JP2010090438A - 純ニッケル薄板、及び純ニッケル薄板の製造方法 - Google Patents

純ニッケル薄板、及び純ニッケル薄板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 適度な機械的強度を有しつつ形状安定性に優れた純ニッケル薄板を提供することにある。
【解決手段】 ビッカーズ硬さHV0.3が100〜200の範囲にあり、引張試験における引張強度T.S.の0.2%耐力Y.S.に対する比R(=T.S./Y.S.)が下記式(1)の条件を満たすことを特徴とする純ニッケル薄板。
R>3.0−0.01×HV0.3・・・・(1)
【選択図】 図2

Description

本発明は、純ニッケル薄板、及び純ニッケル薄板の製造方法に関し、例えば、充電可能な二次電池の内部配線等の導電部品として用いられる純ニッケル薄板を製造する導電部品用純ニッケル薄板、及びその製造方法に関する。
純ニッケル薄板は、耐食性が優れていることから、携帯型電子機器(携帯電話やノートパソコン等)等の電源である充電可能な二次電池(リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケル水素電池等)の内部配線の導電部品等として用いられている。
斯かる純ニッケル薄板の材料としては、プレス加工時にバリ発生や変形が抑制されてなるものが求められており、このような要望点から、例えば、特許文献1の如く、質量%でC:0.03%以下、Si:0.01%以下、Mn:0.04%以下、残部が実質的にニッケルからなり、酸素と窒素との合計量が100ppm以下であるニッケル材料が用いられている。
ところで、この種の純ニッケル薄板は、携帯型電子機器等の強度を得るために、ある程度の硬度が必要である。
一方、純ニッケル薄板は、携帯型電子機器等の小型化・軽量化を図るべく、部品として成形加工された際に形状が安定したものが求められているが、一般的に硬度が高いとスプリングバックが生じ易くなり、プレス成形における形状安定性が悪化する。これは、引張強度(TS)に対する降伏強度(YS)の比YR(=YS/TS)が大きくなるために生じる現象であり、同じ引張強度(TS)の場合、YRが小さくなれば形状安定性が良好になる。
このような観点から、従来、純ニッケル薄板の製造方法としては、まず純ニッケルを溶解して鋳型で鋳造してスラブを形成するスラブ形成工程と、このスラブを熱間圧延して純ニッケル板を形成する熱間圧延工程と、この熱間圧延された純ニッケル板の冷間圧延と焼鈍(例えば、800〜1000℃程度)とを繰り返し実施してこの純ニッケル板を薄くする冷間圧延工程と、最終焼純を実施した後に純ニッケル圧延材の硬度及び厚さを調整すべく、軽圧下での冷間圧延(調質圧延)を行って純ニッケル薄板を形成する調質圧延工程とを実施する方法が用いられている(特許文献2)。
また、この製造方法としては、半田濡れ性を改善するという観点から、前記調質圧延の実施後に純ニッケルの再結晶温度以下の所定温度で純ニッケルを加熱処理することにより表面および表層部の不純物を除去する低温処理工程を含む方法も提案されている(特許文献3)。
この低温処理工程は、ニッケルの再結晶温度以下の温度、すなわち機械的性質が変化しないような十分に低い温度で行われる工程であるため、処理前後で硬度を変化させずに不純物を除去することができる。
特開2003−89835号公報 特許第3741311号公報 特開2005−82886号公報
しかし、従来の純ニッケル薄板の製造方法は、厚さが同じで様々な硬度の純ニッケル薄板を製造するには、硬度に合わせて、純ニッケルの中間材料の様々な厚さのものを準備しておく必要が生じてしまうため、材料管理においても手間及びコストがかかってしまうという問題がある。
また、従来の純ニッケル薄板の製造方法では、機械的強度の異方性を有してしまい、プレス打ち抜き方向に制限が生じて、部品設計の自由が阻害され、製品歩留まりが悪くなってしまうという問題もある。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、適度な機械的強度を有しつつ形状安定性に優れた純ニッケル薄板、及び適度な硬度を有しつつ形状安定性に優れた純ニッケル薄板の製造において手間及びコストを抑制することができ、さらに、製品歩留まりが良好である純ニッケル薄板の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、ビッカーズ硬さHV0.3が100〜200の範囲にあり、引張試験における引張強度T.S.の0.2%耐力Y.S.に対する比R(=T.S./Y.S.)が下記式(1)の条件を満たすことを特徴とする純ニッケル薄板を提供することにある。
R>3.0−0.01×HV0.3・・・・(1)
斯かる純ニッケル薄板によれば、ビッカーズ硬さHV0.3が100〜200の範囲にあり適度な硬度を有し、さらに、引張試験における引張強度T.S.の0.2%耐力Y.S.に対する比Rが上記式(1)を満たすことにより、T.S.に対するY.S.が相対的に低くなり、プレス形成持のスプリングバックが抑制され、形状安定性が良好となる。
この理由は、定かではないが、冷間圧延後に600〜800℃での熱処理を施すことによって、再結晶が部分的に生じ、再結晶粒と未再結晶粒とが混在した組織となる。このような組織においては、未再結晶部分によって適度な硬度が付与され、再結晶した部分によって加工時に変形が生じ易くなってT.S.に対するY.S.が相対的に低くなりスプリングバックが抑制されているものと推測される。
尚、本発明におけるビッカーズ硬さHV0.3は、ビッカーズ硬さ試験−試験方法(JIS Z 2244)に準拠し、荷重を300gで測定する。
また、本発明における引張強度T.S.及び0.2%耐力Y.S.は、金属材料引張試験片(JIS Z 2201)に準拠したJIS 13B試験片を用い、金属材料引張試験方法(JIS Z 2241)に準拠して測定する。
また、本発明は、純ニッケル板を圧下率30%以上で冷間圧延して該純ニッケル板の厚さを調整する厚さ調整工程と、該厚さ調整工程により厚さが調整された純ニッケル板を600〜800℃で熱処理して該純ニッケル板の硬度を低下させ調整する硬度調整工程とを実施して、純ニッケル薄板を形成することを特徴とする純ニッケル薄板の製造方法を提供することにある。
斯かる純ニッケル薄板の製造方法によれば、熱処理によって純ニッケル薄板の硬度を調整することにより、従来必須であった調質圧延工程を省くことが可能となるため、調質圧延工程分の手間及びコストを抑制することができる。
また、斯かる純ニッケル薄板の製造方法によれば、前記厚さ調整工程で厚さを調整した後に前記硬度調整工程で硬度を調整することにより、様々な厚さの純ニッケル板を準備せずとも、熱処理によって所望の硬度に調整することが可能となるため、純ニッケル板の準備においても手間及びコストを抑制することができる。
さらに、斯かる純ニッケル薄板の製造方法によれば、前記硬度調整工程で硬度を調整することにより、適度な硬度を有しつつスプリングバックが生じ難い純ニッケル薄板、即ち、適度な硬度を有しつつ形状安定性の優れた純ニッケル薄板を作製することができる。
また、斯かる純ニッケル薄板の製造方法によって製造された純ニッケル薄板は、該純ニッケル薄板と同程度の硬度であって、調質圧延によって製造された純ニッケル薄板に比して、スプリングバックが生じ難い。この理由は明らかではないが、600〜800℃での熱処理により純ニッケル薄板において再結晶が部分的に生じ、再結晶が生じていない部分により適度な硬度を有することができ、再結晶した部分によりスプリングバックが生じ難くなっていると考えられる。
また、斯かる純ニッケル薄板の製造方法によれば、最終の冷間圧延後に熱処理を実施することにより、製造された純ニッケル薄板に機械的強度の異方性が生じるのを抑制することができるため、製品歩留まりが良好である純ニッケル薄板を製造することができる。
尚、本発明で用いる純ニッケルは、ニッケルの含有量が95質量%以上であるニッケル材料のことである。
また、本発明における熱処理の温度の値は、熱処理における最高到達温度のことを意味する。
以上のように、本発明によれば、手間及びコストを抑制することができ、また、適度な硬度を有しつつ形状安定性に優れ、製品歩留まりが良好である純ニッケル薄板を作製することができる、純ニッケル薄板の製造方法を提供することができる。また適度な硬度を有しつつ形状安定性に優れた純ニッケル薄板を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る純ニッケル薄板は、ビッカーズ硬さHV0.3が100〜200の範囲にある。
純ニッケルは、冷間圧延されると冷間圧延前に比して硬度が向上し、通常、ビッカーズ硬さHV0.3が200程度まで向上が可能である。一方で、純ニッケルは、完全焼鈍されると、ビッカーズ硬さHV0.3が80程度まで低下する。本発明に於いては、この範囲で硬度調整してからスプリングバック等加工上の問題を防止する。
従って、本実施形態に係る純ニッケル薄板の硬度として、ビッカーズ硬さHV0.3が100〜200であるものが好適に採用され得る。
この硬度については、後述する硬度調整工程において、純ニッケル薄板の製造過程の中間材料たる純ニッケル圧延材を600〜800℃で熱処理することで容易に調整することができる。
本実施形態に係る純ニッケル薄板は、引張試験における引張強度T.S.の0.2%耐力Y.S.に対する比R(=T.S./Y.S.)が下記式(1)の条件を満たす。
R>3.0−0.01×HV0.3・・・・(1)
上記式(1)を満たす純ニッケル薄板は、従来材に比べ、スプリングバックが生じ難くなる。
次に、本実施形態に係る純ニッケル薄板の製造方法について説明する。
本実施形態に係る純ニッケル薄板の製造方法は、上記のような純ニッケル薄板を製造する方法である。
本実施形態に係る純ニッケル薄板の製造方法は、純ニッケル板を圧下率30%以上で冷間圧延して該純ニッケル板の厚さを調整する厚さ調整工程と、該厚さ調整工程により厚さが調整された純ニッケル板を600〜800℃で熱処理して該純ニッケル板の硬度を低下させ調整する硬度調整工程とを実施して、純ニッケル薄板を形成する方法である。
厚さ調整工程で用いられる純ニッケル板としては、ニッケルの含有量が95質量%以上のものが用いられる。
また、前記純ニッケル板として、好ましくは、ニッケルの含有量が99質量%以上のものが用いられ、具体的には、JIS H4551に規定されている常炭素ニッケル板(合金番号:NW2200)(Ni:99質量%以上、C:0.15質量%以下、Cu:0.2質量%以下、Fe:0.4質量%以下、Mn:0.3質量%以下、S:0.010質量%以下、Si:0.3質量%以下)、や低炭素ニッケル板(合金番号:NW2201)(Ni:99質量%以上、C:0.02質量%以下、Cu:0.2質量%以下、Fe:0.4質量%以下、Mn:0.3質量%以下、S:0.010質量%以下、Si:0.3質量%以下)が用いられる。ニッケルの含有量が99質量%以上であることにより、形成される純ニッケル薄板は、電気抵抗が低いものになるとともに、電池電解液等に対して耐食性が優れたものとなるため、例えば、電池のリード部品として適したものとなる。
該純ニッケル板の厚さとしては、例えば、0.04〜2.5mmが挙げられ、より具体的には、0.07〜1.5mmが挙げられる。
厚さ調整工程における圧下率は、30%以上である。圧下率が30%未満である場合、厚さが調整された純ニッケル板の硬度が小さすぎて、圧さ調整工程後に実施する硬度調整工程において所望の値に硬度調整するのが困難となる虞がある。
また、圧下率は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは70%以上である。圧下率が50%以上であることにより、硬度調整工程において硬度調整できる範囲が広がるため、厚さが調整された一の純ニッケル板から様々な所望の硬度の純ニッケル薄板を形成することができ、生産性が向上するという利点がある。
厚さ調整工程において調整される純ニッケル板の厚さとしては、例えば、0.03〜0.25mmが挙げられ、より具体的には、0.05〜0.15mmが挙げられる。
厚さが調整された純ニッケル板の厚さは、そのまま純ニッケル薄板の厚さとなり得るため、厚さ調整工程において純ニッケル板の厚さを調整することにより、純ニッケル薄板の厚さを調整することができる。
硬度調整工程は、厚さ調整工程により厚さが調整された純ニッケル板を600〜800℃で処理炉にて熱処理して該純ニッケル板の硬度を低下させ調整する工程である。
硬度調整工程は、通常、純ニッケル板を連続的に通板して処理を行う連続焼鈍炉を用いる。以下、連続焼鈍炉を例にとって説明する。
具体的には、硬度調整工程では、まず、前記連続焼鈍炉の加熱帯内部に水素と窒素との混合ガス(例えば、モル比で、H2:N2=1:3)を導入して加熱帯内部を無酸化雰囲気とする。加熱帯内部を無酸化雰囲気にすることにより、純ニッケル板の表面に酸化被膜が生じ難くなるため、このような酸化被膜を処理する脱スケール処理をせずに、表面品質が良好な純ニッケル薄板を形成することができる。
次ぎに、厚さ調整工程で作製した純ニッケル板を600〜800℃(保持温度)で加熱する。
硬度調整工程は、熱処理の保持時間を120秒以下とする。本実施形態は、この工程により、適度な硬度を有しつつスプリングバックが生じ難い純ニッケル薄板を作製することができる。熱処理の保持時間は、好ましくは、30秒以下、より好ましくは、0秒(目標設定温度に到達と同時に温度を下げ始める)とする。
尚、本実施形態に於いて、熱処理の保持時間とは、最高到達温度に於いて保持する時間のことを意味する。
硬度調整工程における熱処理の昇温速度は、特に純ニッケル板の硬さに影響するものではないので所定の熱処理温度に達することができれば、特に限定されるものではないが、
硬度調整工程は、熱処理の昇温速度を例えば10〜80℃/秒とし、より具体的には、20〜50℃/秒とする。
その後、冷却帯にて窒素ガスを用いて純ニッケル薄板が400℃以下、好ましくは200℃になるまで冷却する。
尚、本実施形態に係る純ニッケル薄板、及び本実施形態に係る純ニッケル薄板の製造方法は、上記構成により、上述の利点を有するものであったが、本発明に係る純ニッケル薄板、及び本発明に係る純ニッケル薄板の製造方法は、上記構成に限定されず、適宜設計変更可能である。
例えば、本実施形態に係る純ニッケル薄板の製造方法に於いては、硬度調整工程で加熱帯内部を無酸化雰囲気にするために、水素と窒素との混合ガスを用いたが、本発明に係る純ニッケル薄板の製造方法に於いては、アルゴン等の不活性ガス、水素、窒素を1種単独若しくは2種以上組み合わせたガスを用いても良い。
また、本実施形態に係る純ニッケル薄板の製造方法に於いては、硬度調整工程で加熱帯内部を無酸化雰囲気にしたが、本発明に係る純ニッケル薄板の製造方法に於いては、このように無酸化雰囲気にすることを省略してもよい。その場合には、硬度調整工程後に、脱スケール処理を実施する。
脱スケール処理は、硬度調整工程後に純ニッケル薄板の表面を硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、酢酸等の酸で洗浄する処理のことである。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
(試験片の作製)
厚さ0.786mmの純ニッケル板(ニッケル99.65質量%)を0.125mmまで冷間圧延(圧下率84%)し、この冷間圧延した純ニッケルを30mm×70mmに切断して試験片を作製した。
(試験例1)
この試験片を赤外線式熱処理炉にて熱処理した。この熱処理に於いては、まず、この熱処理炉の加熱帯内部を真空脱気し、加熱帯内部に水素と窒素との混合ガス(モル比で、H2:N2=1:3)を導入して加熱帯内部を無酸化雰囲気とした。次ぎに、この熱処理炉内で試験片を昇温速度25℃/秒で加熱して700℃(保持温度)に達した時点で1秒間(保持時間)保持し、その後、加熱帯内部に窒素ガスを導入して試験片が200℃になるまで冷却し、そして、加熱帯内部を大気開放して試験片を取りだし常温まで冷却し、試験例1の純ニッケル薄板を作製した。
尚、試験片の温度は、試験片の上面中央部に熱電対を溶接して、温度を直接測定した。
(試験例2〜6)
保持時間4秒、7秒、15秒、20秒、30秒それぞれで加熱したこと以外は、試験例1の純ニッケル薄板と同様に作製した試験例2〜6の純ニッケル薄板をそれぞれ得た。
(試験例7〜12)
保持時間1秒、4秒、7秒、15秒、20秒、30秒それぞれにおいて、保持温度720℃としたこと以外は、試験例1の純ニッケル薄板と同様に作製した試験例7〜12の純ニッケル薄板をそれぞれ得た。
試験例1〜12の純ニッケル薄板それぞれのビッカーズ硬さHV0.3を測定した。
尚、ビッカーズ硬さHV0.3は、ビッカーズ硬さ試験−試験方法(JIS Z 2244)に準拠し、荷重を300gで測定した。
各保持温度(700℃、720℃)における保持時間に対するビッカーズ硬さHV0.3を図1に示す。
図1に示すように、熱処理温度が低いほど同じ硬度に達する(同じ硬度まで低下させる)までの保持時間は長くなり、適当な温度と適当な時間を選ぶことによって、所望する硬度をもった純ニッケルを得ることができる。
また、昇温速度の影響を調べる目的で、昇温速度を50℃/秒としたこと以外は、試験例1〜12と同様に作製した純ニッケル薄板についてビッカーズ硬さHV0.3を測定したところ、図1に示す結果と同じような結果が得られた。
さらに、圧延率を40、50%としたこと以外は、試験例1〜12と同様に作製した純ニッケル薄板についてビッカーズ硬さHV0.3を測定したところ、図1に示す結果と同じような結果が得られた。
上記試験例の純ニッケル薄板と同様の作製方法で、得られる純ニッケル薄板のビッカーズ硬さHV0.3を100〜215の範囲となるように調整して、実施例の純ニッケル薄板を作製した。この純ニッケル薄板の引張強度T.S.、及び0.2%耐力Y.S.を測定した。この結果を図2に示す(図2のうち、「●」若しくは「○」で表示)。
また、従来例として、最終焼鈍の後に調質圧延によって得られる純ニッケル薄板のビッカーズ硬さHV0.3を80〜180の範囲となるように調整して、比較例の純ニッケル薄板を作製した。この純ニッケル薄板の引張強度T.S.、及び0.2%耐力Y.S.を測定した。この結果も図2に示す(図2のうち、「■」で表示)。
尚、引張強度T.S.及び0.2%耐力Y.S.は、金属材料引張試験片(JIS Z 2201)に準拠したJIS 13B試験片を用い、金属材料引張試験方法(JIS Z 2241)に準拠して測定した。
図2に示すように、実施例の純ニッケル薄板(「●」で表示)は、同じ硬度の従来法(比較例)の純ニッケル薄板に比してRが高く、形状安定性に優れていることが分かる。
各保持温度(700℃、720℃)における保持時間とビッカーズ硬さHV0.3との関係図。 ビッカーズ硬さHV0.3と、引張試験における引張強度T.S.の0.2%耐力Y.S.に対する比R(=T.S./Y.S.)との関係図。

Claims (2)

  1. ビッカーズ硬さHV0.3が100〜200の範囲にあり、引張試験における引張強度T.S.の0.2%耐力Y.S.に対する比R(=T.S./Y.S.)が下記式(1)の条件を満たすことを特徴とする純ニッケル薄板。
    R>3.0−0.01×HV0.3・・・・(1)
  2. 純ニッケル板を圧下率30%以上で冷間圧延して該純ニッケル板の厚さを調整する厚さ調整工程と、該厚さ調整工程により厚さが調整された純ニッケル板を600〜800℃で熱処理して該純ニッケル板の硬度を低下させ調整する硬度調整工程とを実施して、純ニッケル薄板を形成することを特徴とする純ニッケル薄板の製造方法。
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