JP2010085211A - 放射線コリメータ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】放射線遮蔽効果が高く、環境汚染がなく、加工精度が高く、製造が簡単な放射線コリメータとその製造方法を提供する。
【解決手段】互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ超硬合金からなる縦列遮蔽板2と、縦列遮蔽板2の基端部から先端部まで縦列遮蔽板2に直交し互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ超硬合金からなる横列遮蔽板3とを備え、縦列遮蔽板2と横列遮蔽板3とに囲まれた複数の光学筒4が縦横に整列している。
【選択図】図1
【解決手段】互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ超硬合金からなる縦列遮蔽板2と、縦列遮蔽板2の基端部から先端部まで縦列遮蔽板2に直交し互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ超硬合金からなる横列遮蔽板3とを備え、縦列遮蔽板2と横列遮蔽板3とに囲まれた複数の光学筒4が縦横に整列している。
【選択図】図1
Description
本発明は、放射線遮蔽効果が高く、環境汚染がなく、加工精度が高く、製造が簡単な放射線コリメータとその製造方法に関する。
γ線等の放射線による映像を撮るために、放射線を受光して電気信号を出力する微小な受光素子を縦横に複数並べた撮像器が用いられる。撮像器の受光面には、各受光素子に対して受光素子の正面へ放射線を導き、正面以外の方向からの放射線を遮蔽するための放射線コリメータが設置される。放射線コリメータは、ひとつひとつの受光素子に放射線を導く光学筒を縦横に複数並べたものである。放射線コリメータが設置されると、各受光素子には受光素子の正面への放射線だけが導かれるので、撮像器の解像度が高くなる。
ところで、放射線コリメータには放射線が透過できない材料を用いるが、放射線は多くの物質を透過するので、材料選択に制限がある。一般に、鉛Pb、タングステンWなど比重の高い材料が放射線を透過させない性質を有する。
このような比重の高い材料のうち、特にタングステンは比重が高く、放射線遮蔽効果が高い。しかし、タングステンは非常に硬くて加工しにくい材料であるため、利用されていない。これに対し、鉛は軟らかくて加工がし易く、放射線を遮る材料として長く利用されてきた。しかし、鉛は近年、環境汚染の問題があるので利用が憚られるようになった。
また、撮像器に用いる放射線コリメータは、口径の微小な光学筒を多数集約形成した精密機器である。このような精密機器は適切な製造方法が必要である。例えば、鉛かタングステンのブロック材に光学筒となる穴を開けるとすると、穴(多角形)の辺の長さが(穴が円形の場合には直径が)1.0〜1.2mmとなるが、適切なドリル刃がなく、ドリルで穴を開けるのは困難である。
従来は、鉛の板材を折り込んで角筒状の単一の光学筒を形成し、この光学筒を縦横に複数並べている。しかし、縦横に、例えば、100コ並べると、ひとつの光学筒に生じた誤差が多数蓄積して大きな誤差になる。例えば、1コの角筒状の光学筒の1辺の加工精度が20μm程度であった場合、蓄積誤差は最大で20μm×100コ=2mmになる可能性がある。このように、従来の構造及び製造方法では、高精度な放射線コリメータを製造することは困難であった。
また、単一の光学筒を形成しておいて縦横に高精度に複数並べていく製造方法は、簡単でない。
そこで本発明の目的は、上記課題を解決し放射線遮蔽効果が高く、環境汚染がなく、加工精度が高く、製造が簡単な放射線コリメータとその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の放射線コリメータは、互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ超硬合金からなる縦列遮蔽板と、該縦列遮蔽板の基端部から先端部まで該縦列遮蔽板に直交し互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ超硬合金からなる横列遮蔽板とを備え、上記縦列遮蔽板と上記横列遮蔽板とに囲まれた複数の光学筒が縦横に整列しているものである。
上記複数枚の縦列遮蔽板と上記複数枚の横列遮蔽板の交差箇所には、上記縦列遮蔽板と上記横列遮蔽板の両方又はいずれか一方に噛み合わせ用スリットが形成され、上記縦列遮蔽板と上記横列遮蔽板とが上記噛み合わせ用スリットによって互いに噛み合わされていてもよい。
また、本発明の放射線コリメータ製造方法は、互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ縦列遮蔽板と各縦列遮蔽板に直交して各縦列遮蔽板を連結する横リブとを一体的に超硬合金材料により形成し、互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ横列遮蔽板と各横列遮蔽板に直交して各横列遮蔽板を連結する縦リブとを一体的に超硬合金材料により形成し、上記縦列遮蔽板の上記横リブの反対端と上記横列遮蔽板の上記縦リブの反対端の両方又はいずれか一方に噛み合わせ用スリットを形成し、上記縦列遮蔽板と上記横列遮蔽板とを上記噛み合わせ用スリットによって互いに噛み合わせることにより、各縦列遮蔽板と各横列遮蔽板を基端部から先端部まで直交させ、この状態で上記縦列遮蔽板と上記横列遮蔽板を接合させた後、上記横リブと上記縦リブの両方又はいずれか一方を切り離すものである。
上記縦列遮蔽板と上記横リブとの連結部及び上記横列遮蔽板と上記縦リブとの連結部の両方又はいずれか一方に、あらかじめ細径部を形成することにより、上記縦列遮蔽板と上記横列遮蔽板とを噛み合わせるときに、上記細径部が座屈可能にしておいてもよい。
上記縦列遮蔽板と上記横列遮蔽板を接合させた後、上記横リブと上記縦リブの両方又はいずれか一方をワイヤ放電加工により切り離してもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)放射線遮蔽効果が高い。
(2)環境汚染がない。
(3)加工精度が高い。
(4)製造が簡単である。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1(a)及び図1(b)に示されるように、本発明に係る放射線コリメータ1は、互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ超硬合金からなる縦列遮蔽板2と、縦列遮蔽板2の基端部から先端部まで縦列遮蔽板2に直交し互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ超硬合金からなる横列遮蔽板3とを備え、縦列遮蔽板2と横列遮蔽板3とに囲まれた複数の光学筒4が縦横に整列しているものである。
また、光学筒4の内側寸法は縦横それぞれ1.2mmである。
図2に示されるように、放射線コリメータ1が設置される撮像器5は、放射線を受光する受光素子6が受光面視で縦横に複数配列されたものである。放射線コリメータ1のひとつひとつの光学筒4が受光素子6のひとつひとつに正対して臨んでいる。
複数枚の縦列遮蔽板2と複数枚の横列遮蔽板3の交差箇所には、縦列遮蔽板2と横列遮蔽板3の両方又はいずれか一方に噛み合わせ用スリット(図示せず)が形成され、縦列遮蔽板2と横列遮蔽板3とが上記噛み合わせ用スリットによって互いに噛み合わされている。噛み合わせ用スリットは、図1のように組立後の状態では見えないので、製造方法の説明中において説明する。
縦列遮蔽板2及び横列遮蔽板3に用いられる超硬合金(Cemented Carbide)は、硬質の金属炭化物の粉末を焼結して作られる。一般に、炭化タングステンWCと結合材であるコバルトCoを混合して焼結する。ここで、密度の高い物質を例示して超硬合金と密度を比較すると、
鉛 11.470kg/m3
タングステン 19.290kg/m3
コバルト 8.930kg/m3
超硬合金 約15.000kg/m3
である。
鉛 11.470kg/m3
タングステン 19.290kg/m3
コバルト 8.930kg/m3
超硬合金 約15.000kg/m3
である。
このように超硬合金は鉛よりも密度が高いので、鉛よりも放射線遮蔽効果が高い材料である。材料の放射線遮蔽効果が高いことにより、光学筒の長さを短くすることができる。また、超硬合金は切削工具に多く利用されており、市場が広いので値段が比較的安い。また、超硬合金は、硬度は高いが、ワイヤ放電加工によれば、加工し易い。また、超硬合金は、密度が高いので鉛より遮蔽板2,3の厚さを薄く形成することも可能となる。
以上のように、本発明の放射線コリメータ1は、比重の高い超硬合金を用いているので、同じ形状のものを鉛で形成した場合に比べて放射線遮蔽効果が高い。また本発明の放射線コリメータ1は、鉛を用いないので環境を汚染することもない。また本発明の放射線コリメータ1は、複数枚の縦列遮蔽板2と複数枚の横列遮蔽板3とを組み合わせることで縦横に整列した光学筒4を形成しているため、誤差の蓄積がなく加工精度が高い。更に、本発明の放射線コリメータ1は複数枚の縦列遮蔽板2が一体となっており、複数枚の横列遮蔽板3もまた一体となっており、これらを組み合わせて形成されるので製造が簡単である。また本発明の放射線コリメータ1は、タングステンより加工の容易な超硬合金を用いているので、同じ形状のものをタングステンで形成する場合に比べて、製造が簡単である。
次に、本発明に係る放射線コリメータ製造方法を説明する。
図3に示されるように、互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ縦列遮蔽板2と、各縦列遮蔽板2に直交して各縦列遮蔽板2を連結する横リブ6とを一体的に超硬合金材料により形成し、縦列遮蔽板側パーツ7とする。ここでは、超硬合金材料のブロック材をワイヤ放電加工することにより、縦列遮蔽板側パーツ7が形成される。
縦列遮蔽板側パーツ7は、横リブ6を設けた側が図1では縦列遮蔽板2の先端部に相当する。縦列遮蔽板2には、所定の間隔(横列遮蔽板3の配置間隔に等しい)をおいて、横リブ6を設けた側の反対側である基端部から先端部(横リブ6を設けた側)に向けて噛み合わせ用スリット8が形成されている。本実施形態では、噛み合わせ用スリット8は縦列遮蔽板2の先端部まで達している。縦列遮蔽板2と横リブ6は、後述する連結部によって連結されている。
ワイヤ加工(ワイヤ放電加工)は、ワイヤから対象物に放電することにより、放電箇所を溶融させて対象物を切断するもので、ワイヤの送り(対象物を送ってもよい)により任意形状の製品を切り出すことができる。これにより、複数枚の縦列遮蔽板2、これに直交する複数本の横リブ6、複数の噛み合わせ用スリット8、複数の連結部からなる縦列遮蔽板側パーツ7を一体の部品として切り出すことができる。
一方、図4に示されるように、互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ横列遮蔽板3と、各横列遮蔽板3に直交して各横列遮蔽板3を連結する縦リブ9とを一体的に超硬合金材料により形成し、横列遮蔽板側パーツ10とする。横列遮蔽板側パーツ10も、縦列遮蔽板側パーツ7と同様に、超硬合金材料のブロック材をワイヤ加工することにより形成される。
横列遮蔽板側パーツ10は、縦リブ9を設けた側が図1では横列遮蔽板3の基端部に相当する。本実施形態では横列遮蔽板3に噛み合わせ用スリットはないが、横列遮蔽板3に噛み合わせ用スリットを形成する場合は、縦リブ9を設けた側の反対側である先端部に、縦列遮蔽板2の配置間隔に等しい間隔で、縦列遮蔽板2の噛み合わせ用スリット8の深さと相補的な深さとなるよう噛み合わせ用スリットを形成するとよい。
図5に示されるように、縦列遮蔽板側パーツ7を図3の状態から上下反転させ、横列遮蔽板側パーツ10と組み合わせる。具体的には、縦列遮蔽板2と横列遮蔽板3とを噛み合わせ用スリット8によって互いに噛み合わせることにより、各縦列遮蔽板2と各横列遮蔽板3を基端部から先端部まで直交させる。
図6に示されるように、噛み合わせ用スリット8による噛み合わせにより、各縦列遮蔽板2と各横列遮蔽板3は、基端部から先端部まで直交した状態となる。この状態で縦列遮蔽板2と横列遮蔽板3を接合させる。このとき、タングステン入りの接着剤で隙間を埋めるようにして接合を行う。接着剤のベースは、隙間に染み込みやすいアンダーフィル剤を用いる。タングステン入りの接着剤とするのは、噛み合わせ用スリット8による噛み合わせの部分にごく小さな隙間ができても迷光の原因になるからで、タングステン入りの接着剤で隙間を埋めることにより、隙間からの迷光は生じない。
このようにして、縦列遮蔽板側パーツ7と横列遮蔽板側パーツ10とが噛み合わされた状態で接着剤固定されたものを噛み合わせアセンブリ11と呼ぶ。図7に示されるように、噛み合わせアセンブリ11は、巨視的に見て直方体の部材となる。
図8に示されるように、噛み合わせアセンブリ11を拡大して見ると、先端部には、横リブ6が突き出している。縦列遮蔽板2の噛み合わせ用スリット8には、噛み合わされた横列遮蔽板3の側部端面が表れている。噛み合わせ用スリット8と横列遮蔽板3とに微小な隙間があっても、タングステン入りの接着剤で埋められている。
本発明に係る放射線コリメータ製造方法では、噛み合わせアセンブリ11の形成後、横リブ6と縦リブ9の両方又はいずれか一方を切り離す。本実施形態では、横リブ6のみを切り離す。
図9に示した状態は、図7の噛み合わせアセンブリ11を、先端部の適宜な高さにおいてワイヤ加工で水平に切断することにより、横リブ6を取り除いた状態である。この後、切断面を研磨することにより、いっそう面精度を高めるとよい。
図10に示されるように、縦横に配列された光学筒4の先端面が精度の高い面となっている。
以上の過程により、図1の放射線コリメータ1が製造される。
本発明の放射線コリメータ製造方法にあっては、複数枚の縦列遮蔽板2と各縦列遮蔽板2を連結する横リブ6とを一体的に形成し、横列遮蔽板3と各横列遮蔽板3を連結する縦リブ9とを一体的に形成し、このように形成した縦列遮蔽板側パーツ7と横列遮蔽板側パーツ10とを噛み合わせ用スリット8により噛み合わせて組み立てるので、加工精度が高く、しかも、製造が簡単である。特に、ワイヤ加工では、0.1mm精度での加工が可能であるから、加工精度が高くできる。
このような噛み合わせによる組み立ては、材料が超硬合金のように硬い材料を用いることにより可能となる。鉛を用いて縦列遮蔽板2及び横列遮蔽板3を作製しても、噛み合わせによる組み立ては不可能である。その理由は噛み合わせで組み立てるときに、縦列遮蔽板2と横列遮蔽板3が微妙な誤差のために噛み合わせ用スリット8のところで干渉すると、鉛は軟らかすぎて、潰れてしまうからである。
本発明の放射線コリメータ製造方法にあっては、縦列遮蔽板側パーツ7と横列遮蔽板側パーツ10とが噛み合わされた状態で接着剤固定された後、噛み合わせアセンブリ11から横リブ6と縦リブ9の両方又はいずれか一方を切り離す。その理由を次に説明する。
図11(a)に示されるように、放射線コリメータ1を撮像器5に設置するとき、さまざまの理由で放射線コリメータ1の光学筒4の先端部の面と撮像器5の受光素子6の受光面との間に、隙間が生じる。
図11(b)に示されるように、隙間が大きいとき、光学筒4aの基端部に傾斜して入射した放射線が光学筒4aの先端部から出射すると、放射線は隙間を通る。当該光学筒4aに正対している受光素子6aの隣にある受光素子6bに放射線が入射する。受光素子6bは、本来は光学筒4bからの放射線を受光するためのものであるが、光学筒4aからの迷光が入射するため、出力信号に雑音を含むことになる。撮像器5全体の複数の受光素子6において同様の雑音が生じ、放射線映像の解像度が低下する。
図11(c)に示されるように、隙間が小さいとき、光学筒4aの基端部に傾斜して入射した放射線は、隙間が小さいため、受光素子6aに入射し、受光素子6bには入射しない。各受光素子6はそれぞれ本来の光学筒4からの放射線のみ受光し、近隣の光学筒4からの迷光は受光しなくなる。よって、撮像器5における放射線映像の解像度が向上する。
従来の放射線コリメータでは、受光素子6に接する先端部の面精度が低いため、隙間が大きくなる。本発明の放射線コリメータ1は、噛み合わせアセンブリ11をワイヤ加工で切断するので、先端部の面精度が高い。また、その切断面を研磨することにより、いっそう面精度を高めることができる。よって、本発明の放射線コリメータ1は、撮像器5に装着したときの隙間を小さくして、放射線映像の解像度向上に寄与する。
図12に示されるように、縦列遮蔽板2と横リブ6との連結部12は、その全長にわたり、径(幅及び厚み)が小さい細径部13として形成される。図示例では、幅及び厚みはそれぞれ0.1〜0.2mmである。細径部13は連結部12の全長にわたらなくてもよい。
このように、縦列遮蔽板2と横リブ6との連結部12に細径部13を形成しておくことにより、図5から図6に至る噛み合わせの工程において、多少の寸法誤差や歪みのため、縦列遮蔽板側パーツ7と横列遮蔽板側パーツ10とがうまく噛み合わないときでも、細径部13が座屈して折れることにより、図6の状態まで工程を進めることができる。
また、噛み合わせ用スリット8の開口幅と横列遮蔽板3の厚みとのクリアランスを小さくしすぎると、縦列遮蔽板側パーツ7と横列遮蔽板側パーツ10とがうまく噛み合わない。反面、クリアランスを大きくしすぎると、噛み合わせは容易になっても、縦列遮蔽板2と横列遮蔽板3に隙間が生じ、迷光の原因となる。本発明によれば、クリアランスが小さくて縦列遮蔽板側パーツ7と横列遮蔽板側パーツ10とがうまく噛み合わない場合でも、細径部13が座屈して折れることにより、図6の状態まで工程を進めることができる。
横列遮蔽板3と縦リブ9との間にも同様の連結部を形成してもよい。
次に、ワイヤ加工による縦列遮蔽板側パーツ7及び横列遮蔽板側パーツ10の製造方法を説明する。
図13に示されるように、超硬合金材料のブロック材14に対し、ワイヤ15を矢印の方向に移動させ、経路16に沿って進める。ワイヤ15の径(=経路16の幅)Waは細いが、ワイヤ15に接した超硬合金が溶融して経路16の幅Wbよりも幅広く超硬合金が消失する。経路16を全部進み終えると、ブロック材14は2つに分裂され、分裂片はどちらも縦列遮蔽板側パーツ7となる。つまり、1つのブロック材14から同時に2個の縦列遮蔽板側パーツ7を製造することができる。これを具現するためには、縦列遮蔽板2の厚みT、縦列遮蔽板2の配列ピッチP、消失幅(経路幅W+両側の溶融分)の関係を考慮する。例えば、配列ピッチP=1.2mm、厚みT=0.2mm、経路幅W=0.2mmとすると、片側の溶融分が0.3mmとなるように放電量を設定すればよい。
横列遮蔽板側パーツ10についても同様の製造方法が適用できる。
このように、1つのブロック材14から同時に2個の縦列遮蔽板側パーツ7又は横列遮蔽板側パーツ10を製造することにより、資源の有効利用、電力の有効利用が達成され、また、生産時間が短縮され、コストダウンに貢献する。
1 放射線コリメータ
2 縦列遮蔽板
3 横列遮蔽板
4 光学筒
5 撮像器
6 横リブ
7 縦列遮蔽板側パーツ
8 噛み合わせ用スリット
9 縦リブ
10 横列遮蔽板側パーツ
11 噛み合わせアセンブリ
12 連結部
13 細径部
14 ブロック材
15 ワイヤ
16 経路
2 縦列遮蔽板
3 横列遮蔽板
4 光学筒
5 撮像器
6 横リブ
7 縦列遮蔽板側パーツ
8 噛み合わせ用スリット
9 縦リブ
10 横列遮蔽板側パーツ
11 噛み合わせアセンブリ
12 連結部
13 細径部
14 ブロック材
15 ワイヤ
16 経路
Claims (5)
- 互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ超硬合金からなる縦列遮蔽板と、該縦列遮蔽板の基端部から先端部まで該縦列遮蔽板に直交し互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ超硬合金からなる横列遮蔽板とを備え、上記縦列遮蔽板と上記横列遮蔽板とに囲まれた複数の光学筒が縦横に整列していることを特徴とする放射線コリメータ。
- 上記複数枚の縦列遮蔽板と上記複数枚の横列遮蔽板の交差箇所には、上記縦列遮蔽板と上記横列遮蔽板の両方又はいずれか一方に噛み合わせ用スリットが形成され、上記縦列遮蔽板と上記横列遮蔽板とが上記噛み合わせ用スリットによって互いに噛み合わされていることを特徴とする請求項1記載の放射線コリメータ。
- 互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ縦列遮蔽板と各縦列遮蔽板に直交して各縦列遮蔽板を連結する横リブとを一体的に超硬合金材料により形成し、互いに面を平行に対向させて等間隔で複数枚並ぶ横列遮蔽板と各横列遮蔽板に直交して各横列遮蔽板を連結する縦リブとを一体的に超硬合金材料により形成し、上記縦列遮蔽板の上記横リブの反対端と上記横列遮蔽板の上記縦リブの反対端の両方又はいずれか一方に噛み合わせ用スリットを形成し、上記縦列遮蔽板と上記横列遮蔽板とを上記噛み合わせ用スリットによって互いに噛み合わせることにより、各縦列遮蔽板と各横列遮蔽板を基端部から先端部まで直交させ、この状態で上記縦列遮蔽板と上記横列遮蔽板を接合させた後、上記横リブと上記縦リブの両方又はいずれか一方を切り離すことを特徴とする放射線コリメータ製造方法。
- 上記縦列遮蔽板と上記横リブとの連結部及び上記横列遮蔽板と上記縦リブとの連結部の両方又はいずれか一方に、あらかじめ細径部を形成することにより、上記縦列遮蔽板と上記横列遮蔽板とを噛み合わせるときに、上記細径部が座屈可能にしておくことを特徴とする請求項3記載の放射線コリメータ製造方法。
- 上記縦列遮蔽板と上記横列遮蔽板を接合させた後、上記横リブと上記縦リブの両方又はいずれか一方をワイヤ放電加工により切り離すことを特徴とする請求項3又は4記載の放射線コリメータ製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014503061A (ja) * | 2010-10-07 | 2014-02-06 | プランゼー エスエー | X線、ガンマ線又は粒子線のためのコリメータ |
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2008
- 2008-09-30 JP JP2008253765A patent/JP2010085211A/ja active Pending
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JP2014503061A (ja) * | 2010-10-07 | 2014-02-06 | プランゼー エスエー | X線、ガンマ線又は粒子線のためのコリメータ |
US9721693B2 (en) | 2010-10-07 | 2017-08-01 | Plansee Se | Collimator for x-ray, gamma, or particle radiation |
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