JP2010088819A - ゴルフクラブ - Google Patents

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正人 大西
Mitsuru Yoshikawa
満 吉川
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Abstract

【課題】打球する位置が打球面の中央位置から大きくずれた場合にはミスショットを感知し易くし、打球面の中央附近では広い範囲で飛距離の向上、及び安定化が図れるゴルフクラブを提供する。
【解決手段】本発明のゴルフクラブは、フェース部の高さが48mm以上である中空構造の金属製のクラブヘッドを有しており、フェース部は、フェース部の中央位置CのCT値を基準として、中央位置Cから半径10mmの範囲のCT値を、中央位置におけるCT値の80%以上とした高反発領域を有すると共に、中央位置Cから垂直方向にソール側またはクラウン側に16mm〜20mm離れた位置で、その位置からトウ側またはヒール側に少なくとも5mmの範囲内に、中央位置Cの60%以下の値までCT値が低下した低反発領域を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、ゴルフクラブに関し、詳細には、中空構造のヘッドを有するゴルフクラブに関する。
一般的に、ゴルフボールは、クラブヘッドのスイートスポットで打球したときに、効率の良い反発が可能となり長い飛距離が得られるが、現実的にスイートスポットの面積は極めて小さい。また、ゴルファーは、個人によってスイングに癖があり、必ずしもスイートスポットやフェースのセンターで打球するわけではない。
このため、例えば、特許文献1には、クラブヘッドのフェースの最高反発点を打球面の中心(中央位置)からずらすことで、ゴルファー毎のスイングフォームに適したゴルフクラブが提案されている。このようなゴルフクラブによれば、ゴルファー個人毎に、自らのスイングフォームの癖に適したクラブヘッドを選択することにより、飛距離の向上を図ることが可能となる。
特開2004−267438号
上記した公知技術によれば、個々のゴルファーに適したゴルフクラブは提供できるものの、そのようなゴルフクラブが一般のゴルファーに適しているとは限らない。すなわち、そのようなゴルフクラブを広く一般のゴルファーが使用しても、飛距離の向上につながるとは限らず、本来、最も飛距離の出せる打球面の中央附近で打球したときに飛距離の低下をきたすことになるばかりか、意識的に打球面の中央位置から外れた位置で打球させることを促してしまう可能性(悪い癖を生じさせる可能性)がある。
また、特定の癖をもったゴルファーにとっては、常に打球面の中央位置からずれた位置で打球するようになることから、その癖が増大したり悪化することはあっても、修正されることは無く、スイングの改良にまったく寄与するものではない。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、打球する位置が打球面の中央位置から大きくずれた場合にはミスショットを感知し易くし、打球面の中央附近では広い範囲で飛距離の向上、及び安定化が図れるゴルフクラブを提供することを目的とする。
本発明では、上記した課題を解決するにあたり、クラブヘッドのフェース部における撓みの特性に着目したことを特徴としている。すなわち、通常、クラブヘッドで打球をする際、フェース部が撓むことでボールの潰れが抑制され、これにより、ボール変形によるエネルギーロスを少なくして、飛距離の向上が図れることが知られている。
ところで、フェース部の撓みに関しては、その指標として、USGA(米国ゴルフ協会)のペンデュラムテストに準拠して測定する手法が存在しており、キャラクタリスティックタイムという数値(以下、CT値)により、フェース部の撓みを評価するることが一般化されている。具体的に、CT値は、上記したペンデュラムテストの手順に従ってフェース部の中心(以下、フェース部の中央位置とも称する)を特定し、この中央位置に所定の試験子を衝突させたときの接触時間を計測することで、フェース部の弾性を評価するものであり、CT値が高くなる(接触時間が長くなる)と、フェース部が撓み易くなって、ボールの飛距離の向上が図れるようになる。このため、上記したテストにおいて、フェース部の中央位置におけるCT値が、所定値を超えると、それはルールに適合しないものと判別されることとなる。
ところで、フェース部におけるCT値は、例えば、肉厚変化、材料、凹凸形状(フェース部裏面に形成されるリブや溝などを含む)等のフェース構造によって、中央位置に限らず、所定の位置毎に変化させることが可能であり、また、CT値とボール速度との間には、実用レベルにおいてCT値を高くすることで、ボール速度も高くなるという因果関係が認められる。このため、CT値を高くする位置(領域)、すなわち良く撓み、ボール速度が高くなる位置(領域)については、ゴルファーにとって「芯で打球した」と感覚的に捉えることができる部分に設定しておくことが望ましく、それは、最もゴルファーが意識して打球するフェース部の中央附近にしておくことが望ましいと考えられる(上記したペンデュラムテストでは、測定位置はフェース部の中央位置とされている)。
なお、ヘッドの重心位置からフェース部に垂線を下ろした点、いわゆるスイートスポットは、ヘッドの重心設計に依存するため、上記のテストによって特定されるフェース部の中央位置と一致しないこともあるが、スイートスポットについては、打球時にボールを最も芯で捉えた、という感覚が得られ、かつ、ボールに対して最も効率良くヘッドスピードを伝達できる部分であることから、上記したフェース部の中央位置に一致させるか、その近傍位置(少なくとも中央位置から半径10mm以内)に設定しておくことが望ましい。
上述した特許文献1に開示されているように、フェース部のCT値に関し、単にゴルファーの癖に応じて中央位置の周囲の値を高くなるように設計しておくと、打球時に中央位置を外しても打球速度が低下しないことから、中央位置で打球したと錯覚が生じてしまうのであり、このように設計されたゴルフクラブでは、上述したような問題(癖の悪化等)が生じてしまうのである。
そこで、本発明では、以下のようなクラブヘッドを装着したゴルフクラブにより、上記した目的を達成するようにしている。すなわち、本発明のゴルフクラブは、ゴルフボールの打球面を前面に形成したフェース部を具備し、フェース部の高さが48mm以上である中空構造の金属製のクラブヘッドを有しており、前記フェース部は、フェース部の中央位置のCT値を基準とし、前記中央位置から半径10mmの範囲のCT値を、中央位置におけるCT値の80%以上とした高反発領域を有すると共に、前記中央位置から垂直方向にソール側またはクラウン側に16mm〜20mm離れた位置で、その位置からトウ側またはヒール側に少なくとも5mmの範囲内に、前記中央位置の60%以下の値までCT値が低下した低反発領域を有することを特徴としている。
通常、打球時において、フェース部の中央位置に対して、打球が上下方向(クラウン側またはソール側)にずれると、フェース部のロール形状(クラウン部からソール部にかけて湾曲する形状)により弾道が異なるようになる。すなわち、フェース部の中央位置よりも下側で打球すると、ロール形状によって打出角度が低くなり、また、フェース部の中央位置よりも上側で打球すると、ロール形状によって打出角度が高くなる。
このような位置での打球は、中央位置からずれすぎると、本来、ミスショットとなるべきであり、悪癖の修正などを考慮すると、打球したゴルファーに対して認知させることが好ましい。しかし、打球位置が中央位置から大きくずれても、その位置においてCT値が高く設定されていれば、打球したゴルファーからすると、高弾道で打球速度が速い、或いは、低い弾道で打球速度が速い、と認識してしまい、ゴルファー自身、最適な位置で打球している、と誤解してしまう可能性がある。
本発明では、フェース部の中央位置のCT値を基準として、中央位置から半径10mmの範囲(中央エリア)のCT値を、中央位置におけるCT値の80%以上とした高反発領域にしていることで、中央エリアで打球した際には、高反発状態で打球速度が速くなるため、ゴルファーは良好なショットであることが認知できるようになり、また、CT値が高く設定されている中央エリアによって、広い範囲で飛距離の向上、及び安定化が図れるようになる。
一方、中央位置から垂直方向にソール側またはクラウン側に16mm〜20mm離れた位置で、中央位置からトウ側またはヒール側に少なくとも5mmの範囲内は、中央位置の60%以下の値までCT値が低下した低反発領域としているため、そのような外れた位置で打球した際には、打球速度が極端に遅くなり、ゴルファーはミスショットであることが容易に認知できるようになる。
上記した構成において、フェース部の高さを48mm以上となるクラブヘッドを対象としたのは、高反発エリアを拡大する等の理由による。
また、上記した構成において、高反発領域を中央位置から半径10mm以内に設定したのは、通常、クラブヘッドのスイートスポットが、フェース部の中央位置、もしくは中央位置に対して半径10mm以内の近傍に存在することが多いため、打球感を考慮しつつ、そのような位置を高反発状態にして、適正な打球位置での打球速度を速くして、安定した飛距離の向上を図るためである。更には、それ以外にも、高反発領域を拡大すると同時に、低反発領域を形成するため、両者のバランスを図ることにある。
この場合、高反発領域内のCT値は、フェース部の中央位置におけるCT値(以下、CTcと称する)との対比で決定されることから、その範囲内での所定位置(中央位置を除く位置)では、CTcに対して100%以上であっても差し支えない。
また、上記した構成において、低反発領域を中央位置から垂直方向にソール側またはクラウン側に16mm〜20mm離れた位置で、その位置からトウ側またはヒール側に少なくとも5mmの範囲内に設定したのは、ズレた位置で必要以上にミスショットを許容してしまうと悪癖に気付き難くなり、悪癖の修正、悪癖の助長の防止等を考慮すると、このような位置での打球は、打球したゴルファーにミスショットとして容易に認知させるようにする等の理由による。
この場合、低反発領域については、高反発用領域に対して、ソール側のみ、クラウン側のみ、或いはソール側及びクラウン側の両者に形成されていても良い。また、低反発領域は、フェース部の中央位置から上記したように離れた範囲で、少なくとも、トウ側に5mmの範囲内、ヒール側に5mmの範囲内、或いは、トウ側及びヒール側に5mmの範囲内に形成されていれば良い。
なお、CT値と、実際に打球した際のボールの打球速度(初速度)については、フェース部の形状(ロール形状による湾曲状態)やスイング軌道等に基づく衝突方向の相違によって多少の変化はあるが、両者は相関関係にある。例えば、フェース部とボールが正面衝突の状態で打球がされたと仮定すると、CT値が60%となっていれば、その初速度は、CT値が100%である場合と比較して、80〜85%程度となる(実際には、上記のようにフェース部の形状やスイング軌道等があるため、確実にそれ以下となる)。このように、低反発領域のCT値を、中央位置のCTc値に対して60%以下にすることで、打球の初速度は85%以下になり、そのような初速度になれば、打球したゴルファーは、確実かつ瞬時にミスショットしたことを認識することが可能となる。
本発明によれば、打球する位置が打球面の中央位置から大きくずれた場合、ゴルファーはミスショットを感知し易くなり、また、打球面の中央エリアで打球した際、飛距離の向上、及び安定化が図れるゴルフクラブが得られるようになる。
以下、本発明に係るゴルフクラブの実施形態について説明する。
図1から図5は、本発明に係るゴルフクラブの一実施の形態を示す図であり、図1はゴルフクラブのヘッド部分の正面図、図2はヘッド部分の平面図、図3はヘッド部分の側面図、図4は図1のA−A線に沿った断面図、そして、図5は図2のB−B線に沿った断面図である。
本実施形態に係るゴルフクラブ1は、金属やFRPで構成されたシャフト5の先端に、基準水平面Pに対して規定のライ角、及びロフト角に設定されたヘッド7を止着して構成されている。この場合、ヘッド7を構成するヘッド本体7Aは、打球面7Bを有するフェース部7aと、フェース部7aの上縁から後方に延出するクラウン部7bと、フェース部7aの下縁から後方に延出するソール部7cと、前記フェース部のトウ側縁からバック側を経由し、フェース部のヒール側縁にかけて延在し、前記クラウン部7b及びソール部7cの縁部を繋ぐサイド部7dとを備えた中空構造に形成されている。なお、図面において、そのようなサイド部7dを構成するトウ部、バック部及びヒール部を、夫々符号7e,7f,7gで示す。
前記ヘッド本体7Aは、フェース部7a以外については、例えば、チタン合金(Ti-6Al-4V,Ti-15V-3Cr-3Sn-3Al)、アルミ系合金、或いは、マグネシウム合金等を鋳造することで一体形成することができ、その前面側に、以下に詳述するフェース部7aの打球面を構成するフェース部材8が止着されるようになっている。この場合、前記ヘッド本体7Aは、それを構成する各部材(フェース部、クラウン部、ソール部、サイド部;外殻部材)を個別に形成しておき、夫々を溶着、接着等によって固定したものであっても良い。
また、ヘッド本体7A内には、前記シャフト5の先端を止着するホーゼル部12が一体形成されている。この場合、シャフト5は、クラウン部7bに形成される開口孔12aを介してシャフト先端部を嵌合し、樹脂、ゴム、或いはアルミ、チタン合金等の軽量金属等によって形成されるリング14を装着することでホーゼル部12に止着される。
また、ヘッド本体7A内には、重量バランスや慣性モーメントの調整が可能となるように、ウエイト部材15が着脱自在に装着されている。このウエイト部材15は、ソール部7cの後方側でバック部7f側に向けて次第に上昇する領域に設けられている。具体的には、ソール部7cの後方側には、内部に突出するようにして雌ネジ部が形成された保持部16が形成されており、ウエイト部材15を、雄ネジ部が形成されたボルト状に構成し、保持部16に対して溝部15aを回転操作することで着脱自在に構成されている。
もちろん、このようなウエイト部材15は、異なる重さに交換できる構成であっても良いし、固着する構成であっても良い。また、ウエイト部材は、複数個設けられていても良い。
なお、ソール部7cには、装着されるウエイト部材15からフェース部裏面に向けて延出するリブ17が形成されている。このリブ17は、後述するフェース部7aの裏面に形成されるリブ20と一体的に連続しており、これにより、本実施形態では、フェース部7aの裏面の下方領域をバック側から支持するようにして、フェース部7aの裏面の下方領域に形成されるリブ近傍の撓み(フェース部下方側の撓みとなる)を抑制する(CT値を60%以下にする)ようにしている。
前記フェース部7aは、実際に打球が成される部分であり、前記クラウン部7b、ソール部7c及びサイド部7dに対して、別途、止着されるフェース部材8によって構成されている。
フェース部7aを構成するフェース部材8は、例えば、図4に示すように、カップ状に形成されており、前記クラウン部7b、ソール部7c及びサイド部7dの前方側に止着され、その折り曲げられた部分が、クラウン部7b、ソール部7c及びサイド部7dの一部を構成する。この場合、フェース部材8は、例えば、チタン合金(Ti-15V-3Cr-3Sn-3Al,Ti-6Al-4V,SP700,Ti-15V-6Cr-4Al,Ti-15Mo-5Zr-3Al、Ti-30Nb-10Ta-5Zr等)を、所定のカップ型形状となるように、プレス加工、或いは鍛造等することで一体形成されている。
なお、フェース部材8は、本実施形態では、溶接(溶接部によるビードを符号9で示す)によって、前記クラウン部7b、ソール部7c及びサイド部7dで構成される前方開口部分に止着されるが、それ以外にも、例えば、ろう付け、接着、レーザ溶接等によって止着しても良い。また、前記フェース部7aについては、別部材となるフェース部材8を止着するのではなく、前記ヘッド本体7Aと共に一体形成されていても良い。
また、フェース部7aは、正面から見た状態でフェース面(打球される部分となる打球面)7Bを有している。このフェース面7Bは、上下を規定するトップエッジ7TE、リーディングエッジ7RE、及びサイドエッジ7SEによって囲まれた領域となっている。なお、フェース面7Bには、別途、スコアライン(図示せず)を形成しておいても良い。
さらに、フェース部7aには、例えば、上下方向(クラウン・ソール方向)に沿って湾曲するロールが形成されると共に、左右方向(トウ・ヒール方向)に沿って湾曲するバルジが形成されており、両方の湾曲部の頂部領域に、上述したペンデュラムテストの手順に従って特定されるフェース部(フェース面)の中央位置Cが存在している。
ここで、フェース部7aの高さHは、水平面Pから中央位置Cを通る垂線が前記トップエッジ7TEと交差する部分によって規定される(本発明におけるクラブヘッドは、このように規定される高さHが48mm以上のものとされている)。また、フェース面7Bの幅については、中央位置Cを通る水平線が前記サイドエッジ7SEと交差する部分によって規定される。本実施形態では、フェース面7Bは、中央位置Cに対してトウ・ヒール方向に、それぞれ25mm以上となる幅を備えている。
上記したように構成されるフェース部7aは、打球が成される位置に応じてCT値が変化するように構成されている。この場合、打球位置に応じてCT値を変化させるためには、フェース部(フェース部材)そのものの構成、例えば、構成材料や、位置(領域)による肉厚変化等によって実現することができ、それ以外にも、フェース部裏面の付加的な構造物、例えば、リブ、溝部、凹所、突起等を形成することによって実現することが可能である。もちろん、付加的な構造物については、例えば、リブや突起の高さ、肉厚、形成位置、形状を変化させたり、溝部や凹所の深さや幅、形成位置を変化させることでも、CT値を変化させることが可能である。
本発明では、上記したように構成されるフェース部7aは、そのCT値に関し、フェース部の中央位置のCT値(CTc値)を基準とした際に、中央位置から半径10mmの範囲のCT値が、中央位置におけるCT値の80%以上とした高反発領域となるようにし、かつ、中央位置から垂直方向にソール側またはクラウン側に16mm〜20mm離れた位置で、その位置からトウ側またはヒール側に少なくとも5mmの範囲内では、中央位置の60%以下の値までCT値が低下する低反発領域となるように形成されていれば良い。
具体的に、本実施形態では、後述するように、フェース部材8を肉厚変化させ、かつ、打球面7Bの裏面にリブを形成することで、上記した条件が満たされるように構成されている。すなわち、打球面におけるCT値が上記したような分布状況となるように、裏面にリブを形成すると共に、その平面部から屈曲部(クラウン部、サイド部、ソール部の前端部分を形成する屈曲部)に亘って肉厚を適宜変化させている。
以下、フェース部7aのCT値の分布状況、及びそのような分布状況を得るためのフェース部の構成例について具体的に説明する。
本実施形態のフェース部7aは、そのCT値を測定した際、その分布が図6の状態となるように形成されている。この図は、中央位置Cにおいて測定したCTc値を基準とし(実際のCTc値は、254×10-6秒であり、この値を100%としている)、クラウン・ソール方向、及び、トウ・ヒール方向を、それぞれ5mm単位で示すと共に、所定の比率毎、等高線として、CT分布状況を示したものである。なお、この図における横軸の数値は、中央位置をCとしたトウ・ヒール方向の距離、縦軸は、中央位置をCとしたクラウン・ソール方向の距離を示しており、各プラス表示は、それぞれトウ方向、及びクラウン方向を示している。
図6に示す分布状態において、等高線は5%毎に表示しており、エリアAは、CTc値に対して95%以上のCT値を有する領域、エリアBは、CTc値に対して90%以上のCT値を有する領域、エリアCは、CTc値に対して85%以上のCT値を有する領域、エリアDは、CTc値に対して80%以上のCT値を有する領域、エリアEは、CTc値に対して70%以上のCT値を有する領域、エリアFは、CTc値に対して65%以上のCT値を有する領域、エリアGは、CTc値に対して60%以上のCT値を有する領域、エリアHは、CTc値に対して55%以上のCT値を有する領域、エリアIは、CTc値に対して50%以上のCT値を有する領域、エリアJは、CTc値に対して45%以上のCT値を有する領域、エリアKは、CTc値に対して40%以上のCT値を有する領域、そして、エリアLは、CTc値に対して35%以上のCT値を有する領域を示している。
また、図6において、フェース部の中央位置Cに対して半径10mmの位置は、サークルCCで示しており、本実施形態のクラブヘッドのスイートスポットは、SSで示す位置に存在している。
図6の等高線分布に示すように、本実施形態のクラブヘッドは、フェース部の中央位置から半径10mmの範囲のCT値が、中央位置におけるCTc値に対して80%以上とした高反発領域に含まれるようになっている(上記したサークルCCが含んでいるエリアA,B,C,Dは、いずれも80%以上のCT値を有している)。
なお、この領域内(中央位置から半径10mmの範囲内)では、100%以上のCT値となる領域(位置)を含んでいても良く、また、図に示すエリアAからエリアCの領域においても、部分的に100%以上のCT値となる領域(位置)を含んでいても良い。
また、フェース部は、中央位置Cから垂直方向にソール側またはクラウン側に16mm〜20mm離れた位置で、その位置からトウ側またはヒール側に少なくとも5mmの範囲内で、中央位置Cの60%以下の値までCT値が低下した低反発領域を有している。この領域では、CT値は、60〜30%の範囲としているが、好ましくは、60〜40%の範囲とされる。
本実施形態では、このような低反発領域は、図6の等高線で示すように、エリアG〜Jが対応しており、中央位置Cからソール側に上記した範囲で離れた位置は、CT値が急低下するように構成されている。
この場合、上記のようにソール側に形成した低反発領域については、前記中央位置Cから半径20mm以上離れた位置で、かつ、中央位置Cからヒール側またはトウ側(本実施形態では両方となっている)に離れた位置にも形成しておくことが望ましい。本実施形態では、このような低反発領域は、図6の等高線で示すように、エリアG〜Lが対応しており、低反発領域は、ソール側において、トウ・ヒール方向に沿って、上記した5mmよりも、更に広い範囲で形成されると共に、トウ側及びヒール側に移行するに従って、次第に上昇するように形成されている。
また、上記したフェース部の中央領域に形成される高反発領域については、以下のように構成しておくことが望ましい。
上記したように、CT値が80%以上となる領域は、フェース部の中央位置Cから半径10mmの範囲に設定されていたが、更に、この周囲にも、比較的高反発の領域(CT値が70%以上ある第2高反発領域と称する)を形成しておく。具体的に、中央位置Cから垂直方向にソール側またはクラウン側(本実施形態では、クラウン側としてある)に11mm〜15mm離れた位置で、その位置からトウ側またはヒール側(本実施形態では、トウ側及びヒール側としてある)に、少なくとも5mmの範囲内に、第2高反発領域が形成されている。
この場合、第2高反発領域は、CT値が70%以上となっていれば良いが、本実施形態では、図6の分布に示すように、前記高反発領域と同様(エリアA,Bで示す)、90%以上となっており、そのような第2高反発領域は、トウ・ヒール方向に沿って広く形成しておく(トウ側及びヒール側に少なくとも11mm〜25mmの範囲)ことが好ましい。
また、上記したCT値が80%以上となる高反発領域を、フェース部のトウ側またはヒール側(本実施形態では、トウ側及びヒール側としてある)に、少なくとも11mm〜25mmの範囲内で形成しておいても良い。すなわち、高反発領域については、中央位置Cに対して、クラウン側及びソール側に10mmの範囲内で、かつトウ・ヒール方向に沿ってワイドに形成しておくことが望ましい。
さらに、上記したCT値が85%以上となる高反発領域(エリアA,B,C)については、中央位置Cに対してトウ・ヒール方向に±20mmの範囲、かつクラウン・ソール方向に5mmの範囲内で平行状に形成しておくことが望ましく、±20mmを超えた位置から、次第にクラウン・ソール方向の幅が縮小する形状に形成しておくことが望ましい。なお、このような平行状に形成される高反発領域は、CT値95%以上のエリアのみ(エリアAのみ)、CT値90%以上のエリアのみ(エリアA,Bのみ)、或いは、CT値80%以上のエリアのみ(エリアA〜Dのみ)に形成しておいても良い。すなわち、少なくともCT値が80%以上のエリアに形成しておくことが望ましい。
図1から図5に示したフェース部は、上記したようなCT値分布が効率的に得られるような構造を備えている。以下に、その構造について具体的に説明する。
本実施形態では、上述したように、フェース部の中央位置Cから、16mm以上ソール側に離れた領域に、低反発領域が分布されるようになっている。
CT値を低くするための手段としては、例えば、フェース部周囲の支持領域、すなわちクラウン部、サイド部、ソール部との間の接続部の肉厚を厚くすることによって達成したり、フェース部自体に肉厚変化を持たせる(肉厚の部分で囲まれた領域はCT値が低くなる)ことで達成したり、リブを形成すること(リブの周囲はCT値が低くなる)等で達成することが可能である。
図4及び図5に示すように、フェース部材8は、周囲が折り曲げられてカップ型に形成されており、その折り曲げ端部が、クラウン部、サイド部、及びソール部の端面に対して止着される。各折り曲げ部は、クラウン側の中央領域(中央位置Cに対して、トウ・ヒール側に±30mmの範囲W)に形成される中央折り曲げ部8a、及び中央折り曲げ部から連続するトウ・ヒール側折り曲げ部8bを備えており、これらは、バック側から見て稜線8Aが視認できるように折り曲げられている。
また、折り曲げ部は、サイド側折り曲げ部8cを備えており、バック側から見て稜線8Bが視認できるように折り曲げられている。さらに、折り曲げ部は、ソール側折り曲げ部8dを備えている。折り曲げ部8dについては、バック側から見て稜線が視認できないように折り曲げられている。
前記各折り曲げ部8a〜8dは、フェース部の中央領域が撓み易いように(CT値が高くなるように)構成されており、フェース部材8の平面部(打球面7B)よりも薄肉厚に構成されている。具体的には、トウ・ヒール側折り曲げ部8b及びサイド側折り曲げ部8cは、2.0mmの肉厚とし、更に、トウ・ヒール方向の中央領域では、それよりも薄くなるように、中央折り曲げ部8aは、1.8mmの肉厚、そして、ソール側折り曲げ部8dは、1.0mmの肉厚とされている。
これにより、クラウン・ソール方向は、中央位置Cに対してトウ・ヒール方向の所定の範囲が比較的撓み易い構造とすることが可能である。
また、フェース部7aには、中央位置Cからソール側で16mm以上離れた領域が撓み難い(CT値が低くなる)ようにリブ20が形成されている。このリブ20は、フェース部7aの内面からヘッド中心側に向けて突出する部材であり、フェース部の打球面の特定の領域(下側領域とされる)の剛性、強度を向上させて、CT値を低下させる機能を有する。なお、リブ20は、内面に対する突出量(リブ高さ)が大きくなりすぎると、重量増加が大きくなり過ぎて設計自由度が少なくなり、突出量が小さくなりすぎると、剛性、強度を十分向上させることができなくなるため、その内面に対する突出量(リブの高さ)は、1.0mm〜6.0mmの範囲に設定しておくことが好ましい。また、その幅(肉厚)についても、同様の理由から1.0mm〜10.0mmの範囲に設定しておくことが好ましい。
前記リブ20は、ソール側の中央領域からフェース部の中央位置Cに向けてアーチ状に形成されており、リブ20によってフェース部のソール側の中央領域が囲まれている。すなわち、リブ20は、フェース部の内面かつソール側の下方部位において、トウ・ヒール方向の中央部20Aが内部空間に向けて突出すると共に、その突出した両端部がソール部まで延びる一対の脚部20Bとなり、全体としてアーチ状に形成されている。
前記リブ20の高さ(ソール部からクラウン側へ延びる高さ)は、上述したトップエッジ7TE及びリーディングエッジ7LE間の長さの25〜60%、好ましくは30〜50%とされる。また、リブ20を構成する一対の脚部20Bは、図5に示すように、両者はクラウン側に上昇するに伴って互いに接近するようになっており、その幅については、上下方向の位置で変化するものの、フェース面の幅(中央位置を通る水平線がサイドエッジ7SEと交差する部分で定義される)の15〜50%とされる。
また、リブ20の一対の脚部20Bは、図5に示すように傾斜しており、その傾斜角度(上下方向の垂直線を基準とする)が0〜70°、好ましくは15〜60°に設定されている。この場合、各脚部20Bが湾曲しているのであれば、その中間部分における接線が、上記した角度範囲内にあれば良い。
また、リブ20は、上述したように、ソール部7cに形成されたリブ17と一体的に連続しており、これにより、フェース部7aの裏面の下方領域をバック側から支持して、フェース部7aの裏面の下方領域の撓みを効果的に抑制(CT値を60%以下にする)にしている。
図5において、リブ20によって囲まれたソール側の中央領域を符号21で示しており、このリブで囲まれた領域21は、その肉厚が、以下に詳述する上方に位置したアーチ状エリア22の肉厚より薄く、2.0〜2.8mmとなるように形成されている。
上記したフェース部は、アーチ状のリブ20に沿って、トウ側及びヒール側に延びる複数のアーチ状エリアを備えている。そして、これら各エリア(第1エリア22、第2エリア23、第3エリア24)は、中央面部22A,23A,24Aと、トウ側及びヒール側において下方側に傾斜する傾斜面部22B,23B,24Bとを備えており、この中央面部と傾斜面部がリブ20に沿うようにアーチ状に形成されている。
前記リブ20の上方の肉厚は、上記した3つのエリアによって、次第に変化(3段階で変化)するように形成されている。この場合、肉厚が変化する部分については、傾斜面22a,23a,24aによって連続されており、前記中央位置Cは、第1エリア22内の中央面部22Aに存在している。また、これら複数のアーチ状のエリア(第1エリア22、第2エリア23、第3エリア24)は、サイド側に向けて順に肉厚が薄くなるように形成されている。
具体的には、各エリア22,23,24は、クラウン側に向けて、次第に薄肉厚化するようになっており、中央位置Cに対してクラウン側が比較的撓み易く(CT値が高い)なるように、第1エリア22の肉厚は2.8〜4.0mm、第2エリア23の肉厚は2.0〜2.8mm、第3エリア24の肉厚は2.0〜2.8mmに形成されている(第2エリアと第3エリアは、同一の肉厚でも良いが、第3エリアの方が薄肉厚化されていることが望ましい)。
なお、肉厚の変化については、図に示すように段階的に成されていても良いし、順次、連続的に変化する構成(テーパ状に変化する構成)であっても良い。
また、上記した各エリアの大きさは、エリア22の中央面部22Aの上下幅が5〜20mm、左右幅が15〜30mm、傾斜面部22Bの左右幅が2〜10mmに設定され、エリア23の中央面部23Aの上下幅が10〜20mm、左右幅が15〜30mm、傾斜面部23Bの左右幅が2〜10mmに設定され、エリア24の中央面部24Aの上下幅が5〜20mm、左右幅が30〜50mm、傾斜面部24Bの左右幅が5〜20mmに設定されている。
さらに、傾斜面22a,23a,24aについては、その傾斜角度(上下方向の垂直線を基準とする)が0〜70°、好ましくは15〜60°に設定されている。
上記したリブ20、及びリブ20を中心として同心状に形成されるアーチ状のエリア21,22,23,24の構成により、トウ・ヒール方向では、比較的長い範囲で高反発エリアを形成することが容易になると共に、クラウン・ソール方向では、中央位置Cよりも上方側を高反発エリアにすることが容易になる。
なお、クラウン部やサイド部に近付けば、次第に比剛性が高くなるため、周辺領域では低反発領域となる。また、上記したエリア22,23,24については、2〜5個形成するのが良いが、6〜10個程度、他段階に形成しても良い。
前記第3エリア24の外方側は、ヒール側エリア27、及びトウ側エリア28となっており、肉厚は、第3エリア24よりも薄く、1.7〜2.8mmに形成されている。この場合、トウ側エリア28よりもヒール側エリア27を薄くして、高反発領域を拡大することが好ましい。
上記したように、アーチ状のリブ20を中心として、同心的に外方に向けて次第に薄肉厚化する領域(第1エリア22、第2エリア23、第3エリア24)を設けておくことにより、上記した図6に示すようなCT値分布を有するフェース部を効率良く形成することが可能となる。
この場合、上記した各折り曲げ部8a〜8dの肉厚、リブ20の構成(リブの肉厚、及びその高さ、アーチ部分の大きさ等)、各エリア21〜23の肉厚、フェース部材の材質等によって、CT値分布を調整することが可能である。
また、上記したようなリブ20を設けることなく、フェース部の肉厚、凹部、溝等の組み合わせによっても、CT値分布は適宜変形することが可能である。
上記した実施形態では、リブ20をソール側から形成することで、中央位置Cの領域から比較的クラウン側を高反発状態となるように構成したが、逆にクラウン側から同様なリブを形成しても良い。このように構成することで、フェース部のクラウン側を低反発領域にして、中央位置Cの領域から比較的ソール側を高反発状態にすることが可能である。もちろん、上記したリブは、クラウン側及びソール側の両方に形成しても良い。
また、上記したCT値分布のように、高反発エリアを、トウ・ヒール方向に沿って効果的に長く形成するには、その方向におけるフェース部の曲げ剛性を、以下のように構成することで容易に実現することが可能である。
図7に示すように、中央位置Cを中心としてトウ・ヒール方向(図では、トウ方向のみを示す)に沿って所定間隔(5mm間隔としている)で、クラウン・ソール方向に平行に分割される領域を考慮する。図において、そのような領域は、a,b,c,d…で示されている。
ここで、上記した各領域a〜d…について、それをフェース部からテストピースとして切り取り、クラウン側及びソール側を支持して曲げ剛性を測定した際、各領域の関係は、a>b>c>d…のように、トウ側の方が低くなるようにフェース部が設計されていれば良い。ただし、トウ側の端部では、曲げ剛性は高くなるが、このような位置は打球をする上で関係ないため、少なくともトウ側25mmの範囲内で上記の関係が満足されていれば良い。
このように、トウ側に移行するに連れて曲げ剛性が低くなるように構成することで、トウ・ヒール方向に沿って、比較的ワイドに、高反発エリアを形成することが可能となる。また、トウ側に移行して端部領域に近付くと、曲げ剛性が次第に高くなることから、高反発エリアがワイドに形成できないようなケースも有り得る。このようなケースでは、比較的端部側(図7において、符号30で示すような領域)に溝などを形成して、曲げ剛性を低くするようにしても良い。
また、図8に示すように、ソール部7cの後方寄りに、適宜、ウエイト部材15A,15B,15Cを設置しておくことで、上述したようなトウ・ヒール方向に、高反発エリアがワイドに形成されたゴルフクラブについて、打球の方向性を良くして、安定化が図れるようになる。
具体的には、トウ・ヒール側に設置されるウエイト部材15A,15Cについては、上記したフェース部に対して垂直で中央位置Cを通る基準線X1から、トウ・ヒール側に、25mmよりも外方となる位置(各ウエイト部材の中心位置が前記25mmの範囲よりも外側位置)に設置し、トウ・ヒール方向について、高反発領域よりも広くなるようにウエイト配分をしておく。
これにより、重心周りの慣性モーメントが高くなって、打球時にトウ・ヒール側に大きく外れて打球しても、ヘッド自体は回転し難くなり、また、上記したバルジによってギヤ効果によるボールの落下地点の左右ブレを抑制することが可能となる。すなわち、打球時にトウ・ヒール側に大きく外れて打球しても、ボールの速度を高くしつつ、ギヤ効果の抑制によるフェアウェイのセンターキープ率の向上、及び方向性の安定化が図れるようになる。
なお、上記したウエイト部材は、ソール部に設けているが、バック部の内壁に、中空部に突出するように設けても良いし、個別に複数箇所に配置したり、或いは、点在させることなく、板状に長く連続状に配置しても良い。
以上のようなフェース部を具備したクラブヘッドを装着したゴルフクラブの作用効果について説明する。
上記したように、クラブヘッドの中央エリア(図6において、サークルCCで示す中央位置から半径10mmの範囲)は、本来、打球時にボールが当たる確率が最も高い部分であり、かつゴルファーは、その位置に狙いを定めて打球する。この領域は、上記したように、CT値が80%以上の高反発領域に設定されていることから、打球速度が速くなり、ゴルファーは良好なショットであることが認知できるようになる。また、その範囲内で多少、打点がばらついても、平均飛距離の向上、及び安定化が図れるようになる。
一方、中央位置Cから垂直方向のソール側に離れた位置(16mm〜20mm離れた位置で、その位置からトウ側またはヒール側に少なくとも5mmの範囲内)に、中央位置Cの60%以下の値までCT値が低下した低反発領域を設けているため、そのような外れた位置でミスショットした際には、低反発状態で打球速度が遅くなり、ゴルファーは、ミスショットであることが直ちに認知できるようになる。すなわち、中央位置Cから上記したように外れている部分で打球した際のミスショットの感知性の向上が図れ、ゴルファーの技能のレベルアップに寄与することができる。
特に、本実施形態では、低反発領域は、16mm〜20mm離れた位置で、その位置からトウ側またはヒール側に少なくとも5mmの範囲に限らず、さらに、トウ側及びヒール側に延びており、かつソール側からクラウン側に向けて上昇するように形成しているため、ミスショットの感知性の範囲が広くなり、よりゴルファーの技能のレベルアップに寄与することができる。
なお、CT値が60%以下になっている領域では、打球速度は、高反発領域と比較して15%以上低下するため、この打球速度であれば、ゴルファーは、ミスショットしたことを感覚的に把握し易くなり、かつ飛距離も伸びないことから、ミスショットを容易に把握し易くなる。
また、本実施形態では、中央位置Cよりもクラウン側に11〜15mm離れた位置で、中央位置からトウ側及びヒール側に少なくとも5mmの範囲内に第2高反発領域を設けている。通常、フェース部の高さが48mm以上のゴルフクラブでは、比較的フェース部の中央位置よりも上側で打球することが多いため、この領域を高反発状態(CT値70%以上)としておくことで、飛距離が低下することが防止され、安定した飛距離を得ることが可能となる。
また、通常のゴルファーが打球する際には、打点が中央位置Cに対して、トウ・ヒール側にずれることが多いため、この方向に沿って高反発領域をワイドに(中央位置Cからトウまたはヒール方向に11〜25mmの範囲)形成しておくことで、飛距離の低下を抑制することが可能となり、かつ、フェース部に形成されるバルジ、及び上記したウエイト部材の配置により、方向性の安定化も図れるようになる。
さらに、CT値が85%以上となる高反発領域については、中央位置Cに対してトウ・ヒール方向で±20mmの範囲で、クラウン・ソール方向で5mmの範囲内に平行状に形成し、±20mmを超えた位置から、次第にクラウン・ソール方向の幅が縮小する形状に形成することで、打球がトウ・ヒール方向にばらついても、精度良く、高反発領域で打球することが可能となる。また、上下方向の打球のバラツキが大きくなった場合、ミスショットの程度を感知し易くなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
本発明は、フェース部の中央領域(中央位置から半径10mmの範囲)を高反発状態とし、中央位置Cから大きく外れた領域を低反発領域にすることで、飛距離の向上及び安定化を図り、かつ、ミスショットの感知性を向上することに特徴がある。
実際に、CT値分布を、高反発状態にしたり低反発状態にするための具体的な手段については、図5及び図6に示す構成以外にも、適宜変形することが可能であり、フェース部の肉厚変化、リブの構成、溝部や凹凸の形成等によって実現することが可能である。
例えば、図9に示すように、フェース部の裏面に、上記した実施形態と同様な、アーチ状のリブ20を形成しておき、この領域のCT値を抑制すると共に、リブ20によって囲まれたソール側の中央領域31のリブ20の上方側に、次第に肉厚が変化する領域を形成しておく。この肉厚変化領域は、上記した実施形態のようなアーチ状ではなく、矩形状の第1エリア32、第2エリア33、第3エリア34によって段階的に変化させているが、これを連続的に変化させても良い。
そして、各エリア32,33,34は、クラウン側に向けて、次第に薄肉厚化するようになっている。また、その両サイドに、サイドエリア36,37,38を順次形成しておき、かつ各エリアの肉厚を、前記第2エリア33よりも薄く、トウ側(ヒール側)に移行するに従って、薄肉厚となるように形成しておく。
このような構成においても、中央位置Cに対して、トウ・ヒール方向では、比較的長い範囲で高反発エリアを形成することが容易になると共に、クラウン・ソール方向では、中央位置Cよりも上方側を高反発エリアにすることが容易になる。また、ソール側に離れた位置を低反発領域にすることが容易になる。
本発明に係るゴルフクラブの一実施の形態を示す図であり、ゴルフクラブのヘッド部分の正面図。 ヘッド部分の平面図。 ヘッド部分の側面図。 図1のA−A線に沿った断面図。 図2のB−B線に沿った断面図。 フェース部におけるCT値毎の等高線分布を示す図。 図2のB−B線に沿った断面図であり、トウ・ヒール側の曲げ剛性分布を説明する図。 ヘッド部分の裏面図。 クラブヘッドの変形例を示す図。
符号の説明
1 ゴルフクラブ
5 シャフト
7 ヘッド
7A ヘッド本体
7a フェース部
7b クラウン部
8 フェース部材
20 リブ
C 中央位置
G 重心

Claims (5)

  1. ゴルフボールの打球面を前面に形成したフェース部を具備し、フェース部の高さが48mm以上である中空構造の金属製のクラブヘッドを有するゴルフクラブであって、
    前記フェース部は、フェース部の中央位置のCT値を基準とし、前記中央位置から半径10mmの範囲のCT値を、中央位置におけるCT値の80%以上とした高反発領域を有すると共に、
    前記中央位置から垂直方向にソール側またはクラウン側に16mm〜20mm離れた位置で、その位置からトウ側またはヒール側に少なくとも5mmの範囲内に、前記中央位置の60%以下の値までCT値が低下した低反発領域を有することを特徴とするゴルフクラブ。
  2. 前記フェース部は、前記中央位置から垂直方向にソール側またはクラウン側に11mm〜15mm離れた位置で、その位置からトウ側またはヒール側に少なくとも5mmの範囲内に、CT値が前記中央位置の70%以上とした第2高反発領域を有することを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ。
  3. 前記低反発領域は、更に、前記フェース部の中央位置から半径20mm以上離れたヒール側またはトウ側に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブ。
  4. 前記高反発領域は、更に、フェース部のトウ側またはヒール側に、少なくとも11mm〜25mm形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
  5. 少なくともCT値が前記中央位置の85%以上となる領域を、前記中央位置に対してトウ・ヒール方向で±20mmの範囲で、かつクラウン・ソール方向で5mmの範囲内にあるように平行状に形成し、前記±20mmを超えた位置から、次第にクラウン・ソール方向の幅が縮小するように形成したことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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