JP2010091000A - 動力伝達装置の潤滑構造 - Google Patents

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【課題】変速機内のオイルを簡単な構造で、確実に潤滑要素に流通させることができる動力伝達装置の潤滑構造を提供する。
【解決手段】トランスアクスルハウジング26およびトランスアクスルケース27と、オイル供給部材41と、オイル案内部材42とを備え、トランスアクスルケース27が、オイル通路部43をさらに備え、オイル通路部43が、オイル流入ポート43rと、オイル流出ポート43dと、オイルチャンネル43cとを有し、オイル供給部材41が、オイル流入ポート43r内に挿入され、リングギヤ22などの伝達要素により掻き上げられたオイルLをオイル流入ポート43r内に供給するよう、オイル流入ポート43rの幅Wrよりも小さい幅Wkで形成された供給ガイド41kを有し、オイルチャンネル43cの幅Wcが、オイル流入ポート43rの幅Wrよりも小さい幅で形成されたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、動力伝達装置の潤滑構造、詳しくは、変速機などの動力伝達装置にオイルを供給し、歯車などの潤滑要素を潤滑するようにした動力伝達装置の潤滑構造に関する。
従来、この種の動力伝達装置の潤滑構造として、例えば、変速機の歯車を支持する回転軸内に、軸線方向に端部で開口するオイル通路を形成し、この回転軸の端部の開口からオイル通路内にオイルを導入させる導入孔と、オイル通路内のオイルを歯車などの潤滑要素に注油する注油孔とを形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来の動力伝達装置の潤滑構造においては、導入孔の開口端近傍の回転軸の端部を囲むケースの一部にうず形空間を設け、桶状に形成された潤滑油供給手段に集められた変速機内のオイルをうず形空間に向けて滴下し、導入孔からオイル通路内に流入させている。このうず形空間と、うず形空間内で回転する回転軸とのポンプ作用により、オイルを連続的にオイル通路内に導入し、潤滑部への安定した注油を得るようにしている。
実開平7−41129号公報
また、従来の動力伝達装置の潤滑構造として、図11(a)、(b)に示すように、変速機ケース1と、図示しない歯車を支持し内部にオイル通路2aが設けられた回転軸2と、変速機ケース1と回転軸2との間に介装され回転軸2を回転可能に支持する軸受3と、オイルをオイル通路2aに案内する案内部材4と、変速機ケース1と案内部材4との間に介装されるシール部材5と、案内部材4を変速機ケース1に固定するカシメ部材6と、オイルを集めて案内部材4に流入させるオイル供給部材7とを含んで構成された変速機10が知られている。
この変速機10においては、案内部材4にオイルを受けるオイル受け4aと、オイルをオイル通路2a内に流入させる開口部4bと、取付孔4cを有する取付部4dとを形成し、案内部材4をカシメ部材6によりシール部材5を介して変速機ケース1にカシメ固定している。この変速機10においては、図11(a)に示すように、変速機ケース1の内壁面1aと、案内部材4の内壁面4eとにより、オイル通路10aが画成され、オイル供給部材7に集められたオイルが案内部材4のオイル受け4aに流入し、オイル通路10a内を流通して開口部4bから回転軸2のオイル通路2aに流入するようになっている。この構成により、オイル通路2aに流入したオイルを、回転軸2に設けられた図示しない注油孔から歯車などの潤滑部に確実に注油するようにしている。
しかしながら、前述のような従来の特許文献1に記載の動力伝達装置の潤滑構造においては、潤滑油供給手段に集められた変速機内のオイルを、潤滑油供給手段の端部からうず形空間に向けて滴下しているので、滴下中のオイルが、変速機内の歯車の回転により生ずる負圧により、歯車に吸い寄せられてしまうおそれがあるという問題があった。
この潤滑油供給手段の端部が挿入されているうず形空間内は、歯車が装着された回転軸の端部に形成されているので、潤滑油供給手段の端部から滴下されたオイルが、歯車の回転により生ずる負圧の影響を受け易くなっている。また、うず形空間内に位置する潤滑油供給手段の端部が、うず形空間を囲むケースの内壁面から離隔し、潤滑油供給手段の端部とケースの内壁面との隙間が大きくなると、より負圧の影響を受け易くなり、潤滑油供給手段の端部から滴下されたオイルが負圧により、歯車に吸い寄せられて導入孔に流入しないおそれがあるという問題があった。この潤滑油供給手段の端部とケースの内壁面とが接触し、両者の隙間が無くなると、潤滑油供給手段の端部からオイルが滴下されないおそれもあり、この隙間の大小によりオイルの流通が影響を受けてしまうという問題があった。
また、図11(a)、(b)に示す従来の動力伝達装置の潤滑構造においては、図11(a)に示すように、案内部材4と変速機ケース1との間にオイル通路10aを画成し、オイル通路10aから、オイルが漏れないよう案内部材4と変速機ケース1との間にシール部材5を介装し、カシメ部材6により案内部材4とシール部材5を変速機ケース1にカシメ固定している。そのため、オイル通路10a内を流通するオイルは、変速機内の歯車の回転により生ずる負圧の影響を受けることはないものの、構造が複雑となり、部品点数や組立工数が増大してしまうという問題があった。
本発明は、前述のような従来の問題を解決し以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、本発明は、変速機内のオイルを簡単な構造で、確実に潤滑要素に流通させることができる動力伝達装置の潤滑構造を提供することを目的とする。
本発明に係る動力伝達装置の潤滑構造は、上記目的達成のため、(1)動力を伝達する伝達要素を収容するケースと、前記ケース内に貯留され前記伝達要素により掻き上げられたオイルを受け、下方に前記オイルを供給するオイル供給部材と、前記オイル供給部材の下方に設けられ、前記オイルを潤滑要素に流通させるよう案内するオイル案内部材とを備えた動力伝達装置の潤滑構造において、前記ケースが、前記オイル供給部材から滴下された前記オイルを前記オイル案内部材に流通させるオイル通路部を備え、前記オイル通路部が、前記オイル供給部材から滴下された前記オイルが流入するオイル流入ポートと、前記オイルを前記オイル案内部材に向けて流出させるオイル流出ポートと、前記オイル流入ポートと、前記オイル流出ポートとを連通し前記オイルを前記オイル流入ポートから前記オイル流出ポートに流通させるオイルチャンネルとを有し、前記オイル供給部材が、前記オイル流入ポート内に挿入され、前記伝達要素により掻き上げられた前記オイルを前記オイル流入ポート内に供給するよう、前記オイル流入ポートの前記オイルの流通方向に直交する方向の幅よりも小さい幅で形成された供給ガイドを有し、前記オイルチャンネルの前記流通方向に直交する方向の幅が、前記オイル流入ポートの幅よりも小さい幅で形成されたことを特徴とする。
この構成により、伝達要素により掻き上げられオイル供給部材から滴下されたオイルは、ケースに形成されたオイル通路部のオイル流入ポートに流入し、オイルチャンネルを流通してオイル流出ポートからオイル案内部材内に流入する。オイル流入ポートからオイル流出ポートまでの間、オイルは、主にケースの内壁面部に沿って流通するとともに、動力を伝達する伝達要素から最も離隔する側を流通するので、伝達要素の回転により生ずる負圧の影響を受けにくく、この伝達要素側へのオイルの吸引が抑制される。
また、オイル供給部材の供給ガイドの幅がオイル流入ポートの幅よりも小さく形成され、供給ガイドの両側面とオイル流入ポートを囲むケースの内壁面との間にそれぞれ隙間が形成されており、供給ガイドで受けたオイルは、供給ガイドの両側面側の隙間を通って、オイル流入ポート内に流入するので、供給ガイドの先端部分とケースの内壁面部との隙間を小さくすることができ、オイルがケースの内壁面部に沿ってより流れ易くなる。
また、オイルチャンネルの幅が、オイル流入ポートの幅より小さく形成されているので、供給ガイドから滴下され幅広のオイル流入ポートから幅狭のオイルチャンネル内に流入し集められたオイルは、オイルチャンネルを囲むケースの内壁面に沿って流通し、オイルチャンネルにおいても、オイルチャンネル内のオイルが伝達要素の回転によって発生する負圧により、伝達要素側に吸引されるということが抑制される。
上記(1)に記載の動力伝達装置の潤滑構造において、(2)前記オイルチャンネルの前記流通方向に直交する方向の幅が、前記供給ガイドの幅よりも小さい幅で形成されたもので構成される。
この構成により、オイルチャンネルの幅が、供給ガイドの幅より小さく形成されているので、供給ガイドから滴下され幅広のオイル流入ポートから幅狭のオイルチャンネル内に流入し集められたオイルは、オイルチャンネルを囲むケースの内壁面に沿って流通し、オイルチャンネルにおいても、オイルチャンネル内のオイルが伝達要素の回転によって発生する負圧により、伝達要素側に吸引されるということが抑制される。
上記(1)または(2)に記載の動力伝達装置の潤滑構造において、(3)前記オイル流入ポート、前記オイル流出ポートおよび前記オイルチャンネルが、前記ケースの内壁面部に凸状に形成された凸部、または前記内壁面部に凹状に形成された凹部によって画成される。
この構成により、オイル流入ポート、オイル流出ポートおよびオイルチャンネルが、ケースの内壁面部に凸状または凹状に一体的に形成されるので、より簡単な構造で形成される。また、オイル流入ポート、オイル流出ポートおよびオイルチャンネル内を流通するオイルは、ケースの内壁面部に沿って流通するので、伝達要素の回転によって発生する負圧により、伝達要素側に吸引されるということが抑制され、オイル通路部に通路カバーなどの、負圧による吸引を防止する部材を設ける必要がなく、構造がより簡素化される。
上記(1)に記載の動力伝達装置の潤滑構造において、(4)前記伝達要素を支持する回転軸を備え、前記回転軸が、該内部に前記オイル流出ポート側で開口するオイル通路を有するとともに、前記オイル通路と外部とを連通し、前記オイル通路内の前記オイルを、外部に放出させるオイル放出口を有し、前記オイル案内部材が、軸線方向に貫通する貫通孔を有するとともに、前記ケースに支持される支持部と、前記回転軸の前記オイル通路内に挿入される挿入部とを有するもので構成される。
この構成により、オイル案内部材の挿入部が、インプットシャフト内に挿入されているので、オイル案内部材に流入したオイルが確実に、インプットシャフトのオイル通路内に供給され、各潤滑要素が充分に潤滑および冷却される。
本発明によれば、変速機内のオイルを簡単な構造で、確実に潤滑要素に流通させることができる動力伝達装置の潤滑構造を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造30が適用される車両の手動変速機を備えたトランスアクスル20の断面を展開した断面図であり、図2は、図1に示すトランスアクスル20の部分拡大断面図であり、図3は、図2のB−B断面を示すトランスアクスル20の部分断面図であり、図4は、図3の部分拡大断面図であり、図5は、図4のC−C断面を示す断面図である。
まず、構成について説明する。
動力伝達装置の潤滑構造30は、車両に搭載される変速機としてのトランスアクスル20の一部を構成している。車両は、大型自動車、普通自動車などの公知の車両からなり、例えば、横置きの4気筒ガソリンエンジンを搭載した普通自動車で構成されている。
図1に示すように、トランスアクスル20は、手動変速機21と、手動変速機21と連結されたリングギヤ22と、ボルト22bによりリングギヤ22に結合したディファレンシャル23と、ディファレンシャル23に連結された左ドライブシャフト24および右ドライブシャフト25と、ケースとしてのトランスアクスルハウジング26およびトランスアクスルケース27とを含んで構成されている。ディファレンシャル23は、トランスアクスルハウジング26に収容された軸受28と、トランスアクスルケース27に収容された軸受29とにより、それぞれトランスアクスルハウジング26およびトランスアクスルケース27に回転可能に支持されている。
手動変速機21は、手動変速機21内を潤滑する潤滑構造30と、図示しないエンジンの動力が伝達される回転軸としてのインプットシャフト31と、インプットシャフト31に設けられた複数のドライブギヤD1、D2、D3、D4、D5、D6およびリバースドライブギヤRと、これらのドライブギヤD1、D2、D3、D4、D5、D6およびリバースドライブギヤRにそれぞれ噛み合うようアウトプットシャフト32に設けられた複数のドリブンギヤDN1、DN2、DN3、DN4、DN5、DN6およびリバースドリブンギヤRNと、ファイナルドライブギヤFDと、を含んで構成されている。
インプットシャフト31は、トランスアクスルハウジング26に収容された軸受36と、トランスアクスルケース27に収容された軸受37とにより、それぞれトランスアクスルハウジング26およびトランスアクスルケース27に回転可能に支持されている。
アウトプットシャフト32は、トランスアクスルハウジング26に収容された軸受38と、トランスアクスルケース27に収容された軸受39とにより、それぞれトランスアクスルハウジング26およびトランスアクスルケース27に回転可能に支持されている。
また、手動変速機21は、ドライブギヤD1、D2、D3、D4、D5、D6およびリバースドライブギヤRにそれぞれ噛み合うよう設けられた複数のドリブンギヤDN1、DN2、DN3、DN4、DN5、DN6およびリバースドリブンギヤRNの噛み合わせを切り替えるよう、インプットシャフト31およびアウトプットシャフト32に設けられた複数のスリーブ33、34、35と、このスリーブ33を移動させる図示しないシフトロッドおよびシフトフォークとを含んで構成されている。
本実施の形態におけるリングギヤ22、ディファレンシャル23、インプットシャフト31、アウトプットシャフト32、スリーブ33、34、35、ドライブギヤD1、D2、D3、D4、D5、D6およびリバースドライブギヤR、ドリブンギヤDN1、DN2、DN3、DN4、DN5、DN6およびリバースドリブンギヤRNは、それぞれ本発明の伝達要素および潤滑要素を構成している。
トランスアクスル20内の下部には、これらの潤滑要素を潤滑するためのオイルLが貯留されており、このオイルLは、リングギヤ22などの伝達要素の回転により、トランスアクスル20内の上部に掻き上げられるようになっている。
トランスアクスルハウジング26は、例えば、ダイキャストにより成形されたアルミニウムなどの軽量な金属材料からなり、全体の厚みが薄く形成されて軽量化されるとともに、補強すべき所定の箇所にはリブが形成され、高い剛性を有している。右ドライブシャフト25が挿通される貫通孔が形成されており、この右ドライブシャフト25と貫通孔を囲むトランスアクスルハウジング26の内壁部にオイルシールが介装され、トランスアクスルハウジング26内部のオイルLが外部に漏出しないようになっている。
トランスアクスルケース27は、トランスアクスルハウジング26と同様に、ダイキャストにより成形されたアルミニウムなどの軽量な金属材料からなり、全体の厚みが薄く形成されて軽量化されるとともに、補強すべき所定の箇所にはリブが形成され、高い剛性を有している。
このトランスアクスルケース27は、一端部でトランスアクスルハウジング26にボルトなどの締結手段により固定されるとともに、他端部で図示しないエンジンのシリンダブロックにボルトなどの締結手段により固定されており、シリンダブロック、トランスアクスルハウジング26およびトランスアクスルケース27が一体化されている。
図1および図2に示すように、潤滑構造30は、オイル供給部材41と、オイル案内部材42とオイル通路部43およびオイル供給部材41を支持する支持部27s1、27s2が形成されたトランスアクスルケース27の一部と、オイル通路31kおよびオイル放出口31hが形成されたインプットシャフト31の一部とを含んで構成されている。
図2ないし図5に示すように、オイル供給部材41は、例えば、プラスチックの成形品からなり、一端部に設けられた供給ガイド41kと、他端部に設けられた装着部41s1と、リングギヤ22などの伝達要素により掻き上げられたオイルLを受けるオイル受け41oと、オイル受け41oの両側で上方に突出したオイル流通ガイド41r1、41r2と、オイル受け41oの一端部に設けられた装着部41s2とを含んで構成されている。
供給ガイド41kは、オイル供給部材41の一端部で、オイル受け41oから下方側に角度θで傾斜するよう屈曲しており、オイル受け41oで受けたオイルLを下方にガイドし供給ガイド41kの先端からオイルLを滴下されるようになっている。この供給ガイド41kは、図4に示すように、幅Wkで形成されており、幅Wkの両側面からもオイルLが滴下されるようになっている。
装着部41s1は、図2に示すように、オイル受け41oから下方側に、コの字状に成形され、先端部にスリ割りが形成されており、トランスアクスルケース27に装着した際、弾力性により装着部41s1がトランスアクスルケース27に確実に固定されるようになっている。
オイル受け41oは、幅Woと、長さLoとを有する平坦な底面41otで形成され、長さLo方向で、上方に突出したオイル流通ガイド41r1、41r2と一体的に連結されており、リングギヤ22などの伝達要素により掻き上げられたオイルLを受けるとともに、供給ガイド41kに向けて流通させるようになっている。
装着部41s2は、装着部41s1と同様に、先端部にスリ割りが形成されており、トランスアクスルケース27に装着した際、弾力性により装着部41s2がトランスアクスルケース27に確実に固定されるようになっている。
オイル案内部材42は、プラスチック、金属などからなり、例えば、プラスチックで円環状に成形され、トランスアクスルケース27に支持される支持部42sと、インプットシャフト31に挿入される挿入部42iとを有しており、軸線方向に貫通した貫通孔42kが形成されている。この貫通孔42kの支持部42s側の開口からオイルが流入し、挿入部42i側の開口からオイルが流出するようになっている。
オイル通路部43は、トランスアクスルケース27のインプットシャフト31の端部と対向する内壁面部27nに形成されており、オイル流入ポート43rと、オイル流出ポート43dと、オイルチャンネル43cとを有している。
オイル流入ポート43rは、図4および図5に示すように、内壁面部27nから高さh、幅Wrで凸状に形成された凸部43trで囲まれ、トランスアクスルケース27の内部に向かって開口した空間からなり、オイル供給部材41からオイルLが流入するようになっている。また、オイル供給部材41の供給ガイド41kの両側面と凸部43trの内面との間には、ほぼ等しい大きさの隙間Wsができるよう構成されている。この隙間WsからオイルLがオイル流入ポート43r内に流入するようになっている。
このオイル流入ポート43r内に位置する供給ガイド41kの先端部分と内壁面部27nとの隙間30sは、小さくなるよう、例えば、0ないし数mmになるよう構成されている。この隙間30sを小さく形成し、供給ガイド41kが内壁面部27nに近接するようにして、供給ガイド41kからオイル流入ポート43r内に流入するオイルLが、内壁面部27nに沿って流れ易くなるようにしている。
オイル流出ポート43dは、図2および図3に示すように、内壁面部27nから高さhdで凸状の円環で形成された凸部43tdで囲まれ、トランスアクスルケース27の内部に向かって開口した円環状の空間からなり、オイルチャンネル43cから流入したオイルLがオイル案内部材42の貫通孔42kに向かって流出するようになっている。
この円環状の空間の直径Ddは、ほぼ貫通孔42kの内径と同じ大きさで形成されており、オイル流出ポート43d内のオイルLが貫通孔42kに向かって流出し易くなっている。また、凸部43tdの先端面と、この先端面に対向するオイル案内部材42の側面とが当接するよう構成されており、オイル流出ポート43d内のオイルLが貫通孔42kに向かって流出する際に、下方に漏れ出ないようになっている。
オイルチャンネル43cは、図3および図4に示すように、内壁面部27nからオイル流出ポート43dの凸部43tdの高さhdと同じ高さhc、および幅Wcで凸状に形成された凸部43tcで画成され、トランスアクスルケース27の内部に向かって開口した幅Wcの溝からなる。このオイルチャンネル43cは、一端でオイル流入ポート43rと連通し、他端でオイル流出ポート43dと連通し、オイル流入ポート43r内のオイルLをオイル流出ポート43dに流通させるようになっている。
オイルチャンネル43cとオイル流入ポート43rとの連通部分は、図4に示すように、オイル流入ポート43rの凸部43trからオイルチャンネル43cの凸部43tcに向けて幅狭になるよう、凸部43trが傾斜して形成されている。この傾斜により、オイル流入ポート43r内のオイルLがスムースにオイルチャンネル43c内に流入し、幅狭のオイルチャンネル43cを囲む凸部43tcの内壁面に沿ってオイルLが流通するようになっている。すなわち、オイルチャンネル43c内を流通するオイルLが凸部43tcの内壁面にキャッチされ、オイルチャンネル43cの開口から外部に流出しないよう構成されている。
図2に示すように、トランスアクスルケース27の内壁面部27nには、オイル供給部材41の装着部41s1を支持する支持部27s1が形成されており、オイル供給部材41の一端部が、支持部27s1により支持されている。また、オイル供給部材41の装着部41s2を支持する支持部27s2が形成されており、オイル供給部材41の他端部が、支持部27s2により支持されている。また、トランスアクスルケース27の内壁面部27nには、オイル案内部材42および軸受37を支持する支持部27s3が、設けられている。
オイル供給部材41のオイル受け41oの幅Wo、長さLo、オイル供給部材41の供給ガイド41kの両側面と凸部43trの内面との間の隙間Ws、供給ガイドが傾斜する角度θおよび幅Wk、オイル流入ポート43rの凸部43trの高さhrおよび幅Wr、オイルチャンネル43cの凸部43tcの高さhcおよび幅Wc、オイル流出ポート43dの凸部43tdの高さhdおよび幅Wd、オイル流出ポート43dの円環状の空間の直径Ddは、トランスアクスル20の構造、大きさおよび形状などの設定条件や、オイルLの特性や量、エンジンの種類などの諸条件により適宜選択される。
次いで、トランスアクスル20の動作について簡単に説明する。
図1に示すように、運転者のシフト操作により図外のシフトロッドおよびシフトフォークが動作し、スリーブ35が所定の変速段の位置に移動し、例えば、運転者の意図した1段変速に切り替えられる。このとき、図外のエンジンの動力がインプットシャフト31に伝達されると、動力は、切り替えられたドライブギヤD1からドリブンギヤDN1に1段変速の変速比で伝達される。続いて、ドリブンギヤDN1の回転により、アウトプットシャフト32に動力が伝達され、ファイナルドライブギヤFDを介してリングギヤ22に動力が伝達され、ディファレンシャル23から左ドライブシャフト24および右ドライブシャフト25に動力が伝達される。
次いで、動力伝達装置の潤滑構造30の作用について説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係るトランスアクスル20内におけるオイルLが流動する状態を矢印で示した説明図であり、図7は、動力伝達装置の潤滑構造30内におけるオイルLが流動する状態を矢印で示した説明図である。
図6に示すように、トランスアクスル20のインプットシャフト31にエンジンの動力が伝達され、インプットシャフト31が回転すると、選択された変速段でインプット側のドライブギヤD1ないしD6からアウトプット側のドリブンギヤDN1ないしDN6(図1参照)に動力が伝達される。このとき、トランスアクスルハウジング26およびトランスアクスルケース27内に貯留されているオイルLが、リングギヤ22および選択された変速段のドリブンギヤDN1ないしDN6の回転により、矢印で示すように上方に掻き上げられる。
掻き上げられたオイルLは、トランスアクスル20内のディファレンシャル23、軸受28、29、36、37、38、39、スリーブ33、34、35、ドライブギヤD1、D2、D3、D4、D5、D6およびリバースドライブギヤR、ドリブンギヤDN1、DN2、DN3、DN4、DN5、DN6およびリバースドリブンギヤRN(図1参照)などの潤滑要素に供給され、各潤滑要素がその外側から潤滑され、冷却される。
さらに、上方に流動するオイルLは、図7に示すように、オイル供給部材41のオイル受け41oで受け止められ、オイル受け41oから供給ガイド41kに向けて矢印で示すように流動する。
このオイルLは、供給ガイド41kとそのオイル流入ポート43rの凸部43trとの隙間Ws(図4参照)から、オイル流入ポート43r内に流入し、幅狭のオイルチャンネル43cを囲む凸部43tcの内壁面に沿ってオイルLが流通し、オイル流出ポート43d内に流れ込む。そして、オイルLは、オイル流出ポート43d内に留まることなく、オイル案内部材42の貫通孔42kに向けて流出する。
この貫通孔42kを流通するオイルLは、インプットシャフト31のオイル通路31kに流入し、オイル通路31kからオイル放出口31hを通って、ドライブギヤD1ないしD6とインプットシャフト31との連結部分に内側から供給され、この連結部分が内側から潤滑されるとともに、冷却される。
この連結部分を潤滑および冷却したオイルL、ディファレンシャル23、軸受28、29などの各潤滑要素を潤滑および冷却したオイルLは、下方に落下するとともに、トランスアクスルハウジング26およびトランスアクスルケース27の内壁面に沿って下方に流動し、トランスアクスルハウジング26およびトランスアクスルケース27の下部に貯留される。この貯留されたオイルLは、前述のようにリングギヤ22などの伝達要素の回転により、再び上方に掻き上げられ、エンジンが稼動中は、トランスアクスルハウジング26およびトランスアクスルケース27内を循環する。
本実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造30は、前述のように構成されているので、以下の効果が得られる。
すなわち、動力伝達装置の潤滑構造30は、動力を伝達するリングギヤ22などの伝達要素を収容するトランスアクスルハウジング26およびトランスアクスルケース27の内部に貯留され伝達要素により掻き上げられたオイルLを受け、下方にオイルLを供給するオイル供給部材41と、オイル供給部材41の下方に設けられ、オイルLを潤滑要素に流通させるよう案内するオイル案内部材42とを備え、さらに、オイル供給部材41から滴下されたオイルLをオイル案内部材42に流通させるオイル通路部43を備えている。
このオイル通路部43は、オイル供給部材41から滴下されたオイルLが流入するオイル流入ポート43rと、オイルLをオイル案内部材42に向けて流出させるオイル流出ポート43dと、オイル流入ポート43rと、オイル流出ポート43dとを連通しオイルLをオイル流入ポート43rからオイル流出ポート43dに流通させるオイルチャンネル43cとを有している。また、このオイル供給部材41が、オイル流入ポート43r内に挿入され、リングギヤ22などの伝達要素により掻き上げられたオイルLをオイル流入ポート43r内に供給するよう、オイル流入ポート43rのオイルLの流通方向に直交する方向の幅Wrよりも小さい幅Wkで形成された供給ガイド41kを有し、オイルチャンネル43cの流通方向に直交する方向の幅Wcが、供給ガイド41kの幅Wtよりも小さい幅で形成されたことを特徴としている。
また、オイル流入ポート43r、オイル流出ポート43dおよびオイルチャンネル43cが、トランスアクスルケース27の内壁面部27nに凸状に形成された凸部43tr、43td、43tcによって画成され、オイル案内部材42が、軸線方向に貫通する貫通孔42kを有するとともに、トランスアクスルケース27に支持される支持部42sと、インプットシャフト31のオイル通路31k内に挿入される挿入部42iとを有することを特徴としている。
その結果、オイル流入ポート43r内に位置する供給ガイド41kの先端部分と内壁面部27nとの隙間30sは、0ないし数mmで小さく形成されているので、供給ガイド41kからオイル流入ポート43r内に流入するオイルLが、内壁面部27nに沿って流れ易くなるという効果がある。他方、供給ガイド41kの両側面とオイル流入ポート43rの凸部43trとの間にそれぞれ隙間Wsが形成されており、供給ガイド41で受けたオイルLは、供給ガイド41kの両側面側の隙間Wsを通って、オイル流入ポート43r内に流入するので、供給ガイド41kの先端部分と内壁面部27nとの隙間30sを0にすることができ、オイルLが内壁面部27nに沿ってより流れ易くなるという効果がある。
この場合、内壁面部27nに沿って流れるオイルLは、図2に示すように、ドライブギヤD6から最も離隔しているので、ドライブギヤD6の回転により生ずる負圧の影響を受けにくく、内壁面部27nに沿って流れるオイルLが、負圧によりドライブギヤD6側に吸引されるという従来のような弊害が解消されるという効果がある。
また、オイルチャンネル43cの幅Wcが、オイル流入ポート43rの幅Wrより狭く形成されており、オイルチャンネル43c内に流入したオイルLは、幅狭のオイルチャンネル43cを囲む凸部43tcの内壁面に沿って流通するので、オイルチャンネル43cにおいても、オイルチャンネル43c内のオイルLが負圧により、ドライブギヤD6側に吸引されるという従来のような弊害が解消されるという効果がある。
また、図3に示すように、オイル流出ポート43dの円環状の空間の直径Ddが、オイル案内部材42の貫通孔42kの内径と同じ大きさで形成され、オイル流出ポート43d内のオイルLが貫通孔42kに向かって流出し易くなるとともに、凸部43tdの先端面と、オイル案内部材42の側面とが当接しているので、オイル流出ポート43d内のオイルLが貫通孔42kに向かって流出する際に、下方に漏れ出すことはなく、効率よくオイルLがオイル流出ポート43dから流出されるという効果がある。
さらに、オイル案内部材42の挿入部42iが、インプットシャフト31内に挿入されているので、オイル案内部材42に流入したオイルLが確実に、インプットシャフト31内に供給される。
このようにオイル通路部43が、トランスアクスルケース27に一体的に形成されているので、従来の潤滑構造のような、オイルの案内部材と変速機ケースとの間にオイル通路を画成し、案内部材と変速機ケースとの間にシール部材を介装し、カシメ部材により案内部材とシール部材を変速機ケースにカシメ固定するという複雑な構造が簡素化され、トランスアクスル20内のオイルLを簡単な構造で、ディファレンシャル23、軸受28、29などの各潤滑要素に確実に流通させることができるという効果がある。
次いで、本発明の実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造30の変形例について説明する。
図8は、本実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造30の変形例を示し、潤滑構造30が適用されるトランスアクスル20の部分拡大断面図であり、図9は、本実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造30の他の変形例を示し、潤滑構造30が適用されるトランスアクスル20の部分拡大断面図である。図10は、本実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造30の他の変形例を示し、オイル流出ポート43d周辺の部分拡大断面図であり、(a)は、オイル流出ポート43dの円環状の空間の直径Ddが大きく形成された場合を示し、(b)は、直径Ddが小さく形成された場合を示す。
本実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造30においては、オイル供給部材41が、供給ガイド41kと、オイル受け41oと、オイル流通ガイド41r1、41r2と、装着部41s1、41s2とを含んで構成された場合について説明した。しかしながら、本発明の動力伝達装置の潤滑構造においては、オイル供給部材を他の構造で形成するようにしてもよい。
例えば、図8に示すように、オイル供給部材141を、供給ガイド141kと、装着部141s1、141s2と、オイル受け141oと、オイル流通ガイド141r1およびこのオイル流通ガイド141r1と対向する側に形成した図示しないオイル流通ガイドと、装着部141s1、141s2とを含んで構成してもよい。この場合、トランスアクスルケース127の上部に、装着部141s1、141s2をそれぞれ支持する、支持部127s1、127s2を設け、固定ねじ141bにより、装着部141s1、141s2をそれぞれ支持部127s1、127s2に固定するようにしてもよい。
また、図9に示すように、オイル供給部材241を、供給ガイド241kと、装着部241s1、241s2と、オイル受け241oと、オイル流通ガイド241r1およびこのオイル流通ガイド241r1と対向する側に形成した図示しないオイル流通ガイドとを含んで構成してもよい。この場合、トランスアクスルケース227の上部に、装着部241s1、241s2をそれぞれ支持する、支持部227s1、227s2を設け、固定ボルト241bにより、装着部241s1、241s2をそれぞれ支持部227s1、227s2に固定するようにしてもよい。
本実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造30においては、オイル流入ポート43rと、オイル流出ポート43dと、オイルチャンネル43cとにより構成されるオイル通路部43を、トランスアクスルケース27のインプットシャフト31の端部と対向する内壁面部27nに形成し、オイル案内部材42をオイル通路部43と別体で構成した場合について説明した。しかしながら、本発明の動力伝達装置の潤滑構造においては、オイル案内部材をオイル通路部と別体で構成する以外の他の構造で形成するようにしてもよい。
例えば、図9に示すように、オイル通路部143をオイル流入ポート143rと、オイル流出ポート143dと、オイルチャンネル143cとにより構成するとともに、このオイル流出ポート143dとオイル案内部材と一体的に形成し、オイル流出ポート143dにオイルガイド部143gを、トランスアクスルケース227の内壁面部227nから突出させて形成するようにしてもよい。この場合、オイルガイド部143gが、貫通孔143kを有するとともに、このオイルガイド部143gが、インプットシャフト31のオイル通路31k内に挿入され、貫通孔143kからオイル通路31k内にオイルLが供給される。
また、本実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造30においては、オイル流入ポート43rと、オイル流出ポート43dと、オイルチャンネル43cとにより構成されるオイル通路部43を、トランスアクスルケース27の内壁面部27nから突出させた凸部43tr、43td、43tcによりそれぞれ形成した場合について説明した。しかしながら、本発明の動力伝達装置の潤滑構造においては、オイル流入ポート43rと、オイル流出ポート43dと、オイルチャンネル43cとにより構成されるオイル通路部43を、トランスアクスルケース27の内壁面部27nから突出させた凸部43tr、43td、43tc以外の構造で形成するようにしてもよい。
例えば、オイル流入ポート43rと、オイル流出ポート43dと、オイルチャンネル43cとにより構成されるオイル通路部43を、トランスアクスルケース27の内壁面部27nに凹状に形成された凹部でそれぞれ形成するようにしてもよい。
また、本実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造30においては、オイル流出ポート43dの円環状の空間の直径Ddが、オイル案内部材42の貫通孔42kの内径とほぼ同じ大きさで形成した場合について説明した。しかしながら、本発明の動力伝達装置の潤滑構造においては、オイル流出ポートの直径Ddに相当する部分の大きさは、オイル案内部材の貫通孔の内径と同じ大きさでなくてもよい。
例えば、図10(a)に示すように、オイル流出ポート43dの円環状の空間の直径Ddをオイル案内部材42の貫通孔42kの内径よりも大きく形成してもよく、図10(b)に示すように、オイル流出ポート43dの円環状の空間の直径Ddをオイル案内部材42の貫通孔42kの内径よりも小さく形成してもよい。
また、本実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造30においては、オイル流出ポート43dが凸状の円環で形成された凸部43tdで形成された場合について説明したが、本発明の動力伝達装置の潤滑構造においては、オイル流出ポートからオイル案内部材内にオイルが流入する構造のものであれば他の形状で形成されていてもよい。
例えば、トランスアクスルケースの内壁面部に、オイル流出ポートの機能を有する凹凸形状などのオイル通路部を形成するようにしてもよい。また、オイル流出ポートは、円環状以外の多角形状であってもよく、任意の曲線を有する曲面形状であってもよい。
また、本実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造30においては、トランスアクスル20の手動変速機21に適用した場合について説明したが、本発明の動力伝達装置の潤滑構造においては、トランスアクスルの手動変速機以外の他の動力伝達装置で構成するようにしてもよい。
例えば、本発明の動力伝達装置の潤滑構造をトランスアクスルの無段変速(CVT)で構成される自動変速機、トランスミッションの手動変速機または自動変速機などの動力伝達装置に適用してもよい。
また、本実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造30においては、オイル案内部材42の挿入部42iに貫通孔42kが形成された場合について説明したが、本発明に係る動力伝達装置の潤滑構造においては、貫通孔42k以外の他の構造でオイル案内部材を形成してもよい。例えば、オイル案内部材42の挿入部42iと同様に、オイル案内部材に挿入部を形成し、この挿入部を、上部で開口した溝を挿入部の軸線方向に形成するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、変速機内のオイルを簡単な構造で、確実に潤滑要素に流通させることができる動力伝達装置の潤滑構造を提供することができるという効果を奏し、車両などの動力伝達装置の潤滑構造全般に有用である。
本発明の実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造が適用される車両の手動変速機を備えたトランスアクスルの断面を展開した断面図である。 図1に示すトランスアクスルの部分拡大断面図である。 図2のB−B断面を示すトランスアクスルの部分断面図である。 図3の部分拡大断面図である。 図4のC−C断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係るトランスアクスル内におけるオイルが流動する状態を矢印で示した説明図である。 本発明の実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造内におけるオイルが流動する状態を矢印で示した説明図である。 本発明の実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造の変形例を示し、潤滑構造が適用されるトランスアクスルの部分拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造の他の変形例を示し、潤滑構造が適用されるトランスアクスルの部分拡大断面図である。 本実施の形態に係る動力伝達装置の潤滑構造の他の変形例を示し、オイル流出ポート周辺の部分拡大断面図であり、(a)は、オイル流出ポートの円環状の空間の直径が大きく形成された場合を示し、(b)は、オイル流出ポートの円環状の空間の直径が小さく形成された場合を示す。 従来の動力伝達装置の潤滑構造を示し、(a)は、動力伝達装置の潤滑構造の部分拡大断面図であり、(b)は、変速機ケースを除き(a)のA方向から見た潤滑構造の側面図である。
符号の説明
20 トランスアクスル
21 手動変速機
22 リングギヤ
23 ディファレンシャル
24 左ドライブシャフト
25 右ドライブシャフト
26 トランスアクスルハウジング
27、127、227 トランスアクスルケース
27s1、27s2、27s3、127s1、127s2、227s1、227s2 支持部
27n、227n 内壁面部
28、29 軸受
30 潤滑構造(動力伝達装置の潤滑構造)
30s 隙間
31 インプットシャフト
31h オイル放出口
31k オイル通路
32 アウトプットシャフト
41 オイル供給部材
41k、141k、241k 供給ガイド
41o、141o、241o オイル受け
41r1、41r2、141r1、141r2 オイル流通ガイド
41s1、41s2、141s1、141s2、241s1、241s2 装着部
42 オイル案内部材
42i 挿入部
42k 貫通孔
42s 支持部
43 オイル通路部
43c、143c オイルチャンネル
43d、143d オイル流出ポート
43r、143r オイル流入ポート
43tc、43tr、43td 凸部
Wc オイルチャンネルの幅
Wd オイル流出ポートの幅
Wk 供給ガイドの幅
Wr オイル流入ポートの幅

Claims (4)

  1. 動力を伝達する伝達要素を収容するケースと、
    前記ケース内に貯留され前記伝達要素により掻き上げられたオイルを受け、下方に前記オイルを供給するオイル供給部材と、
    前記オイル供給部材の下方に設けられ、前記オイルを潤滑要素に流通させるよう案内するオイル案内部材と、を備えた動力伝達装置の潤滑構造において、
    前記ケースが、前記オイル供給部材から滴下された前記オイルを前記オイル案内部材に流通させるオイル通路部を備え、
    前記オイル通路部が、前記オイル供給部材から滴下された前記オイルが流入するオイル流入ポートと、前記オイルを前記オイル案内部材に向けて流出させるオイル流出ポートと、前記オイル流入ポートと、前記オイル流出ポートとを連通し前記オイルを前記オイル流入ポートから前記オイル流出ポートに流通させるオイルチャンネルとを有し、
    前記オイル供給部材が、前記オイル流入ポート内に挿入され、前記伝達要素により掻き上げられた前記オイルを前記オイル流入ポート内に供給するよう、前記オイル流入ポートの前記オイルの流通方向に直交する方向の幅よりも小さい幅で形成された供給ガイドを有し、
    前記オイルチャンネルの前記流通方向に直交する方向の幅が、前記オイル流入ポートの幅よりも小さい幅で形成されたことを特徴とする動力伝達装置の潤滑構造。
  2. 前記オイルチャンネルの前記流通方向に直交する方向の幅が、前記供給ガイドの幅よりも小さい幅で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置の潤滑構造。
  3. 前記オイル流入ポート、前記オイル流出ポートおよび前記オイルチャンネルが、前記ケースの内壁面部に凸状に形成された凸部、または前記内壁面部に凹状に形成された凹部によって画成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の動力伝達装置の潤滑構造。
  4. 前記伝達要素を支持する回転軸を備え、前記回転軸が、該内部に前記オイル流出ポート側で開口するオイル通路を有するとともに、前記オイル通路と外部とを連通し、前記オイル通路内の前記オイルを、外部に放出させるオイル放出口を有し、前記オイル案内部材が、軸線方向に貫通する貫通孔を有するとともに、前記ケースに支持される支持部と、前記回転軸の前記オイル通路内に挿入される挿入部とを有することを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置の潤滑構造。
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