JP2010089110A - 冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷間圧延後の製品エッジ部の性状不良およびトリミングによる表面疵を防止して、品質が良好な冷延鋼板を安定して製造する方法を提供する。
【解決手段】熱間圧延後の鋼板1を酸洗した後に冷間圧延して所定の寸法の冷延鋼板を製造する方法において、冷間圧延前の鋼板1のエッジ部に対して、上下対の円形回転刃10A、11A、10B、11Bを上下から所定の深さまで押し当てて、エッジ部を未分離状態までせん断を施し、次いでそれぞれのエッジ部に設置され、エッジ部のみを挟圧可能な狭幅ロール14A、14B、13により挟圧してエッジ部1A、1Bを切り離したのち、総圧下率30%以上の冷間圧延を施すことを特徴とする冷延鋼板の製造方法。
【選択図】図7

Description

本発明は、冷延鋼板の製造方法に関するもので、特に冷間圧延後の製品エッジ部の性状不良および表面疵を防止して、品質が良好な冷延鋼板を安定して製造する方法に関する。
冷延鋼板は、自動車や電機製品、建材などの幅広い用途に用いられる鋼板である。冷間圧延したままの鋼板は、その用途に応じて、めっき処理、焼鈍熱処理、レベラー矯正、プレス加工などの工程を経て最終製品となる。一般に、冷間圧延したままの鋼板では、エッジ部が切り欠け状の性状(耳割れ、耳荒れ、エッジクラックなどとも称される)となりやすく、冷間圧延後のめっきライン、焼鈍ライン、レベラー矯正などでの通板の際、あるいは、冷間圧延そのものにおいて、板破断などの操業トラブルを引き起こしやすく、特に、板厚の薄い鋼板の場合には、冷間圧延中にエッジ性状が悪化して板破断を引き起こし易かった。また、板材の最終製品としてエッジ部がそのまま使用される用途では、かえり(バリとも称される)などがない良好なエッジ性状が要求されるのはいうまでもない。そのため、冷間圧延後に鋼板のエッジ部分をトリミングすることが行われているが、冷間圧延して長さが増大した鋼板の全長にわたってトリミングすることは、作業負荷が膨大であるばかりでなく、歩留り低下も招いていた。また、冷延鋼板のトリミングを行った場合、トリミング後のエッジ性状がかえりを有することが多く、プレス加工での疵発生などの原因となっていた。そのため、冷延鋼板の製品エッジ部の性状を良好にする方法について、種々の技術が開発されてきた。
特許文献1では、帯鋼板の処理を行うプロセスラインにおいて、円柱状の砥石またはブラシ等を回転させて押し当てることにより、帯鋼板端部のかえりを除去することができる装置を開示している。
特許文献2では、帯状金属板端部をトリミングした後、帯状金属板端部のかえりの部分にマッシャーロールを押し付けてかえりを除去する方法で、さらにマッシャーロールの適切な圧下力分布が得られるように、マッシャーロールを傾斜させて押し付ける方法を開示している。
非特許文献1では、かえりを発生させないトリミング方法として、トリマー刃の調整によりエッジ部が分離しないようにトリミングをした後に、上下からロールで挟圧して未分離だったエッジ部を切り離すトリミング方法を開示している。本方法は、ロールカット式トリミング法とも称される。
また、特許文献3では、マッシャーロールを組み合わせて、鋼板を上下から挟圧するロールカット式トリミング法を開示している。
一方、特許文献4では、冷延鋼帯でのエッジ性状の悪化を防止するために、冷間圧延前の熱延鋼帯のエッジ部をトリミングした後、グラインダーやバイトによる機械加工によってトリミングによる加工硬化部分を除去する方法を開示している。
特開平10−315108 特開平11−267713 特開昭62−282811 特開昭54−124857 「かえり無しスリッティング」(塑性と加工、Vol.20、No.219、1979、P270−275)
上述のように、冷延鋼板のエッジ部の性状が良好であることは製造工程上および製品品質上、極めて重要である。
特許文献1で開示された方法を適用した場合、冷間圧延したままの鋼板の全長にわたって、鋼板のエッジ部に円柱状の砥石またはブラシ等を回転可能な構造で押し当てることにより、鋼板端部のかえりを除去するものである。したがって、工程が追加されることによって作業効率が著しく悪化し、製造コストの上昇を招くという問題がある。砥石やブラシ等は使用量に応じて摩耗劣化するので、その交換による鋼板製造能率の低下を招き、メンテナンス費用も製造コストを増大させていた。また、板厚の薄い鋼板に対して適用しようとした場合、砥石やブラシの接触を起因とした板破断を招きやすいという問題があった。
特許文献2で開示された方法を適用した場合、冷間圧延したままの鋼板の端部に生じたかえりの部分にマッシャーロールを押し付けてかえりを除去するものであるが、これはかえりが鋼板の下側にはみ出した部分を単にロールで押し付けるだけなので、かえりの程度を軽くするか、あるいは、はみ出しの方向を横方向に変えるだけの作用しかなく、エッジ性状を改善するには至らないという問題があった。
非特許文献1で開示された従来のロールカートリッジ式トリミング方法を適用した場合、冷間圧延したままの鋼板におけるトリミング方法自体を改善することにより、鋼板エッジ部のかえりをなくすことは可能になる。しかし、上下からロールで挟圧して未分離だったエッジ部を切り離すために使用するロールは、図3に示すように鋼板の最大板幅よりも広い胴長を有するロールである。この広幅ロールを上下に用いると、エッジ部を切り離す際にロール表面に疵を生じることがままあるが、同じロールを用いて板幅の異なる冷延鋼板に使用した場合に、狭幅材のエッジ部切り離しで生じたロール疵が広幅の冷延鋼板の表面に転写して、表面欠陥を招きやすいという問題もある。また、かえりの一部が飛散して、エッジ部切り離しロールの入側鋼板表面やロール表面に付着すると、大きな圧力が負荷された上下の広幅ロールと鋼板との間にかみ込んで表面疵となりやすい問題がある。
特許文献3に開示されるトリミングに関連して、マッシャーロールは、その構造から圧下力が小さい装置であるが、鋼板エッジ部のみに押し当てることにより、押し当てた部分の局部的な応力が増大して、板端部に局在するかえりを押し付けることはできる。しかし、特許文献3のようなマッシャーロールを上下に組み合わせて鋼板表面を上下から挟圧して、未分離であるエッジ部を切り離そうとすると、小さい圧下力が広い鋼板表面に分散して、さらに小さくなるため、エッジ部の切り離しに充分な力を加えることができない。本発明者らの検討では、未分離部分を切り離すことができなくて、充分に強度の高い構造を有する圧下装置が別途必要であることがわかった。
特許文献4で開示された方法を適用した場合、冷間圧延前の熱延鋼帯のエッジ部をトリミングした後、さらにグラインダーやバイトによる機械加工によってトリミングによる加工硬化部分を除去するという工程が必要となるために、作業能率が著しく低下するという問題がある。一般に、このような機械加工の工程における通板速度は、トリミングや冷間圧延での通板速度に対して著しく遅いため、これらグラインダーやバイトによる機械加工をオンラインで行うことができず、別のオフライン工程が必要となる。また、グラインダーやバイトなどの機械加工によって、エッジ部の一部を除去した場合には、除去部分が切り屑として発生するため、鋼板上へ飛散して表面品質の低下の原因になるという問題も生じやすい。
また、従来は、鋼板エッジ部の性状と合わせて、トリミングにおける表面疵を防止しつつ、同時に、その鋼板を冷間圧延して、良好な品質の冷延鋼板を安定して製造する技術は見当たらなかった。
そこで、本発明は、特に冷間圧延後の製品エッジ部の性状不良およびトリミングによる表面疵(押し込み疵)を防止して、品質が良好な冷延鋼板を安定して製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有している。
[1]熱間圧延後の鋼板を酸洗した後に冷間圧延して所定の寸法の冷延鋼板を製造する方法において、冷間圧延前の鋼板のエッジ部に対して、上下対の円形回転刃を上下から所定の深さまで押し当てて、エッジ部を未分離状態までせん断を施し、次いでそれぞれのエッジ部に設置され、エッジ部のみを挟圧可能な狭幅ロールにより挟圧してエッジ部を切り離したのち、総圧下率30%以上の冷間圧延を施すことを特徴とする冷延鋼板の製造方法。
本発明によれば、冷間圧延後の製品エッジ部の性状不良および表面疵を防止して品質が良好な冷延鋼板を安定して製造することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図2に、冷延鋼板において鋼板1のエッジ部が切り欠け状の性状(耳割れ、耳荒れ、エッジクラックなどとも称される)になった状態を模式的に示す。冷間圧延にて、このようなエッジ性状が発生すると、板破断が起きやすく安定して圧延することが難しくなる。また、冷間圧延後に残留すると、次工程のプレスなどにおいて疵を発生させやすく問題である。なお、エッジ部が切り欠け状になる理由として、素材の材質や冷間圧延の操業条件が影響する場合もあるが、冷間圧延前の母板に対するエッジ部のトリミングで発生したかえりに起因することが多いことが、本発明者らの検討によりわかってきた。
本発明者らは、冷間圧延後の製品エッジ部の性状が良好で、かつ、鋼板表面において疵などの表面欠陥を生じさせることのない冷延鋼板を安定して製造するために、冷間圧延後ではなく、冷間圧延前の母板に対するエッジ部のトリミング方法について着目して鋭意検討し、本発明に至った。
従来のトリミング法は、図3に示すように、冷間圧延前の鋼板のエッジ部に対して、上下対の円形回転刃を上下から所定の深さまで押し当てて、切断していた。ここで、1は鋼板、1A、1Bはトリミングによって切り捨てられる部分(エッジ切捨て部)、10A、10Bはそれぞれ両端部の上側の回転刃、11A、11Bはそれぞれ下側の回転刃を示している。回転刃の設定方法について詳細に説明するため、図4に、片側の回転刃10A、11Aを拡大した図を示す。図4において、Gは、上下の回転刃の水平方向の間隙(クリアランスとも称す)であり、両者の間隙が開く方を正(+)とする。Lは、上下の回転刃の垂直方向の重なり量(ラップとも称す)であり、両者の重なり量が大きくなる方を正(+)とする。従来のトリミング法では、クリアランスGは、鋼板の厚みに比例した値で設定する。
従来のロールカット式トリミング法は、図5に示すように、トリミングのラップLを負(−)に設定して、エッジの切り捨て部1A、1Bを未分離状態として、ついで、図6に示すように、鋼板1を上ロール12および下ロール13で挟圧して、エッジの未分離部分1A、1Bを切り離すトリミング法である。ロール挟圧によって、未分離状態だったエッジ切捨て部1A、1Bは、鋼板1本体から分離される。ここで、図6に示す挟圧用のロール12、13は、通板される鋼板1の最大板幅よりも広い胴長を有していた。以降、従来のロールカット式トリミング法での挟圧ロール12、13を広幅ロールとも称することとする。
本発明は、ロールカット式トリミング法において、図7に示すような、ロール挟圧に使用するロールとして、それぞれのエッジ部に設置された狭幅ロール14A、14Bを使用するものである。ロール胴長はできるだけ短くすれば、飛散したかえりなどをかみ込む確率が低くなり、表面疵を抑制できて有利である。
かえりなどが挟圧ロールにかみ込む場合、上下にロールが存在する部分では、その間の圧下力が大きくて、ロールと鋼板との間にかみ込んだかえりが押しつぶされて表面疵となりやすい。他方、上下いずれかしかロールがない部分では、鋼板を挟む圧下力がないために、ロールと鋼板との間にかみ込んだかえりが押しつぶされにくくなって表面疵とはなりにくいわけである。
従って、未分離部分の挟圧ロールは、上下ともに狭幅にする必要はなく、いずれか一方のロールのみ狭幅として、他方のロールは広幅でよい。
なお、未分離状態のエッジ切り捨て部を分離させるのに必要な狭幅ロールの胴長は、おおむね鋼板の板厚の10倍以上あればよい。従って、狭幅ロールの胴長は、エッジトリミング装置の最大仕様板厚の10倍以上とすればよい。また、鋼板の板幅やエッジ切り捨て量に応じて、狭幅ロールの位置は適宜変更させるものとする。なお、少なくとも上下いずれかに狭幅ロールを適用してロール挟圧を行うこと以外は、従来の広幅ロールを用いたロールカット式トリミング法と同様の条件で実施すればよい。
ロールカットのための狭幅ロールの胴長の下限は、鋼板のロールカットを安定して行えるだけの幅があればよく、概ね鋼板の板厚の10倍以上、一般的な2mm厚の鋼板を対象とした場合には20mm以上あればよい。また、上限は両サイドに設置することから板幅の半分以下であることは当然であるが、かえりなどが飛散しかみ込んで鋼板に表面疵を発生させないためには200mm以下が望ましい。
また、本発明の狭幅ロールとは、上ロールが狭幅で下ロールが広幅である必要はなく、例えば図8に示すように、上ロール12は広幅で、下ロール15A、15Bのみが狭幅でもよい。上下いずれかのロールが狭幅であることによって、未分離状態の鋼板をせん断する際に作用する力は、幅方向で上下ともにロールが存在する部分において著しく大きくて、上下いずれか一方しかロールがない部分においては著しく小さいため、上下いずれか一方したロールがない部分では、ロール疵やかみ込み疵は発生しにくいことによる。
また、これらロールを支える構造は、未分離の板をせん断するために充分な支持強度を有することとした。
さらに、このトリミングした鋼板を用いて冷間圧延する場合は、かえりを起点として冷間圧延中に発生するエッジクラックが著しく減少して、板破断が発生しにくくなる。そこで、従来より張力を大きくしてより薄物まで圧延可能であり、圧延中にかえりなどが飛散しにくいことから飛び込み疵も減少して、能率よく品質の良い冷間圧延が可能になる。
ここで、従来トリミング法、従来トリミング+機械加工法、および本発明方法における、冷間圧下率とエッジクラック深さの関係を図9に示す。従来トリミング法では冷間圧下率が30%を超えると、急激にエッジクラック深さが大きくなることがわかる。従来トリミング+機械加工法では、冷間圧下率が大きくなってもエッジクラックの大きさが増大することはなかった。ただし、従来トリミング+機械加工法の一部ではエッジクラックが大きいものがあったが、これはグラインダーでの機械加工でかえり(バリ)が充分に除去できなかったものである。本発明方法では、冷間圧下率が大きくなってもエッジクラックの大きさが増大することはなかった。すなわち、従来トリミング法では、冷延総圧下率が30%を超えたときに、冷間圧延後のエッジ性状が劣化するのに対して、本発明方法では冷間圧延後のエッジ性状が劣化しないわけである。
この理由を明確にするために、従来トリミング法、従来トリミング+機械加工法、および本発明方法における、冷間圧下率とかえり(バリ)の大きさの関係を調べて図10に示す。従来トリミング法では、大きなかえり(バリ)があり、冷間総圧下率が大きくなるにつれて、かえり(バリ)が小さくなり、冷間総圧下率が30%くらいまでになると、かえり(バリ)は著しく低減する。冷延総圧下率が大きくなると、かえり(バリ)が小さくなるのは、圧延によってかえり(バリ)の部分が押し潰されたり、外側に押し曲げられたりするためと推定される。
しかし、図9に示したように、かえりは小さくなっても存在するため、冷延総圧下率が30%を超えると、このかえり(バリ)を起点としてエッジクラックが大きくなってくるものと推定される。従来トリミング+機械加工法、および本発明方法では、冷間圧延前にかえり(バリ)はないため、エッジクラックも発生していない。
そこで、本発明では、冷間圧下率が30%を超えるような冷延鋼板でのエッジ性状を良好にするために、かつ機械加工のような追加工程を増やすことなく、効率的に冷延鋼板を製造するために、冷間圧延前の熱延鋼板に対するトリミング方法を鋭意検討し、本発明に至ったものである。
本発明では、熱間圧延後の鋼板を酸洗したのちに冷間圧延して所定の寸法の冷延鋼板を製造する方法において、冷間圧延前の鋼板のエッジ部に対して、上下対の円形回転刃を上下から所定の深さまで押し当てて、エッジ部を未分離状態までのせん断を施し、次いで上下のロールで挟圧してエッジ部を切り離したのち、総圧下率の30%以上の冷間圧延を施すこととした。
冷延総圧下率の上限については、エッジ性状の面からは上限はないが、工業的に実施されている冷間圧延での総圧下率は95%程度が上限であるので、本発明の適用上の上限も95%程度となる。
本発明について、5スタンドから構成される冷間タンデム圧延機にて冷延鋼板を製造した例を用いて、詳細に説明する。
図1は、本発明による、冷間タンデム圧延機にて冷延鋼板を製造する工程の一部を模式的に示した図である。図1において、1は冷延鋼板であり、20はトリミング装置、21は鋼板を上下から挟圧してエッジの未分離部を上下から切り離すためのロール、22は通板中の鋼板に付与される張力を制御するためのブライドルロール、23は4段圧延ロールが5スタンドから構成される冷間タンデム圧延機、24は圧延後の冷延鋼板を巻き取ったコイルである。図1において、鋼板は矢印の向きに通板され、図中に示していない上流側には、熱延コイルまたは酸洗コイルを払い出すためのペイオフリール、先行材の尾端と後行材の先端をつなぎ合わせるための溶接装置、溶接中の通板速度調整をするためのルーパー部、熱延コイルの場合は鋼板表面の酸化鉄(スケール)を除去するための酸洗セクションなどが配置されている。なお、本発明例での冷間タンデム圧延機のワークロール径は5スタンドとも500mmとした。
トリミング装置20は、鋼板の両エッジ側に円形回転刃が配置されており、図4に示すように刃のクラアランスGおよびラップLを調整することが可能である。
本発明例では、厚みが2.0mmで幅が1020mmの熱延鋼板から、厚みが0.5mmで幅が1000mmの冷延鋼板を製造する例について説明する。なお、鋼種はSPCC鋼である。
ペイオフリールから払い出された熱延鋼板は、酸洗セクションで表面スケールが除去されたのち、両側のエッジ部をそれぞれ10mmずつトリミングされる。ここで、本発明例でのトリミングは、トリミング装置20において、クリアランスCを0.1mmに、ラップLを−0.5mmに設定した。クリアランスCとラップLの値は、予め板厚に応じて算出した適切な値を設定した。本条件では、エッジの切り捨て部は未分離状態となっている。ついで、挟圧ロール21で、鋼板1を上下から挟圧してエッジの未分離部を上下から切り離す。
ここで、挟圧ロール21は、図7または図8のように上下のうちの少なくとも一方の側が狭幅ロールとした。挟圧ロール21では、未分離状態のエッジ切り捨て部を切り離すため、ロール間隙は鋼板1の板厚とほぼ同じ値に設定すればよい。本トリミング法によると、エッジ部のかえり(バリ)が生じない。
そして、両エッジをトリミングして幅が1000mmになった2mm厚の酸洗済みの熱延鋼板を、5スタンドの冷間タンデム圧延機23で、0.5mmまで圧延する。各スタンドの圧下率はほぼ均等になるように設定し、スタンド間で鋼板1に付加される張力は10kgf/mmに設定した。これは、一般的な冷間圧延の操業形態である。
冷間圧延したままの鋼板について、長手方向で任意に10箇所を選んで、エッジ部の性状を調査したが、いずれの箇所においてもエッジクラックは0.1mm未満と極めて小さく、エッジ性状は良好であった。
なお、図1に示したような、トリミング工程とその後の冷間圧延工程が直結した製造装置では、従来技術であるグラインダーやバイトなどの機械加工を適用しようとすると、通板速度が著しく律速されるため、生産効率が低下する。また、これら機械加工で生じた切り屑が鋼板上への巻き込まれたまま冷間圧延され、表面品質の低下の原因になる危険性が極めて高くなるため、適用は不可能であった。
以上説明したように、本発明によれば、冷間圧延後の製品エッジ部の性状が良好で、鋼板表面の疵を防ぐ冷延鋼板の製造方法を提供することが可能になる。
本発明の実施例1として、図1に示す5スタンドからなる冷間タンデム圧延機での冷延鋼板の製造に本発明を適用した例について説明する。
供試材は、一般的な冷延鋼板であるSPCC鋼および高張力鋼板であるSPFC340のそれぞれの母板となる熱延鋼板である。母板厚1.6〜2.6mmであり、冷間圧延後の厚みは0.6〜1.4mmである。
実施条件を表1に示す。
本発明例1〜6では、トリミング装置20および挟圧ロール21として上ロールに狭幅ロールを用いたトリミングを施した。トリミングの条件は、表1に示した通りである。
比較例1、2では、トリミング装置20のみを用いて、回転刃により完全にエッジ切り捨て部を分離させる従来のトリミング法を施した。トリミングの条件は、表1に示した通りである。
比較例3、4では、トリミング装置20および挟圧ロール21として広幅ロールを用いたトリミングを施した。
エッジ性状の評価として、冷間圧延したままの鋼板について、長手方向で任意に10箇所を選んでエッジ部の性状を調査した、いずれの箇所においてもエッジクラックは0.1mm未満であれば良好、1箇所でも0.1mm以上の部分があれば不良とした。
表面品質の評価として、光学式表面検査装置により大きさ2mm以上、深さまたは高さ0.05mm以上の欠陥を検出し、100m長あたりの個数で評価し、5個以上であれば不良、5個未満であれば良好とした。
表1に示すように、比較例1〜4ではエッジ性状、表面品質のいずれかが不良であったのに対し、本発明例1〜6ではいずれもエッジ性状、表面品質とも良好であった。
Figure 2010089110
以上の結果から、本発明によれば、冷間圧延後の製品エッジ部の性状および表面品質が良好な冷延鋼板を製造することが可能となる。
本発明における冷延鋼板の製造するための設備を模式的に示した図 冷延鋼板においてエッジ部が切り欠け状の性状(耳割れ、耳荒れ、エッジクラックなどとも称される)になった状態を模式的に示す図 従来のトリミング法の模式図 片側の回転刃を拡大した模式図 ロールカット式トリミング法におけるトリミング工程を示す模式図 従来のロールカット式トリミング法における挟圧ロールを示す図 本発明例によるロールカット式トリミング法における挟圧ロールを示す図 本発明例によるロールカット式トリミング法における挟圧ロールを示す図 各トリミング法におけるエッジクラック深さを示す図 各トリミング法におけるかえり(バリ)の大きさを示す図
符号の説明
1 鋼板
1A、1B トリミングにより切り捨てる部分
10A、10B 上側の回転刃
11A、11B 下側の回転刃
12 上側の広幅挟圧ロール
13 下側の広幅挟圧ロール
14A、14B 上側の狭幅挟圧ロール
15A、15B 下側の狭幅挟圧ロール
20 トリミング装置
21 板エッジ未分離部の切り離し用挟圧ロール
22 ブライドルロール
23 冷間タンデム圧延機
24 巻き取りコイル

Claims (1)

  1. 熱間圧延後の鋼板を酸洗した後に冷間圧延して所定の寸法の冷延鋼板を製造する方法において、冷間圧延前の鋼板のエッジ部に対して、上下対の円形回転刃を上下から所定の深さまで押し当てて、エッジ部を未分離状態までせん断を施し、次いでそれぞれのエッジ部に設置され、エッジ部のみを挟圧可能な狭幅ロールにより挟圧してエッジ部を切り離したのち、総圧下率30%以上の冷間圧延を施すことを特徴とする冷延鋼板の製造方法。
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