JP2010091049A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の防振ゴム2を備え、これらの防振ゴム2が、その軸O方向内側の端部同士を互いに向き合わせつつ、一対の第1フランジ部23により軸O方向両側からブラケット部材3を挟み込むことで該ブラケット部材3に連結されるとともに、一対の内筒21内に挿通された締結部材5により一対の本体ゴム22の軸O方向外側にそれぞれ配置された一対のプレート部材4を軸O方向内側に押し込むことでこれらのプレート部材4により軸O方向両側から挟み込まれる防振装置1であって、外筒20の内周面および内筒21の外周面のうちのいずれか一方には、本体ゴム22を形成するゴム材料の硬度以上のゴム材料で形成された第1ストッパゴム25が、他方との間に径方向の隙間Aをあけた状態で固着されている。
【選択図】図1
Description
この防振装置として、例えば下記特許文献1に示されるように、振動発生体および振動受体のうちの何れか一方にブラケット部材を介して連結されるとともに、軸方向外側の端部に径方向外側に向けて突出する第1フランジ部が形成された外筒と、振動発生体および振動受体のうちの何れか他方にプレート部材を介して連結されるとともに、外筒の内側に配置された内筒と、外筒と内筒との間に配置された本体ゴムと、をそれぞれ有する一対の防振ゴムを備え、これらの防振ゴムが、その軸方向内側の端部同士を互いに向き合わせつつ、一対の第1フランジ部により軸方向両側からブラケット部材を挟み込むことで該ブラケット部材に連結されるとともに、一対の内筒内に挿通された締結部材により一対の本体ゴムの軸方向外側にそれぞれ配置された一対のプレート部材を軸方向内側に押し込むことでこれらのプレート部材により軸方向両側から挟み込まれる構成が知られている。
また、この文献1記載の防振装置では、本体ゴムが内筒の外周面に固着されるとともに外筒内に嵌合されることで、外筒と内筒とが同一の本体ゴムによって連結されている。
また、振動発生体および振動受体が径方向に沿って相対的に大きく変位したときに、本体ゴムが外筒と内筒との間に挟まれて過度に圧縮変形させられることで、この本体ゴムの耐久性が低いという問題があった。
また、振動発生体および振動受体が径方向に沿って相対的に前記隙間の大きさよりも大きく変位しようとしたときに、第1ストッパゴムと前記他方とを当接させることにより、この変位を抑えることで本体ゴムの変形量を抑制することが可能になり、本体ゴムの耐久性を向上させることができる。
さらに、第1ストッパゴムが本体ゴムを形成するゴム材料の硬度以上のゴム材料で形成されているので、前述のように第1ストッパゴムと前記他方とが当接したときに、この防振装置に発生する衝撃力や衝撃加速度を抑えつつ、第1ストッパゴムに発生する反発力を高くすることが可能になり、前述の変位が確実に抑えられ本体ゴムの変形量を確実に抑制することができる。
さらに、第1ストッパゴムが第2フランジ部の内周縁よりも径方向内側に突出しているので、振動発生体および振動受体が径方向に沿って相対的に前記隙間の大きさよりも大きく変位しようとしたときに、第2フランジ部と内筒の外周面側とが当接するのを防ぐことが可能になり、この当接時に発生する衝撃力や衝撃加速度を確実に抑えることができる。
また、振動発生体および振動受体が軸方向に沿って相対的に前記隙間の大きさよりも大きく変位しようとしたときに、第2ストッパゴムとプレート部材とを当接させることにより、この変位を抑えることで本体ゴムの変形量を抑制することが可能になり、この本体ゴムの耐久性を向上させることができる。
さらに、第2ストッパゴムが本体ゴムを形成するゴム材料の硬度以上のゴム材料で形成されているので、前述のように第2ストッパゴムとプレート部材とが当接したときに、この防振装置に発生する衝撃力や衝撃加速度を抑えつつ、第2ストッパゴムに発生する反発力を高くすることが可能になり、前述の変位が確実に抑えられ本体ゴムの変形量を確実に抑制することができる。
この場合、防振装置を組み立てる際に、外筒、第1ストッパゴム、内筒および本体ゴムの周方向に沿った位置を互いに合わせる必要がなく、この防振装置の製造コストの上昇をより一層確実に抑えることができる。
この防振装置1は、例えばエンジンマウントとして適用されるものであり、建設機械等に搭載された図示せぬエンジン(振動発生体)から入力される振動を減衰あるいは吸収して図示せぬ機体(振動受体)への振動伝達が抑えられるようになっている。
防振装置1は一対の防振ゴム2を備えている。
そして、一対の防振ゴム2は、軸O方向に沿って互いに向き合わされた状態で、軸Oと同軸上に配設されている。以下、一対の防振ゴム2のうち一方の防振ゴム2において軸O方向に沿った他方の防振ゴム2側を軸O方向内側といい、一方の防振ゴム2において軸O方向に沿った他方の防振ゴム2の反対側を軸O方向外側という。
また、被覆部材26は本体ゴム22と同一のゴム材料で一体に形成されている。さらに、第1ストッパゴム25の内径は、外筒20の第2フランジ部24の内径よりも小さくなっており、第1ストッパゴム25の内周縁は、第2フランジ部24の内周縁よりも径方向内側に位置している。
まず、一方の防振ゴム2の外筒20をブラケット部材3の軸O方向一方側から取付孔30内に挿入させるとともに、他方の防振ゴム2の外筒20を軸O方向他方側から取付孔30内に挿入させる。このとき、外筒20の外径は取付孔30の内径よりも小さく、外筒20は、取付孔30内に非圧入状態で挿入(緩挿)される。またこの状態で、一対の防振ゴム2それぞれの第2フランジ部24が、取付孔30内で互いに軸O方向で対向し、かつ一対の防振ゴム2それぞれの第1フランジ部23が、ブラケット部材3の表裏面における取付孔30の周辺部分を軸O方向両側から挟み込む。
以上より、一対の防振ゴム2がブラケット部材3に固定される。
そして本実施形態では、本体ゴム22の軸O方向の予備圧縮変形量は、前記隙間Bより大きくされ、また本体ゴム22の径方向の予備圧縮変形量は前記隙間Aより大きくなっている。
この際、前記隙間Bの大きさを、第2ストッパゴム27の軸O方向の圧縮荷重に対する剛性、および防振ゴム2に入力される軸O方向の荷重の最大値に基づいて設定しておくことにより、他方の防振ゴム2の本体ゴム22が軸O方向の予備圧縮変形量以上の大きさで引張変形することはなく、この本体ゴム22がプレート部材4から離間するのを防ぐことができる。
また、エンジンおよび機体が径方向に沿って相対的に前記隙間Aの大きさよりも大きく変位しようとしたときに、第1ストッパゴム25と内筒21の外周面側とを当接させることにより、この変位を抑えることで本体ゴム22の変形量を抑制することが可能になり、本体ゴム22の耐久性を向上させることができる。
さらに、第1ストッパゴム25が本体ゴム22を形成するゴム材料の硬度以上のゴム材料で形成されているので、前述のように第1ストッパゴム25と内筒21の外周面側とが当接したときに、この防振装置1に発生する衝撃力や衝撃加速度を抑えつつ、第1ストッパゴム25に発生する反発力を高くすることが可能になり、前述の変位が確実に抑えられ本体ゴム22の変形量を確実に抑制することができる。
また、第1ストッパゴム25が第2フランジ部24の内周縁よりも径方向内側に突出しているので、エンジンおよび機体が径方向に沿って相対的に前記隙間Aの大きさよりも大きく変位しようとしたときに、第2フランジ部24と内筒21の外周面側とが当接するのを防ぐことが可能になり、この当接時に発生する衝撃力や衝撃加速度を確実に抑えることができる。
また、エンジンおよび機体が軸O方向に沿って相対的に前記隙間Bの大きさよりも大きく変位しようとしたときに、第2ストッパゴム27とプレート部材4とを当接させることにより、この変位を抑えることで本体ゴム22の変形量を抑制することが可能になり、この本体ゴム22の耐久性を向上させることができる。
さらに、第2ストッパゴム27が本体ゴム22を形成するゴム材料の硬度以上のゴム材料で形成されているので、前述のように第2ストッパゴム27とプレート部材4とが当接したときに、この防振装置1に発生する衝撃力や衝撃加速度を抑えつつ、第2ストッパゴム27に発生する反発力を高くすることが可能になり、前述の変位が確実に抑えられ本体ゴム22の変形量を確実に抑制することができる。
さらに、第1ストッパゴム25および第2ストッパゴム27が同一のゴム材料で一体に形成されているので、防振装置1の製造コストの上昇を抑えることができる。
例えば、前記実施形態では、第1ストッパゴム25としてリング状に形成された構成を示したが、これに限らずブロック状にする等適宜変更してもよい。この構成において、第1ストッパゴム25の配設位置は、軸Oを中心にした点対称配置に限らず、軸O回りに間隔をあけた任意の位置に配置してもよい。この場合、防振ゴム2のうち例えば内筒21および外筒22等に、軸O回りに沿った位置を決定するための位置決め突部や凹部あるいは目印等を形成してもよい。
また、第1ストッパゴム25を内筒21の外周面に固着したが、これに限らず例えば、外筒20の内周面に固着して内筒21との間に隙間Aをあける等適宜変更してもよい。
さらに、第1ストッパゴム25は、真円形状に限らず例えば楕円形状等のリング状に形成してもよい。
また、外筒20に、第2フランジ部24および膨出部23aを形成しなくてもよい。
さらに、被覆部材26、連結片28、第2ストッパゴム27、第1環状凹部22dおよび第2環状凹部22eを有しない防振装置を採用してもよい。
また、本体ゴム22に、軸Oを中心とした真円形状の第2環状凹部22eを形成したが、これに代えて例えば楕円形状あるいは複数の点状の凹部等適宜変更してもよい。
さらに、第2フランジ部24の内周縁部を第1ストッパゴム25の内周縁部で覆ってもよい。
また、上記した実施の形態では、一対の防振ゴム2として、同一の構成の防振ゴム2を組み合わせているが、本発明は、一対の防振ゴム2として、異なる構成の防振ゴムを組み合わせてもよい。例えば、外筒20や内筒21や本体ゴム22等の形状や素材が異なる防振ゴムを組み合わせてもよい。
また、上記した実施の形態では、本体ゴム22の径方向の予備圧縮変形量を前記隙間Aより大きくすることで、本体ゴム22を径方向の予備圧縮変形量以上の大きさで径方向に弾性変形させずに、この本体ゴム22が第2ストッパゴム27および連結片28から離間するのを防止したが、これに限らず、本体ゴム22の径方向の予備圧縮変形量を前記隙間A以下にすることで、本体ゴム22を径方向の予備圧縮変形量以上の大きさで径方向に弾性変形させて、この本体ゴム22が第2ストッパゴム27および連結片28から離間するようにしてもよい。
2 防振ゴム
3 ブラケット部材
4 プレート部材
5 締結部材
20 外筒
21 内筒
22 本体ゴム
23 第1フランジ部
23a 膨出部
24 第2フランジ部
25 第1ストッパゴム
26 被覆部材
27 第2ストッパゴム
30 取付孔
A 径方向の隙間
B 軸方向の隙間
O 軸
Claims (7)
- 振動発生体および振動受体のうちの何れか一方にブラケット部材を介して連結されるとともに、軸方向外側の端部に径方向外側に向けて突出する第1フランジ部が形成された外筒と、
振動発生体および振動受体のうちの何れか他方にプレート部材を介して連結されるとともに、前記外筒の内側に配置された内筒と、
前記外筒と内筒との間に配置された本体ゴムと、をそれぞれ有する一対の防振ゴムを備え、
これらの防振ゴムが、その軸方向内側の端部同士を互いに向き合わせつつ、一対の前記第1フランジ部により軸方向両側から前記ブラケット部材を挟み込むことで該ブラケット部材に連結されるとともに、一対の前記内筒内に挿通された締結部材により一対の前記本体ゴムの軸方向外側にそれぞれ配置された一対のプレート部材を軸方向内側に押し込むことでこれらのプレート部材により軸方向両側から挟み込まれる防振装置であって、
前記外筒の内周面および前記内筒の外周面のうちのいずれか一方には、前記本体ゴムを形成するゴム材料の硬度以上のゴム材料で形成された第1ストッパゴムが、他方との間に径方向の隙間をあけた状態で固着されていることを特徴とする防振装置。 - 請求項1記載の防振装置であって、
前記外筒の内周面および前記内筒の外周面のうちのいずれか他方において前記第1ストッパゴムに径方向で対向する部分は、ゴム材料からなる被覆部材で覆われていることを特徴とする防振装置。 - 請求項1または2に記載の防振装置であって、
前記外筒の軸方向内側の端部には、径方向内側に向けて突出する第2フランジ部が形成され、
前記第1ストッパゴムは、前記第2フランジ部に固着されて前記本体ゴムを軸方向内側から支持し、かつ前記第2フランジ部の内周縁よりも径方向内側に突出していることを特徴とする防振装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の防振装置であって、
前記本体ゴムは、前記第1ストッパゴムを形成するゴム材料よりも動倍率が低いゴム材料で形成され、
前記第1ストッパゴムは、前記本体ゴムを形成するゴム材料よりも損失正接が高いゴム材料で形成されていることを特徴とする防振装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の防振装置であって、
前記第1フランジ部における軸方向外側を向く外面には、前記本体ゴムを形成するゴム材料の硬度以上のゴム材料で形成されるとともに、前記本体ゴムを径方向外側から支持する第2ストッパゴムが固着され、
前記第2ストッパゴムと前記プレート部材との間には、軸方向の隙間が設けられることを特徴とする防振装置。 - 請求項5記載の防振装置であって、
前記第1フランジ部において第2ストッパゴムが固着された部分は、軸方向外側に向けて膨出していることを特徴とする防振装置。 - 請求項5または6に記載の防振装置であって、
前記第1ストッパゴムおよび前記第2ストッパゴムは同一のゴム材料で一体に形成されていることを特徴とする防振装置。
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