JP2010088200A - 電動モータの制御装置 - Google Patents

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稔 冨田
Kensuke Nagamura
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Abstract

【課題】 予め実験などにより速度変動を求める工数やコストを削減することができ、速度変動を充分に打ち消すことができる電動モータの制御装置を提供すること。
【解決手段】 回転速度偏差を小さくするモータの第1指令電流を設定する第1指令電流設定部13と、負荷変動周波数に基づいてモータの第2指令電流を設定する第2指令電流設定部15と、第1指令電流と第2指令電流からモータの第3指令電流を設定する第3指令電流計算部16と、少なくとも第3指令電流と実回転速度からモータの駆動指令を生成するインバータスイッチングパターン生成部17を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動モータの制御装置の技術分野に属する。
従来では、モータの速度変動への対策として、モータ回転子の1回転に対応する回転区間を予め決定された複数の回転区間に区分し、各回転区間内で目標速度と前回のモータ速度とを比較して速度補償値を決定し、その値を用いて目標速度と現在のモータ速度との速度誤差を補償している(例えば、特許文献1参照)。
特許第4057572号公報(第1−9頁、全図)
しかしながら、従来にあっては、区分決定のための実験等が必要で、工数やコストのかかるものであった。また、速度変動を打ち消すことが充分ではなかった。
この点について詳細に説明する。
例えば、同期モータによって駆動させる電動コンプレッサにおいて、特にその圧縮方式がベーンロータリー型の場合が顕著で、以下この場合を用いて説明する。
ベーンロータリー方式の特性上、圧縮部のベーンが機械的に1回転するとき、圧縮工程でベーン数に比例した周期的な負荷変動が発生してしまう。このコンプレッサ側の負荷変動により、駆動モータ側の速度変動が増加する。そして、そのモータの速度変動が騒音や振動などの問題を引き起こすことになる。
従来では、モータ回転子の1回転に対応する回転区間を予め決定された複数の回転区間に区分し、各回転区間内で目標速度と前回のモータ速度とを比較して速度補償値を決定し、その値を用いて目標速度と現在のモータ速度との速度誤差を補償している。
しかしながら、予め実験などによりモータの速度変動を求め、その結果からいくつかの区分を決定する必要があり、工数やコストが多くかかっていた。また、各区分内での速度変動の平均を、次回の区分で補償するので、速度変動を打ち消すことが充分でなかった。
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、予め実験などにより速度変動を求める工数やコストを削減することができ、速度変動を充分に打ち消すことができる電動モータの制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、負荷を駆動するために前記負荷に接続されるモータを制御する電動モータの制御装置において、前記モータの目標回転速度を設定する目標回転速度設定手段と、前記モータの実回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記目標回転速度と実回転速度の回転速度偏差を演算する回転速度偏差計算手段と、前記回転速度偏差を小さくするモータの第1指令電流を設定する第1指令電流設定手段と、前記負荷の機械的な変動要因から設定した負荷変動周波数に基づいてモータの第2指令電流を設定する第2指令電流設定手段と、前記第1指令電流と前記第2指令電流からモータの第3指令電流を設定する第3指令電流設定手段と、少なくとも前記第3指令電流と前記実回転速度から前記モータの駆動指令を生成する駆動指令制御手段と、を備えたことを特徴とする。
よって、本発明にあっては、予め実験などにより速度変動を求める工数やコストを削減することができ、速度変動を充分に打ち消すことができる。
以下、本発明の電動モータの制御装置を実現する実施の形態を、請求項1、2、3、4に係る発明に対応する実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の電動モータの制御装置のブロック構成を示す図である。
実施例1の電動モータの制御装置は、例えば、車両の空調装置における電動コンプレッサの制御装置を例とする。
実施例1の電動モータ制御装置1は、3相同期電動モータのコントローラの一部として設けられる。そのため、コントローラの他の部分により、3相同期電動モータの目標速度が設定され、電動モータ制御装置1に入力されるものとする。そして、電動モータ制御装置1は、インバータ2aと3相同期電動モータであるモータ201からなる同期モータインバータ2へ制御信号を出力する。
電動モータ制御装置1は、目標回転速度設定部11、回転速度偏差計算部12、第1指令電流設定部13、負荷変動周波数設定部14、第2指令電流設定部15、第3指令電流計算部16、インバータスイッチングパターン生成部17、回転速度検出部18を備えている。
目標回転速度設定部11は、制御目標としての目標回転速度を演算する。例えば、車両のエアコンであれば、エバポレータ通過後の空気温度が所望の値となるように、実際の空気温度と目標空気温度を比較して、PI制御により目標回転速度を設定する。
回転速度偏差計算部12は、目標回転速度設定部11からの目標回転速度から、回転速度検出部18からの実モータ回転速度を減じる演算を行って、回転速度の偏差を算出し、第1指令電流設定部13及び第2指令電流設定部15へ出力する。
第1指令電流設定部13は、回転速度の偏差がゼロに近づくように、例えばPI制御によって演算を行って、第1指令電流を設定し、第3指令電流計算部16へ出力する。
負荷変動周波数設定部14は、回転速度検出部18からの実モータ回転速度と、例えばコンプレッサのベーン数である変動次数から次の数式1により、負荷変動周波数ωを算出する。
(数式1)
負荷変動周波数ω=実モータ回転速度×変動次数
この負荷変動周波数ωは、ピークフィルタ内部で用いるためのもので、第2指令電流設定部15へ出力する。負荷変動周波数設定部14の詳細は、後述する。
第2指令電流設定部15は、負荷変動周波数設定部14からの負荷変動周波数ωにより特性を決定したピークフィルタに、回転速度偏差計算部12からの回転速度の偏差を通過させることにより、第2指令電流を生成する。生成した第2指令電流は、第3指令電流計算部16へ出力する。
第3指令電流計算部16は、次の数式2に示す演算を行い、第3指令電流を算出する。
(数式2)
第3指令電流=第1指令電流−第2指令電流
算出した第3指令電流は、インバータスイッチングパターン生成部17へ出力する。
インバータスイッチングパターン生成部17は、第3指令電流計算部16からの第3指令電流、回転速度検出部18からの実モータ回転速度、同期モータインバータ2からのモータ3相電流から、インバータ2aのスイッチングパターンを生成する。生成したスイッチングパターンは、同期モータインバータ2へ出力する。
インバータスイッチングパターン生成部17の詳細は後述する。
回転速度検出部18は、同期モータインバータ2のモータの回転速度(実モータ回転速度)を検出する。検出した回転速度は、回転速度偏差計算部12、負荷変動周波数設定部14、インバータスイッチングパターン生成部17へ出力する。
図2は第2指令電流設定部15の制御ブロック構成を示す図である。
第2指令電流設定部15は、ピークフィルタ151を備え、回転速度偏差をピークフィルタ151に通過させることにより、第2指令電流を生成する。
このピークフィルタの伝達関数は、図2に示すように、以下の数式3のようになる。
(数式3)
ピークフィルタ(s)=kω/(s2+ω
なお、この数式3において、ωはピーク周波数(rad/s)で、負荷変動周波数として決定される。sはラプラス演算子である。kはゲインである。
図3は第2指令電流設定部15のピークフィルタ151の周波数特性を示す図である。
ピークフィルタ151の周波数特性は、図3のようになり、ピーク周波数のときにゲインのピークを迎え(図3(a)参照)、位相が反転する特性を持っている(図3(b)参照)。
なお、変動次数は、モータに接続される負荷の機械的な負荷特性要因から決定する値である。そして、特に回転速度に影響を与えるようなものである。例えば、実施例1では、ベーン数である。もし負荷の回転子が、回転中心から外周方向の2方向へ対象な形状ならば変動次数は2となり、もし回転中心から外周方向の3方向へ対象な形状ならば変動次数は3となる。
第2指令電流設定部15では、負荷変動周波数をピーク周波数に設定する。
図4はインバータスイッチングパターン生成部の制御ブロック構成を示す図である。
インバータスイッチングパターン生成部17は、D軸電流指令設定部171、積分器172、DQ変換器173、D軸電圧指令値演算部174、Q軸電圧指令値演算部175、3相変換器176、インバータ制御信号演算部177を備えている。
D軸電流指令設定部171は、D軸電流の指令値を設定し、D軸電圧指令値演算部174へ出力する。D軸電流指令としては、例えば指令値Id=0を常に保つ制御を行う。
積分器172は、実モータ回転速度を積分してモータ回転角度を算出し、DQ変換器173、3相変換器176へ出力する。
DQ変換器173は、検出した3相電流Iu,Iv,Iw、積分器172からのモータ回転角度から次の式を用いて、Q軸電流Iq、D軸電流をIdを求める。この電流値Iq,Idは、検出電流を変換したものであるため実値である。
Figure 2010088200
Figure 2010088200
なお、この2つの式は、パーク変換とクラーク変換である。
D軸電圧指令値演算部174は、D軸電流指令値Idと検出したD軸電流値Idを比較して、例えばPI制御からD軸電圧指令値Vdを演算する。算出したD軸電圧指令値Vdは、3相変換器176へ出力する。
Q軸電圧指令値演算部175は、第3指令電流計算部16と検出したQ軸電流値Iqを比較して、例えばPI制御からQ軸電圧指令値Vqを演算する。算出したQ軸電圧指令値Vqは、3相変換器176へ出力する。
3相変換器176は、以下のような計算を行って、3相指令電圧(Vu,Vv,Vw)を計算する。なお、Vα,Vβは中間変数であり、2相電圧指令値である。また、θは電気角(機械角×極対数)で表した回転角度である。
Figure 2010088200
Figure 2010088200
図5は実施例1におけるインバータ制御信号演算部の信号演算の説明図である。
インバータ制御信号演算部177は、図5(a)に示すように、3相指令電圧(Vu,Vv,Vw)と3角波を比較して、インバータへの制御スイッチングパターン(スイッチング信号)を生成し、出力する。
図5(b)には、図5(a)から求められた特定の1相のアッパーアーム側のスイッチング信号のみを示す。他の相でも、同じように求めることができる。また、ロアアーム側のスイッチング信号はアッパーアーム側の反転信号となる。
図6に示すのは、同期モータインバータ2の概要説明図である。
同期モータインバータ2は、3相交流同期モータ201と、インバータ2aである電源202、トランジスタ203〜208、電流検出抵抗209、210を備えている。
3相交流同期モータ201のロータの構造は埋め込み磁石型であるとする。
電源202は、3相交流同期モータ201へ駆動電源を供給する。
トランジスタ203〜208は、それぞれ3相交流同期モータ201の3相(U相、V相、W相)のコイルへの出力を行う。3相のアッパーアーム側には、それぞれ、トランジスタ203〜205のエミッタを3相コイルのそれぞれへ接続し、コレクタを電源供給側に接続する。そして、ベースへの入力は、インバータ制御信号演算部177からのゲート制御信号が入力される接続にする。
次に、3相のロワアーム側には、それぞれ、トランジスタ206〜208のコレクタを3相コイルのそれぞれへ接続し、エミッタを電源への帰還側へ接続する。そして、ベースへの入力は、インバータ制御信号演算部177からのゲート制御信号が入力される接続にする。なお、ロワアーム側は、それぞれのアッパーアーム側のゲート制御信号の反転した波形が入力されることになる。
さらに、3相のうち、2相のロワアーム側には、電流検出抵抗209、210を設けるようにする。残りの相の電流値は演算で求めるものとする(Iu=-(Iv+Iw))。なお、電流検出抵抗209、210の例としてシャント抵抗を挙げておく。
作用を説明する。
[モータ制御により速度変動を低減する作用]
実施例1の電動モータ制御装置1では、上位に設けられる制御により、情報が目標回転速度設定部11へ入力され、これに基づいて制御を行う。
例えば、車室内の空調制御では、電動コンプレッサの目標回転速度が目標回転速度設定部11で設定される。
図7は実施例1の電動モータ制御装置における各指令電流のタイムチャート図である。
目標回転速度設定部11で設定された目標回転速度に対して、まず、第1指令電流設定部13により、実モータ回転速度との偏差から第1指令電流が演算され出力される(図7の符号101参照)。
それと並行して、第2指令電流が設定される。第2指令電流の設定は、まず、負荷変動周波数設定部14において、検出した実モータ回転速度に例えば電動コンプレッサのベーン数を乗じることにより、ピークフィルタ151のゲインピークの周波数を設定する。そして、第2指令電流設定部15で、このピークフィルタ151に目標回転速度と実モータ回転速度との偏差を通過させ、第2指令電流が演算され出力される(図7の符号102参照)。この第2指令電流は、電動コンプレッサの負荷としての変動次数が考慮されることにより、負荷変動周波数の成分のみを有する指令電流となる。
次に、第3指令電流計算部16において、第1指令電流から第2指令電流を減算する演算により、第3指令電流が演算され、出力される(図7の符号103参照)。
ここで、説明を加える。
図7は横軸を時間、縦軸を電流値としている。第1指令電流は、PI制御により目標との偏差を小さくするよう算出される指令電流で、演算された電流値を有するものとなる。これに対して第2指令電流は、目標との偏差にゲインが乗じた値となるのは、負荷変動周波数のみであるので、電流値全体としては、0点を中心に振幅する波形となる。また、この第2指令電流は、実モータ回転速度に比例して波形が変化することになる。
言い換えると、第1指令電流は、PI制御用の電流値、第2指令電流は、負荷変動周波数の成分で演算したものとなる。
そして、第3指令電流計算部16では、第2指令電流がピークフィルタ151により生成される図3に示す周波数特性を踏まえて、第1指令電流から第2指令電流を減算し、第2指令電流の振幅を反転し、第1指令電流に合成させることにより、負荷変動を打ち消す第3指令電流を算出する。
この第3指令電流が第3指令電流計算部16からインバータスイッチングパターン生成部17へ出力される。
実施例1のインバータスイッチングパターン生成部17では、第3指令電流に従って、交流同期モータをベクトル制御方式によって制御する。
図8は実施例1の電動モータの制御装置のベクトル制御の説明図である。
このベクトル制御では、図8に示すように、交流電流を直流化し、1対の磁極のロータに対して、磁極方向のD軸と磁極と直交するQ軸を考え、制御上、D軸電流とQ軸電流として取り扱う。
そのため、D軸電流を増加すればトルクが増加し、Q軸電流を増加すれば回転速度が増加する。
インバータスイッチングパターン生成部17では、DQ変換器173により、モータ3相電流の実値を、D軸電流の実値IdとQ軸電流の実値Iqへ変換し、それぞれの演算を行う。
D軸電流については、D軸電圧指令値演算部174において、例えば指令値Id=0を常に保つ制御演算によりD軸電流指令値Idを算出する。
そして、Q軸電流については、第3電流値に検出された実値Iqを近づけるようPI制御によりQ軸電流指令値Iqを演算する。例えば、偏差にゲインを乗じるなどである。
そして、このようにして得られたD軸電圧の指令値Vd、Q軸電圧の指令値Vqを3相変換器176により3相指令電圧(Vu,Vv,Vw)にし、インバータ制御信号演算部177で同期モータインバータ2へインバータのスイッチングパターンを出力する制御を行う。
図9は実施例1の電動モータ制御装置におけるモータトルクと負荷変動のタイムチャート図である。
このように、インバータスイッチングパターン生成部17が入力された第3指令電流に従って、同期モータインバータ2のインバータを制御することにより、負荷変動が良好に打ち消されたトルク特性となる(図9参照)。
ここで説明を加える。
図9は横軸を時間、縦軸をトルク値としている。そして、負荷変動を打ち消すように駆動されるモータトルクを符号104として示す。また、負荷変動を符号105で示す。図9では、負荷変動を打ち消すモータトルクと負荷変動が一致している。つまり、コンプレッサの負荷が高くなる位相位置で、これが伝達されることにより同期モータインバータ2のモータ201の負荷が高くなる位相位置では、これに合わせて高いトルクをモータ201が出力し、負荷が低くなる位相位置では、これに合わせて低いトルクをモータ201が出力する。
これによって、コンプレッサから負荷特性が伝達されるモータは負荷変動を打ち消され、均一な回転特性で駆動される。
図10は実施例1の電動モータ制御装置における目標回転速度と実回転速度のタイムチャート図である。
図10は横軸を時間、縦軸を回転速度としている。そして、実モータ回転速度を符号106で示し、目標回転速度を符号107で示す。
負荷変動が打ち消されて、均一な回転特性となることにより、図10に示すように、目標回転速度に実モータ回転速度がよく一致し、且つ実モータ回転速度は変動を生じないものとなる。
これにより、モータ201の速度変動による騒音や振動の問題が解決される。
さらに、実施例1の電動モータの制御装置の作用を明確にするために説明を加える。
図11は、速度補償のみを行う場合の指令電流のタイムチャート図である。図12は速度補償のみを行う場合のモータトルクと負荷変動のタイムチャート図である。図13は速度補償のみを行う場合の目標回転速度と実回転速度のタイムチャート図である。
モータの目標回転速度に実モータ回転速度を近づけるように制御を行うには、目標回転速度と実モータ回転速度の偏差にゲインを乗じて補償を行うことが考えられる。
しかしながら、速度補償を行うのみでは、フィードバック制御の遅れ等により、ある程度、変動を反映した指令電流とはなるものの(図11の信号線301参照)、負荷変動に対して、モータ201の出力するトルクは位相がずれ、振幅も異なってしまう(図12参照)。なお、図12は、横軸を時間、縦軸をトルク値とし、負荷変動を信号線302で示し、モータトルクを信号線303で示す。
そのため、目標回転速度に対して、実モータ回転速度は良好に一致せず、速度変動が生じたものとなる(図13参照)。なお、図13は、横軸を時間、縦軸を回転速度とし、実回転速度を信号線304で示し、目標回転速度を信号線305で示す。
これに対して実施例1では、図10に示すように、速度変動を充分に抑制して良好に目標回転速度に一致させている。
さらに説明を加える。
実施例1において、負荷変動周波数は、実モータ回転速度と変動次数を乗じて求めている。そのため、負荷変動周波数は速度変化に対応したものとなる。よって、モータに接続される例えばコンプレッサの目標回転数が上位制御、例えば空調制御により、変化しても、常に同期モータインバータ2のモータ201の速度変動を抑制する。
効果を説明する。実施例1の電動モータの制御装置にあっては、以下に列挙する効果を有する。
(1)負荷(例えばコンプレッサ)を駆動するために負荷(例えばコンプレッサ)に接続される同期モータインバータ2のモータを制御する電動モータ制御装置1において、モータの目標回転速度を設定する目標回転速度設定部11と、モータの実回転速度を検出する回転速度検出部18と、目標回転速度と実回転速度の回転速度偏差を演算する回転速度偏差計算部12と、回転速度偏差を小さくするモータの第1指令電流を設定する第1指令電流設定部13と、負荷の機械的な変動要因から設定した負荷変動周波数に基づいてモータの第2指令電流を設定する第2指令電流設定部15と、第1指令電流と第2指令電流からモータの第3指令電流を設定する第3指令電流計算部16と、少なくとも第3指令電流と実回転速度からモータの駆動指令を生成するインバータスイッチングパターン生成部17を備えたため、予め実験などにより速度変動を求める工数やコストを削減することができ、速度変動を充分に打ち消すことができる。
(2)上記(1)において、第2指令電流設定部15は、負荷変動周波数をピーク周波数とするピークフィルタ151に、回転速度偏差を入力し、ピークフィルタ151の出力を第2指令電流としたため、負荷変動の周波数成分を有する指令電流を第2指令電流として生成し、負荷変動を打ち消す指令電流とすることにより、速度変動を充分に打ち消すことができる。
(3)上記(2)において、第2指令電流設定部15は、目標回転速度又は実回転速度に、負荷の機械的な変動要因から設定した変動次数を乗じて負荷変動周波数を演算したため、予め実験などにより速度変動を求めることがなく、且つ目標回転速度を変更しても常に速度変動を充分に抑制することができる。
(4)上記(1)〜(3)において、電動モータは、3相交流の同期モータインバータ2のモータであり、モータをスイッチングにより駆動するインバータと、3相交流同期モータに流れる3相電流を検出する電流検出抵抗209、210を備え、インバータスイッチングパターン生成部17は、第3指令電流と実回転速度、及び3相電流から、インバータのスイッチングパターンを駆動指令として生成するため、負荷変動を打ち消す第3指令電流から、インバータのスイッチングパターンを生成し、これにより3相のモータが負荷変動を打ち消すように駆動できる。
以上、本発明の電動モータの制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
たとえば、電動モータの制御装置は、電動コンプレッサを示したが、EVやHEVの車両の駆動用モータの制御装置であってもよい。
例えば、3相交流同期モータは、ハイブリッド車(HEV)の駆動用として用いるものであってもよいし、電気自動車(EV)の駆動用として用いるものであってもよい。
実施例では、同期モータインバータのインバータはトランジスタで構成したが、他のスイッチング素子を用いたものであってもよい。
また、例えば、負荷変動周波数ωは、実回転速度と変動次数を乗じて算出したが、目標回転速度に変動次数を乗じたものであってもよい。
また、例えば、変動次数は、コンプレッサのベーン数としたが、モータに接続される負荷のトルクリップル等の要因数から決めればよく、他の負荷の場合には、その負荷の機械的な負荷変動の要因に応じて決めればよい。
実施例1の電動モータの制御装置のブロック構成を示す図である。 第2指令電流設定部の制御ブロック構成を示す図である。 第2指令電流設定部のピークフィルタの周波数特性を示す図である。 インバータスイッチングパターン生成部の制御ブロック構成を示す図である。 実施例1におけるインバータ制御信号演算部の信号演算の説明図である。 同期モータインバータの概要説明図である。 実施例1の電動モータ制御装置における各指令電流のタイムチャート図である。 実施例1の電動モータの制御装置のベクトル制御の説明図である。 実施例1の電動モータ制御装置におけるモータトルクと負荷変動のタイムチャート図である。 実施例1の電動モータ制御装置における目標回転速度と実回転速度のタイムチャート図である。 速度補償のみを行う場合の指令電流のタイムチャート図である。 速度補償のみを行う場合のモータトルクと負荷変動のタイムチャート図である。 速度補償のみを行う場合の目標回転速度と実回転速度のタイムチャート図である。
符号の説明
1 電動モータ制御装置
2 同期モータインバータ
2a インバータ
201 モータ
202 電源
203〜208 トランジスタ
209,210 電流検出抵抗
11 目標回転速度設定部
12 回転速度偏差計算部
13 第1指令電流設定部
14 負荷変動周波数設定部
15 第2指令電流設定部
151 ピークフィルタ
16 第3指令電流計算部
17 インバータスイッチングパターン生成部
171 D軸電流指令設定部
172 積分器
173 DQ変換器
174 D軸電圧指令値演算部
175 Q軸電圧指令値演算部
176 3相変換器
177 インバータ制御信号演算部
18 回転速度検出部
101 (第1指令電流を示す)信号線
102 (第2指令電流を示す)信号線
103 (第3指令電流を示す)信号線
104 (負荷変動を示す)信号線
105 (モータトルクを示す)信号線
106 (実回転速度を示す)信号線
107 (目標回転速度を示す)信号線
301 (指令電流を示す)信号線
302 (負荷変動を示す)信号線
303 (モータトルクを示す)信号線
304 (実回転速度を示す)信号線
305 (目標回転速度を示す)信号線
Id D軸電流値
Iq Q軸電流値
Vd D軸電圧指令値
Vq Q軸電圧指令値
ω 負荷変動周波数

Claims (4)

  1. 負荷を駆動するために前記負荷に接続されるモータを制御する電動モータの制御装置において、
    前記モータの目標回転速度を設定する目標回転速度設定手段と、
    前記モータの実回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記目標回転速度と実回転速度の回転速度偏差を演算する回転速度偏差計算手段と、
    前記回転速度偏差を小さくするモータの第1指令電流を設定する第1指令電流設定手段と、
    前記負荷の機械的な変動要因から設定した負荷変動周波数に基づいてモータの第2指令電流を設定する第2指令電流設定手段と、
    前記第1指令電流と前記第2指令電流からモータの第3指令電流を設定する第3指令電流設定手段と、
    少なくとも前記第3指令電流と前記実回転速度から前記モータの駆動指令を生成する駆動指令制御手段と、
    を備えたことを特徴とする電動モータの制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動モータの制御装置において、
    前記第2指令電流設定手段は、
    前記負荷変動周波数をピーク周波数とするピークフィルタに、前記回転速度偏差を入力し、前記ピークフィルタの出力を第2指令電流とした、
    ことを特徴とする電動モータの制御装置。
  3. 請求項2に記載の電動モータの制御装置において、
    前記第2指令電流設定手段は、
    前記目標回転速度又は前記実回転速度に、前記負荷の機械的な変動要因から設定した変動次数を乗じて負荷変動周波数を演算した、
    ことを特徴とする電動モータの制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電動モータの制御装置において、
    前記電動モータは、3相交流同期モータであり、
    前記3相交流同期モータをスイッチングにより駆動するインバータと、
    前記3相交流同期モータに流れる3相電流を検出する3相電流検出手段と、
    を備え、
    前記駆動指令制御手段は、前記第3指令電流と前記実回転速度、及び前記3相電流から、前記インバータのスイッチングパターンを駆動指令として生成する、
    ことを特徴とする電動モータの制御装置。
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