JP2010091702A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バーコードデータを記録材に印字可能な画像形成装置(1)であって、静電潜像がその表面に形成される像担持体(5)と、直流成分に交流成分を重畳した現像バイアスが印加されており、トナーを静電潜像に供給してトナー画像を現像する現像部(20)と、現像バイアスを制御する現像電圧制御部(94)と、印字データがバーコードデータであった場合に、現像バイアスのデューティ値及び直流成分値を、バーコードデータを含まない場合の55%以下の大きさに減少させる信号を現像電圧制御部に出力するバーコード印字制御部(98)とを具備する。
【選択図】図2
Description
詳しくは、例えばコンビニエンスストア等ではEAN−128バーコードが用いられており、当該バーコードは44桁に定められ、従来のバーコードに比べて桁数が多い。そのため、バーコードリーダーでの読み取り率が低下し得ることから、この読み取り率の向上を図る技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、バーコード品質の向上を図りつつ、ランニングコストも低減させる画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
ここで、バーコード印字制御部は、印字データがバーコードデータであった場合には、まず、現像バイアスのデューティ値を、バーコードデータを含まない場合の55%以下の大きさに減少させており、現像電圧制御部はこの減少した現像バイアスを現像部に印加させる。現像バイアスのデューティ値を小さく設定すれば、現像時間が短くなって、トナーの消費量が少なくて済むからである。
しかも、バーコード印字制御部は、現像バイアスの直流成分値を、バーコードデータを含まない場合の55%以下の大きさに減少させており、現像バイアスのピーク値が大きくなり難い。したがって、上述の如くデューティ値を小さく設定してもトナーが像担持体に向けてリークし難くなり、バーコード品質が向上可能になる。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、バーコード印字制御部は、帯電バイアスの直流成分値を減少させて、像担持体の表面電位を、バーコードデータを含まない場合の70%〜90%の大きさに減少させる。このように、像担持体の表面電位は大きく低下しないので、上述の如くデューティ値を小さく設定しても1ドットの再現性を確保でき、この点もバーコード品質の向上に寄与する。
第3の発明によれば、第1や第2の発明の作用に加えてさらに、バーコード印字制御部は、像担持体の回転速度を、バーコードデータを含まない場合より減少させる。よって、システム線速が遅くなり、上述のようにデューティ値を小さく設定しても確実に印字できることから、この点もバーコード品質の向上に寄与する。
ここで、現像バイアスの直流成分は現像能力に影響を与える因子である。例えば、この直流成分値が小さくなれば、上記ピーク値を抑えることができる。よって、上述した像担持体に向かうリークに対しては、現像バイアスの直流成分値を、バーコードデータを含まない場合の55%以下の大きさに減少させ、上記リークを回避する。
これらの結果、バー部分のトナーの付着量が従来に比して抑えられ、画像形成方法のランニングコストが低減されるし、しかも、像担持体に向かうリークを回避するとともに、現像性は確保されるので、スペース部分、すなわち、記録材の搬送方向で見てバー部分の下流側における「散り」や、当該バー部分の上流側における「尾引き」が回避され、バーコード品質の向上も達成できる。
図1には、画像形成装置の一例であるプリンタ1の構造が概略的に示されている。同図に示された断面はプリンタ1の右側面からみたものである。このため、プリンタ1の正面は同図中の左側に、プリンタ1の背面は右側にそれぞれ位置する。
画像形成部4はアモルファスシリコン(a−Si)で形成される感光体ドラム(像担持体)5を有し、ドラム5は回転自在に設置され、図示しない駆動モータによって同図の時計回りに駆動する。また、このドラム5の周囲の適宜位置には、クリーニングブレード8、帯電器6、レーザスキャナユニットである露光部12、現像部20、及び転写部71がそれぞれ設けられている。
そして、このプリンタ1が印刷を行う際は、カセット3からの用紙が1枚ずつ分離して送出される。送出された用紙はレジストローラ24に到達する。このレジストローラ24は、用紙の斜め送りを矯正しつつ、画像形成部4で形成されるトナー画像との画像転写タイミングを計りながら、用紙を転写部71に向けて送出する。
このコントローラ90はコンピュータとして機能する要素であり、上述した画像形成部4等に電気的に接続されるとともに、CPUやメモリ等のハードウエア資源を有している。そして、コントローラ90は、このハードウエア資源を用いて所定のプログラムを実行する。これにより、ドラム5の表面は、帯電・露光を経て静電潜像が形成される。
その後、用紙は未定着トナー画像を担持した状態で定着部72に向けて送られ、この定着部72にて所定の温度に達した熱ローラで加圧され、トナー画像が定着される。次いで、定着部72から送出された用紙は排出口75からプリンタ1の正面側に排出される。
具体的には、本実施例のコントローラ90は、ドラム線速制御部(線速制御部)92、帯電電圧制御部96、現像電圧制御部94、及びバーコード印字制御部98を有している。
次に、帯電電圧制御部96は、電源50や帯電器6に電気的に接続され、本実施例では、直流成分vdcに交流成分vppを重畳した帯電バイアスvが印加可能に構成される。
より詳しくは、この現像電圧制御部94は、通常印字モードの場合には、ドラム5と現像スリーブ21との間に、現像バイアスVの交番電界(例えば、Vdc1=175V、Vpp=1.7kV、デューティ値D1=57%、周波数f=2.8kHz)を作用させる信号を電源50に出力している。これにより、トナーはドラム5の表面に向けて飛翔する。
図3を参照すると、コントローラ90による印字フローチャートが示されており、以下、本発明に係る作用について説明する。
そして、バーコードデータが含まれない場合、すなわちNOと判定したときにはステップS303に進み、上述した通常印字モードに設定する。
これに対し、上述したステップS302にて、バーコードデータが含まれる旨を判定した場合にはステップS305に進み、バーコード印字制御部98がバーコード印字モードを設定する。
また、このモードにおける帯電電圧制御部96は、ドラム5の表面電位b2を通常印字モードの70%〜90%の大きさ、例えば略85%の230Vに設定する信号を電源50に出力する。これは70%未満ではライン太り、カブリ等が顕著となり、90%を超えていると逆帯電トナーによるカブリが発生する場合があるからである。
現像バイアスのデューティ値Dは、現像時間に影響を与える因子であり、例えば、このデューティ値が小さくなれば、トナーをドラム5に供給する現像時間が短くなり、トナーの消費量が減る。つまり、図4のように、バーコードデータを含まない場合(D1=57%)の半分以下の大きさ(D2=26%)に減少させると、トナーは、バー部分に付着し難くなるし、スペース部分に散り難くなる。
一方、単にデューティ値Dのみを減少させのでは、現像バイアスVのピーク値が大きくなる場合があり、これではトナーが振動し易くなってドラム5に向けて飛び散り易くなるし、また、現像時間が短い故、現像性が低下する。
当該直流成分Vdcは現像能力に影響を与える因子である。例えば、この直流成分Vdcの値が小さくなれば、上記ピーク値を抑えることができる。よって、上述したドラム5に向かうリークに対しては、図4のように、バーコードデータを含まない場合(Vdc1=175V)の51.4%の大きさ(Vdc2=90V)に減少させ、上記リークを回避する。
この帯電バイアスの直流成分vdcはドラム5の表面電位に影響を与える因子であり、例えば、この直流成分vdcの値が小さくなれば、その表面電位bも小さくなり、1ドットの再現性が良好になる。ドラム5の表面電位bと現像バイアスVとの電位差が大きくなり、トナーが飛び散り難くなるからである。よって、上述した現像性の低下に対しては、図4のように、バーコードデータを含まない場合(b1=+270V)の8割の大きさ(b2=+230V)に減少させるべく、帯電バイアスの直流成分vdcの値を減少させ、上記現像性を確保する。
システム線速、つまり、ドラム5の回転速度Rも現像能力に影響を与える因子である。例えば、この回転速度が小さくなれば、ゆっくり印字される。よって、上述した現像性の低下に対しては、図4のように、バーコードデータを含まない場合(R1=306mm/sec)の半分の大きさ(R2=153mm/sec)に減少させるので、上記現像性をさらに確保している。
図5は、バーコードデータを、上述した通常印字モードやバーコード印字モードでそれぞれ実行し、バーコード読み取り装置(REA PC−Scan/LD)でその品質を調べた実験結果である。
詳しくは、バーコード品質は数値化することにより、A〜D、及びFによるSymbol Gradeで評価できる。
なお、トナーには正帯電磁性のトナーを用い、その平均粒径は5.0〜9.0μm(1μm=1.0×10−6m)であり、また、転写部71には負極性の高圧バイアスが電源50から印加されている。
つまり、印字データがバーコードデータであった場合には、上述したバーコード印字モードを用いれば、バーコード品質の良好化、及びそのランニングコストの低廉化の双方を達成できることが分かる。
また、上記実施例では印刷機能を有したプリンタの例を示しているが、本発明の画像形成装置は、プリンタの他、複写機やファクシミリ、複合機等にも適用可能である。
5 感光体ドラム(像担持体)
6 帯電器
20 現像部
90 エンジンコントローラ
92 ドラム線速制御部(線速制御部)
94 現像電圧制御部
96 帯電電圧制御部
98 バーコード印字制御部
Claims (4)
- バーコードデータを記録材に印字可能な画像形成装置であって、
静電潜像がその表面に形成される像担持体と、
直流成分に交流成分を重畳した現像バイアスが印加されており、トナーを前記静電潜像に供給してトナー画像を現像する現像部と、
前記現像バイアスを制御する現像電圧制御部と、
印字データが前記バーコードデータであった場合に、前記現像バイアスのデューティ値及び前記直流成分値を、該バーコードデータを含まない場合の55%以下の大きさに減少させる信号を前記現像電圧制御部に出力するバーコード印字制御部と
を具備したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置であって、
直流成分を少なくとも有した帯電バイアスが印加されており、前記像担持体の表面を帯電する帯電器と、
前記帯電バイアスを制御する帯電電圧制御部とをさらに具備し、
前記バーコード印字制御部は、印字データが前記バーコードデータであった場合には、前記像担持体の表面電位を、該バーコードデータを含まない場合の70%〜90%の大きさに減少させるべく、前記帯電バイアスの直流成分値を減少させる信号を前記帯電電圧制御部に出力することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2に記載の画像形成装置であって、
前記像担持体の回転速度を制御する線速制御部をさらに具備し、
前記バーコード印字制御部は、印字データが前記バーコードデータであった場合には、前記像担持体の回転速度を、該バーコードデータを含まない場合より減少させる信号を前記線速制御部に出力することを特徴とする画像形成装置。 - バーコードデータを記録材に印字する画像形成方法であって、
印字データが前記バーコードデータであった場合には、
静電潜像がその表面に形成される像担持体の回転速度を、該バーコードデータを含まない場合より減少させるよう設定して、該像担持体を駆動するステップと、
該像担持体の表面電位を、該バーコードデータを含まない場合の70%〜90%の大きさに減少させるべく、帯電バイアスの直流成分値を小さく設定して、該像担持体の表面を帯電するステップと、
直流成分に交流成分を重畳した現像バイアスのうち、そのデューティ値及び該直流成分値を、該バーコードデータを含まない場合の55%以下の大きさに設定して、トナーを前記静電潜像に供給してトナー画像を現像するステップと
から構成される画像形成方法。
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