JP2010090672A - 外装材用取付部材、その取付構造、その取付方法、及び外装構造の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の外装材用取付部材1は、施工状態において脚部3の下端に設けた着地部31を梁材7上に着地させる本体2と、前記着地部31上に重ねて端縁34を梁材6の外側へ延在させた上側固定具3と、梁材6又はその一部を下方から包持して端縁42を梁材6の外側へ延在させた下側固定具4とからなり、梁材6上に配設した状態で、前記上側固定具3と前記下側固定具4との各端縁34,42をボルト5にて締め付けることにより、前記着地部31を梁材6に押し当てて取り付けられる。
【選択図】図1
Description
前記取付け金具の固定には、溶接が採用されていたが、高所に溶接機を持上げる必要があるため、危険な作業でもあり、手間と労力を要する作業でもあった。また、現場での溶接は、安全面や労力の問題以外にも、溶接の力学的強度のばらつき、溶接後の補修等の種々の問題があり、さらには溶接部分に対する酸化防止用の塗装も必要であった。
例えば特許文献1には、脚部を有する受金具本体と、略コ型の台座と、ロック部材とからなり、脚部の下端に設けた安定板と台座に設けた被挿入部との間に梁材の板状部を挿入させて固定する構造が記載されている。
また、特許文献2には、支持板の下端に、梁材の一側に係止する係止部を設けた第1係止部材と、前記梁材の他側に係止する係止部を設けた第2係止部材とからなり、前記第1係止部材と第2係止部材とをボルト固定することで一体的に固定するタイトフレームが記載されている。
また、前記特許文献2のタイトフレームでは、梁材と構成する一方側から他方側までの寸法、即ちH型鋼のフランジの幅サイズが異なる毎に、つかみ幅が異なるので、これらに対応するためには、予め複数種類のサイズの材料を準備しておき、これらを使い分ける必要があった。
しかし、この先願発明では、脚部の高さ寸法が十分にあれば(縦長であれば)、締め付け治具を着地部上に臨ませてボルトの締め付け作業を容易に行うことができるが、脚部の高さ寸法が短い場合には、側方からの締め付け作業を行う必要があった。なお、脚部の高さ寸法とは、敷設する波形の外装材の山の高さにより決定されるものである。
そして、上側固定具にしても、下側固定具にしても、例えば後述する図示実施例のように極めて形状構成が簡単であるため、製作費用がかからず、しかも確実に本体を梁材に取り付けることができる。
そして、本発明の外装材用取付部材の本体としては、下方に延在する脚部の下端に着地部が設けられ、該着地部が梁材上に着地するものであれば、それ以外の構成は特に限定するものではない。例えばアーチ型のタイトフレームでは脚部の外側に着地部を設けることもあるが、本発明における本体の着地部は、後述する図示実施例のように左右の脚片の内側に設けられる。
また、脚部の高さ寸法とは、敷設する波形の外装材の山の高さにより決定されるが、この脚部の高さ寸法が長くても短くても特に支障はない。
この上側固定具は、例えば単なる帯状材をそのまま用いてもよく、形状構成が簡単である。
また、上側固定具には、梁材の被固定面部に係止する係止部を設けてもよい。この係止部については、特に形状等を限定するものではなく、例えば帯状材の端縁を下方へ折り曲げて梁材の被固定面部である上フランジの先端に係止する係止部を設けてもよい。また例えば、帯状材の端縁を下方へ折り曲げ、更に内側へ折り曲げ、梁材の下フランジ(の下面側)に係止する係止部を設けるようにしてもよい。これらの係止部は、何れも位置規制となるので、梁材に安定に取り付けられ、また梁材に対する取付部位が施工途中でズレることがない。
さらに、上側固定具には、梁材の下向き片に係合する係合部を設けてもよい。この係合部については、特にその形状等を限定するものではなく、例えば後述する図示実施例のように、梁材の被固定面部である上フランジの先端に下向き片が設けられている場合に、該下向き片に係合する係合部を設けてもよい。この場合には、梁材への取り付けを側方から引っ掛けるように容易に行うことができ、安定に取り付け固定されるものとなる。
なお、この上側固定具は、施工に際し、本体と別々に梁材上に配してもよいし、予め本体と組み合わせておいたものを梁材上に配するようにしてもよい。
前記梁材を下方から包持する態様の下側固定具は、例えば後述する図示実施例(図1〜図4)のように帯状材を略柄杓状に折り曲げて形成することができ、形状構成が簡単である。また、前記梁材の一部を下方から包持する態様の下側固定具は、例えば後述する図示実施例(図5〜図6)のように梁材の下向き片を下方から包持するように帯状材を略逆ハット状に折り曲げて形成することができる。
第1の工程として、上側固定具に梁材の被固定面部に係止する係止部を設けた構成において、予め本体と上側固定具とを仮止めしておき、さらに上側固定具と下側固定具との各端縁にボルトを取り付けておき、梁材の被固定面部に対して側方から前記上側固定具の係止部を係止させつつ回動する。
第2の工程として、下側固定具を梁材の下方から包持させる。
第3の工程として、ボルトを締め付ける。
なお、梁材が、例えばC型鋼である場合には、係止部を係止する被固定面部とは、上フランジの先端を指す。
第1の工程として、予め本体と上側固定具とを仮止めしておき、さらに上側固定具と下側固定具との各端縁にボルトを取り付けておき、側方から梁材の下向き片の内側に下側固定具の一部が位置するように臨ませつつ回動する。
第2の工程として、下側固定具を梁材の下向き片の下方から包持させる。
第3の工程として、ボルトを締め付ける。
前記受金具22は、図1(b)などに示すように金属板材を略逆ハット状に成形加工した形状であって、その詳細な構成については後述する縦葺き外装材7を保持する構成である。そして、施工状態においては、溶接によってその底部が前記脚部21の頂部212に固定されている。
しかし、係合部33を設けない態様では、前記上側固定具3の係止部32が係止する箇所は、図示実施例のように上フランジ61の先端に限らず、上フランジ61の基端でもよい。すなわち梁材6としては、リップ溝付きC型鋼に限定されるものではなく、C型鋼(略コ字状型鋼)やI(H)型鋼でもよい。
なお、図2における外装材用取付部材1'は、本体2'については、ボルトナット20によってその受金具22の底部が脚部21の頂部212に固定され、上側固定具3'及び下側固定具4'については、長さ方向に補強用のリブを設けた帯状鋼材により成形した以外は前記図1の実施例と全く同様であり、部位には同一符号を付している。
また、施工に先立ち、前記のように脚部21と受金具22とをボルトナット20により一体化して本体2'を形成した後、図2(a)〜(d)に示すように本体2の脚部21の着地部211上に上側固定具3'(の重合部31)を溶接(又は仮接着)して重合状に組み合わせ、さらに上側固定具3'と下側固定具4'との各端縁34,42にボルト5を取り付けておいた。
なお、図示しないが、例えばC型鋼(略コ字状型鋼)やI(H)型鋼である梁材6に対して係合部33を備えない上側固定具3を用いる場合にも、同様の手順にて梁材6の上フランジ61の先端に対して側方から係止部32を係合させつつ回動させることができる。
また、上側固定具3,3'の上側端縁34及び下側固定具4,4'の下側端縁42は、何れも梁材6の外側へ延在させているので、脚部21の高さ、すなわち外装材7の波山の高さにかかわらず、締め付け治具を臨ませる十分な空間を備え、そのため、締め付け治具を上方から臨ませて容易に締め付け作業を行うことができる。
その後、前記キャップ材8を左右の外装材7,7に跨るように取り付けるのであるが、その取り付けに際しては、前記外装材7の嵌合部721の裏面側に係合部81が係合するように取り付ける。実際には、キャップ材8は、左右の外装材7,7に跨るように配した状態で上方から押圧すると、次第に左右が拡開し、係合部81が係合するので、キャップ材8の取り付けは極めて容易であり、キャップ材8は外装材7に弾性嵌合している。
また、図(a)〜(c)における施工手順は、前記図2における施工手順とほぼ同様である。
なお、補強用に、前記上側端縁34の前後端縁に起立片を設けた。
なお、補強用に、前記下側端縁42の前後端縁に起立片を設けた。
施工に先立ち、脚部21と受金具22とを溶接により一体化して本体2'を形成し、本体2'の脚部21の着地部211上に上側固定具3B(の重合部31)を溶接(又は仮接着)して重合状に組み合わせ、さらに上側固定具3Bと下側固定具4Bとの各端縁34,42にボルト5を取り付けておいた。その際、上側固定具3Bと下側固定具4Bとが、間隔を隔ててボルト5に取り付けられておくことが望ましい。
また、前記実施例1,2における下側固定具4,4',4"のように、梁材6,6'の全体を下方から包持する態様に限定されるものではなく、この実施例3における下側固定具4Bのように、梁材6'の一部(下向き片62)を下方から包持する構成でもよい。
すなわち、前記実施例1,2における係止部32、包持部41に限定されるものではなく、この実施例3における係止部32B、包持部41Bのように形成しても良い。
2,2',2" 本体
20 ボルトナット
21 脚部
211 着地部
22 受金具
22A 起立面部
22B 底面部
3,3',3",3B 上側固定具
31 重合部
32,32B 係止部
33 係合部
34 上側端縁
4,4',4",4B 下側固定具
41,41B 包持部
411 係止部
42 下側端縁
5 ボルト
6,6' 梁材
61 被固定面部(上フランジ)
62 下向き片
63 下フランジ
64 上向き片
7 外装材
8 キャップ材
Claims (6)
- 施工状態において脚部の下端に設けた着地部を梁材上に着地させる本体と、前記着地部上に重ねて端縁を梁材の外側へ延在させた上側固定具と、梁材又はその一部を下方から包持して端縁を梁材の外側へ延在させた下側固定具とからなり、
梁材上に配設した状態で、前記上側固定具と前記下側固定具との各端縁をボルトにて締め付けることにより、前記着地部を梁材に押し当てて取り付けられることを特徴とする外装材用取付部材。 - 上側固定具は、梁材の被固定面部に係止する係止部を有することを特徴とする請求項1に記載の外装材用取付部材。
- 梁材は、被固定面部に下向き片を備え、上側固定具は、前記梁材の下向き片に係合する係合部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の外装材用取付部材。
- 請求項2又は3に記載の外装材用取付部材を本体に取り付ける取付方法であって、
予め本体と上側固定具とを仮止めしておき、さらに上側固定具と下側固定具との各端縁にボルトを取り付けておき、梁材の被固定面部又は下向き片に対して側方から前記上側固定具の係止部又は係合部を係合させつつ回動する第1の工程と、下側固定具を梁材の下方から包持させる第2の工程と、ボルトを締め付ける第3の工程とからなることを特徴とする外装材用取付部材の取付方法。 - 請求項1〜3の何れかに記載の外装材用取付部材の取付構造であって、
梁材上に本体の着地部を着地させ、この着地部上に上側固定具を重ねると共に梁材又はその一部を下方から下側固定具により包持した状態で、前記上側固定具と前記下側固定具との梁材の外側へ延在させた各端縁をボルトにて締め付けることにより、前記着地部を梁材に押し当てて取り付けたことを特徴とする外装材用取付部材の取付構造。 - 梁材上に請求項1〜3の何れかに記載の外装材用取付部材を取り付けた後、本体に外装材を取り付けることを特徴とする外装構造の施工方法。
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