JP2010084088A - オキシメチレン共重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】共重合成分である1,3−ジオキセパンの添加量を高くすることができるオキシメチレン共重合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】トリオキサンに対して、1,3−ジオキセパンを1〜100mol%共重合させるオキシメチレン共重合体の製造方法において、重合収率が30%〜80%で重合停止剤を添加し、重合停止することを特徴とするオキシメチレン共重合体の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】トリオキサンに対して、1,3−ジオキセパンを1〜100mol%共重合させるオキシメチレン共重合体の製造方法において、重合収率が30%〜80%で重合停止剤を添加し、重合停止することを特徴とするオキシメチレン共重合体の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、トリオキサンと1,3−ジオキセパンを共重合してオキシメチレン共重合体を製造する方法に関する。
オキシメチレン共重合体は、機械的特性、熱的特性、電気的特性、摺動性、および成形性等において優れた特性を持っており、構造材料や機構部品等として電気機器、自動車部品、および精密機械部品等に広く使用されている。
一般的にオキシメチレン共重合体は、ホルムアルデヒドまたはその環状オリゴマーであるトリオキサンやテトラオキサンとこれらと共重合可能なモノマーとを共重合させて得られる。重合方法としては、重合の進行に伴い、塊状及び粉状化した固体のポリマーが得られる塊状重合法が用いられる。重合装置としては、2軸スクリュー式連続押出混練機、2軸のパドル型連続混合機などのセルフクリーニング機能を備えたニーダーを用いて、塊状化した共重合体を連続的に得ることを特徴とし、スケールの付着や共重合体のフィード不良を防ぐために、極めて高い重合収率となるように設定することが求められる。
このため、オキシメチレン共重合体の従来の製造方法では、高い重合収率が求められるために、トリオキサンとの共重合成分、たとえばエチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,3−プロパンジオールホルマール、1,3−ジオキセパン、1,5−ペンタンジオールホルマール及び1,6−ヘキサンジオールホルマールなどの共重合成分の添加量に上限がある。
一般的にオキシメチレン共重合体は、ホルムアルデヒドまたはその環状オリゴマーであるトリオキサンやテトラオキサンとこれらと共重合可能なモノマーとを共重合させて得られる。重合方法としては、重合の進行に伴い、塊状及び粉状化した固体のポリマーが得られる塊状重合法が用いられる。重合装置としては、2軸スクリュー式連続押出混練機、2軸のパドル型連続混合機などのセルフクリーニング機能を備えたニーダーを用いて、塊状化した共重合体を連続的に得ることを特徴とし、スケールの付着や共重合体のフィード不良を防ぐために、極めて高い重合収率となるように設定することが求められる。
このため、オキシメチレン共重合体の従来の製造方法では、高い重合収率が求められるために、トリオキサンとの共重合成分、たとえばエチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,3−プロパンジオールホルマール、1,3−ジオキセパン、1,5−ペンタンジオールホルマール及び1,6−ヘキサンジオールホルマールなどの共重合成分の添加量に上限がある。
例えば、トリオキサンとの共重合成分として1,3−ジオキソランを使用しており(特許文献1参照)、1,3−ジオキソランの添加量は1.7〜20mol%と明細書中に記載されているが、実際に実施例で確認されているのは2.3mol%までであり、これ以上は示唆もされていなかった。また、トリオキサンとの共重合成分として使用している1,3−ジオキソランの添加量が0〜30mol%と明細書中に記載されているが(特許文献2参照)、実際に実施例において確認されているのは、1,3−ジオキソランでは4.2mol%、1,3−ジオキセパンでは3mol%の添加量までであり、これ以上は示唆もされていなかった。
本発明者らが検討したところ、トリオキサンとの共重合成分の添加量を一定量以上に増加させた場合に、重合収率が低下し、オキシメチレン共重合体が未反応モノマーで膨潤した状態で得られ、従来の重合装置を使用した場合、スケールの付着や共重合体のフィード不良がおきることが分かった。
一方、従来技術において、高い重合収率でオキシメチレン共重合体を得る方法は、触媒量の増量であるが、触媒量の単純な増加は不安定部分の生成を促進し、好ましくなかった。
特開2003−064141号公報
国際公開第2001/002453号パンフレット
本発明者らが検討したところ、トリオキサンとの共重合成分の添加量を一定量以上に増加させた場合に、重合収率が低下し、オキシメチレン共重合体が未反応モノマーで膨潤した状態で得られ、従来の重合装置を使用した場合、スケールの付着や共重合体のフィード不良がおきることが分かった。
一方、従来技術において、高い重合収率でオキシメチレン共重合体を得る方法は、触媒量の増量であるが、触媒量の単純な増加は不安定部分の生成を促進し、好ましくなかった。
本発明の目的は、上記の課題を解決することにあり、具体的には共重合成分である1,3−ジオキセパンの添加量を高くすることができるオキシメチレン共重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者は、従来の課題を解決すべく鋭意検討した結果、オキシメチレン共重合体の重合収率が30%〜80%で重合停止剤を添加し、重合停止することにより、共重合成分である1,3−ジオキセパンの添加量を高くすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すオキシメチレン共重合体の製造方法に関する。
(1)トリオキサンに対して、1,3−ジオキセパンを1〜100mol%共重合させるオキシメチレン共重合体の製造方法において、重合収率が30%〜80%で重合停止剤を添加し、重合停止することを特徴とするオキシメチレン共重合体の製造方法。
(2)オキシメチレン共重合体のシリンダー温度190℃でのメルトインデックスが0.1〜100g/10分である(1)記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(3)常圧〜微圧窒素雰囲気下で、重合温度60〜120℃、重合時間5〜90分であることを特徴とする(1)記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(4)トリオキサンと1,3−ジオキセパンとの重合反応を停止した後、得られた重合体を、下記(a)〜(c)から選ばれる1以上の工程により処理することを特徴とする(1)記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(a)得られた重合体を、重合停止剤を含有した貧溶媒と接触させて重合体を析出し、分離する工程
(b)得られた重合体を良溶媒と接触させ、未反応モノマーを良溶媒中へ抽出した後、該抽出液を蒸留分離し、未反応モノマーを回収する工程
(c)得られた重合体から未反応モノマーを気化し、未反応モノマーを分離・回収する工程
(5)回収された未反応モノマーを重合反応に使用することを特徴とする(4)記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
すなわち、本発明は以下に示すオキシメチレン共重合体の製造方法に関する。
(1)トリオキサンに対して、1,3−ジオキセパンを1〜100mol%共重合させるオキシメチレン共重合体の製造方法において、重合収率が30%〜80%で重合停止剤を添加し、重合停止することを特徴とするオキシメチレン共重合体の製造方法。
(2)オキシメチレン共重合体のシリンダー温度190℃でのメルトインデックスが0.1〜100g/10分である(1)記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(3)常圧〜微圧窒素雰囲気下で、重合温度60〜120℃、重合時間5〜90分であることを特徴とする(1)記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(4)トリオキサンと1,3−ジオキセパンとの重合反応を停止した後、得られた重合体を、下記(a)〜(c)から選ばれる1以上の工程により処理することを特徴とする(1)記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(a)得られた重合体を、重合停止剤を含有した貧溶媒と接触させて重合体を析出し、分離する工程
(b)得られた重合体を良溶媒と接触させ、未反応モノマーを良溶媒中へ抽出した後、該抽出液を蒸留分離し、未反応モノマーを回収する工程
(c)得られた重合体から未反応モノマーを気化し、未反応モノマーを分離・回収する工程
(5)回収された未反応モノマーを重合反応に使用することを特徴とする(4)記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
本発明における原料モノマーはホルムアルデヒドの環状三量体であるトリオキサンであり、共重合体としては1,3−ジオキセパンが用いられる。1,3−ジオキセパンの添加量は、トリオキサンに対して1〜100mol%、より好ましくは8〜50mol%である。1,3−ジオキセパンの使用量が100mol%より多い場合は熱安定性が低下し、1mol%より少ない場合は所望の重合収率にコントロールするのが難しくなる。
本発明の重合触媒としては、一般のカチオン活性触媒が用いられる。このようなカチオン活性触媒としては、ルイス酸、殊にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素およびアンチモン等のハロゲン化物、例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素および五フッ化アンチモン、およびその錯化合物または塩の如き化合物、プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸、プロトン酸のエステル、殊にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル、プロトン酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合無水物、あるいは、トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート、ヘテロポリ酸またはその酸性塩、イソポリ酸またはその酸性塩などが挙げられる。特に三フッ化ホウ素を含む化合物、あるいは三フッ化ホウ素水和物および配位錯体化合物が好適であり、エーテル類との配位錯体である三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートは特に好ましい。
本発明の重合触媒としては、一般のカチオン活性触媒が用いられる。このようなカチオン活性触媒としては、ルイス酸、殊にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素およびアンチモン等のハロゲン化物、例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素および五フッ化アンチモン、およびその錯化合物または塩の如き化合物、プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸、プロトン酸のエステル、殊にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル、プロトン酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合無水物、あるいは、トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート、ヘテロポリ酸またはその酸性塩、イソポリ酸またはその酸性塩などが挙げられる。特に三フッ化ホウ素を含む化合物、あるいは三フッ化ホウ素水和物および配位錯体化合物が好適であり、エーテル類との配位錯体である三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートは特に好ましい。
本発明の重合法において、オキシメチレン共重合体の分子量調節のために、必要ならば適当な分子量調節剤を用いても良い。分子量調節剤としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、エステル、アミド、イミド、フェノ−ル類、アセタール化合物などが挙げられる。特にフェノール、2,6−ジメチルフェノール、メチラール、ポリオキシメチレンジメトキシドは好適に用いられ、最も好ましいのはメチラールである。分子量調節剤は単独あるいは溶液の形で使用される。溶液中で重合する場合、溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
本発明に用いられる重合装置は、バッチ式、連続式のいずれでも可能であり、バッチ式重合装置としては、一般的に用いられる攪拌機付きの反応槽や二軸型混練機が使用できる。連続式重合装置としては、緻密な温度制御機能、攪拌能力を備えた専用混合機が使用できる。その他、2種以上のタイプの重合機を組み合わせて使用することもできる。
本発明の実施における重合条件は、常圧〜微圧窒素雰囲気下で重合温度は60〜120℃に、好ましくは65〜80℃の範囲に保たれるのが好ましい。重合温度が120℃より高いと熱安定性が低下する。また重合収率をコントロールすることが難しくなる。一方60℃より低い場合は、重合収率が極端に低下する。
本発明の実施において重合時間は、5〜90分の重合時間が選ばれ、特に10〜60分とするのが好ましい。重合時間が5分より短い場合は重合収率又は熱安定性が低下する。
重合を完了した粗重合体は、次いで直ちに失活剤と混合接触させて重合触媒の失活化を行い重合反応を停止することが必要である。本発明では、通常、重合収率が30〜80%、好ましくは50%〜60%に達した時点で触媒を失活させ重合を停止する。
本発明の実施における重合条件は、常圧〜微圧窒素雰囲気下で重合温度は60〜120℃に、好ましくは65〜80℃の範囲に保たれるのが好ましい。重合温度が120℃より高いと熱安定性が低下する。また重合収率をコントロールすることが難しくなる。一方60℃より低い場合は、重合収率が極端に低下する。
本発明の実施において重合時間は、5〜90分の重合時間が選ばれ、特に10〜60分とするのが好ましい。重合時間が5分より短い場合は重合収率又は熱安定性が低下する。
重合を完了した粗重合体は、次いで直ちに失活剤と混合接触させて重合触媒の失活化を行い重合反応を停止することが必要である。本発明では、通常、重合収率が30〜80%、好ましくは50%〜60%に達した時点で触媒を失活させ重合を停止する。
本発明の失活剤としては、三価の有機リン化合物、アミン化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物などが使用できる。アミン化合物としては、一級、二級、三級の脂肪族アミンや芳香族アミン、ヘテロ環アミン、ヒンダードアミン類、その他公知の触媒失活剤が使用できる。例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ―n―ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、アニリン、ジフェニルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリンなどが使用できる。これらの中で特に三価の有機リン化合物および三級アミンは好ましく、トリフェニルホスフィンが最も好適である。
失活剤を溶液、懸濁液の形態で使用する場合、使用される溶剤は特に限定されるものではないが、水、アルコール類の他、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等の各種の脂肪族及び芳香族の有機溶媒が使用可能である。
いずれの場合も失活処理は、粗重合体に均一に失活剤が分散することが好ましく、このためには粗重合体と失活剤を十分に攪拌し混合接触させることが好ましい。十分に混合接触されない場合は、失活剤と触媒の反応は完結せず、従って残存した触媒によって徐々に解重合が進行して分子量低下を生じる。
失活処理は、重合槽内で行っても粗重合体を重合機から排出した後に行ってもよく、粗重合体を失活剤と混合接触させて重合触媒の失活化を行い重合反応を停止する。失活処理をした共重合体は、貧溶媒中に析出させて回収してもよく、この場合貧溶媒中に重合停止剤を含有させてさらに失活処理を行ってもよい。貧溶媒は、粗重合体の析出、固化を促すために60℃以下の温度に保つことが好ましい。
また、粗重合体を重合停止剤を含有した貧溶媒中に析出させて回収してもよく、析出した重合物を分離、回収し、粉砕機を用いて粉砕した後に更に失活剤を加えてもよく、また失活剤の存在下で粉砕と攪拌を同時に行ってもよい。
いずれの場合も失活処理は、粗重合体に均一に失活剤が分散することが好ましく、このためには粗重合体と失活剤を十分に攪拌し混合接触させることが好ましい。十分に混合接触されない場合は、失活剤と触媒の反応は完結せず、従って残存した触媒によって徐々に解重合が進行して分子量低下を生じる。
失活処理は、重合槽内で行っても粗重合体を重合機から排出した後に行ってもよく、粗重合体を失活剤と混合接触させて重合触媒の失活化を行い重合反応を停止する。失活処理をした共重合体は、貧溶媒中に析出させて回収してもよく、この場合貧溶媒中に重合停止剤を含有させてさらに失活処理を行ってもよい。貧溶媒は、粗重合体の析出、固化を促すために60℃以下の温度に保つことが好ましい。
また、粗重合体を重合停止剤を含有した貧溶媒中に析出させて回収してもよく、析出した重合物を分離、回収し、粉砕機を用いて粉砕した後に更に失活剤を加えてもよく、また失活剤の存在下で粉砕と攪拌を同時に行ってもよい。
本発明において重合触媒の失活を行った共重合体は、未反応モノマーの分離回収工程を経て安定化工程に送られる。
未反応モノマーの分離回収は、未反応モノマーを良溶媒中に抽出し、蒸留分離、回収してもよく、また未反応モノマーを気化させて重合系から分離、回収してもよい。
具体的には、トリオキサンと1,3−ジオキセパンとの重合反応を停止した後、得られた重合体を、下記(1)〜(3)から選ばれる1以上の工程により処理する。
(1)得られた重合体を、重合停止剤を含有した貧溶媒と接触させて重合体を析出し、分離する工程
(2)得られた重合体を良溶媒と接触させ、未反応モノマーを良溶媒中へ抽出した後、該抽出液を蒸留分離し、未反応モノマーを回収する工程
(3)得られた重合体から未反応モノマーを気化し、未反応モノマーを分離・回収する工程
更に、上記回収された未反応モノマーを、重合反応に使用することが可能である。
未反応モノマーの分離回収は、未反応モノマーを良溶媒中に抽出し、蒸留分離、回収してもよく、また未反応モノマーを気化させて重合系から分離、回収してもよい。
具体的には、トリオキサンと1,3−ジオキセパンとの重合反応を停止した後、得られた重合体を、下記(1)〜(3)から選ばれる1以上の工程により処理する。
(1)得られた重合体を、重合停止剤を含有した貧溶媒と接触させて重合体を析出し、分離する工程
(2)得られた重合体を良溶媒と接触させ、未反応モノマーを良溶媒中へ抽出した後、該抽出液を蒸留分離し、未反応モノマーを回収する工程
(3)得られた重合体から未反応モノマーを気化し、未反応モノマーを分離・回収する工程
更に、上記回収された未反応モノマーを、重合反応に使用することが可能である。
安定化工程では、下記(1)および(2)に記載される安定化方法を採用することができる。
(1)上記で得られたオキシメチレン共重合体を加熱溶融して、不安定部分を除去する方法。
(2)上記で得られたオキシメチレン共重合体を水性媒体中で加水分解して、不安定部分を除去する方法。
これらの方法により安定化した後、ペレット化し、安定化された成形可能なオキシメチレン共重合体を得ることができる。
上記の方法のうち、(1)の方法が(2)の方法に比べて、工程が単純であり、工業的方法として好ましい。すなわち、(1)の方法を採用する場合は、オキシメチレン共重合体をその溶融温度から100℃高い温度までの範囲で、760〜0.1Torrの圧力下において溶融混練することが好ましい。処理温度がオキシメチレン共重合体の溶融温度より低い場合は、不安定部分の分解温度が不充分となり、安定化の効果が得られない。また、その溶融温度から100℃高い温度を越える場合は、黄変を起こしたり、熱によるポリマーの主鎖分解を起こしたり、同時に不安定部分が生成し熱安定性を損なう結果となり好ましくない。また、処理時の圧力としては、760Torrより高い場合は、不安定部分の分解により生じた分解ガスを系外に除去する効果が低く、充分な安定化効果が得られない。また0.1Torrより低い場合は、このような高減圧度を得るための装置が高価となり、工業的不利益が生ずるばかりでなく、吸引ベント口より溶融樹脂が流出し易くなり、運転上のトラブルを起こしやすく好ましくない。
また、本発明において、上記安定化処理に用いる装置としては、単軸または2軸以上のベント付押出機を使用することができる。押出機は必要な滞留時間を得るために、2台以上の押出機を直列に配置する方法は有利な方法である。これらの安定化処理に際して、オキシメチレン共重合体の溶融混練時に、酸化防止剤、熱安定剤等の安定剤を添加して安定化処理を行うことができる。
(1)上記で得られたオキシメチレン共重合体を加熱溶融して、不安定部分を除去する方法。
(2)上記で得られたオキシメチレン共重合体を水性媒体中で加水分解して、不安定部分を除去する方法。
これらの方法により安定化した後、ペレット化し、安定化された成形可能なオキシメチレン共重合体を得ることができる。
上記の方法のうち、(1)の方法が(2)の方法に比べて、工程が単純であり、工業的方法として好ましい。すなわち、(1)の方法を採用する場合は、オキシメチレン共重合体をその溶融温度から100℃高い温度までの範囲で、760〜0.1Torrの圧力下において溶融混練することが好ましい。処理温度がオキシメチレン共重合体の溶融温度より低い場合は、不安定部分の分解温度が不充分となり、安定化の効果が得られない。また、その溶融温度から100℃高い温度を越える場合は、黄変を起こしたり、熱によるポリマーの主鎖分解を起こしたり、同時に不安定部分が生成し熱安定性を損なう結果となり好ましくない。また、処理時の圧力としては、760Torrより高い場合は、不安定部分の分解により生じた分解ガスを系外に除去する効果が低く、充分な安定化効果が得られない。また0.1Torrより低い場合は、このような高減圧度を得るための装置が高価となり、工業的不利益が生ずるばかりでなく、吸引ベント口より溶融樹脂が流出し易くなり、運転上のトラブルを起こしやすく好ましくない。
また、本発明において、上記安定化処理に用いる装置としては、単軸または2軸以上のベント付押出機を使用することができる。押出機は必要な滞留時間を得るために、2台以上の押出機を直列に配置する方法は有利な方法である。これらの安定化処理に際して、オキシメチレン共重合体の溶融混練時に、酸化防止剤、熱安定剤等の安定剤を添加して安定化処理を行うことができる。
使用できる酸化防止剤としては、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等の立体障害性フェノール類が挙げられる。熱安定剤としては、メラミン、メチロ−ルメラミン、ベンゾグアナミン、シアノグアニジン、N,N−ジアリールメラミン等のアミン置換トリアジン類、ポリアミド類、尿素誘導体、ウレタン類等およびナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウムの無機酸塩、水酸化物、有機酸塩等が挙げられる。
また、本発明の方法により製造されたオキシメチレン共重合体には、着色剤、核剤、可塑剤、離型剤、あるいはポリエチレングリコール、グリセリンのような帯電防止剤、ベンゾトリアゾール系またはベンゾフェノン系化合物のような紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系のような光安定剤等の添加剤を所望により添加することができる。
また、本発明の方法により製造されたオキシメチレン共重合体には、着色剤、核剤、可塑剤、離型剤、あるいはポリエチレングリコール、グリセリンのような帯電防止剤、ベンゾトリアゾール系またはベンゾフェノン系化合物のような紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系のような光安定剤等の添加剤を所望により添加することができる。
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでない。なお、実施例、比較例中の用語および測定方法を以下に示す。
重合収率:停止処理を施した、粗共重合体20gを20mlのアセトンに浸した後、濾過し、アセトンで3回洗浄した後、60℃で恒量となるまで真空乾燥を施した。しかる後、精秤し、以下の式により重合収率を得た決定した。
重合収率=M1/M0×100
M0:アセトン処理前の重量
M1:アセトン処理、乾燥後の重量
融解ピーク温度、融解ピークの面積(ΔH):
示差走査熱量計を用いて、50℃室温から10℃/minで昇温して、融解ピーク温度、融解ピークの面積(ΔH)を測定した。
試験片の成形:90℃で2時間予備乾燥したペレットを、ISO 294−1の方法に従い試験片を成形し、成形後のテストピースは、温度23±2℃、相対湿度50±5%の室内で48時間以上経過した後、引張試験、曲げ試験に供した。
引張特性試験:ISO 527−1、ISO 527−2の方法に従って、測定温度23℃、チャック間距離50mm、引張速度50mm/minの条件で引張破断伸び(標線間)、引張り強度(降伏点)を測定した。
曲げ特性試験:ISO 178の方法に従って、測定温度23℃、試験速度2mm/minの条件で曲げ強度、曲げ弾性率を測定した
重合収率=M1/M0×100
M0:アセトン処理前の重量
M1:アセトン処理、乾燥後の重量
融解ピーク温度、融解ピークの面積(ΔH):
示差走査熱量計を用いて、50℃室温から10℃/minで昇温して、融解ピーク温度、融解ピークの面積(ΔH)を測定した。
試験片の成形:90℃で2時間予備乾燥したペレットを、ISO 294−1の方法に従い試験片を成形し、成形後のテストピースは、温度23±2℃、相対湿度50±5%の室内で48時間以上経過した後、引張試験、曲げ試験に供した。
引張特性試験:ISO 527−1、ISO 527−2の方法に従って、測定温度23℃、チャック間距離50mm、引張速度50mm/minの条件で引張破断伸び(標線間)、引張り強度(降伏点)を測定した。
曲げ特性試験:ISO 178の方法に従って、測定温度23℃、試験速度2mm/minの条件で曲げ強度、曲げ弾性率を測定した
〈実施例1〉
重合装置としてZ型翼を有する内容積1000ccの卓上型二軸混練機を用い、バッチ式の重合によりオキシメチレン共重合体の製造を実施した。
ニーダー部を、温水を循環させ70℃に保ち、蓋を取り外した状態でニーダー部をヒートガンで30分以上加熱乾燥した後、蓋を取り付け、系内を窒素置換した。原料投入口よりトリオキサン200g、1,3−ジオキセパン40g(17.65mol%、20phr)を注入し、高速運転しながら攪拌後、所定の触媒量を添加し、重合を開始した。
20分経過した後、トリエチルアミン/ベンゼン溶液を加え反応を停止した。さらに15分間運転後、停止し、系内よりサンプルを採取、トリエチルアミン/メタノール水溶液中に浸漬した。数分後トリエチルアミン/メタノール水溶液中に析出した共重合体を分離、回収し、粉砕した。その後、アセトンに浸した後、濾過し、アセトンで3回洗浄した後、60℃で恒量となるまで真空乾燥を施し粗共重合体を得た。同時に重合収率の測定を行い、50%付近であることを確認した。
また、得られた粗共重合体45重量部に、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(チバガイギー社製、商品名イルガノックス245)0.3重量部、メラミン0.1重量部、水酸化マグネシウム0.05重量部を添加、混合した後、小型ミキサ(株式会社東洋精機製作所社製、商品名ラボプラストミル)に供給し、220℃で20分間溶融混練した。このようにして得られた共重合体を用いて熱物性、機械物性を測定し、その結果を表1に示した。
重合装置としてZ型翼を有する内容積1000ccの卓上型二軸混練機を用い、バッチ式の重合によりオキシメチレン共重合体の製造を実施した。
ニーダー部を、温水を循環させ70℃に保ち、蓋を取り外した状態でニーダー部をヒートガンで30分以上加熱乾燥した後、蓋を取り付け、系内を窒素置換した。原料投入口よりトリオキサン200g、1,3−ジオキセパン40g(17.65mol%、20phr)を注入し、高速運転しながら攪拌後、所定の触媒量を添加し、重合を開始した。
20分経過した後、トリエチルアミン/ベンゼン溶液を加え反応を停止した。さらに15分間運転後、停止し、系内よりサンプルを採取、トリエチルアミン/メタノール水溶液中に浸漬した。数分後トリエチルアミン/メタノール水溶液中に析出した共重合体を分離、回収し、粉砕した。その後、アセトンに浸した後、濾過し、アセトンで3回洗浄した後、60℃で恒量となるまで真空乾燥を施し粗共重合体を得た。同時に重合収率の測定を行い、50%付近であることを確認した。
また、得られた粗共重合体45重量部に、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(チバガイギー社製、商品名イルガノックス245)0.3重量部、メラミン0.1重量部、水酸化マグネシウム0.05重量部を添加、混合した後、小型ミキサ(株式会社東洋精機製作所社製、商品名ラボプラストミル)に供給し、220℃で20分間溶融混練した。このようにして得られた共重合体を用いて熱物性、機械物性を測定し、その結果を表1に示した。
〈実施例2〉
実施例1と同様の方法で、トリオキサン200gに対して、1,3−ジオキセパンの添加量を60g(26.47mol%、30phr)として、重合収率が約50%となる触媒量を添加し得られた共重合体を用いて熱物性、機械物性を測定し、その結果を表1に示した。
実施例1と同様の方法で、トリオキサン200gに対して、1,3−ジオキセパンの添加量を60g(26.47mol%、30phr)として、重合収率が約50%となる触媒量を添加し得られた共重合体を用いて熱物性、機械物性を測定し、その結果を表1に示した。
〈比較例1〉
実施例1と同様の方法で、トリオキサン200gに対して、1,3−ジオキソランの添加量を60g(48.64mol%、40phr)として、重合収率が約50%となる触媒量を添加し得られた共重合体を用いて熱物性、機械物性を測定し、その結果を表1に示した。
実施例1と同様の方法で、トリオキサン200gに対して、1,3−ジオキソランの添加量を60g(48.64mol%、40phr)として、重合収率が約50%となる触媒量を添加し得られた共重合体を用いて熱物性、機械物性を測定し、その結果を表1に示した。
〈比較例2〉
実施例1と同様の方法で、トリオキサン200gに対して、1,3−ジオキセパンの添加量を18g(7.94mol%、9phr)として、重合収率が約95%となる触媒量を添加し得られた共重合体を用いて熱物性、機械物性を測定し、その結果を表1に示した。
実施例1と同様の方法で、トリオキサン200gに対して、1,3−ジオキセパンの添加量を18g(7.94mol%、9phr)として、重合収率が約95%となる触媒量を添加し得られた共重合体を用いて熱物性、機械物性を測定し、その結果を表1に示した。
〈比較例3〉
実施例1と同様の方法で、トリオキサン200gに対して、1,3−ジオキソランの添加量を26g(15.81mol%、13phr)として、重合収率が約95%となる触媒量を添加し得られた共重合体を用いて熱物性、機械物性を測定し、その結果を表1に示した。
実施例1と同様の方法で、トリオキサン200gに対して、1,3−ジオキソランの添加量を26g(15.81mol%、13phr)として、重合収率が約95%となる触媒量を添加し得られた共重合体を用いて熱物性、機械物性を測定し、その結果を表1に示した。
Claims (5)
- トリオキサンに対して、1,3−ジオキセパンを1〜100mol%共重合させるオキシメチレン共重合体の製造方法において、重合収率が30%〜80%で重合停止剤を添加し、重合停止することを特徴とするオキシメチレン共重合体の製造方法。
- オキシメチレン共重合体のシリンダー温度190℃でのメルトインデックスが0.1〜100g/10分である請求項1記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- 常圧〜微圧窒素雰囲気下で、重合温度60〜120℃、重合時間5〜90分であることを特徴とする請求項1記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
- トリオキサンと1,3−ジオキセパンとの重合反応を停止した後、得られた重合体を、下記(1)〜(3)から選ばれる1以上の工程により処理することを特徴とする請求項1記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
(1)得られた重合体を、重合停止剤を含有した貧溶媒と接触させて重合体を析出し、分離する工程
(2)得られた重合体を良溶媒と接触させ、未反応モノマーを良溶媒中へ抽出した後、該抽出液を蒸留分離し、未反応モノマーを回収する工程
(3)得られた重合体から未反応モノマーを気化し、未反応モノマーを分離・回収する工程
- 回収された未反応モノマーを重合反応に使用することを特徴とする請求項4記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
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JP2008257320A JP2010084088A (ja) | 2008-10-02 | 2008-10-02 | オキシメチレン共重合体の製造方法 |
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- 2008-10-02 JP JP2008257320A patent/JP2010084088A/ja active Pending
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