JP2010084909A - 流体軸受装置およびこれを備えたスピンドルモータ、情報装置 - Google Patents

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洋生 吉川
Sadayoshi Ito
貞芳 伊藤
Yukinori Maruyama
幸紀 丸山
Yukihiro Ashizaki
幸弘 芦崎
Shigeo Obata
茂雄 小幡
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Abstract

【課題】機器の小型化・大容量化に伴い、軸受剛性が重視され、構造上潤滑流体溜まり部を形成するトップカバーを軸方向に設けることができず、この溜まり部をスリーブに内蔵する構造とする必要がある。この場合、潤滑流体溜まり部がスリーブに内包されているため潤滑流体量が可視化できず、製造工程における管理が困難となっていた。
【解決手段】スリーブは、潤滑流体溜り部における潤滑流体の気液境界面を外部から観察可能とするように、少なくとも一部が透光性材料で形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハードディスク駆動装置等に搭載される流体軸受装置およびこれを備えたスピンドルモータ、情報装置に関する。
近年、ハードディスク駆動装置(以下、HDD)等のディスク駆動装置に搭載されるスピンドルモータは、非接触回転によって低NRRO(Non-Repetitive Run Out)や低騒音が実現できる動圧流体軸受(以下、流体軸受装置と示す。)が用いられている。
このような流体軸受装置では、流体軸受装置の角度剛性を向上させるために、軸とスリーブとの間の隙間に形成されるラジアル軸受部の長さをできるだけ長く確保した構成を採用することが望ましい。一方で、スピンドルモータの薄型化の要求も存在することから、ラジアル軸受部の長さを十分に確保しながら、流体軸受装置の厚みが増大しないような構成が必要とされている。
また、軸受部分における潤滑流体切れを防止するために、軸受部分に対して潤滑流体を供給する潤滑流体溜り部を設けた流体軸受装置がある。このような流体軸受装置では、十分な量の潤滑流体を貯留するために、例えば、スリーブの周辺に略円環状の潤滑流体溜り部が設けられる。
この潤滑流体溜り部は、貯留される潤滑流体の量を適正に調整するために、外部から観測可能であることが望ましい。
特許文献1には、トップカバーとスリーブ上端部との間の隙間に、潤滑流体溜り部を設けた流体軸受装置について開示されている。ここでは、トップカバーの一部に透光性の部材を用いることで、潤滑流体溜り部内の潤滑流体の気液境界面の位置を外部から観察しながら、適正な液量調整を行なうことができる。
特開2006−170230号公報(平成18年6月29日公開) 特開2006−162029号公報(平成18年6月22日公開) 特開2004−003582号公報(平成16年1月8日公開)
しかしながら、上記従来の流体軸受装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された流体軸受装置では、例えば、軸受の高剛性化を図るためにラジアル軸受の長さを十分確保した構成を採用した場合には、軸受上部に潤滑流体溜り部を配置できないため、外部から観察できない位置(例えば、スリーブ内部等)に潤滑流体溜り部を移動させる必要がある。この場合には、潤滑流体溜り部を外部から観察することができなくなり、潤滑流体溜り部における潤滑流体溜り部を適正に調整することが困難になる。
本発明は、通常は外部から観察不能な潤滑流体溜り部内における潤滑流体の貯留量を高精度に管理することが可能な流体軸受装置およびスピンドルモータ、情報装置を提供することにある。
第1の発明に係る流体軸受装置(請求項1)は、軸と、前記軸が装填される軸受孔を有するスリーブと、前記軸と前記スリーブとの間の隙間に配置された動圧軸受部と、前記動圧軸受部を含む隙間に充填される潤滑流体と、前記スリーブの内部または外周部近傍に配置され、前記動圧軸受部に対して供給される前記潤滑流体を貯留する潤滑流体溜り部と、前記潤滑流体溜り部と外気とを連通させる換気路と、前記軸の一端に固定され、前記軸と一体的に回転すると共に、前記スリーブとの対向面から突出した略円環状の垂下部を有するハブと、前記潤滑流体溜り部と連通しかつ外気とも連通する、前記スリーブの外周面と前記ハブの垂下部の内周面との間の隙間に配置され、前記潤滑流体を保持するシール部と、前記スリーブの少なくとも一部に形成されており、前記潤滑流体溜り部における前記潤滑流体の気液境界面を外部から観察可能とするように、透光性材料で形成された透光部と、を備えている流体軸受装置である。
これにより、潤滑流体溜り部の気液境界面を観察しながら、適正な潤滑流体量に調整することができる。
第2の発明に係る流体軸受装置(請求項10)は、軸と、前記軸が装填される軸受孔を有するスリーブと、前記軸と前記スリーブとの間の隙間に配置された動圧軸受部と、前記動圧軸受部を含む隙間に充填される潤滑流体と、前記スリーブの内部または外周部近傍に配置され、前記動圧軸受部に対して供給される前記潤滑流体を貯留する潤滑流体溜り部と、前記潤滑流体溜り部と外気とを連通させる換気路と、前記軸の一端に固定され、前記軸と一体的に回転すると共に、前記スリーブとの対向面から突出した略円環状の垂下部を有するハブと、前記潤滑流体溜り部と連通しかつ外気と連通する、前記スリーブの外周面と前記ハブの垂下部の内周面との間の隙間に配置され、前記潤滑流体を保持するシール部と、前記ハブの垂下部の少なくとも一部に形成されており、前記シール部における前記潤滑流体の気液境界面を外部から観察可能とするように、透光性材料で形成された透光部と、を備えている流体軸受装置である。
これにより、シール部の気液境界面を観察しながら、適正な潤滑流体量に調整することができる。
第3の発明に係る流体軸受装置(請求項15)は、軸と、前記軸が装填される軸受孔を有するスリーブと、前記軸と前記スリーブとの間の隙間に配置された動圧軸受部と、前記スリーブの内部または外周部近傍に配置され、前記動圧軸受部に対して供給される潤滑流体を貯留する潤滑流体溜り部と、前記軸の一端に固定され、前記軸と一体的に回転すると共に、前記スリーブとの対向面から突出した略円環状の垂下部を有するハブと、前記潤滑流体溜り部と連通しかつ外気とも連通する、前記スリーブの外周面と前記ハブの垂下部の内周面との間の隙間に配置され、前記潤滑流体を保持するシール部と、前記潤滑流体溜り部と外気とを連通させ、前記ハブの垂下部の端面と、前記シール部と、前記スリーブの外周面とからなる領域に軸受内部に充填する量の潤滑流体を給液した状態で、保持した前記潤滑流体によって閉塞される位置に形成される換気路と、を備えている流体軸受装置である。
これにより、必要な量の潤滑流体を流体軸受装置内に注油することが可能となる。
第4の発明に係る流体軸受装置の製造装置(請求項16)は、軸と、前記軸が装填される軸受孔を有するスリーブと、前記軸と前記スリーブとの間の隙間に配置された動圧軸受部と、前記動圧軸受部を含む隙間に充填される潤滑流体と、前記スリーブの端部または外周部近傍に配置され、前記動圧軸受部に対して供給される前記潤滑流体を貯留する潤滑流体溜り部と、前記軸の一端に固定され、前記軸と一体的に回転すると共に、前記スリーブの外周部との対向面から突出した略円環状の垂下部を有するハブと、前記潤滑流体溜り部と連通しかつ外気と連通する、前記スリーブの外周面と前記ハブの垂下部の内周面との間の隙間に配置され、前記潤滑流体を保持するシール部と、前記ハブの垂下部の少なくとも一部に形成されており、前記シール部における前記潤滑流体の気液境界面を外部から観察可能とするように、透光性材料で形成された透光部と、を備えている流体軸受装置である。
これにより、シール部の気液境界面を観察しながら、適正な潤滑流体量に調整することができる。
第5の発明に係る流体軸受装置の製造装置(請求項21)は、軸と、前記軸が装填される軸受孔を有するスリーブと、前記軸と前記スリーブとの間の隙間に配置された動圧軸受部と、前記スリーブの内部または外周部近傍に配置され、前記動圧軸受部に対して供給される潤滑流体を貯留する潤滑流体溜り部と、前記潤滑流体溜り部と外気とを連通させる換気路と、前記軸の一端に固定され、前記軸と一体的に回転すると共に、前記スリーブとの対向面から突出した略円環状の垂下部を有するハブと、前記潤滑流体溜り部と連通しかつ外気とも連通する、前記スリーブの外周面と前記ハブの垂下部の内周面との間の隙間に配置され、前記潤滑流体を保持するシール部と、を備えた流体軸受装置の製造装置であって、前記流体軸受装置に必要な量より多い潤滑流体を軸受内に注油した後、余分な潤滑流体を除去して適正量に調整する工程において使用され、適正量に相当する気液境界面の位置近傍に配置された観測撮影装置を、備えている流体軸受装置の製造装置である。
これにより、曲面を有するスリーブの外周側からでも潤滑流体溜り部の気液境界面を観察しながら、適正な潤滑流体量に調整することができる。
本発明に係る流体軸受装置によれば、ラジアル軸受部の軸方向長さを十分に確保して軸受の角度剛性を向上させる流体軸受装置であって、潤滑流体溜り部の潤滑流体の気液境界面が通常では観察できない位置に設けられていても、スリーブの少なくとも一部に透光性を有する透光部が設けられているため、気液境界面を容易に観察できる構成となっている。
(実施の形態1)
本発明の一実施形態に係る流体軸受装置20を搭載したスピンドルモータ10について、図1〜図4を用いて説明する。
[スピンドルモータ10全体の構成]
本実施形態に係るスピンドルモータ10は、図1に示すように、ロータマグネット16、複数のコイルが巻回されたステータコア17、ベース18および流体軸受装置20を備えている。
ロータマグネット16は、流体軸受装置20に含まれるロータハブ(ハブ)15の内周面側において、円周方向に多極着磁されて取り付けられている。そして、ロータマグネット16は、対向配置されたステータコア17のコイルに順次通電させてステータコア17との間に回転磁界を発生させることで、シャフト12を中心としてロータハブ15を回転させる。
ベース18は、ステータコア17や吸引板19等の静止側部材が配置されている。そして、その略中心部分には、スリーブ11を固着するための中空円筒部18aおよびその中心に開けられた中央穴18bが設けられている。そのベース18の中空円筒部18aの外周部18cには、コイルが巻線されたステータコア17が接着または圧入等によって固定されている。
流体軸受装置20は、シャフト12を中心として磁気記録ディスク40を回転させるために、磁気記録ディスク40が搭載されたロータハブ15を含む回転側の部材を固定側の部材(スリーブ11等)に対して互いに非接触の状態で支持し、スムーズに回転させる。流体軸受装置20には、オイル、高流動性グリス、イオン性液体等の潤滑流体26が充填されている。なお、流体軸受装置20の構成については、以下に詳述する。
[流体軸受装置20の構成]
流体軸受装置20は、図2に示すように、スリーブ11(本実施の形態においては、31および32から構成)、シャフト12、スラストフランジ13、スラスト板14、ロータハブ15、テーパシール部21、および第1流体溜り部(第1潤滑流体溜り部)27、第2流体溜り部(第2潤滑流体溜り部)22等を有している。
(スリーブ11)
スリーブ11は、軸受孔11aを有し、鉄、鉄合金、銅、銅合金等の金属材料等によって形成される2つの部材(第1、第2スリーブ部材31、32)によって構成され、ベース18に対して接着等で固定されている。また、スリーブ11は、図2に示すように、軸方向に沿って形成された連通孔11bと、シャフト12の外周面と対向する軸受孔11aの内周面側に形成されたラジアル動圧発生溝(ラジアル軸受部)11cと、ロータハブ15との対向面に形成されたスラスト動圧発生溝32aと、を有している。さらに、スリーブ11は、図2および図3に示すように、略円環状に形成される第1流体溜まり部(第1潤滑流体溜まり部)27を内包している。また、スリーブ11は、この第1流体溜まり部27を外気と連通させる換気孔28を外周面に有している。
第1スリーブ部材31は、スリーブ11におけるシャフト12の外周面と対向する内側に配置されるインナースリーブとして構成されている。第1スリーブ部材31は、全体として略円環状の部材であって、軸方向に沿った断面が略L字型の形状を有している。また、第1スリーブ部材31は、シャフト12の外周面と対向する内周面に、ラジアル動圧発生溝11cを有している。
第1スリーブ部材31は、略L字型の断面をシャフト12のスラストフランジ13を互いに当接させるようにして組立てられる。これにより、例えば、流体軸受装置20に対して軸方向に大きな衝撃や振動が付与され、回転側部材が固定側部材に対して軸方向に急激に移動しようとした場合でも、シャフト12のスラストフランジ13部分が第1スリーブ部材31に係合して、軸方向にずれてしまうことを回避することができる。
第2スリーブ部材32は、第1スリーブ部材31の外周側でかつ開放端側に当接するように配置される略円環状の部材である。第2スリーブ部材32は、図2および図4に示すように、ロータハブ15と対向する面における径方向外側の位置に、スラスト動圧発生溝32aを有している。また、第2スリーブ部材32は、第1スリーブ部材31との間の隙間に、後述する第1流体溜まり部27を外気と連通させる換気路28を形成する。換気路28は第1スリーブ部材31または第2スリーブ部材32に形成された溝であってもよいし、第2スリーブ部材32の内周面と外周面を貫通する孔であってもよい。
連通孔11bは、スリーブ11を軸方向に貫通するように形成された貫通穴であって、上述した第1スリーブ部材31に形成される。連通孔11bは、非対称なラジアル動圧発生溝11c等によって生成される潤滑流体26の循環力によって、軸受部を含む隙間内において潤滑流体26を循環させる。
ラジアル動圧発生溝11cは、上下に分かれて配置される2組のヘリングボーン形状の動圧発生溝であって、回転側であるシャフト12が回転することにより動圧を発生させる。また、ラジアル動圧発生溝11cは、少なくとも1組は軸方向において非対称のヘリングボーン形状となっている。このため、スリーブ11とシャフト12との間の隙間(ラジアル軸受部)において所望の方向へ潤滑流体26の流れが形成される(本実施例の場合には、図2においてラジアル軸受部内を上から下に向いて循環する流れが形成される)。これにより、流体軸受装置20内において効率よく潤滑流体26を循環させて、潤滑流体26内に混入した気泡を効果的にラジアル軸受部外へと排出することができる。
スラスト動圧発生溝32aは、上述した第2スリーブ部材32におけるロータハブ15との対向面(上面)に円環状に形成されている。また、スラスト動圧発生溝32aは、第2スリーブ部材32の上面における径方向外側寄りに形成されている。動圧の発生方向は外周から内周に向かう方向である。これにより、本実施形態の流体軸受装置20では、スラストフランジ13とスラスト板14との対向面にスラスト動圧発生溝を形成した場合と比較して、さらに径方向外側の位置において動圧を発生させて、シャフト12の外乱による傾きを補正する角度剛性を大きくすることができる。
ラジアル動圧発生溝(ラジアル軸受部)11cを含むシャフト12とスリーブ11の軸受孔11aとの間、スラスト動圧発生溝(スラスト軸受部)32aを含むロータハブ15とスリーブ11との間の隙間には、潤滑流体26が充填されている。この潤滑流体26は、シャフト12を含む回転側部材が回転すると、動圧発生溝内に流入してポンピング圧力を発生させる。
また、第1スリーブ部材31と第2スリーブ部材32の嵌合部には、連通路32bが形成されている。連通路32bは第1スリーブ部材31の外周部または第2スリーブ部材32の内周部に形成された溝であってもよい。
このような構造によって、潤滑流体26は、ラジアル軸受部→連通路11b→第1流体溜り部27→連通路32b→第2流体溜り部22→ラジアル軸受部という循環経路で循環する。ラジアル軸受部等で発生した気泡は第1流体溜り部において気液分離され、換気路28から排出される。
なお、ラジアル動圧発生溝11cは、スリーブ11の内周面側ではなく、シャフト12の外周面側に形成されていてもよい。また、ラジアル動圧発生溝11cとしては、ヘリングボーン形状ではなく、2つのスパイラル形状(略ハの字形状)であってもよい。さらに、ラジアル軸受部とスラスト軸受部の双方の特性を備える円錐軸受でもよい。
(シャフト12)
シャフト12は、金属材料で構成された、直径が約2.0〜4.0mmの円筒状の外周面を有する部材(例えば、円柱状部材、円筒状部材)であって、軸受孔11a内に回転可能な状態で挿入されている。また、シャフト12の下端部には、中心部分に円形の開口を有する円板状のスラストフランジ13がカシメ、圧入、溶接等によって接合される。なお、スラストフランジ13は、シャフト12と一体成形されていてもよい。シャフト12は回転中心の軸として用いられることから、例えば、SUS等の比較的硬度が高いものが使われており、切削および研磨等によって加工される。
(スラストフランジ13)
スラストフランジ13は、略円板状の部材であって、上述したように、シャフト12に対して固定、または一体的に設けられている。そして、スラストフランジ13は、スリーブ11とスラスト板14とで囲まれた空間に収納されている。
スラストフランジ13の上面周辺部は、スリーブ11の下方に形成された段部(第1スリーブ部材31の底面部)に対向している。
上述のように、スラスト軸受部をロータハブ15とスリーブ11との間の隙間に形成する場合は、このスラストフランジ13は単に抜け止め部材として機能すればよいので、薄く形成することができる。
また、スラスト軸受部をこのスラストフランジ13と後述のスラスト板14との間の隙間に形成する場合は、互いに対向するスラストフランジ13の下面側またはスラスト板14の上面側にスラスト動圧発生溝を形成する。
(スラスト板14)
スラスト板14は、流体軸受装置20の下部開口を覆うように取り付けられた略円板状の部材である。
上述のように、スラスト軸受部をロータハブ15とスリーブ11との間の隙間に形成する場合は、このスラスト板14は単に気密を保って封止される閉塞部材として機能すればよいので、薄く形成することができる。
(ロータハブ15)
ロータハブ15は、略カップ状の形状であって、略中心部分に貫通孔を有している。この貫通孔には、シャフト12の上端部が圧入接着やレーザ溶接等によって固着されている。ロータハブ15には、スピンドルモータ10のロータマグネット16が取り付けられており、ステータ17に対して半径方向において対向している。また、ロータハブ15には、磁気記録ディスク40等の記録メディアが固定され、全体としてハードディスク装置のような磁気記録再生装置を構成する。さらに、ロータハブ15は、スリーブ11と対向する側の面から軸方向に沿って突出した垂下部15aを有している。
垂下部15aは、スリーブ11(第3スリーブ部材33)の外周側に近接するように、軸方向に沿って突出している。そして、垂下部15aは、第3スリーブ部材33の外周面との間の隙間において、テーパシール部21を形成する。
テーパシール部21は、図2に示すように、垂下部15aとの間の隙間が軸方向下向きに広がるように傾斜した第2スリーブ部材32の外周面とによって形成されている。テーパシール部21は、軸方向上向きに隙間が狭くなっていくため、第2流体溜まり部22に貯留された潤滑流体26を表面張力の作用によって保持することができる。
(第1流体溜まり部27)
第1流体溜まり部27は、図2、図3および図4に示すように、第1スリーブ部材31と第2スリーブ部材32とを組み合わせた状態で、スリーブ11に内包されるように形成された略円環状の隙間である。また、第1流体溜まり部27は、軸方向に沿って形成された連通孔11bに対して一部が略垂直に交差している。さらに、第1流体溜まり部27は、図2および図3に示すように、周方向に沿って径方向における隙間の大きさが変化するように形成されている。
具体的には、図3に示すように、第1流体溜まり部27を外気と連通させる換気孔28に近接する位置から周方向に沿って離間していくほど、径方向における隙間(断面積)が小さくなる周方向に湾曲したテーパシール構造30が形成されている。つまり、第1流体溜まり部27は、換気孔28から最も離間した位置に最小隙間部27a、換気孔28に最も近接する位置に最大隙間部27bを有している。
最小隙間部27aは、径方向隙間が最小隙間dとなっている。一方、最大隙間部27bは、径方向隙間が最大隙間Dとなっており、両者の関係はD>dである。
すなわち、第1流体溜まり部27は、図3に示すように、周方向において径方向隙間の大きさが、換気孔28から徐々に小さくなっていくテーパシール構造30を有している。このため、第1流体溜まり部27に貯留された潤滑流体26には、最も隙間が大きい換気孔28側から最も隙間が小さい連通孔11b側に向かって表面張力の作用によって吸引力が働く。よって、本実施形態では、第1流体溜まり部27内において、流体軸受装置の姿勢に関わらず、図3に示すように、気液境界面26aを境として、潤滑流体26を安定的に保持することができる。この結果、第1流体溜まり部27が換気孔28を介して外気と連通している構成であっても、貯留された潤滑流体26が換気孔28から外部へ漏れ出すことを防止することができる。
また、非対称なラジアル動圧発生溝11cによって生成される潤滑流体26の循環力によって連通孔11b内には、潤滑流体26が循環している。そして、第1流体溜まり部27と連通孔11bとは、最小隙間部27aの位置において一部が連通した状態で交差している。
(第2流体溜まり部22)
第2流体溜まり部22は、図2に示すように、スリーブ11とロータハブ15との対向面間の隙間に形成されている。また、第2流体溜まり部22に貯留された潤滑流体26は、上述した垂下部15aと第3スリーブ部材33との間に形成されたテーパシール部21において外気と連通している。よって、潤滑流体26は、第2流体溜まり部22において、含まれる気泡を外気へと排出することができる。
本実施形態では、スリーブ11に内包される略円環状の第1流体溜まり部27に加えて、ロータハブ15とスリーブ11との対向面間にも第2流体溜まり部22を設けている。
これにより、従来の流体軸受装置と比較して、潤滑流体溜まり部の容積を増大させ、より多くの潤滑流体26を装置内に貯留することができる。また、第1・第2流体溜まり部27,22の双方が、外気と連通するように形成されている。よって、装置内を循環する潤滑流体26が各潤滑流体溜まり部に流れ込んだ際には、潤滑流体26内に含まれる気泡を効果的に外気へと排出することができる。
[流体軸受装置20の潤滑流体の注油]
図5を用いて本実施の形態の流体軸受装置20への潤滑流体26の注油方法とそれに関する構造を説明する。
まず、ロータハブ15を含んだ流体軸受装置20を、減圧した真空チャンバー内に配置する。(第1の圧力)その後、図5の潤滑流体50を給液装置(図示せず)からディスペンサ(図示せず)等を介して滴下する。このとき、ロータハブ15の垂下部15aの端面最外周部には突出部15bを設けてもよい。これによって、所定量の潤滑流体50を垂下部15aから漏れ出すことなく保持できる。またはこの突出部15bの代わりに撥油剤を塗布してもよい。
また、このとき潤滑流体50によって、スリーブ11に設けた換気路28が塞がれていることが必要である。
その後、真空チャンバー内を第1の圧力よりも高い圧力(第2の圧力)に昇圧して、潤滑流体50を軸受内に押し込む。通常は大気圧に戻している。このとき、スリーブ11に設けた換気路28は塞がれているので、潤滑流体50はテーパ部21から軸受内に入り込む。
十分な量の潤滑流体が軸受内に行きわたった後で、換気路28が開くような位置関係とすることが望ましい。このときは必ずしも換気路28は開く必要はない。
次に、軸受内外の余分な潤滑流体を吸引することで適正な量に調整する。
[流体軸受装置20の潤滑流体量の調整]
図11、12および図6、7を用いて、本発明の潤滑流体量の調整方法とそれに関する構造について説明する。
潤滑流体を注油した後、テーパ部21に吸引管を差し込んで、余分な潤滑流体を吸引する。そのためには、第1流体溜まり部27の気液境界面26aを観察しなければならない。そのために本発明においては、第2スリーブ部材32を透光性を有する材料で形成している。具体的には、例えば透光性樹脂である。透光性樹脂としては、ポリエーテルイミド(PEI)やポリエーテルスルホン(PES)が考えられる。もちろん第2スリーブ部材32の全体を透光性を有する材料で形成する必要はなく、少なくとも一部を透光性を有する材料で形成した透光部を有していればよい。この透光部は潤滑流体量の調整のために、気液境界面26aが観察できることが必要である。
図11は、観測撮影装置60とその光源61を表す。観測撮影装置60と光源61は、例えば、最適な潤滑流体量のときの気液境界面26aの位置近傍に配置する。最適な潤滑流体量とは、潤滑流体が温度上昇による熱膨張や振動・衝撃によって換気路28から漏れ出さない量をいう。
観測撮影装置60と光源61は、図11に示すように観測撮影装置62と光源63をさらに配置してもよい。
2つの気液境界面26aが適正位置に入ったときに、前記の吸引管からの吸引を停止する。
もちろん、1つの気液境界面26aのみを観察してもよい。
生産上はこの吸引管は換気路28の反対側に配置することが、自動化作業をやり易くする。
光源61、63は、第2スリーブ部材32の外周が曲面を形成しているので、多点照明を使用することが望ましい。これによって、観測画像の中央付近に軸方向にできる暗い筋の影響をなくすことができ、より正確な観察ができる。
また、図12に示すように、スリーブ11の外方にはロータマグネット16が配置されており、観察スペースが小さい。よって、図12に示すように、反射板65を用いて観測撮影装置64で観察することが有効である。
次に、気液境界面26aをより観察し易くする構造を説明する。図6は第2スリーブ部材32の外周部に凸状部51を形成してレンズ効果を持たせ、透光性材料を通して観測される気液境界面26aを拡大して観察する構造である。
図7(a)、(b)、(c)は第2スリーブ部材32の外周部の一部に平面部を設けて、さらに観察をし易くしたものである。図7(a)は、換気路28を含む外周曲面を一部切り欠きして第1の平面部52を形成したものである。これにより、通常の光源を使用して容易に気液境界面26aを観察することができる。また、図7(c)は、最適な気液境界面26aが前記第1の平面部52の範囲外に位置する場合である。このときは、切り欠きを多くすると平面部は広がるが第2スリーブ部材32の肉厚が薄くなってしまう。このため、
第2の平面部53および第3の平面部54をさらに形成する。これによって、同様に通常の光源を使用して容易に気液境界面26aを観察することができる。なお、平面は1面または3面に限らず、多面であってもよい。
なお、この構造において、適正な潤滑流体量を観察できるように垂下部15aの少なくとも一部は、透光性を有する材料で形成してもよい。具体的には、例えば透光性樹脂である。透光性樹脂としては、ポリエーテルイミド(PEI)やポリエーテルスルホン(PES)が考えられる。
(実施の形態2)
本発明の他の実施の形態を、図8を用いて説明する。
前述の実施の形態1との相違点は、スリーブ111の構成である。他は実施の形態1と同様なので説明は省略する。
[流体軸受装置70の構成]
流体軸受装置70は、図8、9に示すように、スリーブ111(本実施の形態においては、131、132および133から構成)、シャフト112、スラストフランジ113、スラスト板114、ロータハブ115、テーパシール部121、および第1流体溜り部(第1潤滑流体溜り部)127、第2流体溜り部(第2潤滑流体溜り部)122等を有している。
(スリーブ111)
スリーブ111は、軸受孔111aを有し、鉄、鉄合金、銅、銅合金等の金属材料等によって形成される3つの部材(第1、第2、第3スリーブ部材131、132、133)によって構成され、ベース118に対して接着等で固定されている。また、スリーブ111は、図9に示すように、軸方向に沿って形成された連通孔111bと、シャフト112の外周面と対向する軸受孔111aの内周面側に形成されたラジアル動圧発生溝(ラジアル軸受部)111cと、ロータハブ115との対向面に形成されたスラスト動圧発生溝132aと、を有している。さらに、スリーブ111は、図8および図9に示すように、略円環状に形成される第1流体溜まり部(第1潤滑流体溜まり部)127を内包している。また、スリーブ111は、この第1流体溜まり部127を外気と連通させる換気孔128を外周面に有している。
第1スリーブ部材131は、スリーブ111におけるシャフト112の外周面と対向する内側に配置されるインナースリーブとして構成されている。第1スリーブ部材131は、全体として略円環状の部材であって、軸方向に沿った断面が略L字型の形状を有している。また、第1スリーブ部材131は、シャフト112の外周面と対向する内周面に、ラジアル動圧発生溝111cを有している。
第1スリーブ部材131は略L字型の断面を有し、第2スリーブ部材132の有する同じく略L字型の断面とを互いに当接させるようにして組立てられる。これにより、例えば、流体軸受装置70に対して軸方向に大きな衝撃や振動が付与され、回転側部材が固定側部材に対して軸方向に急激に移動しようとした場合でも、シャフト112のスラストフランジ113部分が第1スリーブ部材131に係合して、軸方向にずれてしまうことを回避することができ、それをさらにベース118に固定された第2スリーブ部材132で受け止めている。
第2スリーブ部材132は、第1スリーブ部材131の外周側でかつ開放端側に当接するように配置される略円環状の部材である。連通路111bは、スリーブ111を軸方向に貫通するように形成された貫通穴であって、上述した第1スリーブ部材131と第2スリーブ部材132との間に形成される。連通路111bは第1スリーブ部材131または第2スリーブ部材132に形成された溝であってもよい。
第3スリーブ部材133は、図9に示すように、ロータハブ115と対向する面における径方向外側の位置に、スラスト動圧発生溝133aを有している。また、第3スリーブ部材133は、第1スリーブ部材131との間の隙間に、第1流体溜まり部127を外気と連通させる換気路128を形成する。換気路128は第1スリーブ部材131または第3スリーブ部材133に形成された溝であってもよいし、第2スリーブ部材132の内周面と外周面を貫通する孔であってもよい。
連通孔111dは、スリーブ11を軸方向に貫通するように形成された貫通穴であって、上述した第1スリーブ部材131と第3スリーブ部材133との間に形成される。連通路111dは第1スリーブ部材131または第3スリーブ部材133に形成された溝であってもよい。
これらの連通孔111b、111dは、非対称なラジアル動圧発生溝111c等によって生成される潤滑流体126の循環力によって、軸受部を含む隙間内において潤滑流体126を循環させる。このような構造によって、潤滑流体126は、ラジアル軸受部→連通路111b→第1流体溜り部127→連通路111d→第2流体溜り部122→ラジアル軸受部という循環経路で循環する。ラジアル軸受部等で発生した気泡は第1流体溜り部127において気液分離され、換気路128から排出される。
なお、ラジアル動圧発生溝111cは、スリーブ111の内周面側ではなく、シャフト112の外周面側に形成されていてもよい。また、ラジアル動圧発生溝111cとしては、ヘリングボーン形状ではなく、2つのスパイラル形状(略ハの字形状)であってもよい。さらに、ラジアル軸受部とスラスト軸受部の双方の特性を備える円錐軸受でもよい。
[流体軸受装置70の潤滑流体の注油]
図10を用いて本実施の形態の流体軸受装置70への潤滑流体126の注油方法とそれに関する構造を説明する。
まず、ロータハブ115を含んだ流体軸受装置70を、減圧した真空チャンバー内に配置する。(第1の圧力)その後、図10の潤滑流体150を給液装置(図示せず)からディスペンサ(図示せず)等を介して滴下する。このとき、ロータハブ115の垂下部115aの端面最外周部には突出部115bを設けてもよい。これによって、所定量の潤滑流体150を垂下部115aから漏れ出すことなく保持できる。またはこの突出部115bの代わりに撥油剤を塗布してもよい。
また、このとき潤滑流体150によって、スリーブ111に設けた換気路128が塞がれていることが必要である。
その後、真空チャンバー内を第1の圧力よりも高い圧力(第2の圧力)に昇圧して、潤滑流体150を軸受内に押し込む。通常は大気圧に戻している。このとき、スリーブ111に設けた換気路128は塞がれているので、潤滑流体150はテーパ部121から軸受内に入り込む。
十分な量の潤滑流体が軸受内に行きわたった後で、換気路128が開くような位置関係とすることが望ましい。このときは必ずしも換気路128は開く必要はない。
次に、軸受内外の余分な潤滑流体を吸引することで適正な量に調整する。
[流体軸受装置70の潤滑流体量の調整]
潤滑流体量の調整は、図11、12で説明した方法と同様である。
潤滑流体を注油した後、テーパ部121に吸引管を差し込んで、余分な潤滑流体を吸引する。そのためには、第1流体溜まり部127の気液境界面126aを観察しなければならない。そのために本発明においては、第3スリーブ部材133を透光性を有する材料で形成している。具体的には、例えば透光性樹脂である。透光性樹脂としては、ポリエーテルイミド(PEI)やポリエーテルスルホン(PES)が考えられる。もちろん第3スリーブ部材133の全体を透光性を有する材料で形成する必要はなく、少なくとも一部を透光性を有する材料で形成した透光部を有していればよい。この透光部は潤滑流体量の調整のために、気液境界面126aが観察できることが必要である。
なお、この構造において、適正な潤滑流体量を観察できるように垂下部115aの少なくとも一部は、透光性を有する材料で形成してもよい。具体的には、例えば透光性樹脂である。透光性樹脂としては、ポリエーテルイミド(PEI)やポリエーテルスルホン(PES)が考えられる。
(実施の形態3)
本発明の他の実施の形態を、図13を用いて説明する。
[流体軸受装置80の構成]
流体軸受装置80は、図13に示すように、スリーブ211、シャフト212、スラストフランジまたは抜け止め板213、スラスト板214、ロータハブ215、テーパシール部221、および流体溜り部(潤滑流体溜り部)222等を有している。スリーブ211の内周面とシャフト212の外周面の少なくとも一方にはラジアル動圧軸受溝211cが形成されている。スリーブ211の上部外周面を覆うようにロータハブ215から垂下部215aが形成されている。この構造においては、適正な潤滑流体量を観察できるように垂下部215aの少なくとも一部は、透光性を有する材料で形成している。具体的には、例えば透光性樹脂である。透光性樹脂としては、ポリエーテルイミド(PEI)やポリエーテルスルホン(PES)が考えられる。
(他の実施の形態)
(A)
上記実施形態では、ロータハブとスリーブとの対向面の間の隙間にスラスト軸受部(スラスト動圧発生溝)を配置した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ロータハブとスリーブとの対向面の間にスラスト軸受部を配置することなく、シャフトと一体的に回転するスラストフランジとスラスト板との対向面の間、あるいはスラストフランジとスリーブとの対向面の間にスラスト軸受部を配置してもよい。
ただし、流体軸受装置における力点にできる限り近い位置、かつ径方向において最大の位置において動圧を発生させることで回転側部材のバランスをとりやすくするという点では、上記実施形態のように、ロータハブとスリーブとの対向面の間にスラスト軸受部を配置することがより好ましい。
(B)
上記実施形態では、シャフトに対してスラストフランジが取り付けられた、いわゆるフランジタイプの流体軸受装置を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、シャフトに対してフランジ部がない、いわゆるフランジレスタイプの流体軸受装置であってもよい。この場合には、連通穴が形成された抜け止め部材を設けることにより、シャフトがスリーブの軸受孔内から抜けてしまうことを回避することができる。
(C)
上記実施形態では、第1流体溜まり部におけるシール機能を、径方向隙間の大きさを周方向において変化させることで付与した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記シール機構としては、第1潤滑流体溜まり部の径方向に沿った断面積の大きさを周方向において変化させることで付与すればよい。すなわち、周方向において大きさを変化させるのは、径方向隙間の大きさ以外にも、軸方向隙間の大きさであってもよいし、径方向および軸方向の双方の隙間であってもよい。
(D)
上記実施形態では、流体軸受装置内の隙間に充填された潤滑流体を循環させる循環力を付与するために、ラジアル動圧発生溝を非対称溝として形成した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、スラスト動圧発生溝を非対称溝として形成してスラスト軸受部側において循環力を発生させるような構成であってもよい。あるいは、ラジアル・スラスト動圧発生溝の双方を非対称溝として形成し、潤滑流体に対して装置内で循環する力を付与するような構成であってもよい。
(E)
上記実施形態では、スリーブを構成する材料として、鉄、鉄合金、銅、銅合金等の金属材料を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記金属材料以外にも、アルミ等の焼結金属やSUS、真鍮、鍛造品等を用いることができる。
(F)
上記実施形態では、ラジアル軸受部およびスラスト軸受部を含む流体軸受装置を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、コニカル軸受を含む流体軸受装置に対して、本発明を適用することも可能である。
(G)
上記実施形態では、本発明に係る流体軸受装置20を、スピンドルモータ10に対して搭載した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図14に示すように、記録再生ディスク91に対して記録再生を行う記録ヘッド92を有する磁気記録再生装置(記録再生装置、情報処理装置)90に搭載されるスピンドルモータ93(流体軸受装置94)に対しても本発明の適用は当然に可能である。
また、記録再生装置としては、磁気記録再生装置に限らず、例えば、光ディスク等の他の記録再生装置に対しても搭載可能である。
さらには、情報処理装置として、CPUに搭載される冷却ファンを回転させるスピンドルモータに含まれる流体軸受装置としても本発明の適用は可能である。
本発明の流体軸受装置は、ラジアル軸受部の軸方向長さを十分に確保して軸受の角度剛性を向上させることができるとともに、スリーブ内部等に潤滑流体溜り部が形成されても、気液境界面を観察しながら潤滑流体量の調整ができるという効果を奏することから、各種情報処理装置に搭載される流体軸受装置に対して広く適用可能である。
本発明の一実施形態に係る流体軸受装置を搭載したスピンドルモータの構成を示す断面図 図1のスピンドルモータに搭載された流体軸受装置の構成を示す拡大断面図 図2のA−A線矢視断面図 図2の流体軸受装置に含まれるスリーブ内に形成される連通路と第1潤滑流体溜り部とが交差する構成を示す概念図 本発明の一実施形態に係る流体軸受装置の潤滑流体の滴下状態を表す断面図 本発明の一実施形態に係る流体軸受装置の構成を示す断面図 本発明の一実施形態に係る流体軸受装置の構成を示す断面図 本発明の第2の実施形態に係る流体軸受装置を搭載したスピンドルモータの構成を示す断面図 図8のスピンドルモータに搭載された流体軸受装置の構成を示す拡大断面図 本発明の一実施形態に係る流体軸受装置の潤滑流体の滴下状態を表す断面図 本発明の一実施形態に係る流体軸受装置の潤滑流体の観察状態を表す断面図 本発明の一実施形態に係る流体軸受装置の潤滑流体の観察状態を表す断面図 本発明の第3の実施形態に係る流体軸受装置を搭載したスピンドルモータの構成を示す断面図 情報装置を表す断面図
符号の説明
11 スリーブ
11a 軸受孔
11b 連通路
11c ラジアル動圧発生溝(動圧軸受部を形成)
12 シャフト(軸)
13 スラストフランジ(または抜け止め板)
14 スラスト板(または閉塞版)
15 ロータハブ
15a 垂下部
16 ロータマグネット
17 ステータコア
18 ベース
19 吸引板
20 流体軸受装置
21 シール部
22 潤滑流体溜り部(第2潤滑流体溜り部)
26 潤滑流体
27 潤滑流体溜り部(第1潤滑流体溜り部)
28 換気路
31 第1スリーブ部材
32 第2スリーブ部材
32a スラスト動圧発生溝(動圧軸受部を形成)
32b 連通路
40 ディスク(記録再生ディスク)
41 ディスクスペーサ

Claims (23)

  1. 軸と、
    前記軸が装填される軸受孔を有するスリーブと、
    前記軸と前記スリーブとの間の隙間に配置された動圧軸受部と、
    前記動圧軸受部を含む隙間に充填される潤滑流体と、
    前記スリーブの内部または外周部近傍に配置され、前記動圧軸受部に対して供給される前記潤滑流体を貯留する潤滑流体溜り部と、
    前記潤滑流体溜り部と外気とを連通させる換気路と、
    前記軸の一端に固定され、前記軸と一体的に回転すると共に、前記スリーブとの対向面から突出した略円環状の垂下部を有するハブと、
    前記潤滑流体溜り部と連通しかつ外気とも連通する、前記スリーブの外周面と前記ハブの垂下部の内周面との間の隙間に配置され、前記潤滑流体を保持するシール部と、
    前記スリーブの少なくとも一部に形成されており、前記潤滑流体溜り部における前記潤滑流体の気液境界面を外部から観察可能とするように、透光性材料で形成された透光部と、
    を備えている流体軸受装置。
  2. 前記潤滑流体溜り部は、前記スリーブ一部に軸方向に沿っての内部に設けられており、前記潤滑流体を略円環状の空間内に貯留する、
    請求項1に記載の流体軸受装置。
  3. 前記スリーブにおける前記軸受孔の開放端側と閉鎖端側とを連通させる連通路を、さらに備えており、
    前記潤滑流体溜り部は、前記スリーブの一部に軸方向に沿って形成されており、前記連通路と交差している
    請求項1または2に記載の流体軸受装置。
  4. 前記潤滑流体溜り部は、前記連通路と交差する位置の近傍において、径方向に沿った断面が最小となる最小隙間部を有する、
    請求項3に記載の流体軸受装置。
  5. 前記潤滑流体溜り部は、前記換気路の近傍において、径方向に沿った断面が最大となる最大隙間部を有する、
    請求項3または4に記載の流体軸受装置。
  6. 前記潤滑流体溜り部は、周方向に沿って、前記換気路側から前記連通路側に向かって、径方向に沿った断面が小さくなっていくように形成されている、
    請求項3から5のいずれか1項に記載の流体軸受装置。
  7. 前記スリーブは、複数の部材を組み合わせて構成されている、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の流体軸受装置。
  8. 前記透光性材料は、透光性樹脂である、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の流体軸受装置。
  9. 前記透光性樹脂は、ポリエーテルイミド(PEI)またはポリエーテルスルホン(PES)である、
    請求項8に記載の流体軸受装置。
  10. 軸と、
    前記軸が装填される軸受孔を有するスリーブと、
    前記軸と前記スリーブとの間の隙間に配置された動圧軸受部と、
    前記動圧軸受部を含む隙間に充填される潤滑流体と、
    前記スリーブの内部または外周部近傍に配置され、前記動圧軸受部に対して供給される前記潤滑流体を貯留する潤滑流体溜り部と、
    前記潤滑流体溜り部と外気とを連通させる換気路と、
    前記軸の一端に固定され、前記軸と一体的に回転すると共に、前記スリーブとの対向面から突出した略円環状の垂下部を有するハブと、
    前記潤滑流体溜り部と連通しかつ外気と連通する、前記スリーブの外周面と前記ハブの垂下部の内周面との間の隙間に配置され、前記潤滑流体を保持するシール部と、
    前記ハブの垂下部の少なくとも一部に形成されており、前記シール部における前記潤滑流体の気液境界面を外部から観察可能とするように、透光性材料で形成された透光部と、
    を備えている流体軸受装置。
  11. 前記透光性材料は、透光性樹脂である、
    請求項10に記載の流体軸受装置。
  12. 前記透光性樹脂は、ポリエーテルイミド(PEI)またはポリエーテルスルホン(PES)である、
    請求項11に記載の流体軸受装置。
  13. 前記スリーブの外周の少なくとも一部に形成されており、前記潤滑流体の気液境界面を外部から拡大して観察可能とするように、光を屈折させる凸部または凹部を、さらに備えている、
    請求項1から12のいずれか1項に記載の流体軸受装置。
  14. 前記スリーブの外周面の前記換気路の近傍に形成されており、前記潤滑流体の気液境界面を乱反射なく外部から観察可能とするように、平面部または多角形面部を、さらに備えている、
    請求項1から12のいずれか1項に記載の流体軸受装置。
  15. 軸と、
    前記軸が装填される軸受孔を有するスリーブと、
    前記軸と前記スリーブとの間の隙間に配置された動圧軸受部と、
    前記スリーブの内部または外周部近傍に配置され、前記動圧軸受部に対して供給される潤滑流体を貯留する潤滑流体溜り部と、
    前記軸の一端に固定され、前記軸と一体的に回転すると共に、前記スリーブとの対向面から突出した略円環状の垂下部を有するハブと、
    前記潤滑流体溜り部と連通しかつ外気とも連通する、前記スリーブの外周面と前記ハブの垂下部の内周面との間の隙間に配置され、前記潤滑流体を保持するシール部と、
    前記潤滑流体溜り部と外気とを連通させ、前記ハブの垂下部の端面と、前記シール部と、前記スリーブの外周面とからなる領域に軸受内部に充填する量の潤滑流体を給液した状態で、保持した前記潤滑流体によって閉塞される位置に形成される換気路と、
    を備えている流体軸受装置。
  16. 軸と、
    前記軸が装填される軸受孔を有するスリーブと、
    前記軸と前記スリーブとの間の隙間に配置された動圧軸受部と、
    前記動圧軸受部を含む隙間に充填される潤滑流体と、
    前記スリーブの端部または外周部近傍に配置され、前記動圧軸受部に対して供給される前記潤滑流体を貯留する潤滑流体溜り部と、
    前記軸の一端に固定され、前記軸と一体的に回転すると共に、前記スリーブの外周部との対向面から突出した略円環状の垂下部を有するハブと、
    前記潤滑流体溜り部と連通しかつ外気と連通する、前記スリーブの外周面と前記ハブの垂下部の内周面との間の隙間に配置され、前記潤滑流体を保持するシール部と、
    前記ハブの垂下部の少なくとも一部に形成されており、前記シール部における前記潤滑流体の気液境界面を外部から観察可能とするように、透光性材料で形成された透光部と、
    を備えている流体軸受装置。
  17. 前記透光性材料は、透光性樹脂である、
    請求項16に記載の流体軸受装置。
  18. 前記透光性樹脂は、ポリエーテルイミド(PEI)またはポリエーテルスルホン(PES)である、
    請求項17に記載の流体軸受装置。
  19. 請求項1から18のいずれか1項に記載の流体軸受装置と、
    前記流体軸受装置の回転側部材に取り付けられたロータマグネットと、
    前記ロータマグネットに対して回転力を付与する、複数のコイルが巻回されたステータコアと、
    を備えたスピンドルモータ。
  20. 請求項19に記載のスピンドルモータを備えている情報装置。
  21. 軸と、
    前記軸が装填される軸受孔を有するスリーブと、
    前記軸と前記スリーブとの間の隙間に配置された動圧軸受部と、
    前記スリーブの内部または外周部近傍に配置され、前記動圧軸受部に対して供給される潤滑流体を貯留する潤滑流体溜り部と、
    前記潤滑流体溜り部と外気とを連通させる換気路と、
    前記軸の一端に固定され、前記軸と一体的に回転すると共に、前記スリーブとの対向面から突出した略円環状の垂下部を有するハブと、
    前記潤滑流体溜り部と連通しかつ外気とも連通する、前記スリーブの外周面と前記ハブの垂下部の内周面との間の隙間に配置され、前記潤滑流体を保持するシール部と、
    を備えた流体軸受装置の製造装置であって、
    前記流体軸受装置に必要な量より多い潤滑流体を軸受内に注油した後、余分な潤滑流体を除去して適正量に調整する工程において使用され、適正量に相当する気液境界面の位置近傍に配置された観測撮影装置を、
    備えている流体軸受装置の製造装置。
  22. 前記観測撮影装置の照明は、多点照明または複数照明である、
    請求項21に記載の流体軸受装置の製造方法。
  23. 前記観測撮影装置の観測撮影は、気液境界面を反射ミラーを用いて観測撮影する、
    請求項21または22に記載の流体軸受装置の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012005339A (ja) * 2010-06-15 2012-01-05 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd モーター及び記録ディスク駆動装置
CN103580363A (zh) * 2012-08-10 2014-02-12 三星电机株式会社 主轴电机

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