JP2010085980A - 波長板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、接着剤を用いることなく、溶剤によって、内接するフィルム表面部に溶剤を供給して表面近傍を溶解させて接着させることで、2枚の位相差フィルム同士の接着性に優れた波長板を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の波長板は、特定の構造単位を有する環状オレフィン系樹脂(A)を含有してなる位相差フィルム(I)、および環状オレフィン系樹脂(B)を含有してなる位相差フィルム(II)が、直接接して積層されてなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、波長板およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、環状オレフィン系樹脂を含有してなる位相差フィルム同士が溶剤によって、内接するフィルム表面部のみが溶解し、接着してなる波長板およびその製造方法に関する。
光ディスク装置は、非接触、単位体積あたりの情報量の多さ、高速アクセス性、低コストなどの理由から近年大きく発展している光学情報記録・再生装置であり、これらの特徴を生かし、各種の記録媒体が開発されている。
このような記録媒体としては、例えば、あらかじめ記録された情報を音や画像またはコンピュータ用プログラムなどとして再生するコンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(LD)、CD−ROM、DVD−ROM等、レーザーによって情報を1回だけ書き込め、係る情報を再生できるCD−RやDVD−R、情報の記録再生が繰り返しできる光磁気ディスク(MO)やDVD−RAM、DVD−RWなどが開発されている。
光学情報記録・再生装置での情報の記録および/または再生を行うための光学系装置としては、レーザー光源から光検出器にいたる光路の途中位置に偏光ビームスプリッター(PBS)および1/4λ波長板(QWP)(以下「1/4波長板」ともいう。)が配置された光ピックアップ装置が知られている。
ここで、「1/4波長板」とは、特定波長の直交する2つの偏光成分の間にλ/4の光路差(したがって、π/2の位相差)を与えるものである。上記光ピックアップ装置においては、レーザー光源から直線偏光(S波)が照射され、PBSを通り、1/4波長板を通ることで直線偏光が円偏光となり、集光レンズにより光学記録媒体に照射される。光学記録媒体から反射された戻り光は、再び同じ経路をたどり、1/4波長板を通ることで円偏光が90度方位を変換されて直線偏光(P波)となり、PBSを通過し、光検出器に導かれるように構成されている。
また、書き換え型光磁気ディスク装置として、レーザー光源からの照射光が、偏光子、PBSを通り光磁気ディスクに照射され、光磁気ディスクで反射された戻り光が、再びPBSを通り、光検出器にいたる光路の途中位置に1/2λ波長板(以下「1/2波長板」ともいう。)が配置されたものも知られている。
ここで、「1/2波長板」とは、特定波長の直交する2つの偏光成分の間にλ/2の光路差(したがって、πの位相差)を与えるものである。
このような波長板としては、複屈折性を備える雲母、石英、水晶、方解石、LiNbO3、LiTaO3などの単結晶から形成される波長板、ガラス基板などの下地基板に対して斜め方向から無機材料を蒸着することにより得られる下地基板の表面に複屈折膜を有する波長板、複屈折性を有するLB(Langmuir−Blodget)膜を有する波長板など無機系のものが従来使用されている。
また、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アクリル樹脂などの透明樹脂フィルムを延伸し配向させることにより透過光に位相差を与える機能を付与したフィルム(以下「位相差フィルム」ともいう。)を、平坦性、定形性維持のためガラス基板に接着した波長板や、2枚のガラス基板で挾持した波長板も使用されている。
しかしながら、上記従来の透明樹脂フィルムを延伸したものを位相差フィルムとして使用した場合、透明性や位相差値の安定性などの光学特性や耐久性に問題が生じることがある。さらに、位相差フィルムとして従来最も一般的に使用されているPC、TAC、PVAあるいはPET系の樹脂フィルムは、ガラス転移温度〔Tg〕が低く耐熱性が劣るため、再生および/または追記を行うための光学装置を製造する際の工程温度、例えば、ハンダ付けや接着工程での温度に制限が生じたり、連続使用により特性の変化が生じたりするという問題がある。
また、最近、高密度の情報記録媒体してDVDが急速に普及しつつあるが、一方、既に市場にはCD、CD−ROM、CD−Rといった再生専用光ディスクが広く普及していることから、光ディスク装置に対して、これら方式の異なる多種の光ディスクに対する記録あるいは再生を兼用できることが強く要求されており、また、応用分野の拡大に伴い小型化、低価格化も求められている。そして、これらの要求に対応するために、複数の読み書き用のレーザーに対応するための広帯域波長板の使用が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
しかしながら、複数枚の位相差フィルムを使用して広帯域波長板とする場合には、フィルムの貼り合わせに用いられる接着剤や接着シート等の材質の影響で光学特性の低下を生じる問題があり、これを軽減するために接着層を薄くするとフィルム間の接着強度が低下するという二律背反の問題がある。
また、特許文献3には、接着層を設けないフィルム積層体として、複数のポリカーボネイトフィルムを溶媒溶接により積層して得られるカーボネイトフィルム積層体が開示されている。
しかしながら、積層して得られる波長板には接着強度、光学特性の低下を生じない、光学特性の面内均一性、光軸の角度合わせ精度などが要求され、それらを満たすような広帯域波長板は見出されていない。
特開2001−101700号公報 特開2001−208913号公報 特開2001−277433号公報
本発明は、接着剤を用いることなく、溶剤によって、内接するフィルム表面部に溶剤を供給して表面近傍を溶解させて接着させることで、2枚の位相差フィルム同士の接着性に優れた波長板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意検討した結果、溶剤によって、内接するフィルム表面部のみを溶解し、接着させることで、得られる波長板が接着性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の波長板は、下記式(1)で表される構造単位を有する環状オレフィン系樹脂(A)を含有してなる位相差フィルム(I)、および環状オレフィン系樹脂(B)を含有してなる位相差フィルム(II)が、直接接して積層されてなることを特徴とする。
Figure 2010085980
(式中、Pは、独立に、式:−CH=CH−で表される基、または式:−CH2CH2−で表される基を表し、
xは、0または1〜3の整数を表し、yは、0または1を表し、
1〜R4は、それぞれ独立に、下記(i)〜(v)より選ばれるものを表すか、(vi)、または(vii)を表す。
(i)水素原子、
(ii)ハロゲン原子、
(iii)極性基、
(iv)酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはケイ素原子を含む連結基を有する、置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基、
(v)置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基、
(vi)R1とR2と、またはR3とR4とが、相互に結合して形成されたアルキリデン基を表し、該結合に関与しないR1〜R4は、相互に独立に、該(i)〜(v)より選ばれるものを表す、
(vii)R1とR2と、R3とR4と、またはR2とR3とが、相互に結合して形成された芳香環あるいは非芳香環の単環もしくは多環の炭素環または複素環を表し、該結合に関与しないR1〜R4は、相互に独立に、該(i)〜(v)より選ばれるものを表す。)
また、本発明の波長板は、上記式(1)で表される構造単位を有する環状オレフィン系樹脂(A)を含有してなる位相差フィルム(I)、および環状オレフィン系樹脂(B)を含有してなる位相差フィルム(II)が、ケトン類およびエステル類から選ばれる少なくとも1種の溶剤を供給して、内接するフィルムが接着されてなることを特徴とする。
上記溶剤は、さらに少なくとも1種のアルコール類を含んでもよい。
上記ケトン類は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノンおよびシクロヘキサノンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記エステル類は、酢酸ブチルおよび/またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群であることが好ましい。
上記環状オレフィン系樹脂(A)および上記環状オレフィン系樹脂(B)は、同一のものであってもよい。
また、本発明の波長板の製造方法は、少なくとも下記工程(a)および(b)を含むことを特徴とする。
工程(a):上記式(1)で表される構造単位を有する環状オレフィン系樹脂(A)を含有してなる位相差フィルム(I)と、環状オレフィン系樹脂(B)を含有してなる位相差フィルム(II)との、内接する側の少なくとも一方のフィルム表面に、溶剤を供給する工程、および
工程(b):該フィルム(I)と該フィルム(II)とを押圧し、接着させる工程。
上記溶剤は、上記位相差フィルム(II)が上記位相差フィルム(I)に対して押圧される位置に近接して供給されることが好ましい。
上記溶剤は、ケトン類およびエステル類から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、さらに少なくとも1種のアルコール類を含んでもよい。
上記ケトン類は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノンおよびシクロヘキサノンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記エステル類は、酢酸ブチルおよび/またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであることが好ましい。
上記環状オレフィン系樹脂(A)および上記環状オレフィン系樹脂(B)は、同一のものであってもよい。
また、本願の波長板は、上記式(1)で表される構造単位を有する環状オレフィン系樹脂(A)を含有してなる位相差フィルム(I)、および環状オレフィン系樹脂(B)を含有してなる位相差フィルム(II)が接着されてなる波長板であって、内接する位相差フィルム(I)および/または位相差フィルム(II)の接着面部が、ケトン類およびエステル類から選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有する部分を有することを特徴とする。
本発明は、接着剤を用いることなく、溶剤によって、内接するフィルム表面部に溶剤を供給して表面近傍を溶解および/または膨潤させて接着することで、2枚の位相差フィルム同士の接着性に優れた波長板を提供することができる。
図1は、本発明の波長板の製造方法に含まれる工程(a)および工程(b)の一態様の模式図を示す。
次に、本発明について具体的に説明する。
<波長板>
本発明の波長板は、下記式(1)で表される構造単位を有する環状オレフィン系樹脂(A)を含有してなる位相差フィルム(I)、および環状オレフィン系樹脂(B)を含有してなる位相差フィルム(II)が、直接接して積層されてなることを特徴とするものである。
Figure 2010085980
(式中、Pは、独立に、式:−CH=CH−で表される基、または式:−CH2CH2−で表される基を表し、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基;もしくは該炭化水素基以外の1価の有機基を表す。R1とR2と、またはR3とR4とは、相互に結合してアルキリデン基を形成していてもよく、R1とR2と、R3とR4と、またはR2とR3とは、相互に結合して炭素環もしくは複素環を形成してもよい。ただし、該炭素環および該複素環は、単環構造または多環構造を形成していてもよく、芳香環であっても非芳香環であってもよい。xは、0または1〜3の整数を表し、yは、0または1を表す。)
[位相差フィルム(I)]
(環状オレフィン系樹脂(A))
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂(A)は、上記式(1)で表される構造単位を有し、好ましくはノルボルネン系化合物を少なくとも1種含む単量体組成物を重合し、また必要に応じてさらに水素添加して得られるものである。
[単量体組成物]
単量体組成物に用いられるノルボルネン系化合物としては、例えば、下記式(2)で表されるノルボルネン系化合物が挙げられる。
Figure 2010085980
(式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基;もしくは該炭化水素基以外の1価の有機基を表す。R1とR2と、またはR3とR4とは、相互に結合してアルキリデン基を形成していてもよく、R1とR2と、R3とR4と、またはR2とR3とは、相互に結合して炭素環または複素環を形成してもよい。ただし、該炭素環および該複素環は、単環構造または多環構造を形成していてもよい。xは、0または1〜3の整数を表し、yは、0または1を表す。)
上記式(2)で表されるノルボルネン系化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられるが、これらの例示に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ノルボルネン)、
5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルカルボニルオキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、
7−メチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−エチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−シクロヘキシル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−フェニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−(4−ビフェニル)−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,8−ジメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,8,9−トリメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
8−メチル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、
8−フェニル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、
7−フルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−クロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−ブロモ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,8−ジクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,8,9−トリクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−クロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−ジクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−トリクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−ヒドロキシ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−シアノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−アミノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
ペンタシクロ[7.4.0.13,6.110,13.02,7]ペンタデカ−4−エン、
ヘキサシクロ[8.4.0.14,7.12,9.111,14.03,8]ヘプタデカ−5−エン、
8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−(4−ビフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−フェニルカルボニルオキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8,8−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8,9−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−フルオロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−クロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−ブロモ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8,8−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8,9−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8,8,9,9−テトラクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−シアノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−アミノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン。
なお、これらノルボルネン系化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ノルボルネン系化合物の種類および量は、得られる樹脂に求められる特性により適宜選択される。
これらノルボルネン系化合物のうち、上記R1〜R4が、酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはケイ素原子を含む連結基を有する置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基(X)を有するノルボルネン系化合物を用いると、他素材との接着性や密着性に優れるため好ましい。特に、上記式(2)中、R1およびR3が、水素原子または炭素原子数1〜3の炭化水素基、好ましくは水素原子またはメチル基を表し、R2またはR4のいずれかが、前記置換基(X)を有する基を表し、他方が、水素原子または炭素数1〜3炭化水素基を表すノルボルネン系化合物は、樹脂の吸水(湿)性が低く好ましい。さらに、極性構造を有する基が下記式(3)で表される基であるノルボルネン系化合物は、得られる樹脂の耐熱性と吸水(湿)性とのバランスがとりやすく、好適である。
−(CH2zCOOR …(3)
(式中、Rは、置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基を表し、zは、0または1〜10の整数を表す。)
上記式(3)中、zが0または小さい整数を表すほど、得られる水素添加物のガラス転移温度が高くなり耐熱性に優れるので、zは0または1〜3の整数であることが好ましく、さらにzが0である単量体はその合成が容易である点で好ましい。また、式(3)中、Rは、炭素原子数が多いほど得られる重合体の水素添加物の吸水(湿)性が低下する傾向にあるが、ガラス転移温度が低下する傾向もあるので、耐熱性を保持する観点から、炭素原子数1〜10の炭化水素基が好ましく、特に炭素原子数1〜6の炭化水素基であることが好ましい。
なお、上記式(2)において、上記式(3)で表される基が結合した炭素原子に炭素原子数1〜3のアルキル基、特にメチル基が結合していると、耐熱性と吸水(湿)性とのバランスの点で好ましい。さらに、式(2)において、xが0または1であり、yが0または1であることが好ましく、x=0、y=1である化合物は、反応性が高く、高収率で重合体が得られること、また、耐熱性が高い重合体水素添加物が得られること、さらに工業的に入手しやすいことから好適である。そのような化合物としては、例えば、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンを挙げることができ、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンが好ましい。
環状オレフィン系樹脂を得るにあたっては、本発明の効果を損なわない範囲で上記ノルボルネン系化合物と共重合可能な単量体とを単量体組成物に含ませて重合することができる。
上記共重合可能な単量体として、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロドデセン等の環状オレフィン;1,4−シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロドデカトリエン等の非共役環状ポリエンなどが挙げられる。このような共重合可能な単量体は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
[重合方法]
上記単量体組成物の重合方法については、単量体組成物の重合が可能である限り、特に制限されるものではないが、例えば、開環(共)重合反応または付加(共)重合反応によって重合することができる。重合方法については、例えば、特開2008−76552号公報に記載の開環(共)重合または付加(共)重合と同様の重合方法によって重合することができ、さらに該公報に記載の水素添加反応と同様にしてノルボルネン系樹脂を水素添加することができる。
環状オレフィン系樹脂(A)のガラス転移温度〔Tg〕は、通常120℃以上、好ましくは130℃以上、より好ましくは150℃以上である。Tgが上記範囲内であると、波長板製造時に受ける熱履歴に対して、該樹脂フィルムの変形を極力小さくすることができるため好適である。
本発明で用いられる位相差フィルム(I)は、上記環状オレフィン系樹脂(A)を含有してなるものであり、通常、該樹脂(A)を成形して樹脂(A)フィルムを製造し、得られた樹脂(A)フィルムを延伸して製造することができる。該樹脂(A)は、本発明の目的を損なわない範囲において、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤をさらに含有することができる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2'−ジオキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。また、後述する溶液キャスティング法により樹脂(A)フィルムを製造する場合には、レベリング剤や消泡剤を添加することにより、その製造を容易にすることができる。
なお、これら添加剤は、樹脂(A)フィルムを製造する際に、環状オレフィン系樹脂(A)等とともに混合してもよいし、環状オレフィン系樹脂(A)を製造する際に添加することであらかじめ含有されていてもよい。また、添加量は、所望の特性に応じて適宜選択されるものであるが、環状オレフィン系樹脂(A)100重量部に対して、通常0.01〜5.0重量部、好ましくは0.05〜2.0重量部であることが望ましい。
[樹脂(A)フィルムの製造方法]
樹脂(A)フィルムは、環状オレフィン系樹脂(A)を溶融成形することにより、または溶媒に溶解しキャスティング(キャスト成形)する方法により好適に成形することができる。
(a)溶融成形
樹脂(A)フィルムは、環状オレフィン系樹脂(A)または環状オレフィン系樹脂(A)と上述した添加剤とを含有する樹脂組成物を溶融成形することにより製造することができる。溶融成形方法としては、例えば、射出成形、溶融押出成形またはブロー成形等を挙げることができる。
(b)キャスティング
樹脂(A)フィルムは、環状オレフィン系樹脂(A)を溶媒に溶解した液状樹脂組成物を適切な基材の上にキャスティングして溶剤を除去することにより製造することもできる。例えば、スチールベルト、スチールドラムまたはポリエステルフィルム等の基材の上に、該液状樹脂組成物を塗布して溶剤を乾燥させ、その後基材から塗膜を剥離することにより、樹脂(A)フィルムを得ることができる。
上記方法で得られた樹脂(A)フィルム中の残留溶剤量は可能な限り少ない方がよく、ガスクロマトグラフィーにより測定した残存溶剤量が通常3重量%以下、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下である。残留溶剤量が3重量%を超える場合、経時的にフィルムが変形したり特性が変化したりして所望の機能が発揮できなくなることがある。
樹脂(A)フィルムは、その厚さを特に限定するものではないが、通常5〜500μm、好ましくは10〜150μm、より好ましくは20〜100μm程度であるのが望ましい。フィルムの厚さが薄すぎると、強度が不足する場合があり、また、厚すぎると、複屈折性が高くなり、透明性、外観性が低下する場合がある。
樹脂(A)フィルムは、光透過性が通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上であるのが望ましい。
[表面処理方法]
樹脂(A)フィルムは、接着性を高める目的で、表面処理を施したものであることが好ましい。表面処理としては、例えば、プラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理などが挙げられるが、これらのうち、プラズマ処理およびコロナ処理が好ましい。表面処理の条件は、用いられる樹脂フィルムの特性により異なるが、樹脂フィルム表面の水の接触角が、70°以下、好ましくは60°以下、より好ましくは40°以下になるようにすることが望ましい。加えて、コロナ処理を、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスまたは二酸化炭素等の雰囲気下で行うことで、さらなる親溶媒化効果が得られる。
[延伸処理方法]
延伸処理の方法としては、樹脂フィルムを一軸延伸または二軸延伸する方法が用いられる。
一軸延伸処理の場合、延伸速度は、通常1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、より好ましくは100〜1,000%/分である。
二軸延伸処理法の場合、同時に二方向に延伸処理を行う方法、一軸延伸処理した後に該延伸処理における延伸方向と異なる方向に延伸処理する方法を利用することができる。このとき、2つの延伸軸の交わり角度は、目的とする波長板に要求される特性に応じて決定され、特に限定されないが、通常、120〜60度の範囲である。また、延伸速度は、各延伸方向で同じであってもよく、異なっていてもよく、通常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、より好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
延伸処理温度は、特に限定されるものではないが、用いる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度〔Tg〕を基準として、Tg±30℃、好ましくはTg±15℃、さらに好ましくはTg−5〜Tg+15℃の範囲である。延伸処理温度を上記範囲内に設定することにより、得られる位相差フィルムに位相差ムラが発生することを抑制することができ、また、屈折率楕円体の制御が容易となることから好ましい。
延伸倍率は、目的とする波長板に要求される特性に応じて決定され、特に限定されないが、通常は1.01〜10倍、好ましくは1.03〜5倍、より好ましくは1.03〜3倍である。延伸倍率が上記範囲を超えると、得られる延伸フィルムの位相差の制御が困難になることがある。延伸処理されたフィルムは、そのまま冷却してもよいが、Tg−20℃〜Tgの温度雰囲気下に少なくとも10秒間以上、好ましくは30秒間〜60分間、より好ましくは1〜60分間保持した後に冷却することが好ましい。これにより、透過光の位相差の経時変化が少なく、安定した位相差フィルムが得られる。
上述のようにして延伸処理が施されたフィルムは、延伸処理により分子が配向する結果、透過光に位相差を与えるようになるが、この位相差は、延伸倍率、延伸温度またはフィルムの厚さなどにより制御することができる。
位相差フィルムとして用いられる樹脂(A)フィルムの厚さは、特に限定するものではないが、通常5〜500μm、好ましくは10〜300μm、より好ましくは20〜200μm程度であるのが望ましい。
また、位相差フィルムにおいても、上述したような表面処理を施したものであってもよい。
このような環状オレフィン系樹脂(A)フィルムは、市販のものであってもよく、例えば、「ARTON(登録商標)FILM」(JSR株式会社製)、「ZEONOR(登録商標)」、「ZEONEX(登録商標)」(以上、日本ゼオン(株)製)、「TOPAS(登録商標)」(ポリプラスチックス(株)製)、「APEL(登録商標)」(三井化学(株)製)などが好適である。
(環状オレフィン系樹脂(B)を含有してなる位相差フィルム(II))
[環状オレフィン系樹脂(B)]
環状オレフィン系樹脂(B)は、上記環状オレフィン系樹脂(A)と同じであっても異なっていてもよく、好ましくは下記式(2)で表されるノルボルネン系化合物を少なくとも1種含む単量体組成物を重合し、また必要に応じてさらに水素添加して得られるものである。
Figure 2010085980
(式中、Pは、独立に、式:−CH=CH−で表される基、または式:−CH2CH2−で表される基を表し、xは、0または1〜3の整数を表し、yは、0または1を表し、R1〜R4は、それぞれ独立に、下記(i)〜(v)より選ばれるものを表すか、(vi)、または(vii)を表す。
(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)極性基、(iv)酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはケイ素原子を含む連結基を有する、置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基、(v)置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基、(vi)R1とR2と、またはR3とR4とが、相互に結合して形成されたアルキリデン基を表し、該結合に関与しないR1〜R4は、相互に独立に、該(i)〜(v)より選ばれるものを表す、(vii)R1とR2と、R3とR4と、またはR2とR3とが、相互に結合して形成された芳香環あるいは非芳香環の単環もしくは多環の炭素環または複素環を表し、該結合に関与しないR1〜R4は、相互に独立に、該(i)〜(v)より選ばれるものを表す。)
なお、単量体組成物は、環状オレフィン系樹脂(A)と同様のものを使用することができる。
[位相差フィルム(II)]
位相差フィルム(II)は、上記環状オレフィン系樹脂(B)、好ましくはさらに上述した添加剤を含有してなるものであって、表面処理方法および延伸処理方法も上述と同様であり、樹脂製造上の効率性および経済性の観点から、該環状オレフィン系樹脂(B)が、上記環状オレフィン系樹脂(A)と同じものであることが好ましい。
<波長板の製造方法>
本発明の波長板の製造方法は、少なくとも下記工程(a)および(b)を含むことを特徴とするものである。
工程(a):上記式(1)で表される構造単位を有する環状オレフィン系樹脂(A)を含有してなる位相差フィルム(I)と、環状オレフィン系樹脂(B)を含有してなる位相差フィルム(II)との、内接する側の少なくとも一方のフィルム表面に、溶剤を供給する工程、および
工程(b):該フィルム(I)と該フィルム(II)とを押圧し、接着させる工程。
(溶剤)
本発明で用いられる溶剤は、ケトン類およびエステル類から選ばれる少なくとも1種であり、さらに少なくとも1種のアルコール類を含んでもよい。
[ケトン類]
ケトン類が、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノンおよびシクロヘキサノンからなる群から選ばれる少なくとも1種であると、環状オレフィン系樹脂の良溶媒であるため好ましい。
[エステル類]
エステル類が、酢酸ブチルおよび/またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであると、環状オレフィン系樹脂の良溶媒であるため好ましい。
[アルコール類]
アルコール類が、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールおよびN−ブチルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種であると、環状オレフィン系樹脂の貧溶媒であり、良溶媒との混合により、溶解性を制御出来るため好ましい。
なお、本発明は、2枚のフィルムからなる波長板に限定されず、3枚以上のフィルムからなる波長板も製造することができるものである。
以下、これらの工程を、図1を参照して具体的に説明するが、本発明の製造方法はこれに限定されるものではない。
(工程(a))
工程(a)とは、上記式(1)で表される構造単位を有する環状オレフィン系樹脂(A)を含有してなる位相差フィルム(I)と、環状オレフィン系樹脂(B)を含有してなる位相差フィルム(II)との、内接する側の少なくとも一方のフィルム表面部に、溶剤を供給する工程である。
図1において、上記位相差フィルム(I)20は、支持体35によって固定されており、上記位相差フィルム(I)20の表面に、溶剤ディスペンサー80によって溶剤70を針75から供給し;
好ましくは、上記位相差フィルム(II)30が該位相差フィルム(I)20に対して押圧される位置(コンタクトポイント90)に近接して、溶剤ディスペンサー80により溶剤70を針75から供給し;
より好ましくは、上記位相差フィルム(II)30が該位相差フィルム(I)20に対して押圧される位置(コンタクトポイント90)に近接して、溶剤ディスペンサー80により溶剤70を針75から1ショットで供給して溶剤溜め85を形成し;
該位相差フィルム(I)20の表面部のみを溶剤70を供給する工程である。
位相差フィルム(I)20の厚さは、通常5〜500μm、好ましくは10〜300μmである。位相差フィルム(I)20の厚さが5μm未満であると、ハンドリングが困難となる場合がある。一方、500μmを超えると、位相差フィルム(I)20をロール状に巻き取ることが困難となる場合があり、レーザー光の高透過度を目的とする本発明の波長板としては、透過率が低下するおそれがある。
位相差フィルム(II)30の厚さは、通常5〜500μm、好ましくは10〜300μmである。上記位相差フィルム(I)と同様に、位相差フィルム(II)30の厚さが5μm未満であると、ハンドリングが困難となる場合があり、また500μmを超えると、位相差フィルム(II)30をロール状に巻き取ることが困難となることがあり、レーザー光の高透過度を目的とする本発明の波長板としては、透過率が低下するおそれがある。
溶剤としては、上述したものと同様のものを用いることができる。
供給される溶剤量としては、位相差フィルムの厚さにより適宜選択されるものではあるが、上記位相差フィルム(I)20の表面部10cm2当り、通常2.5μL以上を要する。
上記環状オレフィン系樹脂(A)および上記環状オレフィン系樹脂(B)は、溶剤による貼合であることから、同一のものであることが好ましい。
(工程(b))
工程(b)とは、上記位相差フィルム(I)と上記位相差フィルム(II)とを押圧し、接着させる工程である。
図1によると、工程(b)は、溶剤70により表面近傍が溶解された該位相差フィルム(I)20と上記位相差フィルム(II)30とを、ローラーマウント65によりコンタクトポイント90を押圧し、矢印が示す方向に移動させることによってフィルム同士を順次接着させ、積層フィルムを得る工程である。このとき、該位相差フィルム(II)30の表面部は、該位相差フィルム(I)20に供給された溶剤によって、溶解することが好ましい。
ローラーマウント65を移動させる速度は、通常0.1〜20m/min、好ましくは1〜10m/minである。
ローラーマウント65によりコンタクトポイント90を押圧する圧力は、通常0.01〜2MPa、好ましくは0.05〜1MPaである。押圧する圧力が0.01MPa未満であると、フィルム間に過剰な溶剤が残存して接着界面層が肥厚化してしまい光学特性が悪化する。また、押圧する圧力が2MPaを超えると、フィルム全体に反りが発生してカッティングなどの後加工で不具合を生ずる。
圧力および速度を最適化することでフィルム変形を抑制し、かつ、適量の溶剤をフィルム面内に伸展させることが可能となり、優れた光学特性を有する貼合状態を形成できる。
さらに、上記工程(b)の後、得られた積層フィルムを乾燥することができる。乾燥条件は、通常50℃で1時間程度である。
この乾燥により、工程(a)で供給した溶剤の多くが揮発・消失するが、溶剤の種類および乾燥条件によっては溶剤の一部がフィルム内に残留する場合もある。
次に、本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、特にことわりのない場合には部は質量部を表す。
実施例および比較例で得られた積層フィルムの密着性性評価は、以下の方法に従った。
接着強度の測定方法は、JIS K 6854−3に準拠し、剥離結果は、以下の通りとする。
◎:剥離後のフィルムが白化し、かつフィルムの割れも発生したもの
○:剥離後のフィルムが白化するもの
△:剥離後のフィルムの一部は白化するが部分的に透明性を有するもの
×:弱い力で簡単にフィルム同士が隔離し、界面は透明性を有するもの
また、実施例および比較例で得られた積層フィルムの面内収差測定は、富士写真光機(株)製、小口径レーザー干渉計R10を用い、5mmφの範囲について波長650nmのレーザー光を使用して透過波面収差(mλ)を測定した。
その他、実施例および比較例で得られた積層フィルムの位相差を、Axometrics社製の偏光・位相差測定/解析装置を用い、665nmの波長にて測定した。
さらに、(株)日立製作所製の分光光度計を用いて、波長665nmの光線透過率を測定した。
[合成例1]
下記式(4)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(特定単量体)250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン(開環重合反応用溶媒)750部とを窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。
Figure 2010085980
次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒としてトリエチルアルミニウム(1.5モル/L)のトルエン溶液0.62部と、t−ブタノールおよびメタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/L)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であり、得られた開環重合体について、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度〔ηinh〕は0.75dL/gであった。
このようにして得られた開環重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C65)33 0.48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm2、反応温度165℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加重合体(以下「樹脂A」という。)を得た。
樹脂Aについて、1H−NMRを用いて水素添加率を測定したところ99.9%であった。樹脂Aについて、DSC法によりガラス転移温度〔Tg〕を測定したところ165℃であった。樹脂Aについて、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量〔Mn〕および重量平均分子量〔Mw〕を測定したところ、Mnは32,000、Mwは137,000、分子量分布〔Mw/Mn〕は4.29であった。
樹脂Aについて、23℃における飽和吸水率を測定したところ、0.3%であった。また、SP値を測定したところ、19(MPal/2)であった。また、当該樹脂について、30℃のクロロホルム中で固有粘度〔ηinh〕を測定したところ、0.78dL/gであった。また、ゲル含有量は0.4%であった。
[合成例2]
合成例1において、特定単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 225部と、下記式(5)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 25部とを用い、1−ヘキセン(分子量調節剤)の添加量を30部としたこと以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。
Figure 2010085980
得られた水素添加重合体(以下「樹脂B」という。)の水素添加率は99.9%であった。樹脂Bについて、DSC法によりガラス転移温度〔Tg〕を測定したところ140℃であった。樹脂Bについて、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量〔Mn〕および重量平均分子量〔Mw〕を測定したところ、Mnは36,000、Mwは137,000、分子量分布〔Mw/Mn〕は3.81であった。
樹脂Bについて、23℃における飽和吸水率を測定したところ、0.22%であった。また、SP値を測定したところ、19(MPal/2)であった。樹脂Bについて、30℃のクロロホルム中で固有粘度〔ηinh〕を測定したところ、0.75dL/gであった。また、ゲル含有量は0.2%であった。
[製造例1]
合成例1で得られた樹脂Aを、トルエンに濃度30%(室温での溶液粘度は30,000mPa・S)になるように溶解し、井上金属工業(株)製のINVEXラボコーターを用い、アクリル系樹脂で親水化(易接着)の表面処理した厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製、ルミラーU94)に、乾燥後のフィルム厚さが100μmになるように塗布し、これを50℃で一次乾燥の後、90℃で二次乾燥を行った。PETフィルムより剥がし、樹脂フィルムAを得た。
得られた樹脂フィルムAをフィルムテンター内で、175℃に加熱し、延伸速度400%/分で1.4倍に一軸延伸した後、110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持し、その後室温まで冷却して取り出したところ、厚さ89μmで、波長655nmにおける位相差が160nmである位相差フィルム(I)が得られた。
[製造例2]
製造例1で得られた樹脂フィルムAをフィルムテンター内で、175℃に加熱し、延伸速度400%/分で2.1倍に一軸延伸した後、110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持し、その後室温まで冷却して取り出したところ、厚さ81μmで、波長655nmにおける位相差が330nmである位相差フィルム(II−A)が得られた。
[製造例3]
製造例2において、樹脂(A)の代わりに樹脂(B)を用いた以外は製造例2と同様にして位相差フィルム(II−B)が得られた。
[実施例1]
29.7cm×21cmのガラス板の上に、各々の光軸が60°になるように、縦20cm×横15cmに調製した厚さ86μmの位相差フィルム(I)と、厚さ81μm
の位相差フィルム(II−A)とを重ねて乗せ(すなわち、ガラス板、位相差フィルム(I)、位相差フィルム(II−A)の順に重ねた状態)、フィルムとフィルムとの間のラミネート開始端から5mm、フィルム横幅の中央に、溶剤として2−ヘプタノンを100μL滴下し、ラミネート装置(大成ラミネーター(株)製、型番VAII−700
)を用いて、0.5MPaの圧力を印加して、溶融接着した。得られた積層フィルムの密着性評価および面内収差測定の結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、位相差フィルム(II−A)の代わりに位相差フィルム(II−B)を用いる以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。密着性評価および面内収差測定の結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、溶剤としてメチルエチルケトンを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。密着性評価および面内収差測定の結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、溶剤としてメチルイソブチルケトンを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。密着性評価および面内収差測定の結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1において、溶剤としてシクロヘキサノンを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。密着性評価および面内収差測定の結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1において、溶剤として酢酸ブチルを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。密着性評価および面内収差測定の結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例1において、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。密着性評価および面内収差測定の結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例1において、溶剤として2−ヘプタノンの代わりに、2−ヘプタノンとエタノールとの混合溶液(重量混合比7対3)を用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。密着性評価および面内収差測定の結果を表1に示す。
[実施例9]
実施例1において、位相差フィルム(II−A)の代わりに「ゼオノア」(日本ゼオン(株)製フィルム)の位相差フィルムを用いる以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。密着性評価および面内収差測定の結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、溶剤としてプロピレングリコールn−プロピルエーテルを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。密着性評価および面内収差測定の結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。密着性評価および面内収差測定の結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、溶剤としてエチレングリコールモノブチルエーテルを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。密着性評価および面内収差測定の結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例1において、溶剤としてエタノールを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。密着性評価および面内収差測定の結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例1において、溶剤としてイソプロピルアルコールを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。密着性評価および面内収差測定の結果を表1に示す。
なお、表1中の「−」は、測定不能であったことを示す。
Figure 2010085980
本発明の波長板を使用した光学情報記録再生装置は、音声および/または画像の記録に関して、再生専用記録媒体、追記型記録媒体および書き換え可能型記録媒体のいずれにも好適である。
すなわち、本発明の波長板は、CD−ROM、CD−R、書き換え可能DVD等の記録装置、それらを使用するOA機器、CDなどの音響再生装置、DVDなどの画像再生装置、これら装置からなるAV機器、CD、DVDなどを使用するゲーム機などに好適に用いることができる。
また、本発明の波長板は、液晶プロジェクター装置にも好適である。
20・・・上記式(1)で表される構造単位を有する環状オレフィン系樹脂(A)を含有してなる位相差フィルム(I)
30・・・環状オレフィン系樹脂(B)を含有してなる位相差フィルム(II)
35・・・支持体
36・・・ステージ
40・・・フィルムデリバリー装置
42・・・ガイド
43・・・基準ガイド
45・・・基準ストッパー
50・・・押圧ローラー
60・・・ローラーポジショナー
65・・・ローラーマウント
70・・・溶剤
75・・・針
80・・・溶剤ディスペンサー
85・・・溶剤溜め
90・・・コンタクトポイント

Claims (14)

  1. 下記式(1)で表される構造単位を有する環状オレフィン系樹脂(A)を含有してなる位相差フィルム(I)、および環状オレフィン系樹脂(B)を含有してなる位相差フィルム(II)が、直接接して積層されてなることを特徴とする波長板。
    Figure 2010085980
    (式中、Pは、独立に、式:−CH=CH−で表される基、または式:−CH2CH2−で表される基を表し、
    xは、0または1〜3の整数を表し、yは、0または1を表し、
    1〜R4は、それぞれ独立に、下記(i)〜(v)より選ばれるものを表すか、(vi)、または(vii)を表す。
    (i)水素原子、
    (ii)ハロゲン原子、
    (iii)極性基、
    (iv)酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはケイ素原子を含む連結基を有する、置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基、
    (v)置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基、
    (vi)R1とR2と、またはR3とR4とが、相互に結合して形成されたアルキリデン基を表し、該結合に関与しないR1〜R4は、相互に独立に、該(i)〜(v)より選ばれるものを表す、
    (vii)R1とR2と、R3とR4と、またはR2とR3とが、相互に結合して形成された単環もしくは多環の炭素環または複素環を表し、該結合に関与しないR1〜R4は、相互に独立に、該(i)〜(v)より選ばれるものを表す。)
  2. 上記式(1)で表される構造単位を有する環状オレフィン系樹脂(A)を含有してなる位相差フィルム(I)、および
    環状オレフィン系樹脂(B)を含有してなる位相差フィルム(II)
    が、ケトン類およびエステル類から選ばれる少なくとも1種の溶剤を供給して、内接するフィルムが接着されてなることを特徴とする波長板。
  3. 上記溶剤が、さらに少なくとも1種のアルコール類を含むことを特徴とする請求項2に記載の波長板。
  4. 上記ケトン類が、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノンおよびシクロヘキサノンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2または3に記載の波長板。
  5. 上記エステル類が、酢酸ブチルおよび/またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の波長板。
  6. 上記環状オレフィン系樹脂(A)および上記環状オレフィン系樹脂(B)が、同一であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の波長板。
  7. 少なくとも下記工程(a)および(b)を含むことを特徴とする波長板の製造方法。
    工程(a):下記式(1)で表される構造単位を有する環状オレフィン系樹脂(A)を含有してなる位相差フィルム(I)と、環状オレフィン系樹脂(B)を含有してなる位相差フィルム(II)との、内接する側の少なくとも一方のフィルム表面に、溶剤を供給する工程、および
    工程(b):該フィルム(I)と該フィルム(II)とを押圧し、接着させる工程。
    Figure 2010085980
    (式中、Pは、独立に、式:−CH=CH−で表される基、または式:−CH2CH2−で表される基を表し、
    xは、0または1〜3の整数を表し、yは、0または1を表し、
    1〜R4は、それぞれ独立に、下記(i)〜(v)より選ばれるものを表すか、(vi)、または(vii)を表す。
    (i)水素原子、
    (ii)ハロゲン原子、
    (iii)極性基、
    (iv)酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはケイ素原子を含む連結基を有する、置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基、
    (v)置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基、
    (vi)R1とR2と、またはR3とR4とが、相互に結合して形成されたアルキリデン基を表し、該結合に関与しないR1〜R4は、相互に独立に、該(i)〜(v)より選ばれるものを表す、
    (vii)R1とR2と、R3とR4と、またはR2とR3とが、相互に結合して形成された芳香環あるいは非芳香環の単環もしくは多環の炭素環または複素環を表し、該結合に関与しないR1〜R4は、相互に独立に、該(i)〜(v)より選ばれるものを表す。)
  8. 上記溶剤が、上記位相差フィルム(II)が上記位相差フィルム(I)に対して押圧される位置に近接して供給されることを特徴とする請求項7に記載の波長板の製造方法。
  9. 上記溶剤が、ケトン類およびエステル類から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の波長板の製造方法。
  10. 上記溶剤が、さらに少なくとも1種のアルコール類を含むことを特徴とする請求項9に記載の波長板の製造方法。
  11. 上記ケトン類が、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノンおよびシクロヘキサノンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項9に記載の波長板の製造方法。
  12. 上記エステル類が、酢酸ブチルおよび/またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであることを特徴とする請求項9に記載の波長板の製造方法。
  13. 上記環状オレフィン系樹脂(A)および上記環状オレフィン系樹脂(B)が、同一であることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の波長板の製造方法。
  14. 上記式(1)で表される構造単位を有する環状オレフィン系樹脂(A)を含有してなる位相差フィルム(I)、および
    環状オレフィン系樹脂(B)を含有してなる位相差フィルム(II)
    が接着されてなる波長板であって、
    内接する位相差フィルム(I)および/または位相差フィルム(II)の接着面部が、ケトン類およびエステル類から選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有する部分を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の波長板。
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