情報DBからバリューギフト情報を読み出し、バリューギフトの提供対象となる電子マネー媒体の電子マネー機能部IDを特定する。
次に、電子マネーサーバ2は、当該電子マネー媒体のユーザに対して、バリューギフトの受け取り資格があることを通知する電子メール(以下、バリューギフト通知メール)を生成し、ユーザの携帯電話7に送信する(ステップ220)。
このように、電子マネーサーバ2は、ユーザの有する電子マネー媒体の電子マネー機能部IDと電子メールアドレスを対応付けて管理している。
ここでは、バリューギフト通知メールは、携帯電話7に送信するものとするが、パーソナルコンピュータなどのユーザ端末9のメールアドレス宛に送信してもよい。
携帯電話7は、電子マネーサーバ2からバリューギフト通知メールを受信し、これを携帯電話7のディスプレイに表示する。
ディスプレイに表示されたバリューギフト通知メールの一例を図14に示す。この図に示したように、バリューギフト通知メールには、例えば、当月のバリューギフトの金額(図では1000円)や、その明細の他、図示しないが有効期限や、バリューギフトを受け取るためのウェブサイト(以下、バリューギフト受取サイト)のURL(Uniform Resource Locators)72が表示される。
ユーザがURL72をクリックすると、携帯電話7は、電子マネーサーバ2に開設されているバリューギフト受取サイトに接続する(ステップ225)。
バリューギフト受取サイトは、ユーザごとに形成されており、受け取るバリューギフトを選択可能に表示している。
ユーザが、バリューギフトを選択すると、電子マネーサーバ2は、特典分の金額をチャージする金額変更情報を生成し、携帯電話7に送信する(ステップ230)。
このように、電子マネーサーバ2は、ユーザが案内元店舗から案内先店舗に送客されたことを確認できた場合に、当該ユーザのICチップ12が記憶する貨幣価値の金額を増額する金額変更情報を生成する金額変更情報生成手段と、当該生成した金額変更情報を前記ICチップ12に送信する金額変更情報送信手段を備えている。
携帯電話7は、金額変更情報を受信してICチップ12に入力し、ICチップ12のCPUは、当該金額変更情報を実行して特典分のバリューをチャージする(ステップ235)。
以上により、ユーザはバリューギフトによるキャッシュバックを受けることができる。
なお、以上は電子メールを用いたバリューギフトの提供方法であるが、電子メールを用いなくともバリューギフトをユーザに提供することも可能である。
この場合には、例えば、毎月所定の日にバリューギフトがユーザに提供される旨をユーザに告知しておき、その日以降にユーザが自発的に電子マネーサーバ2にアクセスして、上記の例と同様にしてICチップ12にチャージする。
以上に説明した本実施の形態により、次のような効果を得ることができる。
(1)案内情報をレシート82に印刷するため、ユーザにとって分かり易く手間がかからない。
(2)ユーザは、送客先の加盟店81にレシート82を持参しなくても、キャッシュバックを受けることができる。
(3)ユーザの取引履歴に基づいてユーザごとに案内情報を用意することができる。
(4)案内履歴DBと取引履歴DBを比較することにより送客効果を確認することができる。
(5)割引券などは、他人に譲渡可能であるが、電子マネーシステム1では、電子マネー媒体での決済を特典の条件とするため、案内情報を受け取ったユーザを送客することができる。
(6)ブランドや業種が異なる加盟店81がグループ企業であることをユーザに広告することができる。
また、本実施の形態では、レシート82に案内情報を印字したが、これは、案内情報の提供方法を限定するものではなく、例えば、ユーザに宛てた電子メールで案内情報を提供してもよいし、あるいは、店舗端末8の表示装置に案内情報を表示したり、更には、店舗端末8のスピーカから音声によって案内情報を提供するように構成してもよい。
(変形例)
先に説明した実施の形態では、電子マネー媒体で決済したユーザを対象に送客を行ったが、本変形例では、決済の有無にかかわらず、電子マネー媒体を持参したユーザを送客する。
以下、図15の括弧に示した番号に従って、本変形例を説明する。
(1)まず、ユーザは、加盟店81を訪れて、電子マネー媒体を店舗端末にタッチする。
すると、店舗端末は、電子マネー媒体から電子マネー機能部IDを読み取る。
(2)次に、加盟店81は、予め記憶しておいた他の加盟店81への案内情報をレシート82に印字して出力すると共に、電子マネー媒体から読み取った電子マネー機能部IDと、案内情報の内容(案内先の加盟店81と有効期限など)を記録したログデータを作成する。
(3)次に、店舗端末は、このログデータを電子マネーサーバ2に送信する
(4)その後、ユーザが案内先の加盟店81を訪れ、当該加盟店81の店舗端末で電子マネー媒体をタッチすると、当該店舗端末は、電子マネー媒体から電子マネー機能部IDを読み取ってこれをログデータに記録し、電子マネーサーバ2に送信する。
電子マネーサーバ2は、案内元の加盟店81が送信してきたログデータと、案内先の加盟店81が送信してきたログデータを比較し、当該ユーザが案内通りに送客されたことを確認する。そして、バリューギフトなどによる特典をユーザに付与する。
本変形例では、案内元の加盟店81では、必ずしも決済をする必要はないように構成することができる。
例えば、ユーザが案内元の加盟店81で店舗端末8にICチップ12をタッチすると、店舗端末8は、このタッチに対して案内情報を出力する。案内先の加盟店81でも同様にタッチによって他の加盟店81への案内情報を出力する。
近年、「スタンプラリー」と称して、顧客が複数の店舗をまわってスタンプを集め、規定のスタンプを集めると特典がもらえるというサービスが行われているが、これと同様に、上のようなタッチによる案内情報の連鎖によってユーザを他の加盟店81に次々と送客し、ユーザが規定の加盟店81をまわるとバリューギフトが与えられるように構成することもできる。
本実施の形態の全体的な構成を説明するための図である。 電子マネーシステムのネットワーク構成を示した図である。 携帯電話の構成の一例を示した概念図である。 店舗端末のハードウェア的な構成の一例を示した図である。 電子マネーサーバのハードウェア的な構成の一例を示した図である。 加盟店DBの論理的な構成の一例を示した図である。 取引履歴DBや基本条件DBの論理的な構成の一例を示した図である。 特別条件DBや案内履歴DBの論理的な構成の一例を示した図である。 ユーザに案内情報を出力する手順を説明するためのフローチャートである。 ユーザに案内情報を出力する手順の変形例を説明するためのフローチャートである。 案内情報を出力した後に電子マネーシステムが行う処理を説明するためのフローチャートである。 案内情報を出力した後に電子マネーシステムが行う処理の変形例を説明するためのフローチャートである。 バリューギフトの提供方法を説明するためのフローチャートである。 バリューギフト通知メールの一例を示した図である。 本実施の形態の変形例を説明するための図である。
符号の説明
1 電子マネーシステム
2 電子マネーサーバ
4 インターネット
5 基地局
6 電子マネーカード
7 携帯電話
8 店舗端末
9 ユーザ端末
80 加盟店グループ
81 加盟店
82 レシート

Claims (10)

  1. グループを構成する店舗に設置された店舗端末であって、
    ユーザの有するICチップからID情報を読み出すID情報読み出し手段と、
    前記読み出したID情報に対して前記グループに含まれる他店舗への案内情報を出力する案内情報出力手段と、
    前記読み出したID情報と、前記出力した他店舗を特定する情報と、を含む案内済み情報を所定のサーバに送信する案内済み情報送信手段と、
    を具備したことを特徴とする店舗端末。
  2. ID情報に対応させた案内情報を予め記憶する案内情報記憶手段を具備し、
    前記案内情報出力手段は、前記読み出したID情報に対する案内情報を前記案内情報記憶手段から取得して出力することを特徴とする請求項1に記載の店舗端末。
  3. 前記読み出したID情報を所定のサーバに送信するID情報送信手段を具備し、
    前記案内情報出力手段は、前記送信したID情報に対して前記所定のサーバが送信してきた案内情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の店舗端末。
  4. 前記ICチップは、貨幣価値の金額を記憶し、店舗端末から入力された金額変更情報を用いて前記記憶した貨幣価値の金額を変更する電子マネー機能を備えており、
    前記ICチップに金額変更情報を入力して、当該ICチップが記憶する貨幣価値の金額を変更させる金額処理手段を具備し、
    前記ID情報読み出し手段は、前記金額処理手段で金額の変更をする際に、前記ICチップを特定するために読み出したID情報を取得することを特徴とする請求項1から請求項3までのうちの何れか1の請求項に記載の店舗端末。
  5. ユーザが有するICチップと、店舗に設置され、前記ICチップからID情報を読み取る店舗端末と、前記店舗端末から読み取ったID情報を受信する情報処理サーバと、
    を用いて構成された送客システムで使用される情報処理サーバであって、
    案内元店舗の店舗端末から、当該店舗端末がユーザのICチップから読み取ったID情報と、当該ID情報に対して当該店舗端末が案内した案内先店舗を特定する案内先店舗特定情報と、を含む案内済み情報を受信する案内済み情報受信手段と、
    前記案内先店舗の店舗端末から、当該店舗端末がICチップから読み取ったID情報を受信するID情報受信手段と、
    前記案内元店舗の店舗端末から受信した案内済み情報と、前記案内先店舗の店舗端末から受信したID情報と、を照合することにより、案内情報によってユーザが案内元店舗から案内先店舗に送客されたことを確認する送客確認手段と、
    を具備したことを特徴とする情報処理サーバ。
  6. 店舗端末が設置された店舗をグループ化して記憶するグループ記憶手段と、
    ID情報と、前記グループに属する店舗の案内情報と、を対応付けた案内情報を記憶する案内情報記憶手段と、
    1の店舗の店舗端末に対して、前記記憶した、当該店舗以外の店舗の案内情報を送信する案内情報送信手段と、
    を具備したことを特徴とする請求項5に記載の情報処理サーバ。
  7. 前記案内情報送信手段は、前記ID情報を所定回数以上送信してきた店舗端末が設置されている店舗の店舗端末に、前記送客先情報を送信することを特徴とする請求項6に記載の情報処理サーバ。
  8. 前記案内情報送信手段は、前記ID情報受信手段で1の店舗端末から当該店舗端末が読み出したID情報を受信した場合に、当該店舗端末に案内情報を送信することを特徴とする請求項6に記載の情報処理サーバ。
  9. 前記ICチップには、貨幣価値の金額を電子データとして記憶し、金額変更情報を用いて前記記憶した金額を変更する電子マネー機能部が形成されており、前記店舗端末には、前記ICチップに金額変更情報を入力して前記ICチップが記憶する貨幣価値の金額を変更させる機能部が形成されており、
    前記店舗端末から前記ICチップと行った処理内容を記録した取引情報を受信する取引情報受信手段と、
    取引情報の内容に基づいて案内先店舗を選択する選択基準を記憶した選択基準記憶手段と、
    前記受信した取引情報を前記記憶した選択基準と照合して、前記ICチップのID情報と、案内情報と、を対応付ける対応付け手段と、
    を具備し、
    前記案内情報記憶手段は、前記対応付けた案内情報を記憶することを特徴とする請求項6、請求項7、又は請求項8に記載の情報処理サーバ。
  10. 前記送客確認手段によって、ユーザが案内元店舗から案内先店舗に送客されたことを確認できた場合に、当該ユーザのICチップが記憶する貨幣価値の金額を増額する金額変更情報を生成する金額変更情報生成手段と、
    前記生成した金額変更情報を前記ICチップに送信する金額変更情報送信手段と、
    を具備したことを特徴とする請求項9に記載の情報処理サーバ。
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