JP2010090778A - 燃料噴射制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄圧器内の高圧燃料を減圧するにあたり、燃料温度の上昇を抑制しつつ減圧することを図った燃料噴射制御システムを提供する。
【解決手段】内部に圧力室63を形成するシリンダ61、及び圧力室63の燃料を加圧して蓄圧器へ圧送するプランジャ62を備える。そして、シリンダ61に、燃料タンクから圧力室63へ燃料を吸入する吸入口64と、プランジャ62により加圧された燃料を圧力室63から蓄圧器へ吐出する吐出口66と、往復動するプランジャ62により開閉されて蓄圧器からシリンダ61内へ燃料を流入させるリターン流入口69とを形成する。そして、吸入口64に設けられた調量弁70を開作動させることで、リターン流入口69、圧力室63、及び吸入口64を通じて蓄圧器内の高圧燃料を燃料タンクへ戻して蓄圧器内を減圧させる減圧制御手段を備えることを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、燃料を加圧して圧送する燃料ポンプと、燃料ポンプにより圧送された燃料を高圧状態で蓄える蓄圧器と、蓄圧器に蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁と、を備える燃料噴射制御システムに関する。
この種の燃料噴射制御システムとしては、例えば下記特許文献1に見られるように、ディーゼル機関の燃料噴射弁に燃料を供給すべく、各気筒に共通の蓄圧器(コモンレール)を備えるコモンレール式のディーゼル機関の燃料噴射制御システムが周知である。こうした制御システムにあっては、燃料噴射弁からの燃料噴射量を高精度で制御すべく、コモンレール内の燃圧を所望の目標圧力に制御することが要求される。
そこで従来では、蓄圧器における燃料の圧力を検出し、検出した圧力(実燃圧)が目標圧力より低くなっている場合には、燃料ポンプの吐出量を増大させることで蓄圧器での増圧を図っている。一方、実燃圧が目標圧力より高くなっている場合には、蓄圧器に備えられた減圧弁を開作動させるよう制御することで、蓄圧器での減圧を図っている。
特開平11−82104号公報
しかしながら、減圧弁内の流路面積を大きくすることには限界があり、減圧弁内の狭い流路を蓄圧器内の高圧燃料が通過すると、燃料の流速が増大し、ひいては燃料温度の上昇が懸念される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、蓄圧器内の高圧燃料を減圧するにあたり、燃料温度の上昇を抑制しつつ減圧することを図った燃料噴射制御システムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、内部に圧力室を形成するシリンダ、及び前記シリンダ内を往復動して前記圧力室の燃料を加圧するプランジャを有し、当該加圧された燃料を圧送する燃料ポンプと、
前記燃料ポンプにより圧送された燃料を高圧状態で蓄える蓄圧器と、
前記蓄圧器に蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁と、
を備え、
前記シリンダには、燃料タンクから前記圧力室へ燃料を吸入する吸入口と、前記プランジャにより加圧された燃料を前記圧力室から前記蓄圧器へ吐出する吐出口とが形成されており、
前記吸入口を開閉する調量弁と、
前記調量弁の開閉作動を制御することで前記吐出口からの燃料吐出量を制御する吐出量制御手段と、
を備える燃料噴射制御システムにおいて、
前記蓄圧器から前記シリンダ内へ燃料を流入させるリターン流入口を、往復動する前記プランジャにより開閉されるよう前記シリンダに形成し、
前記調量弁を開作動させることで、前記リターン流入口、前記圧力室、及び前記吸入口を通じて前記蓄圧器内の高圧燃料を前記燃料タンクへ戻して前記蓄圧器内を減圧させる減圧制御手段を備えることを特徴とする。
これによれば、蓄圧器内の高圧燃料をリターン流入口、圧力室、及び吸入口を通じて燃料タンクへ戻して減圧させることができる。よって、従来の蓄圧器に設けられた減圧弁から減圧させる場合に比べて、減圧経路(リターン流入口、圧力室、及び吸入口)における燃料の流路面積を大きくすることを容易に実現できる。よって、蓄圧器内を減圧させるにあたり、燃料の流速増大を抑制でき、ひいては燃料温度の上昇を抑制できる。
なお、上記発明では、蓄圧器に減圧弁を設けて、減圧弁及びリターン流入口の少なくとも一方により減圧させるよう構成することもできるし、減圧弁を廃止してリターン流入口から減圧させるよう構成することもできる。
ここで、上記発明において減圧弁を設ける構成とした場合、調量弁の作動を制御する制御装置と、減圧弁の作動を制御する制御装置との2種類の制御装置が必要となる。これに対し、上記発明において減圧弁を廃止した構成とした場合には、調量弁の作動を制御する装置(つまり、吐出量制御手段及び減圧制御手段を実現する装置)により燃料吐出量及び減圧の両方を制御できるので、前記減圧制御装置を不要にでき、制御装置の数を減らしてコストダウンを図ることができる。
請求項2記載の発明では、前記プランジャには、前記リターン流入口と前記圧力室とを連通可能にする連通路が形成されており、前記プランジャの往復動位置に応じて前記連通路と前記吸入口との連通及び遮断が切り替えられるよう構成されていることを特徴とする。
これによれば、リターン流入口をプランジャで開閉することを容易に実現できる。なお、本発明に反して連通路を形成しない構成であっても、往復動するプランジャの先端位置がリターン流入口よりも反圧力室側に位置した時にはリターン流入口と圧力室とは直接連通することとなる。しかしながら、プランジャに連通路を形成した上記請求項2記載の発明によれば、連通路を形成しない構成とした場合に比べて連通タイミングの設計自由度を増大できる。
請求項3記載の発明では、前記プランジャが前記リターン流入口を開けている時、かつ、前記圧力室を膨張させる向きに前記プランジャが移動している時に、前記調量弁を閉作動させることで、前記蓄圧器の高圧燃料を前記圧力室に流入させて前記プランジャの移動をアシストするアシスト制御手段を備えることを特徴とする。
これによれば、減圧制御手段による減圧が不要な時に、アシスト制御手段により調量弁を閉作動させることで、蓄圧器の高圧燃料を圧力室に流入させてプランジャの移動をアシストさせるので、プランジャが燃料を加圧して圧送した際に燃料ポンプにて消費されたエネルギの一部を回収することができる。特に、燃料ポンプが一対のシリンダ及びプランジャを複数有しており、複数のプランジャが1つの駆動源により交互に加圧するよう往復動する構成の場合においては、膨張行程(燃料吸入行程)にかかる一方のプランジャが高圧燃料の圧力を受けることで、圧縮行程(燃料圧送行程)にかかる他方のプランジャの駆動力がアシストされるので、駆動源の消費エネルギを軽減できる。
請求項4記載の発明では、前記蓄圧器における燃料の目標圧力に対して実際の圧力が高くなっていることを条件として、前記減圧制御手段による前記調量弁の開作動を許可することを特徴とする。
これによれば、減圧が不要な時には吸入口は調量弁により閉ざされるので、所望の燃料吐出量となるようプランジャにより加圧されることとなる。一方、減圧が必要な時には減圧制御手段により調量弁を開作動させて前記加圧が中止され、減圧されることとなる。このように、燃料の吐出量制御と減圧制御との切り替えを容易に実現できる。
請求項5記載の発明では、前記蓄圧器における燃料の目標圧力に対する実際の圧力の超過分を算出する超過量算出手段を備え、前記超過分が閾値を超えて大きくなっていることを条件として、前記減圧制御手段による前記調量弁の開作動を許可することを特徴とする。
これによれば、蓄圧器における目標圧力に対して実際の圧力が僅かに大きくなっただけでは、減圧制御手段による調量弁の開作動は許可されず、超過分が閾値を超えたことを条件として許可される。よって、実際の圧力を検出する燃圧センサの検出誤差や圧力脈動等に起因して実圧力が高くなった場合にまで減圧制御してしまうことを回避できる。
請求項6記載の発明では、前記減圧制御手段は、前記減圧のための開作動を許可するか否かを所定周期で繰り返し判定する開作動判定手段と、前記開作動判定手段により前記開作動を許可すると判定された時に前記調量弁の開作動時間を設定する開作動時間設定手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記超過分が閾値を超えているか否か、つまり減圧のための開作動を許可するか否かを判定するにあたり、その判定処理周期を短くすることには限界があり、判定処理周期が長いと減圧開始タイミング及び減圧終了タイミングが遅れることが懸念される。この懸念に対し上記請求項6記載の発明では、開作動を許可すると判定された時に開作動時間を設定するので、開作動許可判定により開作動を開始した後、判定処理周期が経過して次回の判定が為される前に、開作動時間がタイムアップとなっていれば開作動は終了するよう制御されることとなる。よって、減圧終了タイミングが遅れることを抑制できる。
さらに、請求項6記載の発明を請求項5記載の発明の発明に適用させ、前記超過分に応じて前記開作動時間を可変設定するように前記開作動時間設定手段を構成すれば、精度良く減圧制御できる点で望ましい。
請求項7記載の発明では、前記プランジャの往復動位置が前記リターン流入口を開ける連通位置であるか否かを判定するプランジャ位置判定手段を備え、前記減圧制御手段は、前記プランジャが前記連通位置であると判定された場合に前記調量弁を開作動させることを特徴とする。これによれば、連通位置でない時には調量弁を閉作動させて、先述したアシスト制御手段によるアシストやプランジャによる加圧を行うようにできる。
請求項8記載の発明では、前記プランジャは、内燃機関のクランク軸を駆動源として往復動するよう構成され、前記クランク軸の回転角を検出するクランク角センサを備え、前記プランジャ位置判定手段は、前記クランク角センサの検出値に基づき前記連通位置であるか否かを判定することを特徴とする。これによれば、連通位置であるか否かを判定を容易に行うことができる。
請求項9記載の発明では、前記プランジャの移動方向が、前記圧力室を圧縮させる向きであるか否かを判定するプランジャ移動方向判定手段を備え、前記減圧制御手段は、前記プランジャの移動方向が前記圧縮させる向きであると判定された場合に前記調量弁を開作動させることを特徴とする。
これによれば、プランジャの圧縮行程時には調量弁を開作動させるため、圧力室での燃料加圧が実行されない。よって、減圧制御手段による減圧実行時において不要な燃料加圧を回避できるので、不要な燃料圧送を回避して迅速な減圧を実現できるとともに、プランジャの往復動に要する駆動エネルギを軽減できる。
請求項10記載の発明では、前記燃料ポンプは、一対の前記シリンダ及び前記プランジャを複数有しており、前記調量弁は、前記複数のシリンダの各々に対して備えられ、前記蓄圧器及び前記燃料噴射弁は、前記複数のプランジャの各々に対して備えられていることを特徴とする。
このように、一対のシリンダ及びプランジャを複数有し、複数のプランジャの各々に対して燃料噴射弁が備えられている場合において、上記発明に反して蓄圧器を複数の燃料噴射弁に対して共通化してコモンレールとして構成してしまうと、1つのコモンレールに対して複数のプランジャから減圧させるので、コモンレール内の燃料を所望の圧力に減圧制御することが困難となる。これに対し上記請求項10記載の発明では、蓄圧器を、複数のプランジャの各々に対して備えるので、1つの蓄圧器に対して1つのプランジャから減圧させるので、所望の圧力に減圧制御することを容易にできる。
以下、本発明にかかる燃料噴射制御システムをディーゼル機関の燃料噴射制御システムに適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかる燃料噴射制御システムの全体構成を示す。図示されるように、燃料タンク1の燃料は、機関駆動式の燃料ポンプ10によって汲み上げられ、蓄圧器20に加圧供給(圧送)される。蓄圧器20は、圧送された高圧燃料を蓄え、この高圧燃料を各気筒の燃料噴射弁30に供給する。燃料噴射弁30は、その先端部がディーゼル機関の燃焼室(図示せず)に突出して配置されており、燃焼室内に燃料を噴射供給可能となっている。
上記燃料ポンプ10は、基本的には、図示しないフィードポンプによって上記燃料タンクから汲み上げられた燃料を高圧ポンプ60にて加圧して、圧送配管22a,22bを通じて蓄圧器20へ吐出するものであり、且つ高圧ポンプ60に送られる燃料量が調量弁70a,70bにより調節されるものである。
高圧ポンプ60は、調量弁70a,70bによって調量された燃料を加圧して外部へ吐出するプランジャポンプである。この高圧ポンプ60は、内部に圧力室63a,63bを形成する一対のシリンダ61a,61bと、シリンダ61a,61b内に収容される一対のプランジャ62a,62bと、を備える。そして、これらプランジャ62a,62bが駆動軸60Jによって往復駆動されると、圧力室63a,63bの容積がプランジャ62a,62bにより圧縮/膨張するよう変化する。なお、一対の圧力室63a,63bは、駆動軸60Jの回転に伴い、代わる代わる容積を拡大(膨張)及び縮小(圧縮)させるように設定されている。すなわち、両圧力室63a,63bのうち一方の容積が拡大する際には、他方の容積が縮小する。
また、シリンダ61a,61bには、燃料タンク1から圧力室63a,63bに燃料を吸入する吸入口64a,64bが形成されるとともに、圧力室63a,63bから蓄圧器20へと燃料を吐出する吐出口66a,66bが形成されている。そして、吐出口66a,66bには、圧力室63a,63bの圧力が吐出口66a,66bの下流側(蓄圧器20側)の圧力よりも所定圧以上高くなることで機械的に開弁する逆止弁67a,67bが設けられている。
ここで、蓄圧器20は、隔壁23により互いに分離された2つの蓄圧室21a,21bを備えており、これら各蓄圧室21a,21bは、圧送配管22a,22bを介して圧力室63a,63b(吐出口66a,66b)に接続されている。これにより、一方の圧力室63aは、圧送配管22aを介して蓄圧室21aに燃料を圧送し、他方の圧力室63bは、圧送配管22bを介して蓄圧室21bに燃料を圧送する。
さらにシリンダ61a,61bには、リターン流入口69a,69bが形成されており、圧送配管22a,22bのうち逆止弁67a,67bに対して蓄圧室21a,21b側の部分と、リターン流入口69a,69bとは、バイパス配管68a,68bにより接続されている。また、プランジャ62a,62bの内部には、リターン流入口69a,69bと圧力室63a,63bとを連通可能にする連通路621a,621bが形成されている。
リターン流入口69a,69bは、往復動するプランジャ62a,62bの外周面により開閉される。つまり、図1中の符号62aに示す位置のプランジャにおいては、リターン流入口69aは連通路621aと連通するので、蓄圧室21aと圧力室63aとは、圧送配管22a、バイパス配管68a、リターン流入口69a、連通路621a及びリターン流入口69aを通じて連通することとなる。つまり、逆止弁67aをバイパスして蓄圧室21aと圧力室63aとは連通する。
一方、図1中の符号62bに示す位置のプランジャにおいては、リターン流入口69bは、連通路621bと連通せずシリンダ61bにより閉塞されるので、蓄圧室21bと圧力室63bとは逆止弁67bをバイパスした上記連通状態とはならない。
なお、本実施形態では、プランジャ62a,62bが圧力室63a,63bを最も膨張させた位置(プランジャ最下降位置)にある時には、リターン流入口69a,69bはプランジャ62a,62bにより閉塞されるよう構成されている(図3(c)及び図4(a)参照)。また、プランジャ62a,62bが圧力室63a,63bを最も圧縮させた位置(プランジャ最上昇位置)にある時には、リターン流入口69a,69bはプランジャ62a,62bにより開口されるよう構成されている(図3(a)及び図4(c)参照)。
また、リターン流入口69a,69bの往復動方向(図3の上下方向)長さL2は、連通路621a,621bのうちリターン流入口69a,69bに対向する部分の往復動方向長さL1に比べて長くなるよう設定されている。これにより、プランジャ62a,62bが1往復する際にリターン流入口69a,69bと連通路621a,621bとが連通する時間は、所定時間以上に確保される。
調量弁70a,70bは、吸入口64a,64bを開閉するスプール71a,71bと、スプール71a,71bに電磁力を作用させることでスプール71a,71bの移動位置を制御する電磁ソレノイド72a,72bと、を備えて構成されている。そして、電子制御装置(ECU90)は、電磁ソレノイド72a,72bへの通電を制御することで、吸入口64a,64bの開閉タイミングを制御している。
具体的には、圧力室63a,63bを圧縮する向き(プランジャが上昇する向き)にプランジャ62a,62bを作動させるプランジャ上昇行程(圧縮行程)時に、吸入口64a,64bを閉塞させて圧力室63a,63bでの燃料加圧を開始させるタイミング、つまり、圧力室63a,63bの燃料を吸入口64a,64bから燃料タンク1に戻すことを終了させるタイミングをECU90は制御する。これにより、プランジャ62a,62bから蓄圧室21a,21bへの燃料吐出量(厳密にはプランジャ62a,62bの1往復あたりの吐出量)を調節する。このように吐出量を制御するよう機能している時のECU90は「吐出量制御手段」に相当する。
ちなみに、燃料吐出量を調節する手段として、プランジャ上昇行程時に吸入口64a,64bを閉じるタイミングを調節することで吐出流量を調節する上述の手段に加え、以下の手段も挙げられる。すなわち、圧力室63a,63bを膨張する向き(プランジャが下降する向き)にプランジャ62a,62bを作動させるプランジャ下降行程(膨張行程)時において、吸入口64a,64bを開けて燃料タンク1から圧力室63a,63b内へ燃料の吸入を開始させるタイミングを調節する手段や、プランジャ下降行程時に吸入口64a,64bを閉塞して燃料吸入を終了させるタイミングを調節する手段である。また、プランジャ上昇行程時において、燃料加圧を開始させた後に、吸入口64a,64bを開けて燃料加圧を終了させるタイミングを調節する手段も挙げられる。
上記駆動軸60Jは、圧送タイミング可変機構80を介してディーゼル機関の出力軸(クランク軸2)と連結されている。このため、駆動軸60Jには、クランク軸2からの動力によって、回転力が付与される。
圧送タイミング可変機構80は、圧送のタイミングを可変とすべく、駆動軸60J及びクランク軸2間の相対的な回転角度を可変とするための機構である。圧送タイミング可変機構80は、クランク軸2と機械的に連結される第1の回転体81と、駆動軸60Jと機械的に連結される第2の回転体82とを備えている。そして、両回転体81,82の間には図示しない遅角室及び進角室が区画形成されており、遅角室及び進角室に充填されている作動油を流出入させることで両回転体81,82の相対的な回転角度(回転位相差)を可変とし、ひいてはクランク軸2に対する駆動軸60Jの回転位相差を可変としている。
遅角室及び進角室内の作動油圧力は、図示しない作動油ポンプからの燃料吐出経路をオイルコントロールバルブ(OCV83)により切り替えることで制御される。OCV83は電磁式の切替バルブであり、OCV83が有する電磁ソレノイド83aへの通電をECU90が制御(例えばデューティ制御)することで、OCV83の作動を制御する。
電子制御装置(ECU90)は、ディーゼル機関の出力を制御する制御装置である。すなわち、蓄圧室21a,21b内の圧力を検出する燃圧センサ24a,24b等のディーゼル機関50の運転状態を検出する各種センサや、アクセルペダル操作量等のユーザの要求を検出する各種センサの検出結果を取り込む。そして、これら検出結果に基づき、燃料噴射弁30、調量弁70a,70b、OCV83等、ディーゼル機関50の出力を制御するための各種アクチュエータを操作する。
図2に、上記燃料噴射弁30の断面構成を示す。
燃料噴射弁30は、その先端に、円柱状のニードル収納部31が設けられている。そして、ニードル収納部31には、その軸方向に変位可能なノズルニードル32が収納されている。ノズルニードル32は、燃料噴射弁30の先端部に形成されている環状のニードルシート部33に着座することで、ニードル収納部31を外部(ディーゼル機関の燃焼室)から遮断する一方、ニードルシート部33から離座することで、ニードル収納部31を外部と連通させる。また、ニードル収納部31には、高圧燃料通路34を介して蓄圧器20から高圧燃料が供給される。
ノズルニードル32の背面側(ニードルシート部33と対向する側の反対側)は、背圧室35に対向している。背圧室35には、蓄圧器20内の高圧燃料が、高圧燃料通路34、入オリフィス36を介して供給される。また、ノズルニードル32の先端部裏面側(図中、上方の面側)は、ニードルスプリング37により燃料噴射弁30の先端側へ押されている。更に、ノズルニードル32の中間部には、軸方向に直交する方向に突出する突出部32aが設けられており、ノズルニードル32のリフト量が所定量となることで、規制部材38に接触するようになっている。規制部材38には、圧縮された規制用スプリング39によってノズルニードル32を閉弁させる側の力が及ぼされている。
一方、背圧室35は、出オリフィス40を介して低圧燃料通路41と連通可能とされており、低圧燃料通路41は、燃料タンク1と接続されている。上記背圧室35と低圧燃料通路41とは、制御バルブ42によって連通及び遮断される。すなわち、出オリフィス40が制御バルブ42によって塞がれることで、背圧室35と低圧燃料通路41とが遮断される一方、出オリフィス40が開放されることで背圧室35と低圧燃料通路41とが連通される。
制御バルブ42は、バルブスプリング43によって燃料噴射弁30の先端側へ押されている。また、制御バルブ42は、電磁ソレノイド44の電磁力により吸引されることで、燃料噴射弁30の後方側に変位可能となっている。なお、電磁ソレノイド44への通電オン/オフ状態は、ECU90により制御される。
こうした構成において、電磁ソレノイド44が通電されず電磁ソレノイド44による吸引力が生じていないときには、制御バルブ42は、バルブスプリング43の力によって、出オリフィス40を塞ぐこととなる。一方、ノズルニードル32は、ニードルスプリング37によって燃料噴射弁30の先端側へ押され、ニードルシート部33に着座した状態(燃料噴射弁30の閉弁状態)となる。
ここで、電磁ソレノイド44が通電されると、電磁ソレノイド44による吸引力により制御バルブ42が燃料噴射弁30の後方側へ変位し、出オリフィス40を開放する。これにより、背圧室35の高圧燃料は、出オリフィス40を介して低圧燃料通路41へと流出する。このため、背圧室35の高圧燃料がノズルニードル32へ印加する圧力は、ニードル収納部31内の高圧燃料がノズルニードル32に印加する圧力よりも小さくなる。そして、この圧力差による力が、ニードルスプリング37がノズルニードル32を燃料噴射弁30の先端側へ押す力よりも大きくなると、ノズルニードル32がニードルシート部33から離座した状態(燃料噴射弁30の開弁状態)となる。
上述したように、燃料噴射弁30のノズルニードル32のリフト量は、規制部材38によって制限されている。すなわち、規制用スプリング39の弾性力に打ち勝って規制部材38を変位させることができない限り、リフト量は、ノズルニードル32が規制部材38と接触する時のリフト量に制限される。リフト量をこれ以上拡大させるためには、高圧燃料通路34からニードル収納部31に供給される燃料の圧力を上昇させることで、規制用スプリング39に打ち勝つ力をノズルニードル32に付与することが必要である。そしてこれは、蓄圧室21a,21bの燃料の圧力(燃圧)を高めることで可能である。本実施形態では、特に燃料噴射弁30が電子制御によって開弁状態とされているときに蓄圧室21a,21bの燃圧を、規制用スプリング39に打ち勝つ力を付与するための閾値を超えて上昇させる。これにより、燃料噴射期間においてリフト量を段階的に上昇させることができる。これにより、噴射期間の途中で噴射率を増加させることで噴射率をブーツ状に変化させるいわゆるブーツ噴射を行う。以下、ブーツ噴射を適切に行うための本実施形態の設定について説明する。
本実施形態では、蓄圧器20内部を、複数の燃料噴射弁30のそれぞれに割り振られた蓄圧室21a,21bに分離した。これにより、蓄圧器20内部を全ての燃料噴射弁30に共通の単一の蓄圧室とする場合と比較して、燃料ポンプ10による燃料の一回の圧送による蓄圧室21a,21bの燃圧の上昇量が増加する。これにより、各燃料噴射弁30の燃料噴射期間において、蓄圧室21a,21b内の燃圧を十分に上昇させることができ、ひいてはリフト量を拡大するための閾値を超えて上昇させることができる。
また、本実施形態では、各燃料噴射弁30の燃料噴射に同期して燃料が圧送されるように、燃料噴射弁30による燃料噴射周期と燃料ポンプ10による燃料の圧送周期とを1対1に対応付ける同期式システムとする。ただし、燃料噴射開始時期や燃料噴射期間は、クランク軸2の回転速度や要求噴射量等のディーゼル機関50の運転状態に応じて変化する。このため、本実施形態では、圧送タイミング可変機構80を操作することで燃料ポンプ10による燃料の圧送タイミングを制御し、ひいては、燃料噴射期間において蓄圧室21a,21b内の燃圧が閾値を超えて上昇するようにする。
更に、燃料噴射後には蓄圧室21a,21b内の圧力を、規制用スプリング39の弾性力に打ち勝ってノズルニードル32をリフトさせることができない値にまで低下(減圧)させることが要求される。このため、本実施形態では、バイパス配管68a,68b等を設けることで、リターン流入口69a,69b、圧力室63a,63b、及び吸入口64a,64b等を通じて蓄圧室21a,21bの高圧燃料を燃料タンク1へ逆流させて、蓄圧室21a,21b内を減圧させる構成とした。
次に、圧力室63a,63bから蓄圧室21a,21bへと燃料を吐出する場合の高圧ポンプ60の作動について図3及び図4を用いて詳述するとともに、上述した燃料タンク1への逆流により減圧する場合の高圧ポンプ60の作動について図5を用いて詳述する。なお、図3〜図5においては、一対のプランジャ62a,62bや、圧力室63a,63b等を、それぞれプランジャ62、圧力室63等と表記する。
<プランジャ下降行程>
図3(a)はプランジャ62の最上昇位置を示しており、吸入口64を調量弁70で閉塞した状態でプランジャ62の下降を開始させている。この状態ではリターン流入口69は開口しているため、蓄圧室21の高圧燃料が、リターン流入口69及び連通路621を通じて圧力室63へ流入(逆流)する。そして、吸入口64は閉塞されているため圧力室63は高圧状態となる。その結果、圧力室63へ流入した高圧燃料がプランジャ62を下降させる向きに付勢することとなるので、複数のプランジャ62のうち上昇移動しているプランジャ62の上昇移動がアシストされることとなる。従って、駆動軸60Jの回転駆動がアシストされ、その回転駆動に要するディーゼル機関の消費エネルギが軽減される。
このように、プランジャ62がリターン流入口69を開けている時、かつ、プランジャ62が下降している時に、調量弁70を閉弁制御するよう機能している時のECU90は「アシスト制御手段」に相当する。
ちなみに、図3(a)(b)(c)に示すようにプランジャ62が下降している時には、圧力室63の圧力が蓄圧室21の圧力よりも所定圧以上高くなることはないため、逆止弁67は開口することなく吐出口66の閉塞を維持する。
次に、図3(a)の状態から吸入口64を閉塞させたまま図3(b)に示す位置までプランジャ62が下降すると、リターン流入口69がプランジャ62により閉塞される。その後さらに、吸入口64を閉塞させたままの状態でプランジャ62が下降すると、吸入口64、リターン流入口69及び吐出口66の全てが閉塞したまま圧力室63は膨張するため、圧力室63の圧力は、吸入口64に対して燃料タンク1の側の圧力(フィード圧)よりも低い圧力(負圧)となる。
次に、プランジャ62の下降期間中において、圧力室63が負圧状態となっている期間中の所定タイミングで、図3(c)に示す如く吸入口64を全開とするよう調量弁70を作動させる。すると、吸入口64から圧力室63へ負圧により燃料が吸入され、圧力室63は燃料で満たされる。以上により、プランジャ62の下降行程(吸入行程)が終了する。
<プランジャ上昇行程>
図4(a)はプランジャ62の最下降位置を示しており、この状態ではリターン流入口69は閉塞している。そして、吸入口64を調量弁70で開口させた状態のままプランジャ62の上昇を開始させているため、圧力室63の燃料は加圧されることなく吸入口64から燃料タンク1へ向けて排出される。なお、この排出時には圧力室63は加圧されないため、圧力室63の圧力が蓄圧室21の圧力よりも所定圧以上高くならず、逆止弁67は吐出口66の閉塞を維持する。
次に、プランジャ62の上昇期間中の所定タイミングで、図4(b)に示す如く吸入口64を閉塞させるよう調量弁70を作動させる。すると、吸入口64、リターン流入口69及び吐出口66の全てが閉塞したまま圧力室63はプランジャ62により圧縮されるため、圧力室63の燃料は加圧されて高圧状態となる。さらにプランジャ62が上昇して加圧が進むと、圧力室63の圧力が蓄圧室21の圧力よりも所定圧以上高くなり、逆止弁67は開口作動して吐出口66は開口する。これにより、圧力室63の燃料は吐出口66から蓄圧室21へ圧送される。
そして、さらにプランジャ62が上昇すると、図4(c)に示す如くリターン流入口69は開口するため、圧力室63の燃料は、吐出口66からのみならず、リターン流入口69からも蓄圧室21へ圧送されることとなる。
但し、このようにプランジャ62が上昇してリターン流入口69が開口した時に、吸入口64を開口するよう調量弁70を開作動させると(図5参照)、蓄圧室21の高圧燃料が、リターン流入口69、連通路621及び圧力室63を通じて、吸入口64から燃料タンク1へ戻される(逆流する)。これにより、蓄圧室21内を短時間で急激に減圧させることができる。したがって、燃料噴射弁30において、規制用スプリング39の弾性力に打ち勝ってノズルニードル32をリフトさせる高圧状態で燃料を噴射させた後、燃料圧力を急減圧させることで、即座にノズルニードル32をリフトダウンさせることができる。
このように、ノズルニードル32をリフトダウンさせるべく、プランジャ62がリターン流入口69を開けている時、かつ、プランジャ62が上昇している時に、調量弁70を開弁制御するよう機能している時のECU90は「減圧制御手段」に相当する。
次に、ECU90に備えられたマイクロコンピュータが調量弁70を制御する手順を説明する。先ず、エンジンの運転状態(例えばエンジン負荷及びエンジン回転速度等)に基づき燃料噴射弁30からの燃料噴射態様を決定する。噴射態様とは、1燃焼サイクル中における燃料の噴射回数、トータルでの噴射量、及び1回の噴射中における噴射率の時間変化等のことであり、例えば、先述したブーツ噴射の有無や、ブーツ噴射を実施する場合におけるブーツの形状等が具体例として挙げられる。
そして、決定した噴射態様に基づき、或いはエンジンの運転状態に基づき、蓄圧室21の目標圧力(目標レール圧)を算出する。そして、燃圧センサ24により検出された実際のレール圧(実レール圧)と目標レール圧との差に基づき、燃料ポンプ10の吐出量制御及び先述した急減圧制御を実施する。
すなわち、実レール圧が目標レール圧より低い場合には、吐出量制御を実施するにあたり、燃料ポンプ10の吐出量を増大させるよう燃料ポンプ10の制御内容を補正する。具体的には、プランジャ62の上昇行程時において、吸入口64を調量弁70で閉塞して圧力室63での加圧開始タイミングを早めるよう補正する。一方、実レール圧が目標レール圧より高い場合には、先述した逆流による蓄圧室21の急減圧制御を実施する。具体的には、プランジャ62の上昇行程時において、少なくともリターン流入口69が開口した時に、吸入口64を開口するよう調量弁70を開作動させる。
次に、ECU90に備えられたマイクロコンピュータによる急減圧制御の手順を、図6のフローチャートを用いて説明する。なお、当該処理は、エンジンの運転中に所定周期(例えば前記マイコンの演算処理周期、又は所定のクランク角周期)で繰り返し実行される。
すなわち、先ずステップS10(プランジャ位置判定手段、プランジャ移動方向判定手段)において、プランジャ62が上昇行程中との条件、及びプランジャ62がリターン流入口69を開口する位置(連通位置)にあるとの条件の少なくとも一方の条件を満たしているか否かを判定する。なお、プランジャ62はクランク軸2により回転駆動するため、クランク軸2の回転角に基づけばプランジャ62の移動方向及び移動位置を把握することができる。そこで、上昇行程中であるか否か及び連通位置にあるか否かの判定は、クランク軸2の回転角を検出するクランク角センサの検出値に基づき判定することが望ましい。
前記両条件の少なくとも一方が満たされていると判定した場合(S10:YES)には、続くステップS20(超過量算出手段)において、目標レール圧に対する実レール圧の超過分ΔPを算出する(ΔP=実レール圧−目標レール圧)。続くステップS30(開作動判定手段)では、ステップS20で算出した超過分ΔPが閾値を超えて大きくなっているか否かを判定し、ΔP>閾値であると判定した場合(S30:YES)には、続くステップS40(減圧制御手段)において、調量弁70を全開させるよう開弁制御する。これにより、急減圧制御が実施される。具体的には、プランジャ62の状態が図4(a)(b)(c)及び図3(a)の時に、ステップS20にて上昇行程中であると判定されて調量弁70は全開される。
一方、ΔP≦閾値であると判定した場合(S30:NO)、或いはプランジャ62が上昇中でもなく連通位置でもないと判定した場合(S10:NO)には、続くステップS50(吐出量制御手段)において、吐出量制御を実施する。具体的には、プランジャ62が連通位置にある期間、つまり下降行程開始から所定期間(図3(a)に示す連通期間)及び上昇行程終了までの所定期間(図4(c)に示す連通期間)には、吸入口64を全開にするよう調量弁70を制御する。そして、下降行程において、調量弁70で吸入口64を閉塞して圧力室63での加圧を開始するタイミングを、目標レール圧に対する実レール圧の不足分に応じて可変制御する。つまり、不足分が多いほど加圧開始タイミングを早くする。
以下、上記構成及び制御による減圧制御の効果等、本実施形態による効果を説明する。
・図4(c)の時に調量弁70を開弁制御することにより、蓄圧室21の高圧燃料を、バイパス配管68、リターン流入口69、連通路621、圧力室63、及び吸入口64を通じて燃料タンク1へ戻して(逆流させて)減圧させることができる。よって、従来の蓄圧器に設けられた減圧弁から減圧させる場合に比べて、減圧経路(バイパス配管68、リターン流入口69、連通路621、圧力室63、及び吸入口64)における燃料の流路面積を大きくすることを容易に実現できる。よって、蓄圧室21を減圧させるにあたり、燃料の流速増大を抑制できるので、燃料温度の上昇を抑制できるとともに、短時間で大きく減圧(急減圧)することができる。
また、本実施形態では、従来の蓄圧器に設けられた減圧弁を廃止しており、調量弁70の作動を制御することで、燃料ポンプ10からの吐出量の制御及び減圧制御の両制御を実施することができる。つまり、吐出量制御手段及び減圧制御手段を実現するためのECU90中の制御回路を共有化できるので、制御回路の数を減らしてコストダウンを図ることができる。
・図4(a)(b)の時に調量弁70を開弁制御することにより、調量弁70を全開にしたままプランジャ62を上昇させるので圧力室63での加圧が実施されない。そのため、減圧を要する時に不要な加圧を実施しないので、駆動軸60Jの回転駆動に要するディーゼル機関の消費エネルギを軽減できる。
・図3(a)の時に調量弁70を開弁制御することにより、蓄圧室21の高圧燃料を上述の如く逆流させて減圧させることができるので、燃料温度の上昇を抑制できるとともに急減圧することができる。なお、図3(b)(c)の時には調量弁70を閉弁制御することにより、圧力室63にて吸入のための負圧を発生させるので、ΔP>閾値となっている時でも燃料ポンプ10が必要最低限の量を吐出するように制御される。
・蓄圧器20は隔壁23により互いに分離された複数の蓄圧室21を備えており、複数のプランジャ62の各々に対して蓄圧室21を個別に設けている。そのため、蓄圧器を複数のプランジャ62に対して共通化してコモンレールとして構成してしまう場合に比べて、1つの蓄圧室21に対して1つのプランジャ62から減圧させるので、実レール圧を目標レール圧に近づけるよう減圧制御することを容易にできる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。また、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態では、図6に示すように、プランジャ62が上昇行程中との条件及び連通位置にあるとの条件の少なくとも一方を満たしている場合(S10:YES)に、ステップS40での急減圧制御の実施を許可している。これに対し、連通位置にあるか否かに拘わらず上昇行程中であれば急減圧制御を許可するようにしてもよい。或いは、上昇行程中であるか否かに拘わらず連通位置にあれば急減圧制御を許可するようにしてもよい。また、ステップS10での判定を廃止して、ΔP>閾値(S30:YES)であればプランジャ62の位置に拘わらず吸入口64を全開にし続けるよう急減圧制御を実施してもよい。
・上記実施形態では、図1に示すようにプランジャ62に連通路621を形成して、リターン流入口69と圧力室63とが連通路621を介して連通するよう構成している。これに対し、図7に示すように連通路621を廃止して、リターン流入口691と圧力室63とが直接連通するよう構成してもよい。図7は、プランジャ62が最も下降した時の状態を示しており、上昇行程開始から所定期間において、リターン流入口691と圧力室63とが直接連通するよう構成されている。そして、この所定期間に、吸入口64を開口するよう調量弁70を開作動させることで、蓄圧室21の高圧燃料を、バイパス配管68、リターン流入口691、圧力室63、及び吸入口64を通じて燃料タンク1へ戻して(逆流させて)急減圧させる。
・図6のステップS20において、超過分ΔPの算出に用いる実レール圧はプランジャ62の往復動に応じて変動する。つまり、実レール圧はプランジャ上昇時(圧送時)に高くなり下降時(吸入時)に低くなる。そこで、超過分ΔPを算出するにあたり、プランジャ62により燃料を圧送する前の時点における実レール圧を用いて算出してもよいし、圧送した後の時点における実レール圧を用いて算出してもよい。
・上記実施形態にかかる調量弁70は、吸入口64を圧力室63の反対側からスプール71で開閉するよう構成されている。これに対し、吸入口64を圧力室63の側からスプール71で開閉するよう構成してもよい。
・上記実施形態にかかる調量弁70は、電磁ソレノイド72への非通電時にスプール71が閉弁するよう構成されたノーマリクローズ型である。これに対し、電磁ソレノイド72への非通電時にスプール71が開弁するよう構成されたノーマリオープン型であってもよい。
・上記実施形態では蓄圧器20に減圧弁を設けることを廃止しているが、蓄圧器20に減圧弁を設け、図5に示す如く調量弁70を逆流させる減圧手段と、減圧弁を開弁作動させることによる減圧手段との両手段により減圧させるようにしてもよい。この場合、逆流による減圧はブーツ噴射の実現のために1燃焼サイクル期間内にて実施し、減圧弁による減圧は1燃焼サイクル期間よりも長い期間にて実施することが望ましい。
・ここで、図6のステップS30にて超過分ΔPが閾値を超えているか否かを判定するにあたり、その判定処理周期(図6のルーチン処理周期)を短くすることには限界があり、判定処理周期が長いと減圧終了タイミングが遅れることが懸念される。この懸念に対し、ΔP>閾値(S30:YES)と判定された時に調量弁70の開作動時間を設定し、開作動を開始した後、判定処理周期が経過して次回の判定が為される前に、開作動時間がタイムアップとなっていれば開作動を終了するよう制御することで、減圧終了タイミングが遅れることの抑制を図るようにしてもよい。なお、この場合には判定処理周期を燃焼サイクルに同期させ、例えば1燃焼サイクル毎に処理を繰り返すことが望ましい。
本発明の一実施形態にかかる燃料噴射制御システムの全体構成を示す図。 図1に示す燃料噴射弁の断面構成を示す図。 図1に示すプランジャの下降行程を説明する図。 図1に示すプランジャの上昇行程を説明する図。 図1に示す燃料ポンプにおいて、逆流による急減圧を実施している状態を説明する図。 図1に示すECUにより実施される急減圧制御の手順を説明するフローチャート。 本発明の他の実施形態にかかる燃料ポンプの構造を示す図。
符号の説明
1…燃料タンク、10…燃料ポンプ、20…蓄圧器、30…燃料噴射弁、61a,61b…シリンダ、62a,62b…プランジャ、63a,63b…圧力室、64a,64b…吸入口、66a,66b…吐出口、69a,69b,691…リターン流入口、70a,70b…調量弁、90…ECU(吐出量制御手段、減圧制御手段、アシスト制御手段)、621a,621b…連通路、S10…プランジャ位置判定手段、プランジャ移動方向判定手段、S20…超過量算出手段、S30…開作動判定手段、S40…減圧制御手段、S50…吐出量制御手段。

Claims (10)

  1. 内部に圧力室を形成するシリンダ、及び前記シリンダ内を往復動して前記圧力室の燃料を加圧するプランジャを有し、当該加圧された燃料を圧送する燃料ポンプと、
    前記燃料ポンプにより圧送された燃料を高圧状態で蓄える蓄圧器と、
    前記蓄圧器に蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    を備え、
    前記シリンダには、燃料タンクから前記圧力室へ燃料を吸入する吸入口と、前記プランジャにより加圧された燃料を前記圧力室から前記蓄圧器へ吐出する吐出口とが形成されており、
    前記吸入口を開閉する調量弁と、
    前記調量弁の開閉作動を制御することで前記吐出口からの燃料吐出量を制御する吐出量制御手段と、
    を備える燃料噴射制御システムにおいて、
    前記蓄圧器から前記シリンダ内へ燃料を流入させるリターン流入口を、往復動する前記プランジャにより開閉されるよう前記シリンダに形成し、
    前記調量弁を開作動させることで、前記リターン流入口、前記圧力室、及び前記吸入口を通じて前記蓄圧器内の高圧燃料を前記燃料タンクへ戻して前記蓄圧器内を減圧させる減圧制御手段を備えることを特徴とする燃料噴射制御システム。
  2. 前記プランジャには、前記リターン流入口と前記圧力室とを連通可能にする連通路が形成されており、
    前記プランジャの往復動位置に応じて前記連通路と前記吸入口との連通及び遮断が切り替えられるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御システム。
  3. 前記プランジャが前記リターン流入口を開けている時、かつ、前記圧力室を膨張させる向きに前記プランジャが移動している時に、前記調量弁を閉作動させることで、前記蓄圧器の高圧燃料を前記圧力室に流入させて前記プランジャの移動をアシストするアシスト制御手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射制御システム。
  4. 前記蓄圧器における燃料の目標圧力に対して実際の圧力が高くなっていることを条件として、前記減圧制御手段による前記調量弁の開作動を許可することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料噴射制御システム。
  5. 前記蓄圧器における燃料の目標圧力に対する実際の圧力の超過分を算出する超過量算出手段を備え、
    前記超過分が閾値を超えて大きくなっていることを条件として、前記減圧制御手段による前記調量弁の開作動を許可することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料噴射制御システム。
  6. 前記減圧制御手段は、
    前記減圧のための開作動を許可するか否かを所定周期で繰り返し判定する開作動判定手段と、
    前記開作動判定手段により前記開作動を許可すると判定された時に前記調量弁の開作動時間を設定する開作動時間設定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の燃料噴射制御システム。
  7. 前記プランジャの往復動位置が前記リターン流入口を開ける連通位置であるか否かを判定するプランジャ位置判定手段を備え、
    前記減圧制御手段は、前記プランジャが前記連通位置であると判定された場合に前記調量弁を開作動させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の燃料噴射制御システム。
  8. 前記プランジャは、内燃機関のクランク軸を駆動源として往復動するよう構成され、
    前記クランク軸の回転角を検出するクランク角センサを備え、
    前記プランジャ位置判定手段は、前記クランク角センサの検出値に基づき前記連通位置であるか否かを判定することを特徴とする請求項7に記載の燃料噴射制御システム。
  9. 前記プランジャの移動方向が、前記圧力室を圧縮させる向きであるか否かを判定するプランジャ移動方向判定手段を備え、
    前記減圧制御手段は、前記プランジャの移動方向が前記圧縮させる向きであると判定された場合に前記調量弁を開作動させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の燃料噴射制御システム。
  10. 前記燃料ポンプは、一対の前記シリンダ及び前記プランジャを複数有しており、
    前記調量弁は、前記複数のシリンダの各々に対して備えられ、
    前記蓄圧器及び前記燃料噴射弁は、前記複数のプランジャの各々に対して備えられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の燃料噴射制御システム。
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